TOPIC No.4-32 i-Pod/HDDプレイヤ

01. iPod
02. i-Pod + i-Tune
03. ありがとうiPod
04. iPod Style
05. iPod 情報局

【ドラマ・企業攻防】ウォークマンがiPod猛追 ソニー再生へ原点回帰

2009.09.26 MSN産経新聞

 国内携帯音楽プレーヤー市場で、独走する米アップルの「iPod(アイポッド)」をソニーの「ウォークマン」が猛追している。8、9月に週間単位でソニーがアップルを逆転し初の首位に立ち、月間シェアでも僅差に迫っている。アップルは10日にビデオカメラ機能を備えた新機種を発売。ソニーも10月10日から新機種を順次投入する。“本家”の威信をかけて復権を目指すソニーと、“王者”の地位を不動のものにしたいアップル。年末商戦でのシェア争奪戦のヒートアップは必至だ。

ジョブズに対抗心

 「ホームグラウンドの日本で勝つことが、グローバル市場でのさらなる成功につながる」

 16日に東京・銀座のソニービルで行われた新型ウォークマンの発表会。急遽(きゆうきよ)駆けつけたハワード・ストリンガー会長兼社長は、新機種を手に力を込めた。

 普段、マスコミの前にほとんど姿を見せることのないストリンガー長の“飛び入り参加”は、アップルのスティーブ・ジョブスCEO(最高経営責任者)へのライバル心との見方がもっぱらだ。

 ジョブスCEOが肝臓移植手術後、初の復帰の場として選んだのが、1週間前に行われたアイポッドの新機種発表会だった。カリスマ経営者によるトップセールスの威力は大きい。ヒット商品の不在に泣くソニーのストリンガー会長としても、黙っているわけにはいかなかったようだ。

 「われわれの思いがこもった大事な製品。ウォークマンが元気にならなければだめだ」(幹部社員)

 ソニー・ブランドを世界に広め、今年7月に発売30周年を迎えたウォークマンへの思い入れは、半端ではない。

初の首位奪回

 2001年に世界発売された新参のアイポッドの後塵(こうじん)を拝し続けてきたウォークマンだが、ここにきて猛烈に巻き返している。

 市場調査会社のBCNによると、8月最終週(8月24〜30日)と9月第1週(31日〜9月6日)に、国内の市場シェアでソニーがアイポッドを初めて上回った。社内では「快挙を喜び合うメールが飛び交った」(ソニー社員)という。

 業界では「新機種の発売を控えたアイポッドの買い控えが最大の要因」(関係者)といわれ、9月第2、第3週は、アップルが首位に返り咲いた。

 それでも、8月の月間シェアはアップルの45・0%に対し、ソニーは41・1%。昨年10月には、61・8%対24・7%という大差を付けられていたが、徐々に手が届くところまで追い上げてきた。

 それだけに、10月に発売する新機種への期待は大きい。上位モデルで動画を楽しめる「Aシリーズ」(想定価格2万5千円前後)は、画面サイズを従来の2・4型から2・8型にひと回り大きくする一方で、厚さはウォークマン史上で最も薄い約7・2ミリを実現。ノイズ除去機能を強化しクリアな音を追究した。

 普及モデルの「Sシリーズ」(同1万4千円前後)も含め、歌詞表示や語学学習などの新機能を搭載。ボディーとボタンの配色を変えるなどデザイン性も重視した。

奪われた“お株”

 アップルが発売した主力モデル「アイポッド ナノ」の新機種も強力だ。カメラや歩数計などの新機能を採用。撮影した動画をその場で鑑賞したり、歩数計のデータをネットにつなげて健康管理に活用できるなど、新しい楽しみ方を満載している。

 国内販売価格も16ギガバイトモデルで2万3800円から1万7800円に値下げし、実売価格でウォークマンよりも2〜3割高かった弱点も克服した。

 アイポッドの最大の強みは、単に音楽を聴くだけでなく、映像やゲームなど多様なコンテンツを取り込むことができるサービスを提供し携帯音楽プレーヤーの枠を超えたことにある。

 かつてのウォークマンも音楽をいつも持ち歩けるようにし、人々のライフスタイルを大きく変えるインパクトがあった。

 「自由な発想で、ユーザーの視点に立って製品を開発するというソニーのお株をアップルに奪われた」と、あるOBは悔やむ。

 平成21年3月期に14年ぶりの最終赤字(989億円)に転落し、22年3月期も1200億円の赤字を見込むソニー。「トランジスタラジオの音から始まった会社」という原点に回帰し、ウォークマンを再生の象徴と位置づけ、アイポッドに挑む。(佐藤克史)

ビデオカメラ機能搭載 アップルが新型「iPod nano」

2009.09.10 MSN産経新聞

ビデオカメラ機能を備えた新型「iPodnano」(ロイター)

 米アップルは10日、携帯型音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」の新製品を日米など世界で発売した。主力モデルの「iPod nano(アイポッドナノ)」で新たにビデオカメラを内蔵し、音楽だけでなく映像も楽しめるようにした。

 アイポッドナノは、これまでに世界で1億台以上を販売している。新機種は、ビデオカメラのほかにもFMラジオと歩数計を新たに内蔵するなど付加機能を高めた。価格は、8ギガバイトモデルが1万4800円で、16ギガバイトモデルが1万7800円。本体カラーは、シルバー、ブラック、パープルなど9色ある。

iPodから火花 けがなし、経産省調査

2009.07.14 MSN産経新聞

 経済産業省は14日、米アップルの携帯音楽プレーヤー「iPod nano」(アイポッド・ナノ)の使用中に、本体から火花が出る事故が今年7月に大阪府内で1件あったと発表した。けが人はなかった。バッテリーの不良による過熱が原因とみられ、経産省が詳しく調べている。

 経産省によると、アイポッド・ナノについては、バッテリーの過熱事故がこれまでに18件報告され、うち4件で火災が発生した。今回が5件目の火災という。

 製品の型式は「MA099J/A」。利用者が充電しながら音楽を聴いていると、異常音とともに火花が出て布団などが焦げたという。

iPod充電中に爆発と韓国通信社

2009.06.06 MSN産経新聞

 韓国の聯合ニュースは5日、米アップルの携帯音楽プレーヤー「iPod nano」(アイポッド・ナノ)を充電中に、バッテリーが爆発する事故があったと報じた。アップルの韓国法人は「ノーコメント」としているという。

 アイポッド・ナノをめぐっては、日本でも機器本体から火花が出る事故などが報告され、経済産業省が詳しい調査を進めている。(共同)

高音質のウォークマン発売 有機ELにタッチパネル

2009/04/15 中国新聞ニュース

 ソニーは十四日、携帯プレーヤー「ウォークマン」の最上位機種として「Xシリーズ」を二十五日から発売すると発表した。高級オーディオで使っている自社開発の音響技術により高音質を実現。従来よりも大画面の3・0型有機ELを採用したほか、ウォークマンでは初めてタッチパネルも搭載した。

 ソニーは高機能ウォークマンを投入し、「iPod(アイポッド)」シリーズでシェア首位を快走する米アップルを追撃する。

 Xシリーズは、雑音を98%までカットし、原音を忠実に再現する、という。無線LANでインターネットに接続できる新機能もあり、動画投稿サイト「ユーチューブ」などの動画の視聴も可能。

 黒と赤の二色。オープン価格で、32ギガバイトフラッシュメモリー内臓の「NW―X1060」は五万円前後、16ギガバイトの「NW―X1050」は四万円前後となる見込み。

iPod課金は継続審議 著作権料上乗せ、メーカー側反対

2008年10月20日 中国新聞ニュース

 文化審議会小委員会は20日、iPodやハードディスク駆動装置(HDD)内蔵型録画機器の販売価格に、新たに著作権料を上乗せするかどうかについて、年末にまとめる審議報告では賛否両論を併記し、継続審議とすることを決めた。

 著作権料の徴収で協力が欠かせない録音・録画機器メーカーの代表委員の同意が得られなかったため。文化庁は当初、来年の通常国会で著作権法を改正し2010年から上乗せするスケジュールを想定していたが、先送りが確実になった。

 小委では約2年にわたり「私的録音録画補償金制度」の改正案を検討してきたが、早期上乗せを求める著作権団体とメーカーの対立で審議は平行線をたどっていた。文化庁内には「非公開で利害を調整する場が必要」との見方が多く、来年からは小委とは別に協議の場を設ける可能性がある。

 一方、この日の会合では、著作権者の許諾なしにインターネットで流通している携帯電話の「着メロ」などのダウンロードを法規制することにはおおむね合意。年末の審議報告で、同法の関連規定を来年に改正する方針を示す見通しだ。

iPodも著作権料上乗せ 文化庁方針、携帯は見送り

2008年05月07日 中国新聞ニュース

 文化庁は7日、DVD専用レコーダーなどの販売価格に、著作権料に当たる補償金を上乗せしている著作権保護制度の対象として「iPod(アイポッド)」などの携帯音楽プレーヤーやハードディスク内蔵型の録画機器を加える制度改正案を決めた。著作権者側が併せて求めていたパソコンや携帯電話は「主な用途が録音・録画とは言えない」として見送る。

 文化庁は改正案を8日の文化審議会の小委員会に提案。小委は今夏をめどに結論を出すが、賛成意見が大勢を占める見込み。文部科学省が来年の通常国会に著作権法改正案を提出し、成立すれば、2010年にも実施される。

 家電市場では、テレビ番組を高精度で複製できるハードディスク内蔵型の録画機器などが主流になっており、文化審は05年から対象の拡大を検討してきたが、価格上昇を懸念するメーカーの反対で実現しなかった。補償金額は未定だが「1000円を上限に卸売価格の1−3%」に設定されている現行の対象機器の水準が目安になる見通し。

iPodで聴き放題検討 米アップル、需要喚起で

2008年03月22日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク21日共同】米電子機器大手アップルが、デジタル携帯プレーヤー「iPod」や新型携帯電話「iPhone」について、一定額を払えば、有料配信サイト「アイチューンズ・ストア」の楽曲が聴き放題となる新サービスの検討を始めたことが明らかになった。欧米メディアが21日までに報じた。

 制限なしのサービスについて、音楽大手と交渉を進めているという。

 アップルが展開するアイチューンズ・ストアは2007年、米音楽小売業者として小売り最大手ウォルマート・ストアーズに次ぐ2位に浮上したが、販売の伸びは鈍化しており「聴き放題」の導入で需要の掘り起こしを図りたい意向とみられる。

 聴き放題のサービスに関しては、携帯電話機世界最大手のフィンランドのノキアが開始を準備するなどしており、デジタル音楽分野の競争は一段と激しくなりそうだ

3割近くが購入に前向き 米で人気のiPhone

2007年07月27日 中国新聞ニュース

 携帯電話やPHS利用者の3割近くが、米国でブームを巻き起こしている米アップル社の新型携帯電話「iPhone(アイフォン)」購入に前向きなことが、三菱総合研究所と楽天リサーチが実施したインターネット上の調査で分かった。

 人気の携帯プレーヤー「iPod(アイポッド)」の機能を組み込むなど音楽・映像関連の機能に特徴があるアイフォンは先月29日に全米で販売開始。日本発売は未定だが、調査は日本国内でも関心が盛り上がっていることを裏付けた形。日本“上陸”時には旋風を巻き起こしそうだ。

 調査によると、日本で発売された場合、次の買い替えでアイフォンにしたいかとの問いに対し、「かなりそうしたい」が5・2%、「ややそうしたい」が22・4%と3割近くがアイフォン購入に前向きだった。うち11・8%は「携帯電話会社を乗り換えても利用したい」と回答している。

「iPhone」に長蛇の列 米アップル、新型携帯発売

2007/06/30 The Sankei Shimbun

 【ロサンゼルス=松尾理也】米アップルの新型携帯電話機「iPhone(アイフォン)」が29日、全米で発売された。斬新なデザインと操作性が話題を呼び、デビューを前に各地の販売店には徹夜組を含む行列ができるなど、社会現象ともいえるフィーバーが起きている。

 アイフォンは、携帯電話機能のほか、音楽再生やインターネットの閲覧ができる。ボタンのないタッチ式スクリーンで操作する仕組みも注目されている。価格は容量4ギガバイトが499ドル(約6万1000円)、8ギガバイトが599ドル。日本での発売は未定だ。

 全米各地では、それぞれの現地時間の29日午後6時に発売が開始され、販売店の前に行列ができた。AP通信によると、米ペンシルベニア州フィラデルフィアのジョン・ストリート市長が未明から行列に加わり、「治安問題の解決などほかにやることがあるのではないか」と市民の批判を受けながらも15時間近く待ち、めでたくアイフォンを手にした。

 コンピューター専門誌「マックワールド」(電子版)は、「携帯電話の発売で行列ができるというのは初めてだ」と、アイフォン現象の特異性を指摘した。

 AFP通信は「業界全体を変革する可能性があるという意見の一方で、通常の携帯電話よりも価格が高く、それほど競争力はないとの見方もある」と分析している。

音楽配信、コピー制限せず・英EMI、米アップルに提供

2007年04月03日 IT+ NIKKEI Net

 【ロンドン=田村篤士】レコード業界世界3位の英EMIグループは2日、無断コピーを防ぐ暗号技術をつけないままでデジタル音楽を配信すると発表した。第一弾として音楽配信サービス世界最大手の米アップルと提携し、同社の「iチューンズ・ストア(iTS)」で始める。レコード業界はこれまで違法コピー対策で足並みをそろえていた。EMIは消費者の利便性を高め、配信需要を一段と広げる方向に戦略を転換する。

 デジタル音楽は音質を劣化させずに再生できるため、DRM(デジタル著作権管理)という暗号を付け、違法なコピーを防ぐ仕組みを採っている。しかし、音楽配信サービスを手掛けるアップルやマイクロソフト、ソニーは異なる規格のDRMを利用している。このためアップルの「iチューンズ・ストア(iTS)」で購入した楽曲はアップルの「iPod」でしか聞けない。

 EMIはDRMを外すことで、消費者がいったんダウンロードした楽曲を携帯電話を含め様々な機器で楽しめるようにする。音質も従来より高まるという。

米アップル、過去最高益

2007/01/19 FujiSankei Business i.

 米アップルが17日発表した2006年10〜12月期決算によると、純益は前年同期比78%増の10億ドル(約1200億円)と過去最高を記録した。年末商戦でデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」とパソコン「Mac」の販売が好調だった。

 アップルはiPodを同50%増の2107万台出荷。競合品が続々と登場したにもかかわらず、販売に一段と弾みが付いた。パソコンもインテル製半導体への転換が好評で、出荷台数は28%増の161万台に達し、全体の売上高も24%増の71億ドルと過去最高となった。ジョブズ最高経営責任者(CEO)は声明で「過去最高の売上高と純益を報告できたことに満足している」と指摘した。

 同社は今月、iPod機能を組み込んだ新しい携帯電話「iPhone(アイフォン)」を発表しており、大ヒットを予想する声も聞かれる。(シリコンバレー 時事)

iPod、3カ月で2000万台超の売れ行き

2007/01/18 The Sankei Shimbun Web site

 米アップルが17日発表した2006年10〜12月期決算で、人気の携帯プレーヤーiPod(アイポッド)の出荷台数が前年同期比50・0%増の2106万6000台となり、4半期として初めて2000万台を突破した。

 最終利益は77・7%増の10億400万ドル(約1200億円)と過去最高となった。

 02年に発売したiPodは、06年9月までに6800万台を販売しており、07年中に累計で1億台を超えそうだ。

iPhone登場 手のひらサイズ薄さ1.2センチ

2007/01/10 The Sankei Shimbun Web site

  【ロサンゼルス=松尾理也】米アップル・コンピュータは9日、同社のヒット商品である携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」と携帯電話を融合させた「iPhone(アイフォン)」を発表した。携帯音楽プレーヤー市場で圧倒的な人気を誇るアイポッドの携帯電話版の登場は、し烈な競争が続く携帯端末市場に大きな影響を与えそうだ。

  アイフォンは手のひらサイズの長方形で、わずか1.2センチの薄さ。ボタンは1個だけで、操作はタッチスクリーンで行う。アイポッド同様、音楽や動画を記録再生することができるほか、無線LAN機能を備え、インターネットにも接続可能。内蔵カメラによる写真撮影や、パソコンやアイポッドとのデータの共有もできる。

  電話をかける操作のしやすさを最大のセールスポイントに挙げている。同社のスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は、9日、サンフランシスコでの発表で、「携帯電話の操作はこれまで、驚くほど難しかった。われわれは電話そのものを再発明した」と語った。

  価格は、記憶容量の応じて499ドル(約6万円)と599ドル(約7万1000円)の2種類が用意され、米国では今年6月に発売予定。アジアでの登場は2008年になる見通し。08年には全世界での携帯端末のシェアの1%に相当する1000万台を売り上げたいとしている。

  また、ジョブズ氏は、アイポッドやアイフォンなどパソコン以外の商品を幅広く扱っていく方針に対応して、社名を「アップル」に変更すると発表した。

米国 映画DVD消滅!? ダウンロード販売が急伸

2006/10/13 FujiSankei Business i.

 米アップルコンピュータと米娯楽大手ウォルト・ディズニーが9月に始めた映画のダウンロード販売が、ハリウッドを揺るがせている。世界最大手のウォルマートをはじめ小売業界が「DVDが売れなくなる」と一斉に反発。映画業界にDVDの値引きを求める一方、自らも相次いでダウンロード販売に踏み切る構えを見せている。家庭向け映画ソフトの媒体は、一挙にDVDからネットに移行しそうな雲行きだ。(佐藤健二)

 ≪手紙で恫喝≫

 米ウォールストリート・ジャーナルなどによるとDVD販売で全米シェア15%を握る米小売り2位ターゲットのグレッグ・スタインハフェル社長は12日までに、ハリウッドの映画製作大手各社にDVDソフトの値下げを求める手紙を出した。

 この中で同社長は映画のダウンロード販売と“公平な競争”ができる水準への是正を求め、「値下げに応じなければ、店内のDVD陳列棚の縮小ばかりか、販売促進も行えなくなる」と、恫喝(どうかつ)とも受け取れるほどの強い表現で苦境を訴えた。

 CNN(電子版)によると映画会社から小売チェーンへの新作映画のDVDは卸値17〜18ドルに対し小売価格は16〜19ドル。場合によっては逆ざやが発生するほどの薄利商売で、小売り段階での値下げ余地はほとんどない。

 これに対し、9月にアップルが始めたダウンロード販売の価格はわずか12ドル99セント。DVDを販売する小売店が音を上げるのも無理はない。

 この映画ソフトの価格破壊を仕掛けたのが、ほかならぬアップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)だ。

 映画ソフトの媒体がDVDからダウンロードにシフトすれば、アップルのデジタル携帯プレーヤー「iPod(アイポッド)」や関連製品が、音楽に続き動画市場をも席巻するのは確実。

 ジョブズ氏は1月、米娯楽大手ウォルト・ディズニーにアニメ製作会社ピクサー・アニメーションを売却することで合意。見返りに映画業界の一角、ディズニーの筆頭株主の地位を手に入れ、今回の大がかりな戦略の素地を作り上げることに成功した。

 ≪アップルと提携≫

 DVD販売シェア4割を握る小売業界の巨人、ウォルマートも当初こそ映画製作会社に値下げを要請したが、その後“脱DVD”の流れは止められないと見て、自らもダウンロード販売を始める方向に戦略を変更した。

 CNNによると、ウォルマートが映画業界に値下げを要求していることを知ったジョブズ氏がウォルマートのリー・スコットCEOを説得したという。アップルにとってもウォルマートは大量のiPodやマッキントッシュを販売してくれる重要なパートナーであり、敵対は望ましくない。

 両社の話し合いの内容は明らかではないが、ロサンゼルス・タイムズによるとアップルはウォルマートによるダウンロード販売に協力することで合意。年内にサービスの概要を発表するという。

 DVDの値下げをめぐる小売りと映画業界の駆け引きは、11月下旬から始まるクリスマス商戦の期間中はいったん“水入り”となる見込みだが、年明け後、他の小売り大手もウォルマートに追随するのは確実な情勢。3位のターゲットは先週、映画のダウンロード販売への地ならしとしてデジタル音楽の販売サイトを開設。年明け後に映画販売を始める見通しだ。

 ≪27億ドル市場に≫

 小売り大手にとって、サイトに頼る販売は、膨大なチェーン店舗網の強みを生かし切れない悩みがあるが、店頭でのダウンロード販売技術も着々と開発されている。

 ブルームバーグによると米ソフト開発のソニック・ソルーションズは、店頭で来店客が選んだ映画をダウンロードし、DVDに焼き付けるシステムを開発した。陳列棚を大幅に縮小できる上、DVDパッケージの4分の1のコストで済むという。

 一方、英紙フィナンシャル・タイムズによると米コンサルティング会社ベイン&カンパニーは映画業界の海賊版DVDなどによる被害額が23億ドルに上ると試算。対策としてダウンロード配信の導入を急ぐ必要があると警告した。知財保護の面からもDVDは減少しそうだ。

 米調査会社アダムス・メディア・リサーチは今年の米国でのDVD売り上げが昨年並みの166億ドルとピークを付け、翌年以降減少する一方、映画のダウンロードは2010年までに27億ドル市場に拡大するとみている。

               ◇

【用語解説】映画のダウンロード販売

 9月12日にアップルのオンライン音楽配信サイト「iTunes(アイチューンズ)ストア」でディズニー映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」などの販売がスタート。パソコンにデータを蓄積し、iPodや中継器を介したテレビで視聴する仕組み。1週間足らずで12万5000本を販売、100万ドルの売り上げを達成した。初年度に5000万ドルの売り上げを見込む。

アップル、1年ぶりに新iPodを発表

2006/09/13 IT Pro

iTunes 7や映画配信についても紹介

 アップルコンピュータは2006年9月13日、携帯音楽プレーヤー「iPod」「iPod nano」「iPod shuffle」の新製品を発表。全ラインアップを一新した。同時に、専用の音楽管理ソフト「iTunes」の新バージョン「iTunes 7」についても紹介。iTunes上で閲覧できる専用の音楽配信サイト「iTunes Music Store」でのゲーム配信や、映画配信についても発表した。なお、ゲーム配信は国内でも実施するが、映画配信は現時点で国内では実施しない。

 iPodに関しては、動画対応となった第5世代の製品が2005年10月に発表されて以来の新製品となる(図1)。新iPodは、ハードディスク容量が30GBと80GBの2モデルがある。本日から発売を始める。価格は30GBのモデルが2万9800円、80GBのモデルが4万2800円となる。

 2.5インチの液晶モニターが従来品より60%明るくなり、30GBのモデルは動画再生時のバッテリー駆動時間が従来品の2時間から3.5時間に延びた。音楽再生時のバッテリー駆動時間は従来品と同じく最長14時間。サイズは幅61.8×高さ103.5×厚さ11mmで、重さは136g。80GBのモデルはビデオ再生時が最長6.5時間、音楽再生時が最長20時間となる。サイズは幅61.8×高さ103.5×厚さ14mmで、重さは157g。

■iPod nanoは5色を用意

 2インチの液晶モニターを備える薄型モデル「iPod nano」は、2005年9月に発表した第1世代に続き、第2世代目の製品となる(図2)。本体の素材にアルミニウムを採用。従来のブラックとシルバーに加え、ピンク、グリーン、ブルーの本体色のモデルを用意した。

 サイズは幅40×高さ90×厚さ6.5mmで、重さは40g。厚さは第1世代より0.4mm薄くなった。サイズは異なるが、質感は旧製品である「iPod mini」に近い。液晶モニターは従来品と比べて40%明るくなった。なお、動画再生には対応しない。

 音楽再生時のバッテリー駆動時間は、第1世代の最長14時間から最長24時間に大きく延びた。フラッシュメモリーの容量が2GB、4GB、8GBの3モデルを用意する。メモリー容量と本体色の組み合わせは、2GBのモデルがシルバーのみ。4GBのモデルがシルバー、ピンク、グリーン、ブルー。8GBのモデルがブラックのみとなる。本日から発売し、価格は2GBのモデルが1万7800円、4GBのモデルが2万3800円、8GBのモデルが2万9800円となる。

■iPod shuffleはサイズがほぼ半分に

 液晶画面を搭載しない「iPod shuffle」は、サイズは幅27.3×高さ41.2×厚さ10.5mmで、重さは15g(図3)。従来のほぼ半分のサイズになった。従来品が縦長の形状だったのに対して、新製品は高さが小さくなり、幅が若干大きくなった。本体の素材にアルミニウムを採用し、衣服に取り付けやすいよう裏面にはクリップを備える(図4)。

 音楽再生時のバッテリー駆動時間は最長12時間。フラッシュメモリーの容量が1GBの1モデルのみ用意する。2006年10月より順次発売する予定で、価格は9800円となる。

 新しいiPodとiPod nanoには3つの新機能を追加した。1つめは、クラシックCDなどで1つの曲が複数のトラックに分かれても、まとめて1つの曲として再生する「ギャップレス・プレイバック」機能。2つめは、液晶モニターの画面にアルファベットのキーボードを表示し、ホイールを使って文字入力することで本体内の楽曲を検索できる「サーチ」機能(図5)。3つめは、プレイリストのスクロール中に楽曲やアーティストのアルファベットの頭文字を表示することで、検索効率を高める「クイックスクロール」機能だ。

 ギャップレス・プレイバック機能は、今後、iPodのソフトウエアを新バージョンに更新することで、第5世代のiPodでも使用可能になるとのこと。また、新しいiPod、iPod nano、iPod shuffleのすべてに新しいヘッドホンを採用している。従来よりもやや小さくなり、日本人の耳にもフィットしやすくなったほか、音質を改良したという。

■iTunes 7はジャケット写真で楽曲の検索が可能に

 音楽管理ソフトiTunesは、新バージョンのiTunes 7となり、本日から無償ダウンロードができるようになった。従来の表示に加えて、アルバムごとに区切って楽曲を表示する「アルバムビュー」と、ジャケット写真をスクロールすることで楽曲の検索ができる「カバーフロービュー」という2つの表示方法を選べるようになった(図6)。

 また、iTunes上で利用できる専用の音楽配信サイトiTunes Music Store(iTMS)で、購入した楽曲をパソコン間でコピーすることも可能になった。だたし、コピー元と先のパソコンがiTunes Music Storeの同一アカウントを使っている必要がある。

 iTMSで配信するコンテンツには、ゲームが新たに加わった。現在、「テトリス」や「パックマン」など9本の作品があり、1本600円でダウンロードできる(図7)。クリックホイールで操作し、新iPodと第5世代のiPodで使用できる。

■米国では映画配信を開始

 米国向けになるが、iTMSでは映画の配信も開始した(図8)。アップルのCEOであるスティーブ・ジョブズ氏が大株主を務める、ウォルト・ディズニー系の4つのレーベル「ディズニー」「ピクサー」「タッチストーン」「ミラマックス」の作品、合計75本以上を配信する。主な作品は「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「Mr.インクレディブル」など。

 1本当たりのダウンロード価格は、新作の場合、DVDの発売前の予約期間から発売後1週間までが12.99ドル、その後の一定期間が14.99ドルとなる。新作ではない通常の作品は1本当たり9.99ドルとなる。現在は米国のみでの配信となるが、2007年には他国でも配信を展開していく意向だ。

 映像の解像度は640×480ドット。映画に限らず、今後、iTMSが配信するミュージックビデオやテレビ番組などの動画は、すべて解像度を従来の320×240ドットから、4倍の640×480ドットに拡大する。

 アップルは2007年の1〜3月に、iTunes内の音楽や写真、動画などのコンテンツを無線LANを使ってテレビに送信する新端末「iTV」を投入する(図9)。音声と映像をデジタル送信するためのHDMI端子や、コンポーネント映像端子、光デジタル音声出力端子などを備える。

 テレビやセットトップボックスとiTVを接続すると、iTunes内のコンテンツを再生できる独自のインタフェースを表示する(図10)。付属のリモコンで操作が可能。価格は299ドル。 (井原 敏宏=日経パソコン)

米アップル、ディズニー映画販売 画質はDVD並み

2006/09/13 The Sankei Shimbun

 【ワシントン=渡辺浩生】米アップル・コンピュータは12日、同社の音楽映像配信サービス「iTunes Store(アイチューンズ・ストア)」を通じて、ウォルト・ディズニー社の映画を販売すると発表した。来年には自宅のテレビでの鑑賞も可能にするという。米国ではアマゾン・ドット・コムが7日に映画やテレビ番組の配信を開始したばかりで競争が加速しそうだ。

 アップルは専用ソフト「iTunes Store」を通じて音楽やテレビ番組を配信、利用者は大ヒット中の携帯音楽プレーヤー「iPod」で再生している。新たに配信されるのはディズニー、ピクサー、タッチストーン・ピクチャーズ、ミラマックス・フィルムズの映画75本。

 新作もDVDで発売開始と同時に配信される。30分でダウンロードでき、画質はDVD並みの高画質という。

 「コンテンツをパソコン、iPod、そして自宅の大型スクリーン・テレビでも楽しむことができるようになる」

 ディズニーの取締役も務めるスティーブ・ジョブス最高経営責任者(CEO)は会見でこう語り、スクリーン付きの新iPod(249ドル)を発表。さらに自宅のテレビで鑑賞できる専用装置「iTV」(299ドル)を来年1〜3月に発売する計画も明らかにした。

 配信されたデジタル映像のテレビ再生が実現すれば「娯楽産業のジレンマが解決できる」(アナリスト)として、映画配信ビジネスが拡大する可能性もある。

MSとアップル 携帯音楽プレーヤー対決 日の丸メーカーに存在感

2006/09/10 The Sankei Shimbun

 携帯音楽プレーヤー市場で独走を続ける米アップルコンピュータ「iPod(アイポッド)」に対抗すべく、米マイクロソフト(MS)は年内に携帯プレーヤー「Zune(ズーン)」を投入し、パソコンOS(基本ソフト)でしのぎを削ったアップル対マイクロソフトの因縁の対決が再燃する。前回の戦いに日本メーカーの影は薄かったが、今回は、Zuneを生産するのは東芝で、iPodの中身もかなりの部分が日本製部品とかかわりは深い。日本メーカーの技術力対決の一面も持つ展開だ。(田端素央)

 ■MS+東芝参戦

 東芝のZune製造は、同社が米連邦通信委員会に提出した資料で判明した。東芝は「資料提出は事実だがそれ以上コメントできない」とする。しかし、製品資料には写真も添付され、本体裏面にマイクロソフトが7月に発表したZuneのロゴマークも見える。

 資料によると、3インチの液晶画面と、音楽プレーヤーとしては大容量の30ギガバイトハードディスク駆動装置(HDD)を内蔵し、音楽だけでなく動画再生も可能という概要となっている。特徴的なのは、無線LANによる通信機能やFMラジオチューナーも備えていることで、月内にも詳細が発表される見通しだ。

 東芝はMSとデジタル家電などで技術提携しているほか、次世代DVD規格でも同じ「HD DVD」陣営に属するなど、関係は深い。

 ■迎え撃つアップル

 パソコン、インターネット、携帯音楽プレーヤーを組み合わせたネット音楽配信事業は、パソコンソフト、レコード、電機など関係各社が収益を上げられる成功事業モデル。ソニーや松下電器産業などの日本メーカーも力を入れるが、圧倒的シェアを持つのは事業モデルを編み出したアップルで、MSは大きく後れを取っていた。

 Zuneで切り崩しを図るMSを迎え撃つアップルは13日(米国時間12日)に内容を伏せた発表会を予定している。業界では「ビデオ機能が強化された新型iPodが発売されるのでは」「音楽に続いて、映画配信事業に乗り出すのではないか」などのうわさが飛び交い、因縁の対決は早くもヒートアップしている。

 ■iPodの中身

 あまり表には出ていないが、iPodの基幹部品のHDDは、東芝や日立製作所グループが供給。記憶媒体にフラッシュメモリーが用いられるようになってからも、東芝が一部を供給する。

 さらに、昭和電工(HDD用基板)、HOYA(同)、TDK(磁気ヘッド)、日本電産(小型モーター)など「材料費の半分近くを日本製が占める」(アナリスト)との指摘もあり、株式市場で「iPod銘柄」と呼ばれるほどだ。

 大手メーカーだけではない。本体裏面の鏡のように磨き上げられたステンレス素材は、東陽理化学研究所(新潟県燕市)の「鏡面加工」技術によるもの。電気と薬品で化学的に研磨する同社の要素技術を用いて地元・新潟の工場群で研磨作業が行われている。

 前回のOS戦争の際は、日本メーカーはパソコンというハードメーカー群の一角として参戦したが、今回はなくてはならない存在だ。

「iPod」対抗の米MS「Zune」、東芝が製造

2006年08月26日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ニューヨーク=北山文裕】米アップルコンピュータの「iPod」(アイポッド)に対抗し、米マイクロソフトが年内にも投入するデジタル携帯音楽プレーヤー「Zune(ズーン)」を東芝が製造することが25日わかった。

 東芝が25日までに米連邦通信委員会(FCC)に提出した資料などによると、ZuneはFMチューナー内蔵で、無線で音楽を収録したり、3インチ(約7・62センチ・メートル)の液晶画面に画像を再生したりできる。他の利用者と音楽を交換することもできる。

 東芝は自社ブランドのプレーヤーも製造、販売しているが、マイクロソフトと組んでシェア(市場占有率)トップのアップルを追撃する。

iPod特許侵害 アップル、1億ドル支払いで和解

2006/08/24 The Sankei Shimbun

 米アップルコンピュータの携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」をめぐる特許技術侵害の損害賠償訴訟で、アップルは23日、シンガポールの携帯音楽端末メーカーに1億ドル(約116億円)の特許使用料を支払うことで和解したと発表した。

 訴訟を起こしていたのはクリエイティブ・テクノロジー。同社の携帯音楽プレーヤー、ZENに使われている技術をアップルが無断で使用したと主張していた。アップルは和解により、今後、クリエイティブが問題視していた技術を使うことができる。(共同)

MS版iPod、「Zune」発表 無線で音楽配信

2006/07/22 The Sankei Shimbun

 米ソフトウエア最大手マイクロソフト(MS)は21日、アップルコンピュータのヒット商品「iPod(アイポッド)」に対抗するため、独自のデジタル携帯音楽プレーヤーを開発、「Zune(ズーン)」のブランド名で年内に発売することを明らかにした。

 MSはiPodのような携帯端末を発売するとともに、インターネット経由で音楽を購入し、端末にダウンロードできるサービスを開始するとみられる。

 米メディアによると、MSはサービス開始に向けて複数のレコード会社と交渉中。新端末は、パソコンとの無線通信で音楽をダウンロードできるという。

 アップルはiPodの大ヒットで業績が急拡大。MSはiPod人気で急成長するデジタル音楽市場に参入し、アップルに対抗する。(共同)

フランス:iPod独占に待った 著作権法改正案を可決

2006年07月01日毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 フランスの上下両院は30日、著作権法改正案を可決した。音楽販売サイトからダウンロードした音楽に互換性を持たせ、複数の社のデジタル携帯音楽プレーヤーで再生できるよう求めており、米アップルコンピュータの「iPod(アイポッド)」の市場独占に歯止めをかける内容。

 iPodは携帯プレーヤー市場で7割以上のシェアを占めるといわれる。現在は、アップルの音楽販売サイト「アイチューンズ・ミュージック・ストア」で購入した楽曲は、iPodと一部の携帯電話でしか再生できず、ソニーなど他社のサイトではiPodを利用できない。

 著作権法改正案は、音楽販売サイト間で技術情報を公開し合うよう要求。ダウンロードした音楽を他社製品でも再生できる環境を目指している。

 法案可決により、アップルがフランス市場から撤退する可能性も指摘されている。AP通信によると、欧州ではフランス以外にも複数の国がアップルの独占に是正を求める措置を検討中という。(パリ共同)

東芝が「ワンセグ」対応の携帯音楽プレーヤー

2006/05/31 The Sankei Shimbun

≪最大で130時間の録画も可能≫

 東芝は30日、携帯機器向け地上デジタル放送「ワンセグ」が受信できる携帯音楽プレーヤー「gigabeat(ギガビート)V30T」を、6月下旬から発売すると発表した。外出先でも高画質なワンセグ放送を視聴できるほか、最大で約130時間分の録画も可能。携帯音楽プレーヤーとしてワンセグに対応するのは初めてという。

 30ギガバイトのHDD(ハードディスク駆動装置)と、3.5型のカラー液晶画面を搭載、重量は約230グラム。楽曲なら最大で約7500曲、動画なら最大127時間分を記録できる。大容量のバッテリーを搭載し、ワンセグ視聴で約7時間、音楽再生なら約25時間の連続使用が可能だ。価格は、4万9800円前後の見込み。

ソフトバンク、iPod搭載携帯を共同開発へ

2006/5/13 中国新聞ニュース

 ソフトバンクと米アップルコンピュータが携帯電話事業で提携し、ヒットを続けるアップルのデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」を搭載した携帯電話機を共同開発する方向で調整していることが十三日、分かった。

 ボーダフォン日本法人を買収し携帯電話事業参入を果たしたソフトバンクは、コンテンツ(情報の内容)の品ぞろえを強化してNTTドコモとKDDI(au)の二強を追撃する戦略を描いている。トップシェア獲得に向け独自の先進的なサービス実現を視野に入れており、第一弾としてアップルのブランド力を生かして携帯向け音楽配信サービスで攻勢をかける。

 両社は、iPodの機能が付いた第三世代携帯電話を開発、携帯をパソコンにつなげば、アップルが展開する音楽配信サービスからインターネット経由で音楽を取り込めるようにする。来年をめどに発売する見通しで、ソフトバンクの無線通信網を使って手軽に配信を受けられる電話機の開発なども急ぐ考えだ。

 携帯向け音楽配信サービスではauが先行し、若者を中心に人気が広がっている。ドコモも今夏の商戦に合わせ、音楽配信サービスに対応した新機種を発売する。

 今年十一月には、番号を変えずに携帯電話会社を変更できる「番号ポータビリティー(持ち運び)制度」の導入が予定され、携帯業界のシェアが変動するとみられており、各社の顧客獲得競争が一段と過熱しそうだ。

米アップルが商標訴訟でビートルズ側に勝訴

2006/05/08 The Sankei Shimbun

≪リンゴの絵、使用問題なし≫

 ビートルズの元メンバーらが所有する英レコード会社アップルが、米パソコン大手アップルコンピュータに対し、音楽配信サイトにおけるリンゴの絵の商標使用差し止めと損害賠償を求めた訴訟で、ロンドンの高等法院は8日、商標の使用に問題はないとして原告の訴えを退ける判決を言い渡した。

 1991年にアップルコンピュータが商標の使用をコンピューター事業に限ることでアップル社と合意したが、その後、アップルコンピュータがこの商標を使い、デジタル携帯音楽プレーヤーiPod(アイポッド)に代表される音楽配信サービスを開始。

 アップルコンピュータ側は「電子システム」で音楽事業ではないと主張したが、アップル社は合意違反として提訴した。

 リンゴの商標をめぐる両社間の訴訟はこれが3回目だった。(共同)

iTunesに対抗、KDDIがPC向け「リスモ」

2006/04/18 The Sankei Shimbun

 KDDIは20日、パソコン向けの音楽配信サービスを5月17日から開始すると発表した。携帯電話向け音楽配信で人気の高い「着うたフル」サービスを、パソコン向けにも広げることで利用拡大を図るのが狙い。

 音楽配信サイト「リスモ ミュージックストア」を立ち上げ、スタート時は最新の邦楽を中心に約2万曲をそろえる。価格は1曲100−400円。利用する際はネット経由で専用の音楽管理ソフトを取り込む必要がある。

 同社は2月に、携帯電話で取り込んだ楽曲をパソコンと共有できるサービス「リスモ」を始めたが、今回のサービスにより、パソコンで取り込んだ楽曲を携帯電話で聴くことが可能となる。

 約150万曲というアップルの音楽配信サービス「iTunes ミュージックストア」と競争するため、今後は曲数の拡充を進める。

ヤマハ、iPod向けオーディオシステム発売へ

2006/04/18 The Sankei Shimbun

 ヤマハは18日、米アップルコンピュータの携帯音楽プレーヤー「iPod」用オーディオシステム「iGroove(アイグルーヴ)」を米社から輸入し、4月下旬から発売する、と発表した。iPodを接続することで、迫力ある音響を楽しむことができる。

 輸入・販売するのは、高級スピーカーメーカーのクリプシュがiPod用に開発したアンプとスピーカーを一体にしたシステム。iPodを差し込むだけで、音楽がスタート。リモコンでiPodとiGrooveの両方を操作できる。

 全国のアップル直営店やアップルのオンラインストアで販売する。価格は3万円前後の見込み。ヤマハは、すでにiPod対応のアンプやスピーカーを発売しているが、高音質のシステムを追加し、商品群を拡充する。

iPod限定の曲販売ダメ 仏議会が著作権法改正へ

2006/03/18 The Sankei Shimbun

 フランス議会は18日までに、米アップルコンピュータの有料音楽配信サイト「アイチューンズ・ミュージック・ストア」で購入した楽曲を、同社の人気のデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」以外の他社のプレーヤーでも再生できるようにする著作権法改正案をまとめた。

 同ストアで購入した楽曲は現在、iPodと一部の携帯電話でしか再生できない。改正案は名指しはしていないが、iPodの爆発的なヒットでデジタル音楽販売を伸ばしてきたアップルの市場独占化に待ったをかけるもので、同社の経営に打撃を与えそうだ。

 ロイター通信によると、21日に国民議会(下院)で採決され、上院の審議を経て今年夏にも施行される見通し。

 ダウンロード音楽を再生する選択肢が広がれば、iPodの販売が落ち込む可能性があり、法改正に伴い、アップルがフランスのデジタル音楽販売市場から撤退するとの見方も出ている。フランスの同市場は欧州では英国、ドイツに次ぐ規模。

 改正案は、音楽ソフトに限り、フォーマットを別のプレーヤー用に変換しても違法ではないと認め、音楽販売サイト間の互換性を高める。一方で、違法コピー対策強化のため、違法な音楽ダウンロードに対しては最大150ユーロ(約2万1000円)の罰金を科す内容も盛り込んだ。(共同)

NEC PC活性化へ携帯プレーヤー発売 激戦市場に参入

平成18(2006)年2月15日 The Sankei Shimbun

 NECは十四日、パソコンに取り込んだ音楽や録画したテレビ番組を再生できる携帯プレーヤーを三月下旬に発売すると発表。米アップルコンピュータも昨年、動画も見られる携帯音楽プレーヤー「iPod」を発売するなど競争が激化しているが、NECとしてパソコンとの連携で拡販を実現したい思惑だ。

 ≪PCと連携≫

 発売する携帯プレーヤー「VoToL(ヴォトル)」は、2・7型の液晶モニターと、容量30ギガのHDD(ハードディスク駆動装置)を搭載し、価格は三万九千九百円。当面はインターネットの直販サイトを通じて販売し、年間一万台の販売が目標だ。

 CDなどからパソコンに取り込んだ音楽や、パソコンで録画したテレビ番組の映像データを、専用のソフトを使ってプレーヤーに転送して楽しめるのが特徴。最大で約百二十時間の動画を保存でき、内蔵のバッテリーにより約四時間の連続再生もできる。

 NECが音楽や映像を見られる携帯プレーヤーに参入した背景には、AV(音響・映像)機能を高めたパソコンとの連携を強化し、「パソコン市場を活性化させる」(NEC)狙いがある。

 電子情報技術産業協会によると、パソコンの国内出荷台数は伸びているものの、単価は平成十七年十−十二月期で前年比12%低下するなど、価格下落に歯止めがかかっていない。

 このため、メーカー側は、アナログ放送に加えて地上デジタルチューナーを内蔵したモデルや、高精細なハイビジョン対応製品のほか、テレビ番組を録画するために大容量のHDDを搭載するなど、単価の高いAV機能を強化したパソコンを投入している。NECとしてはさらに周辺機器として携帯プレーヤーを投入し、AVパソコンの拡販につなげたい考えだ。

≪勝算は「…≫

 ただ、携帯音楽プレーヤーはメーカーの参入が相次ぎ、競争は極めて激しい。昨年九月には業界四位だったディーアンドエムホールディングスが撤退したほか、オリンパスも昨年九月までに生産を停止するなど淘汰(とうた)も進んでいる。

 シェア(市場占有率)トップの米アップルコンピュータが昨年十月、動画機能の付いた「iPod」を発売。自社のコンテンツ(情報の内容)配信サービスで、音楽ビデオや短編映画の配信を行い、一段とシェアを伸ばしている。

 これに対し、NECの発売する携帯プレーヤーでは著作権の問題から、同社のインターネット接続サービス「BIGLOBE」の動画ポータル(玄関)サイトで提供されるコンテンツの視聴が難しい。動画コンテンツはテレビ番組が中心のため、四月から始まる携帯機器向け地上デジタル放送「ワンセグ」に対応した携帯電話などとの競争も避けられず、勝ち残りの道はかなり険しそうだ。(大柳聡庸)

アップル、純利益2倍に iPodで過去最高収益

2006/01/19 The Sankei Shimbun

 米パソコン大手アップルコンピュータが18日発表した昨年10―12月期決算は、純利益が5億6500万ドル(約651億円)と前年同期の1.9倍になった。売上高も前年同期比64.7%増の57億4900万ドルと大幅増収。デジタル携帯音楽プレーヤーiPod(アイポッド)の爆発的人気で過去最高の収益を達成した。

 iPodは前年同期に比べて約3倍の1404万台が出荷され、売上高は2.4倍の29億600万ドルと絶好調。iPodは、売上高で全体の半分以上を占めるまで成長した。

 マッキントッシュ・パソコンも好調で、前年同期比20%増の125万台が出荷された。

 スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は好業績に「わくわくしている」とコメントした。(共同)

iPod、累計販売4200万台に

2005/11/11 The Sankei Shimbun

 米アップルコンピュータは10日、人気のデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」の累計販売台数が、2001年の発売以来4200万台に達したと発表した。年末商戦を含む昨年10―12月期には、その約3分の1に相当する1400万台が売れた。

 iPodに楽曲をダウンロードできる音楽配信サイト「アイチューンズ・ミュージック・ストア」でこれまでに販売された曲数は8億5000万曲に上った。(共同)

「iPod」シェア50%超 メーカー淘汰も

2005/11/03 The Sankei Shimbun【東京朝刊から】

≪音楽配信・動画…≫

 急速に市場が拡大しているデジタル携帯音楽プレーヤーの国内市場で、米アップルコンピュータ「iPod」の独走が鮮明になってきた。音楽配信サービスの開始や相次ぐ新製品投入でライバルを突き放し、シェア(市場占有率)で5割を超えた。ソニーなど各社が追撃するが、逆に参入メーカーの広がりで価格が下落、撤退するメーカーも出るなど、淘汰(とうた)の波も押し寄せている。(大柳聡庸)

 アップルは8月に国内で音楽配信サービス「アイチューンズ・ミュージックストア」を開始。9月には厚さ6・9ミリという「iPod nano」を発売すると、「デザイン性が受けた」(大手量販店)ことで一気にシェアを拡大した。

 民間調査会社のBCN総研によると、8月に約40%だったシェアは9月に50%を超えた。10月には動画も見られる新製品を発売したことで「シェアはさらに伸びている」(BCN総研)という。

 アップル独走に対し、後続組は追いつくのに必死。ソニーは、利用者がよく聴く楽曲や発売された年代ごとに選曲する機能を付けた新しい「ウォークマン」を今月19日から投入、単独2位の堅持に躍起だ。

 ソニーは7月までシェア20%程度を維持していたが、アップルに押され、9月にはシェアを約10%に落とした。これを挽回(ばんかい)するため同じグループの音楽配信大手、レーベルゲートと連携したり、インターネットから楽曲を取り込めるミニコンポ発売や動画対応、カーステレオなどとの接続機能追加などの検討も始めた。

 携帯音楽プレーヤーなどを担当するコネクトカンパニーのトップ、辻野晃一郎氏は「ハードとソフトを組み合わせた魅力で、トップを狙う」と、グループ力でアップル追撃に意欲を見せる。

 半導体メモリーやHDD(ハードディスク駆動装置)を搭載した携帯音楽プレーヤーの今年度の世界市場は、前年比5割増の4000万台超となる見通しで、CDやMDプレーヤーから置き換わる形で市場は拡大している。

 ただ、メモリーや、音楽データを処理する半導体など部品さえそろえば参入できるため、メーカー間の競争は激しい。

 競争激化で、業界4位の「リオ」ブランドを持つディーアンドエムホールディングスは9月末で撤退した。同社の株本辰夫CEO(最高経営責任者)は「音楽配信と組み合わせていかないと難しい事業」と、その理由を説明する。

 ハード価格が下落傾向にある中、ハードのみの競争は厳しい。そのためアップルやソニーはハードと音楽配信が一体となったサービスを充実、競争力を高めている。「国内市場はiPodとその他製品」(大手量販店の販売員)という中、市場拡大の一方で、メーカーは絞り込まれそうだ。

画面傷つきやすいと訴訟 iPodナノ利用者

2005/10/25 The Sankei Shimbun

 米アップルコンピュータのデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod nano(アイポッド・ナノ)」が、表示画面上に傷がつきやすいとして、利用者が24日までに、アップルに対し損害賠償を求めてカリフォルニア州サンノゼの連邦地裁に集団訴訟を起こした。

 ナノはiPodシリーズの中で最も薄いのが特徴。訴状によると、ナノの画面は傷つきやすく、使用中にすぐに画面が見えなくなってしまうという。訴状は、アップルが薄いというデザイン性を重んじて、カバーの強度が弱まったのにもかかわらず発売したため、利用者が欠陥品を使うことになったとしている。

 ナノは今年9月に発売されたが、直後に画面が傷つきやすいという苦情が寄せられていた。(共同)

iPod効果で純利益4.8倍 米アップル

2005/10/12 The Sankei Shimbun

 米アップルコンピュータは11日、2005年度決算(04年10月―05年9月)を発表した。人気のデジタル音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」効果などで、純利益は前年度の約4.8倍の13億3500万ドル(約1520億円)に急増、売上高も68.3%増の139億3100万ドルといずれも過去最高だった。

 7―9月期決算は売上高が前年同期比56.5%増の36億7800万ドル、純利益が前年同期の約4倍の4億3000万ドルと四半期でも過去最高の収益を確保。iPodの出荷は前年同期の約3.2倍の645万台、マッキントッシュ・パソコンは47.8%増の123万台だった。

 同社はこの1年でiPodのシリーズとして、最小の機種「シャッフル」や写真を保存できる新機種、iPod携帯電話などを次々に発売した。(共同)

MSとリアルが和解 音楽再生ソフトで

2005/10/12 The Sankei Shimbun

 米音楽・映像配信ソフト大手リアルネットワークスは11日、ソフトウエア最大手マイクロソフト(MS)の音楽再生ソフト「メディアプレーヤー」が独占禁止法(反トラスト法)に違反しているとしてMSを訴えていた訴訟で、MS側が総額7億6100万ドル(約870億円)を支払うことで和解が成立したと発表した。

 リアルは、メディアプレーヤーと競合する音楽・映像配信ソフト「リアルプレーヤー」を主力商品とし、MSと対立姿勢を強めていたが、「iPod(アイポッド)」を中心に躍進するアップルコンピュータの音楽配信事業に対抗するため、MSとの提携でも合意した。

 MSの検索サイト「MSN」を通じリアルプレーヤーを提供するほか、ゲーム配信も支援する。(共同)

デジタル音楽販売額3倍に 上半期、世界で900億円

2005/10/04 The Sankei Shimbun

 インターネットや携帯電話を通じて楽曲を有料でダウンロードする「デジタル音楽」の販売額が2005年上半期に世界で7億9000万ドル(約900億円)に上り、前年同期の3倍以上に急増したことが、国際レコード連盟(IFPI)がこのほど実施した調査で分かった。

 ブロードバンド(高速大容量)通信や携帯音楽プレーヤーの普及を背景に人気が高まっていることが理由。世界でCDやDVDなどの売上高が6.3%減の124億ドルと落ち込む中、デジタル販売が音楽業界全体に占める割合は約6%に達した。

 デジタル音楽販売は特に米国、英国、日本、ドイツ、フランスの5カ国の市場で急増。日本では、携帯電話向け音楽配信サービス「着うた」などの利用拡大により、デジタル販売のうち携帯電話によるものが96%を占めることが特徴という。

 IFPIは「デジタル音楽の好調な売れ行きが、CDなどの不振を穴埋めしている格好だ」と分析している。(共同)

iPodでラジオ番組 次世代型ネットサービス普及へ

平成17(2005)年09月25日 The Sankei Shimbun

誰でも“開局”新たな広告媒体に

 「ポッドキャスティング」と呼ばれる次世代型のインターネットラジオ放送が米国から上陸、日本でも普及の兆しを見せている。米アップルコンピュータのデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod」(アイポッド)などを使うラジオだが、新しい専用ラジオ局やネット関連会社が相次いで新サービスを展開しているほか、個人で局を開設するケースも増えている。放送と通信の融合による新たなサービスとして期待は大きく、各方面から熱い視線が注がれている。(冨岡耕)

 ポッドキャスティングは、「iPod」と、英語で放送を意味する「ブロードキャスティング」を組み合わせた造語。アップルが音楽配信サイト「アイチューンズ・ミュージックストア」に専用コーナーを今夏に開設したことで人気に火がついた。

 八月に米国で会見したアップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は、「七百万人以上が利用し、コンテンツ数は一万五千件。毎週千ずつ増えており、ロケットのような急上昇だ」と熱く語る。事実、その勢いは、権威のある「オックスフォード英語辞典」にも新語として登場したほどだ。

                   ◇

 日本では、ラジオ局の新サービスも相次いでいる。ニッポン放送は、新サイト「ポッドキャスティングステーション」をネット上に開設し、十月三日からラジオ番組と連動した八番組を無料で配信する。

 檜原麻希デジタルコンテンツ部長は「ネットとの連動で新規リスナーを開拓できる」と期待する。

 エフエム東京も八月からネット関連会社のエキサイトを通じて、二十−三十代の女性向け中心の情報番組など特別番組を提供している。朝日放送はNTT東日本と提携。十月から放送するラジオドラマ番組「流星倶楽部」をNTT系ブロードバンド(高速大容量)加入者向けに独自配信する予定だ。

 いずれも利用者は好きな番組を無料でパソコンにダウンロードし、iPodなどの携帯音楽プレーヤーに移して聴くことができる。新聞や雑誌のように定期購読ができるのも魅力だ。

 地方ラジオ局も躍起だ。IBC岩手放送(盛岡市)は八月から地元の人気トーク番組「イヤーマイッタマイッタ」をニフティを通じて全国配信。「地方局は大手キー局にはない魅力がある。全国展開というチャンスが広がる」(IBC岩手放送デジタル推進部)と語る。

                   ◇

 ポッドキャスティングは免許が必要な「放送」ではないため、誰でも自由にネット配信できることが特徴。ネットの特性上、世界進出も可能。利用範囲は未知数に広がり、広告収入が減っているラジオ局にとっては、新たな広告媒体としても有望だ。

 個人でも「“音声版”ブログ(ネット上の簡易型日記)として認知されてきた。簡単にラジオ局を開設できる」(関係者)ことが普及を後押ししそうな勢い。

 ただし、ポッドキャスティングはパソコンや携帯音楽プレーヤーに保存できるため、大手ラジオ局幹部は「著作権処理が複雑で音楽番組関連のネット配信は簡単にはいかない」と指摘する。次世代ラジオとして花開くには、放送と通信の融合時代を見据え、関係業界による早期のルール整備が求められる。

携帯プレーヤー相次ぎ発表 アップルとソニー“対決”

2005/09/08 The Sankei Shimbun

 デジタル携帯音楽プレーヤーの商戦で、米アップルコンピュータは7日、名刺より一回り小さく厚さ6.9ミリの超薄型や携帯電話一体型の新商品を発売すると発表、ソニーも8日、新商品「ウォークマンAシリーズ」を11月19日に発売すると発表した。「iPod」の世界累計販売台数2200万台を誇る“巨人”アップルに、ソニーはデザイン、機能を一新した新商品で挑む。

 アップルの「iPod nano(アイポッド・ナノ)」は重さ42グラムで、iPodシリーズでは最も薄い。

 記憶容量4ギガバイトでは最大1000曲の記録が可能。デジタルカメラで撮った写真も保存できる。日本では8日から発売、4ギガバイトのモデルは2万7800円。

 ソニーの新商品は、曲線を多用したデザインと大型液晶が特長。パソコンを通じCDやインターネットから音楽を取り込む仕組みは変わらないが、再生中の曲に近いジャンルや年代の作品をディスクに保存した曲から選び、自動再生する機能もある。実勢価格は3万―3万5000円とみられる。

 またアップルの携帯電話一体型の「ROKR(ロッカー)」は、米モトローラと共同開発。パソコンに接続してアップルの音楽配信サービスから100曲までダウンロードできる。

 米国では7日、携帯電話大手シンギュラー・ワイヤレスが249.99ドル(約2万7500円)で発売、年内に世界に拡大する。デジタル音楽市場を携帯電話にまで広げる戦略商品となる。

 ソニーはデジタルプレーヤーの国内シェアで、アップルの40%強に対し15%弱と大きく水をあけられている。(共同)

ソニー系レコード会社がアップルに楽曲提供へ

2005/09/05 The Sankei Shimbun

 レコード会社のソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は5日、米アップルコンピュータが8月に日本で始めた音楽配信サービス「iチューンズ・ミュージックストア」へ楽曲を提供する方針を明らかにした。配信代行手数料などの交渉がまとまり次第、提供を開始する。

 ソニーとアップルは、デジタル携帯音楽プレーヤーでシェア争いをしている。SMEは、グループのライバル会社に楽曲を提供することになるが、市場の急速な伸びが期待される音楽配信で販売の窓口を広げ、売り上げ拡大につなげるべきだと判断した。

 提供する楽曲数は約4万5000曲で、平井堅や中島美嘉など人気歌手の作品も含まれる。アップルのサービスは配信曲数が約100万曲と国内最大だが、邦楽が少ないことが課題となっていた。SMEからの楽曲提供で苦手分野を補い、さらにサービスが充実しそうだ。

 SMEは、国内レコード会社が共同出資する配信サービス会社「レーベルゲート」の株式の66%を取得、音楽配信事業でもアップルと競争関係にあるが、「課金や著作権保護システムが確立している配信サービスには楽曲を提供する」としている。(共同)

ヤフー、無料音楽配信

2005/08/22 The Sankei Shimbun

 ヤフーは二十二日、インターネットを通じた無料音楽配信サービスを開始したと発表した。サイトで映像広告とともに約十万曲を提供、利用者は気に入った楽曲のCDを通信販売で購入も可能。同社の展開する有料音楽配信事業の利用者拡大と、広告収入増加が狙い。

 ネット経由の音楽配信は、米アップルコンピュータが日本語で有料サービスを今月開始するなど、情報通信関連企業が力を入れている。国内最大のポータル(玄関)サイトを運営するヤフーの取り組み強化で、競争はさらに激化しそうだ。

 新サービス「ヤフー!ミュージックサウンドステーション」は、サイト上で七十余りの番組を提供。好きな番組を選ぶと映像広告の後、邦楽や洋楽、クラシックなど自動的に選択された計十曲を聴ける。

 無料配信する楽曲は音質がCDより劣り、パソコンに保存もできない。ただ、より高音質の楽曲を楽しみたい場合は、パソコンや携帯音楽プレーヤーに取り込んで聴く有料サービスも行う。ヤフーは楽曲数を順次増やす予定だ。

半年で音楽配信141億円 日本レコード協会が公表

2005/08/10 The Sankei Shimbun

 日本レコード協会は10日、今年上半期(1―6月)の国内の有料音楽配信の売り上げ実績が総額で約141億6000万円に上ったと公表した。同協会が売り上げ実績を公表したのは初めて。

 同協会会員の42社の実績まとめ。「着メロ・着うた」など携帯電話へのモバイル配信が約1億900万回で、売り上げは約135億9000万円と全体の96%を占めた。第2位はインターネットを利用したパソコンなどへのダウンロードで約200万回、約5億4000万円の売り上げ。

 同協会は、市場の拡大や違法ファイル交換の社会問題化などを踏まえ、有料音楽配信への理解を広めるため公表を決めた。今後も四半期ごとの公表を予定している。(共同)

有料音楽配信iTMS、開始4日間で100万曲突破

2005年08月08日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 米アップルコンピュータの日本法人は8日、日本向けの有料音楽配信サービス「アイチューンズ・ミュージックストア(iTMS)」の販売曲数が、今月4日のサービス開始から7日までの4日間で、100万曲を突破したと発表した。

 既存の日本の音楽配信サービスの販売曲数は、1か月で数十万曲程度と推計され、iTMSが国内の音楽配信事業でいきなり業界トップに躍り出た形だ。

 アップルはネット音楽配信では世界最大手で、国内サービスでも配信曲数は約100万と、「既存業者よりも競争力のあるサービス」(業界関係者)が人気を集めたと見られる。

 1曲あたりの価格も150円と210円の低価格に抑えた結果、レーベルゲートやオリコンなど国内の配信大手は、iTMSに対抗して相次いで値下げを発表した。急速に普及する音楽配信ビジネスのシェア争いが早くも激化している。

アップル、日本で音楽配信 邦楽含め100万曲提供

2005/08/04 The Sankei Shimbun

 インターネットによる音楽配信サービス世界最大手の米アップルコンピュータは4日、日本国内での配信サービスを開始したと発表した。エイベックスやコロムビアミュージックエンタテインメントなど日本の主要音楽会社15社から楽曲の提供を受けて、スタート時に邦楽、洋楽合わせて約100万曲を提供する。

 一方、米ナップスターも同日、ネット音楽配信での日本市場参入を発表。米国での音楽配信サービス市場で約8割のシェアを握る“巨人”アップルと、ナップスターの相次ぐ日本上陸を受け、国内の音楽配信会社は直ちに値下げを発表し、顧客争奪戦の火ぶたが切って落とされた。

 競争激化による料金低下は、利用者にとってプラスとなり、音楽業界には先細り気味の音楽市場が活性化するとの期待が出ている。

 アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は同日、都内で開いたイベントに出席し、「これから楽曲を増やし、日本に合わせたサービスを提供していきたい」と抱負を語った。1曲当たりの配信料金は9割が150円で、邦楽の一部などが200円。6日に国内4つ目の直営店を東京・渋谷に開く。

 アップルは「iPod」が火を付けたデジタル携帯音楽プレーヤーの市場拡大に乗って、ネット音楽配信でも日本市場の席巻を狙う。日本への参入によってアップルは世界20カ国をカバーすることになる。

 ナップスターは、タワーレコード(東京)との共同出資で、10月をめどに日本でネット音楽配信の新会社を設立する。100万曲以上をそろえ、来年4月のサービス開始を目指すとしている。

 迎え撃つ国内勢では、ソニーーグループのレーベルゲートが料金をアップルと同水準とするため1曲当たり150―200円に値下げ。エキサイトとヤフーも値下げに踏み切った。顧客を囲い込むために値下げ合戦の様相も見せ始めている。(共同)

≪国内勢は直ちに対抗値下げ アップル参入で競争激化≫

 アップルコンピュータやナップスターといった米音楽配信会社の日本市場参入を受け、国内の音楽配信会社は4日、直ちに対抗値下げを発表、顧客争奪戦の火ぶたが切って落とされた。競争激化による料金低下は、利用者にとってプラスとなり、音楽業界には先細り気味の音楽市場が活性化するとの期待が出ている。

 好きな曲を取り込みデジタル携帯音楽プレーヤーなどで楽しむことができる音楽配信はインターネットの普及とともに急成長。先進国では1000万人以上が常時利用しているとの調査もある。

 ただ日本レコード協会の調査では、国内では音楽配信サービスの利用率は1割程度にとどまっている。米国で8割強のシェアを持つアップルは、出遅れ気味の日本市場に満を持して参入してきたわけだ。

 迎え撃つ国内勢では、ソニーーグループのレーベルゲートが料金をアップルと同水準とするため1曲当たり150―200円に値下げ。エキサイトとヤフーも値下げに踏み切った。オリコンでは、240円から150円まで下がった曲もあり、9月には欧州の7万曲について、130円とさらに安価な配信を始める。顧客を囲い込むために値下げ合戦の様相も見せ始めている。

 電機メーカーにとっても脅威となりうる。「iPod」シリーズは、日本のデジタル携帯プレーヤー市場でシェアがトップの36%を占めるが、米国の74%に比べれば低い。アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は「日本での見通しは明るい」と、音楽配信をてこにシェアを高める意向を示した。

 ただ音楽業界には外資参入が追い風となりそうだ。CDの生産額は1998年をピークに減り続けており、音楽業界では「音楽配信がCDに代わる需要の起爆剤になるのでは」と歓迎する声が強い。新譜だけでなく、店頭にない旧作も簡単に購入できるといった利点も大きい。(共同)

ネット連動のテレビ番組 フジと楽天が共同で

2005/08/04 The Sankei Shimbun

 フジテレビジョンとインターネット商店街の楽天は4日、共同してネットに連動したバラエティー番組「贈来門(おくりもん)!しあわせ本舗」を30日午前零時すぎに放送すると発表した。

 番組はプレゼント選びをテーマとし、渡したい相手の性格や状況などを考えて最良の商品を提案する内容。4日に開設した番組ホームページ(HP)でプレゼントに関する意見を書き込むことができ、集まった意見を番組に反映する。

 さらに、HPには放送後から9月12日まで、番組で紹介した商品を購入できる専門の仮想デパートを開く予定だ。

 両社が昨年末から「放送と通信の融合」を目指して検討し、ネット利用者の参加型番組とした。今回は1回限りの放送だが、今後も同様の取り組みを続けるとしている。

 番組のHPアドレスはhttp://www.fujitv.co.jp/okurimon/(共同)

いつでも聴けるラジオ番組 エフエム東京がネット配信

2005/08/01 The Sankei Shimbun

 エフエム東京は1日、ポータル(玄関口)サイト大手エキサイトと共同で、インターネットを通じて携帯音楽プレーヤーでいつでも番組を楽しめる「ポッドキャスト配信」を始めた、と発表した。番組は1日の初回放送後、毎週土曜にネットで無料配信する。

 ポッドキャストは、対応の番組をあらかじめ登録しておけば、パソコンで自動的に受信できる仕組み。従来のネット向け放送は生番組だけだったが、パソコンから携帯音楽プレーヤーにダウンロードすることで、通勤時など好きな時に聴けるようになる。

 エフエム東京によると、英BBC放送がポッドキャスト対応のニュースを配信するなど、欧米で高い人気を集めている。日本でも既に一部のラジオ局が手掛けており、今後はポッドキャストによるラジオの新たな聴き方が本格化しそうだ。

 今回配信する番組は、世界各国の女性の生活や仕事の様子を紹介する「Honda SWEET MISSION」。平日朝に放送しているが、「番外編」として新たな出演者を加えた。ネット配信のため受信地域以外でも聴取可能。エフエム東京は、通常の放送とネット向けの2本立てによって聴取者獲得の相乗効果を目指す。(共同)

iPodでビデオも見られる! 9月までに新サービス

2005/07/19 The Sankei Shimbun

 米パソコン大手アップルコンピュータが、音楽だけでなくビデオなどの動画も見られる新型の「iPod(アイポッド)」の市場投入を計画し、ミュージックビデオなど動画販売のため、複数の主要レコード会社と交渉していたことが18日分かった。

 新型iPodは今年9月までに公表される。新サービスが始まれば、レコード会社にとっても新たな収益源につながる。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルが、アップルから計画を聞いた複数のメディア業界筋の話として伝えた。曲のプロモーションのために作るミュージックビデオは、1本1.99ドル(約220円)で販売する見通し。アップルはワーナー・ミュージック、EMIグループなど大手4社と接触した。

 新型iPodでは、将来はテレビ番組や映画まで見られるようになる可能性もあるという。動画販売は、iPod向けに音楽を販売している同社の専用サイト「アイチューンズ・ミュージック・ストア」が行うとの見方が有力だ。(共同)

iPod欲しさに少年殺害 NYで強奪事件多発

2005/07/04 The Sankei Shimbun

 ニューヨークで、人気のデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」を持っていた15歳の少年が殺害され、アイポッドを奪われる事件が発生。警察は3日、殺人や強盗などの容疑で別の少年2人を逮捕した。

 AP通信によると、殺された少年は2日夜、ニューヨークのブルックリン地区でアイポッドを渡すよう若者のグループに要求された。少年が拒否したところ、若者グループは少年の胸を刺して殺害した。

 ニューヨークでは地下鉄内でアイポッドの強奪事件が多発している。価格は1台500ドル(5万5500円)−100ドルだが、警察は転売せず個人で使うケースが多いとみている。(共同)

ネット音楽配信急成長、400億円市場の予想も

2005年05月22日 読売新聞 Yomiuri On-Line
 インターネットを通じた音楽配信ビジネスが急成長している。

 一般家庭へのブロードバンド(高速大容量通信)の浸透や、大量の音楽データを取り込めるメモリー型デジタル携帯プレーヤーの普及が後押ししている。ただ、配信会社やプレーヤーによって音楽データの規格が違って互換性がないケースがあるほか、音楽の違法コピーも後を絶たず、本格普及への課題は少なくない。(栗原守)

 <高音質>

 音楽配信サービスは、インターネットなどの専用サイトから、音楽データを有料で提供するサービスだ。

 パソコンでネットから取り込んだ音楽をメモリー型プレーヤーに転送して楽しむ方法のほか、携帯電話で直接「着信メロディー」などをダウンロード(取り込み)するサービスも音楽配信に含まれる。

 CD(コンパクトディスク)よりは音質がやや劣るものの、外出先などで聞くぶんにはほとんど気にならないほど高音質だ。プレーヤーの記録容量によっては、1万曲のデータを取り込める。価格は曲やサイトによって異なるが、1曲200〜300円と手ごろで、店へ買いに行く手間もかからない。

 民間調査会社、富士キメラ総研は、2003年度に6億円だった市場規模は、2008年度には400億円に急拡大すると予想している。

 <熱気>

 音楽配信は、欧米で2003年ごろから爆発的に普及し、日本では2004年4月にレーベルゲートが音楽配信サイト「Mora(モーラ)」を開始したのが本格的なスタートだ。5月に検索サイト大手「エキサイト」、10月にマイクロソフト「MSN」、今年2月に検索サイト大手「ヤフー・ジャパン」と、昨年から10社以上が続々と参入した。

 日本の音楽配信は、着信音向けに音楽や歌をダウンロードする携帯電話の利用が9割を占めるが、聴くための音楽配信も成長著しい。モーラの今年3月のダウンロード曲数は37万曲に達し、「市場は前年比3倍のペースで膨らんでいる。今年はさらに拡大するだろう」(レーベルゲート)という。

 欧米で既に3億曲のダウンロードを記録した米アップルコンピュータの配信サービスも、日本への参入を準備中で「アップルの国内参入で市場が一気に拡大する」(大手レコード会社)との見方が強い。

 <プレーヤー>

 メモリー型プレーヤーの競争も激化している。アップルの「iPod(アイポッド)」がシェア(市場占有率)4割以上で独走状態だが、ソニーも4月21日、新型ウォークマンを発売して追走態勢に入った。売れ行きは好調で「品薄状態の店も多い」(ソニー)という。

 松下電器産業もメモリーカード対応の新機種を発売、東芝やシャープ、オリンパスも新商品を展開しており、「これまで携帯プレーヤーの主力だったMD(ミニディスク)プレーヤーを、今年はメモリー型が上回る」(大手メーカー)との見方も多い。

 <課題>

 配信される音楽ファイルの規格は「MP3」「ATRAC3」「WMA」など多数あり、しかも配信会社やプレーヤーのメーカーによって採用している規格が違う問題がある。規格が合わないプレーヤーでは再生できないなどの不便さが利用者に不評だ。

 配信サイトごとに提供レコード会社が異なり、聴きたい曲を買えないケースもある。複数の規格に対応する新商品の開発や、配信側の規格統一などが、市場拡大への課題といえる。

 配信する音楽にはコピー防止措置がとられているが、違法コピーは後を絶たない。レコード会社などは当初、配信事業に消極的だったが、市場拡大を受けて積極的になってきた。2004年4月には、配信を中断していたレコード大手、東芝EMIが再開した。

 個人で楽しむ場合なら配信した曲のCDへの複製を、「10回まで」などの制限付きで認める会社も出ており、音楽配信の拡大は、著作権に対する対応にも微妙な影響を与えている。

音楽月間25曲まで無料聴取 米リアルネットワークス

2005/04/27 The Sankei Shimbun

 音楽・映像配信ソフトの米リアルネットワークスは26日、インターネットを活用し最大25曲までを毎月、無料で聴取できるサービスを開始すると発表した。

 同社の音楽再生ソフトウエア「ラプソディ」をパソコンに取り込むと毎月、約100万曲の中から好みの異なる曲を選んで各1回、計25曲聴ける。または、同じ曲を25回聴くこともできる。音楽配信サービスはパソコン大手アップルコンピュータの成功で、ソニーなど主要な情報技術(IT)関連企業が参入し競争が激化している。(共同)

iPod追撃 各社が本腰 ソニー、「独自」固執やめ復権へ

2005/04/12 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 大手電機メーカー各社が、半導体メモリーやHDD(ハードディスク駆動装置)を内蔵した携帯音楽プレーヤーの新製品を相次ぎ投入する。ソニーや松下電器産業が新機種を投入するほか、シャープが今月から新規参入する。CDやMD(ミニディスク)に代わって拡大する大容量記録型の携帯音楽プレーヤーで、先行する米アップルコンピュータの「iPod(アイポッド)」追撃に、各社が本腰を入れ始めた。(大柳聡庸)

 「ウォークマン」ブランドで、携帯音楽プレーヤー市場を牽引(けんいん)してきたソニーは、昨年末に発売したHDD内蔵型の機種から、独自方式の音楽データ圧縮技術に加えて、はじめて「MP3」と呼ばれる業界の標準方式を併用できるようにした。iPodは、インターネットなどで広く普及するMP3対応としたことで音楽配信サービスを手軽に利用でき、国内で一気に普及した。これに対してソニーは独自方式にこだわるあまり、大容量記録型の携帯音楽プレーヤーでは出遅れていた。

 今後は「顧客に制約を与えるべきではない」(伊藤博史・プロダクトプロデューサー)と従来の方針を転換し、MP3など他の方式にも広く対応させることで利便性を高める考えだ。21日から発売する半導体メモリー内蔵型「ネットワークウォークマン」もMP3対応とした。デザインも「香水の瓶をイメージした」(同)斬新な形で、携帯音楽プレーヤー市場での復権を目指す。

 松下電器産業は携帯音楽プレーヤーの新シリーズ「D−snap(ディースナップ)オーディオ」4機種を今月から発売。主力2機種の記録媒体に松下が推進する「SDメモリーカード」を採用。同時発売のSDメモリー対応ミニコンポを使い、CDやMDなどの音楽データをメモリーカードに移すことができる。「CDやMDユーザーを積極的に取り込んでいく」(青木秀志・商品企画グループ)のが狙い。

 一方、シャープは、今月15日に、半導体メモリー内蔵型を発売し、新規参入する。電波でカーオーディオなどのスピーカーに音楽送信できるのが特徴だ。HDDタイプでは国内でアップルに次ぐシェア(市場占有率)をもつ東芝がデジタルカメラで撮影した画像を本体に保存し、カラー液晶画面に表示できる機能を搭載した商品を今月から発売した。

 ソニーによると、半導体メモリーやHDDを採用した大容量記録型の携帯音楽プレーヤーは、国内市場で、16年度にCDプレーヤーを抜く160万台に拡大し、今年度にもMDプレーヤーを逆転することが確実視されている。

ダウンロード3億曲超える アイチューンズ・ミュージック・ストア

2005/03/04 The Sankei Shimbun

 米アップルコンピュータは3日までに、同社が提供する有料音楽配信サービス「アイチューンズ・ミュージック・ストア」で、ダウンロードが3億曲を超えたと発表した。2億曲からわずか2カ月半での達成。(共同)

ネット音楽市場が急拡大 04年、前年比10倍の2億曲

2005/01/21 The Sankei Shimbun

 国際レコード産業連盟(IFPI、本部ロンドン)が20日までにまとめた報告書によると、2004年に欧米でインターネットを通じた有料の音楽ダウンロードサービスを使って販売されたデジタル音楽の楽曲数は、前年の10倍に当たる2億曲以上に上ったことが分かった。

 米パソコン大手アップルコンピュータの大ヒット商品、携帯デジタル音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」などが貢献し、CDを買うのではなく、ダウンロードによる楽曲購入が急速に普及していることを示した。

 報告書によると、04年のデジタル音楽の市場規模は3億3000万ドル(約340億円)に上り、今後5年間でレコード業界の売り上げの4分の1に達する見通しだという。

 有料で楽曲を販売するサイト数も前年の50から04年には230に増加。購入可能な曲数も、今月時点で1年前の約2倍に当たる約100万曲に急増した。(共同)

iPod持ってドライブに カーステレオに接続

2005/01/08 The Sankei Shimbun

 米アップルコンピュータの携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」の人気にあやかろうと、音響機器メーカー各社がカーステレオに接続してiPodの音楽を楽しめるアダプターを相次いで発表した。

 大ヒットとなったiPodから、ひとときも離れられない利用者を狙い、新たな需要を掘り起こそうとの思惑だ。

 カーステレオ用アダプターを発売するのはパイオニアの米国法人、パイオニア・エレクトロニクスのほか、アルパイン・エレクトロニクス、クラリオンなど。

 このアダプターでiPodとカーステレオをつなぐと、カーステレオを操作するだけでiPodに入れた曲を聴ける。各社は米ネバダ州ラスベガスで開かれている世界最大規模の家電見本市でそれぞれ新製品を展示。

 パイオニアの「CD−IB100」は今年3月米国で発売される予定で、価格は140ドル(約1万5000円)。iPodはインターネットの有料楽曲ダウンロードサービスから数千曲も取り込むことができる。(共同)

ネット配信利用拡大を予言 MSビル・ゲイツ会長

2005/01/06 The Sankei Shimbun

 米ソフトウエア最大手マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は5日、米ネバダ州ラスベガスで講演し、今後インターネット通信を使った動画配信やビデオを見る機会がさらに拡大すると強調。携帯電話やさまざまな端末で映画などを楽しめる生活が実現すると予言した。

 同社は、パソコン大手アップルコンピュータのデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」で、音楽の有料ダウンロードサービス市場が急拡大したのに対抗。携帯プレーヤーで音楽だけではなく映像も楽しめるソフト「ポータブル・メディア・センター」の販売促進に力を入れている。

 従来のテレビ放送ではなく、ネットの動画配信・録画が増加すれば、ソフト収入増加にもつながるため、会長は「ネットで動画などの情報を得る生活が主流になるよう、先頭に立って技術革新に投資する」と強調した。

 会長は、最新技術が駆使された家電が公開されるコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)が6日開催されるのに先立ち講演した。(共同)

ネット音楽配信に続々参入 「05年は音楽配信元年」

2005/01/04 The Sankei Shimbun

 インターネットを通じた音楽配信サービスへの情報技術(IT)企業の参入が相次いでいる。自宅のパソコンで好きな曲を簡単に取り込める便利さが受け、米国で大ヒット。日本でもブームを起こそうと躍起で、業界は「2005年は音楽配信元年」と期待している。

 音楽のネット配信は世界的な流れで、火を付けたのは米アップルコンピュータ。携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」に配信曲を取り込めるサービスが好評で、米国などで2億曲以上を販売した。日本ではNTTグループやエキサイト、マイクロソフトなどが続々と事業を開始、アップルコンピュータも今春にも、日本に参入する見通しだ。

 最大の特徴は、24時間いつでも好きな曲をパソコンに取り込める点にある。アルバムの中の曲も1曲ごとに買える場合が多く、中心価格帯は1曲200−300円とCDに比べると割安だ。

 購入した曲を転送して外出先で聞けるiPodのような携帯プレーヤーが売れており、ことし中にはMDを追い抜くという予想もある。「その時点で音楽配信もブレークする」(エキサイト)とみる関係者は多い。

 従来は曲の著作権管理の厳しさが、音楽配信拡大のネックになっているとみられてきた。しかし、レコード大手の東芝EMIが国内で初めて、音楽配信で購入した曲をCDに「焼く」ことを04年10月から1曲10回まで許可するなど「規制緩和」の兆しが出始めた。

 今後の課題は品ぞろえや価格面。米でブームを巻き起こしたアップルの米国サイトは、100万曲以上をそろえている半面、日本の曲数は最高10万曲でまだ少ない。価格もアップルのサイトは1曲99セントで、日本に比べ格安だ。日本でどこまで魅力あるサービスを提供できるかが、顧客拡大の鍵となりそうだ。(共同)

 <音楽のネット配信> パソコンや携帯電話を使ってインターネットから楽曲そのものをダウンロードし購入できるサービス。音楽CDの販売が減る可能性もあるため、CDを制作するレコード会社は小売店への配慮もあってこれまで慎重な姿勢だった。しかし米国で音楽配信が成功し、ネット配信を新たなビジネスチャンスととらえるレコード会社も出てきた。ネット配信によって音楽ファンが増え、結果として低迷しているCD販売も盛り返すという見方もある。(共同)

携帯音楽プレーヤーで動画配信 東芝がiPodに対抗

2005/01/03 asahi.com

 東芝は、動画を録画・再生できる携帯音楽プレーヤーを今年中に発売する。この分野で先行する米アップルコンピュータの「iPod」などに対抗するためで、これに合わせ東芝EMIなどと共同で、歌手のプロモーションビデオや風景映像などを配信する仕組みを整える。

 新製品は動画に対応した表示装置を備え、最大80ギガバイト程度の駆動装置(HDD)を内蔵する。数十時間分の動画が録画できるといい、価格は数万円程度になる見込み。

 携帯音楽プレーヤーでは、HDD内蔵のiPodが最新機種で静止画を表示できる機能を盛り込んでいる。東芝も04年11月に発売した「ギガビート」の新機種ではカラー液晶を搭載し、静止画像を表示できるようにした。

 機能競争が激しくなっているため、東芝はいち早く動画携帯を手がけて先手を取ることにした。

 パソコンを通じて携帯プレーヤーに転送するため、米マイクロソフト社の映像規格を採用するが、将来は東芝製のDVDレコーダーを通じてネットから録画できるようにする、という。

音楽のネット配信で提携か ソニーBMGと米グログスター社

2004/10/29 The Sankei Shimbun
 29日付の米紙ロサンゼルス・タイムズは、ソニーとドイツのメディア・娯楽大手ベルテルスマンが設立した音楽業界大手、ソニーBMGミュージックエンタテインメントが、音楽ファイルの有料配信事業で米グロクスター社と提携交渉を進めていると報じた。

 グロクスターは、インターネット経由で音楽ファイルを交換できるソフトウエアを提供している。音楽業界はこうしたサービスを著作権侵害と激しく非難してきただけに、意外な組み合わせと注目されそうだ。

 同紙によると、両社が検討している新サービスでは、気に入った音楽をネット経由で無料で探せるようにし、音楽をパソコンなどに取り込む場合は有料になる見込みだという。(共同)

写真が見られるiPod U2特別仕様も発売

2004/10/27 The Sankei Shimbun
 米パソコン大手アップルコンピュータは26日、写真を保存、表示できるデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod Photo(アイポッド・フォト)」を米国で発売した。日本では11月上旬に発売する予定。爆発的人気のアイポッドに新機能を加え、追随するライバル社に差をつける狙い。

 音楽を保存する際に使う有料サイトを使ってデジタルカメラで撮影した写真をアイポッド・フォトに保存し、カラーの液晶画面で一度に最大25枚まで表示できる。記憶容量が40ギガバイトの機種が5万7540円、60ギガバイトが7万140円。

 同時に人気ロックバンドU2と提携し、黒の本体にバンドメンバーのサインが入った「iPodU2」(4万740円)もシリーズに追加、日本では11月下旬に発売する予定。(共同)

マイクロソフト、20日からネットで音楽配信サービス

2004/10/16 The Sankei Shimbun
 マイクロソフト(本社・東京)は、インターネットのウェブサイトから音楽を有料で提供する音楽配信サービス「MSNミュージック」を20日から始める。当初5万曲を配信し、年内に10万曲に増やす計画だ。

 利用者は同社のウェブサイト「MSN」を通じて曲をダウンロードし、パソコンの応用ソフト「ウィンドウズ・メディア・プレーヤー」で再生、録音する。

 取り込んだ曲は携帯音楽プレーヤーに録音できるが、アップルコンピュータの携帯音楽プレーヤー「iPod」とは互換性がない。

 価格は1曲あたり158―367円を予定している。

iPod効果で好決算 米アップル

2004/10/14 The Sankei Shimbun
 米パソコン大手アップルコンピュータが13日発表した7−9月期決算は、デジタル携帯音楽プレーヤー、iPod(アイポッド)の出荷が前年同期の約6倍の201万台に急増した効果で、売上高が前年同期比37.0%増の23億5000万ドル(約2580億円)、純利益は約2.4倍の1億600万ドルと大幅な増収増益になった。

 同社は今年7月に新機種を発売し、売り上げを大きく伸ばした。ただ、日本ではパソコンの販売不振が響き、日本事業の増収は小幅だった。

 アイポッドの販売拡大に伴い、関連機器やインターネット音楽配信サービス「アイチューンズ・ミュージック・ストア」の売り上げも同7倍の計9800万ドルと1億ドルの大台に迫った。

 04年9月期通期の売上高は、前期比33.4%増の82億7200万ドル。純利益は同4倍の2億7600万ドルだった。(共同)

ソニーがコピーコントロールCD全廃へ

2004/10/01 The Sankei Shimbun
 ソニー・ミュージックエンタテインメントは30日、同社グループのレコード会社が発売するCDに導入してきた違法複製防止機能を10月発売分の一部から段階的に終了し、11月17日以降の新譜から全廃すると発表した。

 同社は複製防止機能が付いた「レーベルゲートCD」仕様を、著作権保護などを目的に昨年1月から邦楽CDを対象に順次導入していた。方針転換した理由について「多くの音楽ユーザーの意識が高まり、一時の混乱期を脱したため」としている。

 すでに大手レコード会社エイベックスは、複製防止機能付きCDを減らす方針を決めている。

エイベックス、CDコピーコントロール機能採用を弾力化

2004/09/17 asahi.com
 レコード会社大手のエイベックスは17日、CDの違法コピーを防ぐためのコピーコントロール機能の採用を弾力化すると発表した。同社では02年3月に業界の先陣を切ってコントロールを施した「CCCD」を導入したが、「著作権意識が浸透した」などとして22日以降発売のCDにはコントロール採用の原則を撤廃し、作品ごとに判断する。

 CCCDは、パソコンによるCDのコピーが広がり、売り上げにも影響しているとして導入された。同社は決定について「著作権保護に関する論議が広まり、導入当初の目的に対して一定の成果をあげることができたため」としている。

 音楽ファンの間では現在、iPodなどの携帯型デジタル音楽プレーヤーが急速に普及。CCCDでは、こうしたプレーヤーに利用できない。将来ファンがCDを買うよりネットから音楽をダウンロードするようになるのではないかとの恐れもレコード会社には生まれており、CCCDを見直す動きが出ている。

ヤフーも音楽配信参入へ ミュージックマッチを買収

2004/09/15 The Sankei Shimbun
 米インターネット検索大手ヤフーは14日、米ネット音楽サービス大手ミュージックマッチを1億6000万ドル(約175億円)で買収すると発表した。

 ヤフーの音楽配信事業への新規参入で、アップルコンピュータの成功をきっかけにソニーなどが追随した同事業の競争は一段と激化しそうだ。

 ミュージックマッチは1997年に設立。先行するアップルの「アイチューンズ・ミュージック・ストア」に対抗し、2003年秋から独自の音楽再生ソフト「ジュークボックス」を使った音楽を有料でパソコンにダウンロードできるサービスを開始した。

 70万曲がダウンロード可能で、1曲当たり料金は99セントとアイチューンズと同じだが、ヤフーは買収後の販売価格について明言を避けており、低価格に設定する可能性もある。

 米ソフトウエア最大手マイクロソフトが今月初めから試験的に音楽ダウンロードのサービスを開始するなどのライバル各社の動きをにらみ、ヤフーは早期進出のため、既存企業の買収を選択したとみられる。(共同)

マイクロソフトがネット音楽配信参入、iPodに対抗

2004/08/30 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ニューヨーク=小山守生】世界最大のソフトウエアメーカー、米マイクロソフトは29日、インターネットによる音楽配信サービスを今週中にも米国で開始する方針を明らかにした。

 同社にとって音楽ネット配信市場への初参入となる。

 音楽のネット配信では、パソコン分野でマイクロソフトの長年のライバルである米アップルコンピュータがアメリカの市場シェア(占有率)の約7割を握って先行している。マイクロソフトはパソコン向けソフト「ウィンドウズ」の関連技術や知名度を武器に追撃する考えだ。

 新サービスは、マイクロソフトのウェブサイト「MSN」を通じて楽曲を有料でダウンロードする仕組みで、応用ソフト「ウィンドウズ・メディア・プレーヤー」で再生・録音する。当初は、米国内向けのサービスとなる。

 デジタル音楽プレーヤー(再生機)で最も普及しているアップルの「iPod(アイポッド)」とは互換性がなく、マイクロソフトとアップルが再び業界標準を目指して争う形になる。世界の家電メーカーは、マイクロソフトのサービス開始に合わせて対応プレーヤーの発売に相次いで動くと見られる。

 米国の音楽ネット配信市場は、昨春に参入したアップルが若者らの間で大人気となったのを受けて、ソニーや米小売り最大手ウォルマート・ストアーズなども参入したが、アップルの独走状態が続いている。

 ◆iPod=米アップルコンピュータのハードディスク(HD)搭載型の携帯デジタル音楽プレーヤー。CDなどのようにディスクを入れ替える必要がない。2001年11月に世界同時発売され、今年は小型の「iPod mini」も発売された。販売台数は発売から約3年で300万台を超えた。

ネット音楽販売、米リアルが半額セール アップルに対抗

2004/08/21 asahi.com
 音楽・動画ソフト大手の米リアルネットワークスが、ネット音楽の販売価格を1曲0.49ドル(約54円)、アルバム4.99ドルと、従来の半額にするキャンペーンを17日から始めた。「期間限定」とするが、終了期日は明示されていない。ネット音楽販売でのシェア7割と大きく先行する米アップルコンピュータ(価格は1曲0.99ドル)を追い上げるのが狙いだ。

 ネット音楽販売では、昨年4月にサービスを始めたアップルが携帯音楽プレーヤー「iPod」との相乗効果で人気を集めて、他社を大きく引き離し、今年7月には販売曲数が1億曲を突破。ナップスターなどライバル他社も同価格でネット配信をおこなっている。リアルの半額キャンペーンは、米ウォルマートの1曲0.88ドルよりも大幅に安い。

 リアルは今年4月にアップルに音楽事業での提携を持ちかけ、拒絶された。キャンペーンは「アップルの半額」と銘打っており、対抗意識をむき出しにしている。

HD携帯プレーヤーのiPod、ソニー・東芝が追撃

2004/08/08 読売新聞 Yomiuri On-Line
 録音テープやコンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)に代えて、記録媒体のハードディスク(HD)を使い、大量の音楽を収録できるHD携帯プレーヤーが若者たちの人気を集めている。

 火付け役となった米アップルコンピュータの「iPod(アイポッド)」は、2001年11月の世界同時発売から3年足らずで、累計販売台数が300万台を超え、日本でも急速に普及しつつある。

 国内外メーカーも相次ぎ追随し、デジタル家電の新たな主役・HD携帯プレーヤーのシェア(市場占有率)獲得競争が激しくなっている。

 <攻勢>

 7月24日の東京・銀座。アップルの直営店「アップルストア銀座」の前には、開店を待ちわびる若者ら約1500人が長い行列を作った。

 この日は、生産が間に合わず発売が延期されていたiPodの小型版「iPod mini」(記憶容量4ギガ、メーカー希望小売価格2万8140円)の発売日。準備した約1500個が6時間で売り切れた。

 iPod旋風は続いている。IT(情報技術)専門紙のBCNがまとめた携帯プレーヤー(パソコン接続タイプ)の国内販売ランキング(色、容量別。7月26日―8月1日)では、1位から4位をiPodが占めた。グッチ、プラダなどの有名ブランドが携帯用ケースを販売するなど、人気を当て込んだタイアップ商法も花盛りだ。

 アップルでは、1―3月期のiPodの販売台数が80万台と、初めてパソコン(74万9000台)を追い抜いた。「携帯プレーヤーの代名詞は(ソニーの)『ウォークマン』からiPodが取って代わる」(前刀禎明(さきとうよしあき)・米アップルコンピュータ副社長)と鼻息も荒い。

 <追撃>

 東芝、ソニーなど国内勢もHD型レコーダーの投入で追撃する。2002年から「ギガビート」を販売している東芝は、品ぞろえを一新し、記憶容量5、20ギガの新商品を7月に発売し、9月には40ギガタイプを投入する。

 ソニーは昨秋から始めた商品開発にめどが立ち、7月にHD搭載型ウォークマンの発売にこぎつけた。6月には写真も保存できる「バイオ ポケット」を発売しており、自慢の2つのブランドで巻き返しを図る。

 四半世紀にわたって世界で3億台以上を販売したウォークマンのブランド力も健在で、MDより長時間録音が可能な「Hi MDウォークマン」なども加え、「CD、MDを含めた総合的なラインアップ」(事業戦略部)で携帯プレーヤー“本家”の意地を見せる。ただHD携帯プレーヤーは、後発にもかかわらず価格が1―2万円割高の5万円台のため、苦戦も予想されている。

 このほか海外勢では、韓国・サムスンが9月に日本や韓国、欧米で販売する。昨年10月から米国販売している米デルも日本上陸を検討中だ。

 <展望>

 東芝は、HD搭載型プレーヤーの国内需要を2004年に60万台、2005年に95万台、2006年に120万台へと急速に膨らむと予測し、「さらに1年前倒しで普及が進む可能性もある」と見ている。

 目下人気絶頂のiPodだが、弱点はある。HD携帯プレーヤーは、CDやインターネットの音楽配信サイトからパソコンに取り込んだ音楽を転送して聴く。東芝、ソニー製品はそれぞれの音楽ファイル形式に対応した配信サービスが確立しているが、アップルの日本でのサービスは、まだこれからだ。年内にも予想されるiPodの配信サービス「iチューンズ・ミュージックストア」の成否が、市場獲得競争の勝敗のカギになりそうだ。

 ◆HD携帯プレーヤー=記録媒体にハードディスク(HD)を使った携帯型のオーディオプレーヤー。記憶容量が大きいため、CD、MDプレーヤーのようにディスクを入れ替える必要がなく、選曲も簡単にできる。CDやインターネットの音楽配信サービスで購入した曲をいったんパソコンに保存し、プレーヤーに転送して聴く。

リアルネットワークスがiPod対応技術開発

2004/07/26 The Sankei Shimbun
 米音楽・映像配信大手リアルネットワークスは26日、同社のインターネットサービスで購入した音楽を、パソコン大手アップルコンピュータのヒット商品であるデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」で再生できる技術「ハーモニー・テクノロジー」の開発に成功したと発表した。

 iPodで直接、音楽を再生できるダウンロードサービスは、アップルのネット音楽配信サービス「アイチューンズ・ミュージック・ストア」だけだったが、リアルはアップル独自のデジタル音楽著作権保護技術を解明し、急成長する音楽配信市場に参入することになった。

 ハーモニーはリアルの音楽・映像配信ソフト「リアルプレーヤー」に搭載され、近く米国で試験利用が始まる。iPodに楽曲を記録する際、アイチューンズを使わずに、リアルプレーヤー上で取り込んだ音楽をiPodで再生する。(共同)

「iPod mini」日本でも発売 銀座の直営店に長蛇の列

2004/07/24 asahi.com
 米国でヒットしたアップルコンピュータのデジタル携帯音楽プレーヤー「iPOD(アイポッド)ミニ」が24日、日本でも発売され、同社の直営店や家電量販店などには、待ちわびていた若者や親子連れなどが詰めかけ、列をつくった。

 名刺大のサイズで103グラムと軽量ながら、内蔵したハードディスクに約1000曲を記録できる機能が売り物。CDに近い高音質で再生でき、2001年に発売した「iPOD」シリーズの小型版。金や銀などの5色があり、価格は2万8140円。

 アップルでは「初日1日でほぼ品切れとなる店も出た」と、上々の手応え。インターネット経由の注文は約1カ月待ちとなっており、今後は店頭でも製品待ちとなる可能性があるという。

 携帯デジタルプレーヤーは、ソニーや東芝などの日本メーカーのほか、アイリバーやサムスン電子などの韓国勢も発売中。アップルより小型のタイプも出ており、競争が激しくなりそうだ。

第4世代版iPod発売 アップルコンピュータ

2004/07/21 The Sankei Shimbun
 米パソコン大手アップルコンピュータは20日、人気のデジタル携帯音楽プレーヤー、iPod(アイポッド)の第4世代版を21日から世界市場で順次、出荷開始すると発表した。

 新しいiPodは、現行機種では画面下に並んでいる操作ボタンの代わりに片手で操作して聴きたい曲などが簡単に選べる「クリックホイール」付きで、1回の充電で12時間連続再生できる。

 記憶容量が20ギガバイトと40ギガバイトの2種類あり、40ギガバイトモデルは最大1万曲が収録可能。日本でのメーカー希望小売価格は20ギガバイトモデルが3万3390円、40ギガバイトモデルが4万4940円。

 また、米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)も20日、HPブランドのiPodを今年9月から発売することを明らかにした。日本での発売は未定。(共同)

PC音楽をステレオで再生 米アップルが新製品

2004/06/08 The Sankei Shimbun
 米アップルコンピュータは7日、無線通信機器「AirPort Express(日本ではAirMac Express=エアマックエクスプレス)」を7月に発売すると発表した。日本での価格は1万5540円。

 新商品は重さ189グラムのたばこサイズで、インターネットからパソコンにダウンロードした有料音楽サービスの楽曲を無線通信で取り込む。家庭にあるステレオ機器に接続すると、高音質の音楽がステレオで楽しめる。アップル製パソコンのほか、ウィンドウズパソコンにも対応する。(共同)

超小型HD内蔵携帯 発売へ 韓国メーカー

2004/09/08 The Sankei Shimbun
 韓国の半導体・電子機器大手サムスン電子は8日までに、記憶容量が1・5ギガバイトの超小型ハードディスク(HD)を内蔵した最新のカメラ付き携帯電話を今月から韓国内向けに発売することを明らかにした。同社によると、超小型HDを内蔵した携帯電話の発売は世界初だという。

 ディスク容量は、一般的な携帯電話の内蔵メモリー容量である100メガバイトの15倍に相当する。

 韓国の通信社、聯合ニュースなどによると、釜山で6日から開催中の国際電気通信連合テレコムアジア大会で公開した。

 新製品は画面に高画質の2・2インチ液晶表示装置を使用し、100万画素の高画質写真撮影が可能。また、強力なマイクにより動画撮影時の音質を向上させ、ステレオスピーカーによる立体的な音声再生も実現した。

 このほか、MP3形式の音楽再生、電子ブック、各種辞典などの機能も搭載される。(共同)

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