TOPIC No.4-34 知的財産権

01. 

「一太郎」控訴審始まる 特許侵害めぐり知的財産高裁

2005/04/25 The Sankei Shimbun

 ジャストシステム(徳島市)のワープロソフト「一太郎」などに特許権侵害部分があるとして、松下電器産業(大阪府門真市)が、販売差し止めなどを求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が25日、知的財産高裁(佐藤久夫裁判長)で開かれた。

 2月の1審東京地裁判決で、特許侵害部分のある製品の販売差し止めを命じられたジャスト社側は控訴理由書で一審判決を取り消し、松下の請求を棄却するよう求めた。松下側は答弁書で反論した。

 一審判決は一太郎と画像ソフト「花子」のアイコン機能に松下の特許に触れる部分があると認定。仮執行は認めなかったため、販売は継続された。ジャスト社は3月、問題部分を画面上から外す修正プログラムを、同社のホームページを通じて利用者に無償で提供している。(共同)

音楽ファイルの無料交換、二審も差し止め 東京高裁

2005/03/31 The Sankei Shimbun

 インターネット経由で音楽ファイルを無料交換できるサービス「ファイルローグ」をめぐり、日本音楽著作権協会とレコード会社19社が運営会社「日本エム・エム・オー(MMO)」(東京)に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は31日、計約7100万円の支払いを命じ、サービスを差し止めた一審東京地裁判決を支持、MMO側の控訴を棄却した。

 音楽ファイルのネット交換をめぐり高裁が著作権侵害を認めたのは初めて。MMOは2002年4月の仮処分決定を受け、サービスは既に停止している。

 同種の機能を持つ「ファイル共有ソフト」を使って映画などの違法なコピーが公開されたり、個人情報が流出する事件も相次いでいるが、ネットを使ったファイル交換の利便性を支持する声も強く、今後も議論を呼びそうだ。

 判決理由で佐藤久夫裁判長は「MMOは、多くの人が、市販のCDなどを複製した音楽ファイルの無料交換ができると考えて利用することは十分予想できた」と指摘。

 その上で「MMOはレコード会社などの著作権を侵害することの予見可能性が十分あり、違法な利用をさせないようにする義務があった」と認定。一審同様に1ファイルの月額使用料を2000円相当と判断し、損害額を算定した。

 判決によると、MMOはカナダの会社と提携して2001年11月から、インターネット上で音楽ファイルを交換できるソフトウエアを提供した。

 東京地裁は03年12月の判決で、著作権協会側に3450万円、レコード会社側に計約3650万円を支払うよう日本MMOに命じていた。(共同)

東芝巨額賠償:知的財産権、時には企業経営に大きなリスク

2005年3月25日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 デジタルカメラなどに使われるメモリーカードの技術開発に絡んで東芝が25日までに、米カリフォルニア州サンタクララ郡地裁の陪審で計約4億6500万ドル(約495億円)という巨額の賠償を命じる評決を受けたことは、知的財産権を巡る対応に企業経営を揺るがす大きなリスクをはらんでいることを改めて浮き彫りにした。東芝は「評決は不当で、今後、主張が認められるようあらゆる法的手段を用いる」と徹底抗戦の構えを示しているが、高額賠償が確定すれば業績へのダメージは避けられない。

 知的財産権を巡る訴訟は90年代前半から頻発し、オートフォーカス特許訴訟で敗訴したミノルタが、1億2750万ドル(約160億円=当時)の和解金を米企業に支払ったケースなどがある。

 しかし、今回の東芝に対する賠償金は、同社の連結営業利益の1600億円(05年3月期見込み)の約3分の1に相当する額で、経済産業省も「この賠償額で確定すれば、知的財産権違反で日本企業が受ける賠償としては最高額になるのではないか」と今後の行方を注視している。

 問題とされたのは、これまで多かった特許侵害などとは異なり、東芝が97〜99年に米レキサー・メディア社に出資して開発協力した際の営業秘密の取り扱い。レキサー社は「東芝がこの時の技術を、後に別の企業と製品化した」と盗用を訴えていた。これに対し、東芝は「技術は当社の発明」としており、主張は真っ向から対立している。

 ただ、今回のように複数の企業で開発協力する際には、事前に契約で営業秘密の管理について順守すべき項目を、厳密に詰めておく必要がある。技術漏えいなどの意図はなくても、後から想定外の訴訟を起こされるリスクがあるためだ。

 経産省も機密漏えいなどの罰則を強化する不正競争防止法の改正と合わせて、秘密保持契約のあり方などに関する指針を作成し、早急に公表したい考えだ。【上田宏明】

東芝に追加賠償命令 米 メモリーカード技術開発めぐり

2005/03/25 The Sankei Shimbun

 デジタルカメラなどに使われるメモリーカード技術開発に絡み、米デジタル機器製造会社レキサー・メディアが東芝と東芝の米子会社に損害賠償を求めた訴訟で、米カリフォルニア州サンタクララ郡地裁の陪審は24日、約8400万ドル(約89億4000万円)の懲罰的賠償を命じる評決を下した。レキサー社が発表した。

 同陪審は23日、約3億8100万ドルの賠償を東芝に命じており、これで賠償総額は約4億6500万ドル(約495億円)となった。

 東芝は25日発表した声明で「当社はNAND型フラッシュメモリー(電気的に一括消去・再書き込み可能なメモリー)技術の発明企業であり、その開発をリードしてきた」と強調。その上で「今回の評決は不当で、今後、当社の主張が認められるよう、あらゆる法的手段を用いる」としている。

 レキサーの発表などによると、東芝は1997年以降、レキサーとの協力によるメモリーカード技術開発で記憶機能の情報などを得たが、その後契約を結んだ同分野のライバル企業米サンディスク社に情報を流した。

 レキサーは、その結果販売されたサンディスクなどの製品により損害を受けたと主張、2002年、約10億ドルの賠償を求め同地裁に提訴した。(共同)

TVのネット配信で使用料 著作権の関連団体と合意

2005/03/23 The Sankei Shimbun

 日本経団連は23日、放送されたテレビ番組などがブロードバンド(高速大容量)のインターネットで配信される場合、番組の著作権を持つ関連団体へ支払われる使用料について、日本音楽著作権協会や日本レコード協会、日本民間放送連盟など関係団体間の合意が成立した、と発表した。

 プロバイダー(接続業者)が番組を購入して配信できるようになるなど、著作権が壁となっていたテレビ番組のネット配信に道が開かれる。今後活発化しそうだが権利者が多く契約が煩雑なため、一括契約など権利処理の簡素化が課題になる。

 使用料は、放送局が制作したテレビドラマの場合、ネット配信を受けた客が支払う利用料のうち、原作者と脚本家の団体は1・4%ずつ、俳優の団体は計3%(主役級は別)を受け取る、などとなっている。

 経団連はコンテンツ(情報内容)の流通を促進するため、民間の協議の場として、2002年2月にブロードバンドコンテンツ流通研究会を設置し、検討を進めてきた。(共同)

ネット掲示板で著作権侵害 「2ちゃんねる」に掲載差し止め

2005/03/03 The Sankei Shimbun

 インターネット掲示板「2ちゃんねる」に対談記事を転載された漫画家の北川みゆきさんと出版社が、書き込みを放置したのは著作権侵害だとして、2ちゃんねるの運営者に掲載差し止めと300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は3日、請求を棄却した一審東京地裁判決を変更、差し止めと120万円の支払いを命じた。

 判決理由で塚原朋一裁判長は「転載を指摘された後も放置したのは、故意もしくは過失で著作権侵害に加担したものと言わざるを得ない」と指摘。記事をネット上で有料公開した場合を想定して損害額を算定した。

 判決によると、2002年に出版された北川さんのファン向け単行本にあった対談が、発売直後から2ちゃんねる掲示板に掲載された。北川さんらが削除を要求したが、運営者は応じなかった。

 北川さんの代理人弁護士は「ネット掲示板をめぐる訴訟では名誉権やプライバシー権侵害が多く、著作権侵害を認めた判決は聞いたことがない」としている。(共同)

超薄型、曲げられるMPU開発 セイコーエプソン

2005/02/11 asahi.com

 セイコーエプソンは、薄くて曲げられる超小型演算処理装置(MPU)を開発した。厚さは0.2ミリ。次世代ディスプレーとして研究が進む電子ペーパーへの搭載が期待されるほか、シートのような形状のパソコンや曲げても大丈夫なICカードなど未来の製品にも応用が見込めるという。

 試作したのは、家電の制御などに使われる8ビット級。低温ポリシリコンTFT(薄膜トランジスタ)という電子回路を最初にガラス基板の上につくり、それをはがしてフィルムのような樹脂に転写して張り付けた。電子ペーパーの開発は業界全体で進むが、実現には制御回路であるMPUも曲げられることが課題だった。

ジャストシステムが控訴 「一太郎」訴訟

2005/02/08 The Sankei Shimbun

 ジャストシステム(徳島市)は8日、同社のワープロソフト「一太郎」と画像ソフト「花子」に松下電器産業(大阪府門真市)の特許権を侵害する部分があるとして製造・販売の差し止めを命じた1日の東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。

 東京地裁判決は、一太郎と花子のアイコン機能の一部が松下の特許に触れると認定したが、仮執行を認めなかったため、判決確定まで販売は継続できる。ジャスト社は新バージョンの「一太郎2005」について、判決が特許侵害と指摘した部分を修正しないまま当初の予定通り10日に発売する。(共同)

「一太郎」の販売差し止め 松下電器の特許を侵害で東京地裁

2005/02/01 中国新聞ニュース

 松下電器産業(大阪府門真市)が、ジャストシステム(徳島市)の製造するワープロソフト「一太郎」とグラフィックソフト「花子」に松下の特許権を侵害する部分があるとして、販売差し止めなどを求めた訴訟の判決で東京地裁は一日、松下の請求を認め、製造、販売の差し止めと製品の廃棄を命じた。

 高部真規子裁判長は、松下側が求めた判決の仮執行は宣言しなかった。

 問題になったのは、「ヘルプモード」ボタンを押してから、別のボタンを押すと、そのボタンの機能説明が表示される装置に関する特許など。松下が一九八九年に出願し、九八年に登録された。

 松下側は、一太郎の編集画面でこの特許が使用されている、と主張。ジャスト側は、特許侵害を否定して争っていた。

 高部裁判長は「両ソフトをインストールしたパソコンの機能は、松下の特許の構成要件を満たしている」と指摘し、特許権の侵害を認めた。

総務省、ネットオークションの知的財産権侵害に対する取組を強化 ニュース・バックナンバー

2004/12/17 japan.internet.com 編集部

 総務省は2004年12月16日、インターネットオークションサイトにおける知的財産権侵害に対する取組を強化すると、発表した。

 具体的には、インターネットオークションサイトにおいて権利を侵害している出品物のサイトからの削除を円滑にする方策について、「プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会」に、電気通信事業者団体、インターネットオークションサイト管理者、権利者団体などを構成員とする「商標権関係ワーキンググループ」を設置した。

 同年5月27日に決定された政府の「知的財産推進計画2004」において、権利を侵害している出品物の削除を円滑にする方策について検討を行うことが決定され、総務省においても関係者と協議を進めてきたが、今回新たににワーキンググループを設置し、具体的な検討に着手する。

 商標権関係ワーキンググルーでは、「商標権侵害等に係る紛争についての事例の集積及びその対応」「商標権侵害等が発生した場合、削除要請に必要な『書類の様式』及び『権利を有すること及び権利が侵害されたことの証拠として必要な内容』に関する指針」「その他関連事項の検討及び関係者間連絡・調整」を行う。

ソニーがサムスンと提携 特許利用で相互契約

2004/12/14 The Sankei Shimbun
 ソニーは14日、韓国の大手電機メーカーのサムスン電子と、デジタル家電などの特許を相互利用するクロスライセンス契約を結んだと発表した。開発段階で協力することで、製品開発の効率化や迅速化を図り、競争が激化するデジタル家電業界での生き残りを目指す狙い。

 合意したのは、薄型テレビなどのデジタル家電や、半導体の量産技術などの一部。米国特許でソニー側の1万3000件、サムスン側の1万1000件が対象という。

 契約によって、これまでのような特許使用の個別交渉がなくても、相手の特許を利用できるようになる。ただ、テレビ画像の処理、テレビゲームや液晶の技術など、双方で独自性の強い分野は除外した。

 ソニーとサムスンは、大型テレビ用の液晶パネル生産でも、合弁会社を設立するなど協力関係を深めている。(共同)

PDP特許訴訟で韓国勝訴

2004/12/07 The Sankei Shimbun
 富士通と韓国のディスプレー(表示装置)大手サムスンSDIなど韓国メーカー4社の特許権侵害訴訟で、韓国の大法院(最高裁)は6日までに、原審を支持し、富士通によるPDP関連特許の一つについて同社の独自性は認められず無効との判決を言い渡した。この結果、韓国側の勝訴が確定した。

 富士通は1994年に韓国の特許庁に特許申請したが、韓国側4社がこれに異議を唱え、99年から特許登録の無効確認を求めて法廷で争ってきた。ただ、この技術は約10年前の古い技術で現在はほとんど使用されておらず、実際の影響はほとんどないという。(共同)

東芝、韓国ハイニックスを提訴 フラッシュメモリー「特許侵害」

2004/11/09 The Sankei Shimbun
 東芝は9日、大容量フラッシュメモリー(電気的に一括消去・再書き込み可能な読み出しメモリー)の特許を侵害したとして、韓国の半導体大手ハイニックス半導体の日本法人を相手取り、国内での販売差し止めと損害賠償を求める訴訟を8日、東京地裁に起こしたことを明らかにした。

 東芝は8日、米テキサス州の連邦地裁にも訴えを起こしており、米国際貿易委員会(ITC)にも韓国からの輸入差し止めを求める方針。東芝は、東京税関にハイニックス製品の輸入差し止めを求めるなどの措置も検討している。

 大容量フラッシュメモリーはデジタルカメラや高性能携帯電話向けに需要が拡大しているが、新規参入で価格競争も激化している。

 ハイニックスをめぐっては、韓国政府の補助金を受けた製品を、不当な安値で日本に輸出したとして、日本の大手半導体メーカーであるエルピーダメモリが今年6月、日本政府に対し相殺関税発動を申請、8月から財務省などが調査を開始していた。

ネット悪用者を提訴へ 無料コピー防止、米映画業界

2004/11/05 The Sankei Shimbun
 ソニー・ピクチャーズエンタテインメントなど米大手映画各社が加盟する米映画協会は4日、ファイル交換ソフトを利用してインターネット経由で映画ソフトを無料で流通させている個人に対して損害賠償を求める裁判を今月中旬に起こす方針を発表した。

 米レコード協会など音楽業界が計6000件近くの大量提訴に踏み切り、一定の防止成果を挙げていることから追随する。米メディアによると、第1弾として200人程度を提訴する。

 米映画協会の推計では、海賊版DVDや違法な映画ファイル交換により年間30億ドル(約3180億円)を超える収入を取りはぐれている。ネット悪用による損失額は不明だが、米映画協会によると、世界で毎月26億回以上の違法コピーが行われているとの推計もある。(共同)

「日本は通関保留措置取るな」 PDP特許紛争で韓国

2004/11/04The Sankei Shimbun
 韓国の李起燮産業資源省生活産業局長は四日、在韓日本大使館の卜部敏直公使を同省に呼び、松下電器産業とLG電子のプラズマディスプレーパネル(PDP)特許に関する紛争に関連、政府が通関保留措置などで民間の特許紛争に関与しないよう要求した。

 聯合ニュースによると、李局長は「松下の(LG電子)輸入禁止申請に対し日本の税関が通関保留措置を取れば、民間企業間の特許紛争が両国政府間の問題になる可能性がある」とし、東京税関がLG電子のPDPの輸入保留措置を取らないよう要求した。

 李局長は「政府の通関保留は緊急状況の場合にのみ発動するのが常識だ」と強調した。

 卜部公使は「法律に基づいて処理されるだろう」と返答した。(共同)

LGが松下韓国法人を提訴 特許侵害で禁輸も申請

2004/11/04The Sankei Shimbun
 韓国の電機大手LG電子は3日、松下電器産業の韓国法人パナソニックコリアが、薄型テレビの基幹部品であるプラズマディスプレーパネル(PDP)関連の特許を侵害したとして同日、同社をソウル地裁に提訴したと発表した。

 LG電子は、パナソニックコリアがLG電子の「電極分割」「パネル駆動」技術の2件のPDP関連特許を侵害したとし、特許侵害の差し止めと損害賠償を求めた。

 LG電子は、パナソニックコリアの特許侵害に対し、韓国の「不公正貿易行為調査と産業被害救済法」に基づき、産業資源省傘下の貿易委員会にパナソニックコリア製PDPテレビの韓国への輸入・販売の禁止を2日に申請した、としている。

 さらに、LG電子は、松下がLG電子製PDPの日本国内での販売禁止を求める仮処分を東京地裁に申請したことに対抗して、東京地裁で輸入禁止請求権不在確認訴訟を起こす準備をしていることを明らかにした。(共同)

LG、松下と全面対決姿勢 PDP特許めぐり

2004/11/02 The Sankei Shimbun
 韓国の電機大手LG電子は2日、同社がプラズマディスプレーパネル(PDP)の製造技術特許を侵害したとして1日、LG製PDPの日本国内での販売停止や輸入差し止めを東京地裁などに申請した松下電器産業と、全面対決する姿勢を明らかにした。

 LG電子は、昨年8月から両社が続けてきた特許権侵害に関する協議で不利になった松下側が、一方的に裁判所に販売停止を求める仮処分申請などを行ったと批判した。

 LG電子は松下側の措置に対抗し、第1段階として松下の韓国内法人を相手に、特許権侵害による損害の賠償を求める訴訟を起こし、韓国政府(貿易委員会)に松下の全製品に対する輸入禁止措置を建議する。

 LG電子は第2段階として、LG電子への特許権侵害を根拠に、世界各地で松下に対する訴訟を起こし、世界貿易機関(WTO)にも提訴するとしている。(共同)

著作権侵害で革労協活動家を逮捕 ネットで人気映画提供

2004/10/25 The Sankei Shimbun
 福岡県警公安三課は25日、人気映画の映像などを不特定多数に提供したとして著作権法違反の疑いで、福岡市中央区、革労協主流派活動家の福徳志郎容疑者(39)を逮捕した。

 調べでは、福徳容疑者は2月上旬から4月上旬にかけ、ファイル共有交換ソフトを使い、映画「ロード・オブ・ザ・リング」の映像などをインターネットで不特定多数に提供できる状態にして著作権を侵害した疑い。他にアダルト画像なども含め200人以上に提供していた事が判明した。

 4月に革労協拠点を捜索した際に押収したパソコンの記録から発覚。同課は革労協が不正に入手した画像を売買し、資金源にしていた疑いもあるとみて調べている。

キャラクター画像不正掲示 大学生を書類送検

2004/10/01 The Sankei Shimbun
 警視庁浅草署は1日までに、人気ゲームソフトのキャラクター画像をインターネット上に不正掲示したとして、著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで、さいたま市の国立大学4年の男性(21)を書類送検した。

 調べでは、男性はことし2月26日、「ファイナルファンタジーX」などに登場するキャラクターの画像9枚を、携帯電話の待ち受け画面に使えるよう加工し、ソフト会社に無断で自分のホームページに掲示。不特定多数がダウンロードできるようにした疑い。

 調べに「ゲーム画面から取り出した画像を、携帯電話の待ち受け画面用に上手に加工できたので、自分の技術を誇示したかった」と話している。

 著作権者のソフト会社から7月に告訴を受け捜査していた。

「アップル」の商標争い決着へ 巨額和解金支払い

2004/09/17 The Sankei Shimbun
 ビートルズが設立した英レコード会社アップルが、米パソコン大手アップルコンピュータを相手に商標「アップル」の使用差し止めを求めた訴訟で、アップルコンピュータ側が巨額の和解金を支払うことで近く合意する見通しとなった。米芸能誌バラエティー(電子版)などが16日までに報じた。

 アップルコンピュータは創業者がビートルズを意識したため英アップル社と商標が似ている。このため英アップル社が商標権の不正使用だとして提訴。1991年にアップルコンピュータ側が商標使用をコンピューター事業に限定することで合意し、和解金2650万ドル(約29億円)を支払った。

 ところが、アップルコンピュータが昨年4月、オンラインの音楽配信ビジネスに進出したことから、英アップル社はロンドン高等法院に提訴した。司法関係者の1人は今回の和解金について「集団訴訟以外では、史上最高額になる可能性がある」と話している。(共同)

オラクル、買収差し止め求めた米司法省に勝訴

2004/09/11 asahi.com
 米オラクルによるライバル会社・ピープルソフト買収の動きを、米司法省が独禁法違反だとして差し止めを求めた裁判で、米連邦地裁は9日、司法省の請求を棄却した。これで今後、米ソフト業界の合従連衡が大きく進む可能性もある。

 連邦地裁は「司法省側は両社の統合が競争を阻害するという主張を立証できなかった」とした。司法省は控訴できるが、「独禁法上の問題」を買収拒否の理由に据えてきたピープルソフトには、今回の判決は痛手だ。

 オラクルは同日、ピープルソフトの取締役会あてに書簡を送って面会を迫り、早速攻勢に出た。総額77億ドル(約8500億円)に上る大型買収を巡る両社の攻防は、大詰めを迎えることになる。

 企業が人事管理などに使う統合業務ソフト分野の大手でもあるオラクルは、ピープルソフトに対する敵対的な株式公開買い付け(TOB)を昨年6月に開始した。

 ピープル側は「統合ソフト分野では独SAP、オラクル、当社の3社しか大手がいない。2社が統合すれば大手が二つだけになり独禁法上問題だ」などとして、買収提案に猛反発。この主張に沿う形で、司法省が独禁法調査を始め、今年2月に「両社が統合されれば、業界内の競争が損なわれる」として、買収差し止めを求める訴訟を起こしていた。

ソフト無断公開で1年6カ月の有罪判決

2004/09/02 The Sankei Shimbun
 著作権者に無断でコンピューターソフトをダウンロードできる状態にしたとして、著作権法違反の罪に問われた東京都国分寺市の無職、田辺和彦被告(42)に対し、徳島地裁は3日、懲役1年6カ月、執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した。

 岡田信裁判官は「多くの者がダウンロードし、ソフト会社に与えた損害は大きいが、反省している」と述べた。

 判決によると、田辺被告は昨年10月から今年3月にかけ、自宅のパソコンでジャストシステム(徳島市)の日本語変換ソフト「Atok16 for Windows」など2点を不特定多数がダウンロードできる状態にして著作権を侵害した。

 徳島県警によると、田辺被告はソフトをインターネットオークションを通して販売し、利益を得ていたという。

「ウィニー」開発者、無罪主張 京都地裁で初公判

2004/09/01 The Sankei Shimbun
 ファイル共有ソフト「ウィニー」を開発し著作権法違反ほう助の罪に問われた東大助手、金子勇被告(34)の初公判が1日、京都地裁で開かれ、金子被告は全面的に無罪を主張した。

 「ウィニーそのものを違法なソフトととらえ、その開発自体を処罰するのか」。京都地裁で1日開かれた著作権法違反ほう助事件の初公判。起訴状朗読の前に、弁護団は検察官の公訴提起への釈明を求め、冒頭から弁護団と検察官が激しく応酬した。

 ファイル共有ソフト「ウィニー」を開発し、違法コピーを容易にしたとして著作権法違反のほう助罪で起訴された金子勇被告(34)。14人の弁護団とともにカメラのフラッシュを浴びながら地裁正面玄関を入った。

 午前10時すぎ、濃いグレーのスーツ姿で入廷した被告は、裁判長から名前などを聞かれ、はっきりした口調で返答した。

 弁護団は起訴状の朗読前に、検察官に対する釈明申し立て。緊迫したやりとりが続いたが検察官は一貫して「控訴事実に書いてある通り」と突っぱね、裁判長は審理の続行を宣言した。被告人席の金子被告は、立ったままやりとりに聞き入った。

 「間違った前提がつくられると日本のソフト開発者に大きな足かせになる。無罪を勝ち取るまで戦う」。京都地裁で1日開かれた著作権法違反ほう助事件の初公判。ウィニー開発者で、起訴された金子勇被告(34)は無罪を主張し、全面的に争う姿勢を明らかにした。

 グレーのスーツ姿の金子被告はこの日、14人の弁護団とともにカメラのフラッシュを浴びながら正面玄関から地裁に入った。午前10時すぎの開廷後、起訴に関する釈明を求める弁護側と、検察側が激しい応酬を続ける間、いすに深く座り、両手を組んで時折、目を閉じてやや落ち着かない様子で聞き入っていた。

 「技術的な実験として行った。著作権侵害の手助けをする意図はなかった」「日本のためになると思ってやった。社会に迷惑を掛けるためではない」「開発を禁止するのではなく、有効活用する方向を目指すべきだ」。用意した意見書を早口で読み上げ法廷で持論を展開。

 最後に「私は無罪だと思います。私は無罪です」と繰り返した。

ウィニー開発、無罪主張へ 東大助手、1日に初公判

2004/08/31 The Sankei Shimbun
 ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発、人気ゲームソフトなどの違法コピーを容易にしたとして、著作権法違反ほう助の罪に問われた東京大大学院助手、金子勇被告(34)=保釈中=の初公判が9月1日、京都地裁(氷室真裁判長)で開かれる。

 共有ソフトを使った無断複製が横行する中、開発者の刑事責任が問われた初のケース。著作権侵害の責任が開発者にも及ぶかどうかが最大の争点で、弁護側は「逮捕は表現の自由の侵害」と無罪を主張する見通し。

 起訴状などによると、金子被告は2002年4月、利用者の特定が難しいファイル共有ソフトの開発をインターネット上で宣言し、開発したウィニーを自分のホームページで公開。昨年9月、群馬県高崎市の店員と松山市の少年がウィニーを使い、人気映画やゲームソフトなどを不特定多数の利用者が違法にダウンロードできる状態にするのをほう助した。

ソフト提供者に責任なし ネット上の著作権侵害で

2004/08/20 The Sankei Shimbun

 サンフランシスコの米連邦高裁は19日、インターネット上で情報を交換できるファイル共有ソフトの提供者に音楽や映画の著作権侵害の責任を問えないとの判決を下した。

 ネット経由の音楽や映画の無料ダウンロードが広がれば膨大な損害を受けると警戒する映画、レコード業界は、ファイル共有ソフトを提供しているグロクスター社などにも著作権侵害を防止する責任があると訴えていた。一審に続く控訴審での敗訴は業界にとって大きな衝撃とみられる。

 高裁判決は、ソフト会社は著作権の有無にかかわらず、情報を共有しようとする個人にソフトを提供しているだけで、著作権侵害行為に深く関与してはいないと認定した。

 2001年には無料音楽交換サービスを提供していたナプスター社が著作権侵害で同事業の停止に追い込まれたが、これについて高裁は、著作権付きの音楽を取り込んだサーバーを通じたサービスだったとし、ソフト提供との違いを説明した。(共同)

九州大学:ネットアークの監視サービスでウィニーなど防止

2004年08月02日 Mainichi INTERACTIVE
 ネットアーク(東京都千代田区、松本直人社長)は2日、同社のP2Pファイル交換監視サービス「P2P Finder」を九州大学情報基盤センターが導入したと発表した。ウィニーなどによる違法な著作権侵害を防止するのが目的。

 P2P FINDERはネットアークが開発した法人向けに、ユーザーのネットワーク上の不正P2Pファイル交換を監視するサービス。ユーザーのネットワーク上の不正P2Pファイル交換を監視、報告する。

 ウィニーなどのファイル交換サービスの利用者は爆発的に増えた一方で、著作権侵害で逮捕者がでたり、ウイルス感染で情報が外部に流出するなどの問題も起きている。特に著作権侵害については、日本レコード協会が昨年11月、全国の大学に対策を要請するなど、ITスキルを持ち、ファイル交換ソフトにも感心が高い大学生が学内のネットワークを利用して行うケースが問題となっていた。

 九州大学では今年6月から学内ネットワークでのファイル交換ソフトの利用を禁止。それに伴い監視サービスも導入することとした。ネットアークによると、監視サービスを導入している大学は他にもあるが、公表は九州大が初めて。【柴沼 均】

ゲームボーイの違法ソフト「地下工場」、中国で摘発

2004/07/24 asahi.com
 中国公安当局が、任天堂(本社京都市)の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」のコピーソフトを大量製造していた広東省東莞市の「地下工場」など拠点5カ所を摘発し、逮捕・起訴された中国人の主犯格らメンバー5人が既に有罪判決を受けたことが分かった。公安当局は完成品、部品など300万点を押収。完成品に換算すれば、違法ソフト40万個以上に相当するとみられる。(時事)

増殖 ファイル交換ソフト 違法ダウンロード生む

2004/07/17 The Sankei Shimbun
世界で1000万人同時アクセス

 Winny(ウィニー)の開発者が逮捕されて以来、ファイル交換ソフトの将来がにわかに注目され始めた。インターネット上で映画や音楽などのデータを交換すれば、タダで手に入るという仕組みだけに、ユーザーには「著作権法違反でいつか逮捕されるのでは」との不安は拭い去れない。だが、その一方で、違法ダウンロードを許すファイル交換ソフトのネットワークは国境を越えて拡大、問題はグローバル化している。(中田雅博)

 ■著作権侵害

 パリのプログラマー、M氏は、息子のためにファイル交換ソフトの「eDonkey」でハリー・ポッターの最新作をダウンロードした。同じころ、大阪ではOLのH子さんがウィニーで「冬のソナタ」を、またニューヨークの学生、Aさんは「Kazaa」でブリトニー・スピアーズの新曲を、それぞれゲット…。

 こんなことがインターネットを通じて、世界中で日常茶飯事に行われている。ユーザーの中には、それらのデータをCDやDVDにコピーして、違法に販売する者もいる。

 経済協力開発機構(OECD)は先週末、ファイル交換ソフトに関して異例の報告書を公表。日本を含めた加盟三十カ国で、この四月現在、一千万人が同時にアクセスしていると推計した。この数字は一年前より30%増加。もはや、「ファイル交換ソフトが、ソフトウエアやビデオ産業にとって、安全な存在である時代は過ぎ去った」と述べ、“アングラ”の存在から、著作権に対するグローバルな脅威に成長したとの見方を示した。

 ■捜査に限界

 ユーザーの半数は米国で、以下ドイツ、カナダ、フランス、イギリスと続き、日本は十二番目。相対的に、米国が減少する一方で、カナダや欧州諸国の伸びが著しいと指摘している。米国では全米レコード協会(RIAA)などが、ユーザーを相手取って、相次いで著作権法違反に基づく損害賠償を求める訴訟を起こしており、「それが“威嚇効果”を上げ始めた」という。

 だが、それは音楽やビデオ産業にとって「部分的勝利に過ぎない」ものだ。というのも、ほとんどのファイル交換ソフトが国境を越えて利用されているからだ。

 コンピューターソフトウエア著作権協会(ACCS)の最近の調査では、日本の現在のユーザーは約九十四万九千人と推計しているが、“国産”のウィニーのシェアは50・6%。トップの「WinMX」(71・9%)や、そのほか「Gnutella」「Kazaa」などは海外のソフトで、国際的な広がりを持っている。それだけに、ユーザーに対する訴訟や当局の捜査には限界がある。

 ■禁止の法案

 最前線にある米国ではこのほど、連邦議会にファイル交換ソフトを禁止するための法案が提出された。この法案は「Induce Act」(誘発法)と呼ばれるもので、「著作権法違反を故意に誘発した者」に法的責任を問う内容だ。この法律が成立すれば、ファイル交換ソフトの利用者を著作権法違反で訴えられるだけでなく、そのサービスを提供したネットワークの管理者まで「幇助(ほうじょ)や教唆」で民事・刑事の裁判に訴えることができるようになるという。

 日本でウィニーの開発者が著作権法違反の幇助の容疑で逮捕され、ソフト開発者の刑事責任が初めて問われることになったが、この法案はそれと軌を一にするものだ。

 法案を提出した共和党のオリン・ハッチ上院議員(ユタ州)は「“タダの音楽”などとウソを言って、子どもたちに法律に違反させている」と提案理由を述べており、ファイル交換ソフトに対する風当たりはますます強まりそうだ。

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 <ファイル交換ソフト> インターネット上で個人のパソコン同士を直接連結してネットワークを形成する。ブロードバンドの普及で急速にユーザーは増加。世界には主なソフトだけで五十以上、Kazaa、Morpheusなど北米からアジア、欧州など全世界にまたがるネットもある。それらには、最新の音楽や映画、さらにポルノなどのデジタルファイルが流通し、ダウンロードできるだけに、音楽、映画業界は、ビジネスへの影響に強い危機感を抱いている。

シャープ、台湾企業に液晶テレビ販売停止を請求

2004/06/10 The Sankei Shimbun
 シャープは10日、液晶テレビの製造技術が特許侵害されたとして、台湾の大手電機メーカー「東元電機」グループの日本法人に、液晶テレビの販売停止などを求める仮処分を東京地裁に申請したことを明らかにした。同時に製品の輸入差し止めを東京税関に訴えた。

 急成長する液晶テレビ市場で、安値攻勢をかける韓国や台湾勢をけん制するとともに、競争力の源泉である自社技術の保護に力を入れるのが狙い。

 シャープが侵害されたと主張するのは、液晶パネルの画素の欠陥を修正する技術で、これにより色や画像を鮮明に保つことができる。東元電機は、他の台湾メーカーから液晶テレビのパネルの供給を受けており、シャープはこの会社に対して法的な措置も検討している。東元電機は大手スーパーを通じ、シャープなど日本メーカー製品の半額以下で液晶テレビを販売、売り上げを伸ばしている。

 薄型テレビをめぐる特許紛争では、富士通がプラズマテレビの特許侵害で韓国企業を提訴したことがあり、知的財産権を重視して司法の場で解決を目指す日本メーカーが今後も増えそうだ。

PDP日韓特許紛争で和解 富士通とサムスンSDI

2004/06/07 The Sankei Shimbun
 富士通と韓国のディスプレー(表示装置)大手サムスンSDIは7日、プラズマディスプレーパネル(PDP)に関する両社間の特許権侵害訴訟を双方が取り下げることで合意した、と発表した。

 両社は本契約締結後に、日本と米国での訴訟と、東京税関などに出した特許権侵害製品の輸入差し止め申し立てなども取り下げ、お互いの保有特許を今後5年間、相互に利用する。両社の訴訟合戦は、2月のサムスン側による提訴から約4カ月で円満解決を迎えた。

 サムスンSDI関係者は「裁判の進行を見守りながら水面下の接触を続け、双方が利益を得る選択をした。PDP産業トップの両社が協力し、事業を一層発展させなければならない」と語った。

 富士通は、数年前にPDP市場に参入したサムスンSDIに対し、パネル長寿命化などに関する特許を無断使用したとして対価支払いを求めたが、対するサムスン側は2月に富士通の特許無効確認を求めて米国で提訴。

 富士通は4月、日米でサムスンSDIを相手に特許侵害行為の差し止めなどを求めて逆提訴し、日本の税関当局に輸入差し止めも請求。サムスン側は富士通に輸入禁止請求権がないことの確認を求める仮処分申請などを東京地裁に出していた。

 PDPは最近人気が高まっている大画面のプラズマテレビに使われる表示装置。(共同)

三洋電機:台湾製コピーICに関する特許訴訟で勝訴

2004年5月28日 Mainichi INTERACTIVE

 三洋電機が製造するカーオーディオ用ICを台湾メーカーが模倣し、日本国内で販売したのは特許を侵害しているとして、国内の販売代理店3社を相手に、販売差し止めと損害賠償を求めた民事訴訟で、東京地裁は28日、三洋電機側の主張を全面的に認め、販売差し止めと総額約48万円の損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡した。

 販売差し止めの命令を受けたのは、グローバル電子と加賀電子、加賀デバイスの3社。

 三洋電機によると、問題となったICは、同社独自のデータ転送方式を採用したカーオーディオ用IC。同社の主力製品という。ところが、台湾の普誠科技股ブン有限公司(プリンストン・テクノロジー・コーポレーション)が、三洋電機のICを分解して電子回路情報を取り出し、製造したという。ICを使っていたメーカーにとっては、三洋電機製ICと同じ設計でカーオーディオを製造することができ、しかもきわめて安い価格で納入したことから、「当社の販売額は落ち込み、多大な損害をこうむった」と主張している。

 三洋電機では03年5月、台湾メーカー製のコピーICは特許侵害にあたるとして提訴していた。

 半導体のレイアウトを模倣した場合にはチップ保護法の対象となるが、電子回路を模倣した場合には同法の適用外。「しかたなく、特許侵害を主張した」と三洋電機側では説明している。同社では「判決には満足しているが、チップ保護法は現実とかい離している面もあり、法律の改正を政府に要望している」と話している。【田上 昇】

犯罪ほう助「覚えない」 ウィニー開発の東大助手

2004/05/18 The Sankei Shimbun
 ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発し、違法コピーを容易にしたとして、著作権法違反のほう助容疑で逮捕された東大助手、金子勇容疑者(33)の拘置理由開示法廷が18日、京都地裁(神田大助裁判官)で開かれ、金子容疑者は「ウィニーを犯罪に使えと言った覚えはない。つくったり、配ったりしたことが犯罪とみなされている」と述べた。

 弁護側も「日本が誇るクリエーターを犯罪者に仕立て上げようとしている」と主張し、釈放を求めた。

 神田裁判官は「開発に至る経緯の全容が明らかになっておらず、罪証隠滅のおそれがある」と拘置理由を説明した。

 弁護側はウィニーそのものの違法性について、裁判所の見解を求める求釈明書も提出したが、神田裁判官は「本件はウィニーを利用した個別の著作権侵害事件」と述べ、判断を示さなかった。

「開発者逮捕は不当」 Winny事件で弁護団結成

2004/05/14 The Sankei Shimbun
 ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を開発、違法コピーを容易にしたとして、著作権法違反のほう助容疑で東大助手、金子勇容疑者(33)が逮捕された事件で、京都と大阪の弁護士10人が弁護団(団長・桂充弘弁護士)を結成、京都市内で14日記者会見し「逮捕は不当」とする声明を発表した。

 声明は「ウィニーはネットワーク社会にとって非常に有用なシステム」と指摘。「あたかも著作権法違反をするための道具であるという誤った理解に基づく逮捕で、警察権力の不当行使だ」と批判している。

 桂団長らは会見で「逮捕は創作活動を制約し、ソフトウエア開発の国際競争の中で日本にとって大きな損失につながる」と強調。金子容疑者の速やかな釈放を求め、京都地裁に拘置理由開示を請求したことを明らかにした。

 弁護団は13日、金子容疑者の知人らの要望で支援金口座を開設。2日間で約170万円が集まったという。

東大がウィニー事件で調査委設置

2004/05/11 The Sankei Shimbun
 「Winny(ウィニー)」をめぐる著作権法違反ほう助事件で、東大は11日、逮捕された大学院助手、金子勇容疑者(33)が所属する情報理工学系研究科の教授6人による調査委員会を設置したと発表した。

 東大によると、金子容疑者は2002年1月、高度なソフトウエアの開発実績を持つと評価され、任期付きの「特任教員」として採用。2週間に1度、プログラム作成を講義していた。

受信専用の特製ウィニー 逮捕の東大助手、自分専用に

2004/05/11 The Sankei Shimbun
 ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発、映画やゲームソフトの違法複製を手助けしたとして、著作権法違反のほう助容疑で逮捕された東京大大学院助手、金子勇容疑者(33)が、自分専用としてファイルのダウンロード(受信)機能しかない特製Winnyを使っていたことが11日、京都府警の調べで分かった。

 公開されている通常のWinnyはファイルをほかの利用者に提供するアップロード(送信)機能も備えている。府警は、金子容疑者が開発当初からファイル送信すれば著作権法に違反すると認識し、摘発逃れを図っていたとみて追及する。

 府警は容疑を裏付けるため11日午前、金子容疑者が勤務する東大大学院情報理工学系研究科の研究室を家宅捜索した。

 府警は昨年11月、Winnyで米国映画などを送信可能な状態にしたとして、同法違反容疑で自営業者ら2人を逮捕。Winny開発者の金子容疑者の自宅も捜索し、パソコンなどを押収した。特製Winnyの存在はそのパソコンなどの分析から判明した。

 調べでは、通常のWinnyは1回に1、2個のファイルしかダウンロードできないが、特製Winnyは同時に20個の受信ができるようになっていたという。

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