TOPIC No.5-22 口蹄疫病

01. 日本の口蹄疫情報 by 家畜衛生試験場
02. 口蹄疫への対応についてby農林水産省 畜産局
03. 口蹄疫に関する情報提供について(2010年05月04日) by宮崎県庁


北朝鮮で口蹄疫発生、軍が防疫出動 韓国メディアが報道

2011.01.18 12:21 MSN産経新聞

 【ソウル=加藤達也】18日付の韓国紙、中央日報は情報当局者の話として、北朝鮮の平壌付近で口蹄(こうてい)疫が発生し、人民軍が出動して主要道路に検問所を設置、住民の移動を最小限に制限するなどの拡大防止措置を講じていると報じた。

 しかし北朝鮮では防除用の石灰や検疫薬品、装備が不足しており、検疫活動が機能していないという。現時点では初期発生地域以外に拡大したとの情報はないとされる。

 北朝鮮は2000年代に入ってから軍の自立経済活動の一環などとして、軍部隊で大規模な養鶏場や養豚場を運営するようになっている。このため口蹄疫などの家畜伝染病が流行すると軍部隊自体が防疫に追われ、軍事活動という本来の業務にも影響が避けられない。

 韓国政府当局者は中央日報に対し「北朝鮮では重症急性呼吸器症候群(SARS)や鳥インフルエンザに比べ、口蹄疫に対する警戒は低く、住民は口蹄疫に罹(り)患(かん)した牛、豚の肉も食用にしている」と話している。

 また聯合ニュースは韓国政府当局者の話として、口蹄疫が発生したのは昨年末で、北朝鮮は全国の牛や豚を飼う農家に軍を派遣して防疫作業にあたっていると伝えた。

韓国で口蹄疫拡大、「人災」と政府批判強まる

2011年01月18日19時54分 読売新聞

 【ソウル=門間順平】韓国で、家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)が拡大。

 18日には、殺処分の対象となった牛や豚などの家畜数が、全飼育数の約15%にあたる約210万頭に達した。韓国メディアは、「対策遅れが招いた人災」などと韓国政府への批判を強めている。

 韓国農林水産食品省によると、昨年11月末に南東部で1頭目の感染が確認された後、被害は北部などにも拡大。1月17日までに、牛12万8000頭、豚170万頭など計約183万頭が殺処分された。

 18日のソウル新聞は、「政府が発生1か月後までワクチン接種を実施しなかったことが(被害拡大に)決定的に作用した」と指摘した。

口蹄疫:100万頭が感染、補償額は7500億ウォン超に

2011/01/07 11:48 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 李陳錫(イ・ジンソク)記者

 伝染病の口蹄(こうてい)疫が、全羅北道と南道、慶尚南道、済州道を除いた全国に広がり、100万頭近くの牛と豚が殺処分され、補償金の額が7500億ウォン(約560億円)を超えた。農林水産食品部(省に相当)は6日、畜産農家への支援金、ワクチン接種、防疫費用など被害額は9700億ウォン(約720億円)に達する見込みと発表した。

 口蹄疫の拡大が衰える気配を見せておらず、補償金などに投入される税金はさらに増える見通しだ。同日も、忠清南道唐津郡合徳邑や京畿道安城市一竹面、忠清北道陰城郡金旺邑に豚の口蹄疫、忠清北道陰城郡三成面に牛の口蹄疫が発生した。

 政府は今回の口蹄疫について、口蹄疫危険国のベトナムなど東南アジア地域を旅行した一部畜産農家を通じてウイルスが流入したとみている。韓国では過去にも、牛や豚の農場のオーナーや労働者が海外に行ってきた後に口蹄疫が発生した前例がある。今回も、一部農場主の不注意により、過去最悪の事態にまで発展している。殺処分となった家畜については時価で補償しているが、事実上は納税者が負担しているわけだ。

 今回の口蹄疫は、昨年11月29日に慶尚北道安東市で発生し、40日にわたって慶尚北道、京畿道、江原道、忠清北道、忠清南道の六つの広域自治団体の46の市と郡に広がった。これは全国基礎自治団体の20%に達する。市、郡、区の5カ所のうち1カ所が口蹄疫の被害を受けたわけだ。

 同日までに牛9万2424頭、豚85万3089頭が殺処分された。ワクチン接種は、当初牛だけが対象だったが、6日には豚も対象となり、これまで141万1515頭が接種を受けている。

 李明博(イ・ミョンバク)大統領は同日、大統領府で開かれた口蹄疫対策緊急関係閣僚会議で「年間1500万人が海外へ旅行に行き、800万人が韓国を訪問する。検疫も検疫だが、根本的な対策を立てなければならない」と指示した。続けて「旅行客が増えるという面で、検疫だけでは予防が難しい。中国やベトナムの場合、口蹄疫が年中発生する地域であるため、すぐにでも対策が立てられるが、根本的な対策を講じたい」と強調した。

韓国:口蹄疫で非常事態 47万頭処分、全土拡大の勢い

2010年12月30日 毎日新聞 東京朝刊

 【ソウル西脇真一】韓国で家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)が全土へ広がる勢いを見せており、韓国政府は29日、家畜疾病危機警報を最高の「深刻」に格上げし、対策本部を設置した。事実上の非常事態に相当する。これまでに豚や牛など約47万頭が殺処分された。

 11月に東部の慶尚北道安東(キョンサンプクドアンドン)市の農場で初めて豚の感染が確認され、その後、約200キロ離れた北西部の京畿道(キョンギド)や北東部の江原道(カンウォンド)に拡大。28日には中部・忠清北道(チュンチョンプクド)でも確認され、これまで4道と仁川市の5広域自治体の29市郡で発生した。政府は畜産関係車両の移動が拡大の原因とみている。

 政府は25日からワクチン接種を開始。消毒と殺処分の3本立て対策で臨んでいるが、終息までの期間や被害規模が過去最大となるのは確実だ。政府はワクチン接種対象地域を広げるなどしているが、「当局の防疫対処能力が限界に来ているのではないか」(聯合ニュース)との指摘も出ている。

 対策本部によると、国内で豚は1000万頭、牛は340万頭を飼育。殺処分は全体の3・4%で牛・豚肉価格にまだ大きな変動はない。しかし、このままでは旧正月(来年2月3日)の贈答品としても人気のある「韓牛」価格が高騰するとの分析も出ている。

 一方、日本の非政府組織(NGO)「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」(RENK)代表の李英和(リヨンファ)関西大教授に入った情報によると、北朝鮮でも口蹄疫が発生しているという。協力者の話では、1週間ほど前、平壌東部の江東郡九賓里にある畜産団地で発生し、家畜が死んでいるという。

口蹄疫:安東から急速に拡大

2010/12/03 11:41 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者

口蹄疫四日間で5カ所、5万頭を殺処分

周辺地域から感染疑い例の通報15件

 慶尚北道安東市で発生した牛・豚の伝染病「口蹄(こうてい)疫」が、発生から四日間で5カ所(安東市内)に広がり、2日には安東周辺地域で感染疑い例の通報が15件寄せられるなど、被害が急速に拡大している。殺処分の対象となる家畜は5万3000頭に達し、今年4月から5月にかけて、金浦・江華を中心に発生した口蹄疫での殺処分頭数(5万頭)を超えた。牛に比べ、口蹄疫の感染力が最大300倍に達する豚の飼育場で感染が始まったために、被害が急速に拡大したと分析されている。

 農林水産食品部は2日、「慶尚北道安東市臥竜面羅所里・佳野里、泥川洞の韓牛(韓国伝統の肉牛)飼育場から1日に通報された疑い例は、いずれも口蹄疫と判定された」と発表した。口蹄疫は、牛・豚などひづめが二つに分かれている動物が発病する第1種家畜伝染病で、この病気にかかった家畜は口やひづめに水疱(すいほう)が生じ、ひどいときは死に至るケースもある。ただし防疫当局によると、人間が口蹄疫に感染した動物の肉を生で食べても、口蹄疫には感染しないという。

 防疫当局はこの日、口蹄疫が発生した農場から半径500メートル以内にいるすべての家畜(840頭)について、再発防止のため殺処分することを発表した。

 2日に口蹄疫が確認された各農場は、先月29日に感染が初めて確認された臥竜面ソヒョン里の養豚場から南東に2.5−4キロ離れた場所にある。2日現在、安東で発生した口蹄疫が、最初の発生地を起点に設定された警戒地域(半径10キロ以内)を超えた事例はまだ確認されていない。しかし、警戒地域を越えて口蹄疫が拡大する可能性は残っている。2日に通報された感染疑い例のうち、安東市豊川面金渓里の韓牛飼育場は最初の発生地から19キロ、青松郡安徳面明堂里の韓牛飼育場は42キロも離れている。

 防疫当局は、安東はもちろん、周辺の義城郡などの地域でも防疫を強化すると共に、「注意」段階の警報を発令し、空港・港湾など国境での検疫を強化している。口蹄疫の余波で、韓国国内の家畜市場85カ所がすべて閉鎖され、これまで口蹄疫清浄国だった韓国の地位は自動的にはく奪されることになった。その上、豚肉の輸出も全面的に禁止されるなど、畜産農家への被害も懸念されている。

口蹄疫侵入水際で防ぐ

2010年12月03日 読売新聞

4か国語で消毒掲示板 宮崎空港

国際線の搭乗ブリッジに設置されている消毒マットと掲示板

 韓国で口蹄疫(こうていえき)が発生したことから、ソウルへの国際定期便がある宮崎空港(宮崎市)では、ウイルスの侵入を防ぐため、国際線の搭乗ブリッジに、消毒への協力を求める4か国語の掲示板を置くなどの取り組みを始めた=写真=。

 宮崎空港発着の国際線は韓国が週3便、台湾が週2便あり、11月17日から搭乗ブリッジに消毒マットを設置しているが、消毒液が靴に染みこむのを嫌って、マットを避ける外国人客も少なくないという。

 11月末に韓国南東部の養豚農家で口蹄疫の感染が確認されたことから、乗客にマットでの消毒を徹底してもらうため、日本語と英語、韓国語、中国語の4か国語で協力を求める掲示板を新たに設けた。

 宮崎空港ビルの高屋靖夫総務部長は「消毒を過剰にやり過ぎると観光客に敬遠されるかもしれないが、畜産県であるだけに、隣国での発生を重く受け止めている。さらに効果的な方法がないか、検討していきたい」と話している。

口蹄疫補償支払い 農家の77%止まり

2010年12月02日 asahi.com Mytown宮崎

 口蹄疫(こうていえき)で家畜を殺処分された農家への補償(手当)金の全額支払いが11月末現在、対象農家の77%までしか終わらなかったことが分かった。東国原英夫知事は、全額支払いの終了時期を11月末と公言していながら、直前の同月24日になって、国の補正予算の成立時期などを理由に挙げ、先延ばしに言及していた。(石田一光)

 県畜産課によると、対象農家は家畜が殺処分された1339戸。殺処分前提のワクチン接種を受けた1047戸のうち95%の994戸は支払いを終えたが、感染により殺処分された292戸のうち支払いを終えたのは11%の33戸だけで、遅れが目立った。全体ではまだ23%の農家に支払いが終わっていない。

 補償金の全額支払いの終了時期について、県は当初9〜10月としていたが、知事は「書類が多くて確認に手間取っている」として11月末に先延ばしにした。

 しかし、同月24日になり、「一部は国の補正予算が成立してから交付してもらう形をとった。成立して執行されれば早く支払える。書類審査が複雑なことや飼養頭数が多いことから一部遅れており、おわびしたい」と、更なる先延ばしに言及した。国の補正予算はその2日後の同月26日に成立している。

 口蹄疫被害者協議会の吉松孝一会長は「我々は憤慨している。裏切りであり、再度ただす」と話している。

農場立ち入り制限を、韓国口蹄疫で宮崎県通知

2010年12月01日 読売新聞

 韓国の養豚場で口蹄疫(こうていえき)が発生し、島根県で高病原性鳥インフルエンザの疑いで鶏が死んだことを受け、県は30日、畜産関連の農場への部外者の立ち入り制限などを農家に促すよう、全市町村に通知した。また、市町村の畜産担当者らを集めた緊急の家畜防疫会議を県庁で開き、ウイルスの侵入防止策を確認した。

 通知は、農場への立ち入り制限のほか、畜舎や出入りする人、車への消毒の徹底や、家畜の異変を感じたら家畜保健衛生所に通報することなどの周知を求めている。

 家畜防疫会議には約100人が出席し、県農政水産部の緒方哲次長が「韓国は9月にOIE(国際貿易事務局)の口蹄疫清浄国に復帰したばかり。口蹄疫や鳥インフルエンザを防ぐには、危機意識を共有することが大切」とあいさつ。担当職員らが消毒の徹底などを呼びかけた。

 県畜産課によると、県内には鶏やキジなどを100羽以上(ダチョウは10羽以上)飼育する農場が984あるという。東国原知事は「警戒警報という気持ちで、防疫の強化など万全の態勢を整えてほしい」と訴えた。

韓国で口蹄疫拡大 牛の感染も確認

2010.11.30 12:38 MSN産経新聞

 韓国の農林水産食品省は30日、同国南東部の安東市で食用牛が口蹄(こうてい)疫に感染していることを確認した。29日には約8キロ離れた2カ所の養豚施設の豚の感染が判明しており、感染が広がっている可能性がある。

 防疫当局は29日から養豚施設の半径3キロ以内の家畜約2万3千頭の殺処分を始めているが、その地域外で牛の感染が分かったことでより広範囲の防疫措置が迫られることになる。(共同)

韓国で口蹄疫、農水省「国内農家も警戒を」

2010年11月30日 読売新聞

 農林水産省は30日、韓国の養豚農家で口蹄疫(こうていえき)の感染が確認されたと発表した。同省は国内の畜産農家に消毒の徹底など警戒を呼びかけている。

 同省によると、同国南東部の慶尚北道(キョンサンプクト)の養豚農家2戸で異常のある豚が見つかり、29日に陽性と確認された。発生農家のほか、半径3キロ内にある約130戸の畜産農家の家畜が殺処分されるという。同国では今年1月に口蹄疫が発生、6月を最後に感染は止まっていた。


県:基幹種牛精液、宮崎県に無償提供 /宮城

2010年11月30日 毎日新聞 地方版

 県は29日、家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)で家畜被害を受けた宮崎県に対し、宮城県の基幹種雄牛5頭の凍結精液計250本を無償提供すると発表した。

 宮崎県では4月に口蹄疫が発生し、8月の「終息宣言」まで全飼養頭数の約2割にあたる約29万頭の家畜が殺処分された。その中には、同県の名牛「安平」など種雄牛50頭も含まれている。

 宮城県は宮崎県と「宮宮連携」を結び、特産品の相互PRなどを行っている。今回は宮城県の基幹種雄牛「茂洋」や「奥北茂」など5頭の凍結精液各50本を無償で提供。宮崎県でわずか5頭となった種雄牛の次世代育成に貢献したい考えだ。

 村井嘉浩知事は29日の定例記者会見で「宮崎県の畜産振興に寄与し、宮宮連携がさらに発展すると考えている。ぜひ有効に活用して立派な種雄牛を育てていただきたい」と述べた。【鈴木一也】

宮崎の口蹄疫27日終息へ 午前0時に非常事態宣言解除

2010年07月26日 中国新聞ニュ−ス

 宮崎県川南町で口蹄疫問題による一部制限が解除された16日、消毒ポイントを撤去する町職員

 口蹄疫問題で宮崎県は、県内で最後に残っていた宮崎市の発生農場を中心とする家畜の移動、搬出制限区域を27日午前0時に解除。東国原英夫知事はこれに合わせて県庁で記者会見し、発生地域の住民に外出自粛などを求めてきた非常事態宣言の解除を発表する。

 4月の発生確認から3カ月余り。宮崎牛ブランドを支える種牛を含め計29万頭近くの牛、豚が犠牲となり、畜産王国を揺るがした口蹄疫は終息を迎えた。今後は畜産をはじめ、宿泊キャンセルで打撃を受けた観光業界など地域経済の復興が課題となる。

 非常事態宣言の解除後も畜産農家の消毒徹底や、一部地域で残す車両の消毒ポイントへの立ち寄りなどを引き続き求める。県は風評被害一掃のため、県内で飼育されている家畜約94万頭すべてを対象に目視検査を進めており、ウイルスが残っている可能性がある発生農場のふん尿処理が完了する8月27日に、最終的な終息宣言を出す方針。

 宮崎市では当初、今月11日の制限区域解除を予定していたが、4日に新たに感染疑いの牛1頭が見つかり、先送りとなっていた。県が16日から周辺で安全性調査を実施。抗体検査や目視検査で異常が見つからなかった。

日向・宮崎市で初の疑い例 口蹄疫さらに拡大

2010/06/11 中国新聞ニュ−ス

 口蹄こうてい疫問題で宮崎県は10日、日向市内の牛と、宮崎市内の豚がそれぞれ、症状が出ている部分の写真の分析に基づき、感染疑いと判定されたことを明らかにした。両市内で疑い例が出るのは初めて。ほかに西都市や川南町、木城町でも新たに感染疑いが見つかった。西都市では5月に殺処分された種牛のエース「忠富士ただふじ」を含め6件目。

 日向、宮崎、西都市の今回の発生農場は、いずれも政府と県が国内で初めて踏み切ったワクチン接種の対象地域外。鹿児島との県境に近い都城市への飛び火に続き、被害はさらに拡大し、一層の防疫強化が求められる。

 県はこれらの農場で飼育されている牛と豚4500頭以上を殺処分する。また、都城市内の牛が遺伝子検査で陽性となり感染疑いが確認されたのを受け、発生農場から半径10キロの家畜の移動制限区域と、同10〜20キロの搬出制限区域を設定する方針。搬出制限区域には鹿児島県曽於市そおしの一部が含まれる。

 鹿児島県は宮崎との県境付近の県道などで消毒ポイントを増設。11日にも一部道路を封鎖し、車の通行を幹線道路に絞って、全車両を対象に消毒作業を徹底する方針。

 発生農場から半径10キロ圏内にある都城市内の食肉処理場「ミヤチク高崎工場」は11日から操業を休止。同20キロ圏内の都城市食肉センターは引き続き稼働する。県によると、県内に7カ所ある食肉処理場のうち、ミヤチク高崎工場は2009年度に牛約1万6千頭、豚約23万頭を処理。県内全体で処理された牛の約27%、豚の約21%を占める。

 県畜産協会(宮崎市)は「ミヤチク高崎工場には県内各地から家畜が持ち込まれており、ほかの処理場では受け入れに限界がある。出荷が滞ると、農家に餌代などの負担がかかる」と懸念する。

 また、宮崎県は10日、西都市に避難させたエース級種牛5頭について、再び抗体検査を実施するため検体を採取、東京の検査施設に送った。結果は12日夜に判明。順調にいけば避難先周辺の移動制限区域は13日午前0時で解除となる見通し。

口蹄疫で政府、自衛隊増派へ 消毒地拡充、百億円を投入

2010年05月17日 中国新聞ニュ−ス

 口蹄疫対策本部の初会合であいさつする鳩山首相=17日午後、首相官邸

 政府は17日、全閣僚による口蹄疫対策本部(本部長・鳩山由紀夫首相)の初会合を開き、殺処分後の家畜の埋却などの防疫活動に携わる自衛隊を速やかに増派することや、消毒地点を拡充する方針を決定した。宮崎県で感染拡大が続いていることを受け、2010年度予算の予備費も活用して対応を急ぐ。

 財務省は現時点で対策費として約100億円の支出を想定。だが殺処分対象の牛や豚が同日までに8万5千頭を超えるなど、国内過去最悪の被害を更新。沈静化への見通しは不透明で、感染が広がれば政府支出が今後膨らむ可能性がある。

 鳩山首相は会合で、感染拡大について「危機管理上、大変重大な課題だ」とした上で「一刻も早く、発生農家、宮崎県のみなさんにも安心していただけるような状況をつくらなければならない」と述べた。

 対策本部はこのほか、(1)影響を受けた畜産農家の生活支援や経営再建のため万全を期す(2)地元自治体の経費を国からの特別交付税で補てんする(3)農林水産副大臣を本部長とする現地対策本部を設置し、地元と国の連絡調整に当たらせる―方針を決定した。

口蹄疫拡大 一般車両も簡易消毒 15日から人吉市の国道221号 宮崎県からの入境対象

2010年05月15日 西日本新聞

 宮崎県で家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)が拡大していることを受け、熊本県は15日午前9時半から、県境に近い人吉市大畑町の国道221号で、宮崎県側から人吉市に入る一般車両にも消毒措置を始める。畜産関係トラック向けの従来の噴霧消毒とは異なり、道路上に消毒液を浸したマットを敷き、徐行してもらう簡易型の消毒にする。一般車両への消毒措置は県内で初めて。

 熊本県内には現在計9カ所の消毒ポイントがあり、畜産農家に出入りするトラックへの消毒を実施している。このうち国道221号は、口蹄疫が4例発生した宮崎県えびの市と人吉市を結ぶ幹線道路のため、万全の対策をとることにした。

 現地では、人吉市方面に向かう国道上で、一般車両向けの簡易消毒を行うほか、道路沿いのスペースで畜産関係トラックに噴霧器による消毒を継続。消毒措置には強制力がないため、協力を得られない車用のレーンも設ける。24時間態勢で誘導員を置く。

 県球磨地域振興局によると、現地では宮崎県方面から1日約2千台の車が通る。宮尾尚局長は「被害拡大を防ぐため協力を」と呼び掛けている。

 県はまた、17日から新たに人吉市木地屋町の国道267号と、山都町塩原の同265号の2カ所に消毒ポイントを設置すると発表した。

「口蹄疫」被害 基幹産業失う恐れすらも

2010年05月14日 西日本新聞 社説

 10年前と何が違うのか。宮崎県内で家畜伝染病の口(こう)蹄(てい)疫(えき)の感染が食い止められない。被害は雲泥の差になった。

 宮崎県の基幹産業である畜産業は大丈夫か。そんな不安も脳裏をかすめる。

 いまから10年前の2000年3月、宮崎市の1戸の農家で口蹄疫に感染した疑いのある牛が見つかった。検査の結果、国内では92年ぶりの発生が確認された。

 翌4月、隣接する高岡町(現宮崎市)の農家2戸で相次いで感染牛が出た。

 なお警戒は続いたが、これ以上の感染は出なかった。10年前は、この3戸で感染をくい止めたのだ。それでも、終息を宣言するまでほぼ50日間を要した。

 今回はどうか。都農町で口蹄疫に感染した疑いのある牛が確認されたのは、先月20日だった。

 翌21日、都農町の南側に接する川(かわ)南(みなみ)町でも感染の疑いがある牛が見つかった。その後も連日のように感染が疑われる事例の報告が続き、今月12日現在で76例に達し、9割が川南町に集中している。

 被害を大きくしたのは、牛に続いて豚にも感染が広がったことがある。養豚農家などの被害は30例余りを数える。

 畜産農家は規模拡大で生き残りを図ってきた。国も県もそれを奨励した。

 農家1戸当たり平均規模は鶏が最多で、豚、牛と続く。宮崎県では豚の平均飼養頭数は2000年の842頭から07年には1386頭に大幅に増えている。

 これも裏目に出た。1頭でも感染の疑いが持たれれば同じ農場の牛や豚はすべて殺処分しなければならない。

 被害が集中する川南町では、豚1万5千頭規模のほか、8千―3千頭など大型農場で疑い事例が出て、合計7万頭超の豚を処分しなければならなくなった。

 人には感染しないし、万が一、感染した肉を食べても人体には影響はない。家畜間の感染拡大を阻止するためだが、生産者は身を切られる思いだろう。

 川南町は「畜産王国」を自負する。

 町のホームページには「(畜産の)歴史は古く、藩政時代から続く。そんな伝統が川南の畜産技術を高めてきたのであろう。高品質、安定供給には定評があり、横の連帯感も強い」などとある。

 05年度の統計では372戸の畜産農家で粗生産額は152億円だった。

 町の基幹産業が壊滅的な打撃を受けている。まずは口蹄疫を完全に封じ込めることに全力を挙げるしかない。終息のめどを付け、休止中の家畜市場など流通を一日も早く再開する必要がある。

 そして、失意の底にある生産者に再建に向けて立ち上がってもらわなければならない。国の手厚い措置も必要だ。もっと広く励ましや支援の手が差し伸べられることも有効ではなかろうか。

 女子プロゴルフの横峯さくら選手が賞金1200万円全額を宮崎県に寄付するという。誰でもできることではないが、畜産王国・宮崎を支えるため、物心両面からの幅広い支援を一層強めていく時だ。

宮崎 ブランド種牛6頭避難 40年近くかけ育成 松阪牛や佐賀牛 生み出す一級品 全国の生産者安ど

2010年05月14日 西日本新聞

 宮崎県の東国原英夫知事が赤松広隆農相に“超法規的措置”を直談判してまで避難させた種牛6頭は、宮崎牛ばかりでなく、松阪牛や佐賀牛など高級肉牛を生み出す“スーパーエリート牛”だ。宮崎県には全国各地の畜産関係者から感染回避のため避難を求める要望が相次いでいたという。「もし感染して処分でもされれば、先人が40年近く続けてきた努力が水泡に帰すところだった」。関係者からは、ひとまず安心する声が上がった。

 6頭を飼育している県家畜改良事業団(高鍋町)は1973年の設立。ここで毎年、県内の10万頭超の雌牛から350頭を選抜し、30頭程度の基幹種雄牛の精液を交配して生ませた雄の中から、厳選に厳選を重ねて種牛を育成している。

 現在、55頭を管理しているが、流通用に精液を採取するのは市場で評価を得た25頭程度。今回の避難対象となったのは、特に人気が高く、流通させる精液の90%以上を生産する6頭(福之国(ふくのくに)、勝平正(かつひらまさ)、忠富士(ただふじ)、秀菊安(ひできくやす)、美穂国(みほのくに)、安重守(やすしげもり))だ。

 県によると、事業団からは、県内の繁殖牛農家に限定して年間約15万本(1本0・5CC)の人工授精用精液を供給しているという。これを基に繁殖牛農家が子牛を育て、年間約7万7千頭程度を宮崎牛ばかりでなく、松阪牛、佐賀牛などとして育てる子牛として出荷するという。

 宮崎市内で肉牛を飼育している県農業法人経営者協会の尾崎宗春副会長は「事業団は感染区域と近接していただけに、一刻も早い移動を願っていた。先人の努力はひとまず守られた」と胸をなで下ろしていた。

 三重県の松阪牛の肥育農家などでつくる松阪牛協議会の永田憲明理事は「松阪で肥育する子牛の約半数を占める宮崎産の子牛がいなくなれば、松阪牛の品質にも影響する。他の子牛産地を探そうにも、宮崎のような信頼度がある産地はなかなかない」と話している。

「ホタル舟」の運航中止 さつま町 口蹄疫侵入防止で

2010年05月14日 西日本新聞

 宮崎県で家畜感染症の口蹄疫(こうていえき)被害が拡大していることを受け、鹿児島県さつま町は13日、口蹄疫の侵入防止を目的に町内で15日以降に予定していた恒例の「ホタル舟」などのイベント4件を中止すると発表した。

 町内では牛約1万1千頭、豚約4万頭などを飼育している。宮崎県えびの市でも確認された口蹄疫の影響で、町北部の一部が搬出制限区域内に含まれており、町は主催者と協議してイベントの中止を決めた。

 ホタル舟は例年、町内2カ所で5月中旬−6月上旬に運航。川内川を小船で下りながらホタルを観賞する。今年も乗船予約を受け付けていた。

口蹄疫被害対策 国へ9項目要望 九州市長会

2010年05月14日 西日本新聞

 九州市長会(会長・釘宮磐大分市長)は13日、佐賀県嬉野市で定例総会を開き、家畜の伝染病「口蹄疫(こうていえき)」が宮崎県で拡大している問題で、処分費用の支援や無利子の運転資金融資など9項目からなる国への緊急決議案を採択した。近く、決議文を赤松広隆農相あてに郵送し、釘宮会長が来週にも赤松農相に直接、要請する方針。

 緊急決議案は宮崎県市長会が提案。決議文には(1)患畜の処分・埋却に伴う費用負担など支援制度の拡充(2)収入が途絶える農家に対する一時金の給付(3)畜産業者への日本政策金融公庫による無利子融資‐などが盛り込まれている。

 決議は全国市長会に提案し、同会の決議を経て国に要望するのが通例だが、釘宮会長は「時間を置くわけにいかない」として、全国市長会を経ずに国に要請する考えを示した。

新たに10カ所で口蹄疫疑い 宮崎、殺処分8万頭に

2010年05月14日 西日本新聞

 宮崎県は13日、同県川南町とえびの市の農場10カ所で、口蹄(こうてい)疫感染の疑いがある牛と豚計18頭が確認されたと発表した。県はこれらの農場で飼育中の牛332頭と豚1125頭を殺処分する。

 感染の疑いがある家畜が見つかった農場や施設は計86カ所となり、殺処分対象の家畜は約8万頭になった。

 県によると11、12両日、10カ所の農場主や獣医師から宮崎家畜保健衛生所(宮崎市)に連絡があり、家畜防疫員が立ち入り検査でよだれなどの症状を確認。動物衛生研究所の関連施設による遺伝子検査で、各農場の1〜3頭から陽性反応が出たという。

口蹄疫で種雄牛6頭避難 宮崎県が例外措置

2010年05月13日 西日本新聞

口蹄疫の感染防止のため、消毒用石灰がまかれた宮崎県家畜改良事業団の正門付近=11日、宮崎県高鍋町

 宮崎県は13日、口蹄疫発生を受け、宮崎県家畜改良事業団(同県高鍋町)で飼育されている種雄牛6頭を、約60キロ離れた同県西米良村の仮設牛舎に避難させると発表した。同日中に移動を完了させる。同事業団は感染拡大防止のため設定された家畜の移動制限区域内にあるが、県は「宮崎牛ブランドを維持するための例外措置」としている。

 6頭は、動物衛生研究所の関連施設による遺伝子検査で、口蹄疫に感染していないことが確認されている。

 県などによると、事業団は1973年に設立され、種雄牛計55頭を飼育。精液を採取して凍結保存し、年間約15万本を県内向けに出荷しているが、うち約9割を今回避難させる6頭の精液が占める。「宮崎牛」ブランドとして生まれる肉用牛の子牛のほとんどは、6頭の精液を使った人工授精で生まれているという。

 県は家畜伝染病予防法に基づき、口蹄疫の疑い例が出た川南町の農家から半径10キロ以内を移動制限区域に設定、事業団も同区域内にある。西米良村に6頭を移動させた後も、精液の出荷は当面自粛するとしている。

特別交付税を検討、口蹄疫被害 全額補償へ、総務相

2010年05月13日 西日本新聞

 原口一博総務相は12日、東国原英夫宮崎県知事との会談で、口蹄疫の感染拡大防止のため家畜を殺処分した農家への対応について「農家の方々が安心してもらうことに全力を挙げたい」と述べ、国による損失の全額補償に向け特別交付税の活用などを検討する考えを示した。赤松広隆農相も全額補償の考えを10日に表明している。

 殺処分をした農家には、家畜伝染病予防法に基づき家畜の評価額の8割が国の交付金で補償されるが、原口氏は残る2割についても特別交付税や交付金の増額で手当てすることを検討し、農家や県の負担がないようにしたい考えだ。

 現行制度では、交付金で手当てされない残り2割は農家の負担。この2割を宮崎県など地元自治体が補償した場合は、半額だけを国が特別交付税で手当てするため、県の負担が残る。

 東国原知事は会談で「家畜伝染病予防法は農家負担を求めているが、今回は感染源も分からず、不可抗力の災害だ」として、国による全額補償を強く要望した。

口蹄疫被害110億円 JA宮崎中央会試算 えびので新たに疑い

2010年05月11日  西日本新聞

 家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の問題で宮崎県は11日、えびの市の農場で新たに感染の疑いのある牛1頭が見つかったと発表した。同農場で飼育する牛18頭すべてと、感染拡大防止のため同農場の関連施設(同市内)で飼っている牛11頭の計29頭を処分する。

 同県で感染とその疑いのある牛や豚が確認されたのは、これで計68カ所、処分対象数は7万6881頭となる。

 同市内では、3カ所目の農場。県によると、同市で最初に感染疑いのある牛が見つかった農場から北に約1キロ離れているという。

 一方、JA宮崎中央会の試算で、口蹄疫による被害総額(8日まで)が110億円に上っていることが分かった。中央会によると、内訳は殺処分される牛や豚の損失が40億円、出荷遅れによる損失が10億円、家畜を新たに購入・飼育する再開費用60億円という。

口蹄疫損失 全額補てん 家畜処分農家 農相、宮崎市で表明

2010年05月11日 西日本新聞

口蹄疫問題で東国原英夫宮崎県知事らと意見交換する赤松広隆農相(左)=10日午前11時半すぎ、県庁

 宮崎県で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の被害が拡大している問題で、赤松広隆農相は10日、宮崎市入りし、東国原英夫知事をはじめ関係自治体や農業団体の関係者らと相次いで会談し、牛や豚を処分した農家の損失を国が全額補てんすると表明した。

 現行制度では家畜の評価額の5分の4を国が補償するが、残り5分の1について農相は「生産者の負担がないようまず県が補てんし、それを国が特別交付金で補う」と述べ、事実上、国が全額負担する方針を示した。

 また赤松農相は、国や各都道府県から派遣している獣医師を現在の50人から100人に倍増、九州農政局からの派遣職員も10人から100人に増員することを表明。被害が集中する川南(かわみなみ)町で確保が難しくなっている、家畜の埋設処分の場所について、国有地の提供に前向きな姿勢を示した。

 同県では、9日までに同町と都農(つの)町、えびの市の計56カ所で感染とその疑いのある牛や豚が見つかり、感染拡大防止のため6万4354頭の処分を迫られるなど、国内では過去最悪の口蹄疫の被害規模となっている。

横峯選手、賞金を宮崎県に寄付 「口蹄疫対策に」

2010年05月10日 西日本新聞

 女子プロゴルフの横峯さくら選手(24)が、6〜9日に開かれたワールド・サロンパス・カップで獲得した賞金1200万円を、家畜感染症の口蹄疫被害が拡大している宮崎県に全額寄付することが10日、分かった。同県には横峯選手の自宅と練習場がある。

 マネジメントをしているウッドオフィス(東京)によると、横峯選手は同県の口蹄疫拡大を非常に気にしており「寄付を県の対策に役立ててほしいという思いがあるのでは」としている。

 横峯選手はワールド・サロンパス・カップで首位に3打差の2位に入り、史上最年少の24歳、最速の167試合目で賞金獲得6億円突破を果たした。

口蹄疫、香港型と99%以上一致 英国研究機関で確認

2010年05月10日 西日本新聞

 宮崎県で流行している牛や豚の口蹄疫のウイルスの塩基配列が、香港で今年確認されたものと99・22%一致していることが、10日までに明らかになった。

 農林水産省が英国の家畜衛生研究所にウイルスの解析を要請していた。香港のほか、韓国のウイルスとも98・59%一致することも判明した。

 農水省は「ウイルスの一致率だけでは、感染源や感染経路については何も言えない」としているが、一致率の高さは、口蹄疫がこれらの地域から何らかの経路で日本に入ってきた疑いをあらためて強める結果となった。

 農水省は今月2日にも、宮崎で見つかったウイルスが香港やミャンマーのものと類似していると発表していたが、塩基配列の一致率や、韓国の型とも近いことが分かったのは初めて。

 ウイルスは感染を繰り返すうちに少しずつ塩基配列を変えていくため、配列が近ければ近いほど共通の感染源から枝分かれした可能性が高いことを示す。

宮崎の口蹄疫、6万匹殺処分 子牛出荷停止も

2010/05/09 中国新聞ニュ−ス

 宮崎県で家畜感染症の口蹄こうてい疫が拡大している。殺処分される牛や豚は計約6万匹に上り、国内で過去最悪の事態だ。感染拡大防止のため、県内7カ所の家畜市場はすべて閉鎖。県外で肥育され、各地の地元ブランド牛として商品化される子牛が出荷できないなど、影響は感染疑いの家畜が見つかった農家にとどまらない。

 4月20日の1例目から5月8日までに、感染疑いが見つかった農家や施設は川南町を中心に計49カ所。国内で初めて豚の感染疑いも見つかり、処分対象は約6万2千匹で、うち5万匹以上を豚が占める。農林水産省によると、過去に口蹄疫が発生した際に処分された牛の数は1908年に東京などで計約500頭、2000年に宮崎県で35頭、北海道で705頭。

 家畜を埋めて処分する作業が追いつかず、東国原英夫(ひがしこくばる・ひでお)知事は1日、陸上自衛隊に災害派遣を要請、「非常事態を宣言してもいい」と事態の深刻さを訴える。隣接する熊本、鹿児島両県の一部も家畜の移動が制限された。

 川南町で酪農を営む弥永睦雄(やなが・むつおさん)(48)は「発症した農家は本当につらいだろう。早く終息してほしい。明日はわが身だ」と不安そうに話す。

 宮崎県は、肉用牛の飼育数は北海道、鹿児島に次いで3位、豚は鹿児島に次いで2位だ。市場で取引される家畜のうち、子牛は出荷先で肥育され、各地の地元のブランド牛として店頭に並ぶ。約4割は県外で、08年度は長野や三重、佐賀各県などに約3万頭が出荷された。

 宮崎県新富町の児湯(こゆ)地域家畜市場を主催する畜産農協連合会の奥野福見参事(58)は「5月の再開はまず無理。その間、農家は餌代がかかり、再開されても安く買いたたかれる」と心配する。一方で「買い取り業者が他県の市場に流れたとしても、子牛が育って肉の出来栄えが分かるまで2年かかる。宮崎の子牛の評価は高く『口蹄疫が終息するのを待っている』という農家からの電話も多い」と“宮崎ブランド”の信頼性に望みをつないでいる

冷静な判断とみんなの力で

2010年05月08日 宮崎日日新聞

 口蹄疫(こうていえき)に収束の気配が見えない。感染疑いが確認された農場ではウイルス封じ込めのため、すべての家畜が殺処分されることになる。7日午前までに対象頭数は4万4892頭に上っている。

 殺処分の現場が壮絶なありさまであろうことは想像に難くない。また、感染拡大阻止のためとはいえ家畜をこのような事態で失った畜産農家が気の毒でならない。

 金銭的な損失だけではない。手塩にかけて育てた牛豚が処分され、がらんとした畜舎と同様に、心に生じた大きな空虚が消え去るには長い時間がかかるはずだ。

■不足するマンパワー■

 さらに、新たな問題が生じている。現場で殺処分や防疫作業に従事している人たちの疲労が限界に達しつつあることだ。

 県口蹄疫防疫対策本部によると、牛や豚の殺処分は各家畜保健衛生所やJA、県外から派遣された獣医師らが対応している。

 殺処分を行う際には牛を牛舎につないだり、豚を追い込んだりする補助員が必要になる。

 JA宮崎中央会、同経済連などJA4連は連日、多くの職員を車両や農場の消毒に投入している。

 市町村や自衛隊、県外からの応援も加わって連日千人態勢での防疫活動が続く。

 しかし、一向に事態が収まる気配がなく、逆に処分対象の家畜が急増。ここにきて、作業が追いつかない状況に陥っている。

 県は不足するマンパワーを補うために全市町村の対策本部を通して窮状の打開に手を貸してくれる人員の募集を始めた。

■牛や豚の扱いに精通■

 疑似患畜を放置すると、さらなる感染につながる危険性が高まるため一刻も早く、殺処分する必要性がある。

 そういう事情もあって、口蹄疫の発生現場は可能な限り多くの人手を求めている。ただし、誰でもいいというわけではない。

 過去に家畜を扱った経験があるが、現在は家畜に関与しておらず、自宅が畜産農家に隣接していないことなどの条件がある。

 県職員やJA職員で条件を満たす人はもちろん、県内在住で過去に畜産経験のある離農者などは呼び掛けに応じてもらいたい。

 農林水産省の食料・農業・農村政策審議会牛豚等疾病小委員会は本県で口蹄疫が広がっている問題について「ウイルスは人や車両などの移動で拡散している疑いが強い」との見方を示した。

 つまり、作業に従事する人が広範囲から集まることは感染拡大の危険をはらむ。

 応援に駆けつけるにしても牛や豚の扱いに精通し、防疫についてしっかりした知識と冷静な行動、判断力のある人に限られる。

 畜産は本県の基幹産業であり、多くの人たちの努力で育てられた宝である。

 厳しい状況だが、収束へと前進するため、一人でも多く力を貸してほしい。

新たに8例1万4212頭 川南で口蹄疫感染疑い

2010年05月08日 宮崎日日新聞

 県は7日夜、川南町で飼育されている牛と豚に口蹄疫の感染疑いを計8例、新たに確認したと発表した。

 今回確認されたのは肉用牛繁殖3、養豚4、酪農肉用牛複合経営1農場で、合わせて1万4212頭を飼育。すべて殺処分となる。

 これまでの感染・感染疑いは計43例、殺処分の対象家畜は計5万9104頭となった。うち同町だけで39例となり、殺処分対象は町内の飼育総数の4割弱に相当する5万8449頭に上る。家畜の移動・搬出制限区域の追加設定はない。

口蹄疫:宮崎で疑い36〜43例目

2010年05月08日 毎日新聞 東京朝刊

 農林水産省と宮崎県は7日夜、家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)に感染した疑いが強い牛と豚を、同県川南町の計8農家で新たに確認したと発表した。36〜43例目。県はこれらの農家で飼育する計1万4212頭を殺処分する。

 すべて1例目の農家から7キロ以内の移動制限区域(半径10キロ)内だった。県によると、43例目までの処分頭数は計5万9104頭となる。

宮崎の口蹄疫、韓国・香港のウイルスと酷似

2010年05月07日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 農林水産省は7日、宮崎県で見つかった口蹄疫ウイルスを動物衛生研究所(本部・茨城県)と英国の家畜衛生研究所で分析した結果、韓国と香港で今年発生したウイルスと遺伝子が極めて似ていると発表した。

 どちらかから宮崎県に流入した可能性が高まった。

 発表によると、動物衛生研究所がウイルスの遺伝子の塩基配列を調べ、世界中の口蹄疫ウイルスの遺伝子データを集積している家畜衛生研究所に照合を依頼した。ただ、動物衛生研究所によると、ウイルスは感染するたびに変異するうえ、英国の研究所にすべてのウイルスのデータはないため、どちらから流入したのか特定は難しいという。

口蹄疫:殺処分補助員を募集 感染拡大を受け−−県が対策会議 /宮崎

2010年05月07日 毎日新聞 地方版

 家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)問題で、県は5日、対策会議を県庁で開いた。4日に1農家として最多の豚1万5747頭が殺処分対象となり、5日も新たにえびの市を含む4養豚農家で疑いが確認された。収まらない感染拡大を受け、会議は、殺処分に携わる補助員を関係団体などから募ることを決めた。また、県関係部局の連携を密にする県対策特命チーム(チーム長・河野俊嗣副知事)を設置した。

 会議で、東国原英夫知事は「想像を絶する規模となり、非常事態宣言してもいいほど深刻。まん延防止に努めてほしい」と述べた。

 県担当者は、4日に川南町で確認された18例目の農家が1万5747頭を飼育していたことに触れ「大規模なので処分は難航しそうだ。5000頭分の埋却場所は確保したが、残り1万頭分は調整中」と述べ、公用地などを含め場所を探していることを報告した。

 また、薬物による殺処分の際に獣医を補佐する補助員は現在、県の畜産関係職員が務めるが、「発生から2週間以上たち、体力的、精神的に限界」という。そのため、市町村やJA、畜産関係団体職員らを補助員として募集することを決め、6日から募集文書の配布を始めた。「作業後7日間は牛・豚に接触しない」「家畜の扱いの経験者で、現在、牛・豚の飼育に関与していない」などが条件。

 一方、特命チームは関係課長ら9人。河野チーム長は「今後の農家のサポートなども話し合いたい」と話した。【小原擁】

宮崎でまた口蹄疫、豚6213頭を殺処分

2010年05月06日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 宮崎県は5日、同県川南町の養豚農家3軒と、同県えびの市の養豚農家1軒の豚計13頭が、家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した疑いがあると発表した。

 飼育する豚計6213頭は殺処分される。処分対象は牛(水牛含む)2917頭と豚3万1068頭の計3万3985頭となった。

 同県での感染は、疑い例を含め23例となった。

宮崎で豚1万8700匹処分へ 口蹄疫感染疑いの豚発見で

2010/05/04 47News【共同通信】

 宮崎県は4日、新たに同県川南町の養豚農場2カ所で、口蹄疫に感染した疑いがある豚計6匹が見つかったと発表した。感染疑いが出た農家や施設は計19カ所となった。県は18カ所目の農場が飼育する豚約1万5750匹と、19カ所目の約3010匹の計約1万8760匹を殺処分する。

 既に処分されたものも含め、これまでに処分対象となった牛や水牛、豚は計約2万7770匹。

 県によると、3日に両農場から口蹄疫の症状を示す豚がいると、宮崎家畜保健衛生所(宮崎市)に連絡があった。家畜防疫員が立ち入り検査し、各3匹に鼻の水疱(すいほう)などの症状を確認。動物衛生研究所の関連施設(東京都小平市)による遺伝子検査で、陽性反応が出た。

 また県は、同県えびの市の養豚農家1カ所で、口蹄疫の症状を示す豚3匹を確認したことを明らかにした。遺伝子検査での陽性反応の有無は5日にも判明する予定。

口蹄疫の消毒薬が不足 九州各地で輸入待ち

2010年05月02日 asahi.com

 宮崎県で発生した口蹄疫(こうていえき)の感染拡大の防止に使う消毒薬が九州各県で不足している。大分県は消毒薬1トンを購入しようとしたが、宮崎、鹿児島、熊本も必要としているため品切れとなり、250キロしか確保できていない。専門家は、発生に備えて普段から十分な消毒薬の備蓄をする必要があると指摘している。

 口蹄疫のウイルスは酸やアルカリに弱く、消毒には塩素系の消毒薬や炭酸ソーダ、消石灰などが用いられている。

 大分県によると、発注した消毒液はヨーロッパからの輸入品のためすぐには手に入らない。その上、輸入会社が家畜の数で優先順位を割り当てているため、宮崎、鹿児島、熊本が優先され、その次の順になっているという。

 大分県は現在、県内2430戸の畜産農家に20キロ入りの消石灰1万8400袋を配布し、散布して消毒を徹底するように指示。県家畜衛生飼料室は「消毒液は希釈するので、ある程度は使用できるが、急いで確保したい」と話している。

 熊本県も消毒薬2.5トンを確保しようとしたが、品切れで入荷のメドも立たなかったため、急きょ別の消毒薬を手配した。5月中には十分な量を確保することができる見込みという。鹿児島県は炭酸ソーダや消石灰を使って消毒しているが、必要量の半分も確保できていない。

 末吉益雄・宮崎大農学部准教授(動物保健衛生学)によると、消石灰は口蹄疫のウイルスに効果があり、環境に負担が少なく、汚染地帯が見た目にもわかりやすいなどという利点がある。しかし長靴や輸送車両のタイヤの消毒などに液状の消毒薬が必要で、末吉准教授は「隣県は十分な量を保有しておく必要がある」と話している。

中韓でも口蹄疫流行、ウイルスはアジア地域から

2010年05月02日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 宮崎県で家畜伝染病「口蹄疫」の感染が拡大している問題で、農林水産省は2日、この口蹄疫ウイルスはアジア地域で確認されているものと酷似していると発表した。

 中国や韓国などのアジア地域でも口蹄疫は流行しており、同省は関連があるとみて感染ルートを詳しく調べている。

 同省は、英国にある口蹄疫の診断機関にデータの解析を依頼。ウイルスの遺伝子配列を調べたところ、今年に入ってアジア地域で流行している口蹄疫ウイルスの配列と非常に似ていたという。

アジアのウイルスと近似=宮崎の口蹄疫−農水省

2010/05/02 時事ドットコム

 農林水産省は2日、宮崎県の農場の牛から最初に見つかった口蹄(こうてい)疫のO型ウイルスが、アジア地域で広がっているウイルスに近いことが分かったと発表した。宮崎の口蹄疫がアジア地域から入った可能性が高まったといえそうだが、同省はさらに詳細な分析を進め、感染ルートの究明につなげる。

 今回の結果は、動物衛生研究所が実施したウイルス遺伝子の解析データを、英国の家畜衛生研究所に持ち込んで分析し判明した。英研究所のデータベースでは、香港やミャンマーで確認された口蹄疫ウイルスのタイプと近いという。

 アジア地域では今年に入り、中国や韓国などで口蹄疫(O型ウイルス)の発生が相次いで報告されている。

口蹄疫感染の疑い、新たに牛3頭…宮崎

2010年05月02日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 宮崎県は2日、同県川南町の養豚農家が飼育する豚1頭と、同町の畜産農家が飼育する牛3頭が家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した疑いがあると発表した。

 県は農家が飼育する豚299頭と牛424頭を薬殺処分する。同県内で口蹄疫の感染が確定したり、疑いが出たりしたのは15例目となった。

口蹄疫で自衛隊派遣要請=宮崎県

2010/05/01 時事ドットコム

 宮崎県は1日、口蹄(こうてい)疫発生に伴う一連の処理作業を進めるため、自衛隊に災害派遣要請を行った。期間は1週間程度で、被害が拡大すれば延長も検討する。

 隊員は陸上自衛隊都城駐屯地や隣県の基地から派遣される予定。川南町の農家で殺処分する牛約1000頭を運搬して土の中に埋めるほか、周辺の消毒作業を行う。

 宮崎県はまた、移動制限区域内にある同町の養豚農家で4月30日に口蹄疫の症状を示した豚が見つかり、遺伝子検査などから1頭の感染の疑いが分かったと発表した。この農家の殺処分対象は豚3882頭と、1回の処分としてはこれまでで最多。今回の口蹄疫発生後に処分対象となった牛と豚は計8000頭を超えた。

口蹄疫:市場延期、県が緊急融資 無利子で最大500万円 /大分

2010年05月01日 毎日新聞 地方版

 宮崎県で牛や豚の伝染病・口蹄疫(こうていえき)の被害が拡大しているのを受け、県は30日、広瀬勝貞知事を本部長とする口蹄疫総合対策本部を設置した。家畜伝染病対策支援資金(融資枠4億円)を創設し、家畜市場に出荷できずに困っている畜産農家に無利子で最大500万円まで融資することを決めた。【梅山崇】

 先月26日の北部市場(杵築市山香町)の延期に加え、この日、玖珠市場(玖珠町、5月11日予定)と豊肥市場(竹田市、同12、13日予定)の延期も決まり、深刻な経済的影響が出ると判断したため。北部市場では1頭70万〜80万円の肉牛30頭と3万〜5万円の乳牛の子250頭が登場する予定で、影響額は約3000万円。玖珠は約35万円の黒毛和牛の子牛538頭、豊肥は同じく658頭が出る予定で、影響額は3場計で4億円以上となる。

 支援資金の貸し手は農協。基準年利は2・95%だが、通常の県の利子補給1・25%に加え、残りの1・7%も県が負担することで、実質無利子となる。

 一方、農林水産省もこの日、子牛の飼育農家が販売の際に安値となった場合、国が基準価格との差を補てんする制度の要件緩和を宮崎県だけでなく、本県と熊本、鹿児島両県にも適用。通常は「飼育開始月齢が満2カ月」としているが、取引停滞を踏まえ、「4カ月」とすることにした。

GW最中「南九州への旅行自粛を」 五島市、口蹄疫で市民に要請文

2010年05月01日 長崎新聞

 家畜の感染症の口蹄(こうてい)疫が宮崎県内で相次ぎ発生した問題に関連して、五島市は30日、市民に南九州方面への旅行自粛を呼び掛ける文書を配った。県は「自治体が一般の市民に自粛を求めるケースは初めて聞いた」。市民からは「大型連休の最中に、そこまでやる必要があるのか」と疑問の声も上がっている。

 五島市農林課によると、市とJAごとうは23日から26日にかけ、市内の全畜産農家352世帯を調査。牛や豚の口蹄疫は確認されなかった。だが、人を介して感染する可能性を重視し、30日に市とJAごとうで対応を協議。市が主導し、市とJAごとうの連名で文書を配ることに決めた。

 文書は「五島の畜産を守りましょう」との表題で、口蹄疫の侵入防止のため、市民に当面の間、南九州方面に出掛けないよう求めている。自治会を通じ、約1万7500世帯に配布した。

 県畜産課は「畜産関係者には南九州に近づかないでほしいと呼び掛けているが、一般市民の旅行自粛は想定していない」と説明。市農林課は「市民が牛や豚に触り、五島に口蹄疫が入る可能性もあると思った」としている。

 市内の観光業の男性(68)は「市の対応には違和感を覚える」と話している。

韓国、口蹄疫が拡大 豚など1800頭処分

2010.05.01 13:45 MSN産経新聞

 聯合ニュースによると、韓国農林水産食品省は1日、同国中部の忠清南道青陽郡で新たに豚の口蹄疫発生が確認されたと明らかにした。韓国政府は全国的な感染拡大を警戒しており、感染した豚を含め家畜1800頭以上を処分するという。感染が確認されたのは政府機関の畜産技術研究所の豚。韓国では4月に北西部の仁川市や中西部の忠清北道忠州市で感染が確認され、政府が4月下旬に対策強化を決めた。(共同)

口蹄疫 疫学チームが現地調査

2010年04月30日 読売新聞 YOMIURI On-Line

立地条件や人の出入り確認

宮崎農政事務所で開かれた第1回検討会

 県内で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した牛が見つかった問題で、学識者らで作る農林水産省の疫学調査チームは29日、現地調査と検討会を行い、今後、情報収集とウイルス侵入の時期などを整理する方針を決めた。同日午前には山田正彦・農林水産副大臣が県庁で東国原知事と意見交換した。

 疫学調査チームは、大学教授や県延岡家畜保健衛生所の職員ら6人の委員で構成。委員は20日に1例目が発生した都農町の農場を訪れ、立地条件や人の出入り、飼育法などを調べた。その後、宮崎市の宮崎農政事務所で1回目の検討会を非公開で開催した。

 会議後に取材に応じた、チーム長で独立行政法人動物衛生研究所(茨城県つくば市)の津田知幸・企画管理部長は「感染要素は動物、エサ、人、車両、機材などいろんな要素があり、調べなければならない」と述べた。

 一方、山田副大臣との意見交換で、知事は家畜の薬殺処分や防疫作業で現場の職員らが疲労していることなどを説明し、「感染経路がわかれば事前の防御もできる。絞り込みをしてほしい」と要望。農家に生じている負担にも触れ、「生活や経営を安定させ、安心できるよう予算措置にも目配りを」と訴えた。

 山田副大臣は「農家が再生するための資金については、弾力的な運用を考えたいので安心してほしい。国も総力を挙げて取り組むので、とにかく病気を封じ込めて」と応じていた。

口蹄疫えびのに飛び火 知事、防疫徹底を指示

2010年04月29日 読売新聞 YOMIURI On-Line

口蹄疫対策を話し合った県の防疫対策本部会議

 家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した牛が見つかった問題は28日、えびの市にも飛び火した。県は第3回の口蹄疫防疫対策本部会議を開き、東国原知事が防疫の徹底を指示し、風評被害の拡大防止に努めることを決めた。自民党の谷垣総裁はJA尾鈴(川南町)を視察。畜産農家らが窮状を訴えた。

 県の会議では各部の部長が対策を報告した。県民政策部は28日から5月20日まで、畜産関係者を激励しつつ県民への冷静な対応を訴える知事のメッセージCMを民放2局で計100回放送する。

 福祉保健部は、畜産関係者や防疫業務従事者の心のケアを行うため、高鍋保健所と精神保健福祉センターに相談窓口を設けている。精神面の不調を訴える相談は寄せられていないという。

 商工観光労働部は、食肉販売店や焼き肉店などの中小企業を念頭に、経営相談に応じる相談窓口を設置。発生に伴い、県内14市町村で14のイベントが中止になり、4市町村で4イベントが延期になったことを把握しているという。

 東国原知事は熊本、鹿児島両県知事に対策への協力を要請したことを説明し、「えびの市に飛び火したということで最悪の状況になったと思う。気を引き締めて防疫対策に従事していただきたい」と述べた。

宮崎さらに2頭が口蹄疫、乳牛50頭処分へ

2010年04月29日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 宮崎県は29日、同県川南町の酪農家で飼育されている乳牛のうち2頭が家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した疑いがあると発表した。

 県は、この酪農家の乳牛計50頭を薬殺処分する。

 今回の酪農家は、20日に1例目が確認された同県都農(つの)町の農家から南東に3・4キロ、2例目が確認された川南町の農家から北東に400メートルの場所にある。同県内で口蹄疫が発生したとみられる施設は11となった。

 一方、農林水産省の疫学調査チーム(6人)は29日、1例目が発生した農場を視察した後、宮崎市で検討会を開いた。チーム長で動物衛生研究所(茨城県つくば市)の津田知幸・企画管理部長は「加工飼料の中に(ウイルスが)入っている可能性はそれほど高くない」との認識を示した。

口蹄疫感染疑いの牛、新たに発見…宮崎

2010年04月28日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 宮崎県は28日、同県えびの市の畜産農家が飼育する牛が家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した疑いがあると発表した。同市は感染が確認された牛が見つかった同県都農(つの)町から南西に約70キロ離れ、鹿児島、熊本両県との県境。宮崎県は同日午後、鹿児島、熊本両県の一部を含む半径10キロ圏で牛や豚などの移動を制限する区域を新たに設ける方針で、影響が県外にも拡大することになった。

 発表によると、えびの市の農家で27日、飼育する牛275頭のうち、9頭で口に軽い潰瘍(かいよう)があるのを獣医師が確認。動物衛生研究所国際重要伝染病研究チーム(東京都小平市)による遺伝子検査の結果、複数頭の陽性が判明した。県は感染ルートを調べている。

宮崎の口蹄疫対策、農相が全面支援を約束

2010年04月28日 読売新聞 YOMIURI On-Line

赤松農相(右)と握手を交わす東国原知事

 都農(つの)町で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した牛が見つかった問題を受け、東国原知事と27日に会談した赤松農相は全面的な支援を約束した。終了後、知事は「柔軟かつスピード感ある対応」と述べ、こうした対応に感謝した。一方、知事と会談した自民党の谷垣総裁が28日に現地入りする予定を明らかにし、現場で関係者から意見を聞き、対応を協議する考えを示した。

 知事はこの日、中村幸一・県議会議長、JA宮崎経済連の羽田正治会長らと上京。3人の連名の要望書を農相らへ渡し、畜産農家や現地の窮状を訴えた。

 農相は「対応は早ければ早いほどいい」と応じ、畜産農家のケアをはじめ、風評被害と感染拡大に向けて対策に取り組む方針を示した。

 東国原知事は会談後、「本当に温かい対応。今回の訪問はお礼の意味もあった」と述べた。一方、東京や大阪の宮崎牛専門店で予約が一部キャンセルされたほか、修学旅行の行き先変更があったことにも触れ、「少しずつ風評被害も出ている。被害防止に万全を期したい」と話した。

 一行は、民主党の高嶋良充筆頭副幹事長、自民党の谷垣総裁とも面会した。書面を受け取った谷垣総裁は「宮崎にうかがい、現地の様子を見て、できる限りのことをしたい。我々もきちんと政府に働きかけたい」と語った。

豚にも口蹄疫感染の疑い…宮崎県畜産試験場

2010年04月28日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 宮崎県で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した牛が確認された問題で、農林水産省は28日、宮崎県川南町の県畜産試験場の豚5頭に感染の疑いがあると発表した。

 豚の感染疑いが見つかったのは初めて。

 口蹄疫は牛から豚にも感染する。同県は同試験場の豚486頭を殺処分する。

口蹄疫:被害防止、県が消毒薬全額補助 畜産、酪農農家に /熊本

2010年04月28日 毎日新聞 地方版

 宮崎県で相次いでいる口蹄疫(こうていえき)の被害拡大防止のため、県は27日、県内の畜産、酪農農家向けに消毒薬の購入費を全額補助することを明らかにした。

 自民党県連が開いた口蹄疫対策本部会議で県側が説明した。宮崎県では農家の消毒薬などの購入費を国が全額負担しているが、周囲の自治体は自己負担のため「自主的に市場も閉じ拡大防止に努めているのに、国の支援措置の対象外になっている」などとして、農業団体が要望していた。

 対象は県内全域の乳牛、肉用牛、豚農家計約4300戸。県が購入費を負担して消毒薬を農家に配布する。当面は県予算の予備費を充て、長期化してさらに配布が必要になった場合は6月に補正予算を組むことも検討する。

 県は21日から全農家を対象に聞き取り調査を始め、26日までに99・4%の調査を終えたが、異常は見つかっていないという。【結城かほる】

口蹄疫:消毒薬散布、大分など隣県に拡大 農水省

2010年04月28日 毎日新聞 地方版

 農林水産省は28日、第2回口蹄疫防疫対策本部を開き、国庫負担による消毒薬の散布範囲を、宮崎県全域に加えて隣接する大分、熊本、鹿児島の3県全域にも拡大することなどを決めた。1例目の宮崎県都農町の農家から南西に約70キロも離れた同県えびの市で感染が疑われる牛が確認されたため。【佐藤浩】

豚5匹にも口蹄疫症状 宮崎県川南町の畜産試験場で

2010.04.27 MSN産経新聞

 宮崎県は27日、口蹄(こうてい)疫感染が疑われる牛が見つかった同県川南町にある県畜産試験場川南支場で、飼育中の豚5匹から口内のただれなど、口蹄疫の症状が見つかったと発表した。

 県によると、動物衛生研究所海外病研究施設(東京都小平市)で5匹の遺伝子検査を行い、感染の陽性反応の有無は28日に判明する予定。ただ、検査結果にかかわらず、感染拡大防止のため川南支場にいる豚486匹はすべて処分する。

 同支場は豚と鶏を飼育して改良研究などを実施。27日午前10時ごろ、獣医師が5匹に口内のただれや鼻の中の水疱などがあるのを確認した。口蹄疫は鶏には感染しないという。

 川南町と隣接の都農町では、口蹄疫感染の疑いがある牛が計20頭見つかり、このうち3頭の感染が確認されている。

牛の競りやイベント中止、口蹄疫感染拡大防止で

2010年04月25日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 都農町で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した牛が確認され、川南町でも感染が疑われる牛などが見つかった問題で、県内では関係機関による懸命の消毒作業が続けられると同時に、牛の競りや、各種イベントの開催自粛が相次いでいる。

 感染拡大を防ぐためだが、中止するイベントの数は増えつつあり、大型連休への影響も懸念される。

 都城市の県家畜商商業協同組合は30日に予定していた成牛の競りを、小林市の西諸県郡市畜産販売農業協同組合連合会は26日と5月10日の子豚、今月29日と5月9日の成牛の競りをそれぞれ中止すると発表した。県の要請を受け、判断したという。

 イベントでは、25日の「高崎町海の幸祭り」(都城市)と「えびの京町温泉マラソン大会」(えびの市)が中止になったほか、29日に予定されていた、日南市の伝統芸能「泰平踊」の定期公演と三股町の恒例行事「早馬まつり」は開催を見合わせた。いずれも多くの人出が見込まれていた。同町は都農、川南両町から南に遠く離れているが、農業生産額の約7割を畜産が占めていることから、町観光協会は「感染を防止するため苦渋の判断」としている。

宮崎の口蹄疫疑い・確定16頭に…新たに水牛

2010年04月24日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 宮崎県は23日、同県都農町と川南町の畜産農家が飼育する牛1頭と水牛1頭に新たに口蹄疫(こうていえき)感染の疑いがあると発表した。

 感染が確定または疑われるのは、両町の6農家の牛計15頭と水牛1頭となった。水牛は初めて。

 感染拡大を受け、県は26日から約1か月かけ、県内の約1万1000戸の畜産農家で畜舎や施設の消毒を行うことを決めた。

宮崎の牛1例目 口蹄疫と断定、感染経路を調査

2010年04月23日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 宮崎県で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した疑いのある牛が相次いで見つかった問題で、農林水産省は23日、最初に見つかった同県都農(つの)町の畜産農家の牛が口蹄疫に感染していたと断定した。国内では2000年以来、10年ぶりの感染確認となる。

 同省によると、動物衛生研究所で遺伝子を調べたところ、ウイルスの血清型がO型と判明したため、口蹄疫だと断定した。現在韓国で感染が広がっている口蹄疫もO型で、同省は感染ルートを詳しく調べている。

宮崎銀行、口蹄疫被害に緊急融資

2010/04/22 時事ドットコム

 宮崎銀行(宮崎市)は22日、宮崎県で口蹄(こうてい)疫の疑いがある牛が相次いで見つかった問題で、26日から通常より低金利の緊急融資を行うと発表した。対象となるのは、今回の問題で影響を受けた、あるいは受ける恐れのある宮崎・鹿児島両県内の農業・食品製造業者ら。

 同行によると、元金の返済を1年間据え置く措置も検討する予定で、こうした緊急融資は初めて行うという。

中国甘粛省で豚の口蹄疫

2010.04.22 MSN産経新聞

 中国農業省は21日、甘粛省天水市武山県で豚の口蹄疫が発生したと発表した。17日に同県の養豚場で飼育している豚に口蹄疫と疑われる症状が出て、47頭が発病。専門機関で検査したところ20日、口蹄疫と確定した。

 地元当局は、感染した恐れのある約400頭の豚を処分し、消毒作業などを実施した。(共同)

口蹄疫疑い、畜産関係者ら出荷への影響懸念

2010年04月21日 読売新聞 YOMIURI On-Line

高鍋町持田で消毒作業を行う県職員

農家に配布する消毒用薬品を袋詰めするJA職員

 都農町の畜産農家で飼育されている和牛3頭が家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」に感染した疑いがあることがわかり、県や関係自治体、JAの担当職員は20日、緊急の対策会議の開催や消毒作業などに追われた。畜産関係者は家畜の出荷への影響や、風評被害の広がりに不安を募らせる一方、県は「人に感染することはない。感染牛の肉や牛乳が市場に出回ることもない」として、消費者に冷静な対応を呼びかけている。

 緊急対策会議には、食肉加工業者やJA職員ら約40人が出席。県畜産課の担当者が経緯を説明し、発生地から半径10キロにある日向市美々津町などの2地点、半径20キロにある新富町三納代など2地点で、消毒を行うことを発表した。飼料運送車など畜産関係の車両が対象となる。

 ほかに、半径10キロ以内の移動制限の対象には、牛や豚だけでなく、排せつ物や死体、管理用具などを含むことを示し、区域内での新たな放牧も中止するよう求めた。

 会議に出席したミヤチク(都城市)は都農町と都城市高崎町に食肉処理工場を所有。このうち、都農町の工場では今年度、牛1万4880頭、豚18万7640頭の処理を計画しているが、県の指示で解体処理施設を一時的に閉鎖するという。同社の井手勝彦常務は「都農工場に出荷している農家が出荷先を失ってしまう。対策を練らないといけない」と、厳しい表情で語った。

 食肉加工後の骨などを処理する南国興産(同市)の担当者は「骨など副産物や死亡牛の搬送にも影響する。畜産全体への風評被害が心配だ」と話していた。

韓国仁川市で口蹄疫発生 牛など200頭処分

2010.04.09 12:23 MSN産経新聞

 韓国農林水産食品省は9日、仁川市で牛の口蹄疫が発生し、発病した牛を含む家畜約200頭を処分したと発表した。

 8日に感染の疑われる牛が見つかり、専門機関が検査していた。韓国ではことし1月にも京畿道抱川市などで牛の口蹄疫が発生し、家畜約6千頭が処分されている。(共同)


中中国でまた牛の口蹄疫

2006/01/17 The Sankei Shimbun

 中国農業省は17日までに、寧夏回族自治区中衛市と江蘇省徐州市で牛の口蹄(こうてい)疫が発生したと発表した。

 中衛市では14日までに2頭の感染を確認し、発生地域の牛とヒツジ計約200頭を処分。徐州市でも16日までに牛20頭の感染を確認、牛約100頭を処分した。

 中国では先月にも山東省済南市で牛の口蹄疫が発生した。(共同)

ブラジルで口蹄疫 世界最大の牛肉輸出国

2005/10/11 The Sankei Shimbun

 ブラジル農務省は10日、牛肉の生産が盛んな南西部マトグロソドスル州エルドラドで口蹄(こうてい)疫が発生したと発表した。同国の牧畜業は近年急成長し、昨年の牛肉輸出量は世界最大。主産地での口蹄疫発生で、輸入を中止する国が出るなどの影響が広がりそうだ。

 発表によると、同日までに約140頭への感染が確認され、計582頭の処分が決まった。

 農水省によると、日本はブラジルから口蹄疫感染の恐れがない加熱処理済みの肉だけを輸入している。(共同)

口蹄疫で非常事態令 ロシア極東の沿海地方

2005/09/01 The Sankei Shimbun

 インタファクス通信によると、ロシア極東の沿海、ハバロフスク両地方の一部で30日までに牛の口蹄(こうてい)疫の発生が確認され、沿海地方スパスク地区には感染拡大を防ぐため非常事態令が発令された。

 ロシア非常事態省によると、感染が疑われるケースは316例に上り、いずれの牛も処分された。発生地周辺へは立ち入りが制限され、スパスク地区全域で食肉の売買が禁止されている。(共同)


韓国で牛の口蹄疫発生

2002年06月08日 The Sankei Shimbun
 韓国の農林省は8日、京畿道安城市の牧場で、口蹄(こうてい)疫に感染した乳牛一頭が見つかったと発表した。韓国で牛の口蹄疫が確認されたのは今年初めて。

 この牧場は、5月初めに豚の口蹄疫が相次いで発生した農場に近く、同省は追加発生予防の作業を強化する。(共同)

口蹄疫感染恐れクローン羊「ドリー」を隔離 イギリス

2001.03.04(11:48)asahi.com
 英国で広がる牛や豚などの家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)の感染を防ぐため、英スコットランドのロスリン研究所は世界初のクローン羊「ドリー」を隔離した。研究所最大の「売り物」とあって、万全を期す構えだ。

 口蹄疫は高熱やよだれが出て、口の中やひづめに水ほうができる。発病した動物のだ液などから感染する。人にはうつらないが、感染力は非常に強い。

 AP通信によると、スコットランドではすでに3カ所で口蹄疫のウイルスが見つかっている。スコットランドのエディンバラ近郊にある同研究所はドリーを隔離所に移し、見学できないようにした。

 ドリーは1996年、世界初の体細胞クローン羊として同研究所で生まれた。クローン動物は一般に、病気に感染しやすいとされる。「生みの親」でもあるイアン・ウィルムット博士は隔離について「ドリーは我々にとって大変貴重。でも、だれだって、自分の動物を守ろうとするはずだ」と語っている。

口蹄疫の余波、アイルランドにも 記念行事も中止

2001.03.03(13:16)asahi.com
 英国で牛や豚がかかる家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)が流行している問題でアイルランド政府は2日、英国国境に近い農場15カ所への立ち入りを禁止した。また今月17日に予定されていた祭日「セントパトリックデー」の記念行事の中止も決めた。

 同国政府によると、アイルランドで口蹄疫感染は確認されていないが、英国内の流行が北アイルランドに広がったため、予防的措置を講じたとしている。

 また、セントパトリックデーには例年、英国など外国からの観光客を含む130万人が首都ダブリンに集まり、人を介してウイルスが持ち込まれるのを防ぐために中止を決めた。

 口蹄疫感染のおそれがアイルランドに広がったのをうけて、フランス政府は2日、アイルランドからの家畜輸入を禁止した。

英の口蹄疫被害過去最大か

2001.03.01【ロンドン1日=共同】The Sankei Shimbun
 英国で家畜伝染病の口蹄(こうてい)疫が拡大している問題で、英民間シンクタンクのCEBRは一日、「最悪の場合、被害総額は二十六億ポンド(約四千四百二十億円)に上る」との報告書を発表した。

 口蹄疫は一九九七年に台湾で大流行。被害総額は約四千億円(国際獣疫事務局東京事務所ホームページ資料)と推定され、「二十世紀最大の口蹄疫被害」と言われていたが、英国の口蹄疫はこれを上回る恐れが出てきた。

 CEBRは、畜産農家の収入減、各国の英国産家畜・食肉類などの禁輸措置による畜産業界への打撃、将来の市場への影響などを試算したという。

 英農漁業食糧省は同日、これまで口蹄疫の感染例が確認されていなかったスコットランドと、海を挟んだ北アイルランドでも「感染した家畜」が見つかったと発表。口蹄疫が英全土に拡大した。

 報告書をまとめたポール・クロフォード氏は「輸出市場における英国産家畜・食肉の損失は今後二、三年は続き、極めて深刻な問題となるだろう」と指摘している。

 アイルランド政府は北アイルランドとの国境に軍隊を配備し、英国からの家畜流入を監視している。

アルゼンチン、畜牛1100万頭に口蹄疫ワクチンを処置

2001年2月28日(水) 11時45分 [ブエノスアイレス(アルゼンチン) 27日 ロイター]
 アルゼンチンは、約1100万頭の畜牛に対して、口蹄疫ワクチンの処置を行うことを明らかにした。

 この頭数は、アルゼンチン国内の畜牛の20パーセントに当る。

 ただ、同国の牛肉業界は、この処置が、口蹄疫の懸念があると先週指摘された同国産牛肉のイメージを更に悪化させることはないとして、楽観的な見方を示している。

 国家農業食品保健局(SENASA)の広報担当者によると、このワクチン処置は3月1日から開始される。

ポーランド、口蹄疫対策で欧州の大半の国からの家畜輸入を禁止

2001年2月28日11時03分[ワルシャワ 27日 ロイター]
 ポーランドは、国内市場を口蹄疫から守るため、欧州連合(EU)および他の欧州の国からの豚、ヤギ、羊を含む家畜の輸入を禁止した。国営ポーランド通信(PAP)がポーランド政府当局者の発言として、伝えた。

PAPによると、同当局者は、EU15カ国およびノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン、ハンガリー、チェコ共和国、スロバキア、エストニア、クロアチア、ルーマニア、ブルガリア、アイスランド、スロベニアが、禁輸の対象国になっている、と述べた。

ポーランドは、狂牛病懸念からすでにEUからの牛および牛肉の輸入を禁止している。

口蹄疫は香港でも発生しているが、流行の可能性はない=専門家

2001年2月28日[香港 28日 ロイター]
 香港では、過去3カ月間に、460頭以上の豚が口蹄疫で死亡したものの、医療専門家らは、英国のような口蹄疫の流行の可能性を否定している。 ウイルス学専門家、ロー・ウィング・ロック氏は、ロイター通信に対して、「口蹄疫は、香港では風土性の病気で、英国などの国とは違っている。ここでは、予報接種をしている」と語った。

 香港の当局者は、口蹄疫の大半が報告されず、域内で年間に約1万頭の豚が口蹄疫に感染(訂正)しているものと推定している。しかし、これら当局者も、口蹄疫の流行の可能性を否定している。

EU、口蹄疫対策を緊急協議

2001.02.26(11:40)asahi.com
 欧州連合(EU)は26日の農相理事会で、英国で20年ぶりに確認された家畜のウイルス性急性伝染病、口蹄疫(こうていえき)への対策を緊急協議した。この1カ月で英国から5万頭近い羊を輸入しているフランスをはじめ、各国がウイルス浸透を前提に厳戒態勢に入ったことが報告された。

 オランダは、口蹄疫の国内感染を未然に防ぐため、英国から羊などを輸入した農場で計3000頭以上を処分した。ベルギーは26日から3週間、国内での家畜の輸送を禁止する。フランスも、英国からの輸入家畜の処分を検討している模様だ。ドイツは28日から1週間、国内の食肉市場を休場する。

 狂牛病のまん延で低迷する食肉市況を支えるため、EUは未検査牛の買い入れ処分などの緊急対策を講じている。この関係の出費で、約400億ユーロ(約4兆2000億円)のEU農業予算は破たん寸前。フランスやベルギーの畜産農家はデモを組織し、狂牛病や口蹄疫への補償を求めているが、EUの財源は乏しい。

英で口蹄疫の豚を確認 欧州委、畜産品の輸出禁止に

2001.02.22(13:52)asahi.com
 家畜に広がる悪性の伝染病の口蹄疫(こうていえき)に感染した豚が21日、英国内で確認され、欧州委員会は英国産の家畜と牛乳など加工品を含む畜産品の輸出禁止を決めた。

 英農業省によると、口蹄疫ウイルスは東部エセックス州の食肉処理場で28頭の豚から発見された。政府は、食肉処理場と豚を飼育していた農場の半径8キロ以内の家畜の移動を禁止し、感染した豚と周辺にいた家畜の処分を決めた。

 欧州委員会はとりあえず3月1日までの輸出禁止措置を決定。また、米国やオランダ、韓国などが英国産豚肉の輸入禁止を決めた。在英国日本大使館によると、日本は英国で豚コレラが流行した昨年8月以降、英国産豚肉の輸入を禁止しているという。

 英国で口蹄疫が確認されたのは20年ぶり。狂牛病騒ぎの余波が消えないなか、昨年の豚コレラ流行に続く口蹄疫の確認で、英国の畜産業は深刻な痛手を被ることになりそうだ。

家畜の伝染病・口蹄疫発生で緊急の国際会議が開かれる

2000.06.22(22:57)asahi.com
 家畜の伝染病「口蹄疫(こうていえき)」が昨年から今年にかけて東アジアで相次いで発生しているため、国際獣疫事務局(OIE)は22日までの3日間、東京都内で緊急会議を開いた。日本、台湾、韓国、香港、国連食糧農業機関などの専門家らが出席し、各国・地域が情報を共有するよう努めることや東アジアの会議を定期的に開いていくなどの方針が決まった。

 今回の会議で各国・地域の情報を分析した結果、日本と韓国でのほぼ同時期の発生は、中国から輸入した飼料が感染源の可能性があり、ロシアでの発生は、中国から密輸入された食料を豚に与えたことが原因の可能性があるという。また、台湾、モンゴルでの発生は、隣国から感染動物が密輸入されたことが原因と疑われている。

 中国では昨年、8カ所で発生したことがOIEに報告されているが、OIEによると、情報開示が十分でなく今回の会議にも中国は出席していない。

 会議では、感染源として疑われる中国のほか、OIEに加盟していない朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に情報の提供を求めていくことも必要だと、強調された。

本別町などの消毒ポイント撤去 口蹄疫終息宣言

2000.06.09【本別】DOSIN(北海道新聞社)
 九日午前零時の道による口蹄(こうてい)疫の終息宣言を受け、町は同日早朝、防災無線で「安全宣言」を放送したほか、各消毒ポイントで関係機材を撤去した。農家などにも笑顔が戻り、町内は急速に口蹄発生前の平穏さを取り戻しつつある。

 高橋正夫町長は同日午前六時十五分、街頭や農家向けの防災無線で「町口蹄疫対策本部から安全宣言を発します」と録音した放送を流した。その中で高橋町長は「今回の事態は晴天の霹靂(へきれき)だったが、町民が一丸となって乗り越えたことは基幹産業の農業の発展につながるきずなになる」と強調した。

 また、町は本別牛の焼き肉を無料で食べることのできる「ほんべつ元気まつり」(同対策本部主催)を十八日午前十一時から午後二時まで開き、元気を取り戻したいとする最後の「口蹄疫対策情報」をファクスなどで町民に流した。

 一方、町内六カ所の消毒ポイントでは、消毒機材を撤収。ものものしい雰囲気が消え、周辺ではいつもの牧歌的な風景が戻った。同町押帯地区の畜産、酪農家は「農夫に戻ったことを実感した朝で、すがすがしい気持ちです」と話しながら牛の世話をしていた。

 また、上士幌、士幌、池田、音更各町の合計八カ所の消毒ポイントでも同様に撤去作業が行われた。

牛2頭が口蹄疫の疑い、705頭を殺処分 北海道本別町

11:51p.m. JST May 11, 2000 asahi.com
 北海道農政部は11日、十勝支庁本別町の農家が飼っている牛2頭が、家畜の感染病である口蹄(こうてい)疫に感染している疑いが強いことが分かったと発表した。道は同日、口蹄疫防疫対策本部を設置し、12日以降にこの農家の農場で飼われている牛705頭全部を殺処分して埋めるほか、半径10キロの地域で家畜の移動を当面禁止するなどの方針を決めた。

 口蹄疫感染が疑われているのは、肉用に飼われていたホルスタイン2頭。口蹄疫ウイルスの遺伝子の断片が見つかったが、ウイルス本体は発見されていない。いずれの牛からも、発熱やよだれ、足をひきずるなどの口蹄疫の症状は出ていないという。

 今年3月に宮崎県で外国産の飼料を与えていた農家の和牛から口蹄疫が発見されたのを受け、農水省が全国で進めていた口蹄疫の検査で発見された。この農家の牛45頭の血液を検査した。道によると、この農家の牛は台湾産の飼料を与えられていた。

 家畜伝染病予防法や防疫要領に従い、同じ農家で飼われていた705頭の牛はすべて感染の疑いがあるとして殺処分するほか、畜舎を消毒し、汚染物品を焼却する。また、道はこの農家を中心にした半径10キロ圏内で家畜の移動や、放牧、人工授精を禁止することを決めたほか、10キロ圏内の約150戸で飼われている家畜2万頭について、全部口蹄疫の検査をする。

 口蹄疫は、牛や豚などの家畜に感染し、発病すると家畜は急激にやせ、死ぬ場合もあるウイルス性の感染病。伝染性が強く、畜産農家に与える打撃が大きいのが特徴だ。日本では1908年以降、今年3月に宮崎県で発見されるまで発生していなかった。感染した家畜の肉や乳を飲んでも、人間には感染しない。


宮崎市に発生した「口蹄疫」に関連する情報

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<口蹄疫感染>家畜移動制限解除へ 宮崎県

(毎日新聞)2000年5月1日(月) 22時4分
 宮崎市と宮崎県高岡町で肉用牛35頭が家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)に感染した(疑いを含む)問題で宮崎県は1日、高岡町から半径10キロ以内の1市5町で実施していた家畜の移動制限を2日午前0時で解除すると発表した。問題が発覚した3月25日以降、県内で実施された移動制限はこれですべて解除された。

韓国政府、口蹄疫の報告受け防疫対策を強化

00年4月17日 17時41分[ソウル 17日 ロイター]
 
 韓国の西部沿岸地域で畜牛15頭が口蹄疫に感染したとの報告を受け、同国政府は、防疫対策の強化する。

 政府は、口蹄疫が確認された農場から500メートル四方の家畜を処分したが、この範囲は今後2キロ四方に拡大される見通しだという。

 口蹄疫は牛だけでなくブタなどの家畜にも伝染する可能性があり、1997年に台湾で流行した際は140万匹のブタが処分された。

新たに口蹄疫感染の疑い

2000年4月10日 20時39分
 ウイルス性の家畜伝染病、口蹄(こうてい)疫に感染した肉牛が宮崎県の農家で見つかった問題で、宮崎県畜産課は10日、新たに同県高岡町下倉永の肉牛農家で飼育する肉牛10頭から口蹄疫ウイルスの抗体を検出したと発表した。

 3月25日に宮崎市の農家で口蹄疫に感染した疑いのある牛が見つかって以降、これで3件目。

牛27万頭の臨床検査終える

2000年4月7日 18時34分
 宮崎県の一部の肉牛が家畜伝染病、口蹄(こうてい)疫に感染していた問題で、松形祐尭知事は7日の定例会見で、県内の牛27万頭すべての臨床検査を6日に終えたことを明らかにした。「一部の牛の血液検査の結果が12日か13日に出るが、結果がシロならすべてうまくいく」と述べ、22日に宮崎市で開かれる太平洋・島サミットの前に、国が安全宣言することへの期待をにじませた。

中国では家畜が口蹄疫病に感染する恐れがあるとの報告はない=当局者

00年4月6日 16時54分[上海 6日 ロイター]
 中国農業省の動物検疫部門のWang Changjiang氏によると、同省は、国内の家畜が口蹄疫病に感染する恐れがあるとの報告は受けていない。

 同氏はロイター通信に対し、「農業省は、国内で口蹄疫病が発生する恐れがあるとの報告は何も受けていない」と述べた。

 中国は、口蹄疫病が発生したことを受け、4日、日本と韓国からの生牛、生羊、生豚、およびそれらの製品の輸入を禁止した。

同氏はまた、中国産干し草によって、日本や韓国の家畜が口蹄疫病に感染した可能性がある、との主張を否定するとともに、このような主張を裏付ける科学的な証拠もない、と述べた。

宮崎で口蹄疫感染を確認、国内での発生は92年ぶり

10:59p.m. JST April 04, 2000
 農水省は4日、宮崎市の畜産農家で3月下旬に見つかった「疑似口蹄疫(こうていえき)」の牛はウイルスに感染していたことが確認された、と発表した。国内で口蹄疫が発生したのは92年ぶり。また、宮崎県高岡町の農家が飼育していた「疑似」の牛について、県家畜防疫対策本部は「飼料から感染した可能性は低い」との見方を明らかにした。宮崎市の農家に出入りした車両が乗り入れていた疑いがあり、感染経路の特定を急いでいる。

  牛から検出された抗体の遺伝子の解析を英国家畜衛生研究所に依頼したところ、アジアで報告されているタイプに近い新種のO(オー)型口蹄疫ウイルスであることがわかった。このため、農水省は「牛が口蹄疫に感染していた」と断定した。

 7キロほど西の高岡町の農家で3日見つかった「疑似」の牛は、聞き取り調査の結果、感染源が疑われる中国産麦わらは与えられていなかった。

韓国、牛の伝染病がさらに発生した可能性があるとの報告について調査

00年4月3日 18時57分[ソウル 3日 ロイター]
 
 韓国農林省によると、同国は、新たに10の農場で牛の伝染病が発生した可能性があるとの報告について調査を行っている。

 同省当局者は、「さらに10の農場から、牛が伝染病に感染した可能性があるとの報告を受けた」と述べた。

 国立獣医学調査検疫サービスは2日、3月にソウル北西部のPajuで発生した牛の病気は、口蹄疫病であることを確認した。

 口蹄疫病は、人間には感染しないが、牛や豚などにとっては致命的で、感染する公算が大きい病気。

韓国の家畜伝染病は「口蹄疫」と判明

7:48p.m. JST April 02, 2000
 韓国の聯合ニュースによると、農林省傘下の研究機関、獣医科学検疫院は2日、京畿道で見つかった水ほう性の家畜伝染病を「口蹄疫(こうていえき)」と断定した。また、農林省は同日、韓国中部の忠清南道の2カ所の農場からも口蹄疫とみられる症状の牛13頭が見つかったため、付近で飼育されている未感染の牛や豚も含め、93頭を処分したことを明らかにした。

 朝鮮半島で口蹄疫の発生が確認されるのは1934年以来という。これにより、日本などがとっている韓国牛などの輸入禁止措置が長期化する恐れがあり、韓国の家畜農家らに大きな打撃を与えそうだ。

報道によると、同検疫院は「感染した家畜は口蹄疫の陽性反応を示しており、ウイルスを分析したところ、台湾などで数年前に流行したO型口蹄疫であることが判明した」と述べた。

 また、忠清南道で見つかった疑似口蹄疫の家畜について、「症状などが異なっている点からみて、京畿道の家畜から拡散した可能性は少ない」(農林省)としている。

 口蹄疫に感染した疑いのある牛は宮崎県でも先月見つかったため、韓国政府は日本産牛肉の輸入を当面停止している。口蹄疫は牛や豚などに感染する伝染病で、口やひづめなどに水ほうができるのが特徴。感染した家畜の肉を食べても人体への影響はないという。

中国からの稲わら輸入が急増 霜降り肉の生産に不可欠

11:05a.m. JST April 01, 2000
 「霜降り肉」と呼ばれる高級牛肉の生産に飼料として欠かせない稲わらの中国からの輸入が急増している。昨年秋、中国の稲わらの産地、東北地方の大連市に高温の蒸気による殺菌設備が完成し、中国からの輸入が解禁されたからだ。

 穀物中心の配合飼料だけでは、肉の赤身と脂肪が分離してしまい、「サシ」と呼ばれる細かい脂肪が赤身に入り込んだ「霜降り肉」になりにくいという。

 関係者によると、肉牛の飼料用の稲わらの国内需要は年間約40万トン。このうち輸入量は約25万トン前後で、中国産の解禁前は、台湾と北朝鮮から約10万トンずつ、残りが韓国から輸入されていた。国産の稲わらは、コメの収穫が機械化されたことや集めるのに手間がかかるため、肉牛産地の農家間で融通したりする以外、商品としては余り流通していないという。

 中国東北地方産の稲わらは、気候や土壌の関係で、繊維が固くて糖分が多いなど、肉牛の飼料として質が高い。

 日本貿易振興会(ジェトロ)の大連事務所によると、今年の日本向けの稲わら輸出量は30万トンに達すると見込まれ、さらに新規参入により過当競争も懸念されるという。稲わら輸入を手掛ける徳永商事(東京都中央区)の徳永茂社長も「近い将来、中国産が市場を独占する可能性もある」とみている。

日本人客への検査強化

2000年3月30日 17時23分【シドニー共同】
 口蹄(こうてい)疫に感染した疑いのある肉牛が宮崎市で見つかったことから、オーストラリア検疫監視局は30日までに、シドニーやブリスベーンなどの主要国際空港で、日本人観光客の持ち込み食品への検査体制を強化する方針を決めた。当局者によると、各空港では日本からの観光客が持ち込む食品の検査を徹底させ、肉類、チーズなどの牛乳製品さらに麦わら製品の検査を徹底。

日本からの食肉輸入を一時停止、口蹄疫病発生の懸念で=韓国農林省

2000年03月28日 21:13[ソウル 28日 ロイター]
 
 韓国の農林省は、口蹄疫病発生の懸念を理由に、日本から、ひづめが割れた家畜や牛肉・豚肉を含む食肉の輸入を一時停止したことを明らかにした。

 日本の農林水産省は27日、宮崎県のある農場で、10頭の家畜のうち1頭が口蹄疫病に感染している疑いがある、と発表した。口蹄疫病は、人間には感染しないが、家畜にとっては致命的で、感染する可能性が強い病気だという。

 日本の農林水産省は、この農場の全ての家畜を処分するよう命じ、口蹄疫病の発生を確認するために、近くの農場の立ち入り検査を始めた。

宮崎の牛が伝染病「口蹄疫」に感染か 国内で92年ぶり

9:37p.m. JST March 25, 2000
 宮崎県畜産課は25日、宮崎市内の肥育農家の和牛が悪性の伝染病、口蹄(こうてい)疫に感染した疑いがあると発表した。10頭に発熱、食欲不振などの症状が現れ、血清検査の結果、8頭から口蹄疫ウイルスの抗体が見つかったため、すべて殺処分した。感染が確認されれば、国内では1908年以来92年ぶりになる。人体への影響はない。

 県によると、牛1頭が12日に発症し、その後、ほかの牛も同じ症状を示した。農水省家畜衛生試験場で調べたところ、口蹄疫ウイルスの抗体が検出された。ウイルス自体は確認されなかったため、県は「疑似患畜」と認定した。

 県と農水省は25日、口蹄疫防疫対策本部を設置し、家畜伝染病予防法にもとづいて牛を殺処分し、畜舎を消毒した。この農家から半径50メートル以内の交通を遮断した。

台南の食肉取引1週間停止

1999年6月23日 19時54分 共同通信社
 台湾で70年ぶりに感染が確認された牛の口蹄疫は、予想以上に感染力が強いことが分かり、感染牛が見つかった台南の食肉市場は23日から1週間、牛、豚肉の取引を停止、台湾当局は2年前に猛威を振るった口蹄疫禍の再来を恐れ、防疫態勢を強化している。   

 今月10日、中国福建省に面した金門島で見つかった牛の口蹄疫は、1週間で台南市に拡大、23日までに処分された牛は金門で 160頭、台南で 315頭に上った。

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