TOPIC No.2-8 塗料


サンゴ生育に悪影響、船底塗料の化学物質も

2005年11月29日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 船底塗料や農薬に含まれる「ジウロン」など3種類の化学物質がサンゴの生育に悪影響を及ぼすことを渡辺俊樹・東京大海洋研究所助教授とWWF(世界自然保護基金)ジャパンの研究グループが確認した。

 渡辺助教授らは、サンゴ礁を作るウスエダミドリイシという種類のサンゴの“赤ちゃん”約600体を各物質を混ぜた海水で10日間飼育し、影響を調べた。

 ジウロンは、国内各地で海水1リットルあたり100万分の1グラム程度が検出されている。この濃度で実験した結果、サンゴに共生する褐虫藻が1〜2割減少した。褐虫藻が大幅に減ると、サンゴは死滅する。

 外国船舶の塗料に使われる有機スズや、農薬に含まれる有機リン系のジクロルボスでも、同様の悪影響が確認された。

 渡辺助教授は「サンゴの死滅原因には、海水温の上昇やオニヒトデ、赤土流入が挙げられているが、化学物質もその一つと考えられる。実態調査と対策を急ぐべきだ」と指摘している。

自動車塗装:大気汚染削減の塗料を新開発 トヨタなど

2004年11月06日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE
 トヨタ自動車とダイハツ工業は、大気汚染の原因となる揮発性有機化合物(VOC)と二酸化炭素(CO2)の排出量を減らせる自動車塗装の新技術を関西ペイントと共同開発した。従来の溶剤系塗料に含まれていたVOCの含有量を大幅に低減した新開発の水性塗料を使う。12月に稼働するダイハツの子会社、ダイハツ車体の大分工場(大分県中津市)で採用し、トヨタの工場でも順次導入していく方針だ。

 自動車メーカーはVOCは水性中塗り塗料などの採用で、CO2については塗装の乾燥温度の低温化などでそれぞれ低減してきたが、両方を同時に低減することは難しかった。

 今回の新技術は、溶剤の量を大幅に抑えつつ、塗装の耐久性や仕上がりの水準を保てる新開発の水性塗料を採用。メタリック色の塗装では、乾燥工程が1回省けるため、乾燥機使用によるCO2排出を抑制できる。単色の軽自動車の塗装では、上塗りする段階で従来使ってきた溶剤系塗料に代えて水性塗料を使う。こうした技術で、工場全体でVOCを従来の約70%、CO2を約15%それぞれ削減する効果があるという。トヨタ、ダイハツは欧州などの規制強化にも対応できると期待している。【工藤昭久】


「脱・塩ビ」の自動車塗装用新素材 三菱レイヨンが開発

2001.01.15(22:55)asahi.com
 三菱レイヨンは15日、トヨタ自動車の協力で、環境負荷の低いアクリル重合体(ポリマー)を使った自動車用の塗装原料を開発、本格生産を始めた、と発表した。自動車塗装剤は塩化ビニル製が主流だが、「内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)」が発生する疑いがあるとして、「脱・塩ビ」を求める声が自動車業界などから高まっており、「世界初」の代替素材の商業化に踏み切ったという。

 三菱レイヨンはアクリルポリマーについて、約10年前から自動車用塗装剤への利用研究を開始。約5年前からは「環境仕様」をうたうトヨタ自動車の技術協力も得て、塩ビ塗装剤並みの強度や耐低温性を実現した、塗装原料アクリルパウダーの開発に成功したという。

 低コストの塩ビ塗装剤は自動車によく使われているが、環境ホルモンへの配慮から廃車時に焼却できない難点がある。アクリルは価格が塩ビの約2.5倍とコスト高だが、「2005年度には1.5倍に縮めたい」(中本英夫・機能化学品事業部長)としている。

 当面は大竹事業所(広島県)で年間1000トンを生産、2003年度に20億円を投じて同事業所の設備を増強し、2005年度には1万トン体制で売上高40億円弱を確保したいという。

本田車の塗料、水性に 有害物質を75%削減

2000.10.08(13:32)asahi.com
 本田技研工業は鈴鹿製作所(三重)の塗装工程で水性塗料の採用を始めた。中塗り、上塗りとも水性塗料を使用するのは、国内自動車メーカーの製造ラインでは初めて。水性塗料を取り入れることで、塗料に含まれている有害な揮発性有機化合物(VOC)の放出が75%削減された。

 水性塗料は、今年9月にフルモデルチェンジしたシビックの生産に合わせて、鈴鹿製作所の第1製造ラインで採用した。VOCの排出量は1平方メートル当たり20グラムになった。

 本田ではすでに米国、英国、カナダの工場で水性塗料による中塗りと上塗りを行っており、本田は今後、全工場で水性塗料を採用していく方針だ。

 本田は「グリーンファクトリー」と呼ぶ次世代工場の実現を目指し、世界中で製造ラインの改革を進めている。水性塗料のほかに溶接専用ロボットの導入で作業を高速化させるなど、各工程の生産効率を高め、新車の生産開始にかかる初期投資額をこれまでの半額で済ます計画だ。

 こうした製造ラインの改革により、1台を完成させるまでの時間を30%減らすほか、二酸化炭素の排出も20%減らせるとしている。2001年度までに国内工場に510億円を投入する予定だ。

車の窓ガラス用紫外線カット剤、家庭向けに意外な人気

2000.08.17(11:12)asahi.com
 石油元売り最大手の日石三菱が今春発売した紫外線防止剤「UVとめ太郎」が、予想以上の売れ行きを見せている。車の窓ガラスに内側から塗ることを想定して系列ガソリン店で販売したところ、自宅での日焼けを気にする女性たちに受け、家庭のサッシ窓用に需要が広がったためだ。ホームセンターなどの量販店からも引き合いがあり、すでに当初の年間予想の倍にあたる約2万本を出荷した。

 もともとは新型ガラスの研究で使っていた素材を保護するために開発した樹脂で、紫外線を99.5%吸収するという。塗ると効果が約2カ月続くため、「紫外線防止フィルムを張るより手間がかからない」と3月に発売した。

 最初は系列店で小規模に売り出したが、5月の連休前後から「家庭で使いたい」という問い合わせが目立ち始めた。開発担当者は「それだけ紫外線の危険性や美白ブームが浸透しているのでしょう」と驚いている。

 自動車2台分にあたる100ミリリットルにスポンジつきで1800円程度(オープン価格)。サッシ窓なら3枚程度塗れるという。


愛知の工場爆発「自然発火の可能性」 調査委中間報告

2000.10.24(00:24)asahi.com
 愛知県武豊町の日本油脂武豊工場で今年8月に起きた爆発事故で、中部通産局の事故調査委員会(委員長・長田英世九州工業大学名誉教授)は23日、中間報告を公表した。この中で、劣化しやすい無煙火薬を一時置き場に長期貯蔵したうえ、遮光カーテンをはずすなど工場側の管理のずさんさを指摘。こうした人為ミスを重ねた結果、「太陽光による温度の上昇に伴い、劣化した無煙火薬が自然発火し、爆発の引き金になった可能性が強い」と事故原因を分析した。工場側は指摘された管理ミスを全面的に認め、謝罪した。

 報告によると、工場側は、一度出荷して返品された無煙火薬を最長で4年4カ月間、火薬類一時置き場に貯蔵していた。このうち、水道管の加工に使われる無煙火薬(1996年製造、98年から2キログラムを保管)などが、太陽光の差し込む西側に置かれ、温度や湿度の管理も行き届かなかったことなどから劣化し、自然発火。ほかの火薬類に次々と燃え移り、爆発を引き起こしたとみている。

 劣化は、温度や湿度の変化が影響するため、その管理が重要とされている。しかし、一時置き場では、遮光カーテンの代わりに窓ガラスに赤色塗料を塗っただけだったため、太陽光が差し込むようになり、温度が著しく上昇した。調査委の実験では、夏場に最高で55度まで達したという。

 また、無煙火薬は、少容量の容器に小分けして保管されるのが一般的なのに、工場側は作業効率を重視し、ほかの工場の5倍に当たる容器(400キログラム)を使い、最大で324キログラムを保管していた。このうち、燃焼速度の速い小粒状の無煙火薬などが、引火のあと加速度的に燃焼し、衝撃波を伴う爆発につながった可能性が高い。

愛知の火薬爆発 警察庁の研究者も加わり実況見分

2000.08.03(14:37)asahi.com
 愛知県武豊町北小松谷の日本油脂武豊工場で起きた爆発事故で、同県警半田署の捜査本部は3日午前9時から実況見分を再開した。警察庁科学警察研究所の研究者も参加している。また、半田消防署は同日午後の記者会見でけが人がさらに増え計72人になったと発表した。

 これまでの調べや工場側の説明によると、爆発当時、現場付近には人の出入りはなかったという。

 爆発があった一時置き場の保管量は、規定によると8.5トン。当時はニトロセルロースを主体とした「シングルベース」と呼ばれる火薬が4437キロ、シングルベースにニトログリセリンを加えた「ダブルベース」が2626キロなど、火薬計7722キロが保管されていた。

 火薬は、数ミリから数センチの粒状で、アルミ製のケースで保管されていたという。

 火薬自体が自然発火することは通常考えにくいことから、捜査本部は、製造過程や保管状況に問題がなかったかどうか、慎重に捜査を進める方針だ。

愛知の日本油脂武豊工場で爆発 周辺の住民51人が負傷

2000.08.02(01:48)asahi.com
 1日午後10時すぎ、愛知県武豊町北小松谷にある日本油脂(本社・東京都渋谷区)の愛知事業所武豊工場で大規模な爆発があった。半田消防署などによると、少なくとも近隣住民51人が負傷した。うち男性1人、女性2人が骨折などの重傷とみられる。工場周辺の民家のガラスが割れたり、建物の一部が壊れたりする被害が出ている。負傷者の数はさらに増える見込みだ。同工場は無煙火薬などを製造する火薬工場。この日は休業日で稼働しておらず、従業員もいなかったという。愛知県警半田署が詳しい被害状況などを調べている。

 半田署によると、爆発があったのは、調合した粉末の火薬を木箱に入れて一時的に保管しておく「第12火薬類一時置場」とみられる。木造スレートぶき平屋建てで、床面積は258平方メートル。1日は工場の休業日で、施設は前日の午後4時半以降、休止していたという。

 同工場は無煙火薬などを製造しており、主に医薬、防衛、宇宙関係の官庁などに納品している。火薬の原料にニトログリセリンなどを使用しているという。

 半田消防署武豊支署によると、2日未明までに確認された負傷者は、男性23人、女性28人の計51人。市立半田病院や武豊町の杉石病院など5つの病院などで手当てを受けており、常滑市民病院に運ばれた女性1人が重傷という。大半は割れたガラスの破片などによるけがで軽傷という。

 武豊町役場は1日午後10時半ごろ、災害対策本部を設置した。職員が緊急招集され、被害状況などの情報収集にあたっている。同本部によると、武豊工場北東側の広い範囲で、民家のガラスなどが割れ、けが人が出ているという。


チェーンなく強度不足か

1999年12月23日 17時35分 共同通信社
  栃木県藤岡町の藤岡大橋で塗装工事用の足場が崩れ、作業員1人が死亡、6人が重軽傷を負った事故で、工事前に建設会社が栃木労働基準監督署に、足場の鉄パイプと橋の手すりをチェーンで結ぶ設計図を提出していたにもかかわらず、実際にはチェーンが足場に取り付けられていなかったことが23日、藤岡署と栃木労基署の調べで分かった。藤岡署などは業務上過失致死傷の疑いで調べている。

有料道路の塗装工事で談合

1999年12月10日 18時28分 共同通信社
  日本道路公団が発注する高速道など有料道路の橋の塗装工事をめぐり、入札談合を繰り返していたとして、公正取引委員会は10日、塗装会社計295社に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)で排除勧告した。

橋りょう塗装工事談合で、公取委が295社を排除勧告

9:48p.m. JST December 10, 1999
  日本道路公団(本社・東京)が指名競争入札で発注する橋りょう塗装工事をめぐり、北海道を除く全国の塗装業者が長年にわたって談合を繰り返していたとして、公正取引委員会は10日、3000万円以上の大規模工事を受注するなどしていた32都府県の計295社に対し、今後は談合をやめるよう独占禁止法違反(不当な取引制限)で排除勧告した。入札談合事件で勧告を受けた業者数としては過去最多となった。

  95年度から4年間に日本道路公団が発注した3000万円以上の340件の塗装工事(受注総額約217億円)のうち、談合の対象とならなかった工事はわずか3件だけだった。

  公取委はまた、295社のうち238社が会員になっていた社団法人・日本鋼橋塗装専門会(東京)に対し、「今回の談合とは無関係」としながらも、官公庁が発注する塗装工事で談合を行うことのないよう会員に徹底することを要請した。発注側の日本道路公団に対しても再発防止策を検討するよう口頭で申し入れた。

  排除勧告を受けた業者は、東京や神奈川、静岡、愛知、岐阜、大阪、京都、兵庫、愛媛、福岡、宮崎などの都府県に所在する。

  公取委や関係者によると、これら295社は1995年4月から今年4月にかけて、日本道路公団が発注する橋りょう・高架橋の塗装工事について、受注価格を下げず、均等に受注できるようにする目的で作られた「全国ルール」に従い談合を繰り返していた。このルールは、受注額によって3000万円以上5000万円未満を「L工事」(大工事)、5000万円以上を「LL工事」(特大工事)とランク分けし、受注回数を点数化したうえで、持ち点の多い業者を「本命」としていた。

ペットボトルで塗料製造

1999年10月18日 20時06分 共同通信社
  関西ペイントは、18日、ペットボトルを一般的な油性塗料の原料として利用するための技術を開発した、と発表した。来春から再生原料を使った製品を量産する予定。
ペットボトルは塗料用の溶剤に溶けにくいことから、大量生産に適した塗料用ポリエステル樹脂である常温乾燥型アルキド樹脂の原料として再利用するのが難しかった。

大同塗料、古い看板の再生用塗料を発売

1999年8月7日 (土) 8時10分 日刊工業新聞
  大同塗料(大阪市淀川区三津屋北2の14の18、吉治仁義社長、06・6308・6288)は、古くなった看板などを簡単に再生できる塗料「サラナール」を発売した。

  樹脂素材に耐候性の高い4フッ化エチレンベースの100%フッ素樹脂を採用。 表面を水洗いし塗布するだけで、美観を長く保てる。

  価格は650g入りで7000円。

  施工時にはまず古い看板の表面に付着している汚れや塗料のチョーキング(粉化)による粉などを落とす。

  乾燥後に3液タイプのサラナールを撹拌し、均一に塗布する。

  熟練作業を必要とせず、1セットで3・3平方メートル程度塗布できる。

神東塗料、貼り付け型汚染防止透明フィルムを発売

1999年7月17日 (土) 8時10分 日刊工業新聞
  神東塗料は半導体製造などクリーンルーム向けの張り付け型汚染防止透明フィルムの販売を始めた。

  このフィルムは窓や間仕切りなどガラス部分用で、ガラスから放散してウエハー表面の汚染原因になるナトリウムイオンを遮へいする。

  同時に静電気によるホコリの吸着も防ぐ。

  価格は1巻(98×2000センチメートル)8万円。

  初年度6000万円、2年後1億5000万円の販売を見込んでいる。

  今回発売したのはPETフィルムの片面に帯電防止コーティング材、もう一方の面には粘着剤を薄く均一に塗布した製品。

  厚さはフィルムが100マイクロメートル、粘着層が23マイクロメートル。
  フィルムでガラス表面を覆ってしまうことでナトリウムイオンの放出を遮へいできる。

アクゾ・ノーベル(蘭)、日本ペイントと合弁事業を設立へ

99年3月24日 19時58分 ロイター
 [アルンヘム(オランダ) 24日 ロイター] オランダの化学グループ、 アクゾ・ノーベルは、日本ペイントと合弁事業を設立することを明らかにした。 アクゾによると、まず、アクゾ傘下の英特殊化学コートールズが、日本ペイントと折半出資の合弁事業を設立する。この合弁事業は、欧州でコイル・コーティング事業を展開する。 その後、この合弁事業を、アクゾの欧州のコイル・コーティングス部門と統合し、新会社アクゾ・ノーベル・日本ペイントを設立する。 新会社の出資比率は、アクゾが75%、日本ペイントが25%となる。

日本ペイント物性センター

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