TOPIC No.2-86 高3男子/主婦殺害事件

少年に責任能力/刑事裁判の可能性

2000.08.07The Sankei Shimbun
 今年五月、愛知県豊川市の主婦、筒井喜代さん=当時(六四)=が自宅で刺殺された事件で、殺人などの容疑で逮捕された愛知県内の少年(一七)=六月に高校を退学=の事件当時の責任能力を認める精神鑑定の結果が七日までにまとまった。

 これを受けて、名古屋地検豊橋支部は拘置期限の十一日に「刑事処分相当」の意見を付けて少年を家裁に送致するとみられる。家裁の調査結果次第だが、少年は今後、大人と同じ刑事裁判にかけられる可能性が高い。少年は七日、鑑定を受けていた関東地方の施設から愛知県警豊川署に移送される。

 精神鑑定は、少年が調べに対して「人を殺すのは悪いことだと思っていた」と供述し、犯行状況なども理路整然と説明したが、殺害動機が「人を殺す経験をしようと思った。自分にとって必要だった」と極めて特異なため、名古屋地検豊橋支部が五月十八日から約八十日間の日程で、複数の専門家に依頼して実施。その結果、事件当時の責任能力に問題ないことが判明した。

 少年は五月一日、見ず知らずの喜代さんを襲い、用意した金づちで頭を殴った上、包丁で刺すなどして殺害。帰宅した喜代さんの夫にも切りつけ、十日間のけがを負わせた。

生徒を簡易精神鑑定へ

2000年5月13日11時51分共同
 愛知県豊川市の夫婦殺傷事件で、名古屋地検豊橋支部は13日までに、殺人の疑いで逮捕された高校3年の男子生徒(17)について、事件当時の精神状態を調べる簡易精神鑑定を来週半ばにも行う方針を固めた。

 名古屋地検豊橋支部は、供述内容には不自然な点があるとして、事件当時、生徒に責任能力があったかどうかを確かめる必要があると判断したもようだ。

「感情の強い抑圧感じる」

2000年5月10日 18時58分共同
 愛知県豊川市の夫婦殺傷事件で、逮捕された高校3年の男子生徒(17)の弁護団が結成され、団長の多田元弁護士らが10日、記者会見し「犯行方法の幼稚さから生徒の精神的な未熟さや、感情面での強い抑圧が感じられる」と感想を述べた。多田弁護士は抑圧の原因に触れず「未熟さや抑圧が具体的にどんな問題から来ているのかを調べ、動機や背景を解明したい」と語った。

「殺人悪いが必要だった」

2000年5月6日 18時06分 共同
 愛知県豊川市の夫婦殺傷事件で、殺人の容疑で逮捕された高校3年男子生徒(17)は6日までの豊川署捜査本部の調べに「人を殺すことは、どういうことなのか経験しなければ分からないので、自分には必要だった。悪いということは分かっていた」と供述した。捜査本部は、生徒が善悪の区別をしており、責任能力に問題はないとみて、さらに詳しい動機を調べている。

「話をする機会なかった」と愛知主婦殺人事件の少年の父

05:58a.m. JST May 05, 2000 asahi.com
 愛知県豊川市の主婦殺人事件で逮捕された高校3年生の父親(43)が4日、朝日新聞の取材に応じた。「こんなことになって、ご遺族に本当に申し訳ない」と一語一語かみ締めるように語り、少年と最近、じっくり話をする機会がなかったことを悔やむように話した。事件後、会っていない少年に「会いたい」と胸の内を述べた。

 父親は同県内の中学校の教員。少年が1歳半のときに離婚した。その後は祖父(70)、祖母(64)、父親と少年の4人家族だった。帰宅の遅い父親よりも祖父母の方が少年と接する時間は長かった。

 祖父は前日、朝日新聞の取材に応じたとき、父親がどちらかといえば放任主義だったという意味の話をした。これに対し、父親は「子供とは食事のときなど1日1回は顔を合わせていた」と、親子関係が疎遠ではなかったと述べる一方で「振り返ってみると、じっくり話をする機会が最近はなかったように思う」と話した。

 少年がテレビゲームに熱中していたことから、仮想と現実の区別がつかなくなって事件を引き起こす一因となったとの見方がある。これについて父親は、「そうとは思えない」と否定した。

 前兆になるような子供の変化があったかどうかについては、「全く心当たりがなくて」と言って押し黙った。

容疑の高校生は学校から犯行現場に直行 愛知の殺傷事件

05:59a.m. JST May 05, 2000 asahi.com
 愛知県豊川市金屋元町1丁目、主婦筒井喜代さん(64)を刺殺したとして殺人容疑で逮捕された同県宝飯郡に住む高校3年の男子生徒(17)が犯行当日の1日、学校から犯行現場に直行していたことが、愛知県警捜査一課と豊川署の捜査本部の調べでわかった。高校生は当日朝、凶器として草刈り用のかまを用意したが「途中で考えを変え、学校から持ち出した金づちを使った」と供述しているという。

 供述などによると、高校生は1日午後4時半の授業終了後、友人と一緒に近くのコンビニエンスストアに向かった。午後6時ごろ、再び学校に戻り友人と別れたという。

 犯行は、友人と別れた直後に実行に移された。高校生も「学校から直接、被害者宅へ向かった」と認めているという。

 捜査本部は4日、高校生の身柄を名古屋地検豊橋支部に送った。同支部が勾留(こうりゅう)請求した結果、豊川署での10日間の勾留が認められた。

「物理的にどのくらいで死ぬのか」と愛知の高校生が供述

03:02a.m. JST May 05, 2000 asahi.com
 愛知県豊川市金屋元町1丁目、主婦筒井喜代さん(64)を自宅で刺し殺したとして殺人の疑いで逮捕された同県宝飯郡に住む高校3年の男子生徒(17)が愛知県警などの調べに対して「人が物理的にどのくらいで死ぬのか知りたかった。また、人を殺したとき自分はどんな気持ちになるか知りたかった」と供述していることが分かった。容疑者の高校生は、小学生のころ死に対して興味を持ったといい、「自分はこれをやるんだと決めたら、実行するタイプだ」とも述べ、固い決意で犯行に及んだことを認めたという。

 筒井さん方を襲った理由について、高校生は「通学路の間でぐるぐる探すうち、どこにするか迷って、たまたまお年寄りの喜代さんの姿が目にとまった」と話しているという。

 喜代さんを金づちで殴っている際、逃げようとしたため、高校生は「玄関に施錠をした」とも供述。金づちで殴ったうえ、さらに包丁で首などを刺したのは「致命傷を負わせるためだ」と述べているという。

 喜代さんを殺害するまでは冷静だったが、夫の弘さん(67)が現れて動揺したという。首を絞めたが、弘さんが助けを呼ぶなどした。格闘場所が通りに面した庭だったため「まずい」と判断して逃走。弘さんが突然現れたため、あわてて犯行現場にかばんを置き忘れたらしい。

 事件を起こしたことについて、高校生は「すべきではなかった」と冷静にこたえ、「将来に希望を持っていない。いつかは捕まると思った」とも述べたという。

 喜代さんに対しての気持ちを聞いたところ、高校生は「すでに死んでいるため、謝っても仕方がない」と話しているという。一方、弘さんに対しては「生きているから謝ります」と述べているという。

当日朝、着替えなど隠す

2000年5月4日 19時02分 共同
 愛知県豊川市で主婦筒井喜代さん(64)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された高校3年の男子生徒(17)は、4月29日の試合を最後に軟式テニス部を辞め、今月1日の事件当日朝の登校途中に草刈りがまと着替えを入れた紙袋を筒井さん宅近くの竹やぶに置いていたことが4日までの豊川署捜査本部の調べで分かった。

テニス部辞め、直後に凶行

2000年5月4日 17時35分 共同
 愛知県豊川市で主婦筒井喜代さん(64)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された高校三年の男子生徒(17)が、4月29日の試合を最後に軟式テニス部を辞め、逃走資金としてお年玉など約2万5000円を用意していたことが、4日までの豊川署捜査本部の調べで分かった。生徒は調べに「逃走資金として2万円を持っていた。食事はコンビニで弁当などを買った」と供述しているという。

殺人、殺人未遂で生徒送検

2000年5月4日 13時16分 共同
 愛知県豊川市で主婦筒井喜代さん(64)が殺害された事件で、豊川署捜査本部は4日、殺人容疑で逮捕した高校3年の男子生徒(17)を殺人と殺人未遂の容疑で送検した。

 調べに対し、生徒は喜代さんの夫の弘さん(67)についても「殺すつもりだった」と供述していることから、捜査本部は殺人容疑だけでなく、殺人未遂容疑でも送検できると判断した。

施錠で逃げ道ふさぐ? 殺人容疑の愛知の高3男子

03:07a.m. JST May 04, 2000 by asahi.com
 愛知県豊川市金屋元町1丁目、主婦筒井喜代さん(64)が自宅玄関先で刺し殺された事件で、殺人容疑で逮捕された同県宝飯郡に住む高校3年の男子生徒(17)が、筒井さん宅に侵入した後、玄関にかぎをかけていたことが同県警捜査本部の調べでわかった。捜査本部は、確実に殺すために逃げ道をふさぐとともに事件の発覚を遅らせようとしたとみている。また、逃走の際に喜代さんの夫弘さん(67)に切りつけた行為は殺人未遂にあたると判断。捜査本部は4日、高校生を殺人と同未遂の疑いで名古屋地検豊橋支部に送検する。

 これまでの調べで、捜査本部は、高校生が極めて固い殺意を持っていたとの見方を強めている。ただ、動機や行動に理解できない点があるため精神鑑定が必要かどうかを検討する。また、事件の特異性をふまえ、3日から少年課の捜査員3人を担当に加えた。

 調べによると、高校生は1日午後6時ごろ、筒井さん宅に侵入。殺害の事実が人に知られるのを遅らせ、家人に逃げられないようにするため玄関の戸を閉めたうえ、かぎをかけた。侵入後、高校生は、喜代さんの頭を金づちで殴り、文化包丁で顔や首を約40カ所も刺して殺害した。

 高校生は当初から筒井さん宅を狙っていたわけではなく、「通りかかったら、たまたま玄関が5センチほど開いていたので、ここにしようと思った」と供述した。

 この後、弘さんが帰宅。裏手から飛び出してきた高校生と取っ組み合いになり、包丁で首を切られた。弘さんは「金ならやる」と言ったが、今度は手で首を絞められたため、「助けてくれ」と叫ぶと、高校生は走って逃げたという。弘さんは首などに10日間のけがを負った。筒井さん宅の庭には高校生の眼鏡があった。格闘した時に落としたらしい。

 高校生は、弘さんについても「殺すつもりで切りつけ、首も絞めた」と供述。捜査本部は殺人未遂容疑での立件を決めた。

 高校生の祖父(70)によると、逃走用に高校生が用意した現金2万円は、犯行前日の先月30日夜、自宅の金庫から家人に黙って持ち出していた。

事前に1メートルのかま準備

2000年5月3日 17時34分 共同 
 愛知県豊川市の主婦が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された高校3年の男子生徒(17)は、遅くとも事件の数時間前に逃走用として用意した衣類や凶器を現場近くの竹やぶに隠していたことが3日、豊川署捜査本部の調べで分かった。1日午後1時ごろ、竹やぶ所有者がシャツの入った紙袋や柄の長さが約1メートルで刃渡り約20センチの草刈りがまがあるのを見つけ、捜査本部が調べている。

「人を殺す経験したかった」主婦殺害容疑の高3供述

01:47a.m. JST May 03, 2000 by Asahi.com
 愛知県豊川市金屋元町1丁目、無職筒井弘さん(67)方で1日夕、妻の喜代さん(65)が首などを刺されて殺された事件で、愛知県警捜査一課と豊川署の捜査本部は、名古屋駅前の交番に出頭してきた同県宝飯郡に住む高校3年の男子生徒(17)を2日午後8時ごろ、殺人容疑で逮捕した。調べに対し、高校生は容疑を認めたうえで、「人を殺す経験をしようと思ってやった」と動機を供述したという。事前に着替えや凶器を用意するなど、犯行が計画的だったことも認めたとされる。

 高校生は取り調べに「殺しに行きました」と容疑をはっきり認め、喜代さんを選んだ理由は「通りかかったら、たまたま玄関が開いていたので、ここにしようと思った」と語った。年配者を選んだことについては「若い未来のある人はいけないと思った」と話しているという。しかし、供述にはなおあいまいな点もあり、捜査本部はさらに詳しく動機を調べていく方針だ。

 高校生の供述によると、事前に自分の家から持っていった金づちで喜代さんを殴ったうえ、筒井さん宅の文化包丁でめった刺しにした。殺害後に夫の筒井さんも襲ったとされ、これについても「刺そうとした」と話しているという。逃走用に現金約2万円を用意したとも話している。

 この高校生は犯行後、現場近くの竹やぶに事前に隠しておいたジャンパーやズボンに着替え、自転車で逃走。JR豊川駅に行ったが、乗り遅れたため、さらに名鉄国府駅に行き、新名古屋駅や犬山駅を転々とした。

 犯行に際しては、柄の長さ約1メートルのかまも用意したが、犯行には使わなかったという。このかまも竹やぶから見つかっている。

 この高校生は、愛知県三河地方の私立高校に通う。犯行前の1日午前、ふだん通り自転車で登校し、所属する軟式テニス部で練習した後、午後4時半ごろに下校したのが確認されている。

高3の供述に学校関係者ら強い衝撃 豊川の主婦殺人事件

00:35a.m. JST May 03, 2000 by Asahi.com
 「人を殺す経験をしようと思ってやった」「殺しに行きました」。愛知県豊川市の主婦殺人事件で2日逮捕された高校3年生(17)の供述に、学校関係者や同級生らは強い衝撃を受けている。成績優秀でまじめな性格。スポーツ好きで同級生たちをまとめる能力がある。「絶対にそんなことをする人じゃない」と少年を知る人たちは口をそろえる。しかし調べに対し、「若い未来のある人は(殺しては)いけないと思った」などと、落ち着いた様子で、淡々と話しているという。

 豊川署では午後9時から40分間ほど、横井幹郎・愛知県警捜査一課長らが記者会見した。「逮捕して間もない。簡単な調べしかしていない」と前置きしたうえで、逮捕の経過や少年の様子について説明した。

 説明によると、少年はやや疲れた様子を見せていたものの、淡々と話しているという。

 逮捕容疑については「間違いないです」。動機については「人を殺す経験をしようと思ってやった」。さらに筒井喜代さんを狙った理由については「若い未来のある人はいけないと思った。老人の家かどうか表札を見て判断した。開き戸が5センチほど開いていたので入った」。反省するような言葉はないという。

 少年は両手に5カ所ずつぐらい切り傷などがあった。交番に出頭したときは白のジージャンに黒のズボン姿で、白いスニーカーを履いていた。ジージャンの肩やえりの部分には、血痕がついていたという。

 出頭したときの状況は、交番で警察官から「どうされましたか」と問われ、「自首します。豊川の事件を起こしました。人を殺しました」と話したという。凶器については、包丁は被害者宅のものを使ったと話している。

 「本当に彼なんですか。信じられない。絶対にそんなことをするような人じゃありません」。少年と小中学校時代から同級生で、同じ高校に通う女子生徒は、やりきれないといった表情で声を震わせた。

 事件のあった1日も、学校で友人とキャッチボールをする姿を見かけたという。普段と変わった様子はなかった。「小学校のときには一緒に児童会活動もした。おとなしいけど、みんなをまとめてくれるような人です」と話した。

 同じクラスの男子生徒も「そんなことをするようなやつじゃない。まだ、信じていないし、絶対にほかに犯人がいると思う」とショックを隠しきれない様子で話した。この生徒は、事件当日の1日も少年と普段通りに会話を交わしたという。

 逮捕された少年と、2年間男子軟式テニス部で一緒に活動していたという同級生(17)によると成績はクラスでも2、3番目で「かなり優秀だった」。受験に向けてプレッシャーを受けている様子や、最近の学校での行動に目立った変化はなかったという。

 また、近所の人の話では、少年の両親は少年が幼いころに離婚。祖母が母親代わりとしてかわいがって育てていたという。「普段は手がかからないが、いったん言うことを聞かなくなると、大変だ」と祖母が漏らすのを聞いたことがあるという。

愛知・豊川市の殺害事件で高校3年の男子生徒が出頭

6:34p.m. JST May 02, 2000
 1日夜、愛知県豊川市金屋元町1丁目、無職筒井弘さん(67)方で、妻の喜代さん(65)が首などを刺されて殺害された事件で、愛知県警捜査一課と豊川署の捜査本部は、現場に残されたかばんの生徒手帳や目撃証言から、同県宝飯郡に住む高校3年生の男子生徒(17)の犯行と断定。2日午前、殺人容疑で逮捕状を取った。男子生徒は同日午後、名古屋駅近くの交番に出頭してきた。

 捜査本部の検視の結果、喜代さんは頭や顔を中心に、刺し傷や切り傷、殴られたような跡が約40カ所あった。喜代さんは玄関先で倒れており、玄関でいきなり襲われたらしい。

 捜査本部は、2日午前から現場検証するとともに、遺体を名古屋大学で司法解剖し、詳しい死因を特定する。

 屋内には高校生のものとみられる布製かばんがあり、中には高校生の生徒手帳などが入っていた。また、筒井さんが散歩から家に戻ったとき、男が飛び出して格闘したが、その際の筒井さんの目撃証言や、男が逃げていく途中の目撃証言などから、高校生の犯行と特定されたという。

 筒井さん宅近くには、刃渡り約20センチの血の付いた文化包丁が落ちていた。さらに北に約200メートルのやぶのなかには、買い物袋の中に、血の付いた紺色のブレザーや、カッターシャツ、ズボンなどが落ちていた。捜査本部は、高校生の遺留品とみて調べている。

 筒井さんは「この高校生には面識がない」と話しているという。

 高校生は、1日はふだんと変わりなく登校し、午後4時半ごろに下校したという。

HOME政治・経済・社会