TOPIC No.2-91 「あおぞら銀行」(旧日債銀)

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あおぞら銀行不良債権飛ばし・続報 (平成13年6月6日)by論壇

最後の長信銀が終焉へ あおぞら銀行が普銀転換

2006/01/21 The Sankei Shimbun

 最後の長期信用銀行である、あおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)は20日、普通銀行への転換を2月中にも金融庁に申請すると発表した。4月1日の転換を目指す。

 あおぞら銀の普銀転換により、旧日本興業銀行(みずほフィナンシャルグループ)、旧日本長期信用銀行(新生銀行)とともに産業資金融資で戦後日本の経済発展を支えてきた長期信用銀行が、姿を消すことになる。

 長期信用銀行は、金融債の発行で資金を調達し、企業に期間の長い融資を実施してきた。しかし、1999年10月からは普通銀行にも社債発行が認められるようになり、長信銀である意義が薄れていた。

 あおぞら銀の普銀転換は、個人の口座開設などに残る制約を解消し、経営の自由度を高めることなどが狙い。(1)金融債口座を持たない顧客の預金受け付け(2)担保を取らない期間6カ月超の融資―などができるようになる。(共同)

元副頭取ら5億円賠償命令 旧日債銀の経営者訴訟

(共同通信)YAHOO News!!2004年03月26日
 旧日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)の不良債権を引き継いだ整理回収機構(RCC)が、回収見込みのない融資で銀行に損害を与えたとして恒吉克章元副頭取ら2人に損害賠償を求めていた訴訟の判決で、東京地裁は26日、請求通り5億円の支払いを命じた。

 判決理由で綿引万里子裁判長は「対象事業について必要な情報収集をしないまま、融資可能と判断したのは著しく不合理で、注意義務に違反している」と判断した。

 判決によると、旧日債銀は函館市のゴルフ場開発に絡み、1991年11月、既に大幅な債務超過に陥っていた開発会社に70億円を融資。66億円余りが未回収となった。融資は恒吉元副頭取の決裁だった。

 RCCは、日債銀の頴川史郎元会長ら旧経営陣11人に計45億円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしており、今回の判決はその一部。

米サーベラス、あおぞら銀株の買収発表

2003年04月12日 The Sankei Shimbun
 米投資ファンドのサーベラスは11日午後(日本時間12日未明)、ソフトバンクが保有するあおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)の全株式(48・87%)を買収すると正式発表した。買収価格は1000億円程度。

 買収完了後は現在第4位の株主(12・02%)のサーベラスが筆頭株主となり、あおぞら銀行は外資主導の経営となる。

 サーベラスによると、今後、金融庁の認可を受けて公開買い付け(TOB)で買収する。買収後のサーベラスの持ち株比率は60%以上となるが、他の大株主への配慮などから一部を売却、持ち株比率を50%未満にする意向とみられる。

 サーベラスは同日、「あおぞら銀行は投資先にふさわしく、長期的な投資対象として取り組む。同行の事業再生を通じて日本経済回復の助けになることを望んでいる」とのコメントを発表した。

 あおぞら銀行株の買収では、三井住友フィナンシャルグループも約1000億円の買収価格を提示。サーベラスは第4位の株主として、同額以上の価格提示で優先的に交渉できる権利を行使することになった。(共同)

あおぞら銀株の買収決定

2003年04月11日 The Sankei Shimbun
 米投資ファンドのサーベラスは11日、ソフトバンクが保有するあおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)の株式全部(48・87%)を約1000億円で買収する方針を決めた。12日未明(米東部時間11日午後)にニューヨークで正式発表する。

 買収は公開買い付け(TOB)で行い、サーベラスは現在の持ち株と合わせて60%強の筆頭株主となる。しかし12%程度はほかの投資家に最終的に売却するなどし、出資比率を50%未満とする意向とみられる。

 一時国有化された銀行としては、新生銀行(旧日本長期信用銀行)と同様、海外投資ファンド主導の経営体制となる。

 あおぞら銀行株の買収では、サーベラスと三井住友フィナンシャルグループが2月に資産査定を行い、三井住友グループが約1000億円での買い取りを提示。サーベラスは第4位の株主(12・02%)として、同額以上なら優先的に売買交渉できる権利を持っている。

 サーベラスは株式を5年間保有し、大株主のオリックスや東京海上火災保険と協調し、従来の経営方針を継続させる考えだ。三井住友グループは、あおぞら銀を子会社化することで自己資本の増強や地方銀行との関係強化を狙ったが、断念する見込み。

 国が2000年に旧日債銀株を譲渡した際には、ソフトバンクなどの国内勢とともに海外勢も買収に名乗りを上げたが、国内世論に外資への抵抗感が強く、ソフトバンクなど国内勢中心の買収で決着した。

■あおぞら銀行 旧日本債券信用銀行。1957年設立、98年に一時国有化(特別公的管理)され、2000年9月に預金保険機構がソフトバンク、東京海上火災保険、オリックスの3社を中心に株式を譲渡。01年1月に現行名へ変更した。昨年9月末の総資産は5兆9376億円、従業員数1395人。国内本支店17、海外支店1、駐在員事務所3。

■サーベラス 1992年に設立された米国の投資会社グループで、ファンド(基金)を組み、世界的規模で破たん企業や不良債権などに投資している。投資総額は60億5000万ドル(2001年1月現在)。経営再建中のダイア建設へ出資するなど、対日投資にも積極的。会社更生法の適用を申請した中堅スーパー、長崎屋の支援にも乗り出したが撤退した。

あおぞら銀行株売却、三井住友FGが買い取り価格提示

2003年03月01日 Yomiuri On-Line
 ソフトバンクが48・87%を保有するあおぞら銀行株の売却問題で、買い手候補の三井住友フィナンシャルグループは1日までに、ソフトバンクに買い取り価格を提示した。提示額は明らかになっていないが、1000億円前後と見られる。

 売却交渉は、事実上、三井住友と米投資ファンドのサーベラスの一騎打ちとなっている。12・02%のあおぞら銀行株を持つサーベラスは、ソフトバンクなど主要株主との契約により、三井住友の提示額を見た上で、30営業日以内に買い取り価格を提示することができる。さらに、サーベラスは、三井住友の提示額と同額なら優先的に買い取れる権利を持っている。

三井住友vs外資、あおぞら銀泥沼争奪

2003/01/11 Kabu Zak Zak
サーベラスなど3社が“連合”検討
三井住友銀・西川頭取

 米独の外資3社連合vs三井住友−。ソフトバンクが保有するあおぞら銀行の株売却をめぐり、買収に名乗りを上げる米サーベラス、独ヒポ・フェラインス銀行、米GEキャピタルがタッグを組む検討を始めた。あおぞら銀がサーベラスに1000社以上の企業情報を漏洩(ろうえい)した問題が発覚する一方、三井住友銀行では傘下に取り込むことで国有化回避策として自己資本比率を上げたいとの戦略が見え隠れする。どちらに軍配が上がるのか。泥沼バトルの様相だ。

あおぞら銀・丸山社長

 外資3社が連合を検討し始めたのは、100%の子会社化をねらう三井住友銀に対抗し、高い買収価格を提示できるようにするのが目的。

 あおぞら銀の株式約12%を保有するサーベラスなど外資が個別に争っても、三井住友銀と対抗するには不利と結論したためとみられる。

 3社連合は今後、約49%の株を保有する筆頭株主のソフトバンクと交渉し、地銀などの少数株主(約9%)からの持ち分を獲得していく方針。

 サーベラスは株式買収の優先交渉権を得ており、ソフトバンクが持つすべての株式を取得できれば、あおぞら銀株の過半数を握ることになる。

 米独外資の連合模索で、買収レースは過熱するばかり。現状は混沌(こんとん)とする。

 旧日債銀の破綻(はたん)に伴い、発足したあおぞら銀には公的資金が大量注入されており、自民党内では「安く買って高く売り叩く外資に手放すのは絶対避けるべき」との意見が根強い。

 さらに、あおぞら銀からサーベラスに顧客情報が流れた漏洩問題も少なからぬ影響を及ぼす。

 一方、三井住友銀については、財務内容が比較的健全なあおぞら銀を取り込むことで、自己資本比率を向上させたいというしたたかな思惑が見え隠れする。

 実際に昨年末、100%子会社の地銀・わかしお銀行を“存続会社”として合併する前代未聞の奇策を発表。「ウチを取り込むことで自己資本比率を上げたいだけだ」とわかしお銀幹部を辟易(へきえき)させた。

 最大の焦点は金融庁の判断で、通常、企業の買収や合併の場合、高い提示額を示した方に決まるが、銀行のケースでは、株式の20%以上を取得する際、金融庁の認可が事前に必要とされる。

 いまのところ、金融庁は静観の構えで口を閉ざす。外資連合、三井住友銀双方はともに顔色うかがいを続けている。

 あおぞら銀の丸山博社長は9日、売却先決定には「最短で3カ月かかるのでは」と説明。ソフトバンクの孫正義社長も「(交渉は)後半戦に来ている」としながらも、「あおぞら銀の経営が混乱しないような相手に売却するのが責務」と慎重な姿勢を示した。

 泥沼バトルが終結するまでには、まだまだ波乱がありそうだ。

顧客情報を不正漏洩 あおぞら銀

2003年01月09日 産経新聞社 gooニュース
米投資ファンドに金融庁、処分を検討

 あおぞら銀行が顧客の資産内容など多数の取引先の情報を株主である米投資ファンドのサーベラスに対して不正に漏(ろう)洩(えい)していた疑いのあることが九日明らかになった。あおぞら銀行の行為は民法上の守秘義務違反に相当し、金融庁は詳細な事実関係の報告を求めたうえで、業務改善命令などの行政処分が可能かどうか検討する。

 ソフトバンクが保有するあおぞら銀行株の買収合戦には、サーベラスをはじめ、三井住友銀行、ドイツ系のヒポ・フェラインス銀行、米大手ノンバンクのGEキャピタルの四社が名乗りを上げているが、今回の“不祥事”でサーベラスには不利な展開となりそうだ。

 あおぞら銀行が顧客情報を流したとされるのは昨年一月から二月にかけて。当時、サーベラスはソフトバンクが保有する株式の買い取りを検討中で、あおぞら銀行の顧客の信用度を調べるため、同行に顧客情報の提供を要請したという。

 こうした経緯は昨年四月、あおぞら銀行に対する金融庁の検査で発覚し、金融庁は同行に対し情報管理の甘さを指摘していた。

 これに対し、あおぞら銀行は「まだ検査結果の通知はきてないが、通常手続きの中での情報開示で情報漏洩という事実はない」(広報室)としている。

三井住友、あおぞら銀行の買収に黄信号わかしお銀合併奇策でイメージ悪化

2002/12/28 ZAKZAK
 メガバンクはなりふり構わず、奇策を労して資本増強に躍起となり、市場は『国有化』を懸念する。各行の断末魔の悲鳴が聞こえそうななか、三井住友銀行のあおぞら銀行(旧日債銀)買収の奇襲作戦は、年の瀬になって暗礁に乗り上げた。

 「三井住友銀は、国際業務を営む銀行に必要な自己資本比率8%を維持しているが、有価証券の含み益など補完的な資金を除いた中核自己資本比率は5.3%にすぎない」(金融アナリスト)

 中間決算期の自己資本比率は10.3%と国際ルールをクリアしているが、不良債権処理加速と貸出債権の厳格査定で大幅低下が予想される。

 このため、自己資本比率アップの奇襲作戦として進めているのが、あおぞら銀の買収話と、わかしお銀行(旧太平洋銀行)合併策である。

 三井住友銀100%子会社となるわかしお銀とは、『子』のわかしお銀が株主資本が約140倍もある『親』の三井住友銀を法律上、飲み込む形で逆転合併するウルトラCで注目を集めた。

 「わかしお銀が存続することで、三井住友銀は株主資本約3兆円を新会社で約1兆円に圧縮できる。会計上生まれる約2兆円の合併差益で、保有株の含み損を解消できる裏技だ。新会社移行の手続きのなか、瞬間的に『三井住友』の名が消えるが、旧財閥のメンツをかなぐり捨てた」(同)

 あおぞら銀の株式買収では、ソフトバンクが年内の売却を表明していたが、暮れも押し迫ってから、新たに米大手ノンバンクのGEキャピタルが名乗りを上げた。

 すでに候補の米投資ファンド・サーベラス、ドイツ系のヒポ・フェラインス銀行に、三井住友銀を加えた4社による熾烈(しれつ)なバトルに突入した。

 当初は国内大手の三井住友銀が、外資より有利とみられていたが、形勢は一気に三井住友銀に不利に傾いている。

 外資系証券のアナリストが解説する。

 「三井住友銀は合併の順番を間違えた。あおぞら銀の売却先は、外資アレルギーが強い金融庁の後押しで三井住友銀に落ち着くと思われたが、わかしお銀との『合併差益』を露骨に狙った合併が先に発表されたダメージは大きい。これであおぞら銀側も買収に強く難色を示すことになった」

 あおぞら銀の筆頭株主であるソフトバンクは48.87%の株を所有。続く大株主の東京海上火災保険とオリックス(各14.99%)は、三井住友銀の買収に反発する。

 「東京海上など両社は、あおぞら銀を『小さくても優良な銀行』に育てたいとしている。株式再上場した際の上場益も狙っている。でも、あおぞら銀が三井住友フィナンシャルグループ傘下となれば上場は困難になる」(前出のアナリスト)

 あおぞら銀株の11.5%をすでに所有するサーベラスは、ソフトバンクと優先交渉権を持ち、合併を画策する4社の中では一歩リードする。

 株式市場では「三井住友銀は債権回収能力の高いあおぞら銀を傘下に収め、不良債権回収の受け皿にしたいという思惑がある」と受け止められ、あおぞら銀関係者をますます硬化させている。

 「こうなったら、わかしお銀との合併を機に給与水準も第2地銀並みに下げる−とでも発表すれば、少しは三井住友銀の“本気度”がアピールできるかも」との声も市場で聞かれる。暗礁に乗り上げた買収問題の決着は、越年が必至である。

三井住友銀行による買収、あおぞら銀行の格付けにはプラス

2002年12月5日 byスタンダード&プアーズ
 スタンダード&プアーズは本日、三井住友銀行(SMBC、格付け「BBB/ネガティブ/A-2」)により検討されているあおぞら銀行(BBpi)の買収は、あおぞら銀行の格付けにプラスの影響を及ぼす可能性があるとの見解を発表した。この計画が実行されれば、あおぞら銀行の最終的な格付けは、より高い格付を有するSMBCグループ全体における戦略的重要性に左右されることとなろう。これは、買収される株式の発行済み株式に対する比率やSMBCの経営への関与の度合いから判断されることとなろう。SMBCによる大幅な経営関与が行われた場合には、あおぞら銀行の不良債権処理が減速し、資産の質にマイナスの影響が及ぶ可能性がある。

 あおぞら銀行の格付けは、同行の発行済み株式の49%を所有するソフトバンクの高い事業リスクが、同行の信用力にマイナスの影響を及ぼす可能性があることから制約されている。同行は、最近、公表済み不良債権の削減に取り組んでおり、その結果、貸出金に対する引当金控除後のリスク管理債権の比率は、大手邦銀の多くを下回っている。しかし、「要注意先債権」を含めた不良債権の処理は、それほど進んでいない。同行のTier 1自己資本比率は2002年9月現在12.8%と、大手邦銀と比較して優れている。しかし、優先株式が高い比率を占めており、資本の質は依然として低い。

あおぞら銀行、デロイトトーマツ、伊藤忠が、情報システム会社特化型バイアウトファンドを設立

2002年9月6日 ascii24.com
 (株)あおぞら銀行、デロイト トーマツ コンサルティング(株)、伊藤忠商事(株)の3社は6日、情報システム会社をターゲットにしたバイアウトファンド“情報システム会社特化型バイアウトファンド”を9月下旬に設立するため、ファンドの運営/管理にあたる会社“イデアキャピタル株式会社”を同日付けで設立したと発表した。本社は東京都千代田区で、代表は伊東武氏。資本金は2500万円。

 設立するファンド“イデアシステム壱号投資事業有限責任組合(仮称)”では、MBOやMBIなどの投資手法を利用して、大企業から分離独立する情報システム子会社や、中堅/中小の情報システム会社の事業再編において、企業価値を最大化するための支援を行なうという。ファンドには、あおぞら銀行が15億円、デロイト トーマツ コンサルティングと伊藤忠商事が5億円ずつ出資する予定で、当初は30億円程度でスタートする。以後、広く外部投資家の出資を募り、最終的には100億円程度に増額する予定。

投資会社がシーガイアの買収金支払いへ

(2001.09.18) 九州発読売新聞西部本社
 更生手続き中の大型リゾート施設・シーガイア(宮崎市)グループの事業を継承する米国投資会社リップルウッド・ホールディングスは17日、あおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)から融資を受け、18日にグループの買収金額162億円を払い込むと発表した。リ社はこれに伴い、グループ3社が19日に発行する新株を購入し、事業譲渡を受ける。管財人団は9月中に金融機関など債権者への弁済を済ませ、10月初旬に更生手続きが終結する見通し。

 リ社によると、あおぞら銀行は今回、買収額のうちの約89億円、今後の設備投資のためにさらに数十億円を融資する。3社の株式発行総額は73億2000万円で、10月1日にシーガイア運営会社のフェニックスリゾート(宮崎市)が、フ社母体のフェニックス国際観光(同)を吸収、北郷フェニックスリゾート(宮崎県北郷町)とともに存続会社となる。

 この日、リ社幹部がシーガイアで行った会見に、28日付で新社長に就任する元米リゾート会社副社長のマイケル・グレニー氏(50)も同席。「これまでの多くのリゾート施設を経営した経験をシーガイアに注ぎ込んでいきたい」と抱負を述べた。

国が3032億円引き取り 旧長銀、日債銀不良債権

(2001年09月11日) 産経新聞 by gooニュース
 政府は十一日の閣議で、金融庁が発足した今年一月六日から七月末までに、破たんした金融機関に対して講じた公的資金枠の使用状況などをまとめた報告書を国会に提出することを決めた。報告書によると、瑕疵(かし)担保条項(譲渡後三年以内に債権の価値が二割以上減少した場合、国がその債権を引き取る契約)にもとづいて、旧日本長期信用銀行(現・新生銀行)と旧日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)から引き取った債権額は総額三千三十二億円に達した。 

 瑕疵担保条項に基づき、国が新生銀行から五十五件、あおぞら銀行からは十六件の債権を引き取った。債権の引き取りによって、新生銀行に対して千五百五十七億円、あおぞら銀行に対して二百十二億円をそれぞれ支払った。

あおぞら銀行の3月期決算/瑕疵担保行使は369億円

2001/06/01(共同通信)京都新聞
 ソフトバンクなどの出資で再民営化されたあおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)は三十一日、二○○一年三月期決算を発表した。貸出債権が二割以上減価した場合、国に買い戻しを申請できる「瑕疵(かし)担保特約」の行使は十六社、計三百六十九億円に上った。内訳はそごうグループ向けが十二社で約百五十億円、残りは昨年十月に更生特例法を申請した協栄生命保険、インターリース向け債権が大半を占めた。

 単体ベースでの経常収益は前期比二三・一%増の二千七百七億円、業務純益は七百十三億円、当期利益は九百九十六億円で、経営健全化計画を上回った。

 大株主への貸し出しはソフトバンクグループ向けが約一億円、オリックスグループ向けが四十六億円で、東京海上火災保険への融資はなかった。

 機関銀行化するのではないかとの質問に対して丸山博社長は「(三社への)債権残高はごくわずかにすぎない」と否定した。

 また社外取締役を務めていた松田昌士JR東日本会長が、みずほホールディングスの社外取締役に就任するため退任することを発表した。

あおぞら銀行 新たなスタート

2001/01/04 TV TOKYO
  98年12月に破綻し、一時国有化された日債銀は、今日から行名を「あおぞら銀行」と改め、新たなスタートを切りました。去年12月に日債銀の社長に就任した丸山社長は、「貸付残高も増えており、新銀行への期待と受け止めている。」と語り、今後は投資銀行業務や、ベンチャー向けの融資に力を置いて、経営の再建を軌道に乗せたいとしています。

日債銀 本間社長急死

(2000/09/20) by TV TOKYO
今月、日債銀=日本債券信用銀行の社長に就任したばかりの本間忠世氏が、今朝、急性心不全で亡くなりました。本間氏は、日銀理事時代の経験をかわれ、一時国有化の後、ソフトバンクグループに譲渡された新「日債銀」の社長に就任、取引先を訪問するため、昨日から大阪に出張していました。60歳でした。

血税1兆円投入!あおぞら銀は灰色

(2000/09/05)夕刊フジ(Fuji News.com)
 一時国有化の状態にあった日本債券信用銀行がソフトバンク、東京海上火災、オリックスの3社連合に譲渡され、4日から営業を開始した。来年1月には行名も「あおぞら銀行」に生まれ変わる。だが、新行名とは裏腹に、新銀行は疑惑と疑念だらけで、“灰色一色”なのだ。引き継いだ貸し出し債権のうち4割近くがボロボロの不良債権だが、後でこっそり国が買い戻すという“約束”があり、それに伴い、新たな血税投入が1兆円近くも膨らむともいわれている。新銀行がソフトバンクの「財布代わり」に利用されるという懸念も払しょくされていない。とてもでないが「青空」どころの話ではないのだ。

 「傷の付いた債権もあるが、それは一時的に預かりしたもので、国にお返しする」「契約に基づき、瑕疵(かし)担保条項を粛々と行使する」

 ソフトバンクの孫正義社長は4日の記者会見でこう言い放った。

 日債銀は同日午後、譲渡後初の株主総会と取締役会を開き、新経営陣を決定。新社長には元日銀理事の本間忠世氏が就任したほか、孫氏、東京海上の樋口公啓社長、オリックスの宮内義彦社長がそろって、取締役に就いた。

 就任後の会見で、質問が集中したのが、瑕疵担保条項の問題だ。譲渡後3年以内に債権の価値が2割以上目減りした場合、国(預金保険機構)が元本で買い戻すという契約である。

 日債銀の譲渡をめぐっては、同行を管理していた金融再生委員会のデタラメ査定により1兆2000億円もの巨額の不良債権を抱えたまま譲渡されたことが判明している。再生委は、日債銀の貸し出し債権を新銀行に引き継ぐべき「適資産」と、整理回収機構に売却すべき「不適資産」に分類したが、この際、本来、「不適」であるはずの不良債権を「適」にすり替えていたのだ。

 このため、孫氏は「資産査定に関与していない以上、条項が日債銀買収の前提条件になっている」と、権利行使の正当性を主張しているわけだ。

 しかし、ここで大きな疑惑が浮上してくる。民間シンクタンクの金融担当アナリストが指摘する。

 「瑕疵担保とは本来、欠陥に気づかずに購入した善意の購入者を保護する民法上の規定で、住宅などに適用されるもの。ところが、新経営陣は『傷物』『正常ではない債権』などと明言している。債権に欠陥があることを認識しており、善意の購入者とはいえない。つまり、この契約は違法の疑いが濃厚だ」

 さらに、違法性を裏付ける“密約”の存在もうわさされているのだ。

 ある再生委関係者が明かす。

 「新生銀行(旧・日本長期信用銀行)による瑕疵担保条項の行使でそごうが倒産に追い込まれたことから、条項の適用を厳格化すべきとの声が上がった。そうなれば、日債銀買収の前提が崩れ、買収が白紙撤回されかねない。そこで、孫氏と相沢英之金融再生委員長が会談し、この場で、条項の適用を厳格化しないと口約束が交わされた。しかも、再生委は買収交渉の当初から、『不良債権もあるが、条項があるので黙って引き受けてほしい』と言っていた。双方が債権の欠陥を認識していたのは明らか」

 この“違法契約”のツケは、すべて新たな税金投入、国民負担に跳ね返ってくるのだ。日債銀にはすでに3兆2000億円の公的資金が投入されている。1兆2000億円の不良債権についてもこの公的資金の中から5000億円の貸し倒れ引当金が積まれている。条項が行使された場合、引当金でカバーされていない7000億円のうち回収不能分が損失となり、新たな税金投入で穴埋めする必要が出てくる。

 その額は「担保がどの程度確保されているかは不明だが、融資先企業が倒産した場合は9割以上が回収不能になる。今後の景気や地価の動向によっては、正常債権が劣化し、条項の対象となる可能性もあり、追加の国民負担は1兆円近くになる」(前出の再生委関係者)というのだ。

 日債銀をめぐるもう一つの疑念は、ソフトバンクの財布代わりに利用される「機関銀行化」だ。

 日債銀では機関銀行化の防止策として、孫氏ら日債銀の大株主である企業の代表者を除く取締役と監査役で構成する「特別監査委員会」を設置。大株主の企業グループ向け融資に限度額を設けるなど、厳密にチェックするとしている。

 ある証券アナリストは「大株主企業向けの融資を禁止しなかったことで、抜け道はいくらでもできる。しかも、不良債権を押し付けた再生委には負い目があり、ある程度の機関銀行化には目をつぶるという暗黙の了解があるとさえいわれている。これでは金融当局による監視も期待できない」と指摘する。

 そもそも、ソフトバンクが500億円も投資して日債銀を買収したのは、同社が関係するベンチャー企業への融資を引き出すのが狙いだったのは明らか。

 ソフトバンクに詳しい関係者は、「現在のソフトバンクは出資先のベンチャー企業を株式公開、上場させ、株式の値上がり益で荒稼ぎする投資会社。上場する市場であるナスダック・ジャパンも作ったし、株を売りさばく証券会社も持っている。後は、上場までの資金繰りの面倒をみる銀行があれば完ぺき」と語る。

 こんな銀行に3兆円プラス追加負担の血税が投入されるのであるとすれば、今もって納得いかないのだ。

日債銀:民間銀行として1年9カ月ぶりに営業開始

(2000年9月4日) Mainichi INTERACTIVE
 ソフトバンク、オリックス、東京海上火災の国内3社連合に譲渡された日本債券信用銀行が4日午前、民間銀行として営業を開始した。1998年12月に経営破たんして一時国有化されて以来、民間銀行となるのは1年9カ月ぶり。4日午後に株主総会と取締役会を開き、元日銀理事の本間忠世新社長ら役員を選任、本間社長らは夕方に会見する。

 同行は名称を「あおぞら銀行」に変えることを決めているが、コンピューターなどの準備のため、改称は来年1月の予定。このため4日は、本・支店は特段のセレモニーをせず、いつもと同じ営業窓口の風景。行員は普段通りの業務をこなしながら、新たなスタートをかみしめていた。 

ソフトバンク連合に譲渡 日債銀、公的管理が終了

(2000年9月1日共同)信濃毎日新聞
 預金保険機構は一日、保有する日本債券信用銀行の全株式を、ソフトバンクを中核とする受け皿の企業連合に譲渡した。日債銀は経営破たん後の一九九八年十二月に特別公的管理(一時国有化)下に置かれて以来、約一年九カ月ぶりに民間銀行に戻る。

 金融再生委員会は同日午前、特別公的管理の終了を議決、午後に金融再生委員会が譲渡手続き完了を発表した。

 新日債銀は四日に譲渡後初の株主総会と取締役会を開き、本間忠世新社長(元日銀理事)ら経営陣を決め、営業を本格スタート。来年一月から「あおぞら銀行」に行名を変更する。

 ソフトバンク連合が、実質的なのれん代(営業権の対価)として日債銀の普通株約二十五億株を買うために十億円を預保機構に、また新規発行株引き受けのために一千億円を日債銀にそれぞれ払い込み、株券の引き渡しを受けた。

 新日債銀は、従来の中堅中小企業向け融資に加え、成長企業への融資、インターネット関連事業も含む新たな事業展開で生き残りを目指す。

 日債銀に投入された公的資金は三兆円超。譲渡契約には、債権価値が二割以上減価した場合、国が債権を買い取る「瑕疵(かし)担保特約」が含まれているため、今後国民負担が増える可能性がある。

 旧日本長期信用銀行(現新生銀行)の譲渡で瑕疵担保特約が問題視されたため、日債銀の譲渡は、当初予定の八月一日から一カ月延期されていた。

「あおぞら銀行」すでに存在していた!

(2000/09/01) 夕刊フジ(Fuji News.com)
 ソフトバンク連合に譲渡される日本債券信用銀行の新行名が「あおぞら銀行」に内定したが、実は以前から同じ行名は存在していた−。

 ただし、あくまでも漫画の世界の話。企業や銀行は社名変更の際、著作権に配慮して同じ名前が存在するかを丹念に調べるが、さすがに漫画にまではチェックが及ばなかったようだ。

 「あおぞら銀行」は、集英社の漫画雑誌「オールマン」(第1、第3水曜日発行)に連載中の「監査役 野崎修平」という作品の舞台。都市銀行「あおぞら銀行」の監査役に起用された硬骨漢が、バブル崩壊後も変わらない同行の腐敗体質を改革していくストーリーだ。

 破たんや国有化を経て、ようやく「21世紀型の金融機関」(孫正義ソフトバンク社長)に生まれ変わろうとしている日債銀にとって、新行名が既にこうした作品に登場していた事実は、因縁とも教訓ともなりそうだ。

 新・日債銀はきょう1日からの再スタート。4日の株主総会で取締役を選任した後、取締役会で元日銀理事の本間忠世氏が社長に就任、経営体制などを決定する。コンピューターのシステム変更などに時間がかかることから、当面は「日債銀」の行名を使うが、来年1月から「あおぞら銀行」に正式変更する。

日債銀へ公的資金投入

(8月25日)時事通信社
日債銀への資金援助認める =実質国民負担は3兆1314億円−再生委

 金融再生委員会と預金保険機構は25日、ソフトバンクとオリックス、東京海上火災保険を中心とする企業連合に譲渡される日本債券信用銀行の債務超過を穴埋めするため、3兆2428億円の資金援助を行うことを認めた。同行に対しては、破たん前の1998年3月に金融危機管理審査委員会(佐々波楊子委員長)の決定で、600億円の公的資金を注入しており、金融機関の負担する預金保険料1714億円を差し引いた実質的な国民負担額は3兆1314億円に上る。

 資金援助額のうち、特別公的管理(一時国有化)された98年12月時点の不良債権処理などに伴う損失は3兆1497億円。国有化後に発生した損失は931億円となった。また、預保機構は日債銀が保有している株式876銘柄(6月末現在の時価6732億円)を買い取る。譲渡後の総資産は約8兆2000億円となる見通しだ。ソフトバンク連合は9月1日に日債銀株式を10億円で預保機構から譲り受けるとともに、同行へ約1000億円を出資する計画。さらに、“新生”日債銀は2600億円の公的資金注入を申請する。

 これにより、金融再生法に基づいて一時国有化された旧日本長期信用銀行(現新生銀行)と日債銀の2行の処理は終了。両行の損失穴埋めに投入された公的資金は合計6兆8000億円を上回る。

  ただ、両行の売買契約には譲渡後3年以内に資産が2割以上減価した場合、預保機構が引き取るという瑕疵(かし)担保条項が盛り込まれており、融資先の経営内容がさらに悪化して、国が不良債権を引き取ることになれば、国民負担が一段と膨らむ事態も予想される。

日債銀譲渡を1ヶ月延期

(2000/07/26) By TV TOKYO

金融再生委員会は今日日債銀=日本債券信用銀行をソフトバンクグループに譲渡することについて、譲渡の予定日を 1ヵ月延期すると発表しました。
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 日債銀譲渡の先延ばしは、そごう破たんで問題になった瑕疵担保特約が日債銀の譲渡契約にも盛り込まれており、議論が紛糾しているためです。瑕疵担保特約とは、譲渡後に債権の価値が2割以上目減りした場合、国に買い戻しを請求できるというものです。

 久世金融再生委員長は「特約の見直しはない」と否定していますが、世論の批判が強いことを踏まえて、譲渡予定日を 8月1日から 1ヵ月延長。国会の議論などを経て、国民の理解を得たい考えです。ただ、特約が削除された場合譲渡契約自体が白紙になる可能性も否定できず、日債銀の譲渡は不透明な情勢となってきました。

 一方、日債銀に先立ち民営化された新生銀行が瑕疵担保特約を行使した、百貨店のそごうについて、東京地裁は今日、民事再生法に基づく再生手続き開始を決定しました。これを受けて、そごうは、元西武百貨店社長の和田繁明氏を特別顧問に迎え、新しい経営再建計画の策定を始めると発表しました

日債銀の譲渡でソフトバンク連合と再生委が基本合意

(2000/6/6) by INTERNET Watch
■URL
http://www.ncb.co.jp/ (日債銀
http://www.fsa.go.jp/frc/ (金融再生委員会
http://www.softbank.co.jp/ (ソフトバンク
http://www.orix.co.jp/ (オリックス
http://www.tokiomarine.co.jp/ (東京海上火災

 ソフトバンク、オリックス、東京海上火災の3社は6日、特別公的管理下にある日本債券信用銀行の一括譲渡契約について金融再生委員会と基本合意したと発表した。

 日債銀は1998年に経営が破綻し、一時国有化された。再生委は、譲渡先としてソフトバンクをはじめとするコンソーシアムに優先交渉権をあたえていたが、その期限である5月末までに交渉が折り合わなかった。しかし、「期限が切れてからも誠意と情熱をもって交渉してきた」(ソフトバンク孫正義社長)結果、今回の合意に至ったという。

 期限内に合意できなかった理由としては、債権への引当金の絶対額・算出方法や、瑕疵担保条項(資産査定した国の責任として譲渡後に貸出債権の価値が下落した場合国がその資産を簿価買い戻す)に関する細目、債権放棄要請などに関する仕組み上の問題などを挙げている。

 基本合意に至ったのは、これらの点についての大きいギャップが近づいたためで、今後最終契約までの1ヶ月前後の間に詳細を詰めていく。その上で、再度バランスシートをみて引当金が実態に沿ったものであるかなどチェックしていく方針。7月初旬には最終合意し、8月初旬には新銀行を発足させることを目標にしている。

 新日債銀の資本構成としては、ソフトバンクが出資比率40〜50%(おそらく40%に近い数字に)、オリックスと東京会場が各々15%弱、他に外資系銀行や地方銀行で20〜30%としている。

 また、新銀行のコンセプトとして頭取就任予定の本間忠世氏(元日本銀行理事)は「将来性のある中堅・中小企業をサポートしていきたい」と述べ、「今後3〜5年以内に再上場することが目標」と語った。具体的な収益モデルについては、現在詳細を詰めているという。

 インターネットの活用については「ソフトバンクが協力していくのは当然で、BtoBやBtoCなど日債銀と一緒にさまざまなプロジェクトを検討していく」(孫氏)としている。

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