TOPIC No.2-64 沙弥夏ちゃん誘拐事件

「怖くなって現金奪取あきらめた」大阪・摂津の女児誘拐

03:05a.m. JST April 09, 2000
 大阪府摂津市の女児誘拐事件で、逮捕された元茨木市職員の川端久男容疑者(51)が誘拐した女児(8つ)を連れ回して移動中、脅迫電話の話し相手が母親本人であったにもかかわらず、「女性捜査員の恐れがあり、女児から母親の生年月日を聞き出し、母親にただした」などと誘拐時の状況を詳細に供述していることが大阪府警捜査一課の摂津署捜査本部の調べでわかった。川端容疑者は現金奪取をあきらめたことについては「捜査が自分に及んでいるのではないかと怖くなったため」と話しているという。

 調べによると、川端容疑者は女児を連れ去って2日目の昨年12月21日の午後8時32分から2分間、女児の母親が要求通り身代金4200万円を積んだタクシーで摂津市内を移動中に、携帯電話で母親に「警察に電話したやろ」という内容の電話をかけて「生年月日を言え」と指示した、とされる。

 この指示について、川端容疑者は「誘拐中、ずっと捜査が自分に及んでいるのではないかと不安にかられていた」「電話の相手が母親本人かどうかを確かめたかったので、女児から生年月日を聞き出し、母親に答えさせようと思いついた」と供述。一方、女児は車の中で川端容疑者から母親の生年月日を尋ねられたので答えたと証言しており、川端容疑者の供述と一致することから、捜査本部はこの供述を重要視している。

 また、女児の母親は近所で若奥さんと呼ばれていて、脅迫文書でも「若奥さん」との記述があり、捜査本部は顔見知りによる犯行との見方をしていたが、川端容疑者は直接の面識はないと供述。女児を狙った理由については「豪邸を見て資産家だと思って狙いを絞り、事前に下見をしてマイカーのナンバーを控えた」と話しているという。

 さらに、言葉が聞き取れなかった26回目の最後の電話について川端容疑者は「マスコミには言うな」という内容だったと説明。「捜査が自分に及んでいるのではないかと思い現金を奪うのをあきらめた。逮捕されるのが怖かったのでマスコミに言うなと最後の電話でくぎを刺した」と供述している。

大阪女児誘拐事件で容疑者、全面的に犯行を認める供述

03:09a.m. JST April 08, 2000
 大阪府摂津市立味生(あじふ)小3年の寺西沙弥夏ちゃん(8つ)が誘拐された事件で、身代金目的誘拐などの容疑で逮捕された元茨木市職員の川端久男容疑者(51)が7日、大阪府警捜査一課の摂津署捜査本部の調べに対し、犯行を全面的に認める供述を始めた。捜査本部は、多額の借金の返済に困っていた川端容疑者の単独犯行とみて、犯行の裏付けを急ぐ。

 川端容疑者は6日に逮捕された当初、捜査本部の調べに対し「関係ありません」と容疑を否認、誘拐事件については話そうとしなかった。押し黙ることが多かったが、次第に態度を軟化させ、7日の調べでは「事実を争う気はありません。借金に困ってやった」と容疑を全面的に認めた。さらに、同容疑者は「自分の家族や沙弥夏ちゃんの家族に迷惑をかけた」と話し、犯行を思いついた時期については「かなり以前から計画を考えていた」と供述。沙弥夏ちゃんを無事に解放したことについては「情が移ったから」と話しているという。

 調べによると、川端容疑者は身代金の要求額とほぼ同額の4000万円近い借金があった。競馬などギャンブルでこうした借金ができた経緯についても、具体的に話しているという。

沙弥夏ちゃん誘拐事件で51歳の男を逮捕 大阪府警

01:19a.m. JST April 07, 2000
 大阪府摂津市一津屋1丁目のJA北大阪山田支店次長、寺西功さん(37)の長女で市立味生(あじふ)小3年の沙弥夏ちゃん(8つ)が昨年12月、男に連れ去られ身代金が要求された事件で、大阪府警捜査一課の摂津署捜査本部は6日、同府茨木市沢良宜浜3丁目、元茨木市職員で警備員の川端久男容疑者(51)を身代金目的誘拐、逮捕監禁などの容疑で逮捕した。川端容疑者は「関係ありません」と容疑を否認しているが、ギャンブルなどで約4000万円の借金があり、捜査本部は借金の返済に困っての犯行とみている。

 調べによると、川端容疑者は昨年12月20日、下校途中の沙弥夏ちゃんを車で連れ去り、監禁したうえで身代金4200万円を要求した疑い。同容疑者は沙弥夏ちゃんの両親を「警察に連絡すると殺す」と脅迫しながら現金の受取場所を次々に変更したものの現金の奪取を断念、同22日朝、沙弥夏ちゃんを解放したとされる。

 寺西さんの家族は川端容疑者と面識がないと話しているという。捜査本部は同容疑者の自宅を家宅捜索し、粘着テープや手袋、帽子など約30点を押収。単独犯行とみている。

 捜査本部は2月、犯人の電話の声や、沙弥夏ちゃんの記憶を基に作成した似顔絵、犯人が脅迫文書をコピーするために立ち寄ったコンビニエンスストアの防犯ビデオの画像をインターネットなどで公開した。寄せられた134件のうち、「川端容疑者と体格や顔、声が非常に似ている」という情報が数件あった。

 捜査本部は、6日午前中、摂津署で沙弥夏ちゃんにマジックミラー越しに川端容疑者の姿を見せたところ「このおっちゃんに似ている」と証言したという。

 川端容疑者は1972年に茨木市役所に入り、資産税課主査だった98年春ごろ、数人の同僚に借金を申し入れたことから人事課が退職を勧告、昨年11月に依願退職した。

 川端容疑者には競馬などで消費者金融などに借金があった。

 捜査本部によると、同容疑者は所有する不動産を次々に売却したものの、身代金の要求額とほぼ同額の約4000万円の借金が残り、自己破産の手続きを進めていた。事件当時は無職だったが、3月に警備員の仕事に就いた。
川端容疑者の自宅は、沙弥夏ちゃん宅から車だと5分程度で行ける距離にある。

51歳の元市職員を逮捕へ

2000年4月6日 16時58分
 大阪府摂津市、JA北大阪職員、寺西功さん(37)の長女沙弥夏ちゃん(8っ)市立味生小3年=が、昨年12月20日、下校途中に誘拐、現金4200万円が要求され、2日後に解放された事件で、大阪府警摂津署捜査本部は6日、身代金目的誘拐容疑で大阪府茨木市に住む元同市職員で警備員川端久男容疑者(51)の取り調べを始めた。容疑が固まり次第、逮捕する。

大阪の女児誘拐事件 茨木市の中年男性に逮捕状

5:01p.m. JST April 06, 2000
 大阪府摂津市一津屋1丁目のJA北大阪山田支店次長、寺西功さん(37)の長女で市立味生(あじふ)小3年の沙弥夏ちゃん(8つ)が昨年12月、男に連れ去られ、身代金4200万円が要求された誘拐事件で、大阪府警捜査一課の摂津署捜査本部は6日、大阪府茨木市に住む元茨木市職員で会社員の男性(51)が事件に関与した疑いが強まったとして、身代金目的誘拐容疑で逮捕状を取り、事情聴取を始めた。会社員は、公開された犯人の似顔絵に酷似しており、沙弥夏ちゃんも捜査本部に対して「誘拐したおじちゃん」と話しているという。会社員は知人に犯行を漏らしていたが、容疑については否認しているという。

 捜査本部によると、聴取を受けている会社員は大阪府北部が生活拠点で、一連の犯行の舞台となった吹田市や摂津市などの地理を熟知しているとみられる。また、沙弥夏ちゃんが誘拐されていた12月20―22日の行動に不審な点があったほか、多額の借金を抱えていたという。

 今回の事件で、捜査本部は、犯人が寺西さん方の家族構成や資産状況に詳しかった点を重視。当初から、寺西さん一家と何らかの「接点」がある人物の犯行とみて、交友関係や遺留品から犯人を割り出す捜査を進めていた。しかし、有力な手がかりは得られていなかった。

 このため、事件発生から約2カ月後の2月19日、犯人が寺西さん宅にかけてきた電話の声▽沙弥夏ちゃんの記憶を基に作成した似顔絵▽犯人が脅迫文書をコピーするために立ち寄ったコンビニエンスストアの防犯ビデオの画像、の3点をインターネットやテレホンサービスで公開し、情報提供を呼びかけた。

 捜査本部は、寄せられた約100件の情報や現場周辺の聞き込みなどから不審者を洗い出し、この会社員が浮上した。会社員は事件当時は無職で、最近、警備担当の職に就いたという。

 沙弥夏ちゃんが誘拐されたのは昨年12月20日の午後3時半ごろ。下校中の路上で、中年の男に乗用車に押し込まれ、連れ去られた。その後、「子供を預かっている。警察に連絡すれば 意地でもこの子は必ず殺す」などと記した脅迫文書が大阪市東淀川区の郵便局前ポストから見つかり、現金4200万円の身代金が要求された。

 犯人は、大阪市北区のホテルの喫茶店を最初の現金受け渡し場所に指定。寺西さんの妻尚美さん(36)を呼び出したが、指定した21日夕になっても現れなかった。その後、尚美さんらは阪急上新庄駅や摂津市役所前、名神高速道路の桂川パーキング(京都市)など計7カ所の現場を転々とさせられた。22日未明には犯人からの指示に従って、名神高速千里山トンネル付近に現金の入ったかばんを放置した。しかし、この時も犯人は姿を見せなかった。同日朝、沙弥夏ちゃんは摂津市鳥飼上3丁目の公園付近で解放された。

犯人の似顔絵や声を公開

2000年2月19日 16時01分
 大阪府摂津市で昨年12月、小学2年の寺西沙弥夏ちゃん(8っ)が,誘拐された事件で、大阪府警摂津署捜査本部は19日、沙弥夏ちゃんの証言に基づいて作成した犯人の似顔絵と脅迫電話の録音テープ、犯人が脅迫文をコピーしたとされるコンビニの防犯ビデオの映像と写真の計4点を公開した。捜査本部は府警のホームページやフリーダイヤルでも犯人の声などを公開、情報提供を呼び掛ける。

防犯ビデオの分析急ぐ

1999年12月26日 15時28分 共同通信社
 大阪府摂津市の小学2年生寺西沙弥夏ちゃん(8っ)が誘拐され、無事保護された事件は、27日で発生から丸1週間。脅迫文から大阪府北部に住む男性の指紋が検出され、大阪府警摂津署捜査本部は一時色めき立ったが、無関係と分かった。捜査本部は、脅迫文がコピーされたコンビニの防犯ビデオの分析を急ぐ一方、遺留品の鑑定と連れ去りや取引現場での聞き込み捜査に全力を挙げている。

犯人、21日に駅ロッカーに

1999年12月25日 17時20分 共同通信社
 大阪府摂津市の沙弥夏ちゃん誘拐事件で、犯人が誘拐翌日の21日、母親との連絡用携帯電話や現金運搬用バッグが置かれていた阪急上新庄駅(大阪市東淀川区)のコインロッカーに立ち寄っていたことが、大阪府警摂津署捜査本部の調べで25日分かった。

 ロッカーの料金支払いシステムから判明したもので、捜査本部は21日に重点を置き、駅周辺の聞き込み捜査などに全力を挙げる。

犯人、途中で車乗り換えか? 摂津の女児誘拐事件

03:06a.m. JST December 25, 1999
 大阪府摂津市立味生(あじふ)小2年、寺西沙弥夏ちゃん(8つ)の身代金目的誘拐事件で、犯人は沙弥夏ちゃんを拉致した後、別の車に乗り換えて行動していたことが24日、大阪府警捜査一課の摂津署捜査本部の調べでわかった。拉致した時はワンボックスタイプのワゴン車で、その後はセダン型の小型乗用車が使われていた。捜査本部は車両を使い分けることで、捜査の目をそらすねらいがあったとみており、これまでに寄せられている不審車情報のうち、この2種類の車に絞った目撃情報の収集を進めている。

 調べでは、沙弥夏ちゃんは20日午後3時半ごろ、沙弥夏ちゃんの通学路である摂津市一津屋1丁目の路上で、同級生と別れた後、白いワゴン車に無理やり押し込まれた。その様子は、下校途中の児童に目撃されていた。

 その一方で、犯人の指示に従い、母尚美さん(36)が転々と移動していた21日午後7時半ごろには、摂津市三島3丁目の公衆電話付近で、「先回り」したとみられる犯人の乗った白いセダン型の小型乗用車が目撃されていた。

 捜査本部は、「拉致」「移動」で、少なくとも2種類の車を使い分けていた、と判断。不審車両の的を絞らせないようにした可能性があるとみている。

手書きの文言びっしり

1999年12月25日 9時51分 共同通信社
 大阪の沙弥夏ちゃん誘拐事件で、郵便ポストの底に張り付けてあるのが見つかったワープロ打ちの脅迫文の余白に、「警察に通報するな」などという趣旨の漢字や仮名の手書き文言がびっしり並んでいたことが25日、大阪府警の調べで分かった。捜査本部は、筆跡鑑定に利用できる有力な物証として重視するとともに、ワープロ文字の分析から機種の特定を急ぎ、販売ルートの洗い出しなども進める。

「寝ていて覚えていない」と証言 沙弥夏ちゃん誘拐事件

2:17p.m. JST December 24, 1999
 大阪府摂津市立味生(あじふ)小2年の寺西沙弥夏ちゃん(8つ)が身代金目的で誘拐された事件で、沙弥夏ちゃんが、犯人に連れ去られた後の20日夕から21日午後までの記憶について、「ほとんど寝ていたので、よく覚えていない」と証言していることが24日、大阪府警捜査一課の摂津署捜査本部の調べでわかった。捜査本部は、沙弥夏ちゃんに抵抗されなかったことで、犯人が途中まで計画通りに犯行を進めることができたとみている。

 調べでは、沙弥夏ちゃんは連れ去られた時の状況について、「路上に止めてあった車からおもちゃが落ちたので、拾おうと近づいたら、いきなり押し込まれた」と話している。しかし、その後の記憶はあいまいで、証言内容が具体的になってきたのは、犯人が沙弥夏ちゃんの両親を現金受け渡しのために移動させた21日午後以降だったという。

 21日午後からの行動については、「車の後部座席に毛布をかけて座らされたり、トランクに入れられたりした」「21日夕方までは食事をとっていたが、22日の朝食はとっていない」などと証言している。また、21日夜には、犯人の指示に従って、現金を運んでいた母尚美さん(36)と電話で会話をした可能性が高いという。

沙弥夏ちゃん誘拐事件で保護された公園付近に不審な男

06:16a.m. JST December 23, 1999
 大阪府摂津市一津屋のJA北大阪山田支店課長代理寺西功さん(36)の長女で市立味生(あじふ)小2年の沙弥夏ちゃんが下校途中に連れ去られ、身代金4200万円を要求された誘拐事件で、沙弥夏ちゃんが保護される直前、解放現場だったとみられる同市鳥飼上の公園付近に不審な白い乗用車が止まっていたことが22日、大阪府警捜査一課の摂津署捜査本部の調べで分かった。捜査本部は、乗用車を運転していた男の特徴が、沙弥夏ちゃんの目撃情報と酷似しており、数日前にも、沙弥夏ちゃんの通学路で白い車が目撃されていたことから、この車の運転者が犯行にかかわっている疑いが強いとみている。

 調べでは、白い乗用車は沙弥夏ちゃんが保護される35分前の22日午前9時15分ごろ、摂津市鳥飼上3丁目の公園の北東側路上に止まっていた。目撃者らによると、運転席側から中年風の男が飛び出してきて、公園のフェンス(高さ約1.5メートル)によじ登り、数十秒間、公園の中をうかがっていたという。男はその後、約50メートル北西の交差点まで走っていき、沙弥夏ちゃんが府警に保護されたコンビニエンスストア周辺を見回して再び車に戻った。乗り降りの際は、後部座席付近を見ていた。その後、車をゆっくりと50メートルほどバックさせたという。

 男は40―60歳ぐらいで、身長160―170センチで小太りだった。ニット地の黒い目出し帽のようなものをかぶり、黒っぽいジャンパーに黒いスラックス姿だった。沙弥夏ちゃんは保護された直後、捜査員に対し、犯人の特徴について、「170センチ、40歳ぐらい。黒色のズボン姿で黒い目出し帽をかぶっていた」などと話していた。目撃者の女性は「男は公園の中にだれかいるかどうか確認している様子だった。車の動きは最後までは見なかったが、おそらくUターンして走っていったと思う」と話した。

 また、沙弥夏ちゃんの通学路にあたる同市一津屋1丁目の道路でも数日前、50歳ぐらいの中年男性が乗った白色の不審な乗用車が路肩に停車しているのを、道路に面したマンションに住む女性が目撃していた。沙弥夏ちゃんの自宅から約100メートルで、車の中でだれかをじっと待ち伏せているような様子だったという。

プリペイド式携帯電話、悪用の懸念現実に 小2女児誘拐

3:18p.m. JST December 22, 1999
 大阪・摂津市の小2女児誘拐事件の犯行には、購入時に身分証明書の提出を求められないことなどから、持ち主の特定が極めて難しいとされる「プリペイド式」の携帯電話が使用された。手軽さが受けて購入者を急激に増やす一方、悪用を懸念する声が高まっていたが、それが現実のものとなった。

 事件では、犯人と思われる男は当初、母親が持参してきた携帯電話を使用して連絡してきたが、途中から自分が用意したプリペイド式携帯電話を母親に使わせており、大阪府警は傍受のかく乱を狙った疑いもあるとみている。

 プリペイド式の携帯電話は、通話料金をプリペイドカードの金額分だけ前払いする方式。国内では昨年10月、関西の通信会社が全国で初めて売り出し、購入者は今年7月までに関西だけでも約3万人に達した。購入時の手続きも簡単で、通常の携帯電話の契約に必要な運転免許証や住民票などの提出が不要になっている。7月下旬には、兵庫県内にある山口組系暴力団が全国の傘下組織に対し、携帯電話をすぐにプリペイド式に切り替えるよう求める指示を流していたことが分かっている。

グリコ森永事件の手口似る 小2女児誘拐事件

3:20p.m. JST December 22, 1999
 関西弁に、現金の受け渡し場所を次々と移動させる用心深さ――。大阪・摂津市の小2女児誘拐事件の犯行の手口は、グリコ・森永事件を思い出させる点が多い。

 まず、言葉の使い方。今回の犯人は両親に対して、脅迫状で「死んだら取り返しつかへんで 悲しいで」とひとごとのように呼びかける一方、「必ず殺す」などの脅しを繰り返した。「子供の命とお金どちらが重たい」など両親の心理を巧みに突こうとする言い回しなど、グリコ・森永事件の「かい人21面相」とよく似ている。

 また、脅迫状で要求額の4200万円の数字を「(死に)」ともじっていたが、「かい人21面相」も兵庫県警のことを「兵ご犬警」などと書いていた。

 今回の事件では現金の受け渡しなどの際、犯人が電話やメモで連絡をしてきて、郵便局、ホテル、駅、市役所前のバス停、高速道路のパーキングエリア、ファミリーレストランなどを転々と移動させた。グリコ・森永事件のときにも、「かい人21面相」は電話や、ベンチ裏や案内板に張り付けた紙で、バス停や高速道のサービスエリアなどに現金受け渡し場所を次々と変えた。

 大阪府北部から京都にかけての事件現場も、グリコ・森永事件と重なっている。

 今回の事件の現場となった大阪府北部から京都にかけては、グリコ・森永事件の舞台と重なる地域が多い。そのほか、関西弁で書かれた脅迫文、指示書を使った連絡、現金の運搬役をひんぱんに動かし、高速道路を使って府県境を越えて移動させる点など、同事件をなぞったような手口が随所に見られた。

大阪北部に土地勘か

1999年12月22日 17時29分 共同通信社
 大阪の沙弥夏ちゃん誘拐事件で、大阪府警摂津署の捜査本部は22日午後、無事保護された小学2年、寺西沙弥夏ちゃん(8っ)両親から詳しく事情を聴き、犯人の割り出しを急ぐとともに、連れ去り現場となった通学路などの聞き込み捜査を続けている。捜査本部は、犯人が現金の受け渡し現場に指定した場所が大阪府北部に集中していることから、周辺に土地勘を持つ者の犯行の可能性が高いとみている。

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