TOPIC No.3-14-2a'99年6月- 2000年03月(遺伝子組み替え食品)

組み換え技術で支援強化

2000年3月18日 15時08分
 政府は、18日、主要国首脳会議(沖縄サミット)の主要議題の一つに固まった「食品の安全性」について、遺伝子組み換え技術の途上国への広がりを重視し、主要8カ国(G8)が検疫や作物管理などの技術移転に取り組むよう求める方針を固めた。国際機関で遺伝子組み換え食品の安全基準作りが始まっているが、G8で共同歩調がとれれば、国際的な対応策づくりに弾みがつく可能性もある。

遺伝子組み換え:国際規格決める会議が閉幕 作業班を設置し

3月17日 22:34 Mainichi INTERACTIVE
 幕張メッセ国際会議場(千葉市)で開かれていた遺伝子組み換え食品の国際規格を決める「コーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会」は17日、議論のたたき台を作成する二つの作業班の設置を決め、閉幕した。一方の作業班は日本が議長国を務め、長期間の健康影響も含めた安全性や栄養評価の原則をつくる。

安全基準で各国食い違い

2000年3月13日 16時30分
 遺伝子組み換え食品の安全基準を策定するため、千葉市で14日から開かれる政府間組織のコーデックス委員会(食品規格委員会)「バイオテクノロジー応用食品特別部会」に向け参加各国が提出した意見内容が13日、明らかになった。

 デンマークなどが「予防原則」を強調する姿勢。これに対し、米国は遺伝子組み換え食品の特別扱いに反対など各国間の意見の相違が鮮明になった。

コーデックス委員会遺伝子組み換え食品特別作業部会

 遺伝子組み換え食品の安全性問題を話し合う、コーデックス委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会)のバイオテクノロジー応用食品特別部会の初会合が、議長国である日本(千葉・幕張)で3月14日から17日にかけて開催されるのを受け、NGO側も活動を開始している。日本で遺伝子組み換え食品の規制や表示を求めて運動しているNGO有志らがこのほど「日本NGO委員会」を発足。2月29日には準備会を開き、会議開催期間中のアピール行動や集会開催などに向けて話し合いを行った。

遺伝子組み換え農産物等の環境安全性の確保に関する検討専門委員会設置

by日本消費経済新聞社
 遺伝子組み換え農産物の環境安全評価の法制化に向け農水省が本格的な検討を開始した。有識者および業界、消費者代表ら14人の委員による「遺伝子組み換え農産物の環境安全性の確保に関する検討専門委員会」(事務局:農林水産技術会議事務局先端産業技術研究課)をこのほど設置、2月29日にその第一回目の会議が開かれた。

米政府、有機食品産業に対する規制案を発表

00年3月8日 18時6分[ワシントン 7日 ロイター]
 米クリントン政権は、急速に成長している有機食品産業に対する規制案を発表した。

 これは、一般消費者が、「有機」とラベル表示して販売される食品について、バイオテクノロジーや放射線の使用禁止を求めたことに対応したもの。

 米農務省(USDA)は、「有機」とラベル表示されて販売される食品などの国内基準を設けるため、650ページにも及ぶ提案書を提出した。

 この「有機」ラベルは現在、州や地方、民間の認定者によって、基準がまちまちで、その意味について混乱が生じている。

 米政府当局者らは、有機に関する基準が年内にまとまることを期待している。

給食から遺伝子組み替え食品を排除・4月から市内全小中学校で

from くびきのニュース:3月7日(火)by 上越よみうり
上越市は平成12年度から市内の全小中学校の給食で遺伝子組み替え食品を使用しない見込みだ。3日に開かれた市議会文教経済委員会で、学校給食について審議された。

 上越市の学校では従来、大豆製品を中心に遺伝子組み替え食品が部分的に給食に使用されていたが、市では組み替え食品に対する市民の不安感などを受けて、昨年11月から、遺伝子組み替えの恐れのある大豆油の使用を止め、米油に切り替えた。 4月からは学校給食全体について、遺伝子組み替え食品の使用を止める予定。給食に使われていた組み替え食品は大豆製品が中心で、醸造期間が長いしょうゆについては11月から非遺伝子組み替えのものを使う予定。

バイオ食品の安全性で会議

2000年2月27日 15時32分【エディンバラ共同】
 遺伝子組み換え食品の安全性について科学者、消費者、環境団体の代表約400人が討議する「科学と健康の観点から見た遺伝子組み換え食品会議」が28日から3日間、英国で開かれる。集約された意見は、7月の沖縄サミットの共同宣言に反映される。遺伝子組み換え食品は消費者の懸念が強いだけでなく、安全性に問題ないとする米国と慎重な姿勢の日欧が対立している。

グリーンピースが遺伝子組み換え大豆の運搬船を妨害、5人逮捕

00年2月26日 16時59分[ロンドン 26日 ロイター]
  環境団体グリーンピースの活動家5人が、英国のウェールズ沖で、遺伝子組み換え大豆を運搬していた貨物船を妨害、現地の警察当局に逮捕された。

  警察側が発表したところによると、この船は、米国の穀物大手カーギルの遺伝子を組み換えたものを含む大豆6万トンを、リバプールにある同社の加工工場に運ぶ途中だった。

 活動家らは、錨の巻き上げを妨害し、荷揚げ場所であるアングルシへに向けて船が出発するのを阻止しようとしたという。

遺伝子組み換え食品に消費者の8割以上が抵抗感

3:43p.m. JST January 30, 2000
 遺伝子組み換え食品(GMO)を買ったり食べたりするのに、8―9割の人は何らかの抵抗感を持っている――。農林漁業金融公庫や東京都が最近相次いで発表した消費者調査で、こんな結果が浮き彫りになった。GMOの安全性そのものに不安感を抱く消費者が多く、現時点では、GMOが一般家庭に定着するのは難しいといえそうだ。

 農林公庫の調査は、昨年11月に沖縄県を除く、都道府県庁所在地に住む2300世帯を対象に実施し、600世帯から回答を得た。家族の中で普段から生鮮食料品をよく買っている人が代表して答えた。

 GMOと表示された食品を買うことについて、何らかの「抵抗感がある」と答えた人は合わせて82.7%に上った。回答者のうち、女性の50.7%が「かなり抵抗感がある」と答え、男性を約10ポイント上回った。

 「抵抗感」の理由としては、「安全性に疑問を感じている」が最も多く、59.8%、「遺伝子組み換えという言葉が何となく不安」が24.8%、「遺伝子組み換え技術を活用して農作物を作ることに疑問」が15.4%だった。

 東京都の調査は昨年10月に都の消費生活モニター500人を対象にし、484人から回答があった。

 GMOを食べることについて、「非常に抵抗感」を感じる人と「少し抵抗感」を感じる人を合わせると90.1%にもなった。また、前回調査(1997年7月)に比べ、GMOに悪いイメージを持つ人の割合が39.2%から59.5%に約20ポイントも増えている。

 このような消費者意識に呼応して、食品・飲料メーカーの間には、2001年4月に始まるGMOの義務表示に先行し、自社食品にGMOを使っていないことを明示する動きが活発化している。また、大手商社は、非組み換え穀物の国内での需要増を見込んで、外国で非組み換え穀物の契約栽培を拡大するなどの対策を進めている。

遺伝子組み換え作物 国際取引規制で合意

11:19p.m. JST January 29, 2000
 遺伝子組み換え生物の国際取引に関する初めての規制である「バイオセーフティー議定書(カルタヘナ議定書)」が29日早朝、カナダのモントリオールで開かれていた生物多様性条約に基づく特別締約国会議で採択された。遺伝子組み換え技術を使った作物や微生物が国境を越えて生態系をかく乱することを防ぐのが目的。種子などについては輸出国と輸入国の間で事前同意手続きが義務付けられ、輸入国が輸入禁止の措置をとることもできる。

 昨年の特別締約国会議が開催されたコロンビアの都市にちなんでカルタヘナ議定書と呼ばれる。環境を守るために法的な拘束力をもたせた議定書としては、オゾン層保護のためのモントリオール議定書、温室効果ガスの削減をめざす京都議定書に続くものだ。

 寒さに強くした作物が寒冷地で在来種を駆逐するなど、遺伝子組み換え生物は輸入国の生態系を変えてしまう恐れがある。議定書は輸出国と輸入国の間で安全を確保する手続きを定めている。

 栽培や繁殖を目的とする種子などについては、輸出国は最初の輸出時に安全性に関する資料を提示し、輸入国が危険性を評価して同意した場合にだけ輸出できるようにした。

 大豆やトウモロコシなど未加工の作物については、事前同意の対象にせず、輸入国が国内の手続きで安全性を確認することになる。種子に比べ、規制はゆるい。

 危険性評価では、科学的に確実な根拠がなくても、潜在的な危険を回避することを理由に規制できる「予防原則」が盛り込まれた。

遺伝子組み換え作物、輸入規制ほぼ合意

1:46p.m. JST January 29, 2000
 遺伝子を組み換えた生物の国際取引をめぐってカナダのモントリオールで開かれている生物多様性条約の特別締約国会合は、最終日の28日、環境に影響を与えないよう規制する「バイオセーフティー議定書」の採択に向けて最終的な詰めに入った。輸入国と輸出国の最大の対立点だった農作物の取り扱いについて、議定書の枠内には入れるが、種子などに対する「事前同意制」よりも緩やかなしくみにすることでほぼ合意した。採択されれば、遺伝子組み換え生物の取引を国際的に規制する画期的な議定書となる。

 議定書は、組み込まれた遺伝子が新たな土地で広がって在来種に害を与えないように、輸出国と輸入国との間で安全確保の手続きを定め、場合によっては輸入禁止もできるようにする狙いがある。

 昨年2月の会議で採択される予定だったが、種子については、輸出国が提供した情報にもとづいて事前に輸入国の同意を得ることで合意したものの、大豆やトマトなど食用や飼料になる未加工の作物をめぐって決裂した。米国など輸出国が議定書からはずすよう求めたのに対し、欧州や途上国など輸入国は、栽培に使われる可能性を想定して種子と同様の扱いを主張した。

遺伝子組み換え製品の貿易規制の国際会議は順調に進展=米当局者

00年1月26日 12時42分[ワシントン 25日 ロイター] 
 遺伝子組み換え製品(GMO)の貿易規制に関する国際環境条約の交渉は、順調に進展している。モントリオールでの同交渉での、米国側交渉チームの責任者が明らかにした。  デービッド・サンドロー国務次官補(海洋・環境・科学担当)は、ロイターのインタビューに対して、モントリオールから、「ワシントンは、大雪が降っているが、こちらの交渉では、薄日がさしてきた」と語った。

 米国東部では、豪雪により、企業や官庁が閉鎖されたものの、モントリオールでは、138カ国の代表が、今週末までに生物安全議定書のとりまとめのために、作業を進めている。 交渉の期限は、28日とされているが、同次官補は、それまでに交渉が妥結するかどうかについては、言明しなかった。  同次官補は、「協力的な雰囲気があるが、各国政府は、多くの問題で、依然分かれている」と指摘した。  米国は、遺伝子組み換え作物の最大の生産国で、輸出国でもあり、この交渉は、米国の利害に大きな影響を及ぼすものとなっている。

 米国産トウモロコシの3分の1と、大豆の半分以上は、遺伝子組み換え品種となっている。

遺伝子組み換え食品の安全性審査、業者に義務付けへ

00:01a.m. JST January 22, 2000
 厚生省の食品衛生調査会バイオテクノロジー特別部会(部会長=寺尾允男・国立医薬品食品衛生研究所長)は21日、遺伝子組み換え食品の安全性確認を輸入業者や開発業者などに義務づけることを法律で定めるべきだとの報告をまとめた。これを受けて、厚生省は一般から意見を公募、3月に同調査会常任委員会の答申を得た上で、食品衛生法に基づく規格基準を4月に改める意向。施行は2001年4月からの予定だ。

  業者は国の安全性審査を受ける義務を課され、安全性審査を受けていない遺伝子組み換え食品の販売、輸入、製造は禁止されることになる。

 現在は、遺伝子組み換え食品の安全性確認は、業者が自主的に届け出て、同調査会がガイドラインに沿って審査をする仕組みになっている。厚生省は、審査していない食品は出回っていないとしていたが、法的な拘束力はなく、安全性未確認食品が輸入されたとしても確認のしようがなかった。また、発覚しても罰則もない。

 市民団体から、安全性審査を経ていない食品が流通しているとの指摘があり、消費者から規制強化を求める声があがっていた。厚生省は審査体制を法的に確立しておく必要があると判断した。

 新制度は、食品衛生法に基づく規格基準として、「遺伝子組み換え食品は安全性審査を経たものでなくてはならない」などと規定する。規格基準に適合しない食品の製造、販売、輸入は禁止されるほか、市場に出回った場合は、廃棄、回収、輸出国への積み戻し命令などの行政処分もできる。規格基準違反には懲役1年以下または10万円以下の罰金という罰則もある。

 同部会は、安全性審査を経ないものが流通しないよう、輸入時の届け出を徹底させると同時に、抜き取り調査などをして、監視体制を整備することも求めた。

 これまでに安全性確認されている遺伝子組み換え食品はトマトやトウモロコシ、大豆、ジャガイモなど6種類29品目と6つの添加物があるが、新制度が施行されるまで、新たな安全性確認は凍結される。

4月から安全審査義務化

2000年1月21日 17時27分 共同通信社
 厚相の諮問機関、食品衛生調査会のバイオテクノロジー特別部会は21日、遺伝子組み換え食品の安全性審査を法的に義務付けることを正式に決めた。厚生省は調査会の答申を受け、4月から新たな審査制度をスタートさせる方針。

 指針(ガイドライン)に基づいて業者が自主的に審査を受ける現行制度から、食品衛生法の「食品・添加物等の規格基準」での審査義務付けに切り替わる。

米で殺虫作用ある遺伝子組み換えトウモロコシ栽培に制限

0:06p.m. JST January 17, 2000
 米環境保護局(EPA)は14日、遺伝子組み換えで殺虫剤を作る能力を持たせたトウモロコシの栽培方法を制限すると発表した。周辺で殺虫剤に耐性を持った昆虫が増えるのを防ぐため、栽培面積の20―50%を普通のトウモロコシにして緩衝地帯をつくるよう規制した。耐性を持った昆虫の出現の監視も求めた。

 このトウモロコシは、ある種の害虫の毒になるBtというたんぱく質を作る遺伝子が組み込まれ、食べた害虫が死ぬように操作されている。米国で昨年栽培されたトウモロコシの3分の1以上を占めている。

 その害虫のほかに影響を与えないとされていたが、コーネル大のグループが昨夏、花粉をアゲハチョウの仲間の幼虫に食べさせたところ、死んだり、成長が遅れたりしたと発表。大きな反響を呼んだ。この結果には異論もあり、決着はついていないものの、EPAは種まきの季節を前に、安全策をとることにした。

 遺伝子組み換え作物に対して、欧州を中心に反発が強まっている。米国の農家も作物が売れなくなるとの不安から、普通の種類に戻す動きが出ている。EPAの新規則で、この動きが加速されそうだと、環境団体などは歓迎している。

遺伝子組み換え食品への日本の対応を評価、EUを批判=米農業団体

99年12月15日 18時12分 [シカゴ 14日 ロイター]
 
 米農業団体のユナイテッド・ソイビーン・ボードは、遺伝子組み換え(GM)作物を原料とする食品の取り扱いについて、日本の対応を評価する一方で、欧州連合(EU)の対応の遅れに対して不満を示した。  同団体のダグ・マグナス氏は、電話会議で、「日本は、先行してラベル表示の導入を決定しており、EUよりもはるかに実用的かつ合理的決定を行った」と述べ、「EUは、ラベル表示問題に行き詰まっているようだ」と付け加えた。  同氏は、GM食品の販売に対する基準を明確化する法案の立法化について、EUの手続きが遅いとして不満を示した。

農水省が遺伝子組み換え食品の表示案を公表

11:10a.m. JST December 05, 1999
 農水省は、2001年度から食品メーカーに義務づける遺伝子組み換え食品の表示について、日本農林規格(JAS)法に基づく表示案を公表した。大豆やトウモロコシなどを主原料とする24品目が対象食品となる。ただ、遺伝子組み換え原料を「不使用」と表示する場合でも、収穫や流通段階で組み換え原料が混じる可能性がゼロと言い切れないことから混入率に上限を設けておらず、消費者団体などから反発も出そうだ。

 混入率の上限を設けないことについて農水省は、製品化の過程で意図しない混入が避けられないことや、製品ごとに厳密に調べると経費がかかり過ぎ、それが価格へはね返ることなどを挙げている。

 農水省はこの案について、12月28日まで、郵便や電子メールで一般から意見を募る。

 農水省のホームページで見ることができる。意見は、郵便番号100・8950 農林水産省品質課品質表示基準担当へ、電子メールなら、shhinsitu3−comme@nm.maff.go.jpへ。

作物の生長を促す遺伝子の分離に成功=米生物学者

  99年12月3日 13時19分[ワシントン 2日 ロイター]  米国の生物学者らが、作物の生長を促す遺伝子の分離に成功したことから、農家らは近く、生育の季節に合わせて、作物の生長をコントロールすることができるようになるかもしれない。

カリフォルニア州のSalk生物学研究所の科学者チームは、FT(flowering locas T)と呼ばれる遺伝子を、カラシナの遠縁の道端の雑草から分離するのに成功した。この遺伝子をタバコに移すと、その開花期が早まった。 この研究を提唱した、デトレフ・ワイゲル氏は、「基本的に、この遺伝子は、その作物のすべてのライフサイクルを早める」と指摘、「この調整機能は、農業には重要で、農家が作物の潜在イールド(単位収量)や、受粉のプロセスを管理するのを助ける」と語った。

カナダの大手食品会社、遺伝子組み換えジャガイモの使用停止へ

99年12月1日 14時13分 [トロント 30日 ロイター]
 
 世界最大の冷凍フライドポテト生産会社のひとつであるカナダのマッケイン・フーズは、遺伝子組み換えジャガイモの使用を停止することを決定した、と発表した。 同社によると、今回の決定は、遺伝子組み換えジャガイモが環境や人体に悪影響を及ぼすのではないかとする消費者の懸念に対処したもの。

米カーギル、欧州向け遺伝子非組み換え大豆の分別を検討

99年12月1日 15時23分[パリ 30日 ロイター]
 米大手穀物商社、カーギルの英国部門の広報担当者、ルース・ローリング氏は、同社が欧州輸出向けとして、遺伝子組み換え大豆を、非組み換え大豆から分別するシステムの採用について検討していることを明らかにした。 同氏によると、同社は、輸入大豆から圧砕された大豆粕に依存している欧州の家畜用飼料製造業者らの要求に応え、いわゆる「アイデンティティー・プリザーブド・システム」の導入を目指している。

同氏は、ロイター通信のインタビューに対して、「当社は、より広範囲の食品成分について、一部ですでに同方式による供給を行っている。非組み換え製品の需要が強い分野については、ニーズに応じた方式を採用している」と述べた。 

豪の非遺伝子組換食品輸出額は年10億ドルも=米ジェネティックID

 99年11月17日 15時58分 [メルボルン 17日 ロイター]
 米国に拠点を置く食品分析グループ、ジェネティックIDによると、オーストラリアは、遺伝子組み換え(GM)問題に慎重に対処すれば、欧州連合(EU)や日本向けの非遺伝子組み換え食品輸出額が年間10億ドルになる可能性がある。 日本とEUはともに、遺伝子組み換え食品のラベル表示を実施する意向にある。 同グループのチーフエグゼクティブ、ビル・ウィザースプーン氏によると、オーストラリアは、市場で10億ドルを得る可能性があるものの、非遺伝子組み換え食品に対する消費者の要求が、同国に対しマイナスに作用する可能性もある。

遺伝子組み換え食品をめぐる世界大戦[後編] 終わらない安全性論議1999年11月15日  田中 宇 by MSN ジャーナル

遺伝子組み換え食品をめぐる世界大戦[前編]1999年11月1日  田中 宇 by MSN ジャーナル

遺伝子組み換え食品をめぐる世界大戦(2)1999年11月1日 田中 宇 by 田中宇の国際ニュース解説

遺伝子組み換え食品をめぐる世界大戦 1999年10月28日 田中 宇 by 田中宇の国際ニュース解説

EU、遺伝子組み換え成分が1%以下なら非遺伝子組み換えのラベル貼付も

99年10月12日 14時49分[ブリュッセル 11日 ロイター]
 欧州委員会は、遺伝子組み換え(GM)の成分が1%以下であれば、欧州連合(EU)域内で販売される食品に非GM食品のラベルを貼るという計画案を策定した。 この計画案がEU加盟国に受け入れられれば、数カ月間続いた法律面の不透明さに終止符が打たれ、EUはGM食品と非GM食品を区別するためのラベル貼付政策を実行に移すことができる、とみられている。

EUの関係者はロイター通信に対し、この計画案は10月21日にブリュッセルで開かれる会議で、EU加盟15カ国の食品専門家らによって審議され、採決が取られる見通しだ、と述べた。

5カ国農相会議閉幕 利害対立、新ラウンドは難航必至

00:22a.m. JST October 03, 1999
 日本と米国、欧州連合(EU)、カナダ、オーストラリアの農業担当大臣による5カ国農相会議が1日閉幕した。2日間の会議では、世界貿易機関(WTO)の新ラウンド(多角的貿易交渉)における農業分野の自由化などで意見交換し、遺伝子組み換え作物(GMO)についてはWTOの枠組みで協議することで一致した。しかし、会議終了後の記者会見でオーストラリアのトラス農林水産相が「様々な分野で各国の利害には大きな食い違いがあり、簡単には合意できないとだれもが思っている」と話し、輸出国と輸入国の利害の食い違いも改めて印象付けた。

 遺伝子組み換え作物については「WTOの場で話し合う」という日本側の提案が各国に一応受け入れられた。会議後に記者会見した中川昭一農水相は、日本の遺伝子組み換え作物表示制度について、「客観的、科学的根拠で消費者に情報を開示している点で米国などから評価された」と述べた。

 だが、カナダ側は「表示の義務付けの必要はなく、業界の自主ルールによるべきだ」との立場を示して食い違いを見せており、考え方の開きは大きい。

 世界的な豊作とアジア金融危機以降の需要減で農産物価格が著しく低下していることも、農相会議での輸出国間の対立を厳しいものにした。特にEUの輸出補助金や、小麦などについてのカナダとオーストラリアの国家貿易に対して米国は強く反発した。

 日本の新ラウンドに向けた主張がどこまで受け入れられるかという点も不透明だ。日本が主張している「農業は単に生産だけでなく、環境保全などの側面もある」とする「多面的機能」論について、中川農水相は記者会見で「そうした側面があることについての理解は各国から得られたと思う」と語った。

 しかし、会議では米国やカナダ、オーストラリアが「貿易をゆがめる隠れみのになってはならない」「多面的機能は農業に限ったことではない」などとけん制している。「多面的機能」では日本とほぼ共同歩調をとるEUも、日本の食料安全保障論では足並みをそろえていない。

アサヒとサッポロも非遺伝子組み替え原料に「切り替え」

11:04p.m. JST September 24, 1999
 アサヒビールとサッポロビールは、ビールの副原料に使っているトウモロコシを遺伝子組み換えをしていないものに全面的に切り替えることを決めた。サッポロが2000年2月、アサヒは同年4月までにすべて切り替える。すでにキリンビールが、「組み換えの可能性のある食品を避ける消費者に対応する」(広報部)ために、2001年までの「切り替え」を表明している。3社とも2割程度、原料費は高くなると見ているが、価格は据え置く方針。

 ビールの副原料となるトウモロコシを砕いた「コーングリッツ」と粉状にした「コーンスターチ」をアサヒは約13万トン、サッポロは約5万トン、大手商社経由で、米国などから輸入している。現在は遺伝子組み換え原料が混じっている可能性を否定できない状態だという。切り替え完了後、製品に非遺伝子組み換えと表示するかは未定。

 「全量切り替え」を決めたことについて、アサヒは「商品の安全性は絶対の自信がある。だが、一部の消費者の中で不安感が高まってきていることを受けた」(広報部)。サッポロも「消費者の声を考慮した」と説明している。

 一方、サントリー広報部は、「主力ビールの『モルツ』は副原料を一切使っていないため、他社とは違う。発泡酒を含めたビール以外のアルコール飲料をどうするのかは現在、慎重に検討中」としている。

ベビーフード業界7社、遺伝子組み換え作物を不使用へ

03:15a.m. JST September 23, 1999
 日本ベビーフード協議会(吉田明弘会長)が、原則としてすべての商品の原材料に遺伝子組み換え作物を使わない方針を固めた。22日、消費者団体の質問書に正式回答し、2001年4月までの実施を目指す。

 同協議会は和光堂、キユーピー、ピジョン、明治乳業、明治屋、森永乳業、雪印乳業の7社で構成する業界団体で、国内で生産されるベビーフードの99%をカバーしている。8月に、消費者団体「日本子孫基金」から、組み換え作物使用の実態と今後の対応を問われ、対応を協議していた。

 同協議会によると、市販されている500近い商品を対象に、食品中に占める重量が1%以上の材料を拾い上げ、遺伝子組み換え作物を含む可能性のある品目があるか調べた。科学的検査では組み換えしたかどうかを特定できないことから、農水省が表示義務を課していない油類やしょうゆなども含めたという。

 その結果、豆腐やコーンスターチ、大豆油、デキストリン、食酢など計15種類の原材料に遺伝子組み換え作物が含まれている可能性があることがわかった。それらを含んでいないことがはっきりしている商品は、全体の42%にあたる208品目だった。

 今回の業界の回答に対し、日本子孫基金の小若順一事務局長は「米国内ではガーバーなどの食品大手で、ベビーフードの材料から遺伝子組み換え作物を排除する動きが出ている。国内でも、子育て中のお母さんたちが気にしており、そうした消費者の意向をくんだ取り組みと評価できる」としている。

組み換え作物不使用へ

1999年9月22日 18時13分 共同通信社
 ベビーフードのメーカー7社で構成する日本ベビーフード協議会は22日、大豆油、コーンスターチなどベビーフードの原材料に、遺伝子組み換え作物を使用しない方向で検討することを明らかにした。

 遺伝子操作食品に反対する市民団体「日本子孫基金」(〒102 東京都千代田区麹町2-7-3 西川ビル202 Tel:303-5276-0256 )が出していた質問状に対して、22日、回答を寄せた。

安全性審査制度の見直しも

1999年9月10日 20時43分 共同通信社
 遺伝子組み換え食品の安全性を議論する食品衛生調査会(厚相の諮問機関)バイオテクノロジー特別部会が10日開かれ、法的な強制力のない現行の安全性審査制度の不備を指摘し再検討を求める意見が相次いだ。厚生省は同調査会の会長や部会長との間でこの問題をどう取り扱うか検討する方針で、業者任せになっている審査の在り方が見直される可能性も出てきた。

水質汚染軽減するハイブリッドトウモロコシを2001年に出荷=米社

99年8月27日 15時3分 [シカゴ 26日 ロイター]
 
 米アイオワ州ウエストデモインの家きん会社、オプティマム・クウォリティ・グレインズの役員、ミロード・アラバ氏は、水質汚染を軽減する新種のハイブリッド・トウモロコシが、2001年に市場に出荷される、と語った。 このトウモロコシは、家きんや家畜が消化できるリンを増加したもので、現在、最終の生育テストや飼料テストの段階にある。同氏によると、もし、すべてが順調に行けば、2年以内に、家きんや、家畜の配合飼料に含まれることになる。

農場から、水体系へと流出したリンや他の栄養素は、藻を増やして、魚の呼吸に必要な酸素を減少させていた。 同氏は、リンによる汚染の問題に関して、「このような穀物は、唯一の解決法ではないが、問題の解決に貢献する、解決方法の一つとなると考えている」と語った。

全量を非遺伝子組み換えに

1999年8月24日 17時12分 共同通信社
 キリンビールは、ビールの副原料となるトウモロコシを、2001年春までに全量を遺伝子組み換え技術を使っていないものにすることを24日、明らかにした。同社は、遺伝子組み換えトウモロコシが含まれている可能性が高い現在でも「安全性などに問題はない」(広報部)としているが、「組み換え原料を含んでいる食品を避ける消費者がいることに配慮した」と説明している。

遺伝子組み換え、28食品に表示義務

1999.08.04 by朝日新聞
 農水省の遺伝子組み換え(Genetically Modified=GM)食品の表示義務付け案が99/8/3日明らかになった。2001年4月から豆腐、みそ、コーンスナック菓子、ジャガイモなど28品目について、GM品の場合や、それが含まれる可能性がある場合に、その表示を製造業者や輸入業者に義務付ける。

 しょうゆや液糖、GM品の使用量が最も多いと見られる通常の食用油などは、現在、一般的な科学検査法では検出できないため、義務付けを見送る。対象を消費者が直接手にする食品で、GM品かどうか検出できるものに限ったため、幅広い義務付けを求める消費者団体代表らの反発が予想される。

 表示義務付け案は、4日開かれる食品表示問題懇談会の遺伝子組み換え食品部会で論議する。農水省は原案に沿って来年4月、品質表示基準を告示し、1年の猶予期間を置く方針だ。

 農水省案では、豆腐を例にとると、GM大豆を原料にしている場合は、「遺伝子組み換え」と原料の大豆にGM大豆が混じっている可能性がある場合についは、「遺伝子組み換え不分別」と製品に明記しなければならない。
GM大豆を使っていないことがはっきりしている場合は、「遺伝子組み換えでない」と表示しても、何も表示しなくてもいい。表示義務付け案は、4日開かれる食品表示問題懇談会の遺伝子組み換え食品部会で論議する。農水省は原案に沿って来年4月、品質表示基準を告示し、1年の猶予期間を置く方針だ。義務付けは、今国会で改正された「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(JAS法)に基づく農水相告示で定め、消費者が食品などを選ぶのに役立つ情報の提供を目的にしている。

 農水省は中間製品や飼料などは対象外にするが、同法の対象外の酒類にも適用しない。GM品のコーンスターチを使っていることがあるビールなども、表示を義務付けられない。

 さらに農水省は、厚生省が安全性を確認し、国内での流通を認めている遺伝子組み換えの農作物6品目(大豆、菜種、ジャガイモ、トウモロコシ、綿、トマト)と、それらを原材料とする食品について、遺伝子の組み換えを科学的に検出できるかどうかを分類し、現在の科学的検査でGM品であることが特定できる28品目に、表示義務付けの対象を絞り込んだ。

 この28品目のうちでも加工食品は、原材料として使われているGM品が重量の5%以上で、重量の上位3品目までに入っている場合に限り、表示を義務付ける。

高オレイン酸大豆油は、栄養素が通常の油と異なり、区別できるので、表示義務の対象にした。

米研究者ら、同種間での作物の遺伝子組み換え技術を開発

99年7月21日 15時53分[ワシントン 20日 ロイター]
 
 米コーネル大学付属の研究機関、ボイス・トンプソン・インスティテュートの研究者らは、他の種からでなく、同種間での作物の遺伝子組み換えによって、より安全な食品生産を行うことができる「チメラプラスティ」と呼ぶ新技術を開発した、と発表した。

欧州連合(EU)の消費者らが、一部の遺伝子組み換え作物について、他の種の特徴を持ち、長期にわたる影響がよくわからないことについて懸念を表明しているため、この新技術が開発された。

ほとんどの遺伝子組み換えのトウモロコシや大豆、ポテトなどは、イールド(単位収量)が増加し、虫害に対して抵抗力があるが、これは、ウイルスやバクテリアを使って、異質のDNAが移植されるため。

同研究者らは、この新技術について、金の小片を、望ましい状態に変化させるのに必要な遺伝子コードを持つ分子でコーティングするもので、この小片が植物の細胞に組み込まれることによって、新たな特徴を形成するよう細胞を導く、と説明している。

有機農産物国際基準を採択

1999年7月4日 15時51分 共同通信社
 国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同食品規格委員会(CODEX委員会)第23回総会が3日までローマのFAO本部で開かれ、有機農産物の生産、加工、表示、販売に関する国際基準などを採択した。 

       

 総会は2日、遺伝子組み換え作物など遺伝子工学応用食品の国際的な安全性評価規格を4年以内に策定する遺伝子工学臨時部会の設置を決め、日本を遺伝子工学臨時部会議長国に選んだ。

遺伝子組み換えで閣僚交渉

1999年6月26日 11時35分 共同通信社
 欧州連合(EU)加盟国の大半が遺伝子組み換え作物の新規承認凍結を打ち出したことを受け、グリックマン米農務長官が来週、フランスのグラバニ農業水産相とパリでこの問題を協議することが25日、固まった。米政府は既に、世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(新ラウンド)で遺伝子組み換え作物の貿易促進を目指す方針を発表している。

 長官の訪問により、米欧はラウンド開始前に事実上の閣僚交渉に入ることになり、同作物の安全性論議を重視する立場の日本にも影響を与えそうだ。

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