TOPIC No.3-1-8b ダイオキシン排出規制

01.
 ダイオキシン類対策特別措置法
02.
 ダイオキシン類 byEICネット

全国の農地のダイオキシン濃度、基準下回る 環境庁調査

2000.09.22(00:45)asahi.com
 環境庁と農水省は22日、全国188地点の農用地土壌と、その土地で栽培された農作物のダイオキシン濃度の昨年度の実態調査を明らかにした。農用地土壌は平均値が27ピコグラム(ピコは1兆分の1)で環境基準値を下回り、農作物は平均値が0.046ピコグラムで、1998年度の調査と同程度だった。

 調査対象のうち、96地点は廃棄物焼却施設などダイオキシン類の発生源の周辺地域。土壌中のダイオキシン濃度の範囲は0.035―180ピコグラム。農作物27品目のうち、大根や長芋、タマネギ、トウモロコシ、イチゴなどは検出されなかった。茶(荒茶・仕上茶)で最高の0.6ピコグラムを示した。

ダイオキシン全廃に反対

2000年3月18日 15時00分
 20日からドイツのボンで開かれる有害な化学物質による環境汚染を防ぐための国際条約交渉会議で、日本政府は18日までにダイオキシンと、毒性がよく似たジベンゾフランの2物質の「排出の全廃」を条約の義務とすることに反対する方針を固めた。「工業的に作られるのではなく、発生源が多様で全廃をするのは事実上困難」(政府筋)としている。

米国がEUに圧力と批判

2000年2月5日 9時09分 共同通信社
 環境保護団体グリーンピース・ジャパンは5日、ダイオキシンなど有害化学物質の排出を減らすための国際条約交渉会議に向け、米国が欧州連合(EU)に「強硬な姿勢を取り下げない限り、交渉が決裂することになる」と、方針転換を迫る異例の書簡を送っていたことが分かったと明らかにした。グリーンピースが入手した書簡は米国務省担当者がEU側に送ったとされる。

4河川で基準超える

2000年2月4日 15時26分 共同通信社
 三重県大気水質課は4日、同県の6河川を対象にダイオキシン調査の結果を公表、4河川で環境基準を超えるダイオキシンを検出したことを明らかにした。最高は志登茂川の河口付近(津市)で、基準の4.6倍の水1リットル当たり4.6ピコグラム(ピコは1兆分の1)だった。同課は「直ちに健康上に問題となる数値でない」としているが基準値を超過していた4河川について引き続き調査を進める。

環境基準など適用開始

2000年1月14日 17時36分 共同通信社
 ダイオキシン対策法が15日施行され、同法に基づく大気、水質、土壌の環境基準などの適用が始まる。政府は廃棄物焼却炉などの発生源対策を進めることで、2002年に1997年に比べダイオキシンの排出量を9割削減するとの目標を実現したい考えだ。政府は、人が一生摂取し続けても問題がないとされるダイオキシンの耐容1日摂取量の値を体重1キロ当たり4ピコグラムとする同法施行令を制定。

環境庁、野焼き禁止へ悪臭防止法改正の方針

4:57p.m. JST February 11, 2000
 環境庁は、悪臭に対して住民から苦情が多い野焼きの規制を強化する方針を決め、規制のあり方を中央環境審議会に諮問した。住宅密集地域の野焼きを禁止している悪臭防止法を改正し、地域を問わず、プラスチックなどの大量の野焼きを禁止する方針。来月、審議会の答申を受け、改正法案を今国会に提案する予定だ。

 すでに厚生省が廃棄物処理法を改正して野焼きに対して罰則を加えることを決めており、同庁は2つの法律で野焼きを減らせるとみている。

増え続ける野焼きを法律で禁止 厚生省が処理法改正へ

03:11a.m. JST January 08, 2000
 厚生省は、増え続ける廃棄物の野焼きについて、法律で明確に禁止し、違反者に罰則を科す方針を固めた。大量に集めた廃棄物を屋外で燃やす野焼きは、ダイオキシン類が発生するほか、煙やにおいなど周辺住民や環境に被害が出ており、不安や不満を訴える声があがっていた。現行の廃棄物処理法では、野焼きの禁止が規定されていない。厚生省は通常国会に同法の改正案を提出する予定だ。野焼きは、1998年度は前年の約1.4倍にも増え、対策が必要と指摘されていた。

 罰則について厚生省は、1年以下の懲役あるいは300万円以下の罰金、といった内容で検討している。

 廃材を用いてのたき火、農作物の凍霜害防止や稲わらの野焼きなど、社会慣習上やむをえない場合の野焼きは、対象外。

 現行の廃棄物処理法では、「廃棄物を焼却するときは焼却設備を用いて焼却すること」が処理基準として施行令で定められているだけだ。このため、焼却設備を使わない野焼きは、処理基準違反となり、改善命令の対象となっている。

 しかし、改善命令は行政措置のため、効果が薄かった。改善命令を受けた業者が場所を移して野焼きをすることが少なくなく、改善命令を再度出すなど、行政の取り締まりと野焼きをする業者との「いたちごっこ」が続いていた。

 また、無許可業者が産業廃棄物を野焼きした場合や、事業者が事業系の一般廃棄物を野焼きした場合などは、処理基準が適用されないため、野焼きがわかっても、改善命令を出すこともできなかった。

 25都道府県で野焼きを規制する条例があるが、罰則がなく、取り締まりの実効はあがっていない。厚生省は、法律で禁止することで、増え続ける野焼きに何とか歯止めをかけたいとしている。

 厚生省の調べでは、98年度に都道府県などが把握した野焼きは5385件、確認できただけでも約4万トンにのぼる。悪臭や煙のほか、ダイオキシン類は焼却炉で燃やすよりかなり多く排出されているとみられる。

佐賀市が塩ビ用品追放へ

1999年12月14日 18時26分 共同通信社
 佐賀市は14日、市役所で使うすべての事務用品について、ダイオキシンなどを発生する塩化ビニールを含まない製品に来年度から順次切り替える一方で、市民にも環境に優しいラップを使うよう広報誌で呼び掛ける方針を決めた。同市によると、自治体挙げての塩ビ用品追放の試みは全国的にも極めて珍しいという。

環境庁がダイオキシンの環境基準を年内に告示

10:28p.m. JST December 10, 1999
 環境庁の中央環境審議会(近藤次郎会長)は10日、土壌、水質、大気のダイオキシン環境基準値と排出基準値を決め、清水嘉与子長官に答申した。これを受け、同庁は年内をめどに基準の告示と総理府令を制定し、来年1月のダイオキシン類対策特別措置法の施行に備える。

 環境基準は、土壌は1グラム中1000ピコグラム(ピコは1兆分の1)、水質は1リットル中1ピコグラム、大気は1立方メートル中0.6ピコグラム。排出基準では、排水が10ピコグラム、大気は小型焼却炉が5ナノグラム(ナノは10億分の1)など。

 先月、審議会で案をまとめて公開し、国民の意見を求めていた。約200件の意見が寄せられ、基準をもっと厳しくするよう求めたりしたが、すべての基準値について修正はなかった。

ダイオキシン環境基準、土壌は1000ピコグラムと決定

03:17a.m. JST November 03, 1999
 環境庁は2日、土壌、大気、水質に含まれるダイオキシンの環境基準を決めた。年内に告示される。焦点だった土壌では、環境基準を1グラム当たり1000ピコグラム(ピコは1兆分の1)とした。この値を超えた場合は、直ちに除去、覆土するなどの対策を定めている。同庁は、ごみ焼却施設に絡むものとしては世界で例のない高濃度汚染があった大阪府能勢町をダイオキシン類対策特別措置法で地域指定し、浄化対策を急ぐ。来年度には、全国の焼却施設の周辺や住宅地など約1万7000カ所で土壌のダイオキシン調査を行う方針だ。しかし、1000ピコグラムを超える汚染のケースは全国的にほとんどないことなどから、環境保護団体や研究者から批判も出ている。

 土壌に含まれるダイオキシンの環境基準については7月、専門家による検討会が、ガイドライン値として1000ピコグラムを提案していた。中環審も、風で舞い上がった土ぼこりを吸い込んだり、食品に付いた土を摂取したりするケースは極めて少ないことなどから、ガイドライン値の1000ピコグラムを採用した。さらにダイオキシン類対策特別措置法で定められた、直ちに対策を取る基準値も1000ピコグラムとした。

 また、250ピコグラムを調査指標とし、これを上回る場合は監視を続けて、数値が上がった時には焼却施設などの発生源を探すとしている。

 一方、水質の環境基準は1リットル中1ピコグラムとした。排水基準は、ごみ焼却施設、下水道終末処理施設、紙パルプ製造業、塩化ビニル製造施設などについては1リットル中10ピコグラムとしている。大気の環境基準は、従来の大気環境指針値の0.8ピコグラムから0.6ピコグラムに強化

ばいじんや焼却灰のダイオキシン基準、1g当たり3ナノ

10:50p.m. JST November 02, 1999
 ごみを焼却施設で燃やした際に出るばいじんや焼却灰のダイオキシン類の濃度を1グラム当たり3ナノグラム(1ナノは10億分の1)とする基準が2日、厚生省の生活環境審議会廃棄物処理部会で了承された。7月に制定されたダイオキシン類対策特別措置法に基づいて設けることになっていた。国民から意見を募集した上で、来年1月の同法施行までに正式に決定される。

 廃棄物の焼却施設で排ガスを処理する集じん機で集められたばいじんや廃棄物を燃やした後に残る焼却灰については、これまでは、ダイオキシン類の基準はなかった。昨年度の調査では、処分場周辺の地下水などに汚染があった例はなかったが、安全性をさらに高めるため、基準を設定することにした。

 そのまま埋め立て処分できるのは、1グラム当たりのダイオキシン類の含有量が3ナノグラム以下のものとした。3ナノグラムを超える場合は、溶融やセメント固化などの処理をしたうえで埋め立てなくてはならない。1時間の焼却能力が50キロ以上の焼却炉が対象となる。

魚介類コプラナーPCB、ダイオキシンの約3倍 厚生省

0:51p.m. JST October 30, 1999
 魚介類に含まれるコプラナーPCBの平均濃度が、ダイオキシンより約3倍も高いことが、厚生省の調査でわかった。コプラナーPCBはポリ塩化ビフェニール(PCB)の中でも毒性が強い物質。1950―60年代に国内で大量に使われていたPCBが海に流れ、蓄積されているとみられる。コプラナーPCBとダイオキシンを合わせたダイオキシン類濃度は検査した一部の魚から高く検出されたが、厚生省は「バランスよく食べていれば大丈夫」としている。

 昨年度、魚介類や肉類、野菜など、36種類197検体について、ダイオキシン類による汚染状況を調べた。

 スズキは1グラム当たり25.72ピコグラム(1ピコは1兆分の1)と、ほかの魚に比べて20―85倍と高い濃度のものがあった。その9割近くはコプラナーPCBだった。スズキは日本人の平均的な食生活では、1日に100グラム食べる魚介類のうち、0.06グラムを占めるにすぎないため、厚生省は「バランスよく食べれていれば、それほど気にする値ではない」としている。

 アナゴもダイオキシン類濃度はやや高く6.364ピコグラムのものがあった。

 肉類はダイオキシン類濃度は平均して魚介類の約20分の1で、しかも、コプラナーPCB濃度はダイオキシンの2分の1と低かった。

 また、生のホウレンソウは洗うと、ダイオキシン類の汚染度が3、4割除去され、煮ると、さらに2分の1から3分の1に減ることもわかった。

ダイオキシン規制強化案

1999年10月20日 19時56分 共同通信社
 環境庁は20日、規制していない小型焼却炉と産業系の3種類の施設を新たにダイオキシン対策法に基づく規制対象にし、小型焼却炉の規制値は排ガス1立方メートル当たりのダイオキシン量を新設の場合5ナノグラム(ナノは10億分の1)―などとする素案をまとめ、中央環境審議会大気部会の専門委員会に示した。26日の大気部会で報告をまとめ、今年中に正式決定する。

ダイオキシン濃度が減少

1999年10月19日 17時26分 共同通信社
 環境庁は19日、1998年度に全国の自治体が、計458地点で実施したダイオキシンなど19の有害化学物質による大気汚染状況調査の結果を発表した。大気中のダイオキシン濃度は、横ばい傾向だった97年度以前と比べ改善したが、発がん性のあるベンゼン濃度は97年度とほぼ同じ5割弱の地点で環境基準値を超え、ワーストワンの北海道室蘭市は基準の4倍近くだった。

ダイオキシンの水質環境基準値を提示 環境庁

8:41p.m. JST September 29, 1999
  環境庁は、河川や海域、地下水のダイオキシンの水質環境基準値を1リットル中1ピコグラム(ピコは1兆分の1)とする案をまとめた。この基準を満たせば、魚介類や飲料水内のダイオキシンを摂取し続けても健康に影響のない耐容1日摂取量(TDI)の4ピコグラム以内にできるとしている。

 また、工場・事業所などの排水基準値は環境基準の10倍の10ピコグラムになりそうだ。いずれも12月に正式決定する。

  環境庁は昨年度、全国286地点で水質調査を実施。平均値は同0.4ピコグラム。9%が1ピコグラムを上回った。

  欧米の基準は1―数十ピコグラムとまちまち。日本では、食品からの摂取量のうち7―8割を魚が占めるといわれ、なかでも沿岸の魚はかなり高い値となっているが、魚の安全基準は設定されていない。

ダイオキシンは低濃度

1999年8月21日 20時49分 共同通信社
  愛媛大と水産庁遠洋水産研究所の共同調査で、北太平洋のアカイカからダイオキシン類が検出されたことを受け、イカ加工業者で組織する「全国いか加工業協同組合」は21日までに、独自にアカイカの分析を実施、食用部分のダイオキシン類は低濃度だったと発表した。

ダイオキシン排出、小型焼却炉も規制

 環境庁 2:01p.m. JST August 21, 1999
  環境庁は、ダイオキシン規制がなかった小型焼却炉について、1時間当たり50キロ以上燃やす小型焼却炉に対して、規制する方針を固めた。約4500施設が対象となる。2002年から年1回の測定を義務づけると共に、自治体や事業者の負担を軽減するためダイオキシンの簡易測定法を開発、測定費用を大幅に軽減する方針だ。そのために同庁は、来年度、約1万の事業所を対象に小型焼却炉の稼働実態調査を行う。

  廃棄物焼却炉に対するダイオキシン規制は、1997年に大気汚染防止法が改正され、焼却炉の規模と新設・既設ごとに規制値を定めた。1時間当たり200キロ以上の中・大型の炉を対象としたが、市民団体などから「産廃業者などの炉の多くが抜け道となっている」と規制強化を求める声が強まっていた。

  環境庁は、埼玉県などの自治体に30―50キロ以上の小型炉を規制する動きが広がっている▽小型焼却炉は全国で約1万2600施設にのぼり、すべての炉の規制には自治体の負担が大きすぎる――などから50キロ以上の炉を新たに規制する方針を固めた。来年1月に施行されるダイオキシン対策特別措置法で規制する。同時に大防法で定められた従来の基準もダイオキシン対策法に移す。

  厚生省も小型焼却炉の規制について検討を進めており、ダイオキシン対策法に適合するように、廃棄物処理法でダイオキシンが発生しない燃やし方を決める。

  現在の排ガスに含まれるダイオキシン濃度の規制値は、0.1―10ナノグラム(ナノは10億分の1)に設定され、新設炉は97年12月から、既設炉は2002年12月から規制を実施。環境庁は来年度に小型炉を持っている約一万の事業所に対して稼働の実態を調べるほか、100施設を選び、ダイオキシンの排出調査を行い、規制値を決める。

水質や底質のダイオキシン調査、全国4000カ所で監視 03:07a.m. JST August 01, 1999

環境庁は来年度から全国の海、湖、河川約4000カ所、大気約400カ所でダイオキシンを測定する方針を固めた。来年1月に施行されるダイオキシン対策特別措置法で水質と大気などの環境基準を設定した後、大規模なモニタリング体制を整えることが必要と判断した。大気に比べてデータがほとんどない水質は、9月に大がかりな緊急調査を行い、水質や底質(泥)からどのように魚介類がダイオキシンを摂取するのかを調べ、基準設定を急ぐ。

ダイオキシン対策特別措置法は、水質、底質、大気、土壌の環境基準の設定と、ダイオキシンを大気や排水として環境中に出している工場・事業所、焼却場などを指定し、排出基準値を決めて規制することを定めている。

モニタリングは、環境中で異変がないかを知り、基準を超えた場合に対策をとるための基本となる。

大気では、年間2回以上測定したところが1997年度で68地点しかなく、うち2割の14地点で大気環境指針値を超えていた。昨年秋に約380カ所で測定したのに続き、自治体の協力を得ながら400カ所、年間4回測定することにした。

水質のダイオキシン調査は、従来約40カ所しか行われず、昨年秋に約200カ所に増やして調査された。しかし、水銀など他の環境基準項目は5000カ所で測定している▽人の摂取するダイオキシン量のかなりの比重を占める魚が、底質や水の影響を受けている――ことなどから、大幅に地点数を増やすことにした。

来年度からは全国の沿岸部、湖、河川計4000カ所で水質と底質を毎年1回、調べることにしている。

厚生省、ダイオキシン対策で小規模炉も補助

6:54p.m. JST July 28, 1999
 厚生省は28日の自民党のダイオキシン対策関係部会長会議で、市町村が設置する一般廃棄物の焼却施設について、1日の処理力が100トン以上の施設だけを対象にしていた国庫補助を、100トン未満の施設も対象に加える方針を明らかにした。原則4分の1となっている補助率も2分の1に引き上げる。同省は来年度予算案の概算要求に必要な予算を盛り込む方針だ。

ダイオキシン訴訟が和解

1999年7月23日 20時40分 共同通信社
 兵庫県宝塚市のごみ焼却場について、住民が市にダイオキシンの排出削減を求めていた訴訟は23日、神戸地裁で「改修で排出量を国の基準の10分の1以下に減らす」など、住民側の主張にほぼ沿った内容で、1988年の提訴以来11年ぶりに和解した。今回の和解は国の規制基準より厳しく、一気に0.1ナノグラム以下とし、しかも実施を約2年も前倒しする厳しい内容。

総排出量は半減の2.9キロ

1999年6月25日 11時28分 共同通信社
 環境庁は26日、1998年のダイオキシン総排出量は約 2.9キロあったとする推計結果をまとめた。依然としてごみ焼却施設からの排出割合が高いが、全体では97年(約 6.3キロ)に比べ半分以下に減った。ごみ焼却施設からの排出について新設は97年12月から、既設も98年12月から廃棄物処理法などで規制しており、同庁は規制に対応した施設の改善が大きく影響したとみている。

 政府は今年3月、2002年の総排出量を97年に比べて9割削減するとの目標を掲げている。

高濃度ダイオキシン検出

1999年6月22日 19時50分共同通信社
 和歌山県有田市と周辺3町のごみ焼却施設『有田周辺広域圏事務組合環境センター』(和歌山県吉備町)の敷地内で、雨水を近くの川に流す排水溝の泥から、1グラム当たり5100ピコグラム(ピコは1兆分の1)の高濃度のダイオキシンが検出されたことが22日、分かった。

 排水のダイオキシン濃度には規制がないが、環境庁は『焼却灰の管理が適切であれば、雨水にダイオキシンが入り込むはずはない。管理を徹底してほしい』としている。

焼却施設整備に1兆5600億円 ダイオキシン抑制

03:14a.m. JST June 20, 1999
 2002年12月までにダイオキシン類の発生量を1997年比で9割削減するとした政府のダイオキシン対策推進基本指針を達成するためには、一般廃棄物の焼却施設の整備に総額1兆5600億円が必要であることが、厚生省の試算でわかった。これは福岡県や静岡県、千葉県の年間予算に匹敵する額だ。施設の整備には膨大な費用が必要で、国庫補助は平均すると整備費の3分の1程度のため、市町村の負担の大きさが浮き彫りになった。

 市町村からの要望をもとにした厚生省の推計によると、今年度から2002年度までの施設の整備見込みは、新設が100件、改造が200件、計300件にのぼる。

 これまでの実績から事業費を計算すると、新設で総額1兆2600億円、改造で約3000億円かかることがわかった。国庫補助率は原則4分の1だが、公害防止計画策定地域の場合は2分の1となり、これまでの実績は平均で約3分の1。市町村の負担は約1兆円となる。多くの市町村から、このままでは実現できないとの声が、厚生省に寄せられている。

 厚生省は97年12月から、焼却施設からの排ガス中のダイオキシン類の排出基準を強化した。新設の場合は、処理能力によって1立方メートル当たり0.1―5ナノグラム(1ナノは10億分の1)と定めた。1年間の猶予期間があった既存の施設は昨年12月から、80ナノグラムが適用され、2002年12月以降は、処理能力によって1―10ナノグラムとなる。

 規制強化前の97年1月の調査をもとにした厚生省の推計では、4320グラムだった一般廃棄物焼却施設からの年間ダイオキシン類排出量が、昨年11月の時点ではすでに7割減の1340グラムになった。これは、97、98年度合わせて200件以上の焼却炉の新設や改造が行われた結果だ。すでに事業費として約2000億円が投入されているという。

ダイオキシン法案成立へ

1999年6月3日 19時57分 共同通信社
 ダイオキシンの排出規制を目指す『ダイオキシン類対策特別措置法案』(仮称)について自民、民主、公明3党の参院国対委員長は3日、法案の内容を最終合意。今後各党に呼び掛け全党合意の議員立法として今国会に提出することを確認した。 同法案は今国会で成立する見通し。

法案の内容のうちこれまで積み残しになっていた排出基準違反に対する罰則については、改善命令などを経ずに直ちに罰則を課す『直罰』規定とすることを確認した。

車ダイオキシン、従来の250倍

5月28日14:38読売新聞
 自動車から排出されるダイオキシン類の全国総量が、従来の試算値の約二百五十倍に当たる年間十七グラムに達することが、環境庁・国立環境研究所(茨城県つくば市)の調査でわかった。規制措置が取られていない排ガス中のダイオキシン類について、実態が把握されたのは初めて。わが国の年間排出総量(約二〜三千グラム)に占める割合は一%以下だが、様々な排出源からダイオキシン類汚染が広がっている現状が浮き彫りとなった。

 同研究所環境健康部、宮原裕一研究員らのグループの研究で、近く英環境化学誌「ケモスフェア」に発表される。同グループは、高速道路のトンネルの排気口から採取した、自動車排出ガスに含まれる粒子状物質(PM)を分析。一グラム当たり二四二ピコ・グラム(ピコは一兆分の一)の濃度のダイオキシン類が存在することを確認し、この数値と、全国の自動車から排出され る粒子状物質の総量を基に、最も毒性の高い種類に換算したダイオキシン類の総排出量を推計した。十七グラムは、モルモット約千四百万匹の致死量に当たる。

 自動車排ガスから出るダイオキシン類を巡っては、京都大学工学部のグループが十年前に、全国の総排出量を〇・〇七グラムとする試算をまとめ、政府も総排出量を計算する際の基礎データとして、この数字を用いてきた。 しかし、欧州各国は国内の総排出量を二〜三けた高く見積もっており、ドイツでは八〜百四十五グラム、スイスは四・五〜十三・五グラムと算出。自動車排出ガスを焼却炉などと並ぶ主要なダイオキシン排出源の一つとしていることから、自動車をめぐる日本の環境行政は「実態を反映していない」とする指摘が出ていた。

4年以内に排出量9割削減

1999年3月30日 11時32分共同通信社
 政府のダイオキシン対策関係閣僚会議が30日開かれ、ダイオキシン対策の基本指針を決定した。『今後4年以内にダイオキシンの排出総量を1997年に比べ9割削減する』として大気などへの環境基準の設定や、ごみ焼却場対策などを盛り込んでいる。   

 基本指針は各省庁の対策を一本化。人体への安全な摂取量を示す『耐容1日摂取量』(TDI)を3カ月以内に見直し、その後約6カ月以内に大気の環境指針を強化し、環境基準に格上げする。

ダイオキシン類、耐容1日摂取量(TDI)4ピコグラム以下

1999年4月20日 13時23分共同通信社
 自民党のダイオキシン関係部会長会議は20日、ダイオキシン類を毎日取り続けても健康に影響がない“安全基準”となる耐容1日摂取量(TDI)を、現行の体重1キロ当たり10ピコグラム(ピコは1兆分の1)から4ピコグラム以下にすることを決めた。

具体的な数値は政府が政令で定めるとしており、上限だけを設定した形だ。既に1ピコグラムを明記した法案を提出している民主、公明両党に21日に申し入れ、共同提案の法案に一本化する方向で調整する。

HOMEBACK環境