TOPIC No.5-33 エボラ出血熱 & マールブルグ病

01. エボラ出血熱 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
02. 致死率90%のエボラ・ウィルスは犬が運んでいる? (2005年04月05日)
03. エボラ出血熱--Ebola Fever-- by the National Institute of Animal Health(Japan)


ブタからエボラ、初検出 人への「強毒化」を警戒

2009年01月10日 中国新聞ニュース

 フィリピンで昨年、養豚場のブタがエボラウイルスの一種に感染していたことが分かり、国連食糧農業機関(FAO)や世界保健機関(WHO)などの専門家の合同チームが10日までに、現地で調査を始めた。家畜への感染が確認されたのは世界で初めて。

 エボラウイルスはアフリカで時折流行する致死性のエボラ出血熱の原因ウイルスだが、FAOなどによると、今回確認されたのは、人への病原性がないタイプ。

 国際機関は、人と接触の機会が多い家畜で感染が確認されたことを重視、人への感染機会が増えてウイルスが変異し毒性が強まる可能性を警戒し、感染源や経路の解明に本格的に乗り出した。

 FAOの小沼広幸アジア太平洋地域副代表は「今まで野生のサルなどで見つかっていたエボラウイルスが家畜で初めて見つかった。接触して人に感染するうちに強毒タイプへ変異する懸念もあり、適切な手段を講じなければならない」と話している。

 FAOなどによると、2007年から08年にかけ、マニラ北部の養豚場など数カ所で、ブタが相次いで死んだためフィリピン政府が調査。昨年10月、同政府の依頼を受けた米国の研究機関が調べたところ、「レストン」と呼ばれるタイプのエボラウイルスと、別のブタ特有のウイルスに感染していることが確認され、フィリピン政府が昨年12月に豚肉の輸出を禁止した。人への感染は現時点で確認されていない。

エボラウイルス感染ブタ発見のフィリピン、食肉販売は好調

2008年12月29日 AFP BB News 発信地:マニラ/フィリピン

【12月29日 AFP】世界で初めてブタへのエボラ出血熱ウイルス感染が確認されたフィリピンだが、首都マニラ(Manila)ではクリスマスの25日も、ブタの丸焼きが飛ぶように売れるなど、これまでのところ、豚肉販売などへの影響はでないようだ。

 フィリピンでは23日、マニラ北部の養豚場2か所でエボラ出血熱のウイルスの一種、エボラ・レストンウイルスに感染したブタが発見された。これをうけ、政府は海外の食料・動物衛生専門家らに、感染経路などの調査を依頼している。

 世界保健機関(World Health Organisation、WHO)によると、エボラ・レストンウイルスはアフリカで4人が死亡したエボラウイルスの型とは異なり、人体への危険性はないという。(c)AFP

フィリピン、豚肉輸出中止 エボラウイルスの感染確認

2008/12/13(Fujisankei business i(Bloomberg)

 フィリピンで、致死率の高いエボラ出血熱を引き起こすことで知られるエボラウイルスの一種にブタが感染したことが確認され、同国政府は10日、冷凍豚肉の輸出を差し止めた。畜産業への影響が懸念されている。

 同国獣医局のダヴィニオ・カトバガン局長が10日に発表した世界動物保健機関(OIE)との共同調査によると、ウイルスは「エボラ・レストン株」と呼ばれるエボラウイルスの一種。ただ、エボラ出血熱を引き起こす致死性の高いアフリカ型ウイルスとは異なり、人体への影響はないとされている。

 ウイルスは今年10月に見つかったブタの検体を調べた米農務省研究所(ニューヨーク)が検出した。感染が確認されたブタはマニラ北方のブラカン、ヌエバエシハ、パンガシナンの3州の養豚施設と、一般家庭の裏庭の計4カ所で飼育されていた。他に少なくとも2つの一般的な感染症に罹患(りかん)しているという。42人の養豚関係者らへの感染は確認されていない。

 WHO(国連世界保健機関)のグレゴリー・ハートル報道官は「レストン株はこれまで動物の感染症だけを引き起こすものとされてきた。フィリピン政府と協力し、人体への影響がないか調査している」と述べ、ヒトへの脅威について詳細に分析する考えを示した。現在のところ、ヒトへの感染リスクは極めて低いという。

 フィリピン当局は10日、今回の調査結果を受け、計画していたシンガポール向け冷凍ブタ肉の出荷を差し止めた。農業省のヤップ長官は人体への影響がないと「確認できるまでブタ肉の輸出を保留する」としている。

解明の手がかりに

 一方、今回の感染は伝染病学者らの間で注目を集めている。

 家畜への感染が確認されたのは初めてで、30年以上前に致死性エボラウイルスが発見されて以来、特定できなかった感染源の解明につながる可能性があるからだ。サルには致死性があるが、人体に影響はないというレストン株のブタへの感染経路を突き止めるため、世界中の研究者たちがフィリピンの農場に集結するとみられている。

 FAO(国連食糧農業機関・ローマ)動物健康局感染症主任のファン・ルブロス氏はこの原因が究明されれば、野生環境でエボラウイルスの宿主となっている種を特定できるという。

 エボラウイルスの自然宿主が判明すれば、エボラ出血熱に対する効果的な対処法を講じることができる。WHOによれば、人間のアフリカ型エボラウイルス感染による出血と臓器不全での致死率は50〜90%に達する。

 ルブロス氏は11日、「1970年代から科学者、獣医、微生物学者、医師らが何千もの種の中からウイルスの宿主を探し続けてきたが、ほとんど成果は得られなかった。今回のブタへの感染で(エボラウイルスの)生態に関する、詳細な研究への道が開けた」と期待を示した。(Francisco Alcuaz Jr.、Jason Gale)

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【用語解説】エボラウイルス

 エボラ出血熱などを引き起こす病原体。「アフリカ型」と呼ばれる種は1976年コンゴ共和国エボラ川付近で初めてヒトへの感染が確認された。その13年後、フィリピンから米国に輸出されたサルがウイルス出血性熱を発症しレストン株が発見された。また、それぞれ90、96年に米国で、92年にイタリアで、フィリピン産サルから同型のウイルスが発見されている。エボラウイルスや出血を伴う類似ウイルスは、霊長類を介して人間に感染すると考えられている。

エボラ出血熱や鳥インフルエンザは、どのように人と動物に感染していったのか

2008年01月30日 (日経ナショナル ジオグラフィック社)nikkei TRENDY net

 いま人類を脅かしているものの一つに、「感染症」があります。感染症というのは、寄生虫、細菌、真菌など病原性微生物や、ウイルスなどの病原体が体内に侵入して増殖し発症する病気の総称です。例えば、冬になると猛威をふるうインフルエンザはウイルス感染症の一つですし、結核、コレラなどは細菌性感染症になります。世界では、感染症による死亡者はすべての死亡者数の2割以上を占めているほどです。

 こうした感染症のなかでも、人間だけがかかるのではなく、動物から人に感染したり、逆に人から動物に感染するものがあります。それが「人獣共通感染症」と呼ばれる病気で、今後いやでも耳に入ってくるようになるでしょう。

 人獣共通感染症というのは、なじみのない言葉かもしれませんが、この言葉の意味を知っていれば、鳥インフルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群)のニュースの裏にある生物学的な背景や、感染症が流行するしくみがぐっと理解しやすくなります。

 例えば、エボラ出血熱は人獣共通感染症です。また、腺ペスト、黄熱、サル痘、ウシ結核、ライム病、ウエストナイル熱、マールブルグ病、インフルエンザの多くの株、狂犬病、ハンタウイルス肺症候群、そしてマレーシアでブタと養豚業者を死に至らしめた「ニパ」という新たなウイルスによる感染症も、すべて人と動物の両方がかかる病気です。

 実は、病原体が別の種にうつること自体は珍しいことではありません。人がかかる感染症の約60%は動物もかかるのです。その中でもとくに知られているのが狂犬病で、多くの地域に広がっており、発病後の死亡率はきわめて高い病気です。人間や犬はもちろん、ネコ、アライグマ、キツネ、コウモリ、リスといったあらゆる哺乳類に感染し、発病すると死亡率はほぼ100%で、治療法はないという非常に危険な人獣共通感染症です。根絶・抑制に向けて何世紀も人々が努力し、国際社会が協力して取り組み、感染と発病のしくみが科学的にはっきり解明されているにもかかわらず、いまだに数多くの人々が狂犬病で亡くなっています。

 ほかにも、アフリカ中央部で猛威をふるったエボラ出血熱は、人だけではなくゴリラにも感染しました。コンゴ共和国では、ゴリラ調査チームが研究地域全体の被害総数を推定したところ、「エボラ出血熱の発生で5000頭のゴリラが死亡」と報告しています。

 こうした感染症を媒介する動物として、いまコウモリに注目が集まっています。エボラ出血熱、狂犬病などさまざまな感染症のウイルスをコウモリが保有していると見られているのです。なぜ、コウモリなのでしょうか。実は、コウモリの種は非常に多く、哺乳類全体の20%にも及びます。哺乳類にもかかわらず空を飛び、巨大なコロニーを形成し、南極を除くほとんどの陸地に生息しています。飛べるということは、移動の自由があるというだけでなく、森の中で地面から樹の上までさまざまな動物と接触する機会があります。異なる種の生物同士が触れ合うことで、病原体が広がる機会となるのではないか、と考えられているのです。

[ヘンドラと呼ばれるウイルスは、オーストラリアオオコウモリなどのオオコウモリにおそらく何千年も前から潜んでいた。1994年に初めて現れたのは、ねぐらを失ったコウモリが人の近くに棲むようになったからだとも考えられる。エボラ出血熱やニパ、SARSなどの自然宿主もオオコウモリだと疑われている]

 とはいえ、以前はなかった病気が突然発生するのは、人が動物の生息域を侵しているからだとも言えます。人の健康だけを守っても、実は恐ろしいウイルスがすぐ隣のペットに潜んでいたり、森を切り開いてねぐらを奪われた動物たちから感染するかもしれないのです。今や地球全体の生態系の中で、感染症というものを考える必要があるのかもしれません。

 ※そのほかの写真については、ナショナル ジオグラフィックのウェブサイトでご覧いただけます。(日経ナショナル ジオグラフィック社 小槌 健太郎)

エボラウイルスの「無害化」 東大チームが成功

2008年01月22日 読売新聞 Yomiuri On-Line

ワクチン開発 進展に期待

 致死率が90%にも達するエボラ出血熱の原因のエボラウイルスを遺伝子操作し、特殊な細胞の中でしか増えない安全なウイルスに改造することに、河岡義裕・東大医科学研究所教授らの研究チームが世界で初めて成功した。

 エボラウイルスは、外部と隔離された実験室で極めて厳重な管理のもとで取り扱わなければならず、これが治療薬開発などの研究が進まない主因になっていた。この改造ウイルスを使えば、通常の実験室でも研究が可能となり、今までなかったワクチンの開発などが大きく進む可能性がある。近く米科学アカデミー紀要電子版に発表する。

 研究チームは、エボラウイルスの増殖にかかわるたんぱく質「VP30」に着目。カナダにある特別な実験室で、このたんぱく質を作る遺伝子を取り除いた改造ウイルスを作製した。次に、この改造ウイルスを通常の細胞に感染させたが、1週間たってもまったく増えず、反対に、VP30を作り出す特殊な細胞の中では増殖した。

 河岡教授は「増殖にかかわるたんぱく質が作れないこと以外は、実際のエボラウイルスと同じ性質を持っている。改造ウイルスを使えば、安全に治療や予防の研究が行えるだろう」と話している。

新種のエボラウイルス確認 ウガンダで昨年流行

2008/11/22 47News【共同通信】

 【ワシントン21日共同】アフリカ東部のウガンダで昨年流行し、37人が死亡したエボラ出血熱は、新種のエボラウイルスが原因であることがDNA解析で分かったと、米疾病対策センターの研究チームが17日、米専門誌「プロス・パソジェンズ」に発表した。

 致死性のエボラウイルスとしては「ザイール」「スーダン」と呼ばれるタイプに続き3種目。致死率は36%以下で、80−90%のザイール、50−55%のスーダンより低い。

 このウイルスによる流行は、ウガンダ西部のコンゴ(旧ザイール)との国境付近で昨年11月に確認され、約1カ月後に終息した。

 既存のタイプと比べDNA配列が30%以上も異なるため、発生直後にはエボラウイルスであることの確認にも手間取ったという。チームはこのウイルスを迅速に特定できる診断法の開発が必要だと指摘している。

コンゴ(旧ザイール)のエボラウイルス流行、終結へ

2007年10月28日 AFP BB News 発信地:キンシャサ/コンゴ民主共和国

【10月28日 AFP】医療援助団体「国境なき医師団(Medecins Sans Frontieres、MSF)」は26日、コンゴ(旧ザイール)で6週間前に発生したエボラウイルスの流行について、まもなく終結する見通しだと発表した。

 MSFは同国首都キンシャサ(Kinshasa)で声明を発表し、「MSFの担当チームによると、流行は終結に向かっている」との見解を示した。

 同団体は前月、西カサイ(West Kasai)州カンプング(Kampungu)に、エボラウイルスの感染症状を見せる人々を収容する隔離施設を開設。

 9月11日以来、これまで25件の感染例が報告されているが、エボラウイルスに感染すると、内臓出血を起こし、臓器障害により死亡する場合がある。

 MSFの声明によると、エボラウイルスの潜伏期間は通常「3週間以上」で、同州では新たに感染した疑いのある患者は報告されていないという。

 世界保健機関(World Health Organisation、WHO)の感染症専門家も、9月末以降新たな感染は報告されておらず、感染が疑がわれた患者の血液検査でも全員が陰性だったことを明らかにした。

 MSFとWHOは一方で、エボラウイルス流行の終結宣言を正式に発表するには、あと3週間感染例が出ないことが確認されてからだと強調し、11月中旬ごろの見通しなると述べた。(c)AFP

エボラでゴリラが大量死 コンゴの自然保護区で

2006年12月08日 中国新聞ニュース

 エボラウイルスの流行が繰り返し起こっているアフリカ中部コンゴ共和国の自然保護区で、2002年から05年の間にゴリラ約5500頭がエボラ感染で大量死したとの推計を、隣国ガボンと欧州の研究グループが8日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 グループによると、ガボンやコンゴでは、人間のエボラ感染が頻繁に発生、流行地付近の森で、ゴリラやチンパンジーの死体が多く確認される。

 グループは、ガボン国境に近いロッシ自然保護区で、群れやねぐらの数などを調査。人の感染が確認された直後の02年から05年にかけてゴリラが大量死する地域が急速に拡大し、保護区西側の約2700平方キロの調査区では、ねぐらの発見率が、影響の少ない東側より96%も低いことを突き止めた。

 これらの結果からグループは、調査区内に生息していた6000頭のうち少なくとも5500頭が死んだと推定。チンパンジーの減少率も約83%に達していた。

 グループは「密猟とともに、エボラがゴリラの生存にとって大きな脅威だ」と指摘している。

 ゴリラやチンパンジーなどの大型類人猿は、密猟、内戦の影響などで個体数が急減。国連環境計画(UNEP)などが各国に保護対策強化を求めている。

エボラ出血熱ウイルスの拡散、オオコウモリが“犯人”

2005年12月03日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 アフリカ中部で多発し、致死率が90%にも達するエボラ出血熱は、オオコウモリが病原ウイルスを保有し、広めている可能性が高いことをガボンやフランスなどの国際研究チームが突き止めた。

 これまで、病原ウイルスの“運び屋”である野生動物が不明で、予防策が取れなかった。成果は英科学誌ネイチャー最新号に発表された。

 研究チームは、コンゴ共和国とガボンでエボラ出血熱が流行した2001年から03年に、コウモリや鳥などの野生動物計1030匹を捕獲し、感染の有無を調べた。そのうちオオコウモリ3種に病原体のエボラウイルスに感染したことを示す抗体が見つかった。オオコウモリは発症しなかった。

 オオコウモリ3種の分布域は、エボラ出血熱の発生地域とも重なる。研究チームは「オオコウモリは現地で食用にされている。流行防止には、オオコウモリに近づいたり、食べたりしないことが重要」としている。

広東省:エボラウイルスまん延の疑い、政府が情報封鎖

2005/07/28 大紀元時報

 【大紀元日本7月28日】中国広東省でエボラ出血熱が既に蔓延しているのではないかの疑いが強まっているが、広東省のある税関職員が提供した極秘情報によると、深セン、広州、東莞、恵陽、ボローなどの各地で今年3月に、奇妙な病気が頻発し、多数の人が死亡したという。エボラウイルス感染症とみられるが、中国当局が厳重に情報を封鎖している。

 情報提供筋によると、2005年1月、中国広東省深セン市の海域で、中国税関の船が密輸捜索活動中に、ある国籍不明の船と衝突した。税関職員2人は黒人船員と接触する際にけがをした。2月末その中の1人楊さんは原因不明で死亡した。楊さんの妻子もその後隔離され失踪した。もう1人の江さんも強制拘束された後に、行方不明となった。

 楊さんの不倫相手の女性は、2月の始め、吐血や腹痛などを訴え、入院して2週間後に死亡した。死亡時には、体内から大出血し、その後、救助活動に参加した2人の医師も、同じ症状で死亡した。病院関係者の話によると、患者は発病後、体がどんどん溶けていったという。この症状はエボラウィルス感染症に非常によく似ている、伝染経路は血液らしい。ただちに病院が閉鎖され、中国当局が情報封鎖に乗り出し、密輸捜索活動に参加した職員や、死者らと生前接触があった人たちが強制隔離された。対外的には、エイズ感染と称している。

 3月26日早朝、深セン市の南豪鎮で、ある私立診療所で、21歳の女性が死亡時全身が溶け、大量の血の海となった。診療所のオーナーは失踪しており、大家さんの通報を受け、駆けつけた保健署職員らは、特殊防疫車を出動し、現場を厳重に消毒し、重症のエイズと称した。診療所と死者の自宅の美容室の関係者は全員強制連行された。

 3月27日に、恵陽、橋背、水祖坑などの地区で、短期滞在者らに、腹痛、内出血などの病状が現れ、深セン市の関係者らは現地に駐在するようになった。調べによると、患者らは、深センとビジネス関係がある他の地域の貿易商がほとんどで、台湾籍の女性も含まれているという。しかし、28日正午すぎに、情報源が原因不明のままで、一切遮断された。その後の電話調査によると、現地保健署の職員は、大規模な消毒作業を頻繁に行っている、現地の人々は、情報を漏洩しないよう警告をうけた。多数の人は、連れて行かれて、消息不明となった、死傷情報がまったくないという。

 3月28日東莞で、現地を偶々訪れていた女性が、内出血したため、ある私立診療所に立ち寄ったが、医師の通報を受け、保健署の職員が出動し、すぐに診療所が封鎖され、厳密に消毒された。当事者らはそのまま連れて行かれたが、大勢の群衆が一部終始を目撃したという。

 ボロー地区の湖頭で同日、ある地方出身者は、内出血の症状を訴えた、現地の一部の私立診療所は、すぐに厳密な保健検査を受けたが、午後になると、情報が完全に封鎖され、診療所に勤務する複数の医師が拘束され、診療所も営業許可証に不備があるとの口実で、強制閉鎖された。

 深センと広州を結ぶ広深高速道路で同日、広州のトラック運転手が運転中に、原因不明の吐血を起こし、昏睡状態に陥ったので、軽い交通事故を起こした。通りかかった運転手の話によると、事故運転手は吐血が止まらなくて、即座に道路管理者に連れて行かれた。現場に駆けつけた保健所の職員らは、その道路管理者を強制拘束した。理由は事故運転手と接触があったからという。その人の消息は不明のまま、目撃者は数人いる。この事件は、中国国内情報サイトのBBCネットで一時報道されたが、すぐに強制削除された。内情を知る関係者らは、当局から警告を受けたらしく事件の詳細を語ることを硬く拒んだ。

 医療関係者の話によると、今回のエボラウイルス感染症は、血液からの感染と見られている。空気感染の症例はまだ現れていないという。しかし、深セン市は貿易中枢のため、人の出入りが頻繁で、もしエボラウイルスが変異を起こし、空気感染をするように変化した場合は、SARSよりも恐ろしい伝染病の大流行に成りかねない。

 現在、今年3月に極秘情報を提供した税関関係者とは、連絡が取れなくなり、中国当局に監禁された可能性が非常に高い。当局の厳重な情報封鎖で、奇妙な病気の進展状況は把握できないが、最近中国各地で各種の伝染病が多発し、死亡する情報が相次ぎ暴露されている。国外での感染を防ぐために、この情報を日本語ネットでも公開することにした。これらの地域を訪れる人には、病気の疑いがある人と、血液や傷口の接触をしないことや、自身の予防強化などを勧めている。腹痛や、内出血などの症状には要注意で、腹痛と同時に、肺炎のような咳、寝汗をかくなどの症状が伴う場合も、厳重に注意しなければならない。

アンゴラで「マールブルグ病」広がる、死者203人

2005/04/12 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ヨハネスブルク=加藤賢治】アフリカ南部アンゴラで昨年10月から同国北部を中心にウイルス性出血熱「マールブルグ病」の感染が広がり、世界保健機関(WHO)は12日、これまでの死者数が計203人に達したと発表した。

 過去のマールブルグ病の被害は、1998年から2000年にかけてコンゴ民主共和国で123人が死亡したのが最悪だった。

 同保健機関によれば、11日夜時点の感染者は221人で、致死率は約92%と極めて高い。医師不足などから感染者への初期対応が遅れ、致死率が高くなっているという。

 下痢や高熱などの症状を伴うマールブルグ病はアフリカ中南部で散発的に流行してきた。自然感染経路は不明で、ワクチンや治療法も見つかっていない。

アンゴラで致死率9割の感染症、半年間で死者180人

2005年04月09日 asahi.com

 アフリカ南西部にあるアンゴラで致死率の高い伝染病、エボラ出血熱に似た「マールブルグ出血熱」が発生し、世界保健機関(WHO)は8日、半年間に180人が死亡したと明らかにした。感染者の死亡率は9割近くに達するという。

 WHOは「何種類かの出血熱のうち、マールブルグは最も致死率が高く、エボラよりも深刻だ」との見方を示し、緊急対策として国際社会に350万ドル(約3億6000万円)の支援を求めた。

 アンゴラ保健省によると、首都ルアンダから北東約300キロの町ウイジェで昨年10月ごろに発生した。感染者は北部を中心に約200人。

 症状は下痢や発熱、腹痛などから始まり、やがて激しい吐き気にみまわれて吐血する。血液や汗、涙など患者の体液への接触で感染するという。有効な治療法はみつかっておらず、死者には医師や看護師ら医療関係者18人も含まれている。

 日本の外務省はホームページで情報を流し、注意を呼びかけている。

 〈マールブルグ出血熱〉 病原体はウイルス。1967年、ドイツのマールブルグの研究所で、ポリオのワクチン研究のため、アフリカから輸入したサルの腎臓の細胞を培養していたスタッフの間で発生し、7人が死亡。99年にはコンゴで50人以上が死亡した。

アンゴラでマールブルグ病の感染広がる、死者132人

2005/04/02 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ハラレ=加藤賢治】世界保健機関(WHO)はアフリカ南部アンゴラで昨年10月から同国北部を中心に致死率の高いウィルス性出血熱「マールブルグ病」の感染が広がり、3月31日までの死者数が計132人になったと発表した。

 過去のマールブルグ病の死者は、1998年から2000年にかけてコンゴ民主共和国で123人が死亡したのが最多だったが、これを上回った。

 下痢や発熱などの症状を伴うマールブルグ病はアフリカ中南部で散発的に流行し、致死率は20%以上とされる。自然感染経路は不明で、ワクチンや治療法も見つかっていない。

出血熱で126人死亡 アフリカ南部アンゴラ

2005/04/01 The Sankei Shimbun

 アフリカ南部アンゴラからの報道によると、同国保健省と世界保健機関(WHO)は3月31日、同国北部ウイゲ州を中心に昨年10月以降、エボラウイルスに似たマールブルグ病ウイルスによる出血熱で126人が死亡したと発表した。同ウイルスによる死者数は過去最悪となった。

 同ウイルスにはワクチンや治療法はなく、これまでは隣国コンゴ(旧ザイール)で1998年から2000年に123人が死亡した例が最も死者数が多かった。

 アンゴラ内戦を逃れてコンゴに避難していた難民数万人が昨年からウイゲ州への帰還を始めており、同ウイルスの感染ルートとして疑う声も出ている。(共同)

感染症:「マールブルグ出血熱」で114人死亡−−アンゴラ

2005年3月26日 毎日新聞 東京夕刊 Mainichi INTERACTIVE

 【ヨハネスブルク白戸圭一】南部アフリカのアンゴラからの報道によると、同国北部の都市ウイジェで今月に入り、感染症「マールブルグ出血熱」が流行し、同国政府によると25日までに114人の死亡が確認された。同出血熱の感染でこれほど多くの犠牲者が出た例は過去にない。

 保健省当局者によると、ウイジェでの死者は112人。このほかにウイジェで患者の治療に当たったイタリア人医師ら2人が、約225キロ南の首都ルアンダへ移動後に死亡した。


エボラ出血熱で11人死亡 コンゴ

2003年11月17日 The Sankei Shimbun
 
 コンゴ共和国からの報道によると、同国のモカ保健・人口相は16日、首都ブラザビルの北方約700キロのムボモ付近でエボラ出血熱により11人が死亡したことを明らかにした。

 同国では、今年2月から4月にかけてエボラ出血熱で120人が死亡。世界保健機関(WHO)は大量発生を意味する「アウトブレーク」を宣言したが、保健省は感染拡大をほぼ抑止したとしていた。(共同)

エボラ出血熱の検査は陰性 カナダで隔離の女性

2001.02.08(16:05)asahi.com
 エボラ出血熱の疑いもあるとしてカナダの病院で隔離された30代の女性は、同国の専門機関による迅速検査ではエボラウイルスは見つからず、陰性だった。政府の感染症対策を指揮するダグラス・マクファーソン博士は記者会見で「政府としてはエボラの可能性はなくなったと見ている」と述べた。しかし、ほかのウイルスの可能性は残っている。専門家は「未知のウイルスだとさらに厄介だ」と指摘している。

 地元紙の報道によると、女性はコンゴ(旧ザイール)国籍で、エチオピアからニューヨーク経由でトロントに着いた。「深刻な症状」と旅行歴からエボラ出血熱も疑われた。容体は7日、やや改善したという。

 「エボラ上陸か」の報道に、感染を心配する人々から女性の身元を問い合わせる電話がカナダの保健当局に相次いでいる。

危険度高い感染症の臨床医育成に本腰/ エボラ出血熱など海外旅行普及で懸念

2000.11.27 The Sankei Shimbun
厚生省方針、来年度から実地研修

 厚生省が来年度から、エボラ出血熱など危険度の最も高い感染症の臨床医の育成事業に乗り出すことが二十六日、分かった。指定病院の医師を西アフリカなど海外の流行地域に派遣し、WHO(世界保健機関)などの専門家の下で実地研修させ、帰国後は指導者として活躍してもらう。わが国では、過去にこのような感染症の発生がほとんどなく、診療経験を持つ医師は皆無に近い。海外旅行の普及で近年、旅行者が海外で感染、日本で発病、流行させるリスクが高まっているだけに災害救急の関係者も期待している。

 わが国では、昨年四月に施行された感染症法で、危険度に応じて感染症を四つに分類。最も危険な「一類感染症」をエボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱の五疾患とし、都道府県知事が、これらの病気を診る病院を各都道府県に一カ所指定することになった。

 しかし、指定病院の整備は遅れており、まだ成田赤十字病院(千葉県成田市)、東京都立墨東病院、大阪市立総合医療センター、神戸市立中央市民病院など十病院計十八床にとどまっている。

 その最大の理由は一類感染症について分かる医者が日本ではきわめて少ないこと。教科書上の知識はあっても、実際に患者を診た経験を持つ医師は皆無というのが実情で、医師の確保に苦労しており、「ハードだけつくっても仕方ない」との意識が自治体側に働いているという。

 研修はまず指定病院の医師を対象に始める。派遣先は西アフリカを中心とする流行地域で、期間は約十日間。現地ではWHO、CDC(米国疾病対策センター)の活動に参加させてもらうことを考えており、一部交渉を始めている。帰国後は国内の研修会で講師を務めるなど指導的役割も担う。

 WHOは近年「今や地球規模で感染症による危機にひんしている。もはやどの国も安全ではない」と警告し続けている。

 現在、人々の移動手段の九割以上は飛行機とされている。旅行者は旅先で感染し、発症前の潜伏期間内に帰国するため、検疫所のチェックシステムも簡単に通過。発病したときには既に周囲の人に感染させている。

 日本人の海外旅行はますます多様化し、かつての“秘境”さえも観光名所となる時代で、感染リスクは高まる一方だ。

 現在、ウガンダでエボラ出血熱が大流行しているが、隣国のケニアは日本人にも人気で、年間四千−五千人が訪れているという。

 厚生省も、わが国にとって未知の感染症が出現した際、瞬く間に流行が拡大し、大規模災害となることを恐れており、「地球規模で感染症の発生動向に目を光らせ、大規模流行を抑止する危機管理能力の向上が急務だ」としている

 <意義計り知れない>

 日本医科大高度救命救急センターの山本保博教授の話 「日本でもエボラ出血熱などの患者が出る可能性はあると、災害救急にたずさわる者として危機感を募らせている。だが、残念ながら、だれ一人としてエボラ出血熱などを診たことがない。貴重な臨床経験を日本に持ちかえり、共通の財産にできることの意義は計り知れない」。

         ◇

 <エボラ出血熱> 血液を介してウイルスに感染するとされる。高熱、下痢に加え、消化管や鼻口腔などで出血する症状からこの名前がついた。ワクチン、治療法はまだ発見されておらず、致死率は五〇−八〇%。流行地域はザイール、スーダンなどアフリカの中央から西部。先月十六日、ウガンダで発生し、WHOによると今月十三日現在、累積感染者数は三百二十一人で、このうち百四人が死亡している。日本政府はWHOの要請に応じて対策費を提供、医師を現地に派遣した。日本ではまだ発生報告はない。

ウガンダのエボラ出血熱、発生から半月で死者92人

00/11/08 Web Med
 WHO(世界保健機関)は11月7日、ウガンダ健康省の発表として、エボラ出血熱のアウトブレーク(伝染病の爆発的流行)による死者が92人、感染者が284人に達したと伝えた。

エボラ出血熱被害、ウガンダ南部に飛び火

2000.11.05(19:31)asahi.com
 世界保健機関(WHO)とウガンダからの報道によると、同国北部で発生したエボラ出血熱による被害が、同国南部にも飛び火した。2日までに報告された症例は262でうち81人が死亡している。

ウガンダのエボラ熱、死者は47人に WHO発表

2000.10.20(21:49)asahi.com
 世界保健機関(WHO)は20日、ウガンダ北部のグルで発生しているエボラ熱についてスーダン型と断定し、これまでに122人が感染し、47人が死亡した、と発表した。エボラ熱には、ザイール型とスーダン型の2種類があり、感染者の死亡率は、もっとも危険なザイール型で約90%、1976年から77年にかけてスーダンで流行したスーダン型で50―70%という。

エボラ熱で43人が死亡 ウガンダ

2000.10.16(22:01)asahi.com
 世界保健機関(WHO)に16日、ウガンダから入った情報によると、同国でエボラ熱による死者が43人にのぼり、さらに増える見込みだ。

エボラ出血熱と断定 ウガンダの30人病死

2000.10.15【ビクトリア(セーシェル)15日=共同】The Sankei Shimbun
 ウガンダからの情報によると、ウガンダ保健省は十五日までに、北部グルで地元住民四十二人がかかり、死者三十人を出した出血性の高熱は血液検査からエボラ出血熱と断定した。ウガンダでエボラ出血熱が発生したのは初めて。

 政府は、ジュネーブから世界保健機関(WHO)の専門家の応援を得て感染経路の特定を急いでいる。最初の死者は、ウガンダ兵が派兵先のコンゴ(旧ザイール)から連れて帰ったコンゴ人の妻。ウガンダ兵も数人死亡しており、兵士がウイルスをコンゴから持ち込んだ可能性が高い。

アフリカ各国で、伝染病広がる

99年5月12日 16時22分 ロイター
ナミビアで腺ペスト、コンゴ民主共和国(旧ザイール)でエボラ出血熱、アンゴラでポリオ、モザンビークでマラリアなど、紛争が続いているアフリカ諸国で、伝染病が広まっている。 南アフリカ共和国の厚生省・伝染病管理局のネイル・キャメロン医師は、「戦争により、より多くの病気が発生する。第1次世界大戦では、撃たれて死亡したより、発疹チフスなどで死亡した人の方が多かった」とした上で、「ポリオは、アンゴラ内戦の結果だ」と指摘した。 アンゴラの首都ルアンダではここ2カ月で、子供50人以上が死亡したほか、700人が全身マヒの状態となっている。同国では昨年12月、政府軍と反政府ゲリラのアンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)との戦闘が、再開されたばかり。 一方、コンゴ民主共和国では数十人、中央アフリカ共和国ではここ数週間で20人が死亡、スーダンでは昨年12月以降、750人が伝染病で死亡したほか、新たに1万人以上の感染が報告されている。

コンゴ 出血熱はマールブルグ病

1999年5月7日 15時50分 共同通信社
 世界保健機関(WHO)は6日、コンゴ(旧ザイール)北東部で発生した出血熱の流行は、ウイルスが原因で起こるマールブルグ病と確認したと発表した。 

 WHOの専門家と『国境なき医師団』の合同チームが、流行が起きている地区に入り、流行規模の把握と感染源確定の作業に入ったという。 

 WHOによるとマールブルグ病の集団感染は最初の発見例となった1967年以来32年ぶり。

コンゴでエボラ出血熱再燃か 50人以上死ぬ

9:31p.m. JST May 01, 1999
 コンゴのマシャコ・マンバ保健相は30日の記者会見で、同国の反政府勢力支配地域でエボラ出血熱と見られる致死的な出血性伝染病が発生していることを明らかにした。

 それによると、北東部の町デュルバでは1月半ばから3月半ばまでに52人が発病、うち50人が死亡したという。はっきりした検査結果は出ていないが、症状は最も恐ろしいウイルス性伝染病のエボラ出血熱と一致している。

 同保健相は「すぐに病気と闘わねばならない。世界保健機関(WHO)に出動を求めたい」と述べた。

 また、北東部のムングベレ、イシロ付近でも発生し、死者も含めて78人の患者が出ているという。

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