TOPIC No.5-10 結核の脅威再認識/多剤耐性結核

01.広範囲薬剤耐性結核に罹患した航空機旅行者:他の乗客への感染リスクは低い。(2007/05/31) byFORTH海外旅行者のための海外感染症情報
02.広範囲薬剤耐性結核菌(XDR-TB)について by東京都感染症情報センター
03.多剤耐性結核菌とは何ですか? by結核の裏情報
04.アフリカでは結核とHIVに関連した死亡が警報を発するレベルに達している。(2005年03月24日) by(財)結核予防会結核研究所
05.結核緊急事態宣言 (平成11年7月26日厚生大臣発表)
06.イザというときに役立つ 結核ハンドブック
07.『結核こだわりリンク集』
08.結核対策 by厚生労働省


結核菌 放電で破壊…ダイキン 24時間照射

2010年09月08日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 ダイキン工業は7日、同社製の空気清浄機やエアコンに搭載している独自の放電技術を使い、結核菌を24時間で破壊できたと発表した。院内感染対策など医療分野に応用したい考えだ。

 東京慈恵会医科大との共同研究で、酸化分解力を持つ独自開発の「ストリーマ放電」を結核菌に照射する実験をした。結核菌は他の細菌より強いとされているが、24時間で結核菌の細胞膜が壊れ、120時間で結核菌のDNAが99.9%以上、分解・除去されたという。

短信:習志野・22人結核感染 /千葉

2010年04月10日 毎日新聞 地方版

 県は9日、習志野市の公立中学校で1月、3年生の男子生徒が結核を発症していたと発表した。習志野保健所が家族や生徒ら計147人の接触者を調査したところ、ほかに家族2人、教職員1人、生徒18人の計21人が感染していた。県疾病対策課によると、男子生徒は入院したが、3月に退院し通常の生活に戻っている。さらなる感染拡大の恐れはないという。今後2年間、同じクラスだった生徒や教職員の経過を観察する。感染者には発症を抑えるため服薬支援するという。

陸自で結核集団感染 10人が感染・84人が陽性反応 感染拡大防止を徹底

2010.04.09 MSN産経新聞

 防衛省陸上幕僚監部は9日午前、陸上自衛隊東部方面隊管内の駐屯地で計10人の隊員が結核に感染していると発表した。いずれも昨年、陸自武山駐屯地(神奈川県)で実施された教育課程に参加していた。他の隊員84人も血液検査で陽性反応が出ており、集団感染の疑いが高い。

 陸幕広報室によると、昨年9月から、板妻駐屯地(静岡県)や高田駐屯地(新潟県)などで、19−25歳の隊員6人が結核に感染していることが判明した。6人は昨年4−6月、武山駐屯地での教育課程に参加しており、他の参加隊員ら約840人に健康診断を実施した結果、新たに4人の患者が判明し、84人から陽性反応が出たという。

 防衛省は9日、全自衛隊員に対し、せきや微熱が続く場合には速やかに診断を受けるなど、適切に対処するよう通知した。

陸上自衛官 結核に集団感染か

2010年04月09日 NHK

 去年、神奈川県横須賀市の陸上自衛隊の駐屯地で行われた研修に参加した陸上自衛官90人余りが結核に感染していたことがわかり、陸上自衛隊は集団感染の疑いが強いとみて調べています。

 集団感染した疑いが出ているのは、主に関東甲信越地方の部隊に所属する19歳から27歳までの陸上自衛官94人です。陸上自衛隊によりますと、このうち10人がすでに発症していますが、いずれも症状は軽いということです。感染した自衛官は、いずれも去年4月上旬から6月上旬にかけて、神奈川県横須賀市の陸上自衛隊武山駐屯地で行われた研修に参加していました。この間、駐屯地では宿舎で共同生活をし、その後、現在の部隊に配置された去年9月以降、相次いで感染が明らかになったということです。陸上自衛隊は、集団感染の疑いが強いとして、今月2日、横須賀市保健所に届け出るとともに、感染の状況や原因についてさらに詳しく調べています。

公益5法人に余剰金2億円 厚労省が返納求めず

2010/04/07 47News【共同通信】

 厚生労働省が2006〜07年度の2年間で113の公益法人に概算払いした補助金をめぐり、5法人で計約2億円の余剰金が出ていたのに厚労省側が精算手続きを取らず、国庫への返納を求めていなかったことが7日、会計検査院の調べで分かった。

 検査院は厚労省に対し、余剰金を速やかに返納させるとともに精算手続きの重要性を周知徹底するよう要求。厚労省は「誠に遺憾。速やかに対応したい」としている。

 検査院によると、5法人は、ヒューマンサイエンス振興財団(余剰金約1億1千万円)や結核予防会(同約3600万円)など。

 国は、補助金などの支出額が確定する前でも概算した分を支払えるが、余剰金が出た場合には返還させることになっている。

 5法人から提出された実績報告書には計11件分の余剰金が記されていたが、同省の担当課では、速やかに返納させる必要性を十分認識しておらず、精算手続きを後回しにしていたという。

北朝鮮結核研究所すぐに稼動

2010/04/03(Sat) Innolife

 アメリカ民間団体の支援で平壌に建設中の国立結核標準研究所が5月初めに完工し、全面稼動される予定であるとアメリカの音声放送VOAが伝えた。

 VOAによればこの研究所は、多くの種類の治療剤に耐性を持った多剤耐性結核を研究することができる北朝鮮で最初の研究機関で、アメリカ民間団体‘朝鮮のキリスト者の友’とアメリカスタンフォード大医科大学が2008年から建設を支援してきた。

 この関係者は20日から来月8日の間、建設専門家とスタンフォード大研究陣、結核専門家たちで構成された代表団が訪北し、これに先立って建設装備と実験道具、薬品など170万ドル相当の物品を積んだコンテナが北朝鮮に到着する予定であると付け加えた。

結核:改善がみられるエチオピア・ソマリ州ワルデルでの治療

2010年03月30日 国境なき医師団

ワルデルの結核治療センターの患者ファルハンはこう話す。

 「絶え間ない咳に加えて、右肋骨が大変痛むので、右側を下にして寝られませんでした。これからのことが絶えず気にかかりました。この辺りの村人はだれもが私を見て、言います。『どうしてそんなに咳が出るんだ。重い病気に違いない。そのうち、お前とは一緒にいられなくなる』と。これから先どうなるかと、本当に心配でたまりませんでした」

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MSFが支援する医療センターに結核施設を新設

 ファルハンは、ワルデルの医療センターで結核と診断された。ワルデルは、エチオピア連邦民主共和国で一番広い州、ソマリ州の中にある町だ。ここは、砂漠のような土地であるうえに、紛争も続き、とりわけ生活するのが厳しい場所である。保健局が運営し、国境なき医師団(MSF)が支援している医療センターは、結核施設を新設した。その病棟は、患者の快復を支援するため、ベッド数70床と、よりよい治療環境を備えるよう設計された。

 結核は伝染病で、普通の風邪と同じく空気を介して感染する疾患で、通常は肺が侵される。この病期のために毎年世界中で160万人以上が亡くなり、新たに900万人が罹患している。結核患者のHIV合併率は殊にアフリカでは高い。アフリカでは、結核の死亡者数のほうがHIV死亡者数よりも多い。だが、改善された診断と適切な治療のおかげで、患者の生命は救われるようになった。

ファルハンは続ける。

 「新しい結核治療センターの建物は空間が広いうえ、涼しくてよく眠れるので、治療期間中は快適です。ここにいれば、薬、眠るためのベッド、暖を取る毛布、保護用の蚊帳、食べ物が与えられ、大変感謝しています。今では、痛みもなくなりました。咳も止み、食欲も出てきました」

 ファルハンは、今後約2ヵ月間集中治療を受けるために結核治療センターに入院する予定である。その後、帰宅できるようになるが、引き続き4〜6ヵ月間薬を飲むことになる。すでに日常生活への復帰に大きな希望を抱いていて、水の採取や建設目的の穴を掘ることで生活費を稼ぐことにしている。彼は運がよかった一人である。 「ここの援助がなかったら、私はどうなっていたかわかりません。このワルデルの結核治療センターは私にとって非常に大切でしたし、地域にとっても非常に大切であると言ます」と、ファルハンは結んだ。

結核対策計画に参加し、州や国と連携

 これまでMSFは、医療活動を拡大して近在の村々に5つの診療所を設け、その近くのガラディにあるMSFと保健局による新しい医療センターからの結核患者を引き受けてきた。だが、広いワルデル地域には、こうした医療を受けることのできない人びとが、まだ大勢いる。ソマリ州はエチオビアで結核患者検出率が最低であるにもかかわらず、罹患率は高いとみられている。だが、生命を救えるかどうかの鍵は、医療提供者が援助を増やし、自由に患者に接することができるかどうかである。

 MSFは、ソマリ州(ジジガ、ゴーダ、アフデル各地域)での結核対策計画に長年携わってきた。国レベルでは、MSFは全国結核対策計画に基づいて多剤耐性結核のための技術的な活動をするグループに参加している。この全国結核対策計画は、多剤耐性結核用の全国的なガイトラインおよび戦略を策定した。

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 MSFは2007年からエチオピアのソマリ州ワルデルで活動している。MSFはエチオピア保健衛生局病院の支援にあたり、入院および外来治療、栄養失調治療、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康ケア)、結核治療と検査施設の業務を含めた一次医療に従事している。ソマリ州ではこのほか、ガラディ、ボー、東西イミ、デガーブール、ドロ・アド(一時滞在キャンプとその周辺地域)で、基礎的な医療から栄養治療まで提供している。

 また、アムハラ州でも、北西部アブドゥラフィで、カラアザールの治療を行うプログラムを運営している。そこでは、HIV/エイズ、結核、栄養失調の治療も行っている。

 さらに、ガムベラ州ワンタホ・ウォレダでは一次医療プログラムを提供するほか、オロミヤ州・西ハラール地域のアンカル・ウォレダで、国立通院集中栄養治療プログラムも支援している。

必要に応じて緊急事態に対応する準備もある。

アジア、アフリカ支援を急げ

2010年03月24日 公明新聞

日本は中蔓延国 油断せず正しい知識の啓発を

世界結核デー

 きょう3月24日は、世界保健機関(WHO)が、ドイツの細菌学者ロベルト・コッホが1882年に結核菌の発見を発表した日にちなんで定めた「世界結核デー」だ。

 結核は、決して過去の病気ではない。エイズ、マラリアとともに世界3大感染症の一つに数えられ、今も世界で1日あたり約5000人が死亡している。

 また、世界の総人口の3分の1(約20億人)が結核菌の感染者といわれ、結核患者の8割はアジア地域に集中。アフリカでは、エイズ患者が結核に感染する「二重感染」も増加している。日本は結核を激減させた経験と技術を生かし、アジア、アフリカへの支援を急ぐべきだ。

 NPO法人「ストップ結核パートナーシップ日本」によると、日本国内でも、年間3万人近くの人が新たに結核を発症し、2000人以上が亡くなっている。日本でも最大級の感染症であることに変わりはない。

 結核は結核菌によって、主に肺に炎症を起こす病気だ。ただ、感染しても、健康であれば免疫機能が働いて菌の増殖を抑え発病しないが、抵抗力が落ちると発病する可能性がある。治療法は確立されているので、薬を6カ月間、しっかり服用すれば、多くの人が治るとされる。

 日本ではかつて、結核は「亡国病」と恐れられてきたが、死亡率は100分の1以下に激減した。しかし油断は禁物だ。世界的に見ると、多くの欧米先進国の罹患率が、人口10万人当たり10人以下の「低蔓延国」なのに対し、日本はいまだ、その上のランクの「中蔓延国」。日本の罹患率は米国の約5倍と高い。

 一方、新たな問題として、治療に使う抗結核薬に抵抗力を持ってしまった「多剤耐性結核」と「超多剤耐性結核」が出現したことが挙げられる。発病すると治療が難しくなり、入院も長期化してしまう。

 多剤耐性結核菌が発生する原因の一つとして、服薬を途中で中断したため、生き残っている耐性菌が増殖するとの指摘もある。結核菌に耐性をつけないよう、薬をしっかり飲み続けることが肝要だ。

 感染の拡大防止には、早期発見が何より大切だ。咳が長く続くようだったら、即座に医療機関で受診してほしい。ここ数年、20歳代の感染者が増加している。結核に対する正しい知識の普及・啓発が、対策の「第一歩」であることを再確認したい。

公明が一貫して推進

 公明党は結核対策に一貫して取り組んできた。例えば、超党派の国会議員でつくる「ストップ結核パートナーシップ推進議員連盟」(事務局長=公明党の浜田まさよし参院議員)をリード。先月には、ハイチ地震に伴い、日本が現地で行う結核対策支援への要望書を政府に提出するなど、国際貢献策を推進している。

 公明党は今後も、国内対策はもちろん、深刻化するアジアやアフリカなどへの一層の支援策を政府に求めていく。

中国人の半数が「結核の保菌者」、抗生物質効かない耐性菌増加

2010/03/24(水) Searchina

 3月24日は世界結核デー。かつては「死病」と恐れられた結核も、日本では死亡者が大幅に減少したが、それでも年間2000人以上。中国では2009年、肺結核が原因で死亡したと報告された人が3783人、感染者の報告は107万6938人だった。抗生物質が効かない耐性菌も多く、中国日報によると、流行が爆発すれば、恐るべき事態になるという。

 中国工程院院士で、呼吸器感染症の権威とされる鐘南山氏によると、2000に調査では、体内で結核菌の活動が活性化している人は中国全国で450万人、保菌者は5.5億人との結論が出された。人口の約半数が結核菌を持っており、一生のうちに発病する確率は10%と考えられる。

 一般的な治療法は、抗生物質4種を同時に使うことで、連続して6−8カ月使いつづければ、結核菌を完全に消滅させることができる。しかし最近では、抗生物質に耐性を持つ結核菌が増えている。

 中国政府・衛生部の陳竺部長によると、結核発病者中、耐性菌による患者の割合は8.32%で、患者数では世界で最も多いインドに匹敵する。効果が出ない抗生物質の種類が特に多い耐性菌の場合、0.68%。耐性菌による流行が爆発すれば、「その危険性は、エイズをはるかに上回る」という。

 発病者の8割が、農村部住民ということも、問題だ。うち、75%は働き手であるはずの青年から壮年にかけて。鐘氏によると、耐性菌による結核患者は、特に西部地区で目立つという。都市部に労働者として一定期間移り住む人が多い地域で、公共衛生上も極めて危険であり、「貧困が結核を生み、結核が貧困を生む」悪循環が発生しているという。(編集担当:如月隼人)

皇室:紀子さま来県、結核予防全国大会に出席−−鳥取 /鳥取

2010年03月19日 毎日新聞 地方版

 秋篠宮妃紀子さまが18日、県内入りし、鳥取市のとりぎん文化会館で開かれた「第61回結核予防全国大会」に出席された。紀子さまは結核予防会総裁を務めている。

 この日は本大会に先立ち「どうなる!? これからの結核医療」と題してシンポジウムが開かれた。井上貴央・鳥取大医学部長が「日本における結核の発祥地は鳥取だ」と話すと、紀子さまは興味深そうにうなずいた。続いて、結核をテーマにした人形劇や、岡野貞一作曲の「故郷」などのメドレーが披露され、笑顔でご覧になった。

 19日の本大会では、結核予防に功績のあった人に贈られる「秩父宮記念結核予防功労賞」の賞状を手渡される。【田中将隆】

薬効かない結核、58カ国で確認=WHO

2010/03/19 時事ドットコム

 【ジュネーブ時事】世界保健機関(WHO)は18日、従来の薬による治療が極めて困難な「超多剤耐性」(XDR)結核の感染が今年3月時点で、世界58カ国で確認されたと発表した。XDR結核の感染者は推定で、年間2万5000人に上るとした。

 また、XDRを含めた、薬による治療が難しい「多剤耐性」(MDR)結核の感染者は08年で年間44万人、死者は15万人に上ったと推計した。

【転ばぬ先のツエ】感染症対策 経路・症状覚え予防を

2010.3.19 Sankei Biz

中国・大連市の感染症専門病院。現地の感染症事情を把握することが大切だ

 中国と聞くと、やはり感染症のことを気にする人は多い。新型肺炎(SARS)の際の騒ぎがまだ記憶に残っている方も多いだろう。確かに13億を超える人口を抱える中国では、感染症・伝染病の扱いについて非常に神経質だ。実際に発生も多い。中国で気をつけたい感染症についてご紹介したい。

 中国衛生部では法定伝染病の発生状況を定期的に発表しているのだが、発生数で一番多いのはやはり、ウイルス性肝炎である。

 かつては「中国では10人に1人が肝炎キャリア」などといわれた。しかし1992年よりB型肝炎ワクチンが導入され、乳児への予防接種が推奨されるようになり、2002年より中国予防接種計画に加えられてからは、予防接種が徹底し、サンプリング検査の結果などでも効果が認められてきているようだ。ただし、若年層以外のキャリア率は高い。

 B型肝炎は普通の生活をしている分には感染しないが、A型肝炎のように貝などから経口感染することもある。中国へ赴任するのなら、せっかくワクチンがあるのだからA型、B型肝炎の予防接種はきちんとしておきたい。

 結核も多い。近年、中国ではエイズウイルス(HIV)の感染者が増えている。HIVと結核の合併症も増えているようだ。そこまで深刻でなくとも性病の類(たぐい)も数多い。中国駐在の日本人にはカラオケバーなどでの誘惑も多いが、感染症のリスクを考えて慎重な行動をしていただきたいものである。

 なお、これらの感染症が怖いのは、病状そのものだけではない。周りへの影響である。例えば日本では一般に「安静にしていればよい」とされる肝炎でも、中国では『伝染病』とだけ認知されている。実際、肝炎の場合、中国では隔離病棟に入れられることがある。そういう決まりなのである。すると、簡単には人から人へはうつらないはずの肝炎でも、うつるから一緒に食事をとりたくない、同じ職場で働きたくないというスタッフが出てきたりする。治ってもその後の仕事がやりにくいこと甚だしい。

 ほかに、感染経路としては全く違うが、狂犬病も発症したらほぼ100%死ぬ怖い感染症である。日本では、一部の輸入例を除いて国内での発生例はないが、中国では狂犬病は身近な脅威である。実際、中国では野犬をよくみかける。また、飼われていても予防接種をしていなかったり、予防接種のワクチンそのものが無効だったりすることもある。

 狂犬病の発症を防ぐには、予防接種を打っていたとしても、かまれたらその後、一定間隔でワクチン接種を続けなければならない。こちらについては、中国の人たちの方が意識は高い。日本人は狂犬病のリスクをあまり知らないために海外でも不用意に犬をなでようとしたりする。

 日本人は一般に感染症に対する危機感が薄い。過剰に騒ぐのでも、無視するのでもなく、現地で発生する可能性のある感染症ぐらいは、感染経路や主な症状を覚え、できる予防をした上で、暮らしていってほしい。(編集協力・ウェルビーグループ)

                   ◇

【用語解説】ウェルビーグループ

 中国・ベトナムでの適切な病院の紹介・予約や病院内を一緒に付き添う医療通訳の派遣・搬送手配などの医療サポートサービスを会員制で行っている。http://www.wellbemedic.com/

私立中高一貫校で35人が結核に集団感染 複数の医療機関が見逃す

2010.03.08 MSN産経新聞

 東京都は8日、私立中高一貫校の聖徳学園(武蔵野市)で、生徒と教員計35人が結核に集団感染したと発表した。感染者の生徒の1人がせきなどの症状のため複数の医療機関を受診したにもかかわらず、気管支炎などと診断され登校を続けたことが原因。

 都によると、昨年4月に結核と診断され入院した中学2年の生徒と1年時に同じクラスだった男子生徒が同年6月ごろからせきや発熱の症状を訴え、計4カ所の医療機関を受診。ところが、いずれも結核と診断されず登校を継続し、同年11月にようやく結核と判明した。

 男子生徒との接触者の健康診断を実施したところ、この2人を含む同校の中高生30人と教員5人の計35人の感染が確認された。うち9人が発病しており、とくに男子生徒は症状が重く3月8日現在も入院中。

 都は「誤診した医療機関は猛省してほしい。レントゲンを撮れば結核だと分かるのに、いずれも問診だけで済ませていた」としている。

堺市の事業所などで結核の集団感染が発生

2009.12.24 MSN産経新聞

 大阪府は24日、堺市の事業所などで結核の集団感染が発生したと発表した。従業員ら17人が感染し、うち50代の男性1人が発病、入院した。男性は快方に向かっているという。

 府地域保健感染症課によると、昨年6月に40代の男性従業員が肺結核と診断された。堺市保健所などがこの男性と接触があった家族や従業員の結核検診を実施。今月24日、発病した男性と、同じ結核菌であることが分かり府は集団感染と判断した。

徳島の病院で結核集団感染 患者や看護師ら15人

2009.10.30 MSN産経新聞

 徳島県は30日、鳴門市の「南海病院」で結核の集団感染があったと発表した。入院患者や看護師ら15人が感染、うち3人が発症したが1人は治癒し、ほか2人も快方に向かっているとしている。

 県によると、4月に70代の男性患者と、実習に来ていた20代の女子看護学生が発症。男性患者と同じ病棟に入院していた80代の男性患者も8月に発症した。別の患者や病院関係者ら約70人を検査した結果、看護師と看護助手の計12人も感染していた。

 遺伝子検査の結果、発症した3人の結核菌遺伝子が同一であることが今月28日に判明。最も早く発症した70代の男性患者が感染源とみられる。

結核患者新たに915万人 06年、WHO報告

2008年03月18日 中国新聞ニュース

 【ジュネーブ17日共同】世界保健機関(WHO)は17日、結核に関する2008年版報告書を発表し、06年に世界で新たに罹患した結核患者数が915万7000人に上ったことを明かした。これにより患者総数は推計1442万4000人となり、結核による06年の死者数はエイズとの併発を含めて165万6000人だった。

 いずれも前年に比べてやや増加したものの、人口当たりの新たな患者発生数は03年ごろをピークに減少が始まったとみられ、報告書は「この傾向が続けば、15年までに結核患者を減少させる目標は十分達成可能」と指摘。一方で、結核根絶に向けた取り組みを「さらに強化しなければならない」(チャン事務局長)と強調した。

 患者の発生数が最も多かったのはインドの193万3000人。次いで中国131万1000人、インドネシア53万4000人と続き、アジア、アフリカを中心とする上位22カ国で世界の約8割を占めた。

結核の新規患者7年連続減 依然大きい地域間格差

2007年09月25日 中国新聞ニュース

 厚生労働省は25日、2006年に新たに結核を発症した患者は前年から1935人減って2万6384人、人口10万人当たりの患者数を表す罹患率も1・6減少し20・6と、いずれも7年連続で減少したと発表した。都道府県別の罹患率では、地域間格差が依然大きかった。

 20代の結核罹患率は、その前後の年齢層に比べて高かった。また、新規患者に占める高齢者の割合は増加傾向にあり、70歳以上が占める割合は47%で、前年比2・1ポイント増だった。

 都道府県別の罹患率で最も低いのは長野県の11・8。一方で高いのは大阪府(36・1)、東京都(26・5)、長崎県(26・4)の順で、最も高い大阪府は長野県の3・1倍と、大きな格差が見られた。

危険性やや低い結核と判明 強制隔離の米弁護士

2007年07月04日 中国新聞ニュース

 【ワシントン3日共同】米疾病対策センター(CDC)は3日、主要な治療薬が効かない「超多剤耐性結核」に感染したとして強制隔離された米国の弁護士は、その後の検査で、使える薬もあるため危険性がやや低い「多剤耐性結核」だったと発表した。

 記者会見した医師らは、判定が覆った理由は不明としながらも「公衆衛生上の対策として、強制隔離は正しかった」と説明している。

 この弁護士は結核感染を知りながら海外旅行をした。治療が極めて難しい致死的な感染症を広げる危険性があったとして、衛生当局の対応や本人の行動が米国内で大きな問題になっていた。

 弁護士は幾つかの薬の投与で病状が改善。予定していた肺の一部切除もしないで済むという。

 「多剤耐性」は第1選択薬の2種以上、「超多剤耐性」はそれに加えて第2選択薬にも耐性のある結核とされている。

あらゆる抗菌剤が効かない結核菌、イタリアなどで検出

2007年06月07日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=増満浩志】感染拡大が世界で懸念されている「広範囲薬剤耐性」(XDR)の結核菌がさらに強力になり、すべての抗菌剤が効かなくなったタイプがイタリアなどで検出されたことがわかった。

 世界保健機関(WHO)ストップ結核部のマリオ・ラビリオーネ部長によると「XXDR」(極度薬剤耐性)の結核菌という新名称も提案されているという。

 イタリアの患者は女性2人。菌は最初から多数の抗菌剤に耐性を持っていたが、結核専門でない医療機関で様々な抗菌剤を投与され、次第にすべての抗菌剤に対する耐性がついたらしい。2人とも2003年に死亡したことが、欧州の専門誌で先月、報告された。

 一方、イランでは03〜05年に結核患者約1300人の菌を調べた結果、12人が検査したすべての抗菌剤に耐性を示した。米感染症学会の専門誌に載った論文によると、12人全員が治療歴のない新規患者だった。

米疾病対策センター、結核患者を強制隔離…44年ぶり命令

2007年05月30日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=増満浩志】米疾病対策センター(CDC)は、大半の抗菌剤が効かない「広範囲薬剤耐性」(XDR)の結核菌に感染し、警告を無視して航空機などで旅行していた男性を強制隔離した。29日、緊急記者会見を開いて発表した。CDCによる感染症患者への強制命令は44年ぶり。

 男性は結核のため、旅行を控えるよう医師の助言を受けていたが、12日に航空機でアトランタを出発、翌13日にパリに着いた。その後、男性の結核菌がXDRと判明。AP通信によると、男性は24日、プラハ発の航空機でモントリオール(カナダ)へ渡り、陸路で米国へ戻った。

 XDR結核菌は、通常の抗菌剤だけでなく、薬剤耐性菌に使う抗菌剤も効かない強力な菌。発症すると死亡することも多く、世界的に拡大が懸念されている。ただ、CDCは「機内感染の可能性は高くはない」としている。

薬効かぬ新型結核35か国に感染拡大…WHO報告

2007年03月23日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ジュネーブ=渡辺覚】世界保健機関(WHO)は22日、結核に関する年次報告を発表、多くの抗結核薬が効かず、治療が極めて難しい新型結核「超薬剤耐性結核」(XDR―TB)の感染確認が、日本を含む世界35か国にまで拡大し、感染症の国際対策にとって「深刻な脅威」となる恐れがあると明らかにした。

 WHOによると、新型結核は、主要8か国(G8)を含む世界の各地域に拡大。特に報告が集中しているのは旧ソ連圏と欧州で、アジアでは、日本のほかに韓国、中国、タイ、バングラデシュで感染が報告されている。超薬剤耐性結核は、カナマイシンなど「第2次選択薬」と呼ばれる抗結核薬が効かない結核菌で、感染者は全結核患者の約2%に達すると見られている。

薬効かない結核、年間70人感染…国内推計

2006年12月26日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 多くの抗結核薬が効かず、世界保健機関(WHO)が警戒を呼びかけている「超多剤耐性結核菌」に、国内でも年間60〜70人が新たに感染していると推定されることがわかった。結核予防会が25日公表した。

 WHOは、最初の治療で試すイソニアジドなど2種類の薬に耐性がある結核菌を「多剤耐性」と分類。さらにカナマイシンなど2度目以降に試すいくつかの抗結核薬にも耐性があるものを「超多剤耐性」と定義している。世界の結核患者の2%は超多剤耐性菌に感染しているとされるが、日本での実態はわかっていなかった。

 結核療法研究協議会(療研)が、2002年6〜11月に、国内99か所の結核治療施設に入院した患者3122人から採取した結核菌を分析したところ、多剤耐性菌が55人から検出され、うち17人(約31%)は超多剤耐性菌だった。

 全国で結核のため入院する患者の数と、療研の調査結果などから、結核予防会は、超多剤耐性菌感染者は60〜70人いると推定した。予防会は今後、超多剤耐性結核の発生状況の監視を続けながら治療方法の研究などを行う。

超多剤耐性結核菌

2006年12月05日 西日本新聞

 主要な治療薬のほとんどが効かない結核菌。世界保健機関(WHO)は、第1選択薬とされる効き目が強いイソニアジドとリファンピシンが効かない菌を「多剤耐性」に分類。それに加えて第2選択薬のフルオロキノロン系薬剤と、カナマイシンやアミカシンなど注射薬も効かなくなった菌が「超多剤耐性」と定義される。今年3月に存在を指摘した米疾病対策センターは、世界の患者の2%程度、東欧やアジアの一部では15%以上が超多剤耐性菌に感染していると推計している。

超薬剤耐性結核菌(XDR-TB):新たな戦略と検査法が必要、従来の方法では命取りに

2006年11月14日 国境なき医師団

?MSF、結核治療に関する新たな報告書を発表?

 国境なき医師団(MSF)は、薬剤全般に耐性を持つ超薬剤耐性結核(XDR-TB)の出現により、世界保健機関(WHO)の基準に沿った結核対策に頼ることは致命的になると警告する。XDR-TBの急激な発生に対処するため、WHOは既に臨床試験段階にある新薬開発を促進し、早急に新薬を患者に提供する必要がある。既存の抗結核薬や診断法はXDR-TBの治療には不十分である。10月31日から11月4日までパリで開かれた肺疾患に関する国際会議「Union World Conference on Lung Health」の第37回会議においてMSFが発表した新たな報告書は、現在開発中の結核治療薬には見込みがあるものの、近い将来結核治療を著しく改善することができないことを示している。WHOは率先して結核の研究を優先させ、そのための資金を増額しなければならない。

 薬に耐性をもつ結核の症例が全世界で毎年新たに45万件発生しており、薬への耐性は急速に深刻化する問題となっている。XDR-TBに感染している患者は第一選択薬と第二選択薬の中の少なくとも二種類に対して耐性を持つため、既存の薬物療法での治療は事実上不可能である。XDR-TBはHIVとの関連で特に危険である。HIV/エイズに二重感染している患者は薬への耐性が検査結果によって確認される前に死亡する可能性がある。薬への耐性があるかどうかを知らずにXDR-TBの治療に従来の治療薬を用いると、患者を死に至らしめる危険性がある。MSFの医師は既存の治療法で結核治療をなんとか試みているが、HIVの流行により、事態は深刻化している。

 MSFの結核・HIV/エイズ治療アドバイザーであるフランソワーズ・ルイ医師は述べる。「XDR-TBの治療は、従来の方法では悲劇を招きます。とりわけHIV/エイズが蔓延している場所では破滅的な結果をもたらす可能性があります。しかし、既存の方法でXDR-TB治療を試みるのは、山火事を庭のホースで消そうとするようなものです。」

 XDR-TBの発生に対処するため、WHOは規制機関や製薬会社と連携して新薬の迅速な臨床開発と例外的使用の承認を保証し、可能な限り早急に新薬を確保することが必要である。また、WHOはより簡易な検査法の開発にも力を入れる必要がある。これにはWHOが単に製品開発の責任を提携先に委任するのではなく、自ら率先して行動を起こしていくことが必要とされる。

 XDR-TBの発生は、WHOのこれまでの結核への取り組みが機能していないことを反映している。毎年約200万人の結核による死亡者を減少できる可能性をよそに、至急に必要とされている新薬や診断法の研究開発を怠ってきたのである。今日結核治療で使用されている薬は1950年代から1960年代にかけて開発されたものである。また、最も一般的に用いられている結核検査法は100年以上前に開発されたもので、症例の約半数しか結核を検出することができない。さらに、既存の結核治療薬と検査法はHIV/エイズに二重感染している患者に適応していない。

 MSFの必須医療品キャンペーンのディレクターであるティド・フォン・シェーン・アンゲラーは言う。「アフリカ南部におけるXDR-TBの発生は、より広範囲で結核が発生しつつあることの警告と見なすべきです。しかしながら、結核の基礎研究を、治療期間を短縮し治療法を改善する新薬や、設備や人材の乏しい地域でも使用可能な診断法につなげるために必要である、研究開発への大規模な投資や、なくてはならない緊急性などが未だに全く見られません。」

 MSFは44ヵ国の94を超えるプログラムで1万7千人の結核患者を治療しており、現在多剤耐性結核(MDR-TB)の症例の増加を確認している。旧ソビエト連邦におけるMSFの活動におけるMDR-TB患者の中にはXDR-TBと診断されている患者もいる。

薬に強い?新結核菌、東欧・アジアで感染拡大…WHO

2006年10月20日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 これまで確認されてきた薬剤耐性の結核より、さらに薬が効かないため、治療が極めて難しい、新しいタイプの「超薬剤耐性結核」(XDR―TB)が東ヨーロッパやアジアを中心に広がり始めていることが分かり、世界保健機関(WHO)は、各国の医療機関に対し、対応を呼びかけている。

 この新しいタイプの結核は、WHOと米疾病対策センターが今年3月に発表した結核調査の中で確認した。従来の薬剤耐性の結核は、治療の際に真っ先に使われるイソニアジドなど2種類の安価な抗結核薬が効かないだけだった。ところが、この新タイプは、第2次選択薬の半数以上が効かず、極めて治療が困難だという。WHOと米疾病対策センターの共同調査は2000年〜04年にかけて、世界の約1万8000例の患者から結核菌を採取して実施されたもので、薬剤耐性菌はその20%で確認された。超薬剤耐性菌は症例全体の2%。日本は調査対象が少なく、数値は公表されていない。

アジアが最大の結核感染地 NGOまとめ、世界平均の4倍

2006/10/04 The Sankei Shimbun

 結核に感染する人がアジアでは毎年400万−500万人と世界最大の感染地域となっており、エイズとの二重感染者も増えている―。非政府組織(NGO)の日本リザルツ(羽田義久理事長)は、このほどアジアの結核事情をまとめた。

 日本リザルツによると、カンボジアは結核の罹患(りかん)率が世界平均の4倍に達し、エイズの病原ウイルスであるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)と結核の二重感染が増加。2004年の調査では人口10万人に対し510人が結核を発病し、罹患率はアジア最悪。05年の調査では、結核患者の約10%がHIV陽性で、エイズ患者の約半数が結核を発病していた。

 世界で最も結核感染者が多いのはインドで、1分に1人の割合で感染者が死亡。中国が2番目に多く、エイズの拡大に伴って結核感染者の増加が懸念されている。3番目はインドネシアで、結核による死亡率は東南アジアで最も高い。(共同)


結核予防法を感染症法に統合

2005年10月19日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 厚生労働省は18日の厚生科学審議会感染症部会で、結核予防法を、感染症法に統合するという同法改正案の骨格を示した。来年の通常国会に提出する方針。

 感染症の個別の病名を冠した法律は患者差別を助長する恐れが強いなどとして、同省は、性病予防法、エイズ予防法を感染症法に統合してきたが、結核予防法の統合に伴い、個別の病名を冠した感染症対策の法律はなくなることになる。

 改正案では、結核患者の医療費の公費負担制度や、エックス線による定期健康診断など、結核予防法で規定されてきた対策は、感染症法に組み入れて維持するとしている。

ネットカフェで集団結核 川崎市、13人が感染

2005/10/17 The Sankei Shimbun

 川崎市疾病対策課は17日、同市川崎区のインターネットカフェで、従業員の20代の男女2人が結核を発病したほか、11人が感染したと発表した。同課は結核の集団感染に当たるとして、厚生労働省に報告した。

 同課によると、発病した2人は治療中で快方に向かっており、感染者11人に症状はみられないという。

 インターネットカフェをよく利用していた40代の土木業の男性が昨年8月ごろに発病。調査の結果、集団感染が分かった。

 男性は今年1月から2月にかけて、インターネットカフェに週に5、6回通い、リクライニングソファなどで夜を明かしていたという。利用者同士の間に仕切りはあるが、完全な個室にはなっていないという。(共同)

結核感染:札幌刑務所の届け出遅れ計5人に 行政指導検討

2005年3月11日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 札幌刑務所(札幌市東区、杉田尚文所長)が入所者の結核感染を札幌市保健所に届け出た際、さらに4人について結核予防法が定めた一定期間内の届け出義務に違反していたことが10日、分かった。届け出義務違反は既に判明している1人を含め計5人になった。同保健所は行政指導を検討している。

 同法は診断の届け出は診断後2日以内、入退院の届け出は入退院後7日以内と義務付けている。

 同保健所などによると、昨年9月27日、男性入所者1人が結核と診断されたが、届け出は診断が2日遅れの4日後、入院が1日遅れの8日後。昨年8月〜今年2月に月形刑務所から移送された3人の感染者についても入院の届け出は8〜24日後にされた。

 同刑務所によると、昨年9月の診断のケースは職員が書類を発送する前に保健所に電話連絡したことで届け出が終わったと思い込んでいたという。同刑務所の高橋和夫総務部長は「弁解の余地がなく、残りのケースも含めて経緯を調査する」としている。【遠藤拓】

短信:結核発病者が減少−−厚生労働省まとめ

2004年9月27日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE
 03年に新たに結核を発病した患者は3万1638人で、4年連続で減少していたことが厚生労働省のまとめで分かった。前年より1190人減ったが、人口10万人当たりの新規患者数(罹患=りかん=率)は24・8で、依然として欧米の先進国の2〜5倍の高水準だった。

 罹患率は大阪府の44・0を筆頭に、東京都、兵庫県など都市部で高い傾向にある。結核による死亡者は2336人で、前年より19人増えた。新規患者のうち、70歳以上の高齢者が42・9%(対前年比1・4ポイント増)を占めている。同省は「早期発見などの高齢者対策に力を入れたい」としている。

 日本では結核は減少する傾向にあったが、97年から3年連続で増加。99年に「非常事態宣言」を出し、医師による指導や治療態勢を強化している。

15人が結核に集団感染 京都の自動車教習所

2004/09/22 The Sankei Shimbun
 京都府健康対策室は22日、同府京丹後市網野町の自動車教習所で教官や生徒ら計15人が結核に感染、うち3人が発病したと発表した。

 同室によると、教習所の30代の男性教官が5月上旬、せきや発熱などの症状を訴え、肺結核と診断されて入院。

 男性の家族や同僚、生徒ら計107人を検査したところ、50代の男性職員と10代の女性生徒の発病と12人の感染が判明した。

 最初に発病した男性は既に退院し、ほかの2人は通院中だが、快方に向かっている。同室は感染源を調べている。

慶大生91人が結核集団感染の疑い 横浜の矢上キャンパス

2004/05/14 The Sankei Shimbun
 横浜市は14日、同市港北区の慶応大矢上キャンパスに通う20代の男子学生が結核を発病し、別の男子学生2人が感染、ほかの学生88人も感染した疑いが強いと発表した。

 発病した学生と感染した2人はいずれも回復に向かっており、感染の疑いがある学生は予防薬を服用する。

 同市衛生局によると、発病した学生は2月、医療機関で結核と診断された。その後、キャンパス内で接触した可能性のある学生を検診し、集団感染が分かった。

 市衛生局は「今後、感染者の増加も考えられる」としている。

結核:感染准看護師の勤務病院の新生児と母親を検査 埼玉

 2004年05月07日 Mainichi INTERACTIVE
 埼玉県白岡町寺塚の産婦人科病院「山王クリニック」(北川優院長、67床)に勤務する准看護師の女性(51)が肺結核にかかり、同県幸手保健所と病院は、昨年10月以降に病院で生まれた新生児581人と母親570人を対象に、感染の有無を検査することを決めた。

 病院によると、准看護師は4月19日、同県立がんセンターで検査を受け肺結核と診断され、同21日から、同県蓮田市の病院に入院している。

 准看護師の発病した時期が不明なことから、病院と同保健所は結核専門医を交えた対策委員会をつくり、半年前にさかのぼり母子を検査する。4月に生まれた50〜60人には、感染後間もないとツベルクリン反応が陰性になるケースがあるため、予防薬の服用を呼びかけたり、保健所に臨時相談窓口を設置し対応する。

 病院を運営する医療法人「双鳳会」の松本二朗理事長の話 病院の管理が十分でなかった。誠意をもって対応したい。

結核:患者は2年連続減少 70歳以上が4割占める

2002年09月19日 Mainichi INTERACTIVE
 01年に結核を発病したと届け出た患者は3万5489人で、前年より3895人減ったことが19日、厚生労働省の調べで分かった。00年に続き2年連続の減少だが、70歳以上が占める割合は39.6%と過去最高を更新。人口10万人当たりの発病率も西欧諸国より高く、同省は患者を発見したら完治まで治療を続けるシステム(DOTS)の普及などを推進する方針だ。

 厚労省がまとめた結核発生動向調査結果によると、01年の人口10万人当たりの発病率は27.9人、結核による死亡者は2488人で、発病者数とともに2年連続の減少となった。

 結核の発病は戦後減少を続けていたが、97年から3年連続で増加し、旧厚生省は99年に「結核緊急事態宣言」を発令。厚労省健康局は予防や治療対策の強化などが発病者数や発病率の減少に結びついたとみている。

 しかし、発病率の国際比較では米国(5.8人)の4.8倍、フランス(10.3人)の2.7倍で、日本はまだ「結核中進国」。都道府県別で発病率の最も高い大阪府(51.9人)は、最も低い長野県(13.6人)の3.8倍で、地域格差も依然大きい。 【須山勉】

結核医師:診察受けた患者2600人を検診 神奈川の病院

2002年08月26日 Mainichi INTERACTIVE
 神奈川県綾瀬市深谷にある「綾瀬厚生病院」(阿部聡理事長)の内科に常勤していた男性医師(48)が肺結核で19日に死亡していたことが、26日分かった。詳しい感染ルートは判明しておらず、病院は外来や入院でこの医師の診察を受けた患者約2600人に郵送で結核検診を受けるよう通知した。

 同病院によると、医師は5日、体調不良で別の病院に入院。検査の結果、13日に肺結核と診断された。このため、綾瀬厚生病院は地元保健所に連絡。医師が使用していた診察室やカルテなどを消毒する一方、約200人の全職員に対し、レントゲンなどによる結核検診を実施したが、二次感染は確認されなかったという。

 病院関係者によると、死亡した医師は「交通事故の後遺症で呼吸器疾患があり、以前から何度も検査を受けていたが、肺結核の疑いはなかった」と話している。

学生ら127人 結核集団感染

2002年07月04日 The Sankei Shimbun
 千葉県健康福祉部は4日、木更津市の学校で学生ら127人が結核に集団感染し、うち1人が発病した、と発表した。

肺結核:国立療養所の女性看護師3人が感染

 2002年07月03日 Mainichi INTEARACTIVE
 奈良市保健所は3日、同市七条2の国立療養所西奈良病院(田村猛夏院長、370床)の結核病棟に勤務する女性看護師3人が肺結核に感染したと発表した。うち2人は入院中だが、いずれも軽症という。入院患者から感染した疑いもあり、保健所は感染の時期や経路などを調べている。

 保健所や同病院によると、20代の看護師がリンパ節の張りなどを感じ5月下旬に受診、6月中旬に感染が確認された。その後約250人の全職員を検査し、新たに50代、20代各1人の看護師の感染を確認した。結核病棟は2棟計100床あり、病院は結核患者の看護の際は特殊なマスクを装着するなどの感染防止策をとっていたという。

 同病院の梶川勝示事務長は「結核患者を預かる医療従事者から感染者が出たことは残念。感染防止策をさらに徹底させたい」と話している。 【野村和史】

で看護師ら9人が結核感染

2002年06月07日 The Sankei Shimbun
 札幌市のJR札幌鉄道病院(平賀洋明院長)は7日、同病院の看護師ら計9人が結核に感染する院内感染があったと発表した。

 感染者はいずれも12年10月に、同じ病棟で勤務していた20−30歳代の女性看護師8人と男性エックス線技師1人。4人は既に治り、残り5人の症状も軽いという。

 同病院によると、当時同病棟で亡くなった50歳代の女性入院患者から結核菌が見つかっていた。このため同時期に入院していた患者と病院の医療関係者ら、約530人の検査を実施する。

42人が結核に集団感染 東広島市など

2002/4/27 中国新聞
 広島県は二十六日、東広島市などの計四十二人が結核に集団感染している、と発表した。市内の男子学生(19)が発病したのを受けて広島県が実施した検診で、新たに軽症患者二人と感染者三十九人が判明した。

 県によると、大阪市内の医療機関が男子学生を肺結核と診断、二月十八日に届け出た。このため県は、男子学生と接触があった百五十四人に対し結核予防法に基づく定期外検診を今月十八日から実施。東広島市内と賀茂郡内のいずれも十九歳の男性二人を、軽度の肺結核と診断した。

 さらに男性三十八人、女性一人の計三十九人については「感染の可能性がある感染者」と診断した。最初に発病した男子学生は既に退院、通院しながら治療を受けている。軽症の二人は入院の必要がなく通院中で、三十九人は発病予防の薬を服用している。


宮内庁職員また結核

2000.11.17(12:49)asahi.com
 宮内庁は17日、職員1人が結核に感染していることがわかったと発表した。10月初めに皇太子ご夫妻に仕える東宮職幹部の感染が明らかになったばかりだが、同庁は「これとは無関係で、今回の職員は天皇、皇族方と直接接したこともない」としている。

 同庁などによると、感染がわかったのは、宮殿の維持管理に携わっている40代の男性職員。熱が続いたため13日から宮内庁病院で検査を受け、軽度の感染が判明した。当面は同じ職場の職員の検診を行うという。

新たに児童62人が結核感染 浜松の小学校

2000.10.11(17:53)asahi.com
 静岡県浜松市立小学校の男性教諭が結核を発病し、担任をしていた学級の児童13人が感染したとされる問題で、同市保健所は11日、同校の児童と教職員計631人を検査した結果、新たに2―6年生の児童62人が結核に感染した疑いがある、と発表した。いずれも発病はしておらず、予防のため薬の内服を指導するという。

 1年生と教職員からは感染者が出なかったが、市保健所は「感染者がどの学年、学級に集中しているかなどを確定するのは難しい」と説明している。

 男性教諭は今年4、5月ごろから、せきなどの症状が出始め、6月末に発病が確認された。

東宮職幹部が結核感染 皇太子ご夫妻も念のため検査へ

2000.10.03(22:58)asahi.com
 宮内庁は3日、皇太子ご夫妻の住む東京・赤坂の東宮御所に勤務する男性幹部職員が結核に感染していることがわかった、と発表した。東宮職の職員十数人が3日、結核の検査を受け念のため皇太子ご夫妻も5日に検査を受ける。

 この職員は別の病気で入退院を繰り返していたが、体調がすぐれないため2日に再入院した。病状が出ていたため結核の検査を受けたところ、感染する可能性がある「活動性結核」と診断された。

 宮内庁によると、この幹部職員は、皇太子ご夫妻と2カ月以上は近くで接触したことがないというが、ご夫妻も5日午後、宮内庁病院でレントゲンなどの検査を受けることになった。同庁の湯浅利夫次長は「あまり強い菌ではないらしく、両殿下をはじめほかの職員も感染している可能性は低いと思うが、医者とも相談し、検査を受けてもらう対象範囲を検討したい」と話した。

結核、新規患者3年連続で増加/厚生省調査 70歳以上の感染目立つ

2000.9.22 The Sankei Shimbun
 昨年一年間に新たに登録された結核の患者数は、前年より約四千二百人多い四万八千人余りで、三年連続で増加していることが二十二日、厚生省の結核発生動向調査で分かった。増加の幅は拡大しており、患者の発生が加速傾向にあることが鮮明になった。

 人口十万人当たりの新規患者数を示す罹患(りかん)率も三八・一で三年連続の上昇。オーストラリアの四・九、米国六・六などに比べ、先進国中、相変わらず突出している。

 厚生省は昨年七月、結核緊急事態宣言を行い、結核の脅威を再認識するよう呼び掛けたが、今回の結果に対し「高齢化の進展で、七十歳以上の患者の大幅増加が影響している。今後も加速していく危険がある」と警戒感を一層強めている。

 集計によると、昨年の新規登録患者は平成十年より四千二百四十八人多い四万八千二百六十四人で、罹患率は三・三アップ。年間の死者は二千九百三十五人で、百四十人増えた。

 新規の患者数は九年に、昭和三十五年以来の減少傾向が三十八年ぶりに増加に転じた。この時の増加幅は二百四十三人、罹患率は〇・二の上昇だったが、平成十年には千三百一人と〇・九に拡大。今回は一層拍車がかかった形だ。

 新規患者を年代別で見ると、七十歳以上が三九・一%。前年からの増加数は三千人で、増加加速の最大要因となっている。若い時に感染した人が、年を取ったために免疫力が低下し、発病しているとみられる。幼児や学童など若年層の患者も増えており、高齢患者からの感染とみられている。

 都道府県別で最も罹患率が高いのは大阪府で七四・九。次いで兵庫県(五三・〇)、和歌山県(五〇・〇)。低いのは長野県(一七・三)、山梨県(二三・四)、山形県(二四・二)。

小学生13人が結核に感染の疑い 担任教諭から感染か

2000.09.14(18:00)asahi.com
 静岡県浜松市保健所は14日、結核を発病した同市立小学校の男性教諭が担任していたクラスの児童36人のうち、13人が結核に感染した疑いがある、と発表した。いずれも発病していないが、市保健所は「感染が広がっている可能性がある」として、全校の児童と教職員計約630人の検査をすることを決めた。

 市保健所によると、教諭は6月末に結核と診断された。夏休み明けの今月6日に児童へのツベルクリン反応検査をしたところ、13人が強い陽性反応を示し、ほかの1人も「要精密検査」と診断されたという。

 保健所はこれまで「児童への感染の恐れはほとんどない」としていた。市保健予防課は「結果的に(教諭から)微量の排菌があったのではないか」と説明。教諭から児童に感染した疑いがあることを認めた。

 教諭が結核と診断されて2カ月以上たってから児童へのツベルクリン反応検査を実施したことについて、保健所は「反応がはっきり出るまで2カ月程度かかる。検査が遅かったとは思わない」としている。

医師が結核になり、22人院内感染の疑い 埼玉

2000.09.04(23:56)asahi.com
 埼玉県川島町の川島病院(松本和夫院長、238床)で男性内科医(64)が結核になり、ほかの医師や看護婦、外来患者ら22人が院内感染した疑いがあることが4日わかった。東松山保健所などによると、感染した疑いのある医師らは結核の発病を予防する薬を飲み、男性内科医は東京都内の病院を退院して自宅療養している。

 川島病院によると、内科医は4月中旬に体のだるさや微熱を感じ、同17日に検査を受けた。翌日夜になって結核の発病がわかったという。感染ルートはわかっていない。

 病院から連絡を受けた東松山保健所が病院の職員や患者を対象にツベルクリンやレントゲンの検査をしたところ、医師2人、看護婦10人、事務職員9人、外来患者1人の計22人が陽性反応を示した。

高校生が結核発病、同級生ら22人に感染の疑い 群馬

2000.08.05(20:24)asahi.com
 群馬県保健予防課は5日、前橋市内の高校に通う2年生の女子生徒(17)が結核を発病し、同じ高校の生徒ら22人に集団感染した疑いがあると発表した。今後、感染が広がる可能性はほとんどないという。

 同課によると、この女子生徒は今年5月に結核と診断され、前橋市内の病院に入院した。このため、同じ高校の生徒ら497人に対して健康診断をしたところ、生徒21人と女子生徒の家族1人がツベルクリン反応で陽性を示すなどした。

結核対策、糖尿病患者を重点に呼びかけ 厚生省

2000.06.26(21:09)asahi.com
 せきやたん、微熱が続く糖尿病の患者さんは、結核を疑って検査を受けてください――近年、復活傾向にある結核への対策を検討している厚生省は26日、健康な人より結核発症の危険性が4倍高いとされる糖尿病患者らに絞って、こんな呼び掛けを進めることを決めた。患者本人のほか医療機関、福祉従事者らのための手引きを作成し、早期発見に努める考えだ。

 同日開かれた公衆衛生審議会検討班で、対策がまとめられた。

 糖尿病患者に注目したのは、患者の免疫力が低下するため。結核は感染しても全員がすぐに発症するわけではなく、体力や免疫力が低下したときに発症する。結核を発症する新規患者は、年間4万人といわれ、その7割以上が50代で占められている。かつて感染し発症しなかった人が、高齢化とともに発病する例が多いためとみられている。

 糖尿病患者の場合、結核を発症する危険性が3―5倍高いという国内外の研究結果があり、高齢者対策と並んで重点的な啓発が必要だ。糖尿病患者数は156万人、治療を受けていない人らを含めると200万―300万人といわれる。

 だが、専門外の医師や看護婦が結核の併発を疑うことは少なく、発見の遅れが指摘されていた。通院先で医師らが症状をつかんで検査を勧めれば、早期発見につながる。重症化する前に治療できれば、新たな感染を防ぐこともできる。

 手引きは糖尿病学会などとも協力して作成。患者らのほか全国の医療機関、介護関係者らに配布する予定だ。

札幌の高校で生徒30人が結核に集団感染

[北海道新聞 2000年6月23日]
 札幌市内の高校で生徒一人が今年初め、肺結核を発病し、その後、生徒三十人に集団感染していたことが二十三日までに分かった。札幌市保健所は感染者が増える恐れもあるとみて調べているが、発病予防の対策を行っており「感染者が発病する可能性は低い」としている。

 札幌市保健福祉局によると、今年一月中旬、札幌市内の高校の二年生男子がせきや高熱の症状を訴え、二月末に市内の病院に入院。この病院から三月三日、肺結核と診断したと札幌市保健所に届け出があった。

 このため、同保健所はこの生徒の接触者を調べるとともに、四月中旬から、家族、同級生、教職員など八十八人に対し、ツベルクリン反応検査やエックス線検査などを行った。

 その結果、陽性反応が出るなどして二十五人の感染を確認。さらに対象範囲を広げ、五月下旬から二十二人を検査した結果、五人の感染が分かった。計三十人の感染者のいずれも発病はしていない。

 同保健所と学校側は感染者に対し説明会を開き、医療機関での受診を指導。発病予防の措置を取っている。

 また、札幌市は念のためさらに検診対象者の拡大も準備している。この高校の教頭は「残念な結果になったが、今後は保健所の指導を受けながら対処していきたい」と話している。

 結核の集団感染は感染者が二十人以上になった場合を指す。道によると、過去五年間の道内の学校での集団感染は、一九九五年五月に函館保健所管内の小、中、高校で、患者一人、感染者三十二人が確認されたほか、九七年十一月には同管内の小学校で患者一人、感染者五十六人、九九年六月に千歳保健所管内の高校で患者一人、感染者六十七人が出ている。

4人が結核発病、1人死亡

2000年5月24日 19時35分共同
 三重県健康対策課などに、24日入った連絡によると同県松阪市山室町の老人保健施設「カトレア」(松本隆史理事長)で昨年7月から今年4月にかけて、入所者や介護職員計4人が結核を発病、うち最初に発病した入所者の男性(76)が昨年8月に死亡していたことが分かった。また職員11人が感染の疑いを持たれ、投薬治療を受けた。発病した4人から同一の菌が検出され三重県は集団感染と断定した。

世界一周客船で結核患者

2000年4月24日 19時34分
 世界一周客船ツアーの途中で重症の結核患者が発生し、乗客に感染した疑いがあるとして、厚生省が東京検疫所や患者が住む地元保健所と連携しながら同乗した606人の乗客の追跡調査を進めていることが24日分かった。同日、開かれた公衆衛生審議会結核予防部会で報告された。

児童ら102人結核感染

2000年4月21日 19時45分
 福岡市は21日、福岡市内の小学校の児童ら102人が、結核に感染したとみられる、と発表した。小学校勤務で、1月に結核と診断された男性教諭(44)から感染したとみている。福岡市によると、教諭の授業を受けていた3,4年生や、クラブ活動の児童計261人に、ツベルクリン反応検査をした結果、101人が陽性だった。また男性教諭の家族1人も陽性だった。小学校の教職員30人には異常はなかった。

医師や患者ら20人が結核感染の疑い 青森県立中央病院

6:35p.m. JST April 18, 2000
 青森市東造道2丁目の県立中央病院(福島裕院長)で、入院患者が結核を発症していたことに気付かずに接した医師や看護婦、患者ら計20人が結核に感染した疑いがあることが18日、わかった。いずれも発病はしていない。県は院内での集団感染として厚生省に報告するとともに、入院患者に事情を説明した。

 県によると、感染源とされる患者は、昨年12月3日に救急車で搬送されてきて、入院した。3月1日に結核に感染していることがわかり、結核病棟に移した。青森保健所は、患者と接触のあった医師、看護婦、入院患者ら187人の検診を行い、医師1人、看護婦14人、入院患者ら5人が結核に感染している疑いが強いことがわかった。

水泳教室の34人が結核感染の疑い 埼玉・狭山市

9:53p.m. JST April 12, 2000
 埼玉県狭山市のスイミングスクールで送迎バスの運転手をしていた男性(57)が結核で入院し、バスを利用していた小学生と保護者ら34人が結核に感染した疑いがあることが12日わかった。狭山保健所は34人に対し、予防薬を内服するよう指導している。

 狭山保健所によると、この運転手は昨年11月ごろからせきが出始めた。専門病院で検査したところ、結核菌が検出されたため、1月中旬に入院した。現在は退院している。

青森市の小学生3人が結核、非常勤職員から感染

10:26p.m. JST March 29, 2000
 青森市内の小学校に青森県教委が派遣していた非常勤職員の男性(57)が結核にかかり、接触した児童3人も感染していたことが29日、わかった。県健康福祉部によると、男性は昨年10月に採用されたが、学校にいる時間が少ないことを理由に、一般の教職員に課せられている健康診断を受けていなかった。県は児童らの検査を2月から続け、受検者は約350人に上っているが、「不安を与える」などの理由でこうした事実を公表していなかった。

 県によると、男性は昨年10月、児童の相談相手になる「学校生活支援員」として県教委に採用され、青森市内の小学校11校を巡回していたが、昨年12月、せき込んで血を吐き、検査で結核に感染していたことが分かった。

 このため県は今年2月、男性が接触した頻度が高かったと見られる教職員と児童の計45人にツベルクリンやレントゲンの検査を実施。3人の児童が強いツベルクリン反応を示したため、検査対象を広げた。3人の児童は投薬など発病を防ぐための予防措置を受けている。

結核に86人が集団感染

2000年3月13日 19時06分
 長野県の長野保健所は13日、同県埴科郡の精密機器製造工場で、従業員と家族ら計86人が結核に集団感染し、うち27歳と34歳の男性従業員2人が発症したと発表した。

 同保健所は発症していない84人に抗結核薬の服用を指導するとともに、同工場に対し結核についての研修を行うよう注意喚起した。

 発症した2人は、会社の定期健診で昨年11月から12月にかけて結核と診断された。

内科医も結核に感染か?

2000年2月23日 16時21分
 入院患者8人が結核に集団感染し、うち5人が死亡した新潟県立がんセンター新潟病院(新潟市)で、患者を担当していた内科医が結核に感染している疑いがあるとして別の病院に入院していることが23日までに分かった。この内科医は今月15日のエックス線検査で結核に感染している疑いが強まり、翌日、結核病棟のある市内の別の国立病院に入院。ツベルクリン反応で陽性と診断されたという。

静岡・浜松で警察署員ら28人が結核に感染の疑い

6:30p.m. JST January 02, 2000
 殺人、死体遺棄容疑で昨年9月に逮捕、起訴された静岡県浜松市内の男性の被告(57)が結核だったため、取り調べや護送にあたった浜松東署員や検察庁、裁判所職員計28人が結核菌に感染した疑いがあることが、2日までにわかった。警察官らに発病者はいないが、通院して予防薬の服用を続けている。

 起訴状によると、被告は昨年8月にスナックの女性経営者(当時52)を殺し、同県浜北市の天竜川河川敷に捨てた、とされる。逮捕後の検査で、せきなどに混じって結核菌が空気中に放出される「排菌」の状態と確認され、1カ月間の拘置執行停止を受けて市内の病院に入院し、11月になって起訴された。

 同署が、その間に被告と接触した署員124人にツベルクリン反応検査を実施したところ、取り調べにあたった刑事や看守ら25人に強い陽性反応が出た。このほか、静岡地検浜松支部や静岡地裁浜松支部の職員ら計3人にも陽性反応が出たという。

結核を保健所に届け出ず 厚生省は事情を聞く方針 新潟

11:31a.m. JST November 03, 1999
 新潟市の新潟県立がんセンター新潟病院(栗田雄三院長)で結核の集団感染が発生し、5人が死亡した問題で、同病院が患者1人について、結核予防法で義務づけられている保健所への届け出をしていなかったことがわかった。同法では感染拡大を防ぐため、結核と診断してから2日以内に最寄りの保健所に医師が届けるよう定めている。厚生省は「感染防止策が手遅れとなり、感染拡大を招きかねない」として、4日に集団感染対策の専門家を同病院に派遣して予防対策の指導をするとともに、届け出が遅れた事情についても聴く。

 新潟県や市保健所によると、9月12日に肺がんで死亡した70代の男性については、10月6日に結核と判明したにもかかわらず、今月2日になっても届けが出ていない。また、2人については診断してから4日後に届けている。このため、同保健所は2日、早急に届け出るよう病院を指導した。

 同病院の横山晶・内科部長は「患者が死亡していて感染源にはなり得ないので、届け出るという意識が薄かった」と話している。

保健所へ結核死亡届け出1カ月後 新潟県立がんセンター

10:37a.m. JST November 03, 1999
 新潟市の新潟県立がんセンター新潟病院(栗田雄三院長)で結核の集団感染が発生し、5人が死亡した問題で、同病院が患者1人について、結核予防法で義務づけられている保健所への届け出をしていなかったことがわかった。同法では感染拡大を防ぐため、結核と診断してから2日以内に最寄りの保健所に医師が届けるよう定めている。厚生省は「感染防止策が手遅れとなり、感染拡大を招きかねない」として、4日に集団感染対策の専門家を同病院に派遣して予防対策の指導をするとともに、届け出が遅れた事情についても聴く。

 新潟県や市保健所によると、9月12日に肺がんで死亡した70代の男性については、10月6日に結核と判明したにもかかわらず、今月2日になっても届けが出ていない。また、2人については診断してから4日後に届けている。このため、同保健所は2日、早急に届け出るよう病院を指導した。

 同病院の横山晶・内科部長は「患者が死亡していて感染源にはなり得ないので、届け出るという意識が薄かった」と話している。

結核患者の救急搬送を拒否

1999年10月23日 11時36分 共同通信社
 広島県福山市の福山地区消防組合が、入院の必要な同市内の重症の男性結核患者(88)の救急搬送を拒否していたことが23日までに明らかになった。男性患者は、症状が重く、家族への感染の可能性があったため、医師は同消防組合に電話。「厳しい病状のため、救急車で搬送してもらうしかない」と説明したというが「結核患者は受け入れられない」などと断られたという。

学生ら18人が結核感染

1999年10月12日 19時11分 共同通信社
 金沢大に通う20代の男子学生が結核を発病、診察した病院が診断結果を保健所に届け出ず、十分な管理をしなかったため、学生の家族や同級生ら計17人が感染していたことが12日、石川県の調べで分かった。石川県は8月、結核予防法に基づき病院を立ち入り検査、カルテなどを調べた。同課は病院の体制に不備があったとして、結核の届け出や菌の検査の徹底を図るよう文書で指導した。

高校生が結核に集団感染

1999年10月8日 17時31分 共同通信社
 香川県薬務感染症対策課は8日、県内の男子高校生4人が結核に感染したと発表した。4人は入院しているが、当初のせきや発熱の症状は治まっているという。県は集団感染として厚生省に報告した。

厚生省、結核の院内感染防止へ手引書案まとめる

9:00p.m. JST September 29, 1999
 厚生省は29日、最近目立つ結核の院内感染を防ぐための手引書案をまとめた。近く正式に決定する。早期発見のポイントや患者が発生したときの対応など基本的な事項をはじめ、結核病床をもたない一般病院や、精神病院、高齢者の入居施設など施設の状況に応じた対応が記されている。厚生省が院内感染防止のための手引書を作るのは初めて。

 院内感染は、ここ数年急増しており、昨年は9件発生した。今年もすでに5件発生、患者発見の遅れやその後の対応に問題があったケースもあった。専門家の間でも病院関係者の認識の低さが問題視されている。

 厚生省の「積極的結核疫学調査緊急研究班」(主任研究者・森亨結核予防会結核研究所長)がまとめた。せきが続く患者に結核菌の検査を実施することや、患者が発生した際には2日以内に保健所に届け出ることなど、基本的なポイントが記載されている。そのほか、職員の採用時にツベルクリン反応を実施しておくと、院内感染が発生したときに、感染の有無を判断する有力な情報となるなど、発生に備えた対策も紹介している。

 手引書案は、この日開かれた公衆衛生審議会結核予防部会に提示され、ほぼ了承された。

結核新患者が2年連続増

1999年9月24日 20時39分 共同通信社
 昨年1年間に新たに登録された結核の患者数は、前年より約1300人多い4万4000人余りで、2年連続の増加となったことが24日、厚生省の結核発生動向調査で分かった。

 人口10万人当たりの罹患(りかん)率も34・8で、2年連上昇した。

高校で生徒ら36人が結核に

1999年9月22日 20時42分 共同通信社
 北海道保健予防課は22日、千歳保健所管内の道立高校で男子生徒1人が結核を発症し、ほかの生徒や家族35人が結核に感染したことが確認されたと発表した。35人は発症していないが、ほかにも32人がツベルクリン反応陽性で、最終的な感染者は68人になる可能性がある。

聖マリ医大で集団感染か

1999年9月11日 13時39分 共同通信社
 聖マリアンナ医科大学(川崎市宮前区)で、4年生2人が結核に感染し、ツベルクリン反応の検査で学生42人に強陽性反応が出ていることが11日、分かった。同大は2人のほかに感染者がいないか調べるため、近く全学生を対象にした集団検査を実施する。

聖マリアンナ医大生、集団結核の疑い 42人が陽性反応

03:12a.m. JST September 11, 1999
 川崎市宮前区の聖マリアンナ医科大学で、4年生2人が結核に感染し、ツベルクリン検査でほかの学生42人にも強陽性反応が出たことが10日、分かった。集団感染の疑いもあるとみて、大学は来週にも集団検診をする。

 大学側によると、5月の定期健康診断で、女子学生1人が結核に感染していることが分かった。7月に同じクラスの男子学生がせきなどを訴え、ツベルクリン検査で結核の初期感染を示す反応が出た。

 このため、夏休み明けの7、8日に、4年生全員と、2人が所属している運動部員の計130人にツベルクリン検査をした。

 強陽性反応が出た42人についてはレントゲン検査を行ったが、発症を表す兆候は見られなかったという。

 豊田順一学務部長は「菌の放出者は見つかっていないので、周りに感染させる恐れはないと思う。集団感染かどうかは保健所の判断を待ちたい」と話した。4年生が一般患者と接することはないという。

14人が結核集団感染

1999年9月6日 13時42分 共同通信社
 京都市上京区の宗教法人の施設で、6歳から86歳までの男女計14人が結核に感染していることが分かり、京都市保健福祉局は6日、集団感染として厚生省に連絡した。

 14人は京都市や京都府京田辺市、宇治市などに住み、施設に通っている人や宗教法人の職員など。うち9人にせきなどの症状が出て4人が入院している。

遺伝子工学で新しい結核ワクチン開発へ 厚生省研究班

03:12a.m. JST August 28, 1999
 遺伝子組み換えなどの技術を利用し、BCGに代わる新たな結核ワクチンを開発しようという試みが、厚生省の研究班(主任研究者=岡田全司・国立療養所近畿中央病院臨床研究部長)によって始まった。研究班は、高齢者や糖尿病などの病気で抵抗力の弱まった人たちの間で結核患者が増加していることに注目。新たなワクチンによって結核菌に対する体の免疫反応を高めることで、結核の予防だけでなく発病後の治療、さらには薬の効かない多剤耐性結核の治療にも効果が期待できるとしている。研究班は今年度中にマウスを用いた動物実験を開始し、安全性が確認されれば、厚生省の承認を得て、患者への臨床研究に進みたいとしている。

 結核菌が人の体内に入ると、白血球の仲間であるリンパ球などが働き、菌に対抗しようとする。岡田部長によると、こうした免疫細胞の中でも、外敵を攻撃するキラーT細胞が結核菌の殺傷に重要な役割を果たしていることが近年の研究で明らかになってきたという。

 そこで研究班は、(1)キラーT細胞の活性化を促すたんぱく質を遺伝子工学の技術を用いて大量に作りだし、人体に投与する(2)体内でキラーT細胞を生み出すのに必要なたんぱく質を作る遺伝子を従来のBCGワクチンに組み込む(3)キラーT細胞を活性化させるたんぱく質を作る遺伝子を組み込んだワクチンを開発する――の3つの方法で新しいワクチン開発を進める。動物実験の結果、最も効果の高いことが証明されたワクチンを臨床研究に採用したいとしている。

 現在、日本の結核予防の柱の1つになっているBCGは、乳幼児の結核の重症化を防ぐ効果は世界的に認められている。だが成人への予防効果については議論が分かれている。接種の効果も10年から15年程度しか持続しない。

 岡田部長は「成功すればBCGよりも強力なワクチンになりうる」と話している。

多剤耐性結核に関東で7人感染 主な薬効かない

03:01a.m. JST August 08, 1999
 主要な薬の2種以上が効かず、治療が極めて難しい「多剤耐性結核」が、関東地方で集団感染を起こしていることが7日分かった。1998年までに7人が感染、そのうち5人が発病、現在も入院している。結核予防会によると、多剤耐性結核の集団感染はこれまでに2件起きている。菌は社会に広まりつつあると見られ、専門家は一刻も早く予防対策を取る必要があると警告している。

 多剤耐性結核に集団感染したのは、関東地方に住む20歳代から60歳代の男性5人と家族2人の計7人。男性5人は96年から98年にかけて発病し、現在も入院している。主治医によると、菌の指紋にあたる遺伝子パターンが5人とも同じだったため、集団感染と分かった。全員趣味の仲間で、4畳半ほどの狭い部屋に週数回集まり、飲食などをしていた、という。

 国内では10種類の結核治療薬が使えるが、多剤耐性結核菌は、そのうち最も有力な薬2種以上が効かない。今回の菌は、さらにもう1種類も効かない3剤耐性だった。普通の結核なら、きちんと治療すれば9割以上の人が半年で治るとされているが、多剤耐性結核は使える薬が限定されるため、治療が難航する。今回の患者5人も1年から3年以上治療を続けている。

新潟県で高校生が結核感染

2:04p.m. JST August 07, 1999
 新潟県内の県立高校の女子生徒が結核にかかり、入院していることが七日、分かった。学校では、生徒の間に集団感染している疑いもあるとして、九日にも、入院した生徒と接触した可能性のある生徒を対象にレントゲン撮影などの集団検診を実施する。

学生28人が結核集団感染

1999年8月5日 17時12分 共同通信社
 滋賀県健康対策課は5日、滋賀大(同県彦根市)の3年男子学生(21)が結核を発病して入院したほか、滋賀大と滋賀県立大(同)の学生27人が結核に集団感染したと発表した。男子学生は、結核病床を持つ県外の病院に入院。感染した27人のうち3人も発病、通院で治療を受けている。残りの24人には予防のための内服薬が投与された。

5年半で集団感染139件

1999年7月26日 20時39分 共同通信社
 1994年以降、全国で結核の集団感染が計139件起きており、このうち中学校や高校など教育施設での集団感染が、計48件、病院内での院内感染が計35件に上ったことが26日、厚生省のまとめで分かった。

看護婦4人が結核に感染 共同通信社

1999年7月15日 13時42分
 愛知県豊橋市の豊橋市民病院に入院中の男性(75)が結核を発病していたことが分かり、同病院が看護婦を検診したところ、うち4人が結核に感染していることが豊橋市保健所の調べで15日、分かった。4人は発病していない。

生徒ら100人結核感染の疑い

1999年6月30日 15時54分 共同通信社
 埼玉県大宮市の市立中学校で、20歳代の男性教諭が結核を発病しているのに気付かずに授業を続け生徒や教職員計 100人に感染した疑いがあることが、30日までに分かった。男性教諭以外に発病者はいないが、保健所が生徒らに対し発病しないよう予防薬の服用を指導している。

 同県健康福祉部によると、男性教諭は3年生のクラスの担任だった昨年12月中旬からせきなどの症状があった。今年2月に病院で受診し、結核と診断され現在も入院治療中という。

帝京大病院で結核集団感染の疑い 医師、発病知らず勤務

6:02p.m. JST June 27, 1999
 東京都板橋区の帝京大学病院(真野健次病院長)で、外科医(30)が肺結核を発病していたのを知らずに診療を続け、同病院の医師や看護婦ら37人が集団感染している疑いのあることが分かった。外科医が担当した患者約120人について検査を進めているが、発病者は確認されていないという。

 病院側の説明によると、この外科医は昨年8月中旬、せきや発熱を訴えて内科で診察を受け、肺炎の治療を受けた。その後、症状が改善されたため勤務を続けたが、今年1月下旬になって血たんが出るようになり、たんから結核菌が検出された。
 同病院と板橋区保健所が、外科医と接触のあった病院のスタッフ200人余りを対象に、今年2月と4月の2回、ツベルクリン反応を検査したところ、37人に強めの陽性反応が出たため、発病を防ぐための予防薬を処方した。
 外科医の担当患者約120人についても、各地の保健所と連絡をとり、30歳以上については胸部のレントゲン検査を、30歳未満はツベルクリン反応の検査も合わせて進めているが、板橋区保健所によると、現時点で検査が終わった約100人の中には発病者は出ていないという。
 同保健所によると、帝京大学病院は昨年11月、結核の院内感染マニュアルを作成し、今回もそれに基づいて対応したという。
 また、同保健所から都衛生局には4月下旬に報告があったが、都は「患者の検査結果の結論が出ていない」として、厚生省に報告したのは今月23日になってからだった。

看護学校で結核の集団感染

1999年6月25日 19時51分 共同通信社
香川県薬務感染症対策課は25日、県内の看護専門学校で昨年2月以降、学生やその家族など6人が結核に感染していたことを明らかにした。同課は『同一菌株による感染とは断定できない』としながらも、発生状況などから疫学的に集団感染と断定、厚生省に報告した。現在、1人が再入院中で、2人が通院治療している。  

 

 感染者の中には病院に勤務している学生もいるが、同課は『今のところ病院から集団感染の情報は寄せられてない』と説明している。

結核の届け出不十分 愛知では3人に1人は届け出なし

2:18p.m. JST June 22, 1999
 結核予防法で義務づけられている結核患者の保健所への届け出が実際には適正に行われていないことがわかった。愛知県内の保健所が人口動態死亡統計で死因が「結核」と判定できた事例を調べたところ、3人に1人は結核の届けが出ていなかった。無届けの4割以上は活動性結核だった可能性が高く、家族などへの感染が心配されるものだった。5月末に患者2人が死亡したことが発覚した福島県喜多方市の病院でも報告を怠った疑いが強まっているほか、ここ数年、国立病院などでも報告が遅れた事例が相次いでいる。

 愛知県保健所長会が、1992年から94年の3年間に、死亡統計で結核死とみられる同県内の死亡者について調べたところ、結核で死亡したとされる人は358人いた。そのうち、35%にあたる125人が結核の届け出がなかった。

 無届けのうち、42%にあたる52人は、死亡診断書から、明らかに結核死と考えられ、感染力をもつ活動性結核である可能性が強いことがわかった。うち4人は喀血(かっけつ)もしていた。このほか、46%にあたる58人も感染性結核の疑いが強かった。

 また、無届けのうち、21人は自宅で死亡しており、そのうち6人は明らかに結核死と考えられた。

 結核予防法では、医師は結核と診断したときは2日以内に保健所に届けることが義務づけられているが、厚生省によると、厳密に2日以内の届け出を守っているのは5割程度ではないかという。愛知県は結核対策に力を入れている県だけに、ほかの県も同様ではないかとみる。

 97年には国立病院などで届け出が大幅に遅れた事例が相次ぎ、厚生省は各都道府県に通知し、届け出の厳守を指導している。

小学生のBCG廃止の方向へ 乳幼児期の接種徹底が前提

7:58p.m. JST June 02, 1999
 結核の予防接種として実施されているBCGについて検討していた厚生省の作業班(座長=石川信克・結核予防会結核研究所副所長)は2日、結核予防法に基づいて小学生に行われているBCGの実施を廃止する方向を示した。年間90万人近い小学生が接種を受けているが、再接種の有効性が必ずしも科学的に証明されていないことなどが理由だ。しかし、乳幼児期に受けることになっている初回接種の徹底と充実、接種漏れの対策をたてることを前提としており、厚生省は「実際の廃止の時期は少なくとも数年先」との見解を示している。

 石川座長が、この日開かれた公衆衛生審議会の結核予防部会で作業班報告書を明らかにした。

 BCGは1974年から定期化された。対象年齢は0―3歳、小学校1年生、中学校2年生で、ツベルクリン反応が陰性の子どもに接種されている。

 94年の法改正で義務から勧奨接種に変わったが、厚生省の調べでは、96年度には全国で約262万人が接種を受けており、接種率はどの年齢でも95%を超えている。

結核の集団感染、3年で4倍に 若者の免疫低下が原因

9:44p.m. JST May 01, 1999
 結核の集団感染が1998年は41件発生し、3年間で4倍に急増していることが、厚生省のまとめでわかった。学校や職場、病院などで多発している。結核に対する若い人の免疫力が落ちて、患者が発生すると、周囲に感染しやすくなっているためとみられる。今年に入ってからも高知市の公立中学校で、170人近い患者が発生し約470人が経過観察が必要とされた集団感染が発生している。結核は復活のきざしをみせており、厚生省は「過去の病気という意識をもたずに注意してほしい」と呼びかけている。

 厚生省は、結核の集団感染を、20人以上が感染した場合などと定義し、94年から発生の報告を求めている。

 それによると、94、95年はそれぞれ11件だったのが、96年には21件、97年には29件と増えた。98年の発生件数は95年の約4倍にあたる41件と急増、患者数は1111人にのぼった。

 発生場所をみると、中学や高校など学校での発生が12件。昨年4月には福島県の高校で患者数が125人、同9月には福岡県の中学校で134人にのぼる集団感染が起こっている。職場での発生も9件、病院が8件で、老人福祉施設や飲食店、塾などでも発生していた。

 結核患者38年ぶり増加。罹患率も一転上昇。背景に高齢化社会。結核の脅威再認識必要、と厚生省。昨年1年間に新たに登録された結核の患者数は、4万2700人余りで1960年以来続いていた減少傾向が一転して38年ぶりに増加、人口10万人当たりの罹患(りかん)率も33.9となり、43年ぶりに上昇したことが22日、厚生省の結核発生動向調査年報集計で分かった。 

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