TOPIC No.5-20 インフルエンザ

01.インフルエンザ YAHOO!News
02.インフルエンザ注意報 -インフルエンザ情報サービス- (Chugai PharmaceuticalCo.,Ltd)
03.『インフルエンザ対策』総合リンク集 −「インフルエンザ」騒がず冷静に対処− by健康新聞社
04.インフルエンザウイルス情報 by東京都感染症情報センター
05.かわむら こども クリニック 
06. TOPIC No.5-46A 2004年度 高病原性 鳥インフルエンザ
07. TOPIC No.5-46B 2005年度高病原性 鳥インフルエンザ
08. TOPIC No.5-46 高病原性 鳥インフルエンザ
09. TOPIC No.5-46-1 新型インフルエンザ(H1N1)

欧州でタミフル耐性広がる Aソ連型インフルエンザ

2008/02/03 中国新聞ニュース

 欧州で流行中のAソ連型インフルエンザに、治療薬タミフルが極めて効きにくい耐性ウイルスが広がりつつあると欧州疾病対策センター(ストックホルム)が二日までに発表した。同様の耐性は米国でも検出された。

 Aソ連型は日本でも今冬の流行の中心。今のところ国内で耐性ウイルスは見つかっていないが、国立感染症研究所は「タミフルの使用が多い日本で広がると、治療に大きな影響が出る恐れがある」として、上陸を警戒している。

 欧州専門家チームの速報によると、昨年十一月から今年一月までに欧州十八カ国で分離されたウイルス計四百三十七試料のうち、九カ国の五十九試料(14%)からタミフルへの強い耐性を示す遺伝子変異が検出された。検出率はノルウェーが70%と突出している。米国でも5%で同様の耐性が見つかったという。

 感染研の小田切孝人おだぎり・たかとウイルス第三部室長によると、日本や韓国、台湾など東アジアでは検出されていない。

 タミフルへの耐性ウイルスはこれまでにもあったが、多くは1%以下と比較的まれで広がりにくく、これほどの高頻度は初めて。耐性は薬を多く使っている環境で発生しやすいが、欧州では通常のインフルエンザにタミフルをほとんど使わないため、自然の突然変異でできたとみられる。患者の症状は通常のインフルエンザと変わりなく、リレンザなど別の薬は有効だという。

 世界保健機関(WHO)は先月末、日米欧などの専門家と緊急電話会議を開き、慎重な監視を申し合わせた。

 小田切室長は「これ以上拡大するのかどうかを世界で協調して監視することが重要だが、国内の治療方針を変える必要は当面ない。新型インフルエンザ対策にも特に影響はない」と話している。

タミフル因果関係、暫定解析…異常行動、服用者に少ない 厚労省研究班

2007/12/26 FujiSankei Business i.

 インフルエンザ治療薬タミフルと異常行動をめぐる因果関係の調査で、厚生労働省研究班(主任研究者・広田良夫大阪市立大教授)は25日、18歳未満の約1万人を対象にした調査では、タミフル服用者の方が非服用者に比べ異常行動が少ないとの暫定的な解析結果を、同省専門家作業部会に報告した。

 この調査は、タミフルと異常行動に関し同省などが実施した複数の調査中、規模が大きく結果が最も注目されていた。

 担当の広田教授は「結論を導くには解析が不足している」と強調しているが、厚労省はこれを他の調査結果とともに、同日の同省安全対策調査会に諮り、10代へのタミフル使用を原則中止している現行の措置を見直すべきかどうか検討する。

 調査は、昨冬(2006〜07年)に全国約700の医療機関でインフルエンザと診断された18歳未満の約1万人が対象。医師と患者の家族へのアンケートで、タミフル服用の有無と異常行動発生率の関係を調べた。

 タミフルは全体の79・3%が服用。異常行動の発生率は、タミフル服用者が9・7%だったのに対し、服用なしの患者は22・0%と多かった。10代の患者に限っても傾向は同じだった。しかし、飛び降りなど重度の異常行動については、統計上意味のある差が出ないデータが多かった。

 他の疫学調査や臨床試験などでは、これまでにタミフルと異常行動の因果関係を示す結果は出ていない。

                   ◇

【用語解説】タミフル

 「ノイラミニダーゼ阻害剤」と呼ばれるインフルエンザ治療薬の一つで、成分名はリン酸オセルタミビル。インフルエンザウイルスが、感染細胞から体内に広がるのを抑制する働きがあり、A型、B型両方のインフルエンザの治療に使われる。国内販売開始は2001年2月。発生が懸念されている新型インフルエンザへの効果も期待され、国や都道府県が備蓄を進めている。ノイラミニダーゼ阻害剤にはタミフルのほか、吸入式のリレンザ(成分名ザナミビル水和物)がある。

承認申請時データに誤り タミフルでロシュ社報告

2007年12月10日 中国新聞ニュース

 厚生労働省は10日、インフルエンザ治療薬タミフルと異常行動の関係を、動物実験など基礎研究を通じて検討する専門家作業部会を開催。製造元のロシュ社(スイス)などは承認申請時に国に提出した動物実験のデータに誤りがあったことを報告した。

 厚労省は「大変遺憾なこと。ほかに誤りがないかなど調査を指示した」とした上で、現時点では承認への影響はないとしている。

 誤りが判明したのは、ロシュ社が実施した生後間もないラットへのタミフル投与による毒性試験の結果。生後7日のラットでは42日後に比べて脳内のタミフルの量が1500倍高かったとしていた。

 しかし、今回の調査の過程で同様の試験を行った結果、以前のデータより著しく低い数値が出た。このため詳しく調べたところ以前のデータの計算ミスが判明したという。このデータは、2004年に承認された効能追加の際に、参考資料として国に提出されていた。

山口でもインフルエンザ急増

2007/12/07 中国新聞ニュース

 インフルエンザの患者が、山口県内でも急増している。例年は1―3月が本格的な感染期だが、今年は11月中旬から増え始め、今月2日までに計315人が感染した。県は注意喚起のポスターを早めに配る方針で、予防策を呼び掛けている。

 県内の70医療機関での定点調査によると、インフルエンザ患者は10月8日の週に今年初めて患者1人の報告があった。11月に入り、12日の週が41人、翌19日の週が108人と増え、26日―12月2日の週には152人に達した。ウイルスのタイプは抽出検査でいずれも「Aソ連型」だった。

インフルエンザ 今月中にも全国的流行か

2007年11月27日 中国新聞ニュース

 インフルエンザの患者報告数が急増し、全国的流行が始まる可能性が高いことが27日、国立感染症研究所のまとめで分かった。流行が始まれば、1987年以降で最も早い開始となるという。

 全国約4700の定点医療機関1カ所当たりの報告数が、1週間で全国平均1・0人を超えると全国的な流行開始とされる。感染研によると、今月18日までの1週間は0・94人(前週は0・50人)で、次週の報告で1・0人を超える可能性が高い。

 18日までの1週間の報告数は計4415人。都道府県別の定点当たりの報告は、急激な増加が続く北海道が8・1人と最多で、沖縄3・1人、神奈川1・8人、和歌山1・7人と続く。

 厚生労働省によると、10月28日から今月17日までに休校や学級閉鎖をした保育園、幼稚園、小学校、中学校は計220施設。17日までの1週間だけで139施設に上る。

 感染研は「ワクチン接種を予定している人は早く接種を済ませて」と呼び掛けている。

インフルエンザ異常行動調査で新たに研究班

2007/08/11 The Sankei Shimbun WEB-site

 厚生労働省は10日、異常行動のあったインフルエンザ患者の症例を分析する新たな研究班(主任研究者、岡部信彦国立感染症研究所感染症情報センター長)を設けたと発表した。

 インフルエンザ治療薬タミフルの服用後に飛び降りなど異常行動が起きた事例を分析するため、インフルエンザと思われる疾患の影響で、異常行動がどの程度起きているか把握するのが狙い。重度の異常行動は全国約11万カ所のすべての医療機関から、軽度の異常行動は全国約5000カ所のインフルエンザ定点医療機関から情報を集める。

 また、タミフルの服用と異常行動の関係を調べる研究班について、タミフル輸入販売元の中外製薬から寄付金を受けていたために研究班から外れた横田俊平横浜市立大教授らに代わり、広田良夫大阪市立大教授(公衆衛生)らが研究を引き継ぐことを明らかにした。

タミフルはB型への効果低め 15歳以下の子ども

2007年04月07日 中国新聞ニュース

 インフルエンザ治療薬タミフルは、A型ウイルスに対する効果に比べ、B型ウイルスでは15歳以下の子どもで治療効果が劣ることを、けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫小児科部長らのチームが突き止め、7日までに米医学誌に発表した。

 同部長は「B型では今後、患者の年齢によってタミフルの量を通常より増やすなどの工夫が必要になってくるのではないか」と話している。

 チームは、2004−05年にインフルエンザでタミフルを服用した15歳以下の子ども計489人を調査。A型ウイルスに感染していた127人はタミフル服用後平均1・3日で平熱に戻ったのに対し、B型の362人は同2・1日と長くかかり、5歳以下に限って比較すると、差はさらに大きかった。

 インフルエンザは毎冬、A型とB型のウイルスが混合して流行する。A型だけに効くアマンタジンのような治療薬もあるが、タミフルはA、B両方に有効として承認された。

遅れていた流行始まる インフルエンザ全国で

2007年01月30日 中国新聞ニュース

 遅れていたインフルエンザの全国的流行が始まったことが、国立感染症研究所のまとめで30日分かった。例年、12月中−下旬に流行が始まるが今回は過去10シーズンで2番目に遅いという。

 インフルエンザは、国内で毎年1000万人前後がかかるとされる。通常のかぜと違い38度以上の高熱や頭痛、倦怠感、関節痛、筋肉痛など全身の症状が突然現れる。

 感染研感染症情報センターの安井良則主任研究官は「これまで1月に流行が始まったシーズンでは、流行のピークが2月中旬−3月中旬と遅くなる」と指摘。本格的な流行はこれからとみられ、うがい、手洗いの徹底を呼び掛けている。

インフルエンザ:女児ら2人が感染−−今冬初 /北海道

2006年12月28日 毎日新聞 YAHOOニュース

 札幌市地域衛生課は27日、市内の医療機関を受診した1歳女児と10代男性の計2人から、道内では今冬初のA香港型インフルエンザウイルスを検出したと発表した。全国では岐阜県に次いで2番目で、今年は全国的に発生が少ない冬になっている。

 女児は7日に38・6度、男性は18日に39・8度の発熱があり、それぞれ翌日に受診。のどから採取した体液からウイルスが検出された。昨冬は11月30日に受診した患者が第1号だった。同課は流行に備え、手洗いやうがい、部屋の換気などをまめにするよう呼びかけている。【去石信一】

季節はずれのインフルエンザ、沖縄・北海道などで流行

2006年06月14日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 沖縄県や北海道、岩手県などを中心に4月中旬以降、インフルエンザが流行し始め、その後、じわじわと流行地域が拡大する傾向にあることが、国立感染症研究所感染症情報センターの定点観測調査で分かった。

 同センターは「冬のように大規模流行に至る恐れはない」としながらも、「うがいと手洗いの励行」を呼びかけている。

 同センターが、全国5000か所の指定医療機関を通じて行っている定点観測調査によると、今年のインフルエンザの流行のピークは1月下旬で、1医療機関の週あたりの平均患者報告数は32・37人。例年通りその後、減少を続けていたが、この1医療機関の週あたり平均患者報告数の減少が4月中旬には0・63人で頭打ちに。5月下旬には全国的な流行と認定される1・0人まで逆に増加し、現在も増える傾向にあるという。5月下旬の1・0人は、過去5年間の平均(0・26人)の約4倍にあたる。

 ウイルスはこの冬流行したA香港型ではなくB型が中心。5月の第4週目の流行状況を見ると、沖縄県の1医療機関の週あたり報告数が7・2人で最も多く、北海道が4・3人、岩手県の3・4人が続いている。

 同センターの岡部信彦センター長は「検査キットが普及し、以前なら夏かぜとされていたケースが、インフルエンザと診断されるようになったことも影響しているかもしれないが、流行しているのは間違いない」としている。

インフルエンザウイルス:突起の立体構造予測しDB化

2006年01月20日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 理化学研究所は、インフルエンザウイルスの増殖に欠かせない表面のたんぱく質の突起(ノイラミニダーゼ)1603種類分の立体構造を予測しデータベース化した。ホームページで20日から公開を始めた。立体構造が判明したノイラミニダーゼはこれまで、約70種類にとどまっていた。データを利用すれば、ノイラミニダーゼの働きを阻害する「タミフル」のような治療薬の開発につながる。新型インフルエンザが出現した際の新薬開発にも役立つという。

 同研究所は、たんぱく質を構成するアミノ酸の配列を集めた米国のデータベースから、ノイラミニダーゼに関するデータを抽出した。研究所で開発した、アミノ酸の配列からたんぱく質の立体構造を予測するコンピューターソフトにデータを入力し、すべての立体構造を描き出した。

 ノイラミニダーゼは大きく分けてN1〜N9まで9タイプある。アミノ酸配列のわずかな違いから、さらに種類が細かく分かれる。1603種類にはN1〜N9までのノイラミニダーゼが含まれ、このうち人に感染するとされるN1型、N2型が約8割を占めた。

 新型インフルエンザ対策としてタミフルの備蓄が進められている。さまざまなノイラミニダーゼの働きを阻害すると期待されているためだが、ウイルスの突然変異によって、タミフルが作用しないノイラミニダーゼを持つウイルスが流行する可能性もある。このため、幅広くノイラミニダーゼに対応する別の治療薬が求められている。

 同研究所が開発したソフトは、アミノ酸配列が分かれば約90分でノイラミニダーゼの立体構造を予測でき、新型インフルエンザに対応する治療薬開発のスピードアップが図れるという。【永山悦子】

ビフィズス菌、インフルエンザ予防に効く?

2006年01月04日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 ビフィズス菌を多めに取る高齢者は、免疫機能が高まり、インフルエンザウイルスに感染しにくいという研究結果を、森永乳業栄養科学研究所(神奈川県座間市)がまとめた。今年3月に開かれる日本農芸化学会大会で発表する。

 茨城県内の介護老人保健施設に入所している高齢者27人(平均年齢86歳)に2004年11月から毎日、ビフィズス菌の一種「BB536」を1000億個含む粉末(2グラム)を飲んでもらった。インフルエンザ流行のピークが過ぎる昨年3月末まで飲み続けたグループ(13人)には、飲む前に比べて、白血球の殺菌機能が高まる傾向が見られ、インフルエンザ発症者がいなかった。一方、1か月半で飲むのをやめたグループでは、14人中5人が発症した。

 光岡知足(ともたり)・東大名誉教授(微生物生態学)は「免疫力の下がった高齢者にとって、インフルエンザにかかりにくくなる効果が期待できる。ただ即効性はないので、流行の1か月以上前から飲み続けることが望ましい」と話している。

タミフル備蓄達成は2年後 インフルエンザ対策

2005/11/26 The Sankei Shimbun【大阪夕刊から】

 政府の新型インフルエンザ対策行動計画で二千五百万人分の備蓄目標が決まった抗ウイルス薬タミフルについて、厚生労働省は二十六日までに、政府と都道府県の備蓄分(計二千百万人分)をほぼ調達できるのは、早ければ二年後とする初の見通しをまとめた。

 輸入、販売元の中外製薬との折衝で、平成十八、十九年度に約一千万人分ずつ確保できる見込みになったため。タミフルは世界的に需要が高まっている上、備蓄目標を従来計画の約一・七倍にしたことから、達成のめどが焦点となっていた。

 また厚労省は、中外製薬との購入交渉は都道府県分も含め一括して行う方針を固め、都道府県に対し早急に備蓄計画を報告するよう要請。交渉結果を受けて来月中に購入の手続きに入り、確保分は政府と都道府県で折半する計画だ。

 中外製薬は、通常のインフルエンザ治療用に千二百万人分を確保。これとは別に、新型の治療用として十八年度に約一千万人分、さらに来月中に発注すれば十九年度に約一千万人分を製造元から調達できる見通し、としているという。

 十四日にまとまった行動計画によると、タミフルの備蓄目標は、政府と都道府県が千五十万人分ずつ、市場流通での確保は四百万人分となっている。

FDA諮問委「タミフルに注意表示を」

2005/11/19 The Sankei Shimbun

ロシュ社 副作用「短期投与で」

 【ワシントン=有元隆志】インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用した日本の子供が死亡した問題で、米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は十八日の会合で、二年間の監視継続を求めるとともに、副作用として深刻な皮膚障害が起きる可能性があるとの注意書きを薬のラベルに表示すべきだとの勧告を行った。

 ロバート・ネルソン委員長は「タミフル服用が死亡の要因であることを示すものはない」と因果関係を否定した上で、監視継続の理由について、タミフルが世界的な拡大が懸念されている鳥インフルエンザにも効果があるとされていることを踏まえ、「もし鳥インフルエンザが流行すれば、市民は薬についての情報を得たいと思う」と説明した。

 外部の専門家で構成される諮問委員会には強制力はないが、FDAは通常、勧告に従う。

 【ワシントン=共同】タミフルを服用した日本の子供の死亡や精神神経症状の報告が、米国などと比べ突出して多いと分かった問題で、製造元のスイス・ロシュ社は十八日、日本でのタミフル流通量の多さなどに加え、標準服用期間(五日)より短い二−四日の投与が一般的な、日本の薬の使い方も影響した可能性があると指摘した。

 ロシュは、流通量の多さなどに加え、日本では熱が下がるまでを治療期間とするケースが多く、薬を止めた後にインフルエンザ症状がぶりかえし、それが異常として報告された可能性もあるとの見方を報告した。

タミフル服用患者の死亡例、世界で71人 米FDA報告

2005年11月18日 asahi.com

 インフルエンザ治療薬オセルタミビル(商品名タミフル)を服用した日本人の12人の子ども(16歳以下)が死亡した問題で、大人も含めた死者は世界で71人にのぼることが、米食品医薬品局(FDA)の調査でわかった。18日に開かれた「小児科助言委員会」に報告した。ただ、17歳以上の死者の4割は米国人だった。子ども向けの使用は日本が米国と比べ際だって多く、同委員会は使用量と死者数の関係などについて検討する。

 FDAによると、17歳以上の死者はこれまでに58人。ほかに年齢不詳が1人いた。米国以外の国籍は明らかにされていない。

 タミフルの製造元のスイス製薬大手ロシュによると、タミフルは米国では99年から、日本では01年から使われ始めた。過去5年のタミフル使用量は日本が世界の77%、米国が20%を占める。また、FDAによると、過去5年の子どもの使用量は日本が米国の13倍にのぼった。

 このため同委員会は、使用量の差と、死亡例や神経・精神に異常を示した症例数などと関係があるのかどうか、検討を進める。FDAによると、神経・精神に異常を示した子どもは32人いて、うち31人は日本人だった。

 また、日本人と欧米人とでタミフルの体内での代謝のされ方が異なるという見方もある。

 FDAはこうした点もふまえ、タミフル服用の副作用かどうかを今後2年間かけて詳しく調べるとしている。

 ロシュによると、日本ではこれ以外にも、子どもの死亡が1例あるといい、大人も含めた全体の死者数も今後増える可能性がある。

厚労省、副作用には否定的 タミフル、投与方法や備蓄に疑問も

2005/11/18 The Sankei Shimbun

 新型インフルエンザ対策として、各国が備蓄を進める抗ウイルス薬タミフル。日本も2500万人分の備蓄を決めた矢先に、服用後の死亡例が明らかになった。厚生労働省は薬と死亡との因果関係に否定的で、備蓄は予定通り進める方針だ。しかし、消費量世界一という投与方法に疑問を投げ掛ける専門家もいる。

 タミフルはスイスの製薬大手ロシュが製造。昨シーズンは国内で860万人分(1人分10カプセルで換算)供給されるなど、インフルエンザ治療に広く使われている。

 ところが米食品医薬品局(FDA)が17日、ロシュなどの報告を基に「服用後に日本の子供12人が死亡」と発表。先週末には、服用直後に少年2人がトラックに飛び込むなど異常な行動を取って死亡していたことが報道されたこともあり、安全性への疑問が浮上した。

 高熱による異常行動との見方もあるが、遺族から相談を受けたNPO法人医薬ビジランスセンター(大阪市)の浜六郎医師は「熱がなくタミフルだけを服用し、異常行動から突然死しているケースもある。動物実験でも突然死が証明されており、因果関係はほぼ確実」と警告する。

 その上で「インフルエンザは暖かくして寝ていれば多くの場合は治る。発生していない新型対策より、死亡の事実を重視した対策が必要だ」と、安易な服用や備蓄に懸念を表明した。

 タミフルの添付文書には、重大な副作用としてショックや肺炎、精神・神経症状などが記載されている。ただ、副作用かどうかは、医師の判断に大きく左右される。

 「タミフルがない時代も熱による異常言動などはあった。タミフルによる影響がどれだけプラスされているか、詳しく分かっていない」と言うのは、インフルエンザ脳炎・脳症に関する厚労省研究班のメンバーの宮崎千明・福岡市立西部療育センター長。

 意識障害や臓器障害が起きる同脳症は、昨シーズンは36人が報告され、うち8人が死亡、子供が83%を占めた。今回の死亡例はタミフルではなく、病気が直接の死因との指摘があり、厚労省は「専門家も薬との因果関係は否定的だった」とする。

 宮崎センター長は「症例の慎重な検証が必要だ」とし、新型対策の備蓄について「検証結果がはっきりするのを待ってから準備しても間に合わない」と述べた。(共同)

タミフル自治体備蓄4倍に 新型インフルエンザ対策

2005/11/14 The Sankei Shimbun

 出現が懸念される新型インフルエンザの総合対策を定めた政府の行動計画がまとまり、厚生労働省が14日発表した。

 政府と都道府県の分担が未定だった抗ウイルス薬タミフルの備蓄目標は、1050万人分ずつ(1人分は10カプセル)と決定。都道府県分は従来の4倍、政府分は30倍になる。厚労省は5年間での調達計画を前倒しして「来年度中に確保したい」としている。また、推計される死者を最大で約17万人から約64万人に増やした。

 行動計画は、平常時から世界的大流行まで発生状況を6段階に分け、タミフルの備蓄強化や、大規模な集会の自粛勧告といった社会活動の制限など、具体的な対応を盛り込んだ。

 15日には関係閣僚会議を開催、都道府県でも対策本部や各地の実情に合った行動計画づくりが本格化する。しかし、薬や病床の確保を含め、事前の備えがどこまで進むかが課題になる。

 行動計画は、健康被害を最小限に抑え、社会機能の破たんやパニックを防ぐのが狙い。

 タミフル備蓄目標は、従来の約1.7倍の2500万人分とし、内訳は政府と都道府県が1050万人分ずつ、市場流通での確保が400万人分。行政による備蓄の割合を20%から84%へ引き上げた。1カプセルは薬価ベースで366円。

 1日で最大約10万人と推定される入院患者の病床確保も進める。

 新型が出現、流行した場合は、大規模集会や、映画、コンサートなど不特定多数が集まる活動の自粛を勧告。出勤停止の勧告や休校の要請を行うほか、強制的な入院も可能にする。厚労相は非常事態を宣言する。

 また、大流行時のタミフル投与の優先順位は(1)入院患者(2)医療関係と警察・消防など社会機能維持に必要な患者(3)基礎疾患などがある患者(4)児童、高齢の患者(5)一般の外来患者。薬事承認前のワクチンでも接種するとした。

 現在は、アジアで高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の人への感染が見られ、新型発生手前の第3段階に当たる。(共同)

タミフルのみ異常行動死 岐阜と愛知の少年2人

2005/11/12 中国新聞ニュース

 インフルエンザ治療薬タミフル(成分名リン酸オセミタミビル)をのんだ岐阜県と愛知県の少年二人が、直後に異常な行動を取り死亡していたことが、十二日分かった。一人は昨年二月、トラックに飛び込み、もう一人は今年二月にマンション九階から転落した。

 昨年二月の事例の後に輸入販売元の中外製薬から報告を受けた厚生労働省は「薬との因果関係が否定できない異常行動による死亡例の報告は初めて」としている。

 タミフルの添付文書には重大な副作用として、意識障害、異常行動、幻覚などの症状があらわれることがあると記載されているが、新型インフルエンザ対策で国がタミフル備蓄の大幅増量を決めた直後だけに、同省は、あらためて注意喚起するかどうか検討している。

 中外製薬によると、昨年二月、インフルエンザと診断された岐阜県内の十七歳の男子高校生は、タミフル一カプセルをのんだ後、自宅を出て車道に飛び出した。今年二月には愛知県内の十四歳の男子中学生が服用後に、マンション九階の自宅から転落死した。

1月に北京で拠出国会議 インフルエンザ対策で世銀

2005/11/10 The Sankei Shimbun

 世界銀行は9日、鳥インフルエンザの封じ込めと新型インフルエンザの大流行予防対策に関する資金づくりのため、拠出国会議を来年1月17―18日に北京で開催することを決めた。ジュネーブの世界保健機関(WHO)本部で9日まで開かれていたインフルエンザの専門家会議で明らかにした。

 世銀は既に5億ドル(約590億円)をインフルエンザの対策費として拠出する方針を表明。拠出国会議で国際社会に5億ドルの資金援助を求め、総額10億ドルの資金を確保し、アジアを中心とした発展途上国のインフルエンザ対策プログラムを、3年間にわたって支援する。

 WHOの李鍾郁(イ・ジョンウク)事務局長は専門家会議の閉幕に当たり、新型インフルエンザの大流行に備え、世界的な抗ウイルス剤の備蓄を進めることなど、12項目の対策の即時実施を呼び掛けた。

 専門家会議は世銀、国連食糧農業機関(FAO)などの共催で7日から開催されていた。(共同)

米、死者190万人も想定 新型インフルエンザ

2005/11/03 The Sankei Shimbun

 米厚生省は2日、新型インフルエンザが米国で流行すれば最悪の場合190万人が死亡すると想定し、旅行や集会制限などの対策をまとめた戦略計画を明らかにした。

 ブッシュ大統領が1日概要を発表した71億ドル(約8300億円)規模の国家戦略の詳細版。

 不足するのが確実なワクチンや抗ウイルス剤の配分について、専門委員会が勧告した優先順位も盛り込んでおり、州や地方政府にも計画策定を急ぐよう促した。

 計画は、1918年に出現したスペイン風邪並みの深刻な流行が起きた場合、米国の人口の3割に当たる約9000万人が発病し、うち約990万人が入院、約190万人が死亡すると想定。6―8週間にわたり患者が集中発生し、最低でも第2波の流行があるとした。流行が中規模にとどまった場合でも、保健関連だけで約1800億ドル(約21兆円)の費用がかかると見込んでいる。

 鳥インフルエンザウイルスが変異するなどした新型ウイルスが国外で人から人に広がり始めたら、渡航制限や流行地からの入国者の隔離を実施、上陸後は拡大予防のため集会制限なども行う。

 ワクチンなどの優先順位は、2つの諮問委員会が軍人以外について検討した結果。ワクチン接種では、治療薬やワクチン製造の従事者、医療関係者の順位が最も高く、抗ウイルス剤は入院患者を最優先とした。(共同)

新型インフルエンザ警戒 厚労省が対策推進本部

2005/10/28 The Sankei Shimbun

 出現への警戒感が世界的に強まっている新型インフルエンザの発生に備え、尾辻秀久厚生労働相は28日、総合対策を盛り込んだ初の全国行動計画作りと、策定に当たる厚労省対策推進本部の設置を発表した。

 公表された行動計画概要案は、発生状況を1(平常時)―6(世界的大流行)の6段階(フェーズ)に分け、それぞれで(1)計画と連携(2)サーベイランス(監視)(3)予防と封じ込め(4)医療(5)情報提供―の5分野の対応を示した。具体的には、感染症法の指定感染症への指定や、渡航や大規模集会の自粛、指定医療機関の選定などを挙げている。

 同日午後には、尾辻厚労相を本部長にした対策推進本部の初会合を開催。11月中に行動計画を最終的にまとめる。

 新型患者が発生していない現在は「発生手前」の第3段階とされ、既にある鳥インフルエンザの関係省庁対策会議を拡充する一方、都道府県には来年初めまでに独自の行動計画と対策本部づくりを要請する方針で、全国的に対策が本格化する。

 概要案によると、平常時の第1段階は情報収集やガイドライン作成に当たる。第2段階は、新型に変異する恐れがある高病原性鳥インフルエンザが鳥で流行し人への感染リスクが高い状態で、渡航者に注意喚起する。

 現状のように鳥ウイルスが人に感染した第3段階では、治療態勢が整った医療機関を決め、積極的な疫学調査を実施。

 新型インフルエンザが出現し小集団で流行する第4段階には、渡航自粛の勧告や検疫強化。交通遮断や強制的な入院などの措置が可能な指定感染症とし、患者の家族や医師に治療薬タミフルを予防的に投与する。

 流行が広がった第5段階になると、休校や大規模集会の自粛、現在開発中の新型用ワクチン接種も実施する。第6段階は世界的大流行で、指定医療機関以外も治療に当たる。大流行後は、計画の見直しなどを行う。(共同)

ペット用の鳥など輸入禁止 EU、鳥インフルエンザで

2005/10/26 The Sankei Shimbun

 欧州連合(EU)は25日、鳥インフルエンザの感染拡大防止のため、EU域外からの野鳥やペット用の鳥の輸入を禁止することを決めた。食用などの生きた家禽(かきん)は対象から除外する。数日中に実施され、期間は11月30日まで。状況をみて延長について判断する。

 必要な検疫を済ませたり、鳥用のワクチン接種をしているなどの条件を満たせば、所有者自身が5羽まで持ち込める。EU諸国は世界中から推定で年100万羽以上のペット用の鳥を輸入しており、ペット業界には打撃。欧州委は加盟国に密輸の取り締まり強化を要請した。

 英国で検疫中だった南米からのオウムが毒性の強いH5N1型のウイルスに感染し死んだことが判明、同国が生きた鳥の輸入禁止を提案した。

 欧州やその周辺では今月、ルーマニアやトルコ、ロシアでH5N1型のウイルスが確認された。(共同)

新型インフルエンザ封じ込めに対策本部 厚労省

2005/10/22 The Sankei Shimbun

 厚生労働省は22日までに、出現が世界的に懸念されている新型インフルエンザに備え、予防や治療、発生動向の監視など総合的な健康危機対策に取り組む推進本部を設置することを決めた。

 尾辻秀久(おつじ・ひでひさ)厚労相を本部長に、今月下旬にも初会議を開催。発生時の感染拡大防止や医療措置の具体策を示した全国行動計画の早期策定を重点的に進める。

 農水省や警察庁、国土交通省など10を超す関係省庁による政府レベルの対策会議も計画されており、新型封じ込めに向け国の対策が本格化する。

 新型に変異する恐れがある高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の患者や死者の発生がアジアで続き、世界保健機関(WHO)は新型大流行の危険性を警告、各国に対策強化の動きが広がっている。

 このため厚労省は、健康や医薬品部門だけでなく、高齢者や雇用などの担当部署を含め省を挙げた対応が必要と判断した。

 行動計画には、正確な情報提供や、抗ウイルス剤の適切な投与、大規模集会や渡航の自粛勧告などの方策を、発生状況に応じ段階的に盛り込む方針で、近く公表する。

 また、感染症の専門家らの協力を得て、診療や検疫、ワクチン開発について研究や有効な方策を進める。(共同)

東南アジアで新たに死者 新型の封じ込め急務

平成17(2005)年10月22日 The Sankei Shimbun

 毒性の強い鳥インフルエンザウイルスH5N1型の鳥から人への感染は、すでに東南アジアでは現実のものとなっている。タイで二十日、今年初めての死者が出たことが明らかになったほか、台湾でも今年初めて鳥インフルエンザが確認された。鳥との接触が多い東南アジア地域で、人から人への感染力を持つ「新型インフルエンザ」に変異する可能性は高く、その場合、世界的被害をもたらしかねない。同地域での“封じ込め”に向けた、国際協力体制の確立が求められている。

 H5N1型ウイルスの人への感染が一九九七年、香港で確認されて以降、同ウイルス感染はベトナム、タイ、インドネシア、カンボジアに拡大。世界保健機関(WHO)などによると、一昨年十二月から今年十月までの間にH5N1型の感染者は百十八人、死者六十一人、致死率は約50%にのぼる。ベトナムの死者が四十一人と最も多く、タイ、カンボジア、インドネシアと続く。中国は人的被害を報告しておらず、鳥への感染例しかないと主張している。

 WHO西太平洋地域の尾身茂事務局長は、新型インフルエンザの発生はアジア地域からの可能性が高いという。問題は先進国と違って、発展途上国のサーベイランス(調査)体制が確立されていないことだ。貧しい地域の農民らは家禽(かきん)の強制処分を恐れて、届けない場合も多い。

 尾身事務局長は「世界的大流行を発生させないため、あらゆる手段、資源を活用して早期対応すべきだ」と話す。(杉浦美香)

新型インフルエンザ、都が対策指針 380万人感染予測

2005年10月21日 asahi.com

 東京都は20日、免疫がなく大流行が懸念される新型インフルエンザ対策の指針を発表した。都内で約380万人が感染し、1万4千人が死亡すると予測。想定以上に流行した場合には、知事が「緊急事態」を宣言し、公共交通機関の運行、野球場や劇場などの集客施設の活動の自粛などを求めるとしている。

 人口の30%が感染するという想定。国は最悪で人口の25%が感染し、17万人が死亡すると想定しているが、東京は人口密集地のため、国より高い割合を見積もった。

 入院患者数は計29万人。ピーク時には2万6千床が必要になる。不足すれば学校などを臨時の医療機関として活用し、高齢者には外出自粛を求め、食糧や生活必需品を配給する。老人ホームでの面会も控えてもらうという。

新型流行で死者190万人 米、インフルエンザで想定

2005/10/08 The Sankei Shimbun

 新型インフルエンザが米国で流行したら、最悪の場合、人口の3%近い約850万人が入院、死者は190万人を超える恐れがあるとする、深刻な被害想定を米政府がまとめていることが8日分かった。

 同日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が、衛生当局幹部から、近く発表される政府の対策計画文書の最終案を入手したとして報じた。同紙は現在の米国の準備状況について「全く不十分だ」と批判している。

 文書は、アジアで発生する新型インフルエンザの小さな流行が、人の動きを通じて数週間から2、3カ月で米国に達すると推定。最悪の死者、入院患者が出た場合の費用は4500億ドル(約52兆円)と見積もった。病院には患者があふれ、社会不安が広がって暴徒化した市民がワクチンのある医療施設を襲い、電気や食料の供給も滞る恐れがあるとしている。

 必要な対策として、抗ウイルス薬の備蓄量を現在の約30倍の1億3300万人分に増やすほか、ワクチン製造能力も「半年以内に6億人分」と10倍以上に向上させることも求めている。

 議論の的だったワクチン接種の優先順位については、ワクチンや治療薬の製造従事者や医療関係者がトップ、それに高齢者や重病患者、妊婦、エイズ患者などが続き、警察官、消防士、次いで政府首脳という順。軍関係者は除外されている。

 同紙に情報提供した高官はこの計画を評価する一方で「誰が責任者なのか分からないことが最大の問題だ」とも指摘している。(共同)

治療薬効かず…インフルエンザウイルス、急速に耐性獲得

2005/09/22 The Sankei Shimbun東京朝刊から

 人で毎年流行するインフルエンザウイルスが、比較的安価な治療薬「アマンタジン」に対する耐性を急速に獲得、中国や香港で耐性ウイルスの割合が約7割に及ぶ深刻な事態になっていると、米疾病対策センター(CDC)のチームが21日、英医学誌ランセット(電子版)に発表した。

 アマンタジンへの耐性は、アジアで流行中の鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルスでも報告されていた。人と鳥のウイルスが交雑し、世界的に大流行する新型インフルエンザが出現する事態が懸念されているが、CDCは今回の人のウイルスでの耐性拡大を受け「この薬は新型ウイルスの治療にはもう役に立たないだろう」と警告。世界的な新型インフルエンザ対策にも影響しそうだ。

 アマンタジンは、世界で約30年、A型インフルエンザの治療に使われてきた。国内ではパーキンソン病などの治療薬として使われていたが、1998年11月に効能の拡大が承認された。

 CDCが94年10月から今年3月までに世界で集めたA香港型(H3N2)などの人のウイルス約7200種を分析したところ、94―95年は、アマンタジンへの耐性ウイルスの割合は0.4%だったが、2003―04年は12.3%と、30倍以上に増えた。

 耐性の増加は02年以降のアジアで激しく、04年の耐性ウイルスの割合は中国74%、香港70%、台湾23%など。日本は4%と少なかった。

 CDCによると、中国などではアマンタジンが薬局で処方せんなしで買えるため、使われ方の違いが耐性出現率の差に出た可能性があるという。(共同)

インフルエンザ:過去10年で最高レベルに B型が主流

2005年3月12日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 今年第8週(2月21〜27日)のインフルエンザの患者数が約23万人を超え、過去10年間で最悪だった98年の大流行に迫る水準に達していることが12日、国立感染症研究所の定点観測で分った。今年は流行が例年より3〜4週間遅く、B型インフルエンザの患者が半数以上を占めているのが特徴だ。

 国はインフルエンザの週ごとの患者数を、全国約5000カ所の医療機関から集計している。第8週の1機関あたりの患者数は全国平均で49.19人。山梨県と沖縄県を除き警報レベル(30人)を超え、両県でも地域によっては警報レベルに達している。最も高かったのが宮崎県の72.4人、次いで新潟県の70.8人、長野、山口、福井、佐賀、愛知、熊本、石川の7県が60人台、北海道など12道県で50人を上回った。

 国内で流行するインフルエンザウイルスはA香港型、Aソ連型、B型の3種類。感染研は「B型がこれほど流行した例は過去10年にない」と指摘。B型は春先まで長く流行する特徴があるため、今後も警戒が必要だ。「人ごみでのマスクの着用や、外出後のうがいや手洗いを徹底してほしい」と呼びかけている。【江口一】

 【インフルエンザ】 38度以上の急な発熱、頭痛、のどの痛み、関節痛、筋肉痛などの全身症状が強いことなどが診断基準となる。原因のインフルエンザウイルスは表面にあるたんぱく質の違いでA型、B型に分かれる。症状や治療法はほぼ同じだが、B型は筋炎と消化器症状を起こす確率が高い。現在、A型のうちAソ連(H1N1)型とA香港(H3N2)型、B型の3種類が流行している。

インフルエンザ流行拡大 7年ぶり最悪水準

2005/03/12 The Sankei Shimbun

 インフルエンザの流行が拡大し、第8週(2月21−27日)の報告患者数は約23万人、定点病院当たりでは49・19と、1998年の大流行に迫る最悪の水準に7年ぶりに達したことが、国立感染症研究所が11日発行した感染症週報で分かった。

 今シーズンは例年より流行が遅く、B型の患者が半数以上を占めるのが特徴。B型は流行が長引く場合が多く、同研究所は引き続き手洗いやマスクの着用など感染防御策を徹底するよう呼び掛けている。

 全国約5000の小児科、内科の協力を得て、週ごとの患者数を調査。すべての都道府県で警報レベル(30)を超えており、最多は宮崎県の72・36。新潟県70・84、長野県69・69と続いた。(共同)

流行拡大、28都道県で警報 インフルエンザ、遅いピーク

2005/03/04 The Sankei Shimbun

 インフルエンザの流行が拡大し、患者数は2月14−20日(第7週)に28都道県で警報レベルを超えたことが、厚生労働省と国立感染症研究所が4日発行した感染症週報で分かった。

 厚労省は「収まる兆しはなく、例年より流行のピークは遅いとみられる」と引き続き注意を呼び掛けている。

 全国約5000の小児科、内科の定点当たり患者報告数が警報レベル(30)を超えたのは宮崎(76.45)、佐賀(69.26)、愛知(59.47)など28都道県。うち10県で50を超えた。

 今シーズンは発症者の6割以上が9歳以下で、ウイルスはB型が半数以上と多いのが特徴。第7週の報告総数は19万1948人、定点当たりの平均は40.8人だった。(共同)

インフルエンザ、1週間で受診5187人 広島県

2005/03/03 中国新聞地域ニュース
 

<県内過去最多 今季計1万1722人>

 二月二十一〜二十七日の一週間に県内百二十の指定医療機関で受診したインフルエンザ患者数が五千百八十七人と、現行の調査を始めて以来最多になったことが二日、広島県の調べで分かった。

 県保健対策室によると、集中的な患者の増加によって、今季の累計は一万千七百二十二人に達した。一週間当たりの患者数としては、一九九九年に感染症法が改正されたのに伴い県が指定医療機関を現行規模に増やして以降、最多となった。

 この調査に基づく昨季のインフルエンザ患者数は累計で二万七百二十五人。発生のピークは二月上旬だった。

 急増の要因について、同室は「二月に入って寒暖の差が激しい日が続き、体調不良を起こしやすくなっている」などと推定。さらに流行が拡大する可能性があるとみて、外出時のマスク着用や帰宅時のうがいの励行などを呼び掛けている。

休日・夜間もインフルエンザ検査を

2005/02/26 中国新聞地域ニュース

 <舟入病院小児外来 患者の親、望む声>

 広島市立舟入病院(中区)の小児科外来が、休日や夜間はインフルエンザウイルスの感染の有無を調べる検査を実施していない。病院側は、患者の症状を診察すれば、ほぼ判断できるとしているものの、感染のシーズンとあって患者の親たちからは「きちんと検査してほしい」との要望が出ている。

 南区の女性(38)は日曜日の二十日、熱を出した四歳の二男を連れて訪れた。受付には「夜間・土・日・祝日はインフルエンザの検査を実施しておりません」との張り紙。診察だけで、インフルエンザと診断された。二日後、かかりつけ医で検査を受けた結果、やはりインフルエンザだったという。

 この女性は「早めに分かれば家族や周囲も注意し、感染が広がるのを防ぐことができるはず」と早期の検査を要望する。

 舟入病院によると、検査の所要時間は五分余りで、平日の昼間は実施している。しかし、二十日を例にとると、午前八時半〜午後六時を除く時間帯に小児科を訪れた患者二百六十五人に対し診察医は一〜二人体制と、休日の早朝・夜間は多忙を極めるのが実態だ。藤井肇院長(63)は「今のスタッフで全員の検査はできない」と話す。また、症状を診察すれば「検査しなくても、インフルエンザかどうかはほぼ診断できる」としている。

インフルエンザ脳症で子供6人突然死 大阪、14−15年

2005/02/24 The Sankei Shimbun 大阪夕刊から

 インフルエンザに感染した子供の一部に起きるインフルエンザ脳症の中に、意識障害などの神経症状が出る前に子供が突然死したケースが平成14−15年の冬に大阪府で6例あったことが厚生労働省研究班の調査で24日、分かった。

 研究班メンバーの塩見正司・大阪市立総合医療センター小児救急科部長によると、大阪府内で1−8歳の子供6人がインフルエンザ発症後すぐに寝ている間に突然死した。子供には事前に脳症をうかがわせるような異常はなく、うち3人を解剖すると脳が腫れていた。過去にも同様の死亡例が府内であったという。インフルエンザ脳症は、意識障害や臓器障害が起き、一部の解熱剤を使うと死亡率が上がることが知られている。

ワクチンでは死者減らず? 高齢者のインフルエンザ

2005/02/19 The Sankei Shimbun

 高齢者へのインフルエンザワクチン接種は、冬季の高齢者の死亡を減らすのには、あまり役立っていない−。米国立衛生研究所のチームが19日までに、過去30年以上の死亡率調査からこんな結論を導き出し、米医学誌、内科学アーカイブスの最新号に発表した。

 冬季の高齢者死亡のかなりの部分はインフルエンザが原因との説があり、米国や日本は高齢者のワクチン接種を積極的に進めている。それに冷や水を浴びせる結果だが、米疾病対策センターは「現段階ではワクチンが最善策」との声明を発表、ワクチン推進に変わりはないと強調した。

 研究チームによると、米国の65歳以上の高齢者に対するワクチン接種率は1973年は16%だったが、80年以降急上昇し、2001年には65%にまで増えた。しかし80年以降の冬季の高齢者の死亡率は減っておらず、肺炎などインフルエンザと関係が深い病気での死亡率に限っても、減少はみられなかった。

 また、毎冬の高齢者の全死亡に占めるインフルエンザ関連の死亡の割合を同研究者が統計ソフトで推計したところ、最大でも10%未満に過ぎず、インフルエンザ対策が死者数全体に与える影響は小さいことを示した。(共同)


避難所にワクチンの「出前接種」 インフルエンザ対策

2004/11/15 The Sankei Shimbun
 新潟県中越地震の被災者の間でインフルエンザが流行するのを防止するため、県内自治体と医師会が避難所に医師を派遣し、ワクチンの「出前接種」を実施している。

 15日現在で、約1万1000人が体育館などの避難所や車内で避難生活を送っているが、医療機関が損壊した被災地も多い。県は「いったんウイルスがまん延すれば、集団感染につながる恐れがある」として、被災者に早めに接種するよう呼び掛けている。

 全村民が避難した山古志村の村民に対しては10、11日の両日、長岡市医師会の医師が避難所を回って、790人に予防接種した。越路町でもこれまでに115人、長岡市では80人が接種を受けた。

 県はワクチン不足を懸念して、既に厚生労働省に緊急時用の備蓄ワクチン5万本を要請。またポスター500枚、チラシ3万枚を38市町村の避難所や医療機関に配布、早期接種を呼び掛けた。

 厚労省は、避難所での集団接種について、医師の交通費や65歳以上の高齢者のワクチン購入費を国と県が2分の1ずつ負担する方針を決定。県によると、個人負担は65歳以上が無料、65歳未満はワクチンの実費1000円程度となる。

日本、ワクチン開発支援へ 数億円規模とWHO会議

2004/11/13 The Sankei Shimbun
 世界保健機関(WHO)当局者は12日、新型インフルエンザのワクチン開発支援のため、日本政府が日本の製薬会社4社の臨床試験に来年以降、数億円規模の資金援助を行う方針を示したことを明らかにした。

 この方針は、WHOが日米欧など主要国の保健衛生当局者と製薬会社などを集め11−12日にジュネーブのWHO本部で開いたワクチン対策会議の席上で表明された。

 同当局者は「新型ワクチン開発の最大の障害は資金不足。現在、製薬会社の開発に資金を拠出しているのは米政府だけだ」と述べ、日本が臨床試験を支援する姿勢を示したことを高く評価。

 鳥インフルエンザが流行したアジアでは「今後2、3年のうちに新型インフルエンザが大流行する恐れが強まっている」と述べ、事前にワクチン開発を急ぐ必要性があると訴えた。

 会議には、欧米などの製薬会社11社の代表ら約50人が出席。新型インフルエンザに対応できるワクチンづくりに向け、各国政府と企業が国際的な協力態勢を構築することの重要性などを確認した。

 さらに、ワクチン開発への資金協力を各国政府に要請するとともに、ワクチン開発に関する各国の規制、研究開発上の協力などについての問題点を3つの作業部会で検討することを決めた。(共同)

ワクチン不足、米で大騒動 大統領選の争点にも

2004/10/18 The Sankei Shimbun
 インフルエンザが本格流行する冬を前に、米国でワクチンの供給が突然半分に減る深刻な品不足が発生し、少ないワクチンを求めて長時間並んだ高齢者1人が死亡したことが17日、明らかになった。

 接種を求める行列は全米に広がり、ワクチンの価格は約10倍に高騰、盗難事件まで発生するなど事態は深刻。大統領選の民主党候補ケリー上院議員の陣営は「ブッシュ大統領の医療失政の典型例」と攻撃しており、投票日が約2週間後に迫った選挙の争点にもなりかねない情勢だ。

 AP通信によると、死亡したのはカリフォルニア州北部のマリー・フランクリンさん(79)。今月13日、ワクチン接種を受けるために接種場所の屋外にできた数百人の行列に加わり、5時間以上順番を待っていたが、日陰に入ろうと列を離れた際に崩れるように倒れて頭を強打、翌日死亡した。同州では屋外で列をつくっていた別の高齢者数人も入院したという。

 通常は10回分で約80ドルのワクチンが800ドル程度に値上がりしたと伝えられ、コロラド州では小児科の診療所に保管してあった約600回分のワクチンが盗まれた。

 突然のワクチン不足は、米国の供給の約半分を担う製薬会社が今月5日、工場がある英国の衛生当局から業務停止処分を受けたのが発端。

 ブッシュ大統領は、13日の大統領選候補者によるテレビ討論で「健康な人や若い人は今年は接種を受けないでほしい。私も今年は受けない」と理解を求めたが、ケリー氏は大統領の対応のまずさを批判。同陣営はワクチン不足を取り上げたテレビ広告も制作し、さらに攻撃を強める姿勢だ。(共同)

インフルエンザワクチン、広島県が在庫調整

2004/10/16 中国新聞地域ニュース
 インフルエンザワクチンが昨季、全国的に不足したのを受け広島県は、医療機関や市町村と協力し、独自のワクチンの需給調整に乗り出した。来年二月まで医療機関のワクチンの在庫を月二回調査し、地区医師会ごとに調整。需要に応じた迅速な分配を目指す。

 調整に当たるのは、県が広島、福山、呉市と県医師会、県ワクチン協会などと設置した「県インフルエンザワクチン需給調整連絡会」。ワクチンの年間予約本数が二百本以上の医療機関約六百三十カ所を対象に月二回、在庫本数▽融通可能本数▽不足本数―などを調べる。卸売業者からも在庫などの報告を受ける。

 県は、調査結果を県医師会などに公表。医療機関にワクチンの不足が生じている場合、県内二十二の地区医師会が仲介しワクチンを融通し合う。調整してもなお全体量が足りない場合は、県が国に追加を要請する。

 昨季は、新型肺炎(SARS)への不安などから接種の希望者が増え、中国地方五県を含む三十七都道府県が、国にワクチン不足を報告した。広島県では、少なくとも約四万七千人分が不足した半面、約千八百人分は医療機関から返品された偏在が明らかになった。これを受け県は、独自の在庫調整を決めた。

 一方、山口、岡山県は「状況に応じて実施したい」とし、島根、鳥取県はいずれも月一回程度は行う方針。四県より医療機関が多い広島県のような対策は講じていない。

 国は今季のワクチン製造量を昨季の使用量より四割多い四千万人分とし、需要の超過に備え二百万人分をストック。今のところワクチン量が不足する状況にはないが、広島県や島根県は早期接種を呼び掛けている。

インフルエンザワクチン、昨冬は効果薄 新タイプ流行で

2004/10/11 asahi.com
 昨冬に使われたインフルエンザワクチンの効きめは、前の2シーズンに比べてかなり悪かった――。全国の内科医でつくる日本臨床内科医会(事務局・東京)が01年から実施しているワクチン接種者の追跡調査でこんな結果が出た。流行の中心が新しいタイプの変異株ウイルスだったため、予防接種をしても効果が薄かったらしい。札幌市で開かれた日本ワクチン学会で10日、発表された。

 27都府県の46医療機関で、あらかじめ登録したワクチン接種者約1万2800人と非接種者約3200人を対象に、今年1〜4月にかけてインフルエンザにかかったかどうかを調べた。

 インフルエンザの診断キットで陽性と判定された290人のうち、ワクチン接種者は213人、非接種者は77人。この結果をもとに、ワクチンがどれだけ効いたかを示す有効率を計算すると、大人(15〜64歳)で40.3%、子ども(15歳未満)で44.2%だった。

 有効率は、3年前の冬が大人73.9%、子ども74.6%、2年前の冬は大人75.0%、子ども58.8%だったので、昨冬は大きく下がっていた。

 調査結果をまとめた臨床内科医会の河合直樹医師(岐阜市)は「ワクチンに使ったウイルスと実際に流行したウイルスが一致していなかった可能性がある。昨年は流行規模が大きくなかったのが幸いした」と話す。

 インフルエンザの流行はここ数年A香港型が主流だが、同じA香港型でも突然変異で少し変化したウイルス株が次々と現れている。

 国立感染症研究所などによると、02年ごろに、それまで見られなかった変異型のウイルス株が世界的に流行し始め、日本で昨冬に患者から取れたウイルスも、ほとんどがこの変異型だった。今冬のワクチンは、この変異型のウイルスをもとに作られているという。

スペイン風邪:病原性の強さはウイルス表面の突起に起因

2004年10月07日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE
 1918〜19年に世界中で流行し、約2000万人が死亡したインフルエンザ「スペイン風邪」が猛威をふるった原因は、ウイルス表面の突起状のたんぱく質が関係しているとみられることが東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)らの研究で分かった。このたんぱく質は変異せずに自然界のウイルスに現在もある可能性があり、河岡教授は「新型ウイルスの出現に備えて監視態勢を強める必要がある」と指摘している。7日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。

 スペイン風邪のウイルスの遺伝子の塩基配列は、当時の患者の組織から分かっている。研究グループはこれを元にカナダの施設で、インフルエンザウイルスの表面にあって細胞に侵入する役割を持つ突起状のたんぱく質のHA(ヘマグルチニン)を再現した。

 このHAを現在流行しているインフルエンザウイルスのHAと入れ替えたウイルスを作り、マウスで病原性を確かめたところ、肺全体に感染して炎症反応と出血を引き起こした。これは当時の患者に見られた特徴的な症状と同じで、スペイン風邪ウイルスの病原性の強さはHAに関係することが確かめられたという。

 スペイン風邪のウイルスは、鳥インフルエンザ由来で人に感染したことが分かっている。今後、自然界のウイルスが変異して再び人から人へ大流行する危険性もある。河岡教授は「スペイン風邪のHAの構造をさらに詳細に解析し、強い毒性を持っていた理由を解明し、予防策に役立てたい」と話している。【江口一】

インフルエンザワクチンの予約、すでに昨年比2割強

2004/09/07 読売新聞 Yomiuri On-Line
 インフルエンザの流行シーズンを前に、厚生労働省が地域ごとのワクチン予約状況をメーカーなどを通じて調査したところ、国内全体の予約本数は約1800万本で、昨年の使用実績(約1460万本)をすでに2割以上も上回っていることが、7日分かった。

 厚労省では同日開かれた都道府県の担当者会議で、地域内の医療機関のワクチン保有状況を把握し、不足分を融通し合う態勢づくりを改めて呼びかけた。

 予約の伸びが目立つのは東京都(昨年使用実績比39・4%増)、栃木県(同38・7%増)、大阪府(同35・4%増)などで、9都府県で予約本数が昨年の使用実績を3割以上上回った。

 昨年は新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)への不安などから需要が急増し、シーズン初期にワクチンを入手できない医療機関が相次いだことが、今年の予約増につながったと見られる。

 今シーズンの供給可能量は、昨年比41%増の2061万本。製造が順調にいけば、今月中に出荷が始まる見込みで、予約分には対応できそうだ。

 厚労省は、一部の医療機関へのワクチン集中を防ぐため、業者に対し、予約分を何回かに分けて納入するよう呼びかけている。また、100万本をメーカーに保管し、不足する地域が出た場合は融通する方針。

新型インフルエンザ対策、治療薬1千万人分を国家備蓄

2004/08/31 読売新聞 Yomiuri On-Line
 感染力が強く、1度流行すると最大で約2500万人の患者が発生すると試算されている新型インフルエンザ対策として、厚生労働省は31日、治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)を、来年から5年間で約1000万人分、国家備蓄する方針を明らかにした。

 今年の鳥インフルエンザ流行を踏まえ、「緊急事態に備える必要がある」と判断した。

 新型インフルエンザは、通常のインフルエンザと鳥インフルエンザのウイルスが豚の体内などで混じり、強い感染力を持った新型のウイルスに変異して発生。タミフルは、症状が出てから48時間以内に服用すると効果があるとされ、国内には昨シーズンに約1500万人分が輸入された。

 厚労省では、今後も年間約1500万人分が製薬会社によって調達されると仮定。約2500万人の患者に対応するため、残りの約1000万人分について、タミフルの使用期限(5年間)に合わせて5年計画で備蓄するという。備蓄費用として、同省は来年度予算の概算要求に約4億3000万円を盛り込んだ。

 

インフルエンザ薬「タミフル」、2割の子に耐性ウイルス

2004/08/27 asahi.com
 人に強い感染力を持つ「新型インフルエンザ」の出現に備え厚生労働省が備蓄の準備を進める抗ウイルス薬のオセルタミビル(商品名タミフル)について、この薬を使った子どもの2割で薬の効かない耐性ウイルスが見つかった。東京大学医科学研究所やけいゆう病院(横浜市)などのグループが28日発行の英医学誌ランセットに結果を発表する。

 02〜03年、発熱などで同病院を含む神奈川県内の4病院を受診し、検査キットでインフルエンザと診断された0〜13歳の50人を対象に調べた。タミフルを飲む前と後とで、のどや鼻の粘膜から採取したウイルスを見たところ、18%に当たる9人から遺伝子の変異が見つかり、タミフルが効きにくくなっていることが実験で確認された。

 9人は2〜7日で熱が下がったが、その後も体内にウイルスが長くとどまっている傾向が強かったという。治療期間に体内で耐性ウイルスが生まれたとみられる。この耐性ウイルスが人から人へ感染すれば、タミフルが効かない恐れがある。

 耐性ウイルスができる割合はこれまで大人で0.4〜1%、子どもで4%程度とされ、鳥インフルエンザの流行などで出現が心配される新型インフルエンザに対してもタミフルは効果があるとされる。

 分析をした東大医科研の河岡義裕教授は「新型インフルエンザに対しては、だれもが免疫がなく、耐性ウイルスができやすいといえる。タミフルの使用に際しては、耐性ウイルスの監視が重要だ」と話している。

 論文は4月に日本感染症学会で報告したデータなどをもとにまとめた。

特効薬タミフル、1千万人分備蓄へ インフルエンザ対策

2004/08/21 asahi.com
 国内で流行すると4人に1人が感染し最悪で約17万人が死亡するとの試算もある新型インフルエンザ対策として、厚生労働省は、「特効薬」とされるオセルタミビル(商品名・タミフル)を国と都道府県で計1千万人分を国家備蓄する方針を固めた。製薬会社の調達分と合わせ、5年後には2500万人分を確保する。薬品の国家備蓄は例が少なく、同省は消極的だったが、鳥インフルエンザの発生などで緊急性があると判断した。

 同省は昨秋から、10〜40年周期で出現する新型インフルエンザウイルス対策を、専門家による小委員会を設けて検討してきた。同委員会は、日本で流行した場合、最大約3200万人の感染者が出て、約2500万人が受診、何も処置をしなかった場合約17万人が死亡すると試算した。

 このため、この薬を毎年200万人分ずつ積み増して5年後に1000万人分を備蓄する。使用期限が5年間のため、その後新しい薬と交換していく。国と都道府県の備蓄割合や量は、人口に応じて決める。国は国立の医療機関で、都道府県では、感染症患者を受け入れる拠点病院になる見込み。

 02年から03年にかけてのシーズンでは、インフルエンザの流行でタミフルが不足、病院などで混乱が起きた。昨シーズンは同省の要望で約1500万人分が輸入されたが、現在、約700万人分が余っているという。

 同薬は、スイスのロシュ社が製造、販売。日本では、01年2月に発売され、今年7月には、条件付きで予防薬の承認もされた。症状が出てから、48時間以内に飲むと効果があるとされる。輸入販売する中外製薬は今シーズン前には、昨シーズンと同規模の量を確保したいとしている。

 同省などによると、01年9月、アメリカで発生した同時多発テロ事件を受け、生物化学兵器対策で天然痘ワクチンを備蓄したことがあるが、近年、大量の国家備蓄は例がないという。海外ではオーストラリアなども同様の方針を示しているという。

インフルエンザのワクチン、約36万人分が使われず

2004/05/14 読売新聞 Yomiuri On-Line
 昨年末から今年初めにかけ、使われなかったインフルエンザワクチンが、18万2000本(大人約36万人分)にのぼることが、厚生労働省の調査で明らかになった。

 その一方、65歳以上高齢者の少なくとも2万9000人が、接種を希望したのに受けられなかった可能性があるという。

 卸売業者や各自治体を通じて調べた。それによると、冬期のワクチン供給量は、前年より4割増の約1480万本だったが、卸段階での未出荷分を含め計18万2000本が未使用のまま。うち13万7000本が医療機関からの返品だった。100本以上の返品があった医療機関は416施設にのぼり、1施設で900本以上を返品していた例もあった。

 昨年暮れは新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)感染の懸念から、ワクチン接種希望者が増加し、品薄となった。一部の医療機関が買いだめしたが、インフルエンザ流行のピークが過ぎた今年1月下旬以降、在庫を抱えた医療機関から卸業者に返品が相次いだ。厚労省は商慣習の改善やワクチン融通の体制づくりなどを検討するとしている。

インフルエンザ薬「タミフル」、乳児使用禁止呼びかけ

2004/01/11 読売新聞 Yomiuri On-Line
 インフルエンザ治療薬の「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル)について、製造販売元のロシュ社(スイス)が、1歳未満の乳児への使用禁止を呼びかけていることが10日、分かった。

 添付文書の改訂作業も進めているという。

 同社によると、ラットに大量投与した実験で、若いラットが死に、脳から高濃度の薬剤成分が検出された。脳への異物の侵入を防ぐ機能が未発達なためとみられ、人間の乳児にも危険性があるという。

 タミフルは、国内では中外製薬(東京)が輸入・製造して販売。現在も、医師向けの添付文書に「1歳未満に対する安全性は確立していない」と記されている。

今冬、推計3000万人が接種 インフルエンザワクチン

2004年01月10日 The Sankei Shimbun
 新型肺炎(SARS)への不安と「在庫不足」騒ぎの影響で今冬、インフルエンザワクチンの接種が過熱し、昨シーズンより4割も多い製造分をほぼ使い切り、国民の4人に1人の3000万人が接種したとみられることが10日までに、厚生労働省の推計で分かった。

 同省が予防接種を勧奨しているのは65歳以上で、子供は対象外。比較的安全とはいえ副作用もあるのに、報告・救済窓口は世代でばらばら。市民団体からは「異常な接種ブームが先走り、副作用の情報収集と救済制度の周知が足りない」と批判の声も出ている。

 「同居している90代の母親にうつしたら大変と医師に接種を勧められた。副作用の説明はありませんでした」。東京都世田谷区の女性(57)は昨年11月、接種当日の夜に呼吸困難になり、救急車で病院に運ばれた。

 区が母親に送付した予診票には「副作用が出た時の相談先」が記載されていたが、自分に説明は一切なかった。症状は一晩で治まったが、入院費1万円を払い「救済窓口はどこか知らない」と言う。

 65歳以上の場合、市区町村が接種を勧めると同時に副作用情報収集や救済の窓口になる。全国の情報は厚労省結核感染症課に集約され、年1回公表される仕組みだ。

 ほかの年代は接種効果に議論があり、判断は個人に任されている。厚労省血液対策課によると、今冬の接種者のうち65歳以上は800万人程度で、残りは対象外の年代とみられるという。

 対象外年代の場合、副作用は薬事法に基づき、医師や製薬会社が厚労省安全対策課に報告する。救済は医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(東京)に申し立てるが知名度はいまひとつ。

 市民団体「ワクチントーク全国」と「日本消費者連盟」は昨年12月、任意で接種した人の副作用被害の情報収集と救済窓口の周知などを厚労省に申し入れた。

 ワクチントーク全国元代表の小児科医毛利子来さんは「この冬の厚労省の予防キャンペーンで全国民が接種しようという雰囲気になり、熱のある子供まで接種させようとする親がいた。とても危険だ」と懸念する。

 国立感染症研究所感染症情報センターの谷口清洲第一室長は「予防接種後の健康被害を集めて専門家がワクチンの副作用を科学的に判断し、国民に知らせるシステムが必要」と話している。

 <インフルエンザ予防接種>  小中学生らを対象に集団接種していたが、有効性に疑問が出た上、副作用も問題化し、1994年の予防接種法改正で任意接種となった。この年、ワクチン製造量は30万本に低下。しかし高齢者施設で集団感染が相次ぎ、重症化を防ぐ効果が見直され2001年の法改正で65歳以上は一部公費助成する「勧奨接種」となった。製造量は上昇し、03年度は集団接種時代の87年にほぼ匹敵する1480万本に増えた。1本で成人2人、子供なら4人程度に接種できる。副作用はほかのワクチンより少ないとされるが、発熱やじんましん、ショック症状などが報告され、死亡例もある。

インフルエンザが本格流行へ 昨冬より2週間遅く

2004年01月09日 The Sankei Shimbun
 厚生労働省は9日、医療施設1カ所当たりのインフルエンザ患者数が、流行の目安となる数を超え、今冬も流行期に入ったと発表した。例年並みで、昨冬よりは2週間ほど遅くなっている。

 インフルエンザは、せきやくしゃみなどの飛沫(ひまつ)とともに放出されたウイルスを吸入することで感染する。同省は人込みは避けるとともに、マスク着用やうがい、手洗いの励行を呼び掛けている。

 症状が似た新型肺炎(SARS)の流行と重なる恐れもあることから、同省は受診の際、医師や他の患者に不安を与えぬよう必ずマスクを着用するよう求めている。

 同省が定点観測している全国約5000の医療施設からの報告によると、昨年12月22日から28日の1週間で1施設当たり1・79人の患者が発生。流行の目安となる1人を超えた。

 また、同21日から今年1月3日の間に全国の幼稚園や小中学校計12校が学校閉鎖や学級閉鎖をしている。

今シーズン初のインフルエンザ注意報、山形県に発令

2003年12月17日 The Sankei Shimbun
 国立感染症研究所感染症情報センターが17日発表した「インフルエンザ予報」によると、今シーズン初の注意報が山形県に発令された。全国的に報告患者数が着実に増えており、本格的な流行が近づきつつある。

 同センターによると、全国の定点観測地点に入った11月最終週の患者報告数は302人だったが、翌週の今月第1週は36都道府県で計71人に倍増。インフルエンザによるとみられる学級閉鎖も全国で14校が報告されている。

 予報は全国5000の医療機関から地元保健所に報告されるインフルエンザの患者数を基に、専門家が保健所ごとに「注意報」「警報」を判断する。

 注意報は「これから4週間以内に大流行が発生、または継続の可能性がある」、警報は「大流行が発生、まだまだ続きそう」を意味している。各都道府県ごとに一つでも注意報や警報が出た保健所があれば、地図上ではその都道府県に注意報や警報が表示される仕組み。

インフルエンザ、米経済回復に悪影響も 大流行の兆し

2003年12月13日 Asahi.com
 米就職調査会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは12日、この冬に米国で大流行の兆しがあるインフルエンザが景気回復に悪影響を及ぼしかねない、とする報告を発表した。企業がコスト削減のために雇用を絞り込んだ結果、「わずかな病欠で業務が停滞し、雇用不安から従業員は病欠をしにくくなっている」としており、それがさらなる感染と、労働生産性の低下を招くと指摘している。

 調査対象の44%の会社が「病欠を取りにくい」状況を指摘。総労働時間に占める予定外の欠勤の比率は1.9%と、13年ぶりの低さだという。

 一方で、インターネットの普及に伴い、一部の企業ではホームオフィスなど遠隔勤務が増え、社内での感染拡大を防ぐ効果が出ているという。

米でインフルエンザ流行、全50州に拡大

2003/12/13 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ワシントン=笹沢教一】米保健当局は12日、インフルエンザの流行地域が全米50州に拡大したことを明らかにした。

 米疾病対策センターの11日までの集計によると、すべての州でインフルエンザ患者が確認された。広域感染が発生している州は24州に達し、1週間前の倍。政府は、ワクチン不足に対応するため、大人25万人分に相当する量のワクチンを製薬会社から購入、患者数に応じた量を各州の医療機関に分配する。

 米国では先月からコロラド州などでインフルエンザの流行による乳幼児の死亡が相次ぎ、ワクチンの在庫がなくなる事態に発展している。

インフルエンザ 予防接種料に格差

2003/12/11 中国新聞地域ニュース
 <広島県内 1000―5000円>

 インフルエンザ予防接種の料金が、医療機関によってばらつきがある。新型肺炎(SARS)の流行を懸念して行政や医師会などが接種を広く呼び掛けているが、希望者の間で「同じ注射なのに不公平」との不満がくすぶり始めた。

 広島県医師会が把握している範囲では、同県内の医療機関で予防接種を受けると、支払う料金が最高五千円から最低千円まで四千円の開きがある。

 インフルエンザに限らず、予防接種は体の異常を前提とする「保険医療」の対象にはならず、医療機関がそれぞれ料金を決める「自由診療」に当たる。医師会などで料金を統一しようとすれば、独占禁止法違反になる、という。

 市町村は独自に、六十五歳以上の高齢者などの料金を助成しているが、その基準額もばらばら。公費助成と本人負担を合わせ、県内七十九市町村で最も安い蒲刈町の二千円に対し、最高の坂町は二倍以上の四千七百六十円に設定している。

 基準額は、千円前後のワクチン代と健康保険法に基づく初診料(病院二千五百円、診療所二千七百円)を踏まえて設けているケースが多いが、本人負担額も無料から二千円と、市町村によって開きがある。

 ただ、予防接種の効果に違いはない。SARS対策で予防接種の徹底を強調する医師会や行政の窓口には「なぜ料金が違うのか」「どこが安いのか」との問い合わせもあるという。

 県医師会地域医療課は「予防接種も医療行為であり、医療機関が、注射をすることのリスク負担とサービスのどちらを重視するかで差が出てくるのは仕方がない」とみる。

 県小児科医会の桑原正彦会長は「合併症や副反応の危険を理解した上で、どこで受けるか選択してほしい。基本的には体の状態をよく知るかかりつけ医に頼むのが一番」と話している。

インフルエンザ予防ワクチン 広島・鳥取で不足深刻

2003/12/11 中国新聞地域ニュース
 中国地方五県で、インフルエンザ予防接種のワクチン不足が、深刻化し始めた。県内の大規模な百五病院を調査した広島県では、85・7%の九十病院が新規接種を断っている実態が判明。鳥取県は、半数弱の百六十八病院・診療所でワクチンが不足し、国に他県から融通してもらう仲介を要望している。山口、岡山、島根県でも一部の医療機関で不足が生じ、調査などを検討している。

 広島県は、県内の全二百六十五病院のうち規模の大きい百五病院を対象に調査した。薬務室によると十日現在、予約を除く新規の予防接種希望者に対応できるワクチンがあるのは十五病院。新規分のワクチンは十一月末時点では成人約五千三百人分の在庫があったが、今は半分から三分の一に減っているという。

 県民から県への「どこの医療機関で予防接種できるか」という問い合わせや苦情は計約百件に上っている。同室は「当初の予測を超える接種があり、不足する可能性が強い」として、県医師会などを通じて二千六百六十の診療所も含めた在庫量調整に乗り出す方針だ。

 鳥取県は、県内の全四十六病院・三百十八診療所に在庫量と不足量を調査。四日現在で、十三病院・百五十五診療所で約八千百人分のワクチン不足が判明した。

 五病院・十六診療所の余剰量五百人分を差し引いた約七千六百人分を、他の都道府県から譲り受けられるよう国に要請。現時点で確保の見通しが立ったのは、約四千人分にとどまっている。

 一方、山口、岡山、島根県はまだ、不足量を把握していない。島根県は十二日までに全病院・診療所を対象にした調査を予定。岡山、山口県も県医師会や卸売業者と連携して、在庫量調整を進める方針でいる。

インフルエンザ:ワクチンを融通へ 32都府県が不足 厚労省

2003年12月09日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 今シーズンにインフルエンザワクチンが入手できない医療機関を抱えている都府県が32に上っていることが、厚生労働省の調べで分かった。同省は9日、ワクチンの在庫に余裕がある県などに対し、ほかの自治体へ融通するよう協力要請した。

 同省の調べでは、今シーズンのワクチンの出荷可能本数は昨シーズンの4割増の1480万8787本。このうち98%は医療機関に納入済みといい、同省血液対策課は「全体の量は不足しているとは言えず、ワクチン購入量が多い医療機関にはまだ在庫があるはず」とみている。【須山勉】

インフルエンザ ワクチン一部不足も

2003/12/03 中国新聞地域ニュース
 インフルエンザワクチンの供給量が、中国地方五県で例年以上のペースで増えている。今春、中国などで猛威を振るった新型肺炎(SARS)の再流行の懸念から、症状が似たインフルエンザの予防接種のニーズが高まっているためだ。一部医療機関ではワクチン不足も生じ、広島、岡山、鳥取県は二日、医療機関の在庫量調査に乗り出した。

 十一月末までのワクチンの供給量は、広島県が四十万本、山口県は二十一万本で、ともに既に昨季の一・三倍となっている。岡山県は二十万四千本▽島根県は八万七千本▽鳥取県は九万七千本―で、この三県は昨季の供給量を未把握だが各県とも「例年を上回るペース」との見方を示す。

 広島、島根県は、医療機関から「ワクチンが足りないが何とかならないか」との相談を受けた。鳥取県は同じ相談に加えて県民から「病院で予防接種を断られた」との苦情が寄せられている。三県とも「病院間でワクチンの在庫を融通し合うなど調整をすれば、希望者は接種が受けられるはず」などとして、他の医療機関との入手交渉・接種を促している。

 広島県薬務室は「ワクチンは総量では不足しておらず、接種の大幅な増加を見込んで多数の在庫を抱える医療機関もある」とみて二日、実態調査を始めた。県内で大規模な約五十病院に対し、在庫量の報告と余剰在庫の迅速な返品を要請した。

 岡山、鳥取県も県内の全病院を対象に在庫量確認を始めた。鳥取県は、結果を関係者に情報提供し、病院間での調整を呼び掛ける方針。山口、島根県も医薬品卸売業者から情報を収集して、不足が判明すれば調整に乗り出す。

1回1千円〜5千円、インフルエンザ予防接種料に格差

2003/11/16 asahi.com
 インフルエンザの流行期を控え、医療機関ごとに設定された予防接種料金の大きな格差について、接種希望者から疑問の声が上がっている。料金は1000円から5000円程度まで、約5倍の開きがある。この冬は新型肺炎SARSとの同時流行が懸念され、予防接種の急増が予想される。「料金の根拠を説明すべきだ」との指摘もある。

 4歳と1歳の子どもがいるさいたま市の主婦松田理奈さん(35)は、家族で接種を受けようと思い、近所の複数の診療所に問い合わせると、どこも1人1回5000円と言われた。子どもは2回接種なので、夫を含めた4人で計3万円になる。しかし、隣の市では1回1500円のところがあると聞いた。「なぜこんなに差があるの?」と話す。

 インフルエンザの予防接種費用は、65歳以上の高齢者らを除いて全額自己負担だ。医療保険がきかず、医療機関がそれぞれ料金を決めている。

 多くの医療機関が、保険診療の計算法を参考にして接種料金を出している。ワクチンの仕入れ値は1本1000円から1800円程度で、これに初診料(病院2500円、診療所2700円)相当分などを加えると、4000円前後になる。6歳未満には720円の乳幼児加算の相当額が上乗せされる。

 これらを加算しない医療機関もある。ワクチン1本(1ミリリットル)は13歳以上なら2人に、12歳までなら3〜5人に分けられるので、効率化で値段を下げられる。

 水戸市の水戸協同病院は今年、「経済的負担を軽くしたい」と15歳までには1回1000円で実施。集中的に接種をし、ワクチンの無駄をなくしている。16歳以上は3000円。今期の3000人分はすでに予約で埋まった。

 市民団体「医療消費者ネットワークMECON」代表世話人の清水とよ子さんは「5倍の差は大きすぎる。接種前の診察を十分にするなど、料金だけで決められない面もある。希望者は納得したうえで受けた方がいい」と話している。

フィルターでウイルス退治 エアコンなどで実用目指す

2003年10月23日 The Sankei Shimbun
 エアコンなどに用いるフィルターにインフルエンザウイルスの抗体を含ませ、ウイルスを退治することに並木秀男早稲田大教授と国立感染症研究所、ダイキン環境研究所などのグループが成功し、23日発表した。

 インフルエンザの感染拡大を防止するフィルターとして、実用化したいとしている。

 研究グループによると、現在、エアコンなどに使われているフィルターはウイルスを吸着するが、再び飛散する恐れがある。そこで、ウイルスを不活性化する抗体をフィルターに含ませる方法を考案した。

 グループは鶏に不活化したインフルエンザウイルスを接種し、抗体を含む卵を産ませた。卵から取り出した抗体を精製して粉末にし、フィルター全体に行き渡るように加工した。

 効果を調べるため、ウイルスを含む空気をフィルターに吹き付け、10分後にウイルスがどの程度残っているか測定した。その結果、抗体を使ったフィルターは、抗体がないフィルターに比べウイルスの量が1万分の1になり、高い効果を確認できたという。

インフルエンザ:今季の患者数49万人余 過去5番目 厚労省

2003年07月09日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 今シーズンに全国の幼稚園や小中学校などから報告されたインフルエンザ患者数は49万3722人で、過去10シーズン中5番目と平均的な流行に終わったことが、厚生労働省の調べで分かった。来シーズンは新型肺炎「重症急性呼吸器症候群(SARS)」の同時流行も予想されることから、同省はワクチンの生産量を前年度実績より4割増産するなど、対策を強化する方針だ。

 同省が全国の幼稚園や小中学校などを対象に実施しているインフルエンザ様疾患発生報告によると、今シーズン(昨年11月10日〜今年5月10日)の患者数は昨シーズンより14万8638人増えたが、過去10シーズンで最多だった98年(127万5192人)の4割程度にとどまった。

 また、インフルエンザの影響による休校が473、学年閉鎖が3493、学級閉鎖が9737だった。患者が多く報告された都道府県は(1)東京都(11万3700人)(2)大阪府(5万7953人)(3)北海道(4万8950人)(4)埼玉県(4万3400人)(5)滋賀県(1万9010人)――の順だった。

 同省結核感染症課は「シーズン当初は報告数が多かったが、大流行には至らなかった。来シーズンはSARSと同時流行した場合、医療現場での混乱も予想される」と見ており、インフルエンザ対策として(1)ワクチンの増産(2)治療薬・検査キットの確保(3)高齢者施設などでの予防策強化――などを推進する方針だ。【須山勉】

インフルエンザ:ワクチン 今冬は4割増産へ

2003年06月24日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 厚生労働省のインフルエンザワクチン需要検討会(座長、神谷斉・国立三重病院長)は24日、今冬のワクチン生産量を前年度実績より4割増産することを決めた。SARSと同時流行する場合や国民の感染症への関心の高まりに備え「多めに用意し、接種を呼びかけることにした」(厚労省)という。

 検討会が予測した今冬のワクチン需要は1244万〜1400万本(1本=1ミリリットル)。国内メーカー4社は合計1445万本(大人2900万人分)を生産する予定で、昨年度の使用実績(1040万本)より39%増産となる。【元村有希子】

インフルエンザ猛威、患者数去年の10倍

2003年01月31日 Yomiuri On-Line
 全国で猛威を振るっているインフルエンザが原因で、1月25日までの1週間に休校や学級閉鎖となった学校は全国で2494校に上り、累計としては前週と比べて約3倍の3667校に達したことが、厚生労働省のまとめでわかった。

 厚労省が全国の幼稚園や小中学校などを対象に調べている、インフルエンザの疑いのある患者発生報告によると、25日までの患者数は約12万9000人。1週間で約8万9000人増えた。これは昨年同期に比べ約10倍。同省によると、今年のインフルエンザは流行が早いという。

 全国5000の医療機関を対象とした定点観測でも、今月13―19日の1医療機関当たりの報告患者数は、前週より約10人増えて29・15人。これは、過去10年の同じ時期と比べ、4番目に多いという。

学級閉鎖、1800校に

2003年01月31日 The Sankei Shimbun
 インフルエンザの流行で学級閉鎖された全国の幼稚園や小中学校数が、1月19日から25日までの1週間で、前週の4倍近い1842校と急増していることが31日、厚生労働省のインフルエンザ様疾患発生報告で分かった。

 これに伴い学級閉鎖しているクラスの患者数も、約1万8700人から約8万9200人と急増。今シーズンの累計患者数は約12万8700人となった。

今冬の流行は小規模 インフルエンザ

2002/04/13(共同通信社)中国新聞社
 終息に向かっている今冬のインフルエンザの流行は、過去10年で3番目に小さい規模とみられることが12日、国立感染症研究所のまとめで分かった。

 同研究所が実施している全国約5000病院の患者数の集計によると、今シーズンの患者発生のピークは2月18日から24日の1週間で、1病院当たりの患者数は19・5人。

これはピーク時の患者数が過去10年で最も少なかった1993−94年のシーズン、昨シーズンに次いで低いレベルだった。

 原因となったインフルエンザウイルスは昨年同様、Aソ連型とA香港型、B型の混合流行。

お年寄りは特に注意 インフレンザ予報

by 共同通信社
 今シーズンのインフルエンザウイルスはA香港型と同ソ連型、B型の三種類が検出されており、A型の二つがやや優勢。それらがスポット的に出て広がっているという。
お年寄りは特に注意 インフルエンザ流行期にby 共同通信社

高齢者に奨励 改正案決定/インフルエンザ予防接種

2001.02.20 The Sankei Shimbun
 政府は二十日の閣議で、高齢者へのインフルエンザの予防接種を奨励する予防接種法改正案を決定した。今国会での成立を目指し、十月一日から施行の予定。

 改正案は、市町村が行う予防接種の対象に新たにインフルエンザを追加し、高齢者には一部公費で接種できるようにする内容。

インフルエンザ猛威 Aソ連型新たに検出 今月急増 初の注意報発令

(2002/02/09)山陽新聞社
 発熱やせきを伴うインフルエンザが猛威を振るい始めた。今冬の集団風邪患者のうち約七割が今月に入って発症、初の注意報も発令された。ウイルスは「B型」に加え、新たに「Aソ連型」を検出。岡山県保健福祉部は「寒暖の差が大きく今後も流行が心配される」とし、うがいや手洗いの徹底を呼び掛けている。 (全文)


インフルエンザ この冬なぜか静か

2001.01.29 The Sankei Shimbun
例年今ごろピーク 北半球で流行の兆しなし、厚生労働省は「なお警戒」

 今冬のインフルエンザは異常におとなしい。例年なら一月下旬から二月上旬にかけて流行がピークを迎えるが、今シーズンの患者発生は「流行が始まった」と判断するラインの半分にも達していない。この傾向は欧米など北半球に共通、このまま推移すれば、今冬はかなり特殊なシーズンになりそうだ。

 ワクチンの増産、相次ぐ新薬の承認など、インフルエンザ対策を強化している厚生労働省も取りあえず胸をなでおろしているが、「今後、極めて短期間に爆発的流行が起きたり、少し遅れてB型が流行する可能性もあるので、気を抜かないでほしい」と呼び掛けている。

 例年、インフルエンザが流行するのは十一月から三月ごろ。正月休み明けの一月上旬から患者発生が急増し、学校、学級閉鎖や老人施設などでの集団感染が相次ぐようになる。過去五シーズンはいずれも一月下旬から二月上旬がピークだった。

 今冬も、患者数は昨年十二月中ごろ増え始め、同月二十日、厚生労働省は都道府県に「流行期に入った」との見解を通知した。しかし、全国約五千病院の平均患者数は、今月八日から十四日までの集計分で一病院当たり〇・四一人と、本格的な流行開始の判断の目安となる一・〇人を大きく下回っている。

 保育所や小・中学校での欠席者数も昨年の四十分の一以下だ。

 こうした傾向は欧米でもほぼ同じ。米疾病対策センターのまとめでは、一月中旬現在で大きな流行が起きているのは二つの州だけ。欧州十四カ国による監視ネットワークへの報告でも、フランス北部と英国のスコットランド地方で地域的な流行があるが、多くの国では「散発的流行」や「流行なし」のレベルにとどまっている。

インフルエンザ新薬発売、ただし保険は使えず (2000.12.08) asahi.com
 インフルエンザの新しい治療薬「ザナミビル(商品名リレンザ)」が8日、発売された。外資系の製薬会社グラクソ・ウエルカム(本社・東京)が輸入する。昨年暮れ、ワクチン不足などが問題となる中で優先審査を受け、厚生省から承認された。医師の診断に基づいて処方されるが、医療保険はまだ適用されず、患者の自己負担になる。

 インフルエンザの治療薬はこれまでアマンタジンだけだった。ただ、B型には効かず、吐き気や幻覚などの副作用があった。A型でも効かないウイルスが増えていた。

 ザナミビルは新しい仕組みの治療薬で、A型とB型の両方に効くという。副作用が少なく、耐性ウイルスもほとんど出ていない。

インフルエンザ脳炎・脳症の治療指針を3000病院に (2000.12.01) asahi.com
 インフルエンザにかかって脳炎・脳症になった際の治療ガイドラインを、専門医や研究者でつくる「インフルエンザ脳炎・脳症治療研究会」(代表=森島恒雄・名古屋大教授)がまとめた。確立された治療法はまだないが、内外の論文などを分析、有効とみられる治療法を症状別に示した試案。本格的なインフルエンザシーズンを前に、来週から全国の3000以上の病院に配り、参考にしてもらう。

インフルエンザ脳炎・脳症悪化にボルタレンが影響 (2000.11.15) asahi.com
 けいれんや意識障害を起こして急激に症状が悪化し、高い割合で死亡にいたるインフルエンザ脳炎・脳症と、治療に使われた解熱剤の関係について調査していた厚生省の研究班(班長=森島恒雄・名古屋大教授)は15日、非ステロイド系消炎剤のジクロフェナクナトリウム(商品名・ボルタレンなど)の投与者に死亡率が高く、症状の重症化に影響している可能性があるとの調査結果をまとめた。

これを受けて厚生省は同日、インフルエンザ脳炎・脳症患者への治療には同剤を使わないよう医療機関などに指導することを決めた。同じ非ステロイド系消炎剤のメフェナム酸(商品名ポンタールなど)については「今回調査で悪化の傾向はなかったが、(悪影響が)否定されたわけではない」として、今後も調査を続ける。同研究班から情報提供を受けた日本小児科学会は同日までに、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸など非ステロイド系消炎剤の使用は「慎重にすべきだ」との見解を出した。

 ジクロフェナクナトリウム製剤は、商品として内服剤ではボルタレン、アデフロニック、イリナトロンなどが代表的。座薬としてはボルタレンサポ、アデフロニックズポなどがある。販売量や使用実績は不明だが、主にほかの解熱剤では効かない患者に投与するとされる。

 インフルエンザにかかる学齢期の子どもは年間50万―100万人。うち数百人が脳炎・脳症に至るとされる。5歳ごろまでの乳幼児に多いのが特徴で、発症から数日で悪化し、発熱やけいれん、幻覚・幻聴が現れる。現状では治療法が未確立で、死亡率は3割前後、身体障害やてんかん、学習障害などの後遺症が残ることも多い。

 研究班は今回、今年1―3月にインフルエンザ脳炎・脳症となった患者109人の症例を全国から情報収集。うち経過や治療内容が把握できた91人について、死亡などの予後と使用した解熱剤の種類などについて解析した。死亡例は27人だった。

 その結果、ジクロフェナクナトリウムの使用例では12人中7人が死亡していた。メフェナム酸では8人中2人、アセトアミノフェンでは36人中4人などだったのに対して、高い致命率だった。

インフルエンザ予防接種効かず2人死亡 厚生省調査 (2000.10.26) asahi.com

インフルエンザ予防接種、高齢者は1回で十分な効果 (2000.10.19) asahi.com
 昨冬まで一律「2回」と決めていたインフルエンザ予防接種を、今冬から65歳以上の高齢者については「1回でいい」と医療機関に勧める方針を、厚生省の公衆衛生審議会感染症部会(部会長=竹田美文・国立感染症研究所長)が18日、決めた。

富山化、新作用機序のインフルエンザ薬発見

00/10/19日経バイオテクby Biztech News
 富山化学工業は、10月18日、A型、B型、C型のいずれのインフルエンザウイルスにも効果をもつ新しい経口抗ウイルス剤「T-705」を発見したことを発表した。「

アマンタジン耐性ウイルス、小児や高齢者に高率で検出

00/10/13 Med Wave by Biztech News
小児や高齢者のインフルエンザ患者から分離されたA型インフルエンザウイルスを調べたところ、約3割と高率に塩酸アマンタジン耐性株が検出されたことが明らかになった。新潟大医学部公衆衛生学の齋藤玲子氏は10月12日、三重県津で開催された「第 48回日本ウイルス学会」で報告した。

予防接種で脳に後遺症 国に賠償命令/ 東京地裁

2000.07.20 The Sankei Shimbun
 インフルエンザの予防接種を受けたことで脳に障害が残ったとして、秋田県五城目町の男性(三〇)と両親が国を相手に、計約二億円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は十九日、予防接種が後遺症の原因と認め、国側に計約五千百万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

田順司裁判長は、男性に予防接種の数日後に急性脳症などの副作用の症状が出たことなどから「副作用の症状の原因は、予防接種以外には認められず、この副作用の結果、後遺障害が生じた」と判断した。

 予防接種をした医師についても「予防接種前に十分な診断が行われていなかった」と過失を認めた。

 判決によると、男性は昭和五十年十一月、五歳のときに予防接種法に基づいて五城目町が実施したインフルエンザの集団予防接種を受けたが、数日後に急性脳症になり、元気がなくなって寝込み、話しかけても返事をしなくなった。このため、知的障害や手のまひなどの後遺症で、常に介護が必要な状態になった。

 厚生省結核感染症課の中谷比呂樹課長の話 「判決内容を検討し、関係省庁と協議したうえ対応を決定したい。厚生省では従来、予防接種の事故防止のため細心の配慮を行ってきた」

インフルエンザの死亡と解熱剤の関係調査を 医師ら要望 (2000.07.04) asahi.com
 インフルエンザにかかった子どもがけいれんを起こして死亡することもある「インフルエンザ脳炎・脳症」で、一部の解熱剤が死亡と関係している可能性があるとして、医師・薬剤師・市民らのグループが4日、適切な疫学調査と、この薬を子どもに使用しないことを求める要望書を厚生省に提出した。

 グループは薬害を防ぐ活動をしている非営利組織(NPO)・医薬ビジランスセンターの理事長の浜六郎医師ら。

インフルエンザワクチン、今冬は700万回分必要 (2000.06.22) asahi.com
 インフルエンザワクチンの需要見通しを議論していた厚生省の検討会(座長=神谷斉・国立療養所三重病院長)は22日、今冬には約700万回分のワクチン供給が必要だとする意見をまとめた。昨冬の生産量の倍にあたるが、すでに医薬品メーカーは増産に入っているという。昨冬は、全国的にワクチンが不足した。

ウクライナでインフルエンザが猛威ふるう、200万人以上が感染

00年2月11日 16時37分[キエフ 10日 ロイター]
 
 ウクライナでは、インフルエンザが猛威をふるっており、インフルエンザに感染した人の数は200万人以上に上っている。 非常事態省が明らかにした 同国の人口は5000万人。これまでのところ、インフルエンザで死亡した人は9人にとどまっている。

65歳以上は一部公費負担

2000年2月9日 19時33分 共同通信社
 公衆衛生審議会は9日、現在は任意で実施しているインフルエンザの予防接種を、65歳以上の高齢者については、国が接種を勧める「勧奨接種」に改め、費用の一部を公費で負担する予防接種法の改正を了承し、丹羽雄哉厚相に答申した。

 これを受けて厚生省は、同法の改正案を今国会に提出、来年4月の施行を目指す。対象となる高齢者は約2000万人とみられる。

インフルエンザが原因?特養ホームで5人死亡 北海道

3:28p.m. JST February 04, 2000
 北海道空知支庁の深川保健所管内の特別養護老人ホームで1月下旬、インフルエンザに感染したとみられる5人の入所者が死亡していたことが4日、道保健福祉部の発表で明らかになった。社会福祉施設でのインフルエンザによる死亡報告例は道内でこの冬初めて。昨年もこの時期から特養ホームを中心に施設のお年寄りがインフルエンザで死亡する例が相次いでおり、道は警戒を呼びかけている。 道保健予防課によると、死亡したのは、70歳代の男性と80歳代の男性2人、女性1人に90歳代の女性。このうち1人は予防接種を受けていた。

 5人が発症したのは1月中旬で、発熱などが続き、施設の嘱託医らがインフルエンザ様疾患と診断した。死亡したのは先月23日から29日にかけて。直接の死因は4人が急性肺炎、1人が急性心不全だった。

 この施設には80人が入所しており、その3割強がインフルエンザにかかっているという。同保健所が今月2日にこの施設を調査したところ、衛生管理上の問題点は認められなかったという。

 この冬のインフルエンザが原因とみられる死亡は、1月下旬、苫小牧保健所管内で男児が脳炎で亡くなった。道内では昨冬はインフルエンザによる29人の死亡報告例があり、このうち24人が高齢者を中心とした社会福祉施設入所者で、5人は脳炎・脳症にかかった幼児だった。

ワクチン接種してても死亡

2000年2月4日 16時28分 共同通信社
 新潟県健康対策課に4日までに入った連絡によると、同県上越地方の男児(4っ)が先月25日、インフルエンザ脳症とみられる症状で死亡した。男児は昨年秋、ワクチン接種を受けていたという。男児は先月21日ごろから発熱。同22日に病院で受診したところ、熱が40.9度あり、けいれんや意識低下などの症状があったため入院したが、25日に死亡した。検査の結果では、A香港型の可能性が高いという。

インフルエンザで小2死亡

2000年1月31日 15時31分 共同通信社
 三重県教育委員会に31日までに入った連絡によると、同県磯部町の小学2年生の男児(7っ)が、インフルエンザ脳症で死亡した。

 男児は23日に発熱し、24日深夜、42度近くに上がった。25日未明、病院に運ばれたが間もなく死亡した。

インフルエンザのワクチン増産なし、メーカーが出荷断念

2:28p.m. JST January 20, 2000
 インフルエンザの予防接種用ワクチンの入手が難しい状況を受け、約16万人分のワクチンを増産する予定だったワクチンメーカー、デンカ生研(東京)が、安全性などを調べる国家検定の途中で申請を取り下げ、出荷を断念したことが20日分かった。国内にあるインフルエンザワクチンメーカー5社のうち、増産を予定していたのは、同社だけだった。厚生省は同社からの連絡を受け、各都道府県にワクチンの追加がないことを連絡した。

  同社は今シーズン出荷したワクチン約83万人分が売り切れた。昨冬に老人施設などでインフルエンザの集団感染が相次ぎ、高齢者を中心に死者を出したことが影響し、ほかのワクチンメーカーもほぼ完売状態。このため、昨年12月、ワクチン約16万4000人分の増産を決め、国立感染症研究所で出荷に必要な国家検定を受けた。しかし検査に通らず、再試験を受けていた。

 同社ワクチン営業部によると、今月中旬になっても検定合格の通知がなく、出荷がこれ以上遅れると流行シーズンに間に合わなくなるなどのため、18日に出荷をあきらめたという。

 厚生省は今シーズンのワクチン製造量を前年の倍以上の約350万人分と見込んでいた。だが、流行前から医師らの間で不足しているとの声が出たため、同省は「どこかに買い占められ、偏在している」と、日本医薬品卸業連合会に融通するよう要請していた。

世界でインフルエンザが大流行、新たな”2000年問題”に

00年1月12日 13時50分[ロンドン 11日 ロイター]
 世界各地でインフルエンザが大流行。感染者にとって、最悪の2000年問題は、コンピューターではなく、インフルエンザになってきた。 このため、米国ではインフルエンザ治療薬の新製品が爆発的な人気に。中国ではインフルエンザ対策のため、担当当局が大規模なワクチン接種プログラムを開始した。 また欧州全域では、英国でインフルエンザによる被害が過去10年で最悪となっており、フランスでも感染者が激増。ノルウェーのある病院では隣国デンマークから臨時の看護婦を雇うケースも発生している。

  インフルエンザの大流行は、悪性のA香港型ウィルス、シドニー株が原因。世界保健機関(WHO)の専門家は、同ウィルスが今年、大流行する可能性があると予測していた。

大人へのインフルエンザワクチン接種は1回でOK?

4:39p.m. JST January 12, 2000
 インフルエンザワクチンの予防接種は1回でいいのか、それとも2回必要か――厚生省の基準で「2回」とされている予防接種について、医師や専門家の間から「大人は1回で十分。2回接種としているのは日本だけだ」との声があがっている。今シーズンはA香港型とAソ連型のウイルスが流行の気配をみせているといわれるが、ワクチン不足も指摘されている。1回の接種で済めば、患者の負担が半減するだけでなく、2回接種の場合に比べて2倍の人が接種を受けられる。現に、「1回接種」を推奨している病院もある。

 東京郊外の調布市西つつじケ丘で診療所を営む「佐々木こどもクリニック」の佐々木伸彦医師(43)は、今シーズン、予防接種ができるかどうかを問い合わせる母親たちの電話を50件ほど断らざるを得なかった。

 子どものために必死にワクチンを探す電話は、市内や都内のみならず、多摩川をはさんで向かいの神奈川県側からも入っていた。

 確保した量は、約100本。調布に開業して2年目だが、インフルエンザの勢いがほぼ明らかになる2月ごろまでに使い切った昨シーズンと比べても、それ以前に勤務していた都立病院や私立医大病院での経験からも、こんな思いをしたのは初めてだった。

 死亡例が相次いで伝えられた昨シーズンの経験をふまえ、大人の接種は1回に減らしてでもできるだけたくさんの患者に接種したかった。しかし、ワクチンの添付文書には「2回接種」がうたわれている。

 佐々木医師は「今後もワクチン不足がすぐに解消するとは思えない。厚生省やメーカーは、はっきりした指針を示して欲しい」と話す。

 高齢者に予防接種を呼びかけている厚生省は、1回接種に基準を変更することについてはいまのところ、「ワクチンが足りないから1回でいいことにするのかと言われかねない」と慎重な姿勢を見せる。ただし、医師が1回接種を勧めることは「医師の判断ですることは構わない」との立場だ。

 インフルエンザワクチンは1週間から4週間の間隔をあけて2回注射することが、薬事法に基づく基準で定められている。しかし、最近は大人の場合は1回でも十分に効果があるとの調査結果が出てきた。

インフルエンザ新薬承認

1999年12月27日 16時26分 共同通信社
 厚生省は27日、外資系製薬会社グラクソ・ウエルカム(東京)が申請していたインフルエンザ治療薬リレンザの輸入販売を、正式承認したと発表した。

 発売日は未定だが、同社は「インフルエンザの流行がピークを迎える1月中・下旬に間に合わせたい」としている。服用には医師の処方が必要。ウイルスに直接作用する治療薬の国内販売は、塩酸アマンタジンに次いで2つ目となる。

感染研に相談窓口開設へ

1999年10月16日 9時31分 共同通信社
 インフルエンザに関する市民や医療関係者からのさまざまな相談や問い合わせに対応するため、厚生省は16日までに、今冬のインフルエンザ流行期から国立感染症研究所(感染研)感染症情報センタ−に、電話による相談窓口を開設することを決めた。12月中にもスタートさせるため、今後、窓口の電話番号を印刷したパンフレットを配布するなどの方法でPRしていく考えだ。

1〜3月に1287人死亡

1999年8月10日 17時21分 共同通信社
 ことし1月から3月にインフルエンザで死亡した人は、1287人に上り、同期間としては1976年以来最高となったことが10日、厚生省の人口動態統計月報(概数)で分かった。死者全体の86%は65歳以上で、80歳以上も63%を占めた。

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