TOPIC No.5-36 奈良県立医大/汚職&アカハラ訴訟等


01.
 奈良県立医科大学
02.
 奈良県立医科大学 アカハラ訴訟
03.
 教授のアカデミック・ハラスメントが発覚した…<研究者のための法律相談 >
04.
 NPO アカデミク・ハラスメントをなくすネットワーク
05.
 ハラスメントのない大学にするために by国立大学法人信州大学
奈良県立医大汚職/アカハラ訴訟等ニュース


「教授のアカハラは事実」 大阪高裁、助手の主張認め逆転判決

2005/08/25 The Sankei Shimbun

 奈良県立医大の名誉教授が、「教授から嫌がらせを受けた」と出版物に書いた部下の女性助手(56)に損害賠償を求めた訴訟で、大阪高裁は25日、名誉棄損を認め助手に33万円の支払いを命じた一審奈良地裁判決を取り消し、名誉教授側の請求を棄却する逆転判決を言い渡した。

 若林諒(わかばやし・まこと)裁判長は判決理由で「記事はアカデミックハラスメントの問題を読者に知らせるという公益が目的で、書かれた事実は重要な部分について真実と認められる」と述べた。

 判決によると、名誉教授が1993年4月、助教授から教授に就任するのに助手が反対し確執が生まれた。教授が助手の出張や兼業を認めず、他大学の助教授に応募するよう勧めたりしたため、助手は教授の行為を列挙し「目障りな私を追い出すための嫌がらせ」と本に記述するなどした。

 助手が嫌がらせを受けたとして教授と県に損害賠償を求めた訴訟は2002年10月、11万円の支払いを命じる県敗訴が最高裁で確定している。(共同)


二審で県の賠償減額 /教授の助手への嫌がらせ 県立医大

2002年01月30日 奈良新聞
 奈良県立医大の公衆衛生学教室の女性助手(52)が「上司の教授に暗に退職を勧められるなどの嫌がらせを受けた」として、県と教授に550万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁の太田幸夫裁判長は29日、県に55万円の賠償を命じた一審判決を変更、賠償額を11万円に減額した。

 平成12年10月の大阪地裁判決は「出張中に助手の部屋の前に廃液を置いた」「応募資格がない他大学の応募を勧めた」「正当な理由なく、他大学との兼業承認申請に押印しなかった」など5つの違法行為を認定したが、太田裁判長は、兼業申請の件以外は「違法な嫌がらせとまでは言えない」とした。

 助手の「教授が権力を利用して助手を追い出すなど、研究を妨害する『アカデミック・ハラスメント』だ」との主張についても、太田裁判長は「そのような把握は必ずしも相当でない」と退けた。

 判決によると、平成5年4月、この教授が別の教室の助教授から公衆衛生学教室の教授に就任後、助手との確執が生まれた。

 県は「内容をよく検討し、対応を考えたい」としている。

奈良県立医大:アカハラ訴訟で県の責任を認定 大阪高裁

2002年01月29日 Mainichi INTERACTIVE
 奈良県立医大の女性助手(52)が教室主任の教授から、研究妨害などの嫌がらせを受けたとして、教授と奈良県に550万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が29日、大阪高裁であった。太田幸夫裁判長は1件の嫌がらせ行為のみ認め、県の損害賠償額を1審・大阪地裁判決の55万円から11万円に減額した。教授に対する請求は棄却した。

 判決などによると、助手は93年9月、学内で助手会を結成し、昇進差別などの問題点を指摘する活動を始めた。教授はこの頃から、助手の出張を認めないなどの嫌がらせ行為を繰り返した。

 教育研究期間での上司による部下への嫌がらせをいう「アカデミック・ハラスメント(アカハラ)」として、助手が訴えた。

人工関節:自己細胞組み込む、移植手術成功 奈良県立医大など

2002年01月28日 Mainichi INTERACTIVE
 奈良県立医科大(橿原市)と経済産業省の独立行政法人・産業技術総合研究所ティッシュエンジニアリング研究センター(大阪府池田市)は28日、患者から採取した骨髄細胞を培養して作った骨を体内に移植する手術に、世界で初めて成功したと発表した。今回は足首の人工関節を患者の骨に接着する技術に用いたが、外傷による骨欠損や骨しゅようなど、さまざまな骨関節疾患への応用が可能という。

 これまでは、セラミック製の人工関節をセメントで患者の骨に接着していたが、年月がたてば緩むなどの問題があった。今回、新技術をこのセメントの役割に用いた。

 患者は変形性足関節症の66歳と70歳の女性。骨髄細胞を採取し、培養した細胞を人工関節の上で、骨を作る骨芽細胞へ分化させ、骨を作らせた。さらに骨が着いた人工関節を移植し、体内の骨と接着させた。2人は12月の手術から約2カ月が経過。痛みは消えて経過も良好という。

 高倉義典・同医大整形外科教授と大串始・同研究所研究センター研究チーム長は「自己細胞を使うので異物反応や免疫反応も起こさない。新たな再生医療への展開が可能だ」と話している。 

奈良県立医大汚職で元名誉教授ら2人に有罪判決

2001年12月07日 ODN News(YOMIURI ON-LINE)
 奈良県立医大(同県橿原市)の医師派遣をめぐる汚職事件で、収賄罪に問われた同医大の元名誉教授・宮本誠司(66)、前付属病院長・中野博重(61)(懲戒免職)両被告の判決公判が7日、大阪地裁で開かれた。上垣猛裁判長は、宮本被告に懲役3年、執行猶予5年、追徴金1170万円(求刑・懲役3年、追徴金1170万円)、中野被告に懲役2年、執行猶予3年、追徴金300万円(同・懲役2年、追徴金300万円)を言い渡した。判決で、上垣裁判長は「民間病院への医師派遣は、医学部教授の職務と密接に関連しており、準職務行為と言える」と初判断を示した。

 医学界では、医大による医師派遣が長年の慣例となってきた一方で、国公立医大と民間病院との不明朗な関係が指摘されていた。医師派遣を教授の準職務行為と認めた今回の判決は、両者に関係の健全化を強く求めるものと言えそうだ。

 判決によると、宮本被告は救急医学教室教授だった1995年12月―昨年3月、医局に所属する医師を派遣する見返りとして「回生会藤田病院」(大阪市)院長・藤田忠良被告(56)(贈賄罪で公判中)と、医療法人「気象会」(同)理事長・石田文之祐被告(61)(同)から計1170万円を受け取った。

 中野被告は、第一外科学教室教授だった96年12月―昨年6月、同様に藤田被告から計300万円を受け取った。

<奈良医大汚職>収賄側の2被告が起訴事実認める 大阪地裁

大学改革情報2001年2月
 収賄側の2被告が起訴事実認める 大阪地裁 奈良県立医大の医師派遣を巡る汚職事件で、収賄罪に問われた同医大元名誉教授、宮本誠司被告(66)と、同医大元教授、中野博重被告(60)ら4人の初公判が26日、大阪地裁であった。宮本、中野両被告とも、起訴事実を認めた。中野被告は「もらった金は、医局員の留学のせんべつなどに使った」と情状酌量を求めた。(毎日新聞 2月26日.)

一内科教授を再逮捕、贈賄の院長逮捕 奈良県立医大汚職 (2001.02.12) asahi.com

奈良県立医大汚職事件:第1内科教授を収賄容疑で再逮捕

2001.02.13 Mainichi INTERACTIVE
 奈良県立医科大学(奈良県橿原市四条町)の汚職事件で、大阪地検特捜部は12日、同医大第1内科教授、土肥和紘容疑者(58)=同県田原本町八尾=を、医局の医師派遣に絡んで現金100万円のわいろを受け取っていたとする新たな収賄容疑で再逮捕、わいろを贈っていたとして医療法人「康仁会」理事長で、同会が経営する西の京病院(奈良市)院長、高比康臣(たかひやすおみ)容疑者(53)=奈良市学園南2=を贈賄容疑で逮捕した。2人とも容疑を認めているという。特捜部は土肥容疑者が高比容疑者からさらに数百万円のわいろを受け取っていたとみて追及する。

 調べによると、土肥容疑者は昨年9月、西の京病院で、医局の医師派遣で便宜を図る見返りに100万円を受け取った疑い。土肥容疑者はわいろを「飲食代などに充てた」と供述しているという。第1内科の医局からは同病院に医師延べ約20人が派遣されていた。

 一方、特捜部は12日、土肥容疑者が別に医師派遣の便宜を図る見返りに現金1035万円を受け取ったとする収賄罪で、わいろを贈っていたとして医療法人「医仁会」理事長、平井純容疑者(52)を贈賄罪で起訴した。逮捕容疑の収賄額は574万円だったが、わいろの授受は教授就任直後の93年5月から始まっており、総額1530万円だったことが判明。そのうえで、特捜部は収賄罪の公訴時効(5年)の範囲内で起訴した。 

特報・奈良県立医大汚職:教授と民間病院経営者を聴取

2001年01月23日 Mainichi INTERACTIVE
 付属病院長と名誉教授が収賄罪で起訴された奈良県立医科大(奈良県橿原市四条町)で、現職教授が医局関連の民間病院から不透明な現金を贈られていた新たな疑惑が浮上し、大阪地検特捜部は23日午前、この教授と民間病院経営者から任意で事情聴取を始めた。教授は医局から部下の医師を病院へ派遣しており、医師派遣で便宜を図る見返りだった可能性があるとして、現金授受の趣旨などを聴いている。同医大は今月11日、内部調査結果を基に、「(報道などで発覚した以外は)現金授受で新たなものはなかった」と述べたばかりだった。 

 関係者の話では、教授にはこの病院から、数年間で500万円以上の現金が支払われていた。継続的に、銀行口座に振り込まれていた。教授は大学に、この病院で勤務する届け出をしていたが、「ほとんど働いていなかった」ともいう。振り込みは給与名目だったが、「便宜に対する見返りだったのでは」と疑問視する声もある。

 同医大では昨年11月、付属病院長で第1外科教授だった中野博重被告(60)が、大阪市内の民間病院に医局の医師を派遣するなどの便宜を図る見返りに現金300万円を受け取っていたとして、特捜部に逮捕、起訴された。さらに、名誉教授だった宮本誠司被告(66)=事件発覚後、名誉教授の称号を返上=も、在職中に二つの民間病院から現金計1170万円を受け取っていたとして、逮捕、起訴された。このほか、現職教授2人と前学長が民間病院から不適切な金品を受け取っていたことが発覚し、家宅捜索を受けるなどした。

 事態を重く見た県は今月11日、教授全員と関係部署の県幹部の合わせて50人を処分。中野前病院長を懲戒免職にし、現職教授2人を停職にした。この際、岡島英五郎学長は、信頼回復を誓っていた。

 奈良県内の教授宅には午前5時半、2台の車両に分乗した大阪地検の係官が到着。午前7時過ぎ、係官6人が捜索のために、教授宅に入った。約3時間後、段ボール箱5箱分の資料を押収した。

 奈良医科大には午前10時15分ごろ、大阪地検特捜部の係官ら15人が車で到着。大学の事務局員に捜索差し押さえ令状を示し、医局などの捜索に着手した。

 安川宣彦事務局長は「現段階では、教授が事情聴取を受けているとだけしか聞いていない。情報が無くコメントのしようがない」と話すのが精いっぱい。事情聴取を受けているとみられる教授はこの日、大学病院での診療日だったが、休診となった。

 奈良県立医科大(奈良県橿原市)の医師派遣を巡る汚職事件で、23日、同医大の現職教授に新たな贈収賄疑惑が浮かんだ。この日朝、大阪地検特捜部から再度の家宅捜索を受けた同医大は今月11日、県とともに記者会見し「もう疑惑はない」と発表したばかり。計50人という大量の処分者を出した直後、事件がさらに拡大する展開に、県幹部や医大関係者らは戸惑いを見せるとともに、重苦しい雰囲気に包まれていた。

 同医大では、昨年11月以後、5人の教授が民間病院から不適切な金品を受け取った疑惑が発覚、うち2人が収賄罪で逮捕、起訴された。今回の新たな疑惑は、県と医大のずさんな内部調査を露呈した格好で、医の倫理を大きく揺るがせそうだ。

 奈良県庁では、新たな収賄容疑の浮上で、職員らは「事件はどこまで広がるのか」と不安そうな表情。ある幹部は「捜査機関でないため、県の調査には限界はある。しかし、大阪地検の捜査を受けたことで、新たな処分や再発防止策を改めて検討しなければならない」と話した。

奈良県立医大汚職で第一内科教授ら逮捕 大阪地検特捜部 (2001.01.23) asahi.com

奈良県立医大汚職で50人を処分 中野前院長は懲戒免職 (2001.01.11) asahi.com

前付属病院長に出頭要請 大阪地検

2000.11.22 The Sankei Shimbun
奈良県立医大汚職事件

 奈良県立医大の汚職事件で、回生会藤田病院(大阪市)の院長藤田忠良被告(54)=別の贈賄罪で起訴=から現金百万円を受け取っていたことが分かっている中野博重・前付属病院長(60)が、ほかにも同被告から現金を贈られていた疑いが浮かび、大阪地検特捜部は中野前病院長に出頭を要請、二十二日、収賄容疑で取り調べを始めるもようだ。

 現金は藤田病院への医師派遣の謝礼だった可能性が高く、元教授の収賄に端を発した事件は、医大病院のトップ経験者に波及する公算となった。特捜部は、藤田被告から同様に現金を受け取っていた辻井正前学長(71)ら二人についても、事情を聴く方針。

 関係者によると、中野前病院長は一九九六年十二月、藤田被告と一緒に奈良市内で懇親ゴルフをし、解散する際、同被告から現金百万円入りのお土産の紙袋を受け取り、その後も現金をもらっていたという。

 中野前病院長は当時、付属病院長兼第一外科の教授。医局のトップとして医師の民間病院への派遣に強い権限を持ち、実際に藤田病院に医師を派遣していた。

 問題の懇親ゴルフには、辻井前学長らも参加し、同様に百万円入り紙袋を受け取っていたが、辻井前学長は、帰宅後に現金に気付き藤田被告に「受け取れない」と連絡、約三カ月後、自分が理事長を務めていた日本消化器病学会に同被告の名前で寄付していた。

奈良県立医大汚職、医師派遣めぐる収賄容疑で前院長逮捕 (2000.11.22) asahi.com

病院汚職:奈良県立医大名誉教授を収賄容疑で逮捕

2000年11月01日 Mainichi INTERACTIVE
 奈良県立医科大学(奈良県橿原市四条町)の医局員を民間病院に派遣する見返りに、派遣先から現金280万円のわいろを受け取ったとして、大阪地検特捜部は1日、大阪府豊中市東寺内町、同医大名誉教授、宮本誠司容疑者(65)を収賄容疑で、大阪市平野区瓜破2、回生会藤田病院院長、藤田忠良容疑者(54)を贈賄容疑で逮捕した。2人とも容疑を認めているという。特捜部は同日、2人の自宅や同医大、奈良県庁医務課など十数カ所を捜索した。 

 調べでは、宮本容疑者は同医大救急医学教室教授だった1997年12月〜2000年3月、同教室などから藤田病院への医師派遣に便宜を図った謝礼に、月額平均10万円ずつ、27回にわたって、藤田容疑者から現金計280万円を受け取った疑い。

 わいろは医局代表者としての宮本容疑者名義の口座に振り込まれていたが、大学内でこの口座の存在は知られておらず、宮本容疑者が個人的に管理していたという。さらに、宮本容疑者は、藤田容疑者からゴルフや高級料亭での飲食接待を受けていた疑いがある。

 宮本容疑者は、医局から外部の病院へ医師を派遣する絶大な人事権があったとされる。勤務医の確保を重視していた藤田容疑者は関係を深めることで、医師を継続的、安定的に紹介してもらう狙いがあったとみられる。また、宮本容疑者自身も、この病院でアルバイト診療を続けていた。

 宮本容疑者は同医大の大学院を修了後、民間病院勤務や海外留学を経験。75年に同医大に講師として戻り、教授に昇進した。今春、定年退官した。

 藤田容疑者は84年12月、大阪市内に病院を開設した。現在は、病床数約250の中規模病院として経営。奈良県立医大から多数の勤務医を迎え入れている。 

奈良県立医大名誉教授ら逮捕 医師派遣で贈収賄容疑 (2000.11.01) asahi.com

●週刊医療情報インデックス●2000年11月第1週(10.31〜11.6)

☆奈良医大汚職、ワイロ、個人口座に移す、宮本容疑者、退職後払い戻し/読売11.4(夕)

☆奈良医大汚職、チェック甘い医師兼業制度、不正の温床にも/京都11.4(夕)

☆奈良県立医大汚職宮本容疑者、現金・商品券も受領、100−10万円、新疑惑浮上/読売11.4

☆奈良医大汚職、助成金照会回答するな、宮本容疑者、民間病院に口止め/読売11.3

☆奈良県立医大名誉教授汚職、別医療法人400万円、教授就任直後に口座、医師派遣を仲介、「出張」と称しバイト診療/各紙11.2(夕)

☆奈良県立医大汚職、5病院から4000万円入金、名誉教授の口座に10年間/朝日11.2

☆名誉教授に収賄疑惑、奈良県立医大医局員派遣巡り、講座に数百万円/読売11.1

☆奈良県立医大、医師派遣巡り収賄容疑、名誉教授、私立病院長から250万円/朝日11.1(夕)

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