TOPIC No. 2-88-1 神の国発言/森 元首相


森首相の「神の国」発言を華人団体が批判 マレーシア

2000.06.20(19:07)asahi.com
 日本の総選挙で争点の1つとなっている森喜朗首相の歴史認識をめぐる発言が、マレーシアの華人社会で波紋を広げている。先週末、同国南部ジョホールバルであったマレーシア中華大会堂総会(会員・約500万人)の集会では、「戦争犯罪を擁護するに等しい」と首相を批判する発言が相次いだ。東南アジアの華人は第2次大戦中、日本の占領下で虐殺されたり、献金を強要されたりした歴史があるだけに、首相の発言は古傷をうずかせた形だ。

 同総会はマレーシアの華人団体約4500団体が加盟。日本政府に戦争被害への謝罪と5億リンギ(約140億円)の賠償を求めており、3月から全国で被害者の証言を集めるため集会を開いている。集会では、頼観福事務長が約50人の参加者を前にあいさつし、「森首相の『神の国』などの発言は(華人の虐殺などを行った)旧日本軍を間接的に擁護するもので、侮辱的だ」と語った。

 同総会の代表が年内に訪日し、日本政府にこうした発言への抗議と賠償を改めて求める予定だ。

 マレーシア、シンガポールなどの戦後補償をめぐっては、日本政府は政府間協定で決着済みとの立場だ。だが、シンガポールでも地元紙ストレーツ・タイムズが先月末、社説で森首相の発言を「アジアの戦争被害者の記憶を汚す」と批判するなど、感情的なしこりは根強い。

マレーシアの華人団体が森首相の発言批判

2000.06.17(21:31)asahi.com
 日本の総選挙で争点の一つとなっている森喜朗首相の歴史認識をめぐる発言が、マレーシアの華人社会で波紋を広げている。16日、同国南部ジョホールバルであったマレーシア中華大会堂総会(会員・約500万人)の集会では、「戦争犯罪を擁護するに等しい」と首相を批判する発言が相次いだ。東南アジアの華人は第2次大戦中、日本の占領下で虐殺されたり、献金を強要されたりした歴史があるだけに、首相の発言は古傷をうずかせた形だ。

 同総会はマレーシアの華人団体約4500団体が加盟。日本政府に戦争被害への謝罪と5億リンギ(約140億円)の賠償を求めており、3月から全国で被害者の証言を集めるため集会を開いている。この日の集会では、頼観福事務長が約50人の参加者を前にあいさつし、「森首相の『神の国』などの発言は(華人の虐殺などを行った)旧日本軍を間接的に擁護するもので、侮辱的だ」と語った。さらに、曽振強副会長が「日本の人々が発言を支持しないと信じている」と述べると、会場から大きな拍手が起きた。

 同総会の代表が年内に訪日し、日本政府にこうした発言への抗議と賠償を改めて求める予定だ。

 マレーシア、シンガポールなどの戦後補償をめぐっては、日本政府は政府間協定で決着済みとの立場だ。だが、シンガポールでも地元紙ストレーツ・タイムズが先月末、社説で森首相の発言を「アジアの戦争被害者の記憶を汚す」と批判するなど、感情的なしこりは根強い。

「神の国」発言で真宗大谷派が抗議声明を決議

2000.06.13(21:13)asahi.com
 真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)の僧りょでつくる議決機関の宗議会は13日、森喜朗首相の「神の国」発言に抗議する声明を賛成多数で決議した。同派の代表役員の木越樹宗務総長はすでに発言の撤回を求める書簡を発表しているが、今回の声明にはより強い「抗議」という言葉が盛り込まれた。森首相は同派の門徒にあたる。

 声明は「憲法に背反する重大な発言」とし、「国家主義的な動向に対して決して与(くみ)しない」と表明している。

森総裁が全国幹事長会議で陳謝、影響懸念の声も

2000.06.05(20:36)asahi.com
 「私の発言でいろいろとご迷惑をおかけして申し訳ありません」。森喜朗首相は5日午後、自民党本部で開かれた党の全国幹事長会議で、集まった各都道府県連幹事長らに陳謝した。「神の国」や「国体」など具体的な内容には触れなかったが、自らの発言が波紋を呼んでいることを意識していたのは確か。会議後、出席者からは「影響は避けられない」と、選挙への逆風を懸念する声も出た。

 総選挙に向けて党の基本的な方針を徹底させるための会議で、森首相は党総裁として「先頭に立って死力を尽くす」と決意を表明した。だが、終始、手にした原稿に目を落としながらのあいさつだった。

 質疑では、森首相の発言への苦情はなかったが、会議後、宮城県連の伊藤康志幹事長は「選挙の結果が悪ければ、(発言の)責任は当然問われるだろう」。福島県連の植田英一幹事長も「都市部では影響があるだろう」と話した。「野党に格好の攻撃材料を与えた」「2回続いたから、3度目が心配」といった声も漏れた。

中国・人民日報も批判、森首相の「国体」発言

2000.06.02(19:57) asahi.com
 5日付の中国共産党機関紙・人民日報は森喜朗首相の「国体」発言を東京発で報じ、「再び日本の世論と野党の厳しい批判を受けている」と伝えた。新華社電や中央テレビも同様の報道をし、日本の世論の見方として「この言葉を考慮せずに使ったことは、『神の国』発言と同様、首相の政治信念と歴史観を示している」と指摘している。  森首相が先に「神の国」について発言した際も、中国メディアは発言翌日から事実関係を報じているが、人民日報は報じていなかった。

平和フォーラムが「国体」発言に抗議声明

2000.06.05(18:55)asahi.com
 連合系の労働組合などで組織する「フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)」(代表、江橋崇・法政大教授ら)は5日、森首相の「国体」発言を「天皇中心の神の国」発言、教育勅語を認める発言と並べて「大日本帝国憲法の精神そのもの。基本的なことを理解していない時代錯誤の人物が沖縄サミットの議長や教育改革に携わることは許されない」と辞任を求める抗議声明を発表した。

森首相の「国体」発言に民主、共産の両党が反発

2000.06.04(08:40)asahi.com
 
 森喜朗首相が民主党と共産党の連携の可能性に関連して「どうやって日本の国体を守ることができるんだろうか」と発言したことについて、民主党の鳩山由紀夫代表は3日夜、朝日新聞記者に対し、「森首相の体にしみついた戦前回帰の発想が改めて露呈した」と批判した。

 鳩山氏は「私たちは政策論争をしたかったが、こんな発言が繰り返されるとすれば、議論せざるを得ない」と述べた。羽田孜民主党幹事長も「戦前の皇国史観に基づいた言葉を平気で使い続ける首相の資質のなさを改めて追及したい」との考えを強調した。

 共産党の穀田恵二国会対策委員長は「『神の国』発言が確信犯であることがはっきりした」と指摘。さらに、「象徴天皇制を含めていまの憲法を我々は尊重している。自衛隊や日米安保の問題は国民の理解と合意を得て段階的に取り組む『未来論』として提示している。いくら論争から逃げ回る首相とはいえ、これほど事実誤認の発言をするとは驚くほかない」と反論した。共産党は綱領で、現行憲法について「天皇条項などの反動的なものを残している」とし、当面の目標の中に「自衛隊の解散を要求する」と明記している。

森喜朗首相の「国体発言」要旨

2000.06.04(00:28)asahi.com
 森喜朗首相が3日の講演で、「国体」に触れた部分の要旨は以下の通り。

 どの政党と、どの政党が組むなら、いい政治ができるのか。この選挙でぜひみなさんに判断していただきたい。(共産党の)志位(和夫書記局長)さんは今日、「(自公保)連立をつぶすために、野党が協力しなければならない」と言ったそうです。私たちは改革政党という民主党を信頼していたが、定数改正の時、最後は、共産党の顔を立てて民主党は(法案に)反対した。(共産党は)綱領を変えないとおっしゃっている。天皇制は認めないでしょうし、自衛隊は解散でしょう。日米安全保障も容認しないと言っている。(民主党は)そういう政党と(組んで)どうやって日本の安全を、日本の国体を守ることができるんだろうか。おそらく民主党は困っている。過半数がとれるならともかく、(民主党は)とうてい過半数をとれる状況ではない。


自民8割「神の国」で打撃 7県連は首相応援求めず

2000.05.30共同
 共同通信社が自民、民主両党の四十七都道府県連幹事長らを対象に三十日までに実施した衆院選に関するアンケートの結果、自民党の約八割(三十八人)は森喜朗首相の「神の国」発言で打撃を受けると考え、逆に民主党の九割近く(四十二人)が追い風になると回答した。

 自民党の七県連は「不人気のため」などの理由で首相の選挙応援を求めないとしており、首相発言によるマイナスの影響が自民党の地方組織に広がり始めたことを裏付けている。

 調査は今月二十四日から三十日にかけて実施。自民党は一県を除く四十六都道府県連、民主党はすべてが回答を寄せた。

 日本を「天皇を中心にしている神の国」とした十五日の首相発言が衆院選に与える影響について、自民党では三人が「大きな打撃を受ける」とし、三十五人が「多少は打撃を受ける」と回答。「全く影響ない」は四人にとどまった。

首相問責決議案を提出 野党「資格、資質欠く」

2000.05.30共同
 民主、共産、社民の野党三党は三十日夕、森喜朗首相の「神の国」発言について「明確な憲法違反、憲法否定であり、首相としての資格と資質を全く欠いたものだ」として、首相に対する問責決議案を斎藤十朗参院議長に提出した。

 自由党は賛成者として議員が名前を連ねており、事実上の四党共同提出。三十一日には衆院に内閣不信任決議案を四党共同で提出し、各党とも「首相の資質」を争点に衆院選に臨みたい考えだ。

 これに対し与党三党は三十一日の参院本会議で問責決議案を否決するが、衆院本会議での内閣不信任案採決は見送る方針。野党は「神の国」発言に対する姿勢を明確にするため採決を強く求める構えで、六月二日の衆院解散をにらんで与野党の攻防が激化する。

野党が問題発言を撤回せぬ首相を批判、総選挙の争点に

2000.05.28(22:35)asahi.com
 野党各党の首脳は28日、森喜朗首相の「神の国」発言問題で、首相が釈明会見でも発言を撤回しなかったことを批判した。民主党の菅直人政調会長は新潟県三条市で、「謝罪しても撤回しない首相の会見を見て、国民の多くは疑問をもったと思う。天皇を中心とするという言葉が残った以上、総選挙の争点になるのは当然だ」と述べ、選挙戦で追及する姿勢を強調した。

 共産党の志位和夫書記局長も松江市で講演、「首相は『誤解』と言うが、誤解の余地のない発言だ。国民の厳しい審判を下すしかない」と批判した。自由党の小沢一郎党首は東京・渋谷の集会で、「天皇陛下を敬愛することと、政治体制を天皇中心にすることは全く別だ」と指摘。社民党の渕上貞雄幹事長は岐阜市で「与党が懸命に弁護しているのはこっけいだ」と述べた。

新華社通信、「森内閣の政治危機」と報道

2000.05.27(01:13) asahi.com
 中国国営新華社通信は26日夜、「神の国」発言をめぐる森喜朗首相の記者会見を東京発で報じた。首相の会見内容を紹介するとともに、「発言が『皇国史観』を鼓吹したとして世論の厳しい批判を受け、森内閣と自民党は重大な政治危機に陥った」と解説、「釈明は国内世論の不満を鎮められていない」と論じている。

 首相の発言以来、中国メディアは間接的に首相発言を批判する記事を掲載している。先に江沢民国家主席が発表した対日問題に関する「重要講話」以来、中国政府は対日関係に積極的に取り組む姿勢を強調しており、首相発言に対する批判もかなり抑制しているものとみられる。

森首相、「神の国」発言で陳謝 撤回はせず

2000.05.26(23:24) asahi.com
 森喜朗首相は26日、神道政治連盟国会議員懇談会の会合で「日本は天皇を中心とする神の国」などと述べた発言について、首相官邸で釈明のための記者会見をした。首相は「十分に意を尽くさない表現によって多くの方々に誤解を与えたことを深く反省している。国民の皆様方に心からおわびを申し上げる」と改めて陳謝したものの、発言の撤回はしなかった。来月に予定される総選挙を控え、与党側は今回の会見で「真意は伝わった」として決着したとの認識を強調し、公明党も「事実上の撤回に近い」と評価。これに対し、野党側は、強く退陣を求めている。「神の国」発言は、なお尾を引きそうだ。

 ●国家観

 「間違ったことを申し上げたとは思っていない」。森首相は記者会見で「なぜ撤回しないのか」と繰り返し問われた。しかし一切、撤回を口にせず、これまでの国会答弁の内容を繰り返すことで押し通した。

 今回の「日本の国が天皇を中心とする神の国であることを国民に承知していただく」という首相発言は、国民主権と政教分離という憲法の基本原則にかかわる問題をはらんでいた。戦前の国家神道の思想を受け継ぐかのような発言との批判を浴びた。

 しかし、首相は「戦前のような天皇主権のもとで国家神道を復活するようなことは、個人的信条からしてもまったく考えたことがない」と釈明。「天皇は象徴天皇だから日本の中心にいる」「(『神の国』は)日本では昔から、自然の中に人間を超えるものを見るということを申し上げた」と話した。

 「撤回」を避けたのは、国会での野党の追及の火に油を注ぎかねないとの判断もあったからだ。政府首脳は「国会ではっきり撤回しないと言っており、撤回したら国会答弁が軽くなってしまう」と説明する。

 ●資質

 「神の国」発言は、森首相の資質の問題をも浮かび上がらせた。これまでも首相は問題発言で物議をかもしたり、教育勅語を「いいところもある」として一定の評価をしてみたり、その危うさを心配する見方は周囲にあった。

 首相は記者会見で、「政治家として言葉の重みに深く思いをいたしている。今後、十分気をつける」として、何度も「反省」を口にした。

 しかし、発言は「命の大切さへの理解や宗教的な情操を深める教育が大切であることを申し上げたかった」と説明。自らの政治責任に関しては、「今後とも国政に全力を尽くし、政治目標である『日本新生』を実現し、国民の負託にこたえたい」と述べ、辞任の考えがないことを強調した。

 来月2日に予定される衆院の解散日程についても、「景気の動向を踏まえ、タイミングを考え、国民に真意を問うべきだと判断したらただちにそうする」として自らの判断で解散を断行する考えを示した。

「神の国」発言で首相、26日に異例の釈明会見

00:47a.m. JST May 25, 2000 asahi.com
 森喜朗首相は「日本は天皇を中心とする神の国」と発言した問題で、国民に「真意」を説明するため、26日午後、首相官邸で臨時の記者会見をする。内閣記者会からの申し入れを受け、青木幹雄官房長官が24日の会見で発表した。世論調査で内閣支持率が急落するなか、異例の釈明会見となるが、今のところ首相に発言そのものを撤回する考えはない。参院本会議ですでに「誤解を生じたとすれば、おわびを申し上げたい」と陳謝しており、発言の趣旨について、ほぼ同じ説明をする見通しだ。ただ、説明の仕方次第ではかえって反発を招きかねず、総選挙を前に首相側近に「政権の運命をかける」という緊迫感も漂っている。

 「神の国」発言について首相はこれまで「真意が伝わっていない」と主張してきた。しかし、野党はもちろん連立与党の公明党や支持母体の創価学会からも総選挙への悪影響を考えて撤回を求める声が出ている。

 青木氏は24日夕の会見で、「総理自身から直接、国民に説明し、理解を求める機会としたい」と述べた。内容については「総理自身が発言したことに対する問題なので、それを基本とし、本会議や各種委員会での発言も踏まえて真意をわかりやすく説明したい」と語った。発言の撤回については「考えていない」と明言した。

 「神の国」問題だけで会見することについて、もともと首相周辺には「言い訳だと受け取られる」と否定的な意見が強かった。だが、野党側が求める党首討論や衆参予算委員会の開催を与党側が拒否したことで、野党からは「森隠し」との批判が高まっている。29日には首相の韓国訪問も控えており、「神の国」発言が戦前・戦中の皇国史観につながるものではないことを改めて説明する必要もあった。

 「ここは、国民に真意を訴える『勝負』に出た方がいい」。青木氏は取り繕い切れず、24日、首相にそう進言した。森派の若手議員からも「引っ込んで表に出ないという印象を与えるより、説明した方がいい」という声が出てきた。

 ただ、釈明会見での発言内容は、首相にとって「危険なかけ」でもある。

 これまでと同じ主張を繰り返すだけならば、「国民の代表である国会議員の前で説明したのに、なぜ繰り返す必要があるのか。国会軽視だという批判を招きかねない」(政府高官)。一方、発言を撤回すれば、国会での答弁はごまかしだったことを自ら認めることになる。首相周辺には「撤回したら、じゃあ神の国発言は、やっぱり主権在民の否定だったのかという話になる」という懸念もある。

 会見を勧めた青木氏も「あとは首相自身がお考えになること」と内容については任せる意向だ。週末には総選挙の応援で地元島根に帰る。首相周辺は「首相の立場をかけた会見になるので最高の知恵を出すだろう」と期待する半面、「言葉が走り過ぎなければいいが」という心配もよぎる。

    ◇

 「神の国」発言をめぐって内閣記者会は、首相に会見を申し入れていた。24日夕、首相側から「首相の冒頭発言を含めて、午後4時半から20分間ならば応じる」という回答があった。しかし、内閣記者会は十分な質疑時間がとれるように会見時間の延長を強く申し入れている。

「『神の国』発言、撤回した方がよかった」神崎公明代表

9:32p.m. JST May 24, 2000 asahi.com
 公明党の神崎武法代表は24日の記者会見で、森喜朗首相の「神の国」発言について「個人的には撤回した方がよかったのではないかという感想を持っている」と述べ、党として参院本会議での首相の釈明を「了とする」との見解は変えないものの、発言の撤回が望ましかったという考えを示した。

 各種の世論調査で内閣支持率が急落したことについては「『神の国』発言が影響した。誤解が十分に解かれていないので、総理の考えを国民に率直に話した方がいい。国民主権や信教の自由を堅持することについて、国民に納得いただける分かりやすい説明をした方がいい」と語った。

 自民党内の一部から出ている総選挙の延期論については「政界全体が6月25日(投票)を想定して完全に動き出している。よほどの大義名分がないと延期は難しい」と述べ、6月13日公示―25日投票の日程は変わらないとの見方を示した。

4野党党首が内閣不信任案の共同提出で合意

5:13p.m. JST May 23, 2000 asahi.com
 鳩山由紀夫・民主、不破哲三・共産、小沢一郎・自由、土井たか子・社民の4野党党首は23日午後、国会内で党首会談を行い、「森喜朗首相の『神の国』発言は憲法違反」として即時退陣を要求するとともに、衆院で内閣不信任決議案、参院で問責決議案をそれぞれ共同提出することを決めた。提出時期については今後各党の幹事長・書記局長や国対委員長で協議する。

 党首会談では、主に不信任・問責決議案の提出時期に絞って協議が行われ、共産党が「国民の関心が集中しているうちに出すべきだ」と、今週中の提出を主張。これに対し民主、自由、社民3党は「双方の考え方がある」などと明確な考えを示さなかった。ただ、両決議案について「両院での趣旨説明、討論を行うよう与党側に要求していく」ことでは一致した。 (時事)

「神の国」論争は無宗教政党を利する、と野中幹事長

4:15p.m. JST May 23, 2000 asahi.com
 自民党の野中広務幹事長は23日午前の記者会見で、森喜朗首相の「神の国」発言に関連して、「究極的には、無宗教を選ぶのか、そうでない国なのかということになる。いたずらに、この問題を論争しあうことは、結果的に無宗教の国を考える政党を利するだけになるのではないか」と述べた。共産主義が無神論の立場に立っていたことから、共産党を念頭に、「神の国」論争をけん制する狙いがあるものとみられる。

 一方、共産党は「布教を含めた信教の自由を認めている。宗教を否定していない」と反論している。

 野中氏はまた「天皇と神の国だけを取り出すと、誤解を生みやすい。ただ一連の流れの中で、森羅万象すべての中で命をいただき生かされているという気持ちを、首相が披瀝(ひれき)されたものだ」と、首相発言を擁護した。

自民党が公約に政教分離明示を検討

2:13p.m. JST May 23, 2000 asahi.com
 自民党は23日、6月総選挙に向けた党の公約に、政教分離の堅持を盛り込む方針を決めた。森喜朗首相の「日本は天皇を中心とする神の国」という発言が、憲法の定める国民主権や政教分離の原則に反するとして、厳しい批判を受け、内閣支持率の急落につながっていることを重視した。同日の党総務会では「支持率が上がってから解散して欲しい」と解散・総選挙の先送り論が飛び出すなど、首相の問題発言などによる支持率の急落が党内に波紋を広げている。

 同日午前の役員連絡会で、村上正邦参院議員会長が「日本が神の国や天皇中心ではないことをはっきりさせるため、公約に政教分離の原則をわかりやすく明示すべきだ」と提案し、同日予定されていた公約決定を見送って、表現を検討することになった。

 一方、党総務会では、総務の1人が「首相は発言を慎重にしなければいけない」と発言。これを受けて笹川堯代議士が、報道各社の世論調査による内閣支持率が急落していることを指摘したうえで、6月解散を延期するよう主張した。ただ、池田行彦総務会長は「総選挙に向けては一致結束し、よい結果が出るようにしないといけない」と話をまとめ、笹川氏の発言は「なかったこと」にした。

内閣不信任案で党首会談

2000年5月22日 18時58分共同
 民主、共産、自由、社民の野党4党は23日、国会内で党首会談を開いて最終盤を迎えた国会対応を協議し、「神の国」発言を最大の理由に森喜朗首相の即時退陣要求を確認する。衆院解散が予定される6月2日をにらみ、内閣不信任決議案の取り扱いが最大のテーマとなる。自由党が4月に連立政権を離脱して以来、4野党による党首会談開催は初めて。

天皇は国民統合の象徴だ

2000年5月22日 20時04分共同
 衆院決算行政監視委員会は22日夕、森喜朗首相の出席を求めて1996、97両年度決算をめぐって各党質疑を行った。

 民主党の石井紘基氏は、首相の「神の国」発言の撤回を求めたのに対し、首相は「憲法の中で(天皇は)国民統合の象徴とされており、それを前提に言った」と、発言の真意をあらためて説明、理解を求めた。発言を撤回するかどうかは言及を避けた。

加藤紘一氏、「神の国」発言を遠回しに批判

1:19p.m. JST May 22, 2000 asahi.com
 自民党の加藤紘一元幹事長(加藤派会長)は22日午前、東京都内であった化学関係学協会連合協議会主催の講演会で、森喜朗首相の「神の国」発言にふれ、「薩長が江戸幕府と対決するために、神として天皇陛下を利用し、1945年まで異常な時代をつくってきたと思う」と話し、首相の事実認識をえん曲に批判した。

 加藤氏は「科学技術立国日本」と題して講演。「体細胞を使って亀井静香(自民党政調会長)を100人つくっちゃいけない。神様に怒られる」とユーモアたっぷりに話したのちに、「このへんから森喜朗さんの世界に近づいていく」として、日本人と神、天皇についての自説を展開した。

 日本人にとって神は「土着の山岳信仰みたいなもの」で、「天皇家はその自然と人間との間を結ぶ、神主さんの頭領であって、日本社会の中で権威として存在してきた」と述べた。

 また加藤氏は、「異常な時代」の後、「マッカーサー憲法によって統合の象徴になられたが、それはいいことだと、あの中曽根康弘さん(元首相)がおっしゃっていた」などと話した。

真宗大谷派が「神の国」撤回を求める書簡

0:05p.m. JST May 22, 2000 asahi.com
 真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)は22日、森喜朗首相に「神の国」発言の撤回を求める書簡を郵送したことを明らかにした。20日付の書簡によると、森首相が同派の門徒であるため推移を見守っていたが、「もはや看過することは許されない」として提出したという。書簡では森首相の神の概念があいまいで、かつての国家神道のような宗教の強制となるなどと指摘している。

森首相「神の国」発言で亀井氏「マスコミが真意まげた」

7:05p.m. JST May 21, 2000 asahi.com
 自民党の亀井静香政調会長は21日、森喜朗首相が「日本は天皇中心の神の国」と発言した問題について、「政教を一致させろとも、天皇に政治的権限を与えよとも、一言も言っていない。首相は戦前の日本に戻すなんてことは考えていない」と強調。「首相の真意を理解しようとせず、言葉じりをねじまげて解釈し、一方的にけしからんと言っている」と述べ、マスコミの報道姿勢や野党の対応を批判した。NHKや民放の報道番組で述べた。

 また、同じ番組に出演した公明党の坂口力政審会長も「森首相は、憲法に書かれた象徴天皇制や信教の自由というイロハのイがわからない首相ではない。ある部分だけ小学生風に読めば、非常に誤解を生みやすい言い回しだが、その点については、参院本会議で申し訳ないと答弁しているので、私たちも了とした」と述べ、首相の釈明を受け入れたことを改めて説明した。

 これに対し野党側は、民主党の菅直人政調会長が「明らかに憲法の定める国民主権と信教の自由に反する」と、首相の即時退陣を要求。「戦前、軍国主義、侵略主義の推進力となった神国思想そのものだ」(筆坂秀世共産党政策委員長)、「アジア諸国に大変な不信感を与えた」(藤井裕久自由党幹事長)などと一斉に批判した。

森首相、京阪神地域の街づくり支援の考えを表明

8:30p.m. JST May 20, 2000 asahi.com
 森喜朗首相は20日、大阪市を訪れ、これからの都市のあり方を話し合う「都市再生推進懇談会」(建設相の私的諮問機関)の京阪神地域での初会合に出て、「国としても地域のまちづくりに向けての取り組みを支援したい」との考えを示した。同懇談会は7月末をめどに第2回会合を開き、9月までに提言をまとめる方針だ。

 懇談会には中山建設相、京都、大阪、兵庫各府県の知事のほか、関西経済連合会の秋山喜久会長が出席した。「京都、大阪、神戸はそれぞれの特色を発揮して都市づくりを進めていくことが必要だ」などの意見が出されたほか、関西地域を一体的に発展させるための広域交通網整備を要望した。

 首相はこれを受けて「京阪神地域には東京圏にない財産が数多くある。将来の展望をしっかり見据えて地域の特色を生かしながら、魅力的なまちづくりを進めるべきだ」と述べた。

 首相は21日には兵庫県淡路島で開催中の淡路花博「ジャパンフローラ2000」の会場を視察する。

「神の国」発言糾弾の市民集会「サミットまかせられぬ」

10:17p.m. JST May 19, 2000 asahi.com
 森喜朗首相の「神の国」発言を糾弾する集会が19日、参院議員会館内で開かれた。市民団体の「フォーラム平和・人権・環境」(江橋崇代表)の主催で、連合や日本消費者連盟など各団体から約80人が出席。「こんな首相に世界が注目する沖縄サミットの議長役を任せるわけにはいかない。また『教育改革』などをやらせるわけにはいかない」などと退陣を求めるアピールを出した。

 集会では野党の国会議員があいさつした。「今度の選挙は森さんが首相でいいのかを問う選挙だ」「森内閣はもう長くないと思うが、居座り続ける可能性がある。それを許してはいけない」などと、間近の総選挙を意識して対決姿勢を打ち出す発言が多かった。

政府・自民、党首討論を拒否 野党は23日に党首会談

4:37p.m. JST May 19, 2000 asahi.com
 政府・自民党は19日、野党側が要求している党首討論や衆参予算委員会の集中審議の開催を拒否する方針を決めた。同日、自民党の古賀誠国会対策委員長が野党側に伝えた。一方、民主、共産、自由、社民の4野党は同日、内閣不信任決議案の共同提出を確認する4党党首会談を23日に開く方針を決めた。6月2日の衆院解散を前に、与野党は対決姿勢を強めており、終盤国会の運営に影響しそうだ。

 古賀委員長は、党首討論拒否の理由として(1)18日の党首会談で民主党側が退陣要求を一方的に突きつけるなど「遺憾とも言うべき対応をした」(2)即時退陣を求めながら、委員会の開会を要求するのは整合性がない――との2点を挙げた。

 野党側は19日朝、民主党の羽田孜幹事長が共産党の志位和夫書記局長ら他の野党幹部と連絡を取り、23日に4野党で党首会談を開くことを決定した。4月に自由党が自民、公明両党との連立を解消して以来、4野党の党首が会談するのは初めてだ。19日午後には、国対委員長会談を開き、党首討論と衆参予算委員会の集中審議を引き続き求めていく方針を確認した。

国民に陳謝するが発言は撤回しない 参院本会議で森首相

0:53p.m. JST May 19, 2000 asahi.com
 森喜朗首相は19日の参院本会議で、神道政治連盟国会議員懇談会の会合で「日本は天皇を中心とする神の国」と発言した問題を陳謝したことについて「発言を直接、間接に聞かれた方々、国民に素直におわびしたものだ」と述べた。陳謝は、連立を組む公明党と支持母体の創価学会だけに配慮したのではないとの考えを示したものだ。首相は「天皇が神である趣旨で述べたものではない」として、発言を撤回する考えのないことも重ねて示した。福山哲郎議員(民主党・新緑風会)らの質問に答えた。

 首相は「神の国」発言の真意について「特定の宗教を念頭においたものではない。信教の自由を念頭においた上で、命の大切さへの理解や宗教的な情操を深める教育の大切さ、地域社会の有用性について述べた」と説明した。首相の説明に関連して宮沢喜一蔵相は「日本は神の国ではなく、国民主権の国」と述べた。

 教育勅語に「いいところもあった」などとしていた発言について首相は「教育勅語は戦後の諸改革で、国会で排除・失効の決議がされている。復活することは考えていない。父母への孝行など今でも大切なことが書かれていたのを述べたに過ぎない」と語った。

4野党、総辞職要求で一致

8:48p.m. JST May 17, 2000 asahi.com
 森喜朗首相の「神の国」発言をめぐり、民主、共産、自由、社民の4野党は17日、国会内で幹事長・書記局長会談を開き、「憲法の国民主権の理念に反し、首相としての適格性に欠ける」(羽田孜・民主党幹事長)として、首相の退陣を求める方針を確認した。一方、与党側が提案している首相と野党党首との会談について、民主党は話し合い解散の協議には応じないとの前提で「退陣すべきだという考えを首相にきちんと伝えたい」(羽田氏)と応じる方針。共産、自由、社民の3党は「退陣を求めている相手に会うことはできない」として拒否する考えを示した。

 4野党の幹事長・書記局長は、同日の参院本会議での首相の答弁について「謝罪や撤回で済む話ではないうえ、答弁は謝罪にすらなっていない」(志位和夫・共産党書記局長)との認識で一致。首相が今後、発言を撤回するしないにかかわらず、内閣の総辞職を求めることを決めた。青木幹雄官房長官の首相臨時代理就任をめぐる説明の食い違いや、あっせん収賄罪に問われた中村喜四郎元建設相が宮沢喜一蔵相から「現金300万円を受け取った」と公判で供述した問題とあわせて予算委員会での集中審議や党首討論を求めることも確認した。

 内閣不信任決議案について、民主党の羽田幹事長は会談後、「先の問題はそのつど話して対応する」と語り、他の野党と協議しながら、共同提出のタイミングを探る考えを示した。

「神の国発言」抗議集会の予定相次ぐ

7:50p.m. JST May 17, 2000 asahi.com
 「日本は天皇を中心とする神の国」などの森喜朗首相の発言に対し、「日本キリスト教協議会靖国問題委員会」は18日午後、衆院議員会館で抗議集会を開く。同団体は、「みどりの日」を「昭和の日」にする祝日改正法案にも反対しており、キリスト教各宗派の代表や天皇制を考える市民団体関係者が集まって声明などを出すことにしている。

 また、市民団体「フォーラム平和・人権・環境」は19日午後、森首相の退陣を求める緊急集会を参院議員会館で開く。平和問題や消費者関係の市民団体のほか、宗教団体から出席を募り、国会議員の報告を受けてアピールを出す予定だ。

「神の国」発言めぐり森首相が記者団とやりとり

8:55p.m. JST May 16, 2000 asahi.com
 森喜朗首相が16日、「神の国」発言をめぐって記者団に説明したやりとりの要旨は次の通り。

 記者 発言の真意は。

 首相 神道政治連盟の30周年で、結成当時の経緯の紹介をした。人間の情操教育の中で、父母からもらった命ですから、もう少し考えて、神様から命をいただいたと申し上げている。(中略)今の社会、国の病理の中で、人の命を大事にするということを、いろんな角度から教育に盛り込んでいかないと。

    ◇

 記者 主権在民を冒すとの批判が出ています。

 首相 戦後の主権在民と矛盾するものではない。戦前は天皇と結びつけて戦争した。そこで主権在民、信教の自由をうたい、侵略戦争を廃棄することを国是とした。何ら矛盾しないわけで、天皇のことは悠久の歴史と日本の伝統文化を表現しているということです。

    ◇

 記者 アジア諸国を中心に不安感を与えかねない発言は不用意なのでは。

 首相 それはないでしょう。伝統文化というのはどこの国でもある。ギリシャにはギリシャ神話があり、旧約聖書もある。そのことを批判することは出来ない。(戦後は)戦争を否定し、信教の自由をうたい、天皇を象徴にし、新しい民主主義の体制にした。それをどうこうしようという話ではない。あなた方が取り違えているだけだ。

    ◇

 記者 発言を撤回するつもりはありませんか。

 首相 どうして撤回しなくちゃいけないんですか。全部をきちっと聞いていただければわかるはずです。


「神の国」は「歴史と伝統文化を表現」と森首相釈明

7:29p.m. JST May 16, 2000 asahi.com
 森喜朗首相が15日夜の神道政治連盟国会議員懇談会の会合で「日本の国は天皇を中心とした神の国」と発言した問題で、青木幹雄官房長官は16日午前、官邸で首相に会い、「発言の前後もあるだろうから、きっちりしてほしい」と伝え、十分な説明で理解を得るよう求めた。首相は記者団に「主権在民とは矛盾しない」などと釈明し、発言は撤回しない考えを示した。野党各党は首相発言に批判を強めており、共産、社民両党は首相の退陣を要求。民主党は森内閣の不信任決議案の野党共同提出を含めて検討する。首相発言は閣僚の一部も疑問視し、韓国メディアが「国民主権と食い違う」と報道するなど海外にも波及。総選挙を控え、与党内にも影響を懸念する声が出ている。

 青木長官は記者会見で、「首相から真意を聞いてからでないとコメントできない」と断ったうえで、「一国の総理としての発言を、いろいろ考えていくべきだと思う」と述べ、内外の批判などを考慮しながら対応すべきだとの考えを示した。

 一方、森首相は、記者団の質問に答え、発言への批判について、「戦前は天皇と結びつけて戦争した。そこで主権在民、信教の自由をうたい、侵略戦争を廃棄するということを国是とした。(「天皇中心」は)日本の悠久の歴史と伝統文化という意味で申し上げており、戦後の主権在民と何ら矛盾しない」と反論。さらに、「人間の情操教育の中でもう少し考えて、『神様から命をいただいた』と申し上げている。今の社会、国の病理の中で、人の命を大事にするということをいろんな角度から教育に盛り込んでいかないと」と強調した。

 首相は16日午後、官邸で記者団に、発言を撤回するかどうかについて、「どうして撤回しなければいけないのか。全部をきちっと聞いていただければわかるはずだ」と否定した。

「神の国」発言で野党、一斉に反発 「内閣不信任案も」

7:27p.m. JST May 16, 2000 asahi.com
 森首相の「神の国」発言をめぐり、民主、共産、自由、社民の野党各党は16日、「主権在民が一番の理念である今の憲法にそむく発言を時の宰相がしたことは極めて深刻だ。こんな発想で国を治められては国民はたまらない」(鳩山由紀夫民主党代表)などと一斉に批判。与党側に衆院予算委員会での集中審議を要求するほか、党首討論などで首相の責任を徹底追及する構えだ。青木幹雄官房長官の首相臨時代理就任をめぐる発言の食い違いの問題も含め、民主党は16日午後、野党各党と国対委員長会談を開き、内閣不信任決議案の提出を含めた対応の検討に入る。共産、社民は首相退陣を求めている。

 この問題で民主党は同日、鳩山氏ら幹部が党本部で協議した。川端達夫国会対策委員長は国会内で記者会見し、「憲法違反で、許されざる発言だ。こういう首相の認識は皇室にとっても迷惑ではないか」と批判し、他の野党に共闘を呼びかけて追及する方針を示した。同党幹部の1人は協議後、内閣不信任決議案について「当然考えなければならない。野党各党と相談してタイミングを計る」と語った。

 共産党の不破哲三委員長は「首相の頭脳と精神がここまで戦前の『神国』思想に侵されていたのかと驚きを禁じ得ない。このような立場を公式の場で明言して恥じない人物は首相の座につく資格はない。ただちに退陣することを求める」との談話を出した。

 自由党の二見伸明国対委員長も「森氏の発言に流れているのは皇国史観だ。国民主権に対する認識が浅い」と指摘。社民党の渕上貞雄幹事長は「森首相の本質を表した。森内閣は一刻も早く退陣すべきだ」との談話を発表した。

森首相「神の国」発言を韓国紙も一斉に報道、批判

10:48p.m. JST May 16, 2000 asahi.com
 韓国主要紙は17日付早版で、「日本は神の国」とした森喜朗首相の発言に関する記事を掲載した。一方、29日から森首相の初の訪韓に向けた準備を進めている韓国政府は、発言に戸惑いながらも事態の推移を見守っており、公式の論評などは出していない。

 有力紙・東亜日報は1面に森氏のカラー写真とともに発言の事実を報道。別の面では森首相の過去の問題発言を紹介した上で「(発言には)大日本帝国憲法への郷愁が下敷きになっている」「天皇中心に国民を結集させたら強い日本を作ることができるという平素の国家観をさらけ出した発言だ」と批判した。

 また韓国日報は「森首相はいつも失言で問題を起こしてきた」とし、「小渕派が森氏を担ぎ上げる際、最も憂慮したのは彼の口だった」などと報じている。

森首相「神の国」発言、英国のメディアも報道

7:22p.m. JST May 16, 2000 asahi.com
 英BBC放送は16日、森喜朗首相が「日本は天皇中心の神の国」と発言したことを伝え、「日本の野党だけでなく、日本軍に占領されたアジアの国々にも怒りを巻き起こすだろう」と報じた。

 同放送は、戦前の日本で国家神道が国教的な地位に引き上げられた歴史や、戦後は憲法で政教分離が規定されたことを紹介。森氏の発言のねらいを「総選挙に向けて宗教団体の支持を得ようとした」と分析した。

森首相「神の国」発言に中国外相が不快感示す

7:26p.m. JST May 16, 2000 asahi.com
 中国の唐家セン外相は16日、テレビ朝日の広瀬道貞社長と会見し、森喜朗首相の「神の国」発言について、「こういうことが度重なっては良い結果になり得ない」と不快感を示した。外務省の章啓月副報道局長も同日の記者会見で、「日本は過去、特に第2次大戦の教訓をくみ取り、歴史上の同じ失敗を繰り返さないようにすべきだ」と述べ、「歴史に関する問題で、責任を持ってまじめに対処する」よう日本に求めた。

 国旗・国歌法成立や石原慎太郎・東京都知事の一連の発言、戦争認識問題での森首相のあいまいな国会答弁などが相次ぎ、中国国内では日本の「右傾化」を危ぐする声が再び高まりつつある。中国政府は「正確な歴史認識が中日の発展と友好協力関係の重要な政治的基礎」(章副局長)だとしており、森首相の発言が対日不信感を強める新たな材料となりそうだ。

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