TOPIC No. 2-78 埼玉保険金殺人事件

01.埼玉保険金殺人事件を読み解く Web現代(2000.03.29)
02.埼玉保険金殺人事件 Mainichi INTERACTIVE

埼玉保険金殺人:八木被告に死刑求刑 「極悪事件の中心」

2002年08月08日[毎日新聞] Mainichi INTERACTIVE
   
 埼玉県本庄市の保険金殺人事件で中心人物として殺人罪などに問われた金融業、八木茂被告(52)への論告求刑公判が8日、さいたま地裁(若原正樹裁判長)であった。被告は起訴事実を全面否認しているが、検察側は「ほかに類例を見ない手口で殺害するなど計画的、極悪な事件の中心人物」と死刑を求刑した。

 89回目の公判となったこの日、八木被告の表情からは、逮捕前に200回以上も有料記者会見を開いて無罪を主張し続けたころの精かんさは消え、ほおはこけあごひげが伸びていた。薄笑いを浮かべながら満員の傍聴席を見渡して被告人席につくと、腕組みをして検察官の読み上げる論告を聞いていた。また何度も傍聴席を目で追い、時折ニヤリと笑ってみせた。

 論告などによると、八木被告は店の常連客3人を殺して保険金をだまし取ろうと、殺害を武まゆみ受刑者(35)ら女3人に指示。95年、元工員、佐藤修一さん(当時45歳)にトリカブト入りパンを食べさせて殺し、保険金3億円余りをだまし取った。99年には元パチンコ店員、森田昭さん(当時61歳)に多量の風邪薬と酒を長期間飲ませて殺した。もう1人の客に対する殺人未遂罪などにも問われている。

 武受刑者ら3人の無期懲役〜懲役12年が確定した判決では、「八木被告主犯」が認められている。 【高島博之】

埼玉保険金殺人:八木被告らに約1億円の支払い命じる判決

2002年07月24日[毎日新聞] Mainichi INTERACTIVE
 
 埼玉県本庄市の保険金殺人事件に絡み、生命保険大手の安田生命(東京都新宿区)が、殺人罪などで公判中の金融業、八木茂被告(52)ら4人を相手取り、支払った保険金の返還を求めた損害賠償請求訴訟で、さいたま地裁(田中壮太裁判長)は24日、請求通り八木被告に他の3人と連帯して約1億円を支払うよう命じる判決を言い渡した。八木被告は同様の訴訟を他に2件起こされているが、判決は初めて。刑事裁判の結審を前に、民事裁判で保険金殺人が認定された形となった。

 判決によると、八木被告ら4人は、佐藤修一さん(当時45歳)にかけた保険金を詐取する目的で殺害して死体を利根川に遺棄。佐藤さんが自殺したように装って保険金を請求し、95年8月3日、同社から計約1億円の保険金を受け取った。

 4人に対しては、安田生命、日本生命、埼玉県民共済生活協同組合の3事業者が、計約2億8800万円の損害賠償を求めて訴えていた。武まゆみ(35)=無期懲役確定▽森田考子(40)=懲役12年確定▽アナリエ・サトウ・カワムラ(37)=同15年確定=の3受刑者については、いずれも支払いを命じる判決が確定している。

 刑事裁判で八木被告は起訴事実を全面否認しており、8月8日に論告求刑公判、同12日に八木被告の意見陳述などが行われ結審する予定。

埼玉保険金殺人事件:日本生命が八木被告らに損害賠償訴訟

2001年03月19日[毎日新聞] Mainichi INTERACTIVE
 埼玉県本庄市の保険金殺人事件で、生命保険大手の日本生命(本社・大阪市)が、殺人罪などで起訴されている八木茂(51)ら4被告を相手取り、支払った保険金約1億8000万円に対する損害賠償請求訴訟を浦和地裁に起こしたことが19日、分かった。約1億円の保険金を支払った安田生命(本社・東京都新宿区)も同様の訴訟を検討中だ。

 訴えによると、4被告にトリカブト入りのあんパンを食べさせられるなどして1995年6月に死亡したとされるアナリエ・サトウ・カワムラ被告(35)の夫の元工員(当時45歳)には、アナリエ被告を受取人に3口計1億8000万円の日生の終身保険が掛けられていた。八木、アナリエら4被告は、元工員が自殺したとして偽の遺書を示すなどして保険金の支払いを請求し、満額を受け取った。

 日生は「義務のない支払いを余儀なくされて損害を被った」と主張。4人が連帯して賠償するよう求めている。

 4被告は、3人に対する保険金目的の殺人や殺人未遂などで起訴されているが、実際に受け取った保険金は、元工員に対する日生と安田生命と3団体に対する計8口約3億円とされる。

八木容疑者ら追起訴 本庄トリカブト事件で浦和地検

2000.12.13(19:30)asahi.com
 埼玉県本庄市の保険金殺人・未遂事件で、浦和地検は13日、3億200万円の保険金目当てに元工員(当時45)を猛毒のトリカブトで殺害したとして、金融業八木茂容疑者(50)ら4人を殺人罪で浦和地裁に追起訴した。埼玉県警は14日にも保険金詐欺の容疑で4人を再逮捕する。4人は計約11億4000万円にのぼる保険金をだまし取ろうと男性2人に風邪薬などを飲ませて殺傷したなどとして殺人罪などですでに起訴されている。

 ほかに追起訴されたのは元工員の妻だった飲食業アナリエ・サトウ・カワムラ(35)、同武まゆみ(33)、無職森田考子(たかこ)(38)の各容疑者。

 起訴状などによると、4人は元工員を殺害して保険金を詐取しようと計画。5社8口計3億200万円の生命保険に加入させた後の1995年6月、トリカブトの根約7グラムを刻んであんに混ぜたあんパンを元工員に食べさせて殺害したとされる。4人は元工員にうそを言って遺書のようなものを書かせていたという。

保険金は計8口、3億円余 埼玉・本庄市の保険金殺人

2000.11.22(16:09)asahi.com
 埼玉県本庄市の保険金殺人・未遂事件で、トリカブトで殺害されたとされる元工員(当時45)の死亡保険金計3億200万円の全容が22日わかった。契約は5社の計8口にのぼり、1992年秋から93年春にかけて集中的に加入していた。1日に3口加入した例もある。手続きを主に行ったのは事件の中心人物とされる金融業八木茂(50)、飲食店員武まゆみ(33)=いずれも殺人容疑で再逮捕=の両容疑者で、本庄署捜査本部は集中加入の時期に八木容疑者らが元工員殺害の謀議を重ねたとみている。

 八木容疑者らはすでに、元パチンコ店従業員(死亡当時61)と元塗装工(39)の2人を保険金目当てに殺傷したとして起訴されている。2人にかけられていた保険金は計34口の11億4000万円だったことが明らかになっており、これに今回の逮捕容疑となった元工員の分を加えると、八木容疑者らが加入させた保険金は計42口、14億4200万円にのぼることになる。

 調べでは、元工員の保険契約は死亡保険金だけで、受取人はすべて妻の飲食業アナリエ・サトウ・カワムラ容疑者(35)=殺人容疑で再逮捕=だった。最初の加入は結婚から1カ月後の90年12月。その後、92年10月からの約半年間で5口契約した。

 契約先は国内の大手生保が中心で、93年5月1日には生保2社との間で1日に3口、計1億8000万円の契約を交わす異常な状況だった。

 保険金の掛け金は8口で月に約23万円にのぼり、その大半を八木容疑者が負担していたという。

 元工員の遺体が行田市の利根川で見つかったのは95年6月14日。行方がわからなくなってから11日後だった。

 保険金は翌月以降、アナリエ容疑者に全額支払われた。しかし、保険金はその直後に八木容疑者が関与しているとみられる複数の口座に分散して移されたり、現金で引き出されたりし、アナリエ容疑者は数百万円を受け取っただけだったとされる。

八木被告ら4人を逮捕 トリカブトで殺害の容疑

2000.11.21(18:26)asahi.com
 埼玉県本庄市の保険金殺人・未遂事件で、金融業八木茂被告(50)=殺人などで起訴=らが飲食業アナリエ・サトウ・カワムラ被告(35)=同=の夫だった工員(当時45)についても、猛毒のトリカブトを飲食させて殺害した疑いが強まり、本庄署捜査本部は21日、八木被告ら4人を殺人容疑で逮捕した。アナリエ被告には工員の保険金3億200万円が支払われ、大半が八木被告に渡ったとされる。捜査本部は保険金詐欺容疑についても刑事責任を問う。八木被告が逮捕されたのは4度目。

 再逮捕されたのは八木、武、アナリエの3被告と森田考子(たかこ)被告(39)の4人。

 調べでは、八木被告らは工員を殺害して保険金を詐取しようと計画。計3億200万円の生命保険に加入させた後、武被告がトリカブトをせんじたり、根をすりつぶしてまんじゅうに混ぜたりして飲食させ、95年6月3日ごろ工員を殺害した疑い。

 工員は本庄市の自宅で死亡し、遺体は八木被告と飲食店員武まゆみ被告(33)=同=が車で運び、夜、利根川に流したとされる。

 武、森田被告は容疑をほぼ認め、八木、アナリエ被告は否認している。

 工員は八木被告が経営していた飲食店で八木被告らと知り合い、1990年11月にフィリピンでアナリエ被告と結婚した。

 ところが、95年6月3日ごろ行方不明となり、同月14日、行田市の利根大堰(おおぜき)で遺体が発見された。行田署は遺体に外傷がなく遺書が届いたこと、司法解剖でも水死とする見方があったことなどから自殺と断定した。

 捜査本部は、計11億4000万円にのぼる保険金を詐取しようと、風邪薬や高濃度の酒を大量に飲ませて2人の男性を殺傷したなどとして今年3月以降、4被告を殺人などの容疑で逮捕。その後は工員の急死について調べを進めていた。

 武被告は(1)八木被告の指示で工員にトリカブトを約1年間飲食させた(2)初めはせんじて飲ませたが効かず、その後はトリカブトの根をすりつぶしてまんじゅうのあんなどに混ぜて食べさせた(3)工員は急激に弱って自宅で死んだ(4)遺体は八木被告と2人で車で運び、夜、川に流した――などと供述。森田被告も殺害計画を事前に聞かされていたなどと認めた。

 こうした供述に基づいて遺体の臓器を改めて調べたところ、トリカブトの毒素が加水分解した際にできる成分が検出された。検出成分は微量だったが、専門家の意見などから、飲食させた当時は致死量だったと捜査本部は判断した。

保存臓器からトリカブトに似た成分 埼玉保険金殺人事件

2000.10.20(00:57)asahi.com
 埼玉県本庄市の保険金殺人・未遂事件で、殺人罪などで起訴された飲食業アナリエ・サトウ・カワムラ被告(35)の元夫で5年前に死亡した工員(当時45)の臓器から、猛毒として知られるトリカブトに似た成分が検出されたことが19日わかった。工員の死亡保険金3億200万円は大半が金融業八木茂被告(50)=殺人罪などで起訴=に渡ったとされる。本庄署捜査本部は八木被告らが工員にトリカブトを食べさせた疑いがあるとみているが、工員の死因は水死と確認されており、5年前に何があったか慎重に調べを進めている。

 八木被告は一連の起訴事実をいずれも否認し、工員にトリカブトを食べさせたとされる疑惑についても否定している。

 工員は八木被告が経営する本庄市の飲食店で八木被告と知り合い、1990年11月、アナリエ被告と結婚。95年6月、行田市の利根川で遺体で見つかった。

 行田署は当時、遺体に外傷がなく、遺書が残っていたことや、司法解剖で水死と確認されたことなどから自殺と断定した。

 ところが、八木被告と親しかった飲食店員、武まゆみ被告(33)=殺人などの罪で起訴=が調べに対して「トリカブトの茎を刻み、まんじゅうに混ぜて元工員に食べさせた」「トリカブトは八木被告と長野県に採りに行った」などと供述を始めた。

 そこで保存されていた工員の臓器の鑑定を捜査本部が専門家に依頼したところ、トリカブトの毒に似た成分が検出された。また、武被告の供述通り、長野県の八ケ岳山中で自生のトリカブトが見つかったという。

 工員には計3億200万円の死亡保険金がかけられ、保険金の請求手続きには八木被告と武被告がアナリエ被告とともに同席。保険金の大半は八木被告側に流れ、八木被告はこの資金をもとに金融会社を設立したり、ほかの知人名義の生命保険の掛け金を支払ったりしていたとされる。

八木茂ら4容疑者を殺人罪で追起訴 浦和地検

2000年5月30日Mainichi Interactive

 埼玉県本庄市の保険金殺人事件で、浦和地検は30日、同市寿2、金融業、八木茂(50)▽同市日の出3、小料理店長、武まゆみ(32)▽同市寿2、パブ店長、アナリエ・サトウ・カワムラ(35)▽同県児玉町高関、元小料理店員、森田考子(たかこ)(38)の4容疑者を殺人罪で浦和地裁に追起訴した。偽装結婚、殺人未遂の両事件に次いで3回目の起訴。

 起訴状によると、4被告は共謀し、森田被告が偽装結婚した元パチンコ店従業員、森田昭さん(当時61歳)に計1億7000万円の死亡時保険金を掛けて殺害しようと計画。1998年8月ごろから昨年5月まで、武被告の小料理店で、解熱・鎮痛成分「アセトアミノフェン」を含む風邪薬を大量に飲ませるなどして、同月29日、副作用の免疫力低下によるう化膿(のう)性胸膜炎と肺炎で死亡させた。

 八木、武、アナリエの3被告は、昨年5月30日に入院した元塗装工、川村富士美さん(39)に約10億円の保険を掛け、同様に殺害しようとしたとして殺人未遂罪にも問われている。地検は川村さん殺人未遂事件について森田被告を殺人未遂ほう助罪と認定した上で30日、起訴猶予処分とした。

 八木被告は、一連の事件への関与を依然否認しているが、他の3被告は認めている。

 周辺の8人に計約24億円もの生命保険を掛け、うち2人に対して風邪薬で殺害を図ったとされる埼玉県本庄市の保険金殺人事件について、浦和地検は30日、元パチンコ店従業員、森田昭さんの殺人罪で金融業、八木茂ら4容疑者を追起訴した。捜査当局は、アナリエ・サトウ・カワムラ被告の前夫の佐藤修一さん(当時45歳)が死亡し、多額の保険金が支払われた疑惑を「原点」として全容解明を進めてきたが、佐藤さんの事件は立件のめどが立たず、今回の追起訴で捜査は事実上終結に向かう。

 佐藤さんは1995年6月、同県行田市内の利根川で遺体で発見され、アナリエ被告に約3億円の保険金全額が支払われたが、大半が八木被告に流れた。捜査当局は、八木被告が遺体の捜索を知人に頼み、発見した際の報酬まで約束していたことや、保険契約に八木、武まゆみの両被告が立ち会ったことなど不審な点が多いため、唯一保険金が支払われたこの疑惑を立件の最終目標に置いてきた。

 しかし、中心人物の八木被告が一連の事件について一貫して否認したうえ、起訴された殺人未遂と殺人と両事件で風邪薬を飲ませる実行役となり、容疑を認めた武被告からも、佐藤さんの疑惑についての供述は得られなかった。

 一連の捜査では、偽装結婚や不自然な保険契約などの状況証拠がそろう中、市販の風邪薬による殺人の立証が難関となった。県警は、鑑定などに基づく薬の致死性、服用と死亡との因果関係の立証に、1年にわたる捜査の大半を割いてきた。このほか、八木被告らが薬の危険性を認識し、薬を飲まざるを得ない状況に被害者を追い込んでいたことなどを立証できたとして、捜査当局は公判維持に自信を見せる。

 八木被告が否認を続けていることから、公判では、犯罪史上初めて風邪薬を凶器と認定する根拠になった鑑定の妥当性などが争点になるとみられる。

八木容疑者ら4人を殺人容疑で再逮捕 本庄・保険金殺人

7:54p.m. JST May 09, 2000 asahi.com
 埼玉県本庄市の保険金殺人・同未遂疑惑で、本庄署捜査本部は9日、大量の風邪薬などを長期間飲ませて元パチンコ店員(死亡当時61)を殺害したとして、金融業八木茂容疑者(50)=殺人未遂などの罪で起訴=ら4人を殺人容疑で再逮捕した。4人の逮捕は公正証書原本不実記載・同行使容疑、殺人未遂容疑に次いで3回目。捜査本部はアナリエ・サトウ・カワムラ容疑者(35)の夫(当時45)が5年前に水死した経緯についても慎重に事実関係を調べている。

 八木容疑者のほかに再逮捕されたのは飲食業武まゆみ(32)、同アナリエ、無職森田考子(たかこ)(38)=公正証書原本不実記載などの罪で起訴=の3容疑者。

 調べでは、4人は元パチンコ店員を殺害して保険金を詐取しようと共謀。1997年5月、森田容疑者を保険金の受取人に仕立てるために元パチンコ店員と偽装結婚させたうえ、98年8月ごろから約10カ月間にわたり、「栄養剤」とだまして市販の風邪薬などを大量に飲ませ続けて殺害した疑い。

 元パチンコ店員は昨年5月29日未明、八木容疑者が経営する飲食店で体調不良を訴え、自宅に運ばれる途中に死亡した。

 風邪薬は主に八木容疑者が購入し、武容疑者が手渡して飲ませたとされる。その際には、酒などを混ぜ合わせてアルコール度を高くした飲料も併せて飲ませていたとされる。

 元パチンコ店員は死亡した当時、八木容疑者らによって約1億7000万円の生命保険に加入させられていたが、県警が捜査に着手したことなどを理由に保険金は支払われていない。

八木容疑者ら3人を殺人未遂罪で起訴 浦和地検

8:02p.m. JST May 08, 2000 asahi.com
 埼玉県本庄市の保険金殺人未遂事件で、浦和地検は8日、金融業八木茂容疑者(50)ら3人=いずれも公正証書原本不実記載などの罪で起訴=を、殺人未遂の罪で浦和地裁に起訴した。八木容疑者らは昨年5月に入院した元塗装工(39)にかけた保険金を詐取しようと、大量の風邪薬を長期間飲ませて殺害を図ったとされる。本庄署の捜査本部は昨年5月に死亡した元パチンコ店員(当時61)に風邪薬を飲ませて殺害した疑いがあるとして、この日処分保留となった1人を含む4人全員を9日にも殺人容疑で再逮捕する。

 ほかに起訴されたのは飲食業武まゆみ(32)、無職アナリエ・サトウ・カワムラ(35)の2容疑者。同森田考子(たかこ)被告(38)=公正証書原本不実記載などの罪で起訴=は、関与の度合いが薄いとして処分保留とされた。

 起訴状によると、八木、武、アナリエの3容疑者は共謀して、1998年7月ごろから約10カ月間にわたり、「栄養剤」とだまして大量の市販の風邪薬をアルコール度の高い酒とともに飲ませて元塗装工を殺害しようとしたとされる。

 元塗装工は八木容疑者らによって、計約10億円の生命保険に加入させられていた。風邪薬は主に八木容疑者が大量に購入し、武容疑者が元塗装工に手渡して飲ませていたとされる。

 元塗装工は昨年5月30日未明、手足のしびれなどを訴えて入院。風邪薬の主成分アセトアミノフェンなどによる慢性薬物中毒で肝機能障害になっており、そのまま飲み続ければ死ぬ可能性があったと浦和地検はみている。

 その前日には森田容疑者が偽装結婚したとされる元パチンコ店員が急死。この店員も多額の生命保険に加入し、元塗装工と同じ薬を飲まされていたという。

9日に殺人で4人を再逮捕

2000年5月7日 16時00分共同
 埼玉県本庄市の保険金殺人疑惑で、本庄署捜査本部は計1億7600万円の生命保険金をだまし取ろうと、元パチンコ店員森田昭さん=当時(61)=に長期間にわたり多量の風邪薬をのませ殺害したとして、殺人の疑いで、金融業八木茂容疑者(50)ら4人を9日、再逮捕する。

 これに先立ち浦和地検は8日、元塗装工川村富士美さん(39)に対する殺人未遂罪で4人を追起訴する。

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連休明けに殺人で再逮捕へ

2000年5月4日 15時58分 共同
 埼玉県本庄市の保険金殺人疑惑で、本庄署捜査本部は4日までに、計1億7600万円の生命保険金をだまし取ろうと元パチンコ店員森田昭さん=当時(61)=に長期間にわたり多量の風邪薬をのませ殺害したとして、連休明けにも殺人の疑いで金融業八木茂容疑者(50)ら4人を再逮捕する方針を固めた。

 4人は先月16日、元塗装工川村富士美さん(39)に対する殺人未遂容疑で再逮捕された。

現金かけて「一気飲み」

2000年4月17日 16時40分
埼玉県本庄市の保険金殺人疑惑で、殺人未遂容疑で再逮捕された金融業八木茂容疑者(50)が自分が実質的に経営するスナックで「小遣いをあげる」と持ち掛け、元塗装工川村富士美さん(38)ら多額の保険を掛けた複数の男性にブランデーを一気飲みさせる「懸賞ゲーム」をしていたことが

本庄事件、八木容疑者ら4人を殺人未遂容疑で再逮捕

8:03p.m. JST April 16, 2000
 埼玉県警本庄署の捜査本部は16日、金融業八木茂容疑者(50)ら4人を殺人未遂容疑で再逮捕した。4人は保険金目当てに知人の元塗装工(38)の殺害を図ったとされる。このうち森田考子容疑者(38)は任意段階の事情聴取に対して殺害計画への関与をいったん認め、その後否定していた。捜査本部は疑惑の全容解明に向けてこの日から捜査を本格化させ、急死した元パチンコ店員(当時61)に対する殺人容疑についても立件をめざす。4人は容疑を否認しているという。

八木、森田の両容疑者のほかに再逮捕されたのは、飲食業の武まゆみ(32)、無職のアナリエ・サトウ・カワムラ(35)の2容疑者。

調べによると、4人は元塗装工を殺害して保険金をだまし取ろうと計画。1998年5月ごろから約1年間にわたって市販の風邪薬を大量に飲ませ、元塗装工を薬物中毒にして殺害しようとした疑い。

元塗装工は昨年5月に入院。風邪薬の主成分アセトアミノフェンなどによる慢性薬物中毒で肝機能障害になっていた。元塗装工は八木容疑者らによって約10億円の生命保険に加入させられていた。八木容疑者らはその保険金の受取人に仕立てるため、アナリエ容疑者を元塗装工と偽装結婚させたとして、公正証書原本不実記載などの罪で浦和地裁に起訴されている。

風邪薬は主に八木容疑者が本庄市などで大量に購入し、武容疑者が元塗装工に手渡して飲ませていたとされる。森田容疑者は元塗装工の殺害計画を知りながら、保険の掛け金の一部を出資していたという。

元塗装工が入院する前日に急死した元パチンコ店員も多額の生命保険に加入し、同じ風邪薬を服用させられていたとされる。

偽装結婚で4人を起訴へ

2000年4月15日 16時34分
 埼玉県本庄市の保険金殺人疑惑で、浦和地検は15日、偽装結婚に絡む公正証書原本不実記載、同行使の罪で、金融業八木茂容疑者(50)と小料理店従業員武まゆみ容疑者(32)ら女性3人を起訴する。これを受けて本庄署捜査本部は16日にも、元塗装工川村富士美さん(38)に対する殺人未遂の疑いで4人を再逮捕する方針。市販の風邪薬を凶器に使った殺人計画での逮捕は前例がない。

八木容疑者らの拘置延長

2000年4月5日 18時57分
 埼玉県本庄市の保険金疑惑に絡み浦和地裁は5日、公正証書原本不実記載などの疑いで逮捕、拘置中の金融業者八木茂(50)、スナック従業員アナリエ・サトウ・カワムラ(34)、金融会社勤務森田考子(38)、小料理店従業員武まゆみ(32)の4容疑者について、6日から15日まで10日間の拘置延長を認める決定をした。

八木容疑者、月150万円の保険掛け金支払う

3:32p.m. JST March 28, 2000
 埼玉県本庄市の保険金殺人・同未遂疑惑で、金融業八木茂容疑者(50)=公正証書原本不実記載などの容疑で逮捕=が払っていた保険の掛け金は昨年5月時点で月約150万円にのぼることがわかった。保険金の総額は約24億円にのぼる。保険に加入させられていたのは少なくとも男女9人おり、大半は八木容疑者経営の金融会社・国友商事などから借金したり、八木容疑者とともに逮捕された3人の容疑者と結婚したりしていた。捜査本部は加入契約の経緯に不審な点があるとして、保険会社からも事情を聴いている。

 この疑惑では、アナリエ・サトウ・カワムラ(34)=同=、森田考子(38)=同=の両容疑者の名義上の夫にあたる元塗装工(38)と元パチンコ店員(死亡当時61)、それにアナリエ容疑者の前夫だった工員(同45)の3人が、受取金計14億4000万円にのぼる保険に加入していたことがすでに明らかになっている。
新たに保険加入が分かったのは武まゆみ容疑者(32)=同=の前夫の国友商事元社員(49)と別の元社員(32)、元トラック運転手(32)、八木容疑者の知人のスナック店主ら。

 元塗装工は八木容疑者から千数百万円借りていた。1998年4月ごろ、「お前に死なれたら借金を返してもらえなくなる」と八木容疑者から保険契約を持ちかけられた。「加入したら1万円やる」「アナリエと結婚したら借金をチャラにする」とも言われて契約を承諾し、結婚もした。

 車のローン支払い分を八木容疑者から借りていた国友商事元社員は「ダンプカーを運転していると何が起きるか分からない。保険に入った方がいい」と助言され、5000万円の契約に同意した。

 契約時には「受取人は母親にしておく」と保険会社側に言われたが、実際の受取人は国友商事だった。八木容疑者らが保険証書を管理していたため、その事実を県警の事情聴取で聞くまで気付かなかったという。

株購入に7000万円使う

2000年3月26日 17時21分
 埼玉県本庄市の保険金殺人疑惑に絡み、1995年に水死し、アナリエ・サトウ・カワムラ容疑者(34)の戸籍上の夫だった無職佐藤修一さん=当時(45)=の約3億円の保険金のうち、約2億8000万円が、金融業八木茂容疑者(50)に渡り、7000万円を株購入に使っていた可能性が高いことが26日までの本庄署捜査本部の調べで分かった。

 しかし株価が下がり、数千万円の損を出していたという。

保険金殺人疑惑 八木容疑者らを送検

1:00p.m. JST March 26, 2000
 埼玉県本庄市の保険金目当ての偽装結婚事件で、県警本庄署捜査本部は26日、公正証書原本不実記載・同行使容疑で逮捕した金融業八木茂容疑者(50)=本庄市寿=ら4人を浦和地検に送検した。同容疑者は本庄署2階の取調室から外の階段を下りる時「すぐ帰ってくるよ」と発言。護送車で同署を出る際には、報道陣にVサインをしてみせた。

 ほかに送検されたのは、▽飲食業武まゆみ(32)=本庄市日の出=▽元ホステス森田考子(38)=同県児玉町高関=▽フィリピン人元ホステス、アナリエ・サトウ・カワムラ(34)=本庄市寿=の3容疑者。

 八木容疑者は同日午前11時ごろ、本庄署の階段に姿を現した。護送車に乗り込む際、1部報道陣から「社長」と呼び掛けられると、両手を掲げ「帰ったらまた記者会見をする」と笑顔で応じてみせた。

 捜査本部によると、八木容疑者は逮捕後、興奮した様子もなく口数は少ないが、取り調べに応じている。逮捕された女性容疑者3人について、様子を聞いたりすることもないという。容疑については「関係ありません」とはっきりした口調で否認している。ほかの女性容疑者3人も身の上話などには素直に応じるが、偽装結婚への関与については引き続き否定している。

 捜査本部は同日も、八木容疑者の金融会社「国友商事」などの家宅捜索を続行。同容疑者らが死亡した元パチンコ店員=当時(61)=と重体に陥った元塗装工(38)の2人を偽装結婚させ、殺害して保険金をだましとろうとした疑惑の全容解明を急ぐ。(時事)

八木容疑者が「殺せ」

2000年3月26日 9時54分
 埼玉県の保険金殺人疑惑で逮捕された金融業八木茂容疑者(50)の知人で、元会社役員の男性(49)が昨年9月、同県警本庄署に提出していた上申書の全容が25日、明らかになった。上申書で男性は約3億円の保険加入の経緯や死亡した元パチンコ店員森田昭さんを「事故死に見せ掛けて殺せ」と命令を受け、最後には「親孝行のため事故死しろ」と自殺を強要されたことなどを暴露している。

八木茂という男、自ら死なせる支配術 保険金殺人疑惑

06:09a.m. JST March 26, 2000
 貧しく、身寄りの少ない男たちに、住まいと仕事を与える。男たちは自分が多額の生命保険に加入したと知っても表立っては異を唱えず、体調を崩しても「栄養剤」を飲み続けた。偽装結婚を仕組んだとして逮捕された埼玉県本庄市の金融業八木茂容疑者(50)は、そんな男たちや保険金目的の殺人計画に関与したとされる女たちと、共同体のような生活を送っていた。埼玉県警の本庄署捜査本部は八木容疑者をめぐる特異な人間関係に注目し、事件の全容を解明するかぎになるとみて調べを進めている。

 八木容疑者は元塗装工の男性(38)を10億円近い生命保険に入らせ、その保険金目当てに風邪薬の錠剤を大量に飲ませて殺害を図ったとされる。

 この男性は薬物中毒で入院、それまでの生活は事実上、八木容疑者に支配されていた。住んでいたプレハブを建てたのも、働いていた鉄工所を紹介したのも、ともに八木容疑者。30万円近い月給は八木容疑者への借金の返済と光熱費でほとんど消えた。

 八木容疑者から「1口入れば1万円やる」と言われて結局25口もの生命保険に入った。アナリエ・サトウ・カワムラ容疑者(34)=公正証書原本不実記載などの容疑で逮捕=と結婚したのも、「借金をチャラにするから」と八木容疑者に勧められたからだったとされる。

 八木容疑者が経営する飲食店に入ると、武まゆみ容疑者(32)=同=から山盛りの錠剤を渡された。「栄養剤」と言われた。飲むと気分が悪くなるので「おかしい」と思ったが、勧められるままに飲み続けた。

 調べに対して男性は「ここにいれば飯と宿がある。飲むしかなかった」と話した。

 八木容疑者は本庄市の中学校を卒業した。運転免許もないうちからトラックに乗って砂利を運び、10代で独立。年上の従業員を雇ってダンプカーを数台所有し、運送会社の下請けをしたという。

 20代でカラオケスナックを開き、繁盛させたこともある。多数の保険外交員と知り合いで、金を貸したり飲みに行ったりして付き合いを深めた。

 「八木さんは本当によくめんどうをみてくれる。信用している。八木さんになら殺されてもいい」

 八木容疑者と親しい別の男性(63)は、捜査員にこう話した。この男性は、武容疑者と4年前に結婚し、9カ月後に離婚した。「栄養剤」を勧められたことはない。捜査本部はこの男性について「持病があったため、保険に入れなかった」とみている。

 八木容疑者を慕った男たちには共通点がある。

  身寄りが少ない、金がない、そして従順。

 八木容疑者は札束を持ち歩き、頼めばその場で金を貸してくれ、金がなくてもつけで飲ませてくれる。

 だが、その借金は金利96%の高利だ。借金は膨れ上がる。八木容疑者に近づけば近づくほど身動きがとれなくなった。

 昨年5月、元塗装工の男性が「殺される」と言って病院に駆け込んだ後も、八木容疑者の言葉は自信に満ちていた。

 「いずれ帰ってくる。持ちつ持たれつなんだよ」

 女たちも八木容疑者に引き寄せられた。

 疑惑発覚以来、八木容疑者の周囲には武、アナリエ、森田考子(38)=同=の3容疑者の姿が常にあり、森田容疑者以外の2人は八木容疑者とともに「有料会見」の席に臨んだ。

 急死したり、入院したりした2人の男性にかけられた多額の保険金の受取人に八木容疑者の名はない。「妻」として、アナリエ、森田の両容疑者の名前が出てくるだけだ。

 保険金が支払われれば、この2人から八木容疑者に流れる可能性があったと捜査本部はみている。

保険金殺人疑惑、知人に出資持ちかけ「死んだら金入る」

03:06a.m. JST March 26, 2000
 埼玉県本庄市の保険金殺人疑惑で、金融業八木茂容疑者(50)=公正証書原本不実記載などの容疑で逮捕=が1998年秋ごろ、他人に生命保険をかけて保険金を受け取る計画を練っていることを知人に打ち明け、「おまえも1口乗らないか」と保険の掛け金を出資するよう持ちかけていたことが、25日までに、埼玉県警の本庄署捜査本部の調べで分かった。「ターゲット」として複数の債務者の名を挙げたという。薬物中毒で急死、入院した2人の男性にかけていた保険の掛け金だけでも当時、毎月数10万円の支払いがあり、捜査本部は八木容疑者が出資者や協力者を広く求めていたとみて重視している。

 捜査本部の調べによると、「出資」を持ちかけられたのは、八木容疑者と仕事上の取引関係にあった60代の男性。

 98年10月ごろ、八木容疑者はこの男性との2人きりの会話のなかで、7、8人の債務者の名前を挙げ、「返済の担保として生命保険に入らせている。死んだら金が入る」と話したという。名前を挙げたなかには、薬物中毒で入院した元塗装工(38)や、昨年5月に薬物中毒とみられる症状で急死した元パチンコ店従業員(当時61)もいた。

 八木容疑者は、「月10万円ぐらい出せば、後ででっかくなって返ってくるぞ」と言い、保険をかけた債務者が死亡したら、保険金は自分が受け取れることになっているようなそぶりをみせた。その上で、「おまえも1口乗らないか」と誘ったという。

 さらに八木容疑者は、保険をかけている債務者の女性の話に触れ、「あいつも目の玉黄色くなってきた」などとも話したという。

 知人男性はその後もたびたび八木容疑者に出資を持ちかけられたが、元塗装工ひとりに何億円もの保険がかけられていることを知って驚き、断ったという。

 元塗装工と元パチンコ店員にかけられた保険金の受取総額は、最終的に約11億4000万円に上り、当時でも毎月数10万円を支払っていた。掛け金のほとんどは八木容疑者が負担していたとみられている。

 逮捕された森田考子(たかこ)容疑者(38)も捜査本部の任意段階の事情聴取で、「元塗装工の殺害計画を明かされ、保険の掛け金に出資した」と供述していたことが分かっている。

風邪薬中毒がヒントか

2000年3月25日 16時56分
 埼玉県本庄市の保険金殺人疑惑に絡み、金融業八木茂容疑者(50)とともに公正証書原本不実記載、同行使容疑で逮捕された小料理店従業員武まゆみ容疑者(32)の父親が数年前、多量の風邪薬を飲んで中毒となり、入院していたことが25日、同県警本庄署捜査本部の調べで分かった。捜査本部は八木容疑者がこの中毒事故をヒントにして、殺害するため多量の風邪薬を飲ませた可能性もあるとみている。

保険分散し審査擦り抜け

2000年3月25日 17時44分
 埼玉県本庄市の保険金殺人疑惑で、急死した元パチンコ店員森田昭さん=当時(61)=と、薬物中毒とみられる症状で一時重症になった元塗装工川村富士美さん(38)にかけられた計約12億円の保険の全容が、25日までの本庄署捜査本部の調べで判明した。保険は合わせて16社31口で、5000万円以下が大半。捜査本部は、契約を小口分散することで、保険会社の審査を巧みに擦り抜けていたとみている。

11億円を16社34口に分け契約 本庄保険金殺人疑惑

7:09p.m. JST March 25, 2000
 埼玉県本庄市で昨年5月、薬物中毒で変死したり、入院したりした男性2人にかけられていた生命保険計16社34口の全容が25日、分かった。多数の生命保険会社と契約を繰り返す手口で加入は一昨年秋に集中、死亡保険金は計11億4000万円に上っていた。掛け金の多くは結婚を偽装したとして公正証書原本不実記載などの疑いで逮捕された金融業八木茂容疑者(50)が払い、多くは同じく逮捕された2人の容疑者が受取人になっていた。1日に5口契約するなど、掛け方が異常で、保険金が支払われれば八木容疑者に流れる可能性があったと捜査本部はみている。

 昨年5月に死亡したのは元パチンコ店従業員(当時61)。入院したのは元塗装工の男性(38)。

 元パチンコ店従業員は1997年5月8日に同県児玉町の無職森田考子容疑者(38)と、元塗装工は98年7月6日に本庄市の同アナリエ・サトウ・カワムラ容疑者(34)と、それぞれ結婚したとする届けがでている。

 しかし、この結婚は両容疑者を保険金の受取人にすることを目的にした偽装だった疑いがあり、捜査本部が調べている。

 関係者によると、元パチンコ店従業員が加入した生命保険は6社9口あり、受取金は計1億7300万円。受取人は4口が森田容疑者で計5口が法定相続人または本人。このうち死亡保険金がゼロの1口は途中で解約された。

 受取人が法定相続人の場合は、保険金のうちかなりの額が妻にわたる。

 最初の加入は結婚と同時期の97年5月で、98年9月から11月までの3カ月間に相次いで4口契約している。

 元塗装工の男性は16社25口で保険金の総額は9億6700万円。契約先は国内大手のほか、生協系や簡易保険、外資系など多岐にわたる。

  受取人はアナリエ容疑者が13口、法定相続人または本人が計9口。八木容疑者経営の金融会社「国友商事」が受取人の契約も1口あった。

  最初の契約は結婚2カ月前の98年5月。以下、6月と7月がともに2口、8月に4口と増え、9月3口、10月4口、11月から99年5月までの7カ月間に9口となっている。

 とくに98年10月1日は、1日に国内の大手4社との間で計1億8000万円の保険に加入していた。同じ10月1日には元パチンコ店従業員も1口加入しており、双方合わせると1日で計5口契約するという異常な状況だった。

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