TOPIC No. 2-79 新潟県警 交通違反もみ消し事件

元代議士秘書に懲役10カ月求刑 交通違反もみ消し事件

2000.11.27(21:20)asahi.com
 新潟県警の交通違反もみ消し事件で公電磁的記録毀棄(きき)などの罪に問われた白川勝彦元代議士の元私設秘書藤巻昭男被告(40)に対する論告求刑公判が27日、新潟地裁(榊五十雄裁判長)で開かれ、検察側は「代議士の私設秘書の立場を利用した犯行で悪質」として懲役10カ月を求刑した。弁護側は、同県警前交通機動隊長の大沢紀士(のりお)被告(60)=同罪などで起訴=に処分について問い合わせただけで、もみ消しを依頼しておらず、共謀も成立しないと改めて無罪を主張した。

 検察側は論告で、「藤巻被告から電話で違反点数の抹消を何度も依頼された」とした大沢被告の証言は合理的で信用でき、藤巻被告がもみ消しを依頼された違反者から3万円の商品券を謝礼として受け取ったのも不正な依頼だったという認識があったためだと主張した。

 判決は来年1月16日に言い渡される。

元交通部長らに罰金刑 新潟県警もみ消し事件で簡裁

2000.10.02(21:56)asahi.com
 新潟県警の交通機動隊幹部らが現職警察官やOBの速度違反をもみ消した事件で新潟地検は2日、前交機隊長の大沢紀士(のりお)被告(60)=公電磁的記録不正作出などの罪で起訴=を犯人隠避罪で新潟地裁に追起訴した。また、新潟区検は同日、大沢被告に知人の違反のもみ消しを依頼した井村敏英・元交通部長(61)や元交機隊幹部ら4人を、新潟簡裁に同罪で略式起訴し、同簡裁は罰金20万―50万円の略式命令を出した。速度違反をした県警警察官や県警OBら24人も道交法違反(速度超過)の罪で同簡裁から6万―7万円の略式命令を受けた。捜査一課員(当時)の速度違反については犯人を追尾中だったとして起訴猶予とした。

 今回の処分で、違反をもみ消して犯人隠避容疑で書類送検された警察官ら11人全員に処分が出た。また、交通違反をして、道交法違反(速度超過)容疑で書類送検され、処分が出ていないのは5人。安達敏男次席検事は「今回の処分で一連の事件の捜査をほぼ終結した。今月上旬までに(残る5人も)処分する」としている。

新潟県警もみ消し 関与した計42人を書類送検

2000.08.10(23:34)asahi.com
 新潟県警交通機動隊の幹部が警察官の速度違反をもみ消していた事件で、同県警は10日、元交機隊長で通信指令課長の笠原登警視(55)ら11人を犯人隠避の疑いで書類送検するとともに、このうち7人の現職警官を停職、減給処分とした。前交通部長の田中稔警視正も監督責任があるとして、同日、国家公安委員会から減給処分を受けた。また、速度違反をした警察官ら31人を道交法違反容疑で新潟地検に書類送検した。違反者には新潟地検の検察事務官や他県の警察官も含まれていた。交機隊では警察関係者の違反は自発的にもみ消すことが常態化しており、少なくとも3年前から恒常的にもみ消しを行っていた。

 調べによると、笠原警視ら交機隊幹部らは過去3年間に、警察官ら22人が制限速度を53―31キロ超える速度違反をしていたことをオービスと呼ばれる自動速度違反監視装置で撮影した写真などで確認していたが、道交法違反容疑での捜査を怠り、違反切符も切らなかった疑い。道交法では比較的軽微な速度違反は行政罰のみ科されるが、30キロ以上(高速道では40キロ以上)は刑事処分の対象となり、法定刑は「6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金」となっている。

 県警によると、オービスは1994年1月に導入された。当初は運転者の写真などの証拠に基づいて適正に処理していたが、警察官が公務中に速度違反した場合は例外的に刑事責任を問わず、減給や注意などの内部処分で済ませるようになったという。しかし、その後、県警内に「間違った仲間意識」(種谷良2県警警務部長)のようなものが強くなり、交機隊内部では警察官が公務外で起こした交通違反についてもみ消すことが日常化していった。交機隊では違反者が警察関係者と分かると、違反者側から連絡がなくても立件することを自発的に見送っていたという。

 一連のもみ消し事件では、すでに8人の警察官が6月に道交法違反容疑で書類送検されており、同容疑で書類送検された警察官やOBらは合計39人になった。中には新潟地検長岡支部の検察事務官や、警察庁国際捜査研修所警部補(埼玉県警派遣)、神奈川県警泉署警部補、山形県警酒田署警部補=いずれも当時=も含まれていた。

 同県警はこの日の刑事処分で一連の交通違反もみ消し事件の捜査を終えたとしている。

元秘書が依頼を否定 新潟県警違反もみ消し事件初公判

2000.06.26(20:29)asahi.com
 新潟県警幹部らによる交通違反記録もみ消し事件で、公電磁的記録不正作出などの罪で起訴された元国家公安委員長の白川勝彦前代議士の元私設秘書藤巻昭男被告(39)=新潟県清里村馬屋=に対する初公判が26日、新潟地裁(榊五十雄裁判長)で開かれた。藤巻被告は「違反点数の問い合わせをしただけで、もみ消しを依頼したことはない」と起訴事実を否認した。

 起訴状によると、藤巻被告は昨年7月から10月にかけて、白川前代議士の運転手をしていた同僚秘書(48)と、同県内の損害保険代理業(45)=同罪などで罰金30万円の略式命令=の速度違反記録のもみ消しを、前交通機動隊長の大沢=紀士(のりお)被告(60)=公電磁的記録不正作出などの罪で起訴=に依頼。大沢被告の指示を受けた前運転管理課(運転教育課に改称)行政処分係長の曽根原望(50)被告=同=らがコンピューター端末を不正操作して、違反記録を抹消したとされる。

 検察側は冒頭陳述で、31キロ超の速度違反をした同僚秘書が免停処分を受けないように、藤巻被告が大沢被告に対して「何とかなりませんか。ぜひお願いします」などと言って違反記録のもみ消しを依頼。違反内容が刑事罰の対象となる悪質なものだったため大沢被告が難色を示すと、「お金(罰金)は当然支払う。とにかく免停になると困る。少なくとも点数はお願いしたい」と強く依頼したとした。

 これに対し、弁護側は「藤巻被告は免停になるかどうかを確認しただけ。警察内部でもみ消しを常習的に行っていた大沢被告が、もみ消しの依頼と誤解したものだ」と主張し、全面的に争う姿勢を示した。

新潟県警の交通違反もみ消しで前副署長らを略式起訴

2000.06.12(23:29)asahi.com
 新潟県警幹部らによる交通違反もみ消し事件で、新潟地検は12日、前運転管理課(現運転教育課)行政処分係長の栗林登・会計課副参事(48)と、同、無職曽根原望被告(50)=公電磁的記録毀棄(きき)などの罪で起訴=を、公電磁的記録不正作出などの罪で新潟地裁に起訴した。また、新潟区検は同日、前新潟南署副署長の嶋田啓介警視(52)と、前運転教育課課長補佐の岡田道吉警部(49)を同罪などで略式起訴し、新潟簡裁は嶋田警視に罰金40万円、岡田警部に50万円の略式命令を出した。

 知人ら3人の違反記録のもみ消しを仲介したとして同容疑で書類送検されていた新潟県弁護士会所属の鈴木勝紀弁護士(52)については「客観的な証拠となる関係書類が散逸し、立証が難しい」として起訴猶予にしたが、具体的な内容については説明しなかった。

 起訴状などによると、曽根原被告は、新潟南署交通課長の五十嵐三郎警部(53)から長女(21)の信号無視違反のもみ消しを頼まれ、昨年4月、栗林副参事に指示して違反記録を不正に抹消。このほか、栗林副参事は事故を起こした元警察職員(26)の安全運転義務違反記録など2件をもみ消したとされる。嶋田警視は昨年8月、シートベルト装着義務違反をした長女(23)の違反記録のもみ消しを岡田警部に依頼し、記録を不正に抹消させたとされる。

 岡田警部は前交通機動隊長の大沢紀士(のりお)被告(60)=公電磁的記録毀棄などの罪で起=の指示を受け、元国家公安委員長の白川勝彦・前代議士(自民)の私設秘書(48)の違反記録を不正に抹消したとされる。

速度違反の警官8人書類送検、新潟県警発表せず

2000.06.07(23:35)asahi.com
 新潟県警交通機動隊の元幹部らが刑事罰の対象になる30キロ以上の速度違反をした現職警察官の違反をもみ消していたとされる問題で、県警は7日、捜査二課の巡査部長(42)=違反当時=ら警察官8人を道交法違反の疑いで新潟地検に書類送検していたことを明らかにした。今月2日に書類送検していたが、新潟地検が7日に公表するまで送検の事実を伏せていた。県警はもみ消しに関与したとみられる上司らについて犯人隠避などの容疑で捜査中で、今後県警幹部も刑事処分を受ける可能性があり、同県警の不祥事はさらに広がりそうだ。

 調べによると、8人は1998年4月から今年1月にかけて、同県豊栄市や亀田町などの国道で、乗用車や軽乗用車を運転中、制限速度を31キロから45キロ超えた疑い。

 8人の違反はオービスと呼ばれる自動速度違反監視装置で認知され、写真や光ディスクに記録され、本人確認ができ立件可能な状態だったにもかかわらず、県警は処分していなかった。6人は公務時間外だった。

 8人は違反したことが分かってから上司に報告していたが、違反事実のもみ消しを依頼してはいなかったという。しかし、記者会見した県警の種谷良二警務部長は、8人の上司についてもみ消しに関与していた疑いがあることを認め、「極めて遺憾なことだと思う」と話した。

 また、書類送検の事実を発表しなかったことについて、種谷警務部長は「全体像がわかってから公表するつもりだった。隠すつもりはなかった」と釈明した。

 8人のほか、当時の自動車警ら隊員や元警察署長、パチンコ業者の3人についても、違反事実がもみ消されたことが明らかになっているが、県警は自動車警ら隊員については写真で本人と確認できず、証拠不足で立件は不可能と判断したとしている。元警察署長ら2人については、捜査を継続する方針だ。

副署長ら4人を書類送検 新潟県警もみ消し事件

2000.06.01 (21:59)asahi.com
 新潟県警幹部らによる交通違反記録のもみ消し事件で、新たに現職警察官らによるもみ消しが明らかになり、県警捜査二課は1日、新潟南署副署長の嶋田啓介警視(52)ら4人を公電磁的記録不正作出などの容疑で新潟地検に書類送検した。いずれも自分の家族や元警察職員ら「身内」の違反記録を不正に抹消していた。同県警は嶋田警視を更迭して2日付で警務部付としたのをはじめ、書類送検された幹部と当時の上司の合わせて計10人を停職や減給などの処分とした。

 書類送検されたのは、嶋田警視のほか、同署交通課長の五十嵐三郎警部(53)▽県警交通企画課付の岡田道吉警部(49)▽事務職員の栗林登会計課副参事(48)。公電磁的記録毀棄(きき)などの罪ですでに起訴されている県警運転管理課(運転教育課に改称)の前行政処分係長曽根原望被告(50)ももみ消しにかかわったとして同容疑で追送検された。

 調べでは、嶋田警視は昨年8月、シートベルト装着義務違反をした長女(23)の違反記録のもみ消しを岡田警部に依頼したとされる。五十嵐警部は昨年4月、長女(21)の信号無視違反のもみ消しを曽根原容疑者に頼み、指示を受けた栗林副参事が違反記録を抹消した疑い。

 さらに栗林副参事は昨年3月、元警察職員の女性(26)が追突事故を起こした際の安全運転義務違反記録を、昨年9月には現職警部補の長男(22)の速度違反記録をもみ消したとされる。

 また岡田警部は、すでに明らかになっている元国家公安委員長の白川勝彦代議士(自民)の私設秘書(48)の速度違反記録を、前交通機動隊長の大沢紀士(のりお)被告(60)=公電磁的記録毀棄の罪などで起訴=の指示でもみ消した疑い。

 記者会見した堀内文隆県警本部長は「今回の不祥事を教訓として再発防止に努め、警察の原点に立ち返って、県民の信頼回復に全力を尽くす」と陳謝した。

 今回送検された一連のもみ消しのほかにも、現職警察官ら9人を含む11人の速度違反のもみ消し疑惑が浮上しており、県警は犯人隠避などの容疑で捜査中で、今後新たな刑事処分が出る可能性がある。

前交機隊長ら事実認める 新潟県警の違反もみ消し

'00/5/26 中国新聞
 新潟県警の交通違反もみ消し事件で、公電磁的記録不正作出、同行使などの罪に問われた前同県警交通機動隊長大沢紀士(60)と元運転管理課係長曽根原望(50)両被告=いずれも懲戒免職=の初公判が二十六日、新潟地裁(榊五十雄裁判長)で開かれた。

 大沢、曽根原両被告は「間違いありません」などと起訴事実を全面的に認めた。

 女性監禁事件に端を発した一連の県警不祥事の一つとして発覚した同事件は、複数の現職警察官らが関与した疑惑に発展、同県警は内部調査を進めており、新たな処分問題に発展するのは必至だ。

 起訴状などによると、大沢、曽根原両被告らは共謀し昨年五月から十月にかけて、スピード違反や通行禁止違反などで摘発された同県上越市の会社役員(47)ら計四人の違反記録のもみ消しを計画。

 曽根原被告が県警運転管理課(四月一日から運転教育課に名称変更)のコンピューターの端末機を操作し、警察庁情報処理センターに登録されている四人の違反記録を抹消し、違反歴のないデータを作った。

 また大沢被告は元国家公安委員長の白川勝彦衆院議員の元秘書藤巻昭男被告(39)=分離公判=と共謀し、上越市の別の白川議員私設秘書(47)のスピード違反記録のもみ消しも計画。昨年七月中旬、同課に所属していた警部(49)にコンピューターの操作を依頼、記録を抹消した。

新潟の違反もみ消し「現職警官も依頼」 大沢被告が供述

8:52p.m. JST May 01, 2000
 新潟県警幹部による交通違反記録もみ消し事件で、前県警交通機動隊長の大沢紀士被告(60)=公電磁的記録不正作出などの罪で起訴=が県警捜査二課などの調べに対し、この1年間に現職警察官やOBから、約10件の交通違反のもみ消し依頼を受けたと供述していることが1日までに明らかになった。県警は内部調査を開始し、関与したとされる警察職員らから事情を聴き、事実確認を急いでいる。

 関係者によると、大沢被告は取り調べに対し、今年3月に逮捕されるまでの約1年間に、県警幹部OBのほか、警察署長からも署員の速度違反のもみ消しを頼まれたことを供述した。依頼された件数は、警察関係だけで10件ほどあったという。

 大沢被告は、元国家公安委員長の白川勝彦代議士(自民)の私設秘書藤巻昭男被告(39)=同罪などで起訴=らから依頼され、県警運転管理課(4月から運転教育課に改称)の前行政処分係長曽根原望被告(50)=同=らに指示してコンピューターを不正に操作し、交通違反記録を抹消させたとして起訴された。その後、白川代議士の別の私設秘書の違反ももみ消したとして4月19日に再逮捕されている。

白川議員私設秘書ら再逮捕

2000年4月19日 17時59分
  新潟県警の交通違反もみ消し事件で,新潟県警捜査2課は19日、公電磁的記録不正作出、同供用の疑いで、元国家公安委員長の白川勝彦衆院議員(自民)の私設秘書藤巻昭男容疑者(39)=同罪などで起訴=と前交通機動隊長の大沢紀士容疑者(60)=同=を再逮捕した。

交通違反もみ消し事件の新潟県警元幹部ら2人を起訴

9:58p.m. JST April 07, 2000
 新潟県警幹部らによる交通違反もみ消し事件で、新潟地検は7日、前交通機動隊長の大沢紀士(のりお)容疑者(60)=新潟市川岸町2丁目=と、前運転管理課行政処分係長の曽根原望容疑者(50)=同市新通西2丁目=を公電磁的記録不正作出、公電磁的記録き棄などの罪で新潟地裁に起訴した。

 起訴状によると、大沢容疑者は昨年10月25日、元国家公安委員長の白川勝彦代議士(自民)の私設秘書で同県清里村馬屋、藤巻昭男容疑者(39)=公電磁的記録不正作出、同供用の疑いで逮捕=から依頼を受けて、かつての部下だった曽根原容疑者に、コンピューター端末を不正に操作して同県板倉町田屋、損害保険代理業鴨井晃容疑者(45)のスピード違反点数記録を抹消させたとされる。

 県警などの調べによると、鴨井容疑者は昨年10月8日、同県上越市の県道で24キロ超の速度違反をしたことから、白川代議士の元私設秘書で同市向橋、川住和弘容疑者(39)に違反記録のもみ消しを依頼。川住容疑者から藤巻容疑者を通じて大沢容疑者にもみ消し依頼が伝えられた。藤巻、川住両容疑者は、鴨井容疑者から謝礼として商品券3万円ずつを受け取っている。
新潟地検は7日、藤巻、川住、鴨井容疑者の10日間の勾留(こうりゅう)延長を新潟地裁に請求し、認められた。

首相「厳正な捜査で信頼回復を」 白川議員秘書ら逮捕で

11:51a.m. JST March 27, 2000
 小渕恵三首相は27日午前、新潟県警幹部らによる交通違反もみ消し事件に関与した疑いで元国家公安委員長の白川勝彦代議士(自民党)の私設秘書らが逮捕されたことについて「現在、捜査当局において事案の全容を解明中だ。新潟県警は厳正な捜査はもとより、県民の信頼回復に全力を尽くすべきだ」と述べた。政治家や有権者のモラルも問われているのではないか、との指摘には「問われていると思う」との認識を示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

  白川代議士本人の責任問題については「事件の概要が解明されていない現段階では申し上げる立場にない」と明言を避けた。

もみ消し依頼は以前から 白川代議士の地元事務所

2:59p.m. JST March 27, 2000
 新潟県警幹部による交通違反もみ消し事件で、もみ消し依頼を橋渡ししたとして逮捕された私設秘書の藤巻昭男容疑者(39)が勤めている元国家公安委員長の白川勝彦代議士(比例区北陸信越ブロック、自民)の地元事務所には、以前から支持者らからの交通違反のもみ消し依頼があったことが、関係者の話で分かった。県警捜査二課は27日、同県上越市にある地元事務所などを公電磁的記録不正作出などの容疑で家宅捜索した。藤巻容疑者は16年間、地元事務所に勤務。ふだんは地元で通りのいい旧姓の西袋を名乗り、経理事務や支持者からの相談などを担当、選挙対策もこなす有能な秘書という評判だった。

 同課では、白川代議士からの事情聴取も「必要があれば行う」としている。

 調べでは、藤巻容疑者は、同県板倉町の損害保険代理業、鴨井晃容疑者(45)からのもみ消し依頼を、白川代議士元秘書の川住和弘容疑者(39)を通じて受け、前県警交通機動隊長の大沢紀士(のりお)容疑者(60)に取り次いだとされる。いずれも公電磁的記録不正作出などの容疑で逮捕された。

 藤巻容疑者にもみ消しを依頼した川住容疑者は逮捕前、朝日新聞社の取材に対して「白川事務所を通せばなんとか(もみ消しを)やってくれると思っていた」と話した。白川事務所でも、以前からもみ消しの依頼が支持者らから多数寄せられていたことを認めている。

 事務所によると、依頼は年間を通じてあり、速度を出しがちになる夏に多く、中には刑事罰が伴う交通違反のもみ消し依頼もあったという。

  同事務所の秘書は「支持者はお客様。依頼されて、ダメですとは言えなかった」とし、事件発覚後は依頼がなくなったとも話している。また、藤巻容疑者のほか、白川代議士やほかの秘書も大沢容疑者と面識があったという。

白川代議士 もみ消し依頼を全面否定

2000年3月27日 12時54分
「16年間仕えてくれた秘書を信じている」「事実抜きに責任を問うつもりはない」。新潟県警の交通違反もみ消し事件で、秘書が逮捕された白川勝彦衆院議員=自民、比例北陸信越ブロック=が27日午前、議員会館で記者会見し、秘書のもみ消し依頼を全面的に否定、自身の議員辞職や秘書の解雇などの考えのないことを明らかにした。

「免停になるから」と元秘書に違反もみ消し依頼

3:55p.m. JST March 23, 2000
 新潟県警のもみ消し事件で、交通違反をした自営業者(45)が、白川勝彦代議士(自民党)の元私設秘書(38)を介して「免許停止になるから何とかならないか」と違反のもみ消しを白川代議士の現職秘書(39)に依頼していたことが23日、県警捜査二課の調べや関係者の話などから分かった。また、自営業者はもみ消しの謝礼として、前県警交通機動隊長の大沢紀士容疑者(60)=公電磁的記録不正作出などの容疑で逮捕=にも商品券を渡すつもりだったことも分かった。このため捜査二課では、現職秘書から大沢容疑者への具体的な依頼内容などについて、詳しく調べている。

 調べなどによると、自営業者は24キロ超の速度違反をした昨年10月8日の当日、白川氏の元秘書に電話でもみ消しを依頼。元秘書がその日のうちに白川氏の現職秘書に電話でもみ消しを頼んだところ、現職秘書は取り次ぎを承諾したという。
 約1週間後、自営業者は元秘書の指示で警察側と取り次いだ現職秘書に、3万円分ずつ計6万円分の商品券を用意。元秘書が現職秘書に渡したところ、現職秘書が「警察の分はいらない」と言ったため、現職秘書と元秘書の2人で折半したという。

 捜査二課では、もみ消しの依頼について、現職秘書が大沢容疑者にどのような働きかけをしたか、調べを進めている。この点について現職秘書側は「(大沢容疑者に)免停になるかどうか、問い合わせただけだ」と説明している。

 また、違反記録はいったん県警のコンピューター端末に入力され、10月末ごろに違反記録の通知が自営業者に送られたため、自営業者は「謝礼を渡したのに免許の点数が減点された」と元秘書に抗議。元秘書が現職秘書に問い合わせると、「大丈夫だ」と答えたという。捜査二課は、これと前後して、大沢容疑者がかつての部下の前運転管理課行政処分係長の曽根原望容疑者(50)に指示して、違反記録を抹消したとみている。

首相、新潟県警を強く批判

2000年3月20日 10時39分
 小渕恵三首相は19日午後、新潟県警幹部が自民党衆院議員秘書の依頼を受け、交通違反の行政処分をもみ消したことなどに対して「一連の不祥事に県民や国民の厳しい批判が上がっている中、今回の幹部の事件は極めて遺憾だ。厳正な捜査はもとより、県民との信頼回復に全力を注ぐべきだ」と強い不快感を表明した。
首相官邸で記者団の質問に答えた。

新潟県警の違反もみ消し、抹消記録照合作業でも見落とす

03:24a.m. JST March 22, 2000
 新潟県警幹部がコンピューターを不正操作して、交通違反の記録をもみ消していた事件で、記録を管理している県警運転管理課が毎日、業務の終了後、抹消した件数と、抹消する際に作成が義務づけられている「抹消登録票」を照合していたにもかかわらず、前交通機動隊長の大沢紀士容疑者(60)=公電磁的記録不正作出などの疑いで逮捕=らによる不正を見落としていたことが、21日わかった。大沢容疑者らは、抹消登録票を作らずに抹消しており、照合作業が適正に行われていれば気付いていた可能性が大きかったとみられる。

 交通違反の記録は、人身事故でけがの程度が登録時点より軽くなり、訂正が必要になったときなどに抹消されることがある。

  捜査二課などの調べによると、昨年10月下旬、大沢容疑者から、スピード違反をした同県内の自営業者(45)の違反記録をもみ消すように指示を受けた前運転管理課行政処分係長の曽根原望容疑者(50)=同=は、抹消登録票を作らずに、無断で抹消手続きをしていたことがわかっている。

 違反記録が保存されているコンピューターを一元管理する警察庁によると、業務終了後、その日抹消した内容と件数は、各都道府県警ごとに分かる仕組みになっている。1984年の通達で、データ抹消については毎日チェックするよう指導してきた。

警視らを交通違反もみ消し容疑で逮捕、新潟県警

02:13a.m. JST March 19, 2000
 新潟県警捜査二課は19日、同県の自民党代議士の秘書から依頼を受け、同県警のコンピューター端末を不正に操作して、交通違反の行政処分をもみ消したとして、同県警交通部の大沢紀士交通機動隊長(60)=警視=と同部運転管理課係長(50)の2人を電磁的記録不正作出などの容疑で逮捕した。もみ消しを依頼したとされる代議士秘書からも同容疑で事情を聴いている。大沢容疑者と代議士秘書との間で現金授受の疑いも浮上しており、同課ではこの点についても詳しく事情を聴くことにしている。新潟県警では女性の長期監禁事件をめぐり、女性の発見当日に前本部長ら幹部が温泉ホテルでマージャンをしていたことが発覚、処分を受けたばかり。

 調べでは、代議士秘書は昨年、同県在住の支持者から交通違反について相談を受け、大沢容疑者に行政処分のもみ消しを依頼。同容疑者は県警のコンピューターに保存されていたこの支持者の行政処分記録を削除した疑い。

 大沢隊長は1994年3月から県警本部の運転管理課交通聴聞官を務め、98年3月から交通機動隊長。今年退職の予定で、今月23日付で警務部付への異動が決まっている。

「住民サービス課」を新設

2000年3月24日 18時16分
 神奈川県警の組織的な不祥事隠しや新潟県警のずさんな事件対応など警察不信が続く中、同じように不祥事を抱える愛知県警は住民に警察を身近に感じてもらい、要望に的確に対応できるよう4月1日に「住民サービス課」を新設する。

 被害者対策室や住民コーナーなどとして警務課内にあった業務を統合したもので、課としての新設は全国で初めて。


113人を逮捕、書類送検

2000年3月19日 17時30分
 昨年9月の神奈川県警を、はじめとして全国の警察で次々と明るみに出た不祥事は、約半年間で166件にも上ることが19日までの共同通信社の全国まとめで分かった。このうち事件のもみ消しや捜査情報の漏えい、わいせつ行為など悪質なケースで延べ113人の警察官・警察職員が逮捕、書類送検され、監督責任を含め懲戒免職や減給などの行政処分は434人に上った。

自民検討委がノンキャリア登用拡大など警察改革案

1:38p.m. JST March 14, 2000
 新潟県警・警察庁幹部による一連の不祥事を受け、警察行政のあり方を見直している自民党の警察行政刷新検討委員会(松永光委員長)は14日、監察制度や都道府県警本部長の任用、国家公安委員会の運営――を柱に改革案をとりまとめる方針を決めた。地元採用のノンキャリアの登用拡大や、公安委員会に専属の事務局を設けることなどが盛り込まれる。松永氏と亀井静香政調会長が調整し、14日午後、与党3党の政策責任者会議に提案する。

 監察制度充実の具体策について委員会では、同じ郵政省内にありながら、一般の郵政業務とは切り離された形で実施されている「郵政監察」方式を含め、何らかの外部監察の導入を求める声が出ている。

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