TOPIC No.2-74-1 日本の人口/出生率

01 もうすぐ、日本人が「絶滅危惧種」になる日がやってくる 河合 雅司(2017.06.14) 
 by現代ビジネス プレミアム(講談社)
02 日本に必ず来る「人口急減」がもたらす大恐怖 山田 徹也 : 東洋経済 記者 
 (2018年04月04日) by東洋経済 ONLINE
03 人口推計(平成29年(2017年)11月確定値,平成30年(2018年)4月概算値) 
 (2018年4月20日公表)
04 日本の人口
05 人口の超長期推移(2004年6月22日収録、2007年2月19日更新)
06 歴史人口学からみた今と昔の日本(2006年07月07日) FIFTH EDITION
07 日本の人口統計 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
08 健康寿命 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
09 今話題の「健康寿命」ってナニ? 世界一の長寿国・日本の意外と長い“不健康
 寿命” 原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員] by DIAMOND online
10 日本に最適の人口は何人? 歴史人口学者、鬼頭宏


日本の人口、7年連続の減少 65歳以上の割合は最高に

2018年4月13日16時13分朝日新聞デジタル

 総務省は13日、2017年10月1日現在の人口推計を発表した。総人口は前年より22万7千人(0・18%)減の1億2670万6千人で、7年連続の減少。65歳以上の高齢者は56万1千人増の3515万2千人となり、総人口に占める割合は過去最高の27・7%だった。

 総人口は1億2808万4千人だった08年にピークを迎え、11年以降は減少が続いている。15〜64歳の生産年齢人口は前年に比べて60万人減って7596万2千人。総人口の60・0%で、比較できる1950年以降で51年と並んで2番目に少なかった。


平均寿命、男女とも過去最高更新 女性87.14歳 男性80.98歳

2017/7/27 15:30 日本経済新聞社

 2016年の日本人の平均寿命は女性87.14歳、男性80.98歳で、いずれも過去最高を更新したことが27日、厚生労働省の調査で分かった。前年に比べ女性が0.15歳、男性は0.23歳延びた。

過去最高の更新は女性が4年連続、男性は5年連続。国際比較では男女とも香港に次いで世界2位となった。

(注)厚労省資料から作成。カッコ内は前年の順位。スペイン、韓国、スイスは15年、キプロスは14年の数値

 香港の平均寿命は女性が87.34歳、男性が81.32歳。日本の女性は15年に引き続き2位で、男性は4位から2位になった。

 平均寿命は、死亡率が今後も変わらないと仮定し、その年に生まれた0歳児があと何年生きられるかを表す。厚労省の試算では、16年生まれの男女が後期高齢者となる75歳まで生きる割合は女性が87.8%、男性が75.1%。

 16年生まれが将来、がん、心臓病、脳卒中のいずれかで死亡する確率は女性が46.45%、男性が51.15%と試算した。これらの病気で亡くなる人がいなくなると仮定すると、平均寿命は女性で5.74歳、男性で6.95歳延びると推定した。

国・地域別の平均寿命(歳)

女性

1(1) 香港   87.34

2(2) 日本   87.14

3(3) スペイン 85.42

4(6) フランス 85.40

5(4) 韓国   85.20

男性

1(1) 香港   81.32

2(4) 日本   80.98

3(12) キプロス 80.90

4(2) アイスランド 80.70

4(2) スイス  80.70


出生数 初の100万人割れ 16年、出生率も低下1.44 /A>

2017/6/3 1:54 日本経済新聞社

 厚生労働省が2日発表した人口動態統計によると、2016年に生まれた子どもの数(出生数)は97万6979人で、1899年に統計をとり始めてから初めて100万人を割り込んだ。1人の女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)は1.44と前年を0.01ポイント下回った。マイナスは2年ぶり。出産適齢期の女性の減少が少子化に拍車をかけている。

 16年の出生数は前年比で2万8698人減った。05年に4万8191人減となって以来の大きな減少幅だ。死亡数は前年比1万7321人増の130万7765人。出生と死亡の差はマイナス33万786人で、10年連続の自然減となった。

 厚労省は出生数減少について「出産適齢期の女性が減ったのが大きい」とみる。16年は30〜34歳の出生率が11年ぶりに低下。05年の1.26を底とする出生率の回復基調は30代の出産が支えていた。少子化が進めば、人手不足は深刻さを増し成長の足かせになる。現役世代で支える年金や介護の社会保障制度も危うい。

 16年の婚姻件数は前年より1万4633組少ない62万523組で、戦後最少。初婚年齢の平均は男性が31.1歳、女性が29.4歳でともに前年と同じ。初婚年齢が上がる「晩婚化」のペースは和らいだが、結婚をしない「生涯未婚」を選ぶ人も増えた。離婚件数は9410組減の21万6805組だった。


平均寿命、過去最高を更新 女性86・44歳で25年世界一

2010/07/26 中国新聞ニュ−ス

 日本人の2009年の平均寿命は女性が86・44歳、男性が79・59歳で、いずれも4年続けて過去最高を更新したことが26日、厚生労働省が公表した「簡易生命表」で分かった。

 女性は08年より0・39歳延び、25年連続世界一。男性も0・30歳延びたが、08年の4位から5位に順位を下げた。4位より下になったのは1973年以来36年ぶり。男女差は6・85歳で、昨年より0・09歳広がった。

 厚労省は「がん、心疾患、脳卒中という日本人の三大死因と肺炎の治療成績が向上したことが主な要因。インフルエンザが大流行しなければ今後も寿命は延びるだろう」と分析。男性が下がった理由は「ほかの国も寿命が延びた相対的なもの」と説明している。

 女性の2位は香港の86・1歳、3位はフランスの84・5歳。男性は1位がカタールの81・0歳、2位が香港の79・8歳で、3位はアイスランドとスイスが79・7歳で並んだ。

 09年に生まれた赤ちゃんが75歳まで生きる割合は、男性71・9%、女性86・5%、95歳まで生きるのは男性8・2%、女性23・7%と試算した。

 09年のゼロ歳児が将来、三大死因で死亡する確率は男性54・65%、女性51・84%。このうちがんの比率が男女とも最も高い。三大死因が克服されれば、男性の寿命は8・04歳、女性は6・99歳延びると推定している。

日本 本格的な人口減少社会に

2010年04月17日 NHK

 総務省のまとめによりますと、去年10月現在の日本の総人口は1億2751万人と、前の年に比べ18万人余り減少しました。減少幅は、比較可能な昭和25年以降、最大となっており、総務省は「本格的な人口減少社会になった」としています。

 総務省が発表した去年10月1日現在の人口推計によりますと、90日以上、日本に滞在している外国人を含めた日本の総人口は1億2751万人で、男性が6213万人、女性が6538万人となっています。

 これを前の年と比べると、男性が12万人、女性が6万人余り減っており、全体では、比較が可能な昭和25年以降、最大の18万3000人の減少となっています。

 日本の総人口は、平成18年、19年は、ほぼ横ばいでしたが、おととし・平成20年から大幅な減少となっており、総務省は「本格的な人口減少社会になったと言える」としています。

 また、人口が減少した原因を見ますと、死亡した人の数と生まれた人の数の差による「自然減少」が5万9000人、外国への移動などといった「社会減少」が12万4000人となっており、「景気の後退で日本での仕事を失い、帰国した外国人が多かったことなど、社会経済情勢も大きく影響したとみられる」としています。

 都道府県別で見ますと、人口が増えたのは増加率順に、沖縄、神奈川、千葉、埼玉、東京、滋賀、愛知の7都県でした。逆に、人口が減少したのはそれ以外の40道府県で、減少率順に秋田、青森、島根などとなっています。

 また、すべての都道府県で、65歳以上の「老年人口」の割合が増えた一方で、15歳から64歳までの「生産年齢人口」の割合が減っており、高齢化がいっそう進んでいます。

人口動態 微増に終わった「第3次ベビーブーム」

2010.01.01 MMSN産経新聞

 出生数と死亡数の推移 日本の出生数は、人口減少時代に突入した平成17年に過去最低を記録した後、18〜20年の3年間にわたって反転し109万人前後を維持してきた。だが、21年の106万9000人という数値は、反転期が終わりを告げたように見える。17年までの流れに逆戻りしたのではないか。

  むしろ、この3年間が少子化の大きな流れにおける特殊な時期だったと見るべきだ。出生数が反転した時期は、景気回復に伴う若者雇用の改善で20歳代を中心に結婚や出産が後押しされた面に加え、30代後半に差し掛かかった団塊ジュニア世代(昭和46〜49年生まれ)が“駆け込み出産”したことも大きかった。

  つまり、これは「第3次ベビーブーム」だった。ただし、少子化の大きな波にのまれる形で、第1次、2次ヘビーブームに比べれば、極端に小さなブームの山に終わったということだろう。

  「第3次」がしぼんだ背景には、1昨年秋の世界同時不況以降の急速な景気悪化がある。リストラや給与・ボーナスのカットなど若者の雇用は再び不安定となり、結婚や出産を控えたカップルは少なくない。景気低迷がこのまま続けば、22年以降も少子化の流れはさらに強まるだろう。

  そうでなくとも、団塊ジュニア世代が今後高齢化していけば子供を産める女性数は急速に減少する。このため、今後は、出生率が多少回復することがあったとしても、出生数そのものは減ることになる。

  一方で高齢化に伴い死亡数は増え、人口の減少幅は年々拡大することが見込まれる。鳩山政権は「子ども手当」を創設するが、どんな対策も効果が表れるには相当な時間を要する。政府は、少子化歯止め策と同時に、人口減少を前提とした社会づくりも急がねばならない。(河合雅司)

日本の人口、7万5000人自然減 09年・過去最大幅

2010年01月01日 asahi.com

 2009年の国内の死亡者数は114万4千人で、戦後統計をとり始めた1947年以降最多となることが、厚生労働省が31日に公表した人口動態の年間推計で明らかとなった。死亡数から出生数を引いた自然減も7万5千人と、過去最大の減少幅になる。

 出生数は前年より2万2千人少ない106万9千人。ひとりの女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は、08年の1.37と同水準が見込まれるという。死亡数は前年より2千人増えた。

 05年に初めて自然減に転じた人口は、06年に一時的に増加したものの、07年からは自然減が継続し減少幅は年々拡大している。厚労省は「出産年齢層の女性が減る一方、高齢化で死亡数は増える傾向がある。自然減が大きくなる流れは今後も続く」とみる。

 結婚は前年より1万2千組少ない71万4千組、離婚は2千組増えて25万3千組となる見通し。

藤田正美の時事日想:人口は増える方がいいのか、減る方がいいのか

2009年11月02日 Buisiness Media誠

世界的に人口を維持するには、出生率が2.1必要だといわれているが、日本は1.3前後で推移。一国の経済を考えれば「人口が減る」ということは大問題であるのに、なぜ政治家はこの問題をあまり取り上げないのだろうか。 -------------------------------------------------------------------------------

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”」 -------------------------------------------------------------------------------

 一国経済として考えれば人口が減るというのは大問題であるのに違いない。労働人口の問題というより消費の問題である。子どもが減っていく社会では消費が減る。その分、大人が使えばいいというような議論をする人がいるが、子どもが減る分を補って消費を増やすというのは大変な話だ。

 日本の出生率は1973年まで辛うじて2.1を上回っていた(世界的にはこの2.1が人口を維持するために必要な出生率とされる)。しかしそれ以来、下がり続けてこのところは1.3前後で推移している。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、すでに人口は減り始めており、2050年には1億人を割って9500万人前後になるという。現在が 1億2700万人ぐらいだからだいたい3割減ということだ。この時点で、日本経済のGDP(国内総生産)が今よりも3割減っていたとしても驚くにはあたらないかもしれない。ただそこまでに至る過程は、失業者の増加や治安の悪化などがあり、“イバラの道”になるだろう(もっとも温暖化ガスに関して言えば、経済活動の停滞あるいは衰退は排出削減に一役買うということになるかもしれない)。

 とはいえ世界全体あるいは宇宙船地球号という観点で見た場合はどうだろう。マルサスが1798年に著した『人口論』の中で「人口は幾何級数的に増え、食糧供給の伸びを上回ることで、貧困が発生する」と書いた。その意味では、地球全体の人口が減るのはいいことに違いない、のだろうか?

世界の出生率は2.1を下回る

 エコノミスト誌最新号(11月6日号)がこの問題をカバーストーリーとして取り上げている。出生率は異様とも言えるようなスピードで低下している。国連人口部によれば、ここ数年内にも人類の半分の出生率は2.1あるいはそれを下回るという。2000年から2005年の間は、世界人口65億人のうち29億人が出生率2.1かそれ以下の国に住んでいた。しかし2010年代の初めにはこれが70億人のうち34億人となり、すぐに全人口の半分を超えるというのである。そうした国々は、ロシアや日本だけでなく、ブラジル、インドネシア、中国、そしてインドも含む。そして2020年から2050年の間に、世界の出生率は2.1を下回るという。

 もっともそれでも2050年には世界の人口は90億人と推計されているから、出生率が2.1を下回ってくる(すなわち将来人口が減ってくる)のは望ましいと言えるのかもしれない。

 世界の人口を抑制するのには基本的に 3つの方法があるとエコノミスト誌は言う。1つは人口政策、そして技術、それにガバナンスだ。しかし人口政策というのはそれほど効果を上げているとは言えないし、先進国が消費するために発展途上国や低開発国に対して「子どもを産むな」というのは倫理的にも問題がある。

 そうなると、技術開発とそれを支援するようなガバナンスによって、これまでの先進国のようなエネルギー大量消費型の経済発展ではない発展の仕方を途上国にもたらさなければならない。出生率の低下によって地球が救われるわけではなく、地球を救うのはわれわれ(つまり先進国)である、というのがエコノミスト誌の主張だ。 なぜ人口問題を取り上げないのか

 もちろん人口の増加が「地球温暖化において大きなリスクとなる」というのはその通りだろう。しかし、経済発展という意味では、人口減少は果たしてプラスなのだろうか(一国経済ではマイナスであるならば、世界経済においてもマイナスであると考えるのは間違っているのだろうか)。どうもこのあたりはよく分からない。

 ただ言えることは、世界的に出生率が急落しているとは言っても、まだ人口は増える程度の出生率。しかし日本はそうはいかない。それなのに、政治家がそのことを声高に言わないのはいぶかしい。

 人口問題を言い出せば、行き着く先は移民という日本にとってはタブーに近い問題になるからだろうか。それとも人口が減っても生産性さえ上げれば、経済力をキープできると信じているからだろうか。日本銀行だったか、日本の潜在成長率は1%以下とはじき出したという。よく政府が言う2%程度の成長というのはいわば幻想ということになるかもしれない。

 世界の人口増加に急ブレーキがかかりつつあるという記事を読みながら、日本はこの先どうなるのかがますます気になってくる。

平均寿命3年連続で更新、女性は24年連続世界一

2009年07月16日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 厚生労働省は16日、2008年の日本人の平均寿命は女性86・05歳、男性79・29歳で、男女とも3年続けて過去最高を更新したと発表した。

 国際比較では、女性が24年連続で長寿世界一、男性は4位だった。

 同省は「日本人の3大死因とされるがん、心臓病、脳卒中の治療成績の向上や、交通死亡事故の減少が寄与している」と分析している。

 07年より、女性は0・06歳、男性は0・10歳延びた。男女差は0・04歳縮まり、6・76歳だった。季節性インフルエンザの流行で前年比マイナスとなった05年などを除いて、上昇傾向が続いている。

 他国・地域をみると、女性の2位は香港(85・5歳)、3位はフランス(84・3歳)。男性はアイスランドが79・6歳で1位。スイスと香港が79・4歳で続いた。

 0歳児が将来どのような死因で死亡するか計算した「死因別死亡確率」をみると、「3大死因」で死亡する確率は男女とも前年より低下したが、依然として50%を超える。仮に3大死因が克服されれば、平均寿命は女性が7歳、男性が8・1歳、延びるという。

高齢化が進む日本(上)

2009/05/06 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 東京=キム・ミンチョル記者

 先月28日午後、東京郊外にある東中野小学校を訪問した。閉ざされた校門の向こうに見える掲示板には、「ありがとう。さようなら。東中野小学校」と書かれたポスターが貼られている。そのすぐ横の石碑には「1932年に開校したこの学校は、2009年3月31日をもって廃校する」と刻まれていた。

 運動場に人影は見えない。廃校前からあった鯉のぼりだけが風に吹かれていた。

 この地域で若い住民が減り、児童生徒の数も100人前後にまで減少したことから、東京都は同校の廃校を決め、児童たちは近くにある三つの学校に転校した。周辺住民の松山さん(75)は「地域住民、卒業生、父兄らの誰もが廃校に反対したが、少子化いう時代の流れには逆らえず仕方がない」と述べた。

 この学校のように廃校した小学校の数は東京都内だけで2007年は10校、08年8校、09年には5校に上った。総務省は5日、15歳未満の子どもの数は1714万人で、1年間に11万人減少したという統計を発表した。28年連続で減少が続いている。日本の小学生の数は1981年に1192万人だったが、07年には713万人に減った。

高齢化が進む日本(中)

2009/05/06 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 東京=キム・ミンチョル記者

◆「高齢化日本」症候群

 日本の昨年の合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の数)は1.34人。05年の1億2778万人を頂点に、すでに人口減少に突入している。このままでは45年には1億人を割り込むことになる。内閣府の木方幸久少子高齢化対策担当官は「金融危機の影響で、今年は出産率がさらに大幅に落ち込むのではないかと心配している」と述べた。

 日本はすでに社会の活力が失われ、内需市場も不振に陥るなど、高齢化の影響が現実として現れている。日本国内の自動車販売台数は04年には585万台だったのが、08年には470万台へと4年で25%も落ち込んだ。世界をリードするトヨタ自動車も、日本国内での販売は4年連続で減少の一途をだどっている。

 自動車だけではない。小売業、教育・出版産業、運送・物流産業、小規模サービス業も、少子高齢化の影響で売り上げの減少が続いている。東京ディズニーランドも最近は訪問客が目に見えて減少している。日本の社会保障・人口問題研究所の鈴木透室長は、「出産率低下の影響は日本の技術立国の基盤そのものを揺るがせている。社会保障制度も破たんする可能性がある」と指摘した。

 東京の東新宿駅周辺にある戸山団地。2300世帯が暮らすこの団地住民の52%は65歳以上の高齢者だ。団地の中に入ると、高齢者があちこちでベンチに座って居眠りをしたり、静かに話をしていた。団地の中はすべてスローペースだ。

 現地のマスコミによると、この団地に住む子どもで昨年小学校に入学したのはわずか5人だったという。33棟自治会副会長のアキバさん(67)は、「この団地では年間50人以上の高齢者が孤独死している」と語った。

 こうした「高齢化社会日本」の姿は、10年あるいは20年後の韓国の姿となる可能性が大きい。韓国も18年からは人口減少が始まり、高齢者人口も急速に増加している。26年には超高齢化社会(65歳以上が人口に占める割合が20%以上)に突入する。韓国は現在の出産率が1.19で、日本よりも早いペースで高齢化が進んでいる。

高齢化が進む日本(下)

2009/05/06 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 東京=キム・ミンチョル記者

◆「仕事と家庭を両立させよう」

 こうした状況にある中で、日本政府も手をこまねいて見ていたわけではない。89年にはいわゆる出産率「1.57ショック」をきっかけに、エンゼルプラン(95年から99年)、新エンゼルプラン(00年から04年)、児童・育児応援プラン(05年から09年)など、数々の対策を打ち立ててきたが、人口減少の流れを変えることはできなかった。その理由は何か。

 保健社会研究院のイ・サムシク博士は「日本は予算を投入しない形での政策を行いながら、国民への啓蒙に力を入れてきた。これが失敗の原因」と指摘する。日本政府による出産奨励予算(07年)はGDP(国内総生産)の0.83%に当たる4兆3300億円だ。フランスの出産奨励予算がGDPの4.7%に達するのとは比較にならない。イ博士はさらに「日本政府は数々の少子化対策を打ち出したが、総合的なものは何一つなかった。ある時は保育政策、またある時は仕事と家庭の両立、最近は雇用文化の改善に力を入れるなど、一貫性に欠け効果が出ていない」と述べた。

 さらに家父長的な社会文化の要因もある。日本の男性は職場で長時間働くケースが多く、仕事を持つ女性は仕事と出産・育児を並行して行うのが難しい社会構造となっている。

 最近になって、日本政府と財界は「仕事と家庭の両立」政策に力を入れている。日本の経済団体連合会(経団連)は家庭を持つ従業員を早めに帰宅させ、家族と共に過ごす時間を増やして少子化の問題を解決するよう訴えている。日本企業も積極的にこれを支援しようと取り組んでいる。東京電力労務人事部では、不必要な残業をなくすため「退勤時間掲示制」を導入している。社員は4種類のカードのうち一つを机に置いて仕事をする。白は午後6時、黄色は8時に仕事を終えるという意味だ。上司や同僚に退勤時間を知らせ、回りに気を遣うことなく退勤できるようにしようということだ。

 政界や財界では移民を受け入れるべきという主張もある。経団連などは労働力不足や内需の縮小などを理由に、移民政策を積極的に行うことを主張している。自民党の議員グループ「外国人材交流推進議員連盟」も昨年、「50年以内に人口の10%を移民にしよう」と提案している。

 しかし純血国であることを誇る日本が大規模な移民を受け入れるのは容易ではないとみられている。

超高齢化社会まで日本36年、韓国は26年

2009/05/06 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 東京=キム・ミンチョル記者

 少子高齢化問題で韓国と日本は多くの面で共通点はあるが、対策という側面において韓国は「失敗した日本」にも及ばない。

 男性の労働時間が世界最長(経済協力開発機構〈OECD〉加盟国で韓国1位、日本2位)という点や、「育児は女性の役割」という伝統的な価値観が根強く残っている点は両国に共通している。

 日本の総務省が2006年に発表した資料によると、日本の男性による家事や育児の分担は1日1時間。一方の韓国は、統計庁が07年に発表した資料によると、男性が家事を行う時間はわずか32分だった。予算不足が原因で庶民への支援ばかりに力を入れたことから、中産層への出産奨励政策が不十分な点も、共通点として指摘されている。

 日本が少子化対策に失敗した国ならば、韓国は惨敗した国といえる。

 まず、出産率の減少と高齢化のペースからして韓国は日本を大きく上回っている。高齢化社会(65歳以上が人口に占める割合が7%以上の社会)から超高齢化社会(65歳以上が20%以上を占める社会)に到達するのに、日本は1970年から2006年まで36年かかったが、韓国は00年から26年まで26年と、より短くなることが予想されている。

 日本の社会保障・人口問題研究所の鈴木透室長は「韓国は出産率が非常に早いペースで急激に落ち込んでおり、この点は日本の学者も注目している」と述べた。

 少子化対策の予算も日本の方がはるかに多い。2007年の時点で日本政府は国内総生産(GDP)の0.83%に当たる4兆3300億円の予算を投入したが、韓国はGDPの0.35%に当たる3兆2000億ウォン(約2500億円)に過ぎない。総額で日本は韓国の17倍、GDPに対する比率では2.4倍も多く予算を投じているのだ。

 また、日本は男性も家事や育児を行うよう誘導する政策に重点を置いており、企業もこれに協力しようと取り組んでいる。

 例えば日本のサラリーマンや公務員は、子どもがいる家庭なら2時間先に退勤する「早期退勤制」を利用することができる。鈴木室長は「日本の政策は欧州に比べるとまだ不十分だが、政府も企業も努力している」と述べた。

 一方、韓国にも「育児期の労働時間短縮制」という制度はあるが、これが実際に利用されるケースはほとんどない。

子どもの数は28年連続減 人口比世界最低水準

2009/05/04 47News【共同通信】

 5日の「こどもの日」にちなんで総務省が4日発表した人口推計(4月1日現在)によると、15歳未満の子どもの数は少子化で、1982年から28年連続で減少し、1714万人と過去最少を更新した。総人口に占める子どもの割合も13・4%と、35年連続で低下、世界でも最低水準となっている。

 子どもの内訳は男の子が878万人、女の子が835万人。3歳ごとに区切って子どもの数を比べると、小学校入学前(3−5歳)よりも乳幼児(0−2歳)の方が出生数の増加で5万人多く328万人。

 景気回復などで結婚するカップルや第2、第3子をもうける夫婦が増えたことなどから、出生数が2006年から増加に転じたのが要因だが、内閣府の少子化対策推進室は「増加は非常に緩やかで、少子化に歯止めをかけるには至っていない」と分析している。

 また都道府県別の人口に占める子どもの割合(昨年10月1日時点)では、最も高かったのは沖縄の17・9%で、次が滋賀15・1%、愛知14・7%で順位は前年と同じ。一方、最も低かったのは秋田の11・5%、次は東京11・8%。ただ、東京は全国で唯一、前年よりも割合が増えた。

 人口に占める子どもの割合を国連人口統計年鑑に掲載された人口3000万人以上の31カ国と比べると、調査年次に違いはあるが、日本はドイツ13・9%、イタリア14・1%を下回り最も低く、最高はナイジェリアの44・3%だった。

日本女性が海外流出? 推計人口で初めて減少

2009.03.23 MMSN産経新聞

 日本国内の女性の人口が初めて減少に転じたことが23日、総務省の発表した昨年10月1日の推計人口(確定値)で分かった。出生児数から死者数を引いた自然動態は前年よりも7000人増えたが、入国者数が出国者数を下回る「社会減」が2万7000人(前年比2万5000人増)と大幅に拡大したことが要因となり、差し引きで前年比2万人減少し、6544万1000人となった。女性の人口減少は、昭和25年に現在の方法で統計を取り始めて以降初めて。

 男性は5万9000人減って6225万1000人となり、4年連続で減少した。

 男女を合わせた総人口(外国人を含む)は1億2769万2000人(前年比7万9000人減)で、平成17年以来、3年ぶりに減少に転じた。死亡者数は114万2000人で過去最高。出生児数が3年連続増加の110万8000人(前年比7000人増)だったにもかかわらず、全体の数は減少した。総人口の「社会増減」は4万5000人の社会減だった。とくに日本人は11万人減となっており、総務省統計局は「海外に長期滞在している日本人が増えた結果、全体の人口が減ったのではないか」と分析している。

 年齢別の人口構成では、14歳以下が1717万6000人(全体比13・5%)で過去最低記録を更新した。65歳以上も2821万6000人(同22・1%)となり、過去最高となった。

過去最大の自然減、本格的な人口減少社会突入

2009.01.01 MMSN産経新聞

 厚生労働省は31日、平成20年の人口動態統計の年間推計を発表した。日本在住の日本人の人口は、出生数がわずかに増えたものの、死亡数が昭和22年の統計開始以来最多を記録して大幅に増えたため、自然減は過去最大の5万1000人となる見通しだ。自然減が2年続くのも初めてで、日本は本格的な人口減少社会に突入した。

 人口動態統計の年間推計は、1月から10月までの速報を基礎資料として、1年間分を推計した。

 出生数は前年より2000人増の109万2000人で、2年ぶりに増加に転じた。ただ、20年は1日多いうるう年で、厚労省は「うるう年でなければ、横ばい、または微減だった」と分析している。出生数が2年ぶりに増加した結果、20年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の平均数の推計値)は、19年の1・34よりも0・02ポイント程度上がる見通しだ。

 死亡数は高齢化の進行で、前年比3万5000人増の114万3000人。戦後最多だった昭和22年の113万8238人を初めて上回り、6年連続の100万人超えとなった。

 出生数から死亡数を引いた自然増加数は初の2年連続マイナスとなり、平成19年に比べて自然減は3万2000人拡大した。出産適齢期の女性人口が減り出生数が伸び悩む中、高齢化で死亡数は増え続けており、今後も自然減は拡大し続けるものとみられる。

 一方、20年の婚姻数は73万1000組(前年比1万1000組増)で2年ぶりに増加。離婚数は25万1000組(同4000組減)で6年連続減少した。

なぜ幼児の死亡率が高いのか 救急医療機関が足りない

2008.11.29 MMSN産経新聞

 国内の幼児(1〜4歳)死亡率が先進各国に比べ高い背景に、小児科常勤医が重症児に対応する小児専門の救命救急機関の不足があることが、厚生労働省研究班がまとめた調査結果で明らかになった。身の回りに潜む事故に見舞われたり、容体が急変したりする、予測不可能な幼い命を守る医療体制の整備が急がれる。(中島幸恵)

 厚労省研究班(主任研究者・池田智明国立循環器病センター周産期科部長)によると、日本の幼児死亡率は先進13カ国に比べると、特に高い傾向が見られるという。これまで原因の分析や対策が進んでいなかったため、研究班は平成17、18年に死亡した全国の1〜4歳児の死亡小票(こひょう)を集めて分析。今月、中間結果を報告した。死亡小票は厚労省が行う人口動態調査のため、死亡診断書をもとに自治体が死亡者の住所や死因などを記録したもの。

 中間報告によると、交通事故や転落といった不慮の事故で死亡する割合が最も多く、全体の4割に上る。さらにウイルス感染による肺炎、脳症など一刻を争う急病が続く。

 これらの事故や急病と死亡場所の関係を分析すると、小児科医だけでなく各科の応援を受けた緊急の救命措置が必要でありながら、こうした態勢が整った中核病院(大学病院や小児専門病院)に搬送されないまま死亡したとみられる子供が、非常に多いことが浮かび上がった。

 死亡率上位の愛媛、秋田、山口など7県には重症患者を受け入れる小児集中治療室が整備されていないことから、地域格差も心配される。

 調査に当たった大阪府立母子保健総合医療センターの藤村正哲総長は「重症の幼児を迅速かつ専門的に治療できる救急医療体制が、日本は遅れており、これが高い幼児死亡率につながることが証明された。大学病院や小児専門病院を中心に、重症患者を集約して優先的に使用できる集中治療センターを全国に整備し、幼児に精通した医師を常勤させることが急務」と指摘する。

 今回の調査では、虐待が原因とみられる死亡例の死亡小票の多くが不明であることから、死亡診断書の不備といった問題点も浮き彫りになった。

 班員の一人で東大大学院医学系研究科の渡辺博講師は「調査した死亡小票では、死因が空欄だった事例が100以上もあった。虐待で命を落とした子供は、実際は公表されている倍以上いるのではないか」と指摘。死因を「病死」とした中には、傷害など外的要因が疑われる事例があっても、死亡との因果関係を明らかにする調査まで行われていないのが実情という。

 渡辺講師は「子供の死、親の悲しみを無駄にしないよう、病院、警察といった関連機関は死因の背景を公表し、社会全体で悲惨な幼児死亡を少しでも減らすようにしたい」と話している。

                   ◇

 ■専門医常勤は42%

 東京都杉並区で平成11年、4歳の男児が割りばしがのどに刺さって死亡した事故で東京高裁は20日、業務上過失致死罪に問われた医師に対し、1審に続き無罪を判決した。

 割りばしが脳まで達していたにもかかわらず、当直だった医師の専門が耳鼻咽喉科だったため、必要な治療が行われないまま死亡した。事故は小児救急体制の不備を社会に問いかけたが、10年近くたった今でも改善は十分進んでいない。

 日本救急医学会の小児救急特別委員会が、今月初め公表した全国の救命救急センターを対象にした調査結果でも、回答した138施設のうち、日本小児科学会が「専門医」として認定した小児科医が常勤しているのは42パーセントにとどまっている。

女性は世界一85・99、男性79・19歳3位 日本人寿命

2008/07/31 中国新聞ニュース

 日本人の二〇〇七年の平均寿命は女性が八五・九九歳、男性七九・一九歳で、いずれも二年続けて過去最高を更新したことが三十一日、厚生労働省が公表した「簡易生命表」で分かった。

 女性は二十三年連続世界一。男性は前年の二位から三位に順位が下がった。

 厚労省は「日本人の三大死因であるがん、心臓病、脳卒中の治療成績向上が平均寿命を延ばす方向に働いた。今後も同様の傾向が続くだろう」と分析している。

 厚労省によると、平均寿命は女性が〇六年より〇・一八歳、男性は〇・一九歳、それぞれ延びた。男女差は六・八〇歳で、前年と比べ〇・〇一歳縮まった。

 国際的な比較では、女性の二位は香港の八五・四歳、フランス八四・一歳(〇六年)、スイス八四・〇歳(同)と続いた。男性のトップはアイスランドの七九・四歳。二位は香港の七九・三歳だった。

 「何歳まで生きるか」という試算では、〇七年に生まれた赤ちゃんが七十五歳まで生きる割合が女性85・8%、男性70・8%。九十歳までが女性44・5%、男性21・0%だった。

 ゼロ歳児が将来死亡する原因として最も可能性が高いのは、男女ともがんだった。心臓病、脳卒中を加えた三大死因による将来の死亡確率は男性55・57%、女性53・02%で前年とほぼ同水準だった。

子どもの数が最少更新 27年連続減で1725万人

2008/05/05 中国新聞ニュース

 五日の「こどもの日」にちなみ、総務省が四日発表した人口推計(四月一日現在)によると、十五歳未満の子どもの数は前年に比べ十三万人減の千七百二十五万人と過去最少を更新した。一九八二年から二十七年連続の減少。総人口に占める割合も13・5%と三十四年連続で低下し、世界でも最低水準になっている。

 総務省は「出生児数の減少が、子どもの数全体を引き下げている」と分析。国立社会保障・人口問題研究所が二〇〇六年にまとめた将来推計では、子どもの数は一五年に千五百万人を割り込み、総人口に占める割合も12%を下回る見込みで、今後、効果的な少子化対策が急がれそうだ。

 総務省の推計によると、子どもの数は男の子が八百八十四万人、女の子が八百四十一万人。三歳ごとの年齢層別では、最多は中学生(十二―十四歳)の三百五十九万人で、最少は〇―二歳の三百二十四万人と、年齢層が下がるほど少ない。

 都道府県別の人口に占める子どもの割合は〇七年十月一日時点で、東京が11・7%と最も低く、次いで秋田(11・8%)、北海道(12・4%)の順。最も高いのは沖縄の18・1%で、このほか滋賀(15・2%)、愛知(14・7%)など。

 前年より子どもの割合が増えたのは0・1ポイント上昇した東京だけで、神奈川、京都、大阪、福岡の四府県は横ばい。割合が減った四十二道県のうち、低下幅が最大だった岩手は0・4ポイント低下の13・1%。

 子どもが占める割合を、人口三千万人以上で国連人口統計年鑑に掲載されている三十一カ国の中で比較すると(調査年は国により異なる)、日本はイタリア、ドイツの14・1%を下回って最も低い。最高はナイジェリアの44・3%。

女性長寿は沖縄・北中城村 男性トップ2が神奈川

2008/04/24 中国新聞ニュース

 平均寿命が最も長い市区町村は、女性が沖縄県北中城村で八九・三歳、男性が横浜市青葉区で八一・七歳だったことが、厚生労働省が二十四日に公表した「二○○五年市区町村別生命表」で分かった。市区町村別の公表は、二○○○年の生命表に続き五年ぶり二回目。

 それによると、二―五位は、女性が兵庫県猪名川町(八八・七歳)、長野県高森町(八八・五歳)、沖縄県豊見城市(八八・五歳)、同県南城市(八八・三歳)で、沖縄の長寿が目立った。

 男性は川崎市麻生区(八一・七歳)、東京都三鷹市(八一・四歳)、同国分寺市(八一・四歳)、同練馬区(八一・二歳)と首都圏が上位を占めた。

 一方、平均寿命が最も短いのは、男性が前回と同じ大阪市西成区の七三・一歳。次いで青森県板柳町(七五・二歳)、同県鰺ケ沢町(七五・二歳)となった。

 女性は東京都奥多摩町(八二・八歳)、青森県大鰐町(八三・一歳)、東京都日の出町(八三・三歳)の順だった。

 全国平均寿命は男性が七八・八歳、女性が八五・八歳で、差は七・○年。市区町村別にみると、男女差が最も大きいのは沖縄県北中城村の一○・四年で、最小は東京都日の出町の四・六年だった。

07年生まれ112万人 出生率1・32−1・33予測

2008年02月20日 中国新聞ニュース

 2007年に生まれた赤ちゃんは、06年より約1300人少ない112万937人だったことが20日、厚生労働省の人口動態統計の速報値で分かった。昨年末時点でまとめた年間推計より約3万人多かった。

 同省は07年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供数の推定値)について「06年と同じ1・32か、それを上回る1・33程度になるのではないか」としている。

 速報値によると、出生数から死亡数を引いた人口の自然増加数は1445人増で、06年に続き2年連続の増加となった。

 合計特殊出生率は06年に6年ぶりに上昇。厚労省付属の国立社会保障・人口問題研究所は上昇が一時的なものだとして、07年以降は再び減少に転じるとの見方を示していた。

長寿1位は男性長野、女性沖縄 05年、女性2位は島根

2007/12/17 中国新聞ニュース

 平均寿命が最も長い都道府県は、男性は長野で七九・八四歳、女性は沖縄で八六・八八歳であることが十七日、厚生労働省が公表した「二○○五年都道府県別生命表」で分かった。

 都道府県別生命表は一九六五年から五年ごとに作成され、今回が九回目。長野の男性は九○年から四回連続、沖縄の女性は七五年から七回連続のトップ。最下位は男女とも青森(男性七六・二七歳、女性八四・八○歳)だった。二○○○年の前回と比べ、すべての都道府県で平均寿命は延びた。

 男性の二位は滋賀(七九・六○歳)で、以下神奈川、福井、東京の順。女性の二位は島根(八六・五七歳)で、熊本、岡山、長野と続いた。長野は女性も五位で男女とも長寿ぶりが目立った。女性でトップの沖縄は、男性が二十五位にとどまった。

 青森の男性は七回連続、女性は二回連続の最下位。男性は続いて秋田、岩手、高知、鹿児島。女性は栃木、秋田、大阪、茨城の順だった。

 二○○○年からの五年間で、平均寿命の延びが最も大きかったのは、男性は滋賀と岡山で一・四一歳、女性は大分と鳥取の一・三六歳だった。

 男性で前回十五位だった東京は、今回五位と大幅に上昇。このほか順位が大きく変わったのは、男性の滋賀(前回四十四位から三十二位)、岡山(同二十一位から十一位)、女性の大分(同二十五位から十五位)だった。

 生命表は、出生や死亡に関する統計データを基に「平均余命」を算出したもの。ゼロ歳児の平均余命が平均寿命を意味する。厚労省は毎年、日本人全体の「簡易生命表」を公表。○六年の寿命は、女性が八五・八一歳と世界一位、男性は七九・○○歳で同二位だった。

労働力人口30年までに1070万人減 厚労省研究会推計

2007/11/28 中国新聞ニュース

 厚生労働省の雇用政策研究会は二十八日、女性や若者、高齢者らへの就業支援が進まない場合、二〇三〇年の労働力人口が〇六年と比べ約一千七十万人減少、五千五百八十四万人に落ち込むとの推計を公表した。日本経済の成長力低下を招く恐れがあり、同研究会は政策の取り組みを促す報告書を十二月中にまとめる。

 労働力人口は働く意思のある十五歳以上の人口。推計によると、女性らの就労が進まないと、〇六年に六千六百五十七万人だった労働力人口が一七年には六千二百十七万人、三〇年にはさらに五千五百八十四万人と減少。少子化の進展で十五―二十九歳は、〇六年と比べて三〇年には四百一万人も減ることになる。

 一方、適切な支援策が実施された場合、〇六年と比べた三〇年の労働力人口の減少幅は約四百八十万人となり、半分以下に抑えられると指摘した。

 同研究会は、この推計を踏まえた報告書案で、出産や子育てで職場を離れた女性の再就職支援や高齢者の雇用促進策などが不可欠と訴えている。

 経済への影響については就労対策が進まない場合、一七年から三〇年までの実質経済成長率は年率0・7%程度にとどまると試算。適切な政策がとられた場合は、1・9%程度の成長が可能になるとしている。

 同研究会は、〇五年にも同様の試算を公表。前回は三〇年の労働力人口を五千五百九十七万人としており、少子化の進展で約十三万人の下方修正となった。

人口、2年連続で減少 死亡者最多の108万人

2007/08/02 The Sankei Shimbun WEB-site

 総務省が2日、発表した3月31日現在の住民基本台帳に基づく人口動態によると、全国の人口は、前年に比べ1554人減の1億2705万3471人となった。人口減少は昭和43年の調査開始以来、初めて減った昨年に続き2年連続。

 少子高齢化社会を反映し65歳以上の老齢人口は21%で過去最高を更新。死亡者も8893人増の108万1174人で過去最多。人口減社会の進行をあらためて裏付けた形となった。

 昨年、過去最低を記録した出生数は2万6384人増え、出生数から死亡数を引いた自然増加数は1万743人とプラスに転じた。

 また東京、名古屋、大阪の3大都市圏の人口は6353万9362人と、平成「4年に3大都市圏の調査区域を変更して以来、初めて全人口の半数を上回り、大都市圏への人口集中を裏付けた。

【やばいぞ日本】第1部 見えない敵(2)500年後は縄文並み人口15万

2007/07/15 The Sankei Shimbun WEB-site

 赤さびたトタン屋根がめくれあがる廃虚群。主を失い無残に荒れた住宅跡に、往時の面影がわずかに残っている。

 兵庫県養父(やぶ)市(旧大屋町)の明延(あけのべ)地区。住民は160人ほど。その6割は65歳以上の高齢者である。

 但馬山系の深奥部に位置するこの典型的な過疎集落が、かつて国内スズ生産の9割を占める日本有数の金属鉱山としてにぎわい、住民4000人がひしめいていたとは、とても想像できない。

 明延鉱山の本格的な採鉱開始は明治初期にさかのぼる。朝鮮戦争の特需景気に沸いたピーク時の昭和30年ごろには、全国各地から高収入を求めて1500人もの鉱山労働者が集まったという。人とともに中央の文化もいち早く流入した。当時は珍しいテニスコートやプールを備え、鉱山直営の購買所では自動車まで売られていた。

 地元で生まれ育ち、電器店を経営していた田村新一郎さん(83)は、皇太子(現天皇)ご成婚の34年、1台12万円もしたテレビがわずか1カ月で200台も売れたと当時を振り返った。

 「夢のような時代でした」という田村さんの言葉通り、40年代には金属価格が低迷し始め、プラザ合意以後の急速な円高が追い打ちをかけた。62年春の閉山まではあっという間だった。わずか20年前のことである。

 「限界集落」。高齢者が半数を超え、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落を指す。大半は早晩消滅の道をたどるほかない。

 国土交通省の調査などによれば、こうした集落は全国ですでに3000近くになる。左上の図は人口5000人未満の過疎町村を現在と50年後とで日本地図に記した分布図である。過疎化を示す赤色が急ピッチで全国に広がる様子が分かる。「消えゆく明延」は日本全体の象徴ともいえる。

 下の図も衝撃的だ。官民共同のシンクタンク「総合研究開発機構」(NIRA)が最新の人口推計などをもとに、出生率が現状の1.32のまま推移することを前提にして作成したものである。

 日本の人口は、1億3000万人をピークにほぼ一直線に急下降を続け、わずか500年後には15万人まで落ち込むとしている。これは縄文時代の人口水準に匹敵する。推計とはいえ現実に起こりうることだ。数字にはあぜんとするほかない。

 繁栄の思い出に浸っている間にも次々消えていく集落。少子高齢化と人口減少問題は、遠い将来に目配りして初めて、深刻さが見えてくる。だが、確実にこの“見えざる敵”は日本を消滅の淵(ふち)に追い込みつつある。

危機バネで大転換も

 少子高齢化は先進国に共通した現象だ。だが、「問題は、日本ではそのスピードがあまりに急激すぎることだ」。法政大学大学院の小峰隆夫教授はそう指摘する。

 経済同友会は今年4月、深刻な人口減少社会の到来に警鐘を鳴らす緊急提言を発表した。

 このまま手をこまぬけば、日本は労働力減少と生産性の伸び悩みで潜在成長率は2010年代後半にもマイナスに転じるとする提言は、危機感にあふれている。

 経済が縮小すれば、税収の低下、高齢化による社会保障費の増大で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字はやがて臨界点に達する。国債価格は暴落。その先はまさに“日本沈没”のシナリオである。

 すでにその兆候は出ている。国内総生産(GDP)で世界第2位の経済大国・日本の座も、実際の通貨の実力で換算する購買力平価では既に中国に明け渡している。2050年には、経済規模で中国の10分の1程度まで水をあけられるとする予測もある。

 少子高齢化は、働く世代と年金受給の高齢者との世代間対立も拡大させかねない。若者は老人にますます敬意を払わなくなり、社会は荒廃していく。将来社会への不安が募れば出生率はさらに低下する。人口減が人口減を呼ぶ構図だ。

 オーストラリアの政治学者ヘドリー・ブルは「大国であるためには1億人以上の人口規模が必要」と指摘したように、人口を国土面積、経済力、軍事力と並ぶ国力の重要な指標と見る考えは、依然有力だ。

 欧州のほぼ中心に位置するルクセンブルク。国土は神奈川県ほど。人口も50万人足らずと日本の地方都市並みだが、欧州の新興金融センターとしての成長は著しい。一人あたりGDPでは世界トップの座を占める。しかし、この国を「大国」とは誰も呼ばない。

 EU(欧州連合)の政策決定も、投票権に人口比が反映される仕組みだ。小国からは大国支配につながりかねないとの批判はあるが、人口がいかに国力の物差しであるかを物語る一例だ。

 少子高齢化とその結果としての人口減をいかにくい止めるか。経済同友会提言は、カギは社会全体の危機意識と政治の強力な指導力にあると指摘している。

 一方で、人口減を肯定的にとらえる見方も実は根強くある。

 ITベンチャー起業で日本の草分けでもある「ソフトブレーン」の創業者、宋文洲氏もその一人。「人口が減っても、生産性が高まれば日本人の生活の質はむしろ向上する」と楽観的だ。

 「国力は人口に比例すると考えるのは毛沢東時代の発想と同じ」。宗氏は中国人として、かつて自国が進めた人口増政策によってもたらされた経済のゆがみにも触れながら、「日本の人口は8000万人程度が適正。いずれそこに落ち着く」とも付け加えた。

 若者が多い方が、むしろ社会不安を誘発するとする見方もある。人口問題の米シンクタンク「PAI」の分析では、15歳〜29歳の若年層が4割以上の国は、それ以外の国に比べて2.3倍も内戦発生率が高まるという。

 2年前にNIRAがまとめた「人口と国力」に関する報告書に次のようなくだりがある。

 さかのぼれば、縄文後期と江戸末期に、いずれも大きな人口停滞があった。しかし先人は、水稲耕作の展開で弥生時代へとつなぎ、工業化によって明治の時代を切り開いていった。いわば危機バネがパラダイム(支配的規範)の大転換を迫ったともいえる。

 少子高齢化もまた、日本に大転換を突きつける強烈なメッセージであるのかもしれない。(五十嵐徹)

日本の「富裕層」、147万人に…金融資産100万ドル超

2007年07月07日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 100万ドル(約1億2300万円)以上の金融資産を持つ日本国内の「富裕層」が、昨年1年間で5・1%増加し、147万人となったことが、米証券大手のメリルリンチなどが実施した調査でわかった。

 増加率は、前年(4・7%)を上回った。富裕層は企業経営者が多いとみられ、同社は「戦後最大の景気拡大が続き、ビジネス環境が好転したことが要因ではないか」と分析している。

 世界全体の富裕層は、新興国の急成長を背景に8・3%増えて950万人に達した。日本の富裕層はこのうち15・5%を占め、米国に次いで世界2位となっている。

65歳以上人口、2055年に4割超す…高齢社会白書

2007年06月08日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 政府は8日午前の閣議で、2007年版「高齢社会白書」を決定した。

 「団塊の世代」が65歳になる12年には高齢者人口が3000万人を超えると予測。55年には高齢化率が40・5%に達し、国民の2・5人に1人が高齢者という「前例のない高齢社会」が到来すると予想している。

 白書では、55年には高齢者1人を現役世代1・3人で支えることになると見込んでいる。一方で、平均寿命が延びていることから、「第2の人生」が長くなっている点を強調。「高齢者は高齢社会を支えることが可能な貴重なマンパワー。意欲と能力を職場で活用することが必要」だとしている。

 この裏づけとして、厚生労働省の調査で、65〜69歳の高齢者のうち就業者は男性49・5%、女性28・5%に上り、未就業者も男性21%、女性18・3%が就業を希望していたという事例を紹介。60歳を過ぎても働く傾向が強まっていると指摘した。

 65歳以上の高齢者人口は06年10月1日現在、2660万人で前年より93万人増え、総人口に占める高齢者の割合(高齢化率)も20・8%となり、ともに過去最高を更新している。

山口など19道県で人口2割以上減 2035年、厚労省推計

2007/05/29 中国新聞ニュース

 厚生労働省は二十九日、二○三五年には秋田県の人口が○五年の約三分の二になるのをはじめ、計十九道県で二割以上減少すると予測した「都道府県別将来推計人口」を公表した。少子高齢化が全国で進む一方、総人口に占める東京都の人口の割合は、○五年の9・8%から三五年には11・5%に上昇。東京への一極集中が進み、地域格差が一層広がる見通しだ。

 推計は、国立社会保障・人口問題研究所が約五年ごとに実施。昨年十二月に公表した全国の将来推計人口を基に、二○三五年まで五年ごとの各都道府県の人口の推移を予測した。

 それによると、二○○○年から○五年の間に人口が減少したのは三十二道県だったが、一○年までに四十道府県で人口が減少。地方からの転入者が多い東京都と、出生率の高い沖縄県は二○年まで増加が続くが、東京都は二○―二五年に、沖縄県も二五―三○年に減少に転じ、全四十七都道府県で人口が減少する。

 ○五年の人口を100とすると、三五年の人口は沖縄(104・4)と東京(100・9)だけが増加。一方、秋田(68・3)、和歌山(71・2)、青森(73・1)などは減少率が大きく、計十九道県が80以下となる。人口百万人以下の県は○五年には七だが、三十五年には十五になる。

 地域ブロック別では、埼玉、千葉、東京、神奈川の南関東四都県の人口が総人口に占める割合は、○五年の27%から三五年に29・8%になる。

 合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子供数の推定値)は全都道府県で低下し、三○―三五年の最高は沖縄県の一・六三、最低は東京都の○・九九と予測している。

男性長寿、日本2位に 女性は1位、WHO統計

2007年05月19日 中国新聞ニュース

 【ブリュッセル19日共同】世界保健機関(WHO)は18日、2007年版の「世界保健報告」を発表した。それによると、05年の平均寿命が世界で一番長かったのは、男性はサンマリノの80歳、女性は日本の86歳だった。日本は前回統計まで男女とも「長寿世界一」だったが、05年には男性平均寿命が79歳で2位だった。

 WHOは男女合計の平均寿命を発表していないが、男女別の平均寿命を単純平均すると、日本は82・5歳となり、サンマリノの82歳を上回っている。

 男性の平均寿命が長いのはオーストラリア、アイスランド、スウェーデン、スイスで、日本と並ぶ79歳。女性はモナコが85歳で2位、フランス、サンマリノなど計7カ国が84歳で3位。

 平均寿命が最も短いのは、「データなし」のイラクを除くと、男性がシエラレオネ、女性がスワジランドで、それぞれ37歳。世界193カ国の平均寿命は男性64歳、女性68歳だった。

仏並みなら10.6兆円 少子化対策、日本の3倍 '

2007/04/11 中国新聞ニュース

 少子化対策の成功例として知られるフランスの政府の支援策を日本の人口規模に当てはめると、財政支出の額が年間約十兆六千億円に上るとの試算が十一日、明らかになった。日本の対策費の三倍に相当する。

 政府の「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議」の基本戦略分科会で、厚生労働省が示した。

 試算によると、フランスが二○○三年に少子化関連で家族向けの支援政策に支出したのは(1)家族手当約二兆六千億円(2)出産・育児休業約八千億円(3)保育・就学前教育約二兆八千億円(4)その他約九千億円―の合計で約七兆千億円。

 人口がフランス約六千万人に対し日本約一億三千万人である点や、支援の対象となる年齢層の人口を基に機械的に換算すると約十兆六千億円になる。時期的に近い○三年度の日本の対策費は三兆七千億円だった。

 フランスの合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子供数の推定値)は一九九○年代半ばに一・六台まで落ち込みながらその後急速に回復し、○六年には二・○○に回復した。

全国の8割「産科医不足」 小児科、へき地医療も深刻

2006/10/30 中国新聞ニュース

 各地で医師不足が深刻化する中、全都道府県の約八割が「産科医不足」に、約七割が「小児科医不足」に直面していることが三十日、共同通信社の調査で分かった。へき地や離島などの医師不足を挙げた都道府県も半数を超えた。

 診療科・地域の医師偏在が全国的に広がっている実態が裏付けられた形。二○○八年度から始まる大学医学部の入学定員増だけでは「解決につながらない」とする意見も目立ち、国は自治体への財政援助や医師派遣体制の構築など、幅広い対応を迫られそうだ。

 調査は十月、各都道府県の医療行政担当者に面会し、聞き取りをした。

 都道府県が抱える最も大きな課題を自由回答(複数可)で尋ねたところ、診療科別で不足しているのは産科医(三十八都道県)、小児科医(三十二都道府県)、麻酔科医(十一道県)の順だった。「へき地、島しょ部、山間部などの医師不足」は二十四都道府県。「休日、夜間の救急と産科は隣の医療圏に行かなければならない」(愛知県東三河北部)、「人が住む二十八の離島のうち十五が無医島」(鹿児島県)などの影響があった。

 厚生労働省など四省が八月に決定した医学部の入学定員増(東北地方など十県で、毎年十人ずつ十年間)が問題解決につながると考えているのはわずか十二県。

 つながらないとする主な理由は「卒業後に産科や小児科を選択するか不明」「医師養成には時間がかかる」など。「地域医療の面白さや役割を知ってもらうための教育」(島根)、「小児科や産科の診療報酬見直し」(東京、愛知、広島)などを組み合わせれば、医師不足解消につながる、との意見も多かった。

 医師不足は、○四年度に始まった「医師臨床研修制度」で民間病院での研修、勤務が増え、人員不足に悩む大学側がこれまでのように各地の病院に医師を派遣できなくなったことが一因。中でも産科・小児科は、過酷な勤務や訴訟の増加でなり手が少ないといい、休診する病院が増えている。

 厚労省は都道府県に対し(1)卒業生の地域定着を目的とした奨学金制度の創設(2)産科医、小児科医の集約化−などを求め、支援するとしているが「財政的に厳しい」(鳥取)、「奨学金を返還されると、他に移ってしまう」(栃木)などの不安も上がっている。

産科医不在地域 妊婦の宿泊・交通費に補助金

2006/06/29 The Sankei Shimbun

 厚生労働省は28日、少子化対策の一環として、近くに産婦人科がなく、遠方の医療機関を利用せざるを得ない妊産婦が、出産が近づいて医療機関近くのホテルなどを利用する際の宿泊費や交通費を助成する制度を新設する方針を決めた。地方自治体との共同事業で、負担率や助成対象などは自治体が設定、国は最大半額を負担する。

 助成制度は妊産婦の精神的、経済的な負担を軽減するのが目的。

 モデルとなったのは、常勤の産婦人科医が不在となった島根・隠岐の島町の隠岐広域連合が、緊急措置として、予定日から4週間以内の妊婦を対象に実施したケース。隠岐広域連合では、松江・出雲両市に月ぎめアパートなどを確保し、妊産婦に無料で提供、交通費を本人1万5000円、家族1人につき1万円(最大3人まで)、滞在雑費などを負担している。

 同省では、隠岐広域連合の取り組みを評価し、全国的な離島対策とした制度を新設するため、平成19年度予算で、3000万円を要求していた。

 しかし、これでは、山間部など最寄りの医療機関まで1時間以上かかるような「無医地区」の住民は利用できず、与党の一部から「少子化対策事業」として、充実を図るよう求める声が続出。同省は、対象範囲を離島に限らない制度にすることをめざし、追加要求することにした。

 近くに産婦人科があるにもかかわらず、遠方の医療機関を選んで出産する場合は認めない。一方、妊婦本人だけでなく、付き添いの家族の宿泊費や交通費は補助対象に加える。

 こうしたガイドラインを策定し、それに沿って各自治体が(1)補助の割合(2)宿泊代・交通費などに上限を設けるかどうか(3)出産予定日の何日前からの宿泊を補助対象とするか−などの具体的な利用基準を決める。そのうえで、国が最大半額を負担し、残りは都道府県と自治体が負担する。

日本人は5万人減少 総務省の06年推計人口

2007年03月22日 東京新聞

 総務省は22日、2006年10月1日現在の全国の推計人口(確定値)を発表。前年に比べ国内に住む日本人は5万500人減ったが、外国人が5万2000人増えた結果、総人口は1500人増の1億2776万9500人と、ほぼ横ばいだった。

 総人口は04年12月の1億2783万8000人をピークに減少の局面に入っており、総務省は「出入国は変動幅が大きく今回は微増となったが、日本が人口減少基調にあることに変わりない」と分析している。

 総人口の男女別は、男性が6233万人(前年比1万9000人減)、女性は6544万人(同2万1000人増)。

 年齢別では65歳以上の高齢者人口が全体の20・8%(同0・6ポイント増)で過去最高を更新、逆に14歳以下の年少人口は13・6%(同0・2ポイント減)と過去最低を更新、少子高齢化を裏付けた。(共同)

女85・52歳、男78・56歳 05年の平均寿命確定

2007/03/01 中国新聞ニュース

 日本人の二○○五年の平均寿命は女性が八五・五二歳、男性が七八・五六歳と確定したことが一日、厚生労働省が五年ごとに公表している「完全生命表」で分かった。二○○○年の前回調査から女性は○・九二歳、男性は○・八四歳、それぞれ延びた。

 厚労省は毎年、推計人口から計算した簡易生命表を公表。さらに五年に一度実施される国勢調査のデータを基に、生命表の確定版といえる完全生命表を作成している。

 昨年七月に公表した簡易生命表による○五年の平均寿命は、女性が八五・四九歳、男性が七八・五三歳だった。昨年十月に公表された国勢調査の確定人口などを基に算出したところ、今回の完全生命表では男女とも○・○三歳高く補正された。

 生命表は、年齢別にあと何年生存するかを示す「余命」を計算したもので、平均寿命は零歳児の平均余命を意味する。

出生率1・3台回復も 06年の人口動態統計速報

2007年02月21日 中国新聞ニュース

 2006年に生まれた赤ちゃんの数が、前年より約3万2000人増の112万2278人となったことが21日、厚生労働省の人口動態統計の速報値で分かった。05年に過去最低の1・26となった合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数の推定値)は大幅に回復する見通しで、厚労省は「1・3台になる可能性が高い」としている。合計特殊出生率が上昇するのは、2000年以来6年ぶり。

 また出生数から死亡数を引いた人口の自然増加数も2万6885人増となり、2年ぶりに自然増となった。

 厚労省は、景気回復や雇用の増加で、結婚や出産が増加したとみている。ただ、国立社会保障・人口問題研究所が昨年末に公表した将来推計人口は、06年は出生率や出生数が一時的に上昇するが、07年以降は再び低下、人口減少が進むと予測。厚労省は今後の推移に注目している。

政府が少子化対策会議を設置

2007/01/29 The Sankei Shimbun WEB-site

 政府は29日、総合的な少子化対策を官邸主導で進めるため「子どもと家族を応援する日本重点戦略会議」(議長・塩崎恭久官房長官)の設置を発表した。

 会議には「基本戦略」「働き方の改革」「地域・家族の再生」「点検・評価」の4分科会を設置し、子育て家庭を支援する地域の取り組みや支援サービスの充実などの具体策を検討する。

 6月に中間報告をとりまとめ、政府の経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に反映させ、年度内に予算や税制上の優遇措置なども含めて少子化対策の「戦略」を取りまとめる方針だ。

 会議メンバーには塩崎氏のほか、高市早苗少子化担当相、柳沢伯夫厚生労働相ら9閣僚と吉川洋東大教授、池田守男日本経団連少子化対策委員長ら有識者メンバー7人の参加が決まった。

1億人の大台維持 仮定人口試算、2055年総人口

2007/01/26 The Sankei Shimbun WEB-site

 厚生労働省は26日、国民の結婚や出産に関する希望がかなった場合の仮定人口試算に基づき、人口減少をどの程度緩和できるかの見通しをまとめ、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の人口構造変化部会に示した。それによると、2055年の総人口は最大で1億391万人となり、1億人の大台を維持できる。さらに、年齢構成も14歳以下人口が現水準の「8人に1人」程度となることも分かった。

 2055年の人口見通しに関して、少子化対策の効果を織り込んでいない将来人口推計(中位推計)では、総人口を8993万人、14歳以下の年少人口は752万人になると予測していた。

 仮定人口は、今後政府が有効な少子化対策を打ち出し、国民の結婚や出産に関する希望の実現度合いに応じて出生率が最高で1.76、最低で1.41にまで回復するとの仮定で試算。総人口は2055年時点で1億391万〜9393万人になる。

 年間出生数も80万人台を確保する見通し。この結果、14歳以下人口は752万人に落ち込むとされた将来人口推計の2倍近い1318万人まで回復が見込め、総人口に占める割合は現行と同水準を維持でき、極端な少子高齢化社会の到来を防ぐことができるという。生産年齢人口(15〜64歳)も5427万人となり、総人口に対する比率は52.2%で将来人口推計とほぼ変わらないものの、実数では830万人も多く「経済への影響はかなり小さくなる」(厚労省幹部)とみられる。

 この試算結果を受け、人口構造変化部会は26日、若者の正規雇用の促進、育児休業拡充など子育てしやすい就業環境の整備、長時間労働の解消−などによって、結婚と第2子までの出産を増やす政策に重点を置くべきとする報告書をまとめた。報告書は政府が新設する「少子化対策重点戦略検討会議」に提出される。

出生率1・4−1・75に回復も 結婚・出産の希望かなえば

2007年01月19日 中国新聞ニュース

 「結婚したいのに出会いがない」「子どもが2人欲しいが収入が少なく難しい」など、結婚や出産を阻んでいる制約が取り除かれ、希望がある程度かなうと仮定した場合、1人の女性が生涯に産む推定子ども数(合計特殊出生率)は2040年に1・40−1・75程度まで回復できるとの見通しが19日、明らかになった。

 厚生労働省が、同日の社会保障審議会人口構造特別部会に「仮定出生率」として示した。

 今回初めて示された4パターンの仮定出生率は、いずれも1国の人口数が維持できる水準の2・1には及ばないが、04年の年金改革が前提とした1・39を上回る。ただし、厚労省は「国の目標としての値ではない」としている。

 次回26日の同部会で、仮定出生率を前提に将来人口や高齢化率の試算結果を示す。

赤ちゃん、6年ぶり増加へ 出生率も上昇の見込み 06年、厚労省推計

2007年01月01日 東京新聞

 2006年に国内で生まれた日本人の赤ちゃんは、前年比2万3000人増の推計108万6000人で、2000年以来6年ぶりに増加に転じる見通しとなったことが31日、厚生労働省の人口動態統計の年間推計で分かった。05年に過去最低の1・26となった合計特殊出生率(1人の女性が生涯に生む子供数の推定値)も06年は上昇する見込みだ。

 出生届や死亡届などを基に、これまでに出た1−10月の速報値から1年分を推計した。

 06年の出生数は、2−8月に7カ月連続で前年同月より増加し、年間を通じて前年を上回る見通し。ただ108万6000人は、過去最低だった05年の106万2530人に次いで少ない。(共同)

増加傾向7カ月でストップ 出生数、9月は4人減

2006年11月21日 中国新聞ニュース

 9月の出生数は9万4926人で、昨年9月と比べてマイナス4人となったことが21日、厚生労働省の人口動態統計の速報値で分かった。出生数は2月から8月まで7カ月連続で前年同月を上回っていたが、9月は増加傾向が止まった。

 出産につながる婚姻数も5万649組と、昨年9月を3274組下回った。

 一方、1−9月の出生数は、前年同期比で1万7647人増。厚労省は、12月までの1年間の出生数が昨年を上回れば、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の推定値)が昨年の1・25から上昇するとみているが、9月の出生数が前年同月を下回ったため「今後の推移を見極める必要がある」と慎重な見方をしている。

 厚労省は12月か来年1月に、10月までの速報値を基にした2006年の出生数や死亡数などの年間推計を公表。06年の合計特殊出生率は来年6月ごろ公表する。

出生率「1.8」で人口推計 「子育て層」もベース

2006/11/10 The Sankei Shimbun

 厚生労働省は9日、潜在的な「子育て層」をもベースにした新たな将来人口推計を年内にも出す方針を固めた。従来の人口推計は、過去の出生率や未婚率など実績をベースに予測する手法がとられている。新たな人口推計は、独身者の結婚が進み、夫婦が理想とする数の子供が実際に生まれた場合、合計特殊出生率が平成17年の1.25から1.8程度まで回復するとの試算に基づくもの。少子化に歯止めがかかる社会の姿を示すことで、少子化対策の機運を高め、具体的な施策を見いだすのが狙いだ。

 国立社会保障・人口問題研究所が17年に実施した出生動向基本調査によると、夫婦が理想とする子供の平均数は2.48人、実際に持ちたいと考える「予定子供数」も平均2.11人。だが、経済的な理由などによる理想と現実のギャップは大きい。また、独身者のうち将来結婚を考えている人は男性87%、女性90%にのぼる。厚労省は有効な対策を講じればギャップの大半は埋まり、合計特殊出生率の1.8程度への回復は可能だとの分析結果をまとめた。

 こうした潜在的な「子育て層」を含めた1.8に基づき新たな人口推計を出すのは、「楽観的」な数値を示すことで少子化の反転はそれほど困難ではない、との認識を国民にもたせ、年金制度に対する不信のさらなる拡大を緩和したいとの思惑もある。

 新たな人口推計は、出生率が1.8まで回復した場合のほか、1.5程度にとどまった場合など複数のケースについて出し、将来の労働力人口など経済的な影響も予測する。従来の人口推計はこれまで通り年内に公表する。厚労省は年明けにも、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)に有識者による検討部会を新設し、新たな人口推計結果を基に今後の少子化政策を検討する。

 <人口推計と合計特殊出生率> 人口推計は5年に1度、国勢調査の結果などを基に、向こう100年間の人口がどうなるかを見通す。将来の改善を見込んだ楽観予測の「高位推計」、生涯未婚率などの全国平均に基づく標準予測の「中位推計」、出生率全国最低の東京都を基準にした悲観予測の「低位推計」がある。合計特殊出生率は、1人の女性が生涯に産む子供の平均数の推計値。将来人口の増減を予測する指標として用いられ、2.08を割ると総人口が減少に向かうとされる。

ピークは1億2784万人 04年12月を境に人口減少

2006/10/31 中国新聞ニュース

 総務省は三十一日、二○○五年国勢調査の確定値を発表。日本の総人口(十月一日現在)は、一億二千七百七十六万七千九百九十四人だった。この数字を基に二○○○年の前回調査以降の総人口の毎月の変化を推計したところ、総人口のピークは○四年十二月の一億二千七百八十四万一千人であることが判明、人口減少時代に突入したことが確認された。

 ○五年調査では、男性が六千二百三十四万八千九百七十七人、女性が六千五百四十一万九千十七人。五年前の前回調査に比べ、総人口は約八十四万二千人増加したが、○四年十月の推計人口と比べれば二万二千人減少した。

 年齢別割合をみると、生産年齢人口(十五歳以上六十五歳未満)は八千四百九万人で、前回調査比2・1ポイント減の65・8%。年少人口(十五歳未満)は千七百五十二万人で同0・9ポイント減の13・7%となり、いずれも調査開始以来の最低割合を更新。一方、高齢者人口(六十五歳以上)は二千五百六十七万人で、同2・8ポイント増の20・1%となり、最高値を更新した。

 県別では、東京、神奈川、沖縄など十五都府県で人口が増加。逆に秋田、和歌山、青森など三十二道県で減少した。

 世帯数は4・9%増え、四千九百六万世帯。このうち六十五歳以上の高齢の親族がいる世帯は35・1%。一人暮らしの高齢者は前回より27・5%増の三百八十六万世帯。高齢夫婦世帯は22・6%増えて四百四十九万世帯と、いずれも大幅増となった。

出生数7カ月連続増 厚労省の人口動態統計

2006/10/20 The Sankei Shimbun

 今年8月に生まれた子どもの数(出生数)は前年同月比3001人増の9万8276人で、7カ月連続で前年同月を上回ったことが20日、厚生労働省が公表した人口動態統計(速報)で分かった。7カ月連続でのプラスは、平成12年1月から13年1月(13カ月連続)以来12年ぶり。厚労省人口動態・保健統計課は「景気の回復により、正規雇用者数が増えたことで、結婚や出産を決断できるカップルが増えたため」と分析している。

 人口動態統計は、届け出のあった出生、死亡、婚姻、離婚、死産をまとめたもの。

 速報値によると、1月から8月までの出生数累計は74万3579人で、前年同期より1万7651人増えた。出生数に直結する婚姻数も1652組増の4万9369組で、1月から8月の婚姻数累計は1万5624組増の48万4860組となり、前年同期比3.3%の高い伸びとなった。出生数は数カ月前の婚姻数に影響される傾向が強いことから、今後も増加傾向が続くとみられる。

 一方、8月の死亡数は1222人増の8万4519人。出生数から死亡数を引いた人口の自然増加数は1月から8月の累計で1万1264人増で、昨年から始まった人口減少に一時的に歯止めがかかる可能性も出てきた。

 合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の平均数の推測値)は17年に過去最低の1.25を記録したが、今年は6年ぶりに反転する可能性が一段と強まった。

65歳以上は過去最高の20.7% 総務省推計

2006/09/17 The Sankei Shimbun

 「敬老の日」にちなみ、総務省が17日発表した統計調査結果によると、今月15日現在の65歳以上の高齢者人口は、昨年より83万人増えて2640万人で、総人口に占める割合は0.7ポイント増の20.7%に達した。欧米などで20%を突破している例はなく、国際的にも最高水準の長寿国となっている。

 高齢者人口は、平成17年の国勢調査を基に推計した。性別でみると、男性は1120万人で全体の18.0%、女性は1520万人で全体の23.2%を占めた。

 高齢者のうち75歳以上は昨年より54万人増えて1208万人。人口割合も0.5ポイント増の9.5%となり、早ければ来年にも10%を突破しそうだ。65歳以上74歳以下は29万人増の1432万人だった。

 65歳以上の人口割合は、昭和25年が4.9%で、その後毎年上昇を続け、60年に10.3%。さらに20年後の平成17年に20%に達した。

 欧米各国の65歳以上の人口割合は、調査年次に違いがあるが、イタリア19.5%、ドイツ18.6%、フランス16.2%、英国16.0%、ロシア13.4%、米国12.4%など。また、高齢者のうち就業している人は日本の19.4%に対し、米国14.5%、英国6.3%などとなっている。

100歳以上人口、2万8395人に 女性85%

2006/09/15 The Sankei Shimbun

 国内の100歳以上の高齢者は今月末時点で2万8395人に達し、昨年より2841人増えて過去最多を更新したことが15日、「敬老の日」(18日)を前にした厚生労働省のまとめでわかった。女性が2万4245人で85%を占め、男性が4150人となっている。

 老人福祉法制定とともに調査が始まった昭和38年の100歳以上は153人だったが、56年に1000人、平成10年に1万人に到達。来年は3万人を突破するのがほぼ確実とみられる。

 長寿日本一は昨年と同じで、女性最高齢の福岡県福智町、皆川ヨ子(ね)さんの113歳。男性の最高齢は、宮崎県都城市の田鍋友時(ともじ)さんの110歳で、今月18日に111歳を迎える。

 人口10万人あたりの100歳以上の高齢者の割合は22.23人(昨年20.01人)。都道府県別では、沖縄が34年連続トップで54.37人、次いで高知51.88人、島根51.08人の順。ベスト10に九州から5県、四国から3県が入った。少なかったのは埼玉10.80人、千葉14.04人、青森14.41人の順で、埼玉は17年連続の最下位。

 また、本年度中に新たに100歳になる人は、永住在日外国人、海外在留邦人を含め計1万5370人(前年度比2666人増)で、小泉純一郎首相から祝い状と記念の銀杯が贈られる。

 調査結果はこれまで毎年、100歳以上の高齢者の人数と長寿上位100人の全国高齢者名簿(長寿番付)を公表していたが、今年は全体の人数と、氏名公表などに同意した109歳以上の高齢者の公表に変更した。

男78・53歳、女85・49歳 平均寿命6年ぶりマイナス

2006/07/25 中国新聞ニュース

 日本人の二〇〇五年の平均寿命は男性が七八・五三歳、女性が八五・四九歳で、男女とも前年比で六年ぶりのマイナスとなったことが二十五日、厚生労働省の簡易生命表で明らかになった。インフルエンザの流行による死者数の増加が原因。

 国際比較では、女性は二十一年連続で長寿世界一を守ったものの、男性は前年の二位から四位に下がり、三十二年ぶりに上位三位から外れた。女性の二位は香港、三位はスペイン、男性の一〜三位は香港、アイスランド、スイスの順。

 厚労省は「(インフルエンザという)特殊要因による順位の変動はあったが、平均寿命が延びている傾向に変わりはない」としている。

 男女とも過去最高を記録した〇四年からのマイナス幅は、男性が〇・一一歳、女性が〇・一〇歳。男女差は六・九六歳で、〇四年に比べ〇・〇一歳広がった。

 〇五年生まれの人が将来、死亡する原因となる可能性があるのは男女ともがんがトップ。心臓病、脳卒中を加えた三大死因による将来の死亡確率は男性が56・3%、女性が54・2%で、三大死因を克服したと仮定した場合、平均寿命は男性が八・四九歳延びて八七・〇二歳に、女性が七・六八歳延びて九三・一七歳になると見込んでいる。

 このほか〇五年生まれの人が将来どのくらい生きるかを試算したところ、男性では六十五歳まで生きる人の割合が85・6%、八十歳までが55・0%。女性では六十五歳まで生きる人が93・1%、八十歳までは76・8%だった。

 日本人の平均寿命は厚労省が統計を取り始めた一九四七年以来延び続け、女性は六〇年、男性は七一年に古希(七十歳)を上回った。平成になってから、男女ともに前年を下回ったのは阪神大震災が起きた九五年と、今回同様にインフルエンザが流行した九九年だけとなっている。

17年の出生率は1.25 5年連続で過去最低更新

2006/06/01 The Sankei Shimbun大阪夕刊から

 1人の女性が生涯に産む子供数の推定値である合計特殊出生率が5年連続で過去最低を更新し平成17年は1.25となったことが1日、厚生労働省の人口動態統計(概数)で分かった。

 わずかな減少にとどまった15―16年と比べると減少幅が0.04ポイントと大きく、政府の対策にもかかわらず少子化に歯止めがかかっていないことを示した形。年金や医療などの社会保障制度にも影響しそうだ。

 出生数から死亡数を引いた「自然増加数」は統計を取り始めた明治32年以来、データのない昭和19―21年を除き、初の減少となるマイナス2万1000人。厚労省が昨年12月に発表した推計を裏付け、平成17年が「人口減少元年」となった。

 日本の合計特殊出生率は1970年代から減少傾向が止まらず、15年に1.29と初めて1.3を下回り、16年は小数点第3位までで1.288とわずかながらもさらに低下していた。

 国立社会保障・人口問題研究所が14年に公表した将来推計人口(中位推計)は、17年の合計特殊出生率を1.31とみており、19年に1.30台で底を打った後上昇に転じ、2050年(平成62年)には1.39まで回復するとしていた。

日本人口、2050年には9000万人割れ 民間推計、国予測下回る

2006/02/04 The Sankei Shimbun

 統計の専門家らでつくる社団法人・エイジング総合研究センター(東京)は3日、日本人の人口推計を発表した。2050年には、05年と比べて3779万人減り8833万人に落ち込むと試算。1億59万人に減るとした国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計を下回る見通しを示した。

 同センターの推計は、合計特殊出生率(女性が生涯に産む平均的な子供の数)が20年に1.16と、04年の1.28台を下回る水準に低下すると仮定。1.3で底を打ち反転するとした社人研の02年の推計より、厳しい前提を置いた。

 この結果、人口は05年7月の1億2612万人から、40年に1億5万人に減少。45年には9415万人と1億人を下回るとした。50年には8833万人と、1955年の水準に減少。2100年は3700万人と、明治並みになるとみている。

 また、労働力の中心となる15―64歳は、50年には05年と比べ44.6%減と、ほぼ半減。逆に65歳以上は、35.8%増えるとした。

 同センター委員の鬼頭宏上智大学教授は「国の推計より10年、減少のスピードが早い。人口減少社会にどう適応していくか早急に考える必要がある」と話している。(共同)

地方の9割が経済規模縮小 2030年、人口減が影響

2005/12/02 The Sankei Shimbun

 経済産業省は2日、東京など大都市を除く9割近い地方都市圏で、2030年には現在よりも経済規模が縮小するとの報告書「地域経済シミュレーション」を発表した。県庁所在地を含む地方都市で人口が減少するとみられるためで、小売業やサービス業など地元の需要に応える産業が厳しい状況に置かれるとみている。

 報告書は、個々の市町村の行政区画にとどまらず、複数市町村による広域的な地域経営を目指す必要があると提言。経産省は来年度に2−4地域をモデルに選び、広域で取り組む地域活性化の在り方を調査する。

 報告書では、全国の市町村を、通勤や公的インフラの提供などでまとまりがある269の「都市雇用圏」に区分して分析した。

 30年の域内総生産の見通しを2000年と比べると、東京圏と政令指定都市圏など35の都市圏は増えるが、全体の9割近い234の都市圏が縮小。特に人口10万人未満の都市圏では15・1%減となった。

 この結果、地域で的確な取り組みがなければ、地方財政が悪化し、遊休施設が増え、住みにくい都市構造になると指摘。個別の市町村は公的なサービスの提供などについて「選択と集中」を図り、経済圏に合致した合併が難しい市町村は、できる限り共同で地域経営に着手すべきだとした。

 さらに国に対しては、個々の市町村を対象にしてきた地域施策を、連携した複数市町村にも適用す必要性を指摘。地方公共団体は、製造業や農業など圏外から収入を得て産業規模を拡大する振興策を重点的に取り組むべきだとしている。(共同)

日本の総人口、2か月連続で前年比減…戦後初

2005年10月22日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 総務省が21日に公表した推計人口(確定値)によると、今年6月1日現在の総人口は1億2766万人で、前年同期に比べて2万人減った。5月1日現在も前年同期比で3万人減っており、2か月連続の前年同期比減は戦後初。

 ただ、総人口は今年後半に再び上昇に転じると予想され、総務省は「もう少し様子を見なければ、人口がピークをこえたとは言えない」(国勢調査課)としている。

 厚生労働省などによると、5、6月に人口が減ったのは、インフルエンザなどによる死亡者数の増加の影響が大きいと見られる。

 政府は、5年に1回行う国勢調査の実施日である10月1日現在の総人口を政策判断の基準にしている。戦時中を除き、同日の総人口が前年同期比で減ったことはないが、増加率は昨年10月1日現在で0・05%と過去最低を更新し、男性人口が減少に転じるなど、「人口減少時代」は秒読み段階に入っている。

5人に1人が65歳以上 高齢者人口2556万人

2005/09/18 The Sankei Shimbun

 「敬老の日」にちなみ、総務省が18日発表した統計調査結果によると、今月15日現在の65歳以上の高齢者人口(推計)は、2556万人で昨年より71万人増えた。総人口に占める割合は昨年より0.5ポイント増えて初めて20.0%に達し、国民の5人に1人が高齢者となった。

 65歳以上の人口割合は1950年が4.9%で、その後年々上昇を続け、85年に10.3%に。その後20年間で20%に達し、急速な高齢化ぶりをあらためて示した。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、高齢者の割合は今後も上昇を続け、10年後の2015年には26.0%になると見込まれている。

 高齢者人口を性別でみると、男性は1081万人で、男性全体の17.4%、女性は1475万人で女性全体の22.5%を占めた。

 65歳以上74歳以下は、昨年より20万人増えて1401万人、75歳以上は50万人増の1155万人となった。

 欧米諸国の65歳以上の人口割合をみると、調査年次に相違があるものの、イタリア19.2%(04年)、ドイツ18.0%(03年)、フランス16.2%(05年)、米国12.4%(04年)などとなっている。(共同)

 

上半期の国内人口、3万1000人減

2005年08月23日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 厚生労働省が23日発表した人口動態統計(速報)によると、今年上半期(1〜6月)の出生数が死亡数を下回り、国内人口が約3万1000人減少した。

 上半期の人口が減少したのは1969年に統計を取り始めて以来初めて。

 同省は「2007年から人口減少が始まるとする政府の予想より早く、今年から人口減少が始まる可能性もある」としている。

 今年上半期の死亡数は56万8671人、出生数は53万7637人だった。昨年上半期は、出生数が死亡数を約3万人上回っていた。今年は2月以降にインフルエンザが流行し、高齢者の死亡が増えたことが影響したとみられる。

 また、例年、上半期は死亡数が多く、下半期は出生数が増加する傾向が続いているため、今年1年間を通じてみれば、人口は減少しない可能性もある。昨年の下半期は約7万人の増加だった。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、日本の人口は2006年の1億2774万人をピークに、減少に転じると予測されている。

「子を産み育てたくない社会」 妊婦、母親の8割が実感

2005/08/01 The Sankei Shimbun

 妊婦や子育て中の母親の80%は、周囲や世間に対し「積極的に子どもを産んで育てたい社会ではない」と否定的に感じていることが1日、財団法人・こども未来財団のアンケートで分かった。「社会全体が妊娠や子育てに無関心で冷たい」と答えた人も44%に上り、「制度や設備が整うだけでは不十分。国民全体の意識改革が必要」との回答が83%に達した。

 昨年11月、インターネットで実施。妊婦と出産後3年未満の既婚女性に、子育て環境について感じていることを複数回答で尋ねた。有効回答は1069人。

 最も多かったのは「男性の子育てに対する理解と協力が必要」で93%。次いで「社会全体で温かく見守る雰囲気が欲しい」(87%)。「子育てを応援する社会とは思えない」(77%)、「地域全体での子育てが必要」(76%)なども多かった。

 子連れでの外出については、93%が「危険や困難な目に遭った」と回答。具体例として「タバコの煙」(56%)、「利用しやすいトイレがない」(51%)、「階段の上り下りに苦労した」(47%)などが目立った。「子どもが泣いた時、白い目で見られた」も30%あった。

 同財団は「海外では子どもに親切にしてもらえたのに日本では冷たいという声も聞かれる。身近な子育て応援の啓発活動を進めたい」としている。(共同)

出生率過去最低、自然増も10万切る 厚労省の04年人口統計

2005/06/01 The Sankei Shimbun

 昨年1年間に生まれた赤ちゃんは約111万1000人で最も少なく、出生数から死亡数を引いた「自然増加数」は約8万2000人と初めて10万人を下回ったことが1日、厚生労働省の2004年人口動態統計(概数)で分かった。都道府県別の自然増加数では、マイナスが25道県となって半数を超え、「人口減少社会」の到来が“秒読み”段階に入った。

 統計によると、1人の日本人女性が生涯に産む平均の子供数(合計特殊出生率)は03年と同じ1.29だが、小数点第4位までみると1.2905から1.2888に低下し、過去最低を更新した。女性の年代別にみると、20代では引き続き低下したが、30代前半は5年ぶりにわずかながら上昇した。

 04年の新生児は111万835人で前年より約1万3000人減った。死亡数は高齢化のため、終戦直後の1947年に次いで多い102万8708人を記録、2年連続で100万人を突破した。

 死因の上位は、がん(31.1%)、心疾患(15.5%)、脳血管疾患(12.5%)の順。自殺者は3万227人で最多だった前年より約2000人減ったものの、長引く不況の影響などで2年連続で3万人を超えた。

 結婚したカップルは約72万組で前年より約2万組減。平均初婚年齢は男性29・6歳、女性27・8歳でいずれも前年より上がり、晩婚化が進んだ。離婚数は約27万1000組で前年より約1万3000組減った。

 都道府県別の合計特殊出生率では、最も高かったのは沖縄県の1.72。03年に1.0を割り込んだ東京都は1.01に回復した。

 厚労省人口動態・保健統計課は「晩婚・晩産化や未婚者の増加は続いているが、30代前半の女性の出生率が上昇に転じるなど好ましい傾向も出ている」としている。(共同)

 <人口減少社会> 赤ちゃんの出生数を、亡くなる人の数が上回る状態。合計特殊出生率が2.08前後を切ると人口は減少に向かうとされる。日本は1975年に2を下回り、2003年には1.3を切った。国立社会保障・人口問題研究所は将来推計人口で、日本の総人口は06年の約1億2700万人をピークに減少に転じると予測。労働人口の減少や消費の縮小、現役世代の社会保障費負担の増加などさまざまな影響が予想され、社会の活力低下も懸念される。(共同)

出生が4年連続最少を更新 04年生まれ112万人

2005/03/28 The Sankei Shimbun

 2004年に日本で生まれた赤ちゃんは、政府が取りまとめた速報値ベースの統計で日本在住の外国人も含め112万1000人だったことが28日、分かった。03年に比べ1万4000人少なく、4年連続で戦後最少記録を更新した。出生数は政府の見通しより3万人超少なく、高齢化の進展も予想を上回っている。

 少子高齢化の進行が政府の予測値より速くなったことで、昨年、施行されたばかりの新年金制度や医療、介護といった社会保障制度に大きな影響を及ぼしそうだ。

 1人の女性が一生に産む平均子ども数である合計特殊出生率は、03年に1・29と戦後最低になったが、04年はさらに低下した可能性がある。

 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が02年1月に公表した「日本の将来推計人口」の中位推計では、04年の出生数を115万4000人と見込んでいたが、実際には3万3000人下回ったことになる。

 一方、総務省が先月発表した04年10月1日現在の総人口は1億2768万7000人で、中位推計を5万人強上回った。

 出生数が中位推計を下回ったのに人口が同推計より多かったのは、死亡者数が103万4000人(前年比1万3000人増)と、同推計より少なかったことが影響した。

 出生数、死亡数とも政府予想より少ない状況が続いていることから、年代別人口は政府予想に比べ14歳以下で少なく65歳以上では多くなっている。予想とのギャップは年を追うごとに広がっている。

 04年の出生数から死亡者を差し引いた自然増も8万7000人で戦後最少だったが、中位推計の6万2000人よりは多かった。

 将来推計人口は、政府が年金の保険料率や給付額を算定する際に用いられる重要なデータ。高位、中位、低位の推計があるが一般には中位推計が活用される。

 <中位推計> 国立社会保障・人口問題研究所は、年齢別の平均死亡率や出生率などに基づいて日本の将来人口についての3種の推計値を5年ごとに算出するが、その中で真ん中の数値。高位、低位推計もあるが、年金、医療、介護といった社会保障制度の策定など、一般に政府や地方自治体が政策決定の際の基礎資料に用いるのは中位推計。生命保険会社など民間企業なども利用している。

 政府がまとめた速報値ベースの統計で、日本の人口は、赤ちゃんは減っても長生きするお年寄りが増えて維持されている現状が鮮明になった。

 総人口は、政府が将来人口を推計した2002年以降、04年まで3年連続で政府見通しを上回って増加した。しかし、その要因は出生数が政府予想より増えたわけではなく逆に予想より少なかったが、死亡者数も予想より少なかったためだ。

 03、04年の2年間で生まれた赤ちゃんは225万6000人で、国立社会保障・人口問題研究所の中位推計より6万8000人少ない。一方、2年間の死亡数は205万4000人で中位推計を10万5000人下回った。

 この結果、年代別の人口構成比は65歳以上が全人口の19・5%となり、政府見通しより0・1ポイント増。逆に15歳から64歳の生産年齢人口は政府見通しより0・1ポイント減の66・6%に低下した。

 政府の予想を超えて国民が長生きすることは喜ぶべきことだが、年金受給者は増え、現状のままだと医療、介護などを受ける人は増加の一途だ。一方で、税や保険料の支え手となる現役世代は減り、財政はますます圧迫される。負担増や給付水準低下を避けるためにも、高齢者の職場開発など支え手を増やしたり、生活習慣病対策など健康を維持する取り組みは待ったなしだ。(共同)

人口動態:04年出生数 過去最低110万7000人

2005年01月01日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE
 厚生労働省は31日、04年の人口動態推計値をまとめた。出生数は前年実績値を1万7000人弱下回る110万7000人で、4年連続で過去最低を更新する。人口1000人当たりの出生率も過去最低だった前年を0.1ポイント下回る8.8だった。合計特殊出生率(15歳から49歳までの間に1人の女性が産む子供の平均)は03年に1.29と過去最低になったが、04年にさらに低下する可能性が出てきた。

 出生数は第1次ベビーブームの47年から49年が260万人台で、第2次ベビーブームの71年から74年も200万人台を突破した。しかし、その後はおおむね緩やかに減り続けている。

 年齢別人口は春に総務省が公表予定のため、04年の合計特殊出生率はすぐには算出できない。ただ、03年の15歳から49歳の女性人口の減少幅は対前年比0.8%で04年も同様の減少が見込まれるのに対し、04年の出生数の対前年減少幅は1.5%。減少割合は出生数の方が大きいとみられ、厚労省も「04年は1.29より低下する可能性もある」と話している。

 政府が02年に公表した人口推計(中位)では、03年の同出生率は1.32で、07年に1.306で底を打ち、その後は徐々に回復するみていたが、「誤算」は解消のメドが立たない。

 推計によると、04年の死亡数は前年比9000人増の102万4000人。出生数から死亡数を引いた自然増加数は8万3000人でこれも過去最低。日本の人口が減少するとされる07年の転換点が早まる恐れもある。

 婚姻件数も前年比1万5000組減の72万5000組。人口1000人当たりの婚姻率は5.7で87年に並び過去最低。離婚件数は前年より1万7000組減の26万7000組の見通し。

 この推計は1月から10月の実績値(速報)を基に、11、12月分を例年の傾向から推測し算出する。【吉田啓志】

高齢化の影響、日本が最も深刻 IMF、移民受け入れ提言

2004/09/23 The Sankei Shimbun
 国際通貨基金(IMF)は22日、高齢化に伴う労働力人口の比率低下の影響は、少子高齢化が急速に進む日本が長期的に最も厳しく、成長率の低下とともに将来は経常収支が赤字に転落するとの分析を盛り込んだ報告書を発表した。

 これは人口動態が世界経済に与える影響を分析した報告書で、日本には、海外からの移民受け入れが一つの対策になると提言。日本や欧州など先進国の高齢化は国の財政を悪化させ、とりわけ年金制度や医療保険制度の制約となると指摘し、高齢化が進むほど制度改革が困難になるとして、早急な政策対応を促した。

 報告書はIMFが今月末にも公表する世界経済見通しに盛り込まれる。

 移民受け入れ策について報告書は、米国では人口増に寄与したと評価する一方、日本や欧州の人口高齢化に対しては「一時的な」改善策にすぎず、長期的にそれだけで問題は解決できないとも強調。自国の出生率を上げる対応が必要だと指摘した。同時に、社会への受け入れや政治的な障害など、移民受け入れ実現の困難さにも触れた。(共同)

高齢者人口20%に迫る 総務省調査

2004/09/19 The Sankei Shimbun
 「敬老の日」にちなみ、総務省が19日発表した統計調査結果によると、今月15日現在の65歳以上の高齢者人口(推計)は昨年より55万人増の2484万人で、総人口に占める割合は19.5%と昨年より0.5ポイント増加し、人数、割合とも過去最高を更新した。

 65歳以上74歳以下の人の占める割合に変わりはなかったが、75歳以上が昨年より53万人、0.5%増となり、高齢化が一層進んだ。

 65歳以上の人の割合は1950年以降、一貫して増えており、国立社会保障・人口問題研究所の推計では10年後の2014年には25.3%と、国民の4人に1人が高齢者になるとしている。

 高齢者人口を性別にみると、男性は1049万人で男性全体の16.9%、女性は1435万人で女性全体の22.0%を占めた。

 2人以上の世帯のうち、無職の高齢者世帯の家計をみると、消費支出が可処分所得を上回る傾向が続いており、03年は月約3万6000円の“赤字”だった。

 金融資産を示す貯蓄額の分布は1600万円未満の世帯が半数で、世帯全体を二分する中位数はほぼ1600万円となった。世帯が最も多く分布しているのは400万円以上600万円未満(7.7%)、次いで600万円以上800万円未満(7.6%)だった。

100歳以上が2万3038人 過去最多を更新 04年長寿番付

2004/09/14 The Sankei Shimbun
 「敬老の日」を前に厚生労働省は14日、2004年の長寿者名簿(長寿番付)を発表した。9月末までに100歳以上になる高齢者(海外居住者を除く)は2万3038人で、初めて2万人を超えた昨年をさらに2000人以上、上回り、過去最多を更新した。

 調査を始めた1963年(153人)の約150倍で、最近12年間は前年比で毎年十数%ずつ増えている。人口10万人当たりの100歳以上の長寿者数は全国平均で18・05人と過去最高。都道府県別では、沖縄県が73年以降、連続1位。100歳以上の84・7%は女性で、特に女性の長寿化が顕著になっている。

 最高齢は福岡県飯塚市に住む小山ウラさんの114歳。長寿番付の38位までが全員女性で、男性は広島県豊栄町に住む重高小八さんの109歳が最高だった。

 ギネスブックの認定による「世界一」は、昨年まで男女とも日本人だったが、今年は小山さんより約2カ月年長の114歳のオランダ人女性が世界最高齢。男性の一位は113歳の米国人だった。

 都道府県別の100歳以上の高齢者比率は、1位の沖縄県が47・07人。2位は高知で、島根、熊本、鹿児島と続き、上位10県を中国・四国・九州地方で占める。逆に最も少ない埼玉県は8・54人で、以下青森、千葉、茨城、愛知の順となり、今年も西日本に長寿県が多い「西高東低」は変わらなかった。

 100歳以上は全体で昨年より2477人増えた。男女別内訳は、男性が3523人、女性が1万9515人。

 調査は9月30日までに100歳以上になる人を9月1日時点でまとめた。

100歳以上 広島県内755人

2004/09/13 中国新聞地域ニュース
 ▽昨年比46人増 20年連続で増える

 広島県内の百歳以上のお年寄りは一日現在、七百五十五人と、過去最多を更新したことが県の調べで分かった。昨年比では四十六人増。高齢化、長寿化を背景に、百歳以上の長寿者は二十年連続で増加している。

 県福祉保健部によると、百歳以上は女性が六百三十人、男性が百二十五人。女性が83・4%を占める。女性が八割前後を占める傾向が引き続き顕著となっている。

 二年前から男性の県内最高齢である百九歳の豊栄町の重高小八さんは、今年七月三十日からは男性の長寿日本一にもなった。女性の県内最高齢は昨年十一月以降、百十一歳の久井町の宗田ワキさんとなっている。

 県によると、重高さんは最近体調を崩しているが、食事の際には上半身を起こし、好物の刺し身も時々食べる。特別養護老人ホームで暮らす宗田さんは、目を閉じている状態が多いが、体調は良好という。

 年齢別では、百歳は二百七十八人▽百一歳は二百六人▽百二歳が百十六人▽百三歳が七十五人▽百四歳が三十七人▽百五歳が二十四人―などとなっている。本年度中に百歳に達する三百六十五人には、小泉純一郎首相の祝状と記念品が各市町村などを通じて贈られる。

 県内の百歳以上の長寿者は「敬老の日」が制定され、調査を始めた一九六六年に十六人だった。当時に比べると四十七倍、十年前に比べても三倍以上に増えている。

日本の人口1億2682万人、伸びは過去最低

2004/08/04 読売新聞 Yomiuri On-Line
 総務省は4日、住民基本台帳に基づく3月31日時点の全国の総人口は、1億2682万4166人だったと発表した。

 前年からの増加は13万5802人(0・11%)で、対前年の増加数・増加率は過去最低となった。

 出生者数は112万9239人、出生者数から死亡者数を引いた自然増加数は11万8052人で、いずれも過去最低だった。65歳以上の老年人口の割合は19・24%と過去最高を更新しており、少子高齢化がさらに進んでいることが明らかになった。

 一方、人口の動態を市部・町村部別に見ると、市部の人口は前年から約103万人増加し、約1億92万人と初めて1億人を突破した。全人口のうち市部に住む人の割合も、79・6%と過去最大になった。

 一方、町村部人口は前年比で約89万人減の約2590万人と、1968年の調査開始以来、過去最少になった。市町村合併の進展などが影響していると見られる。

人口増加率0・11%で過去最低の伸び

2004/08/04 The Sankei Shimbun
 総務省は4日、住民基本台帳に基づく今年3月31日現在の全国の人口動態を発表した。総人口は1億2682万4166人で、前年より13万5802人、0.11%増えたが、増加数、率とも1968年の調査開始以来、過去最低の伸びとなった。

 年金問題も絡み注目される出生者数は112万9239人と最低。65歳以上の老年人口の割合は前年より0.42ポイント増の19.24%と最高になり、少子高齢化がさらに進んだ。地方の人口減が際立ってきた。

 1世帯の平均人数も2.54人と最低を更新、核家族化も続いている。

 総人口の男女別構成比は男性48.96%、女性51.04%。東京、名古屋、関西の3大都市圏で全体の49.58%と約半数を占め、人口増加率も0・36%と全国の増加率を上回った。

 都道府県別で人口が多いのは東京、大阪、神奈川、愛知、埼玉の順。最も少ないのは鳥取で、島根、高知、徳島、福井と続いた。人口が減ったのは33道県で、このうち宮城、岐阜、岡山、広島の4県が増加から減少に転じた。増加に転じたところはなかった。人口増加数、率とも東京がトップで、減少数は北海道、減少率は秋田が最大だった。

 市部の人口は市町村合併などの影響で毎年増加しており、1億92万3835人と初めて1億人を突破した。市町村で人口が最も多いのは横浜市の349万5117人で、逆に最少は東京都青ケ島村の198人。

出生率初めて1・3割る 年金などに影響必至

2004/06/10 中国新聞ニュース
 厚生労働省の二〇〇三年人口動態統計で、一人の女性が一生の間に産む子供の平均数を示す「合計特殊出生率」が初めて一・三を下回り、一・二九となることが十日、分かった。厚労省が近く確定値を公表する。

 一・三二だった〇二年から大幅に低下し、少子化が予想を上回るスピードで進行していることを示した。年金などの社会保障制度は合計特殊出生率を基本に設計されており、影響を与えるのは必至だ。

 日本の合計特殊出生率は一九七〇年代から低下の一途をたどり、〇三年に生まれた子供は百十二万一千人で前年より三万三千人少なかった。

出生率、過去最低の1・32人 02年人口動態統計

2003年06月05日 The Sankei Shimbun
 昨年1年間に生まれた赤ちゃんは前年より約1万7000人少ない約115万人と過去最少で、1人の女性が生涯に産む平均の子供の数(合計特殊出生率)も1・32人と過去最低になったことが5日、厚生労働省の2002年人口動態統計(概数)で分かった。

 出生率は、厚労省が昨年公表した2050年までの「将来推計人口」の予測値を2年連続で下回り、少子化が予測を超える速度で進んだ。推計では2006年をピークに日本の総人口が減少に転じるとされたが、「人口減少時代」への突入が早まる恐れがあり、年金制度改革論議などにも影響を与えそうだ。

 統計によると、02年に生まれた赤ちゃんは115万3866人で、前年より1万6796人少なかった。出生数が2年連続で減少したのは1993年以来9年ぶり。出生率は前年の1・33人より0・01人下回った。

 結婚したカップル数は75万7331組で「21世紀婚」が流行した前年より4万組以上も減少。初婚時の女性の平均年齢は27・4歳、第一子を産む平均年齢は28・3歳で、前年より高年齢化した。

 年々増加している離婚は過去最高の28万9838組で、前年より3927組増えた。「熟年離婚」は依然として増えているが、同居して10年未満の離婚が昨年までの増加傾向から一転して減少した。

 死亡数は高齢化を反映し、戦後2番目に多い98万2371人。死因の上位は1がん(31%)2心疾患(15・5%)3脳血管疾患(13・2%)−と変わらず、死因第6位の自殺は前年の減少から、2万9920人(3・0%)と再び上昇した。

 出生数から死亡数を引いた「自然増加数」は17万1495人で過去最低。死亡が出生を上回って自然減となった都道府県は秋田、山口、高知など16県で、前年の14県より増えた。

 厚労省の担当者は「第二次ベビーブーム世代の産み時が終わり、出生数は今後ぐっと減る」との見方を示し「今年はインフルエンザの大流行で死亡数が増加しているとみられ、人口減少に転じる年が1年ほど早まる可能性はある」としている。

日本の人口:1億2743万5000人 増加数・率は戦後最低

2003年03月14日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 総務省は14日、02年10月1日現在の推計人口をまとめた。それによると、総人口は1億2743万5000人で、男性が6225万2000人、女性が6518万3000人。1年前と比べ、増加数は14万5000人、増加率は0.11%で、ともに戦後最低を記録した。

 都道府県別に見ると、12都県で人口が増加し、増加率が最も高かったのは沖縄県の0.76%。減少したのは35道府県で、秋田(マイナス0.64%)を筆頭に、島根(同0.53%)、和歌山(同0.49%)の順。

 また、同省は02年の住民基本台帳に基づく全国人口移動状況も発表。市町村間の移動者は前年比2.6%減の595万3000人と7年連続の減少。全人口に占める割合も4.72%で過去最低を更新した。

高齢者、75歳以上が初の1千万人を突破

2002年09月14日 Yomiuri On-Line

 総務省が14日発表した、9月15日現在の高齢者の推計人口によると、65歳以上の高齢者人口は前年比78万人増の2362万人(男995万人、女1367万人)で、総人口に占める割合も前年より0・5ポイント上昇して18・5%となった。人口、割合とも過去最高を更新した。また、75歳以上の人口は1003万人で、初めて1000万人を突破した。

 都道府県別に総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合を見ると、2000年で最も高齢化が進んでいるのは島根県の24・8%で、高知県の23・6%、秋田県の23・5%が続いている。高齢者の割合が最も低いのは埼玉県の12・8%だった。

 一方、65歳以上の就業者と完全失業者を合わせた労働力人口は2001年で492万人。高齢者全体の21・8%を占めており、12・7%の米国など欧米各国より高い比率だった。

日本の人口1億2692万人 国勢調査速報値/伸び率は戦後最低

2000.12.22 The Sankei Shimbun

世界9位 前回比135万人増

 片山虎之助・総務相(郵政・自治・総務)は二十二日午前の閣議で、十月一日に実施した国勢調査の速報値を報告した。日本の総人口は一億二千六百九十一万九千二百八十八人(男性六千二百十万三千八百二人、女性六千四百八十一万五千四百八十六人)で、平成七年実施の前回調査と比べて約百三十五万人の増加となった。世界各国の中では、バングラデシュに抜かれて九番目。五年間の人口増加率は一・一%で、前回の一・六%をさらに下回り戦後最低の伸び率を記録した。また東京都の人口が再び増加(二・四%増)に転じたのも特徴となっている。

 百年前の明治三十三年の推計人口は四千三百八十五万人。五十年前の昭和二十五年の人口は八千四百十一万人。日本の人口は一世紀で約三倍、半世紀で一・五倍になった。

 人口の男女比を示す人口性比(女性百人に対する男性の数)は前回より〇・四ポイント低下し九五・八人で、戦後最大の格差となった。高齢化社会の中で、女性の平均寿命が延びていることが原因とみられる。

 都道府県別では二十三都府県で増え、増加率のトップは滋賀県(四・三%)で、沖縄県(三・五%)、神奈川県(三・〇%)などが続いている。東京都は二十九万人増。東京二十三区では、昭和六十年以来続いてきた人口減少に歯止めがかかり、二%の増加に転じた。東京圏、大阪圏、名古屋圏の三大都市圏では、計百二十二万人が増加し、全国の人口増加数の九割を占め、都市部への人口集中が再び強まっている。

 逆に秋田県の二・〇%減をトップに二十四道県で減少。中国、四国地方は全県が減少した。

 全国の市で人口増加率が最も高いのは愛知県日進市(一六・四%増)。続いて前回トップだった兵庫県三田市(一六・一%増)、福岡県筑紫野市(一三・九%)が続いている。逆に、減少率が高かった地域は北海道夕張市(一三・六%減)、ッ歌志内市(一三・五%)、同三笠市(一〇・三%)−など北海道が目立つ。

 関西圏では、阪神大震災からの復興が進む兵庫県で、十四万九千人(前回比二・八%増)も増加し、復興の進展をうかがわせた。一方、噴火災害などで全島民が避難している東京都三宅村は人口ゼロを記録。総務庁は「自治体で人口ゼロというのは国勢調査始まって以来」と話している。

 全国の世帯数は四千七百三万世帯。前回に比べ二百九十二万世帯が増加した。

 人口増加率一・一%に対して世帯数は六・二%増加し、一世帯あたりの人数は二・七人まで減少している。

昨年の出生率、過去最低の1.34

2000.06.29 asahi.com

 1人の女性が一生のうちに平均何人の子どもを生むかを示す合計特殊出生率が昨年、前年の1.38から1.34に急減し、過去最低を更新したことが、厚生省の人口動態統計(概数)でわかった。厚生省が年金制度などの将来予測に用いる人口推計の下限の1.37も割り込んだ。

 厚生省は「晩婚・晩産化」の傾向が一段と強まったのが主な原因だと説明している。1970年代半ばから続く少子化にこのまま歯止めがかからなければ、超高齢社会を支える働き手が減り、年金や税制など社会制度全般への影響も懸念されそうだ。

出生率、最低の1.38人

1999年06月11日 共同通信社

1人の女性が生涯に産む平均の子どもの数(合計特殊出生率)が1.38人となり、過去最低を記録したことが11日、厚生省のまとめた1998年人口動態統計(概数)で分かった。女性の晩婚化傾向や出産年齢の上昇傾向も変わらず、少子化の流れに歯止めはかからなかった。            

自殺者は3万1734人で、中高年の男性を中心に前年を35%も上回って過去最高。がんによる死者数では、肺がんが初めてトップになり、胃がんと逆転した。

HOME日本人/日本