TOPIC No.5-34 虫歯予防/口内衛生

01.水を守ろう(水道水のフッ素化に反対します)
02.メディアに出〜た・予防歯科 by東京予防歯科研究会
03.日本フッ素研究会 -JSFR(JAPANESE SOCIETY FOR FLUORIDE RESEARCH)
04.(日本フッ素研究会創立者 )柳澤博士のホームページ(フッ素にたよらない虫歯予防)
05.フッ素によるむし歯予防 by山本武夫の HomePage
06.水道水フッ素化とむし歯予防 by水道水フッ素化委員会

保護児童の虫歯平均の5倍 岩手、虐待との関係指摘も

2007年01月22日 著尾語句新聞ニュース

 虐待や養育放棄などで岩手県に一時保護された児童の歯を県歯科医師会が調査した結果、保護児童は虫歯が1人当たり平均5・59本あり、同県児童の平均0・97本の約5倍に上ったことが22日、分かった。

 虐待の一種のネグレクト(育児放棄)により、児童に歯磨きの習慣が無かったり、保護者が歯の治療を受けさせないことが要因とみられる。

 調査した歯科医師会の小山田勇樹歯科医(48)は「虫歯の急な増加などを手掛かりに食生活の乱れのほか、歯磨きをしないなど児童の普段の生活が分かる。学校や行政がチェックすれば、虐待の早期発見につながる可能性がある」と話している。

 調査は、県の児童相談所に一時保護された3歳から16歳の児童男女52人(平均10・96歳)に一昨年八月から昨年九月に実施した。

 虫歯や虫歯が原因で治療した「DMF歯」がある児童は80・8%の42人に上り、11歳児の05年度の県平均30・7%を大幅に上回った。

 児童虐待の研究が専門の岩手県立大の三上邦彦助教授は調査について「虐待のサインが虫歯に潜んでいることを示すものだ」と指摘する。

歯垢から肺炎…米バファロー大が専門誌で発表

2004/12/02 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ワシントン=笹沢教一】歯垢の中に潜む細菌の中に呼吸器疾患や院内感染に関係する種類が含まれ、高齢者などに重い肺炎を引き起こすケースが実際に起きている。そうした実態が米バファロー大歯学部の研究で30日明らかになった。
 歯垢と呼吸器疾患との因果関係を証明した初の成果。高齢者介護における歯科衛生などの面からも注目されている。米国の胸部疾患専門誌の最新号に発表された。

 研究チームはニューヨーク州の高齢者向け長期療養施設の患者49人について歯垢を分析した。28人から肺炎を引き起こす黄色ブドウ球菌やグラム陰性菌、緑のう菌を検出した。これら患者のうち14人が肺炎を起こし、DNA分析で少なくとも8人の歯垢と肺に潜む細菌が一致した。

 これらの細菌は院内で感染した疑いがある。いずれの種類も、抗生物質の耐性を獲得して院内感染を引き起こす危険性を持っているため、研究チームは「呼吸器疾患を防ぐ観点からも、高齢者を扱う施設では歯と入れ歯の双方の清潔を保つ必要がある」としている。

ガム広告訴訟、グリコに軍配 「科学的根拠ある」と東京地裁

2004/10/20 The Sankei Shimbun

 虫歯に効果がある甘味料キシリトールを配合したガムをめぐり、ロッテ(東京)が「根拠のない比較広告で損害を受けた」と、江崎グリコ(大阪)に10億円の損害賠償と広告差し止めを求めた訴訟の判決で、東京地裁は20日、ロッテの請求を棄却した。

 判決理由で飯村敏明裁判長は「広告で示した実験データは科学的根拠があり、消費者の誤解を生むような内容でない」と指摘し、グリコの広告が不正競争行為に当たらない、と判断した。

 判決によると、グリコは2003年5月に発売したガム「ポスカム〈クリアドライ〉」の新聞広告やテレビCMで、初期の虫歯を元に戻す「再石灰化」効果について「一般的なキシリトールガムに比べ約5倍の再石灰化効果」と宣伝した。

 これに対し1997年から「キシリトール・ガム」などを販売しているロッテが「根拠の乏しい実験結果を引用した虚偽広告」と主張していた。

2歳男児が虫歯治療中死亡 舌でのどふさがり窒息

2004/10/13 The Sankei Shimbun
 大阪歯科大病院(今井久夫院長、大阪市中央区)で7月、2歳の男児が虫歯の治療中に舌でのどがふさがる舌根沈下を起こし窒息死していたことが13日、分かった。

 男児は下あごに障害があり舌根沈下を起こしやすい状態だったといい、治療開始後、数分で容体が急変したという。病院は大阪府警東署に通報、同署は業務上過失致死の疑いもあるとみて調べている。

 同病院によると、男児は7月13日に来院。小児歯科の主治医が、両親から障害の説明を受けた後、歯科衛生士らと治療を開始。その後、付き添っていた母親が、男児が呼吸していないことに気付き、医師らが心臓マッサージなどを施したが、移送先の別の病院で同日夕、死亡が確認された。

 病院の内部調査で舌根沈下による窒息死と判明した。医師は男児が元気だったため、舌根沈下が起きても、のどがふさがらないようにする管を通すなどの処置は不要と判断したという。

 今井院長は13日、記者会見し「お子さんが亡くなられたという事実は重く受け止めているが、医療ミスがあったとの認識はない」とコメントした。

広島大歯学部に口腔保健学科新設へ

2004/08/03 中国新聞地域ニュース
 高度な技術導入狙う

 広島大歯学部(広島市南区)は二日、国内初の口腔保健工学など二つの専攻からなる「口腔(こうくう)保健学科」(四年制)を来年四月に新設すると、発表した。既存の歯学部付属歯科衛生士学校と同歯科技工士学校(いずれも二年制)の廃止、改組に伴う措置。

 三年制に移行中の全国の歯科衛生士学校で不足が予想される教員の養成と、高度になっている生体工学などの技術導入が狙い。

 口腔保健工学専攻(定員二十人)では、CTスキャン(コンピューター断層撮影)などの画像をもとに歯やあご骨の修復をするなど、工学分野で進んでいる高度な手法を導入。歯科治療のレベルアップを図る。

 もう一つの口腔保健衛生学専攻(同)では、病院や学校で口腔ケア指導ができる、生理学や細菌学などに通じた人材を育成する。

 これで歯学部は、歯学科と合わせ二学科になる。入試は歯学科と同様、前期と後期日程に分かれ、来年二月と三月に実施する。

無資格診療:疑惑の歯科医がHPに「体験談」広告

毎日新聞 2004年6月20日 Mainichi INTERACTIVE
 医師法違反(無資格診療)の疑いが浮上している福岡市博多区の歯科医院が、医療法が広告掲載を禁じる患者の「治った」などとする体験談を、ホームページ(HP)に多数掲載していたことが分かった。02年に「アトピーが治る」として患者を診療した歯科医の事件では、東京地裁が今月4月、患者の体験談のHP掲載を医療法違反と認定しており、医院を主管する福岡市は、情報収集に乗り出した。

 この医院では、受診する患者の「症状」は、診療資格のないアトピー性皮膚炎、リウマチなど多岐にわたる。HPで紹介された患者の「喜びの声」は「明るい未来が待っている」(40代男性・埼玉)「だるさがなくなった」(30代女性・京都)「リウマチ炎症反応がマイナスになった」(30代女性・福岡)など、すべて診療を評価する内容。「歯は臓器」と主張する院長を絶賛する声も多い。毎日新聞が今月13日に資格外診療の疑いを報じた後、HPは閲覧できなくなっている。

 医療法は、医療に関する広告を(1)人の生命・身体にかかわり、不当な広告で不適当なサービスを受けた場合の被害が著しい(2)医療は専門性が高く、実際の質を事前に判断することは非常に困難−−として「体験談」を中心とした虚偽、誇大表現を禁止している。

 ただ、HPについては「患者の情報源」として広告と位置づけておらず、原則規制していない。薬事法や景品表示法が医薬品などに関してHPでの「体験談」掲載を規制しているのとは対照的で、事実上の野放し状態となっている。

 だが「不特定多数の患者を誘引する目的」があるものは、広告に該当して規制対象となり、消費者問題に詳しい弁護士らは同医院のHPについて「患者誘因につながる事実上の広告」と医療法違反の疑いを指摘する。

 院長は、現代医学を「歯と全身の関係を無視している」などと批判。既存の歯科用金属を「有害」と除去し、独自開発したとする金合金と交換、かみ合わせ調整をしている。だが、皮膚疾患が治療目的の患者から「効果がない」との声が上がるなど、口腔疾患以外の患者も診療しているとして、医師法違反の疑いが強まっている。

評判の歯科医、実は無免許 技工士でした

2004/06/16 The Sankei Shimbun
 「腕がいい」と評判の“名医”が歯科医師免許を持たない歯科技工士だったことが分かり、大阪府警生活経済課は16日、歯科医師法違反の疑いで、同府堺市中百舌鳥町の「岩本歯科医院」の歯科技工士、磯部雅博容疑者(53)=奈良県当麻町長尾=と、院長の岩本勝四郎容疑者(69)=堺市深井水池町=を逮捕した。

 磯部容疑者は白衣にゴーグルの“歯科医姿”で治療。「うまいから治してもらいたい」と評判が良く、治療後の不具合もなかったという。

 調べでは、磯部容疑者らは共謀し、昨年11月から今年4月の間、18回にわたって、同府内の自営業女性(43)に対し、歯に詰め物をするなど診療行為を無資格で行った疑い。

 岩本容疑者は「治療が上手だったのでやらせた」と供述。磯部容疑者は約20年前から同院で勤務しており、生活経済課は当時から診療行為を行っていた可能性もあるとみて調べる。昨年11月、府警に匿名の電話があり、同課が調べていた。

初期虫歯を修復するガム 江崎グリコ発売

2003年03月24日 The Sankei Shimbun
 江崎グリコは24日、初期虫歯の修復を助ける成分を配合したガム「ポスカム」を5月20日、関東・甲信越地方と静岡県で発売すると発表した。

 歯から溶け出したエナメル質の再形成を助ける新成分「リン酸化オリゴ糖カルシウム」をジャガイモから抽出することに同社が成功。この成分を配合したガム2粒を1日4回各20分間かんだ場合、1週間で初期虫歯の約7割が修復されたという。

 同社は「同じ機能を持つ従来品に比べ、約7倍の修復効果がある」としている。「ポスカム」3種類のうち1種類は、厚生労働省から、健康への効能を具体的に表示できる「特定保健用食品」の許可を受けた。

 同社は来年春までに全国展開したい考えで、1年目は約50億円の売り上げを目指す。粒状のガムが14個入り120円、板ガムは9枚入り120円。

子どもの虫歯が大幅減、ぜんそくは倍増

2002年12月18日 Yomiri On-Line
 児童・生徒の虫歯が過去10年間で15―20ポイント減少していることが18日、文部科学省が公表した今年度の学校保健統計調査で分かった。歯科医師らは、生活習慣の改善やフッ素配合歯磨きの効果を指摘している。一方、ぜんそくは倍増。身長や体重の伸びは頭打ちになっていることも分かった。

 調査によると、治療済みも含めて、虫歯のある児童・生徒の割合は、幼稚園で61・6%(10年前比17・1ポイント減)、小学校73・9%(同15・2ポイント減)、中学校71・2%(同17・7ポイント減)、高校82・3%(同10・3ポイント減)だった。30年前との比較では、幼稚園児の虫歯率は、32・2ポイントの大幅な減少となっている。

 12歳の永久歯の虫歯本数も、10年前の4・17本から2・28本へ減少。文科省は、「劇的な減少。学校での指導が効果を上げた」としている。

 国立保健医療科学院の花田信弘・口腔(こうくう)保健部長は「少子化で子どもに親の目が届くようになり、寝る前に甘いものを食べないとか、歯磨きの習慣がついた。フッ素入り歯磨きも普及し、キシリトールなどの代用糖の利用拡大など、複合的な減少の要因がある」と分析。「子どもの虫歯は戦後に激増したものなので、まだまだゼロに近づけることができる」としている。

 一方、ぜんそくは幼稚園が1・3%(同0・6ポイント増)、小学校2・7%(同1・5ポイント増)、中学校2・2%(同1・1ポイント増)、高校1・4%(同0・8ポイント増)と全体的に倍増した。

 ぜんそくの原因は不明だが、東京都立荏原病院の松井猛彦・小児科部長は「東京では増加が鈍っているので、地方に広がっていると思う。世界的には日本のぜんそく患者率は中の上くらい。英国や豪州などが上位で、日本もまだ増える可能性がある」としている。

 身長は17歳で男子170・7センチ、女子157・9センチ。昨年より、男子が2ミリ、女子が1ミリ縮んだ。体重は17歳男子63・2キロ、女子53・5キロでともに過去最高。全体的にはほぼ横ばいだった。

 30年前の親の世代と比べると、男子は最も差のある13歳で今の子が5・3センチ高く、女子は11歳で3・6センチ高かった。

歯茎再生:自分の歯の再移植で可能に 福岡の歯科医ら開発

2002年09月07日 Mainichi INTERACTIVE
 重度の歯周病で歯茎(はぐき)の骨(歯槽(しそう)骨)が溶けてしまった患者に対し、自分の骨髄を移植して歯茎を再生する新しい治療法を、福岡市の歯科医、清川宗克さん(42)と久留米大医学部の田井良明教授(形成外科・顎顔面外科)らの研究グループが開発した。

 これまでは入れ歯にするしかなかった患者でも自分の歯を再移植することが可能になる。22日に広島市で開かれる日本口腔インプラント学会で発表する。

 歯周病は、歯こうや歯石が原因で歯肉が炎症を起こし、歯を支える歯槽骨が徐々に溶ける病気。重くなると歯槽骨がやせ細って歯が抜け、インプラント(人工歯根)を埋め込んで義歯をつけることもできなくなるという。

 研究グループは、骨髄の中に、骨に分化する幹細胞が含まれることに着目。いったん歯を抜き、残った歯槽骨に患者自身の骨盤の内側から採取した骨髄を盛った後、歯肉で覆った。約3カ月で歯槽骨が再生して歯が固定され、半年後には物がかめるようになった。

 歯周病に詳しい藤井健男・北海道医療大助教授によると、骨髄移植で歯槽骨を再生するアイデア自体は以前からあったが、移植後の骨髄を歯肉で覆う技術がネックになっていた。久留米大のグループが歯肉を伸ばして骨髄を歯槽骨に固定する方法を編み出し、手術が可能になった。

 98年4月以降、28〜74歳の患者29人にこの治療を行ったところ、27人は再移植した歯の脱落がなかった。インプラントより歯の固着率がよく細菌に感染しにくいという。

 清川さんは「自分の歯で物が食べられる点に意義がある。新たな治療法の選択肢として広まってほしい」と話している。 【西川拓】

乳酸菌に虫歯殺菌効果 広島大講師ら研究

2002/07/03 中国新聞
ヨーグルトで実証
 広島大歯学部付属病院の二川浩樹講師(40)=義歯インプラント科 =たちの研究グループが、乳酸菌の一種「ロイテリ菌」に虫歯菌の 発育を阻止し、殺菌効果があることを突き止めた。全国で唯一、ロ イテリ菌入りのヨーグルトを製造しているチチヤス乳業(広島県大 野町)と二年前から研究してきた。

 ロイテリ菌は、腸内細菌を成長させ、病原性大腸菌O157など の殺菌効果のあることが知られていた。二川講師たちの実験では、 同じ濃度のロイテリ菌と虫歯菌を三対一の割合で混ぜると、一時間 半後には虫歯菌の約90%が死んだ。

 培養した虫歯菌に、ロイテリ菌入りヨーグルトと、ほかの乳酸菌 入りヨーグルト二十種類を付着させると、ロイテリ菌入りだけに繁 殖を阻止する効果が認められた、という。

 同大歯学部付属歯科衛生士学校の学生の協力を得て実験。一組二 十人の二グループに、それぞれロイテリ菌入りヨーグルトと、加熱 処理して乳酸菌を殺したヨーグルトを一日一回、二週間食べ続けて もらった。

 だ液を調べると、ロイテリ菌入りのグループは平均で五分の一に 虫歯菌が減少。もう一つのグループは、虫歯菌が増加傾向にあっ た。

 その後、虫歯菌が増えたグループが、ロイテリ菌入りヨーグルト を同期間食べると、虫歯菌は平均で三分の一に減った。

 二川講師は「ロイテリ菌を含む食品は虫歯予防の可能性が強く、 歯磨きと合わせれば、効果も高まる」と説明している。

 細菌の活用面白い
 徳島大歯学部の三宅洋一郎教授(口腔細菌学)の話 体に良い細 菌を活用するプロバイオティクスの考えに沿った研究で面白い。た だ、虫歯菌は時と場合で動きが違い、不規則な実験結果が出るケー スもある。さらに、科学的な実証を重ねていくことが大切だ。

消費者団体が水道水へのフッ素添加に反対アピール採択

2000.11.19(21:01)asahi.com
 虫歯予防に効果があるとして厚生省が水道水へのフッ素(フッ化物)添加を容認する方針に転じたことに対して、主婦連合会日本消費者連盟日本フッ素研究会など16団体が19日、東京都内で集会を開き、緊急抗議アピールを採択した。

 フッ素は自然界に存在し、お茶や海藻などに含まれる。一方、2ppm(1リットル中に2ミリグラム)を超えた水を長期間飲むと、歯にしま模様ができる斑状歯(はんじょうし)を生じるとされる。同連盟などは「食物や歯磨き粉からのフッ素摂取量を合わせた医学的な調査はほとんどない」と指摘。「フッ素添加は住民の権利を侵害するものだ」としている。

虫歯予防のために水道水へのフッ素添加を容認 厚生省

2000.11.18(03:07)asahi.com
 フッ素(フッ化物)が歯の表面を強くして虫歯を予防する効果があるとして厚生省は17日までに、水道水へのフッ素添加を容認する方針を決め、関係自治体などに伝えた。議会の議決など地元住民の合意を条件とし、水道水質基準の範囲内での添加に限定する。厚生省はフッ素による予防効果を認めてきたが、水道水への添加については、高濃度のフッ素による「斑状歯(はんじょうし)訴訟」などを受け、慎重な態度をとってきた。歯科界でも長く安全性をめぐって意見が戦わされてきたなか、「容認」に転じたことは、虫歯予防や安全性などを巡って議論が起こりそうだ。

 今夏、水道水にフッ素を添加したいとする沖縄県内の村の要望を受けた厚生省が、検討を進めていた。

 フッ素は自然界に存在し、海水やお茶、魚などにも含まれる。米国では1945年から虫歯予防のため水道に添加されるなど、1ppmほどでは虫歯予防に効くとされる。米国市民の6割がフッ素入りの水道水を飲むなど38カ国で添加されているという。

 日本でも、日本歯科医学会は昨年末「虫歯予防のためにフッ素利用を推奨する」との見解をまとめた。

 世界保健機関(WHO)は69年、水道水へのフッ素添加などフッ素利用の推進を決議し、日本政府も賛同している。

 日本ではフッ素を歯の表面に塗ったり、添加した水でうがいしたりする予防法が勧められており、虫歯になりやすい子に限って保険適用もされている。歯磨き粉の8割にもフッ素が入っている。

 一方で2ppm以上を長期間飲んだ場合は歯の表面にしみができる斑状歯、8ppm以上で骨に異常がでる骨硬化症がみられるという。

 兵庫県宝塚市では71年、この斑状歯の多発が問題化。水道水源である六甲山系の水に水質基準を上回るフッ素が含まれていたためと分かった。さらに、市の責任を問う損害賠償訴訟まで起きた。

 歯科医師の中には根強い有害論を唱える人もいる。発がん性の疑いなど健康への影響を心配する市民団体の動きもある。これを受けて厚生省は、一律供給する水道水について態度表明を見送っていた。

 現在、フッ素の水質基準は0.8ppm(1リットル中、0.8ミリグラム)で、WHO指針より低く抑えられている。

子どもの虫歯減少中 厚生省調査

2000.06.03(23:39)asahi.com
 虫歯予防に大切な時期とされる子どもの虫歯が大幅に減っていることが、厚生省の「歯科疾患実態調査」で分かった。11歳では6年前の調査に比べて30ポイント近く減るなど、低年齢の子どもで減少率が高い。厚生省は「歯磨き指導の充実や、フッ化物歯磨き粉などの普及が理由ではないか」と分析している。

 6年ごとの調査で、全国で抽出した6903人に昨年11月、歯科医師の診断を受けてもらい、結果をまとめた。永久歯が虫歯になったことのある人の割合は、前回に比べて19歳以下でいずれも低下。11歳で最も減少率が高く、前回調査に比べて29.4ポイント低い57.5%。9歳が20.7ポイント減の50.0%、13歳が18.2ポイント減の72.3%など、13歳まではいずれも高い減少幅を示した。一方、20歳以上はほとんど変化がない。

 虫歯を治療していない子どもの割合も、11歳では前回を18.1ポイント下回る23.8%。8歳は9.8ポイント減の17.6%。

 また、歯医者や保健所で虫歯を防ぐのに効果があるとされるフッ化物の塗布を受けたことのある14歳以下の子どもは42.0%で前回より4ポイント増えた。「歯ブラシをつかって毎日磨く」とする子も14歳以下で3―4ポイント増えている。

歯磨きや塗布にフッ素を推奨 歯科医学会が見解まとめ

11:47a.m. JST December 18, 1999
 日本歯科医学会(会長、斎藤毅・日本大学教授)は、虫歯予防にフッ素が有効であり、活用を勧めるとの見解をまとめた。フッ素水によるうがい(洗口)や歯磨き、歯への塗布を推奨している。各国はフッ素を利用した虫歯対策に取り組んでいるものの、日本では安全性への不安の声なども根強い。

 歯科医学会は昨年初め、歯科研究者らによるフッ化物検討部会を設置。世界各国の論文などの文献を調査して、フッ素が健康に与える影響や、使用方法ごとの虫歯予防効果などを評価した。見解は同部会の答申をもとにまとめたもので、近く日本歯科医師会や厚生省など関係機関に送る。

 見解によると、フッ化物は歯の再石灰化を進め、酸に強い歯質を作る、と虫歯の予防効果を認めている。摂取量についても、こうした使い方の範囲内であれば安全だとしている。

 フッ素の活用をめぐっては、国際歯科連盟や世界保健機関(WHO)が推奨している。各国の状況は、フッ素配合の歯磨き剤は97カ国、フッ素塗布は84カ国、フッ素洗口は81カ国。また、水道水のフッ素添加は米国など36カ国で行われている。

 見解では、水道水のフッ素添加は見送られた。歯科医学会はさらに栄養素として日本人のフッ素の適正摂取量の研究を進めている。

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