TOPIC No.2-69-3 労働組合費天引きの件<


組合費天引き チェック・オフ制度廃止議論についてbyHP

チェックオフに関わる法的根拠2000年4月26日 損害保険労働組合連合会

自民党が労働組合費天引き禁止の法改正案提出へ

9:55p.m. JST April 12, 2000
 自民党の労働部会は12日、労働組合費を給与から天引きするチェックオフ制度を全面禁止する労働基準法など関係法改正案を了承した。「良好な労使関係を損なう」などの強い異論もあったが、最終的に部会長に対応を一任し、議員立法で今国会に提出することを決めた。個々の労組や連合、全労連など全国中央組織にも、経理情報の公開を義務づける労組法改正案も併せて提出する。労組を支持基盤とする民主党など野党の反発は必至で、今国会での成立は難しそうだ。

 チェックオフ制度の全面禁止については、労働基準法改正案に「賃金からの控除を労使協定から定める場合には、その控除の対象から組合費を除く」という規定を盛り込んでいる。

 また、労組の情報公開については(1)組合員に対しては、少なくとも年1回、すべての財源と使途、主要な寄付者の氏名などを盛り込んだ会計報告を公表しなければならない(2)組合員以外に対しても、会計報告の公表に努める(3)連合など全国中央組織にも同様の情報公開を義務づける――という内容。違反した場合の罰則はない。

 天引き禁止に加え、連合などに情報公開の義務を定めたことで、近づく総選挙に向け、民主党の最大の支持基盤である連合をけん制する狙いがより明確になった。

組合費のみ天引きを禁止 労基法改正、自民小委が方針

7:40p.m. JST March 30, 2000
 労働組合費を給与から天引きするチェックオフ制度の見直しを進めてきた自民党の労使慣行正常化検討小委員会(熊代昭彦小委員長)は30日、天引きを全面禁止するための労働基準法改正を行う方針を決めた。税金や社会保険料、福利厚生費などの天引きは従来通り認め、組合費のみを禁止する。今国会への法案提出を目指すが、労組を支持基盤とする民主、共産、社民各党の反発に加え、連合とも協力関係を維持している公明、自由両党内にも慎重論があり、法案成立は簡単ではない。小委員会は天引き禁止と併せて、労組の経理に関する情報公開を義務づける労組法改正も提案した。

 自民党が総選挙を間近に控えたこの時期に、労組の財政基盤を揺るがすチェックオフ禁止に踏みだしたのは、民主党の最大の支持基盤である連合をけん制する狙いがある。小委員会では、「労使協調を崩す」などの反対・慎重論もあったが、最終的に「チェックオフは使用者による組合への経理上の援助に当たり、労働組合法が禁じる不当労働行為に当たる」との判断が大勢を占め、採決で2名が反対したが、天引き禁止が了承された。

 労基法改正の具体案として、小委員会は(1)税金と社会保険料を除く天引きを一切禁止する(2)組合費のみ天引きを禁じる(3)政令で定めるものは、労働者の書面による同意を条件に天引きを認める――の3案を併記した。

電機連合が自民党に反論 組合費天引き見直し問題で

9:14p.m. JST March 13, 2000
 労働組合費を給与から天引きするチェックオフ制度の見直しに自民党が着手した問題で、電機連合(組合員約80万人)は13日、「企業労使の自主的な取り決めに政治が介入するのは、民主主義を根本から否定する」と反対の見解をまとめ、上部団体の連合などに提出した。自民党が強行採決でこの問題を決着させようとするなら「源泉徴収などの天引きもやめるべきだ」とけん制している。

 電機連合は「自民党の動きを真剣に検討するのも大人げないかもしれない」としながら、「労働組合の運動のあり方にかかわる問題」と見解書をまとめた。

 電機連合はチェックオフ制度について、「労働協約を労使が締結した際に組合員の賛否を問い、1人1人の意思を反映している」として、自民党内に根強くある「安易な徴収方法は組合員の組合運営への関心を失わせている」などとする考えに反論した。

 一方、自民党側が強行採決するようなら「国の関係する天引きもすべて禁止しないと道理が通らない」(鈴木勝利委員長)として、給与からの源泉徴収を廃止、所得税や年金の掛け金払いも本人が税務署に申告する確定申告に変えるべきだと主張し、実現に必要な議員立法を求める、としている。そのため米国で普及している確定申告用のパソコンソフトを電機連合内で開発し販売する用意がある、と主張している。

自民、企業の組合費天引きの規制を検討へ

11:12p.m. JST March 03, 2000
 自民党は3日、企業が従業員の給与から組合費を天引きし、一括して労組に渡す「チェックオフ制度」を規制する方向で検討を始めた。チェックオフ制度は、組合財政を安定させる役割をもっている。自民党が、規制に本格的に乗り出そうとする背景には、近づく総選挙を念頭に、民主党の最大の支持基盤である連合をけん制する狙いもありそうだ。

 3日の役員連絡会で、亀井静香政調会長が、労働部会に調査チームをつくり、今国会中に結論を出すよう指示したことを報告した。自民党はこれまでも、企業献金を批判されると、逆にチェックオフ制度をやり玉にあげ、労組の政党支援のあり方を問題視してきた。党政治改革本部(現政治制度改革本部)が昨年10月にまとめた政治資金制度見直しの「基本方針」では、(1)組合費の徴収方法として極めて安易で、組合員の組合運営に対する関心を失わせる(2)組合費が政治活動に充てられ、政治資金の流れを不透明にしている――と指摘、「チェックオフ規制のあり方を検討する」と明記している。

 チェックオフは労使の協定に基づいて行われており、労働省の調査(1996年)によると、全労組の94%で採用されている。

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