TOPIC No.2-60 貨幣/通貨

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1. 偽通貨, 2.新500円硬貨, 3.変造硬貨, 4. 新2000円札

No.2-60-1 偽通貨

偽造500円玉、ATM判別能力を強化…財務省が対策

2005/02/27 読売新聞 Yomiuri On-LIne

 財務省は26日、偽造の疑いがある新500円硬貨が2万枚近く見つかった事件を受け、現金自動預け払い機(ATM)の判別能力の強化や、大量の硬貨を預かる際の身元確認の徹底を金融機関などに求めることを柱とした偽造対策をまとめる方針を明らかにした。

 偽造硬貨が詰め込まれていたとみられる不審な鉄パイプが今回の事件の容疑者に中国から届いていたことから、特に中国から送られてくる荷物の検査を税関で強化し、偽造硬貨の流入を水際で食い止める措置も講じる。

 財務省は、3月上旬に開く偽造硬貨の関係省庁等連絡会議で、こうした対策を正式に決定する。

 ATMや自動販売機は、硬貨の素材である合金の成分の含有率の差などから電気の通り方が異なる性質(伝導率)を利用して偽造硬貨を判別している。

 ただ、本物の硬貨でも摩耗すると伝導率が変化するため、伝導率にある程度の差があっても、本物とみなすようATMの判別能力を調整している。

 財務省は、今回の事件では判別能力の調整幅の差が悪用されたとみて、全国の金融機関や自動販売機業者に対し、偽造硬貨の伝導率を感知できるようATMの感度を高め、判別能力を強化することを要請する。

 また、今回、発見された偽造の疑いがある硬貨のほとんどは、郵便局の窓口で貯金を装って入金する手口で使用された。

 このため、〈1〉大量の500円硬貨を金融機関に預け入れる顧客が現れた場合は、金融機関の窓口で身分証明書の提示を求める〈2〉そもそも大量の両替には応じない――といった対策も金融機関がとるよう呼びかける。

偽旧1万円札、25都道府県で800枚超す

2005/01/06 The Sankei Shimbun

 年末年始の12月24日から1月6日までに、25都道府県の神社や寺などで計約820枚の偽旧1万円札が見つかっていたことがおのおの都道府県の調べで分かった。

 記番号は分かっているだけで4種類あり、関東、鹿児島では「VJ838046M」、関西では奈良県警が逮捕した男のパソコンに保存されていた原画像と同じ「ZY853618T」が多かった。東北では「QY436254F」「QV700608C」。

 都道府県別では、宮城が131枚と最多。茨城が121枚と続き、大阪87枚、北海道83枚、神奈川71枚−の順だった。

 ほかは岩手、福島、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、山梨、岐阜、静岡、愛知、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、徳島、香川、鹿児島。

 旧1万円札だけではなく、滋賀では計53枚の偽旧1000円札も見つかった。

 警察庁のまとめによると、昨年12月31日−1月4日には、12都道府県の神社や寺などで計約340枚の偽旧1万円札が発見された。(共同)

東北から九州まで…初詣での社寺、偽札相次ぐ

2005/01/03 読売新聞 Yomiuri On-Line

 初詣ででにぎわう社寺で、おみくじやお守りの縁起物を扱う授与所などから1日から2日にかけて、偽1万円札(旧札)が相次いで見つかった。警察は偽造通貨行使容疑で調べるとともに、注意を呼びかけている。

 宮城県では1日、岩沼市の竹駒神社境内の露店19店で計43枚、仙台市の大崎八幡宮で2枚見つかった。いずれも記番号が同一で、岩沼署と仙台北署は関連を調べている。岩手県でも同日、平泉町の中尊寺境内の売店などで6枚見つかり、一関署はカラーコピーによる偽造とみている。

 このほか、1日には神戸市の生田神社で19枚、京都市では、伏見稲荷大社、平安神宮、清水寺で計16枚使用されていたことが分かった。大阪市の住吉大社では1日に数枚、2日に十数枚見つかった。

 鹿児島市では、照国神社前の露店で十数枚、ほかの神社2か所の露店でも計4枚使われていた。

日銀、11月1日に新紙幣発行 偽造防止へ最新印刷技術

2004/10/30 The Sankei Shimbun
 日銀は、11月1日に20年ぶりに図柄を刷新した1万円札、5000円札、1000円札の3種類のお札(日銀券)を発行する。急増する紙幣偽造に歯止めをかけるため、世界最先端の印刷技術を駆使したのが特徴。2年程度で、流通する紙幣がすべて入れ替わる見通しだが、新紙幣発行後も現在のお札は引き続き使える。

 新しい5000円札は表に小説家の樋口一葉の肖像が印刷され、日銀券で初の女性の肖像画となる。日銀によると、発行当日までに全国の金融機関の現金自動預払機(ATM)は、ほぼ全部で対応が完了。第一生命経済研究所は、紙幣刷新の経済効果が昨年度と本年度の合計で9905億円に達すると試算している。

 紙幣刷新の最大の目的は偽造防止にある。警察庁によると、1998年に800枚程度だった偽札の発見枚数は、今年は6月末までの半年で1万4000枚を超え、放置できないほど急増している。

 このため新紙幣には、角度を変えると色や模様が変わる「ホログラム」や、光に透かすと縦棒が見える「すき入れ」などの偽造防止技術を導入。検討開始から発行までの期間は3年余りと、前回の刷新時より2年弱短縮するスピード対応となった。

 お札の図柄は、1万円札が表の肖像画は福沢諭吉のままだが、裏は平等院鳳凰堂の鳳凰像に変更。5000円札の裏は尾形光琳の「燕子花図(かきつばたず)」。1000円札は表に細菌学者の野口英世、裏に富士山と桜をあしらった。

 前回の刷新時には、3種類のお札の合計流通枚数が約37億枚だったが、現在は100億枚超。日銀は、本支店の金庫に50億枚弱の新紙幣を配備し、発行初日は午前6時から金融機関向けの窓口を開けて、速やかな流通を目指す。


偽1万円札でタクシー釣り銭サギ、2晩で8件

2001年2月9日金曜日ODN News(YOMIURI Pn-Line)
 偽一万円札でタクシー料金を支払い、つり銭を持ち去る事件が東京都心で相次いでいる。先月二十七日深夜から二十九日未明にかけて少なくとも八件の被害があり、いずれも車内が暗い夜間を狙って走行距離はほとんど「ワンメーター」。昨年摘発された外国人偽札グループのものと同じ番号の札が使われており、“残党”が関与しているとみられるが、「いちいち車内灯で確かめるわけにもいかず……」と、タクシー会社は対策に頭を悩ませている。

 都内に住むタクシー運転手(55)は先月二十九日午前一時ごろ、豊島区長崎から同区千川付近まで、二十歳代後半の男を乗せた。料金は六百六十円。男は降り際に「申し訳ありません」と丁寧な言葉遣いで謝りながら、四つ折りの一万円札を出して、釣り銭の九千三百四十円を受け取った。

 運転手が不審に思ったのはタクシー会社に帰ってから。納金機で売上金を計算したが、この一万円札だけは納金機が受け付けない。別の運転手の売上金にも同様の札が含まれており、目を凝らしてみると、二枚とも偽物だった。

 これらを含めて、二十七〜二十九日のわずか二晩の間に、都内のタクシー会社四社でわかっただけで同様の事件八件が発生。使われた偽札の番号は、すべて「NF292682E」だった。

 同じ偽札は、昨年八、九月ごろ、都内のスーパーなどで五百枚以上見つかり、使った中国人三人とマレーシア人一人が警視庁に逮捕されている。

 偽札はパソコン、スキャナーを使って本物を写し取り、高性能プリンターで印刷したものとみられる。透かしはなく、本物より色が薄くて赤みがかり、少し小さい。しかし、運転手たちは「暗い車内で、即座に偽物と見分けるのは困難」と口をそろえる。

 警視庁などでは、背景には大がかりな偽造グループがあるとみて偽造通貨行使などの疑いで捜査している。

京都市で偽5千円札 タクシー乗客が使う

2000.11.18(14:58)asahi.com
 京都市内のタクシー運転手が17日夜、「乗客から受け取った5千円札に不審な点がある」と五条署に届け出た。京都府警捜査二課などが調べたところ、本物の紙幣がカラーコピーされた偽札だとわかり、通貨偽造・同行使容疑で調べている。

 調べでは、17日夜、京都市の繁華街周辺で乗せた中年の男が、約600円の料金を払うのに5千円札1枚を差し出し、釣り銭を受け取ったという。運転手は紙幣の表面がざらざらで、印刷も不鮮明だったことに気づき、届けることにしたという。

偽2000円札、福岡と徳島で発見

2000.11.17(14:27)asahi.com
 西暦2000年と沖縄サミットを記念して今年7月に発行された2000円札の偽物が、福岡県と徳島県で1枚ずつ見つかったことがわかった。偽2000円札が見つかったのは初めてで、発行時に日本銀行が「最新の技術を可能な限り用いた」と自慢するほど偽造防止策が万全とされていた。押収した偽札は現在、警察庁科学警察研究所が鑑定を進めている。

 捜査当局などによると、福岡県内で見つかった偽2000円札は、10月に同県飯塚市周辺のコンビニエンスストアで使用された。形が本物よりもやや小さかったことから、店の関係者が偽物と気づき、警察に届けたという。

 徳島県内では8月9日に鳴門市であった「阿波踊り」の露店で見つかった。ぬれていて、印刷がにじんでいたため、露天商が届けた。徳島県警はパソコンのプリンターで印刷したとみている。

 ただ、捜査当局は2つのケースとも、偽札発見までのくわしい経緯や偽造内容、形状などについては「捜査上、支障がある」などとして明らかにしていない。

愛知で偽1万円札90枚/精巧な印刷、大規模偽造グループか

2000.11.02 The Sankei Shimbun
 今年八月ごろから愛知、岐阜の両県で、偽一万円札が次々見つかり、計約九十枚に達していることが、二日までに愛知、岐阜両県警の調べで分かった。名古屋市と岐阜県岐南町で見つかった偽札に同じ通し番号があったことなどから、両県警は背後に大規模な偽造グループがあるとみて、偽造通貨行使などの容疑で捜査している。

 調べでは、愛知県では岐阜県境に近い春日井市、小牧市などのガソリンスタンドやコンビニエンスストアを中心に、約七十枚が使われた。岐阜県では、十月中旬から愛知県寄りの八百津町や岐南町などで、約二十枚が使われたという。

 このうち十月二十七日午後七時ごろ、岐南町のコンビニで二十−三十歳代の女性がたばこを買う際に使った偽一万円札と、十一月一日午後二時半ごろ、名古屋市北区のガソリンスタンドで、三十−四十歳代の男性が偽造ナンバーの乗用車に給油して支払った偽一万円札は、同じ通し番号だった。

 愛知県警によると、同県で見つかった偽札の通し番号は数種類あり、パソコンのスキャナーとプリンターで偽造したとみられる。印刷は精巧だが細部にムラがあって色が薄く、透かしは入っていないという。

 一方、岐阜県内で見つかった偽札はカラーコピーされたようなものが多く、通し番号の末尾が「R」だったなどの共通点がある。

偽1万円札使用の疑いで中国人6人を逮捕 神奈川県警

2000.10.24(21:37)asahi.com
 コンビニエンスストアやタクシーで偽1万円札を使ったり、売ったりしたとして、神奈川県警捜査2課などは24日、中国人の男女計6人を偽造通貨行使などの疑いで逮捕した、と発表した。同課によると、このうち1人が同じ記番号の偽1万円札を15枚持っていた。スキャナーでパソコンに読みとった画像をプリンターで印刷したものと見られ、同じものがこれまでに神奈川県内では計122枚、全国では9都道府県で700枚以上見つかっているという。

 調べによると、偽札は本物よりやや小さく、全体的に赤みを帯び、透かしがない。記番号はすべて「NF292682E」。

 6人のうちの1人は、調べに対し「30歳ぐらいの中国人の男から1枚5000円で50枚ほど買った」と話しているという。

No.2-60-2 新500円硬貨


新500円硬貨、8月1日に発行

2000.07.06(20:57)asahi.com
 大蔵省は6日、偽造・変造問題に対応するために材質や一部のデザインを変えた新しい500円硬貨を8月1日に発行する、と発表した。材質は白銅からニッケル黄銅に変え、硬貨の裏面を斜め下から見ると「500円」の文字が浮かび上がる「潜像」という特殊な彫刻技術も取り入れて、偽物と区別しやすいように改鋳した。

2000円札と新500円玉の経済効果は4000億円?

10:44a.m. JST May 05, 2000 asahi.com
 今夏に相次いで登場する2000円札と新500円硬貨は、名目の国内総生産(GDP)を0.1%程度押し上げる――富士証券が、こんな試算をまとめた。現金自動預入払出機(ATM)や自動販売機の改造などで「特需」が生まれるなど、経済全体への波及効果は4000億円程度になる、という。その一方で、費用を負担する金融機関や飲料メーカーなどにとっては、収益悪化要因になると指摘している。

 2000円札は九州・沖縄サミットの首脳会議(7月21日から)直前の19日に当初1億枚で発行、新500円硬貨は偽造・変造対策として8月中に当初2億枚発行される予定だ。それに合わせ、金融端末機器や自販機、レジスターなどで識別装置を改造したり、紙幣を収納するカセットを新設したりすることが必要となり、関連機器メーカーなど一部の業界の売り上げを膨らませる。

 また、2000円札導入に合わせた小売業界での「2000円セール」などのイベント効果や、偽500円硬貨の被害減少による経済効果も期待されるという。

 ただ、試算をまとめた富士証券は「新しい紙幣や硬貨の登場自体は、個人や企業の支出を活発化させることではない。通貨供給量にもほとんど影響を与えない」とも分析している。

新500円硬貨、見る確度で0の中に「500円」の文字

11:02p.m. JST December 27, 1999
 大蔵省は27日、来年8月から発行する新500円硬貨のデザインを発表した。国内の硬貨では初めて「潜像」という特殊彫刻を導入。硬貨裏面を斜め下から見ると数字の「0」(ゼロ)の内側に、小さな「500円」の文字が浮かび上がるようにした。硬貨の周囲に斜めの刻みを入れるほか、硬貨表面に描かれているキリの葉などに、微細な線や点の模様を入れる特別な加工を施し、視覚でも容易に偽造硬貨と識別できるようにした。

 現在の500円硬貨は、変造硬貨として出回る韓国の500ウォン硬貨と同じ銅75%、ニッケル25%の白銅製だったが、新硬貨は材質を銅7割、亜鉛2割、ニッケル1割のニッケル黄銅に切り替え、電気抵抗(導電率)を変えることによって自動販売機内でも電気的に識別ができるようにする。

 重さは0.2グラム軽くなり、色も現在の銀色から淡い黄色になるが、大きさや厚みは変わらない。

 現行の500円硬貨はすでに製造をやめており、来年1月には関係政令を改正して同5月から新硬貨の製造を始める。8月に2億枚を発行、2001年3月までに計8億枚を出す。約25億枚流通している現在の500円硬貨は、日本銀行や民間銀行が回収し、新硬貨に交換することになる。

新500円硬貨、縁に斜めのギザギザ=来年8月発行−大蔵省

99年12月3日 19時40分 時事通信社
 大蔵省は3日、偽造・変造の被害が多発している500円硬貨の改鋳を柱とする防止策をまとめ発表した。新硬貨は、コインの表裏に光の当たり具合で模様が浮かび上がる「潜像」を施すとともに、外縁に斜めのギザギザを刻み込む。さらに材質も変えて熱伝導率を変更、韓国の500ウォン硬貨による自動販売機での変造被害を食い止めることにした。同省は来年8月から新硬貨を2億枚程度発行する一方、現行硬貨の製造は年内いっぱいで中止する。 

No.2-60-3 変造硬貨


現金報酬見返りに口座開設 偽硬貨入金で逮捕の男

2005/02/09 The Sankei Shimbun

 偽造500円硬貨事件で、偽造通貨行使容疑で逮捕された戸坂淳一容疑者(46)が福岡県警の調べに対し、現金報酬を見返りに郵便貯金口座をつくってくれないかなどと人から持ち掛けられたと供述していることが9日、分かった。

 戸坂容疑者は「硬貨を渡され、口座に一時的な入金をするだけだと言われた」とも供述しているという。福岡県警は戸坂容疑者の背後に組織的な犯行グループが存在するとみて、指示役や接触の経緯などについて戸坂容疑者を追及している。

 これまでの調べで、戸坂容疑者と共犯の男(46)=熊本県警が同容疑で指名手配=は1月24日、福岡市中心部などの郵便局から自分の口座に大量の偽造硬貨を入金、紙幣で引き出し換金したとみられている。口座開設は犯行直前だった。戸坂容疑者は犯行後、ハワイに一時出国していたことも判明している。

 大量の偽造500円硬貨は、2人の出身地である熊本のほか、東京でも見つかっている。警視庁と福岡、熊本両県警は、関東地方に拠点がある人物が一連の事件に関与している可能性もあるとみて、共同捜査本部を設置し調べを進めている。(共同)

偽500円硬貨、2万枚に拡大も 関係省庁が初の連絡会議

2005/02/08 The Sankei Shimbun

 福岡、熊本、東京の3都県で偽造の疑いがある大量の新500円硬貨が見つかった事件で、偽造硬貨が最大で約2万枚に達する恐れのあることが8日、財務省や警察庁など関係省庁でつくる連絡会議の初会合で明らかになった。

 財務省などが昨年秋、長崎県で同種の偽造硬貨23枚を確認したが、公表していなかったことも新たに判明。有効な対策を講じないまま、被害が4都県に拡大した格好だ。大半が見つかった郵便局を狙い撃ちされた可能性もある。同連絡会議は、早急に対応策を講じることで一致した。

 日本郵政公社は会議で、特定の口座(複数)に預けられた500円硬貨が、3日発表時点から4053枚増えて1万9618枚になり、このうち7487枚は偽造の疑いが濃いと報告。財務省は「今のところ(残り1万2131枚から)本物の500円硬貨は見つかっていない」(理財局国庫課)としており、偽造硬貨はさらに増えそうだ。独立行政法人造幣局が偽造と確定した硬貨は、110枚増え490枚となった。

 また、郵政公社以外の民間金融機関や公共機関からは、今年に入って偽造の疑いがある硬貨が計23枚見つかり、このうち1枚は長崎県で発見された。財務省は「郵便局の特定の口座に預けられた硬貨は、ほとんど郵政公社内にとどまっている」と説明している。

 今回の事件は福岡、熊本、東京に複数の口座を開設し、現金自動預払機(ATM)などから偽500円硬貨を預けた直後に、別の場所のATMから紙幣で現金を引き出していた。偽造硬貨は昨年4、5月に東京税関で中国からの郵便物の中から発見されたのとほぼ同じで、福岡県警捜査二課が今年2月7日、偽造通貨行使の疑いで男を1人逮捕した。(共同)

防犯ビデオに「第3の男」 偽500円事件、組織的犯行

2005/02/08 The Sankei Shimbun

 偽造500円硬貨事件で、福岡市の郵便局の防犯ビデオに、福岡県警が逮捕した戸坂淳一容疑者(46)や熊本県警が指名手配している男(46)とは別に、口座から金を引き出す男が写っていたことが8日、分かった。

 福岡県警捜査二課は、この男が偽造500円硬貨の換金役として戸坂容疑者らの犯行に加担していたと判断。組織的な犯罪の可能性が高いとみて調べている。

 戸坂容疑者や熊本県警が指名手配している男は、1月24日に福岡市内の複数の郵便局で2人の郵便貯金口座に大量の500円硬貨を入金する姿が確認されている。

 ほとんどは紙幣ですぐに引き出されていた。

 捜査二課が貯金を引き出した時刻と防犯ビデオの照合、分析を進めた結果、引き出し役とみられる別の男が浮上したという。

 戸坂容疑者は郵便局への入金後、海外に出国していた。日本郵政公社は偽造500円硬貨を発見したため、1月28日に戸坂容疑者ら2人の口座を取引停止にしており、犯行が発覚したため逃走したとみられる。(共同)

“精巧”偽500円 中国に偽造組織、見え隠れ

2005/02/08 The Sankei Shimbun 東京朝刊より

 東京、福岡、熊本の一都二県で偽造の疑いがある新五百円硬貨が相次いで見つかった事件で、政府は「通貨の信認維持の観点から考えて誠に遺憾」(細川興一財務事務次官)と危機感を募らせている。新五百円硬貨は偽造防止のために最新技術を駆使した「自信作」だったが、現金自動預払機(ATM)をすり抜けるなど精巧に偽造されていた。硬貨は自動販売機などで頻繁に使用されており、偽硬貨はさらに流通している可能性もある。財務省は八日、警察庁の担当者らを集めた連絡会議を開催。警視庁と福岡、熊本両県警も近く合同捜査本部を設置する。

 ◆疑い例1万5600枚

 先月末から三都県の郵便局で確認された計約一万五千六百枚が「偽造が疑われる」とされ、今月三日、福岡市で見つかった硬貨五枚が「偽造」と正式鑑定された。

 日本郵政公社によると、先月二十二日から二十七日にかけて、三都県の郵便局でATMを経由して複数の口座に五百円硬貨が入金され、すぐに別の郵便局から引き出された。先月下旬には東京都内の郵便局で、ATMから五百万円分が紙幣で引き出されていた。

 郵政公社は、大量の硬貨を頻繁に入金し、すぐに引き出している複数の「疑わしい口座」の取引を停止して、実態を詳しく調べている。また、入金場所が熊本、福岡から東京と移るにつれ、ATMの使用が減り、窓口入金が増えた。「犯人側は偽硬貨の出来栄えに自信を持ってきたのでは」と捜査関係者はみる。

 ◆成分は本物と同じ

 偽硬貨は本物より光沢が少なく、やや白っぽいが、合金の成分は本物とほぼ同じだという。

 ATMには硬貨の大きさや重さ、材質から偽物かどうかを識別できる「鋭い目」が備わっている。それだけに郵政公社は「ATMをすり抜ける偽硬貨が出てきたのは驚きだ」と話し、ATMのトップメーカー、沖電気工業も「驚きをもって受け止めている」と対策探しに懸命だ。

 平成十一年ごろ、表面をメッキ加工したり、韓国の五百ウォン硬貨を変造したりする偽五百円硬貨が出回ったのを受け、「500」の二つの「0」の中に「500円」という文字が浮かび上がる「潜像(せんぞう)」という特殊な偽造防止技術を施した新五百円硬貨が誕生した。十五年には横浜市などで新五百円の偽造硬貨が発見されたが、ほとんどは自動販売機で使うことができなかった。

 偽造通貨対策研究所の遠藤智彦所長は、今回の偽硬貨について「格段に進歩している。一見しただけでは偽物と分からないから、人間もだますことができる上、ATMをもだました。犯人からすれば“ビジネスチャンス”は機械と人間の両方に広がった。日本の貨幣経済を揺るがしかねない深刻な偽造だ」と話す。遠藤所長は偽造硬貨がさらに流通している可能性も指摘する。日本は世界でも有数な「自動販売機天国」のためだ。業界団体「日本自動販売機工業会」によると、全国には約五百五十万台の自販機が設置されている。

 ◆カギ握る熊本の男

 警察当局などが注目しているのは昨年四、五月に中国から届いた郵便物のなかで発見された偽造の新五百円硬貨。基本的に今回発見されたものと同タイプという。

 熊本県警は熊本市の郵便局のATMで偽造硬貨を預け入れたとして、偽造通貨行使の疑いで四十歳代の男を指名手配している。防犯ビデオには男の顔も写っていた。

 警察当局は中国などで組織的に偽造された可能性があるとみており、警察幹部は「男の確保とそこから背後関係を割り出し、日本の通貨制度の信認を揺るがす事件の全容解明を進めたい」としている。


変造硬貨1300枚見つかる

2000年3月12日
 
 和歌山市内の自動販売機から韓国の変造500ウォン硬貨計約1300枚が11日までに見つかり、和歌山県警捜査一課は、返却レバーで500円硬貨を取り出した窃盗事件とみて捜査を始めた。

 調べでは、9日から11日にかけて、酒や清涼飲料水などの自販機約80台から、片面が削られるなど変造した硬貨が発見された。被害総額は約65万円。

自販機から変造硬貨

2000年2月15日 13時18分
 京都府京田辺市の酒店などに設置された自動販売機から、韓国の500ウォン硬貨の両面を削った、とみられる変造硬貨計311枚が、15日までに見つかった。田辺署は釣り銭を狙った窃盗事件として調べている。調べでは、13日午後11時ごろ、京田辺市三山木の食料品店の清涼飲料水の自販機で店主が変造硬貨28枚を見つけ、同署に届けたのをはじめ、15日までに11カ所で計311枚が見つかった。

新たに215枚発見

2000年1月17日 12時52分 共同通信社
 福岡、大分両県の自動販売機などから表面を削った変造硬貨が大量に見つかった事件で、大分県内で新たに計187枚の変造硬貨が見つかったことが17日、大分県警のその後の調べで分かった。福岡県行橋市内でも、計28枚の変造硬貨が発見されている。

 これで両県内の自販機や両替機で今月八日以降に見つかった変造硬貨は計約1650枚となった。

大分と北九州で変造硬貨

2000年1月16日 15時23分 共同通信社
 16日午前8時半ごろ、大分県中津市のたばこの自動販売機2台から、表面がつるつるに磨かれた500円硬貨と同じ大きさの変造硬貨88枚が見つかったと商店主(67)が中津署に届けた。ほかにも同種の変造硬貨が中津市内の自販機4台から29枚見つかり、警察は、釣り銭用の500円硬貨を盗んだ窃盗事件とみている。また北九州市小倉北区と戸畑区の複数の自販機からも変造硬貨146枚が新たに見つかった。

淡路島で変造硬貨98枚

2000年1月5日 16時26分共同通信社
 兵庫県洲本市(淡路島)の自動販売機2台から、韓国の変造500ウォン硬貨計98枚が見つかっていたことが5日、洲本署の調べで分かった。洲本市など淡路島内では4日にも、変造硬貨計359枚が自動販売機から見つかる被害が明らかになっており、同署などで関連を調べている。今回、変造硬貨が見つかったのは同市塩屋のスーパー店内のたばこ自販機と、約500メートル離れた酒店のビールの自販機。

偽造500円使用容疑で中国人男性を逮捕 京都府警

0:13p.m. JST December 18, 1999
 京都府警捜査二課と向日町署は18日、偽造した500円硬貨を使ったとして、中国上海市出身の解体工、陳和順容疑者(29)を偽造硬貨行使の疑いで逮捕した。陳容疑者はほかに約300枚の偽造硬貨を持っており、京都市内のコンビニエンスストア3店で計64枚の偽造500円硬貨を使った男と似ていることから、同署が関連を調べている。

 調べでは、陳容疑者は16日午後3時ごろ、京都府長岡京市天神1丁目の洋菓子店で偽造500円硬貨1枚を使った疑い。

 陳容疑者は買い物の後、20数枚の偽造硬貨を店員に示して「両替してほしい」と言ったが、店員は硬貨がやや黒ずんでいたのを不審に思って断り、110番通報した。駆けつけた向日町署員が同店の近くで陳容疑者を職務質問したところ、パスポートを持っていなかったため、出入国管理法違反(旅券不携帯)の疑いで現行犯逮捕していた。

 同署の調べでは、陳容疑者が持っていた硬貨は韓国500ウォン硬貨の一部を削ったものでなく、表面に「日本国」などの文字がある精巧なものという。陳容疑者は偽造硬貨について「知り合いにもらった」などと話しているという。

ニセ500円対策で来年8月からニッケル黄銅の新硬貨

8:31p.m. JST December 03, 1999
 大蔵省は3日、現在の500円硬貨の製造を今月で中止し、来年8月に材質を「ニッケル黄銅」に変えた新500円硬貨を発行する、と発表した。硬貨に使う金属の電気抵抗(導電率)を変えることで、韓国の500ウォン硬貨などの外国硬貨を変造して、自動販売機から500円硬貨や商品を盗み取る被害を防止するのが狙いだ。大きさや厚み、基本的なデザインは変更しないが、目で確認できる偽造対策として、周囲に斜めの刻みを入れるほか、見る角度によって異なる模様が見える「潜像」という特殊彫刻も導入する。偽造・変造対策で硬貨を改鋳するのは、戦後初めて。

 現在の500円硬貨は、銅75%、ニッケル25%の白銅で鋳造されているが、新硬貨はそこに亜鉛を加えるため、色は現在の銀色から金色に近づく。来年8月に2億枚、年間では9億枚の発行を予定している。来年8月以降、約25億枚流通している現在の500円硬貨を、日銀や民間銀行が回収し、新硬貨に交換していくことになる。

 大蔵省は、自販機メーカーなどに対し、新500円硬貨への対応を要請するが、自販機改造には、1台当たり2万円程度のコストがかかると試算している。自販機は日本全国で五百数十万台あり、すべて改造するには1000億円以上のかかることになるため、飲料メーカーなどでは、新設する自販機から徐々に入れ替えることになりそうだ。

 一方、大蔵省は韓国関税庁に対して、500ウォン硬貨の密輸取り締まり強化をあらためて要請するほか、警察庁や海上保安庁と連携して税関などでの重点的な取り締まりに取り組む方針だ。

中国人グループが硬貨変造

1999年11月2日 19時29分 共同通信社
 神奈川県警国際捜査課などは2日までに、韓国の変造500ウォン硬貨を売り、パチンコ店から玉を盗むのを手助けしたとして、窃盗ほう助の疑いで中国福建省出身の千葉県市川市、無職林玉清容疑者(31)を逮捕した。また同市南八幡のビル2階の変造アジトの家宅捜索で、入管難民法違反(旅券不携帯)の現行犯で中国人3人を逮捕するとともに、変造硬貨約1万枚と変造テレホンカード約3000枚などを押収。

変造500円硬貨対策で原料変更案が有力に

3:10p.m. JST November 20, 1999
 外国の硬貨を変造し、自動販売機から500円硬貨や商品を盗み取る被害が広がっている問題で、政府は、500円硬貨の原料となる金属を一部変える方向で最終的な検討に入った。硬貨そのものを一新する抜本的な対策も浮上したが、「世界的に前例がなく、威信にかかわる」(大蔵省)として、硬貨に使う金属の電気抵抗(伝導率)を変える案が有力になった。自販機に伝導率を識別できる仕組みの導入が必要になるが、今の技術で対応できコストも安い、と判断した。

 現行の500円硬貨は、銅75%とニッケル25%を混ぜた白銅で鋳造されている。この金属組成が主に変造硬貨に使われる韓国の500ウォン硬貨などと類似している。自販機では、変造硬貨を形状や重さで識別することは限界にきていることもあり、別の金属を混ぜるか、銅とニッケルの比率を変えるなどして伝導率を変え、自販機内で電気的に識別できるようにする方向で、案を自販機メーカーに示して調整している。

 変造硬貨対策をめぐっては、(1)500円硬貨が海外の同型硬貨と比べ、極めて価値が高いことから変造されているため、500円硬貨をなくす(2)中心部に別の金属を埋め込む「バイメタル硬貨」にする、などの案もあった。しかし、500円硬貨をなくすことに対しては、100円硬貨の次が1000円紙幣では不便になる、という反論がある。また、変造によって硬貨をなくしたり、抜本的に作り替えたりする例はほとんどないことから、伝導率の変更が浮上した。

蔵相「早急に結論を」 500円硬貨偽造・変造対策指示

9:18p.m. JST November 17, 1999
 偽造・変造された500円硬貨が大量に出回っている問題で宮沢喜一蔵相は17日、大蔵省と警察庁が合同で具体的な対応策の検討に着手したことを明らかにしたうえで、「専門家が検討すれば難しい問題ではない。早く結論を出して欲しい」と述べ、自販機メーカーなどの意見も聞きながら、早急に偽造・変造対策に乗り出す考えを示した。衆院大蔵委員会で、横光克彦議員(社民)の質問に答えた。

 この後の会見で宮沢蔵相は、対策として、自販機の感知能力向上が可能か、複数の金属を使った硬貨(バイメタル)などへの改鋳が有効かなどの議論があるとの認識を示した。

変造硬貨、見逃しません! 自販機最大手が新識別装置

9:10p.m. JST November 14, 1999
 韓国の500ウォン硬貨を変造して清涼飲料水やたばこの自動販売機に入れ、返却レバーで500円硬貨を盗み取るという事件が全国で多発しているが、自販機最大手の富士電機冷機(本社・東京)は11日、500ウォン変造硬貨を排除できる硬貨識別装置を来月13日に発売すると発表した。この装置は新品の自販機に組み込むほか、すでに設置されている自販機に取り付けることもできる。

 従来の自販機では、投入した硬貨は釣り銭入れに直行し、返却操作すると、先に釣り銭入れにあった硬貨が返却される。今回の装置は投入された硬貨を商品購入が終わるまで一時保留し、商品購入なしに返却する場合は保留していた硬貨を返却する仕組みだ。

 変造硬貨を使って、500円硬貨でなく商品を盗もうとした場合にも対応。新型センサーを採用し、硬貨識別のチェックポイントを10カ所増やすことによって、変造硬貨を99%の確率で見分けられるようにした。価格は6万円台。

No.2-60-4 2000円札


2000円札の印刷減らします 日銀

2000.12.27(20:25)asahi.com
 日本銀行は27日、2000年度の2000円札の印刷枚数を、当初予定していた10億枚から2億3000万枚減らし、7億7000万枚とすると発表した。すでに印刷した2000円札は7億3300万枚で、うち7割強の5億8000万枚が現在、日銀保管庫に眠っている。

 日銀は12月から、創業以来初めて日銀店内で両替を実施するなど普及に努めている。この結果、発行した7月の9000万枚をピークに低迷していた日銀から出ていく2000円札の数は、12月は盛り返し、前月の2倍近い1700万枚となった。銀行など金融機関が現金自動預入払出機(ATM)の2000円札対応を進めるなど、徐々に受け入れ態勢も整いつつある。

2000円札に印刷ミス でも有効です

2000.07.22(01:22)asahi.com
 大蔵省は21日、19日に発行を開始した2000円札(現在1億1000万枚)のうち9000枚に、表側にある本来なら同じ2カ所の通し番号が異なって印刷されるミスがあったと発表した。通し番号は2つのアルファベットと6けたの数字からなるが、左上の番号の頭に「L」と印刷するところを「J」と間違って印刷してしまった。大蔵省は「印刷ミスの2000円札も正常な紙幣と同様に有効。日銀の本支店で取り換えることもできる」としている。

 印刷を間違えたのは、滋賀県彦根市の大蔵省印刷局彦根工場。21日、第三銀行(本店・三重県松阪市)の大阪支店に、顧客が「番号がおかしい」と異常を知らせ、同行が日銀大阪支店に問い合わせて、印刷ミスが発覚した。印刷ミスの9000枚はすべて日銀大阪支店に持ち込まれ、大半が西日本の銀行などに送られた。日銀によると、印刷ミスを指摘した第三銀行から631枚を回収したが、すでに5000枚が市中に出回っているという。

 大蔵省によると、通常は機械で印刷ミスを点検するが、2000円札の字体に対応した新たなソフトの開発が間に合わず、職員が手作業と目視で点検した。その際、印刷ミスを見逃したという。

 大蔵省印刷局は「2000円札の印刷は5月8日から始め、発行開始の7月19日の直前までかかった」と話している。沖縄の守礼門をあしらった2000円札を九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)に合わせてデビューさせる「演出」があだになった、との見方もある。

2000円札発行を記念、守礼門前でセレモニー 那覇

2000.07.20(23:51)asahi.com
 2000円札の発行を記念したセレモニーが19日、那覇市の守礼門の前で開かれた。琉球の古式行列が花を添え、堺屋太一経済企画庁長官らが2000円札の図柄と一緒に記念撮影をした。

2000円札を各国首脳に贈呈へ 費用は森首相が負担

2000.07.20(07:03) asahi.com
 19日からの新2000円札発行を記念して、森喜朗首相が九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)に参加する各国首脳に新紙幣を贈ることになった。札の番号に各国の頭文字を入れたもので、22日の夕食会で首相が直接手渡す。中川秀直官房長官が19日の記者会見で明らかにした。

 贈る紙幣はすべて「Aの1番」で、末尾に各国の頭文字を入れる。フランスは「A1F」、米国は「A1U」、ドイツが「A1G」といったぐあい。イタリアは「1」と「I」が紛らわしいとの理由から、「ラテン」や通貨の「リラ」から「L」をとり、「A1L」に。日本の「A1J」は首相官邸に保管する。費用は首相が負担、少額なので「現金授受」に違法性はないという。

 新2000円札の発行は故小渕恵三前首相が決めた。前首相はサミットの成功に力を傾けてきたことから、前首相の遺族にも贈られる。

2000円札、19日から市中へ

2000.07.18(19:41)asahi.com
 42年ぶりの新額面紙幣となる2000円札の発行が19日から始まる。同日中に約1億枚の新紙幣が全国の日本銀行本支店から市中銀行へと配布される。

 2000円札はミレニアム(千年紀)事業の一つとして政府が発行を決めた。表にはサミットの開催地・沖縄の守礼門を、裏には源氏物語絵巻の一部や作者の紫式部の肖像画などが描かれている。偽造防止対策も万全で「最新の偽造防止技術を可能な限り用いた」(日銀)ハイテク紙幣だ。

 銀行カウンターでの紙幣引き換えは、輸送上の問題から早くても19日昼ごろとなる見込みだ。また現金自動預入払出機(ATM)は機械の対応が間に合わず、ほとんどの金融機関で2000円札を使うことはできない。

2000円札の印刷開始 42年ぶり新額面紙幣

8:16p.m. JST May 08, 2000 asahi.com
 42年ぶりの新額面紙幣となる2000円札の印刷が8日、東京都北区の大蔵省印刷局滝野川工場で始まった。7月19日からの発行までに約1億枚を印刷する。

 印刷開始式で、1枚目であることを示す「A000001A」という番号が入った札など20枚つづりの「大判」が刷り上がると、関係者が虫眼鏡を手に印刷具合を確認した。

 2000円札はミレニアム(千年紀)事業の一つとして昨年10月、政府が発行を決めた。紙幣の表には、今年7月のサミット開催県である沖縄県の守礼門、裏面には紫式部の肖像画と源氏物語絵巻の一場面が使われている。偽造防止のため、正面からは見えないが斜めから見ると文字が浮かび上がる「潜像」など、最新の印刷技術も駆使している。

2000円札自販機で使えず

1999年12月31日 15時32分 共同通信社
 清涼飲料などの自動販売機メーカー各社が7月に発行される2000円札に対応した新型機種の開発を見送る方針だ。

 自販機の設置業者の間で新型機を要望する動きがほとんどないためだ。三洋電機(大阪市)は「市場のニーズが出てくるまで様子を見たい」と話しており、2000円札は発行後も街頭の自販機では使えないことになりそう。

二千円札に反対6割

1999年12月12日 9時23分 共同通信社
 政府がミレニアム(千年紀)プロジェクトの目玉としている二千円札発行に、6割以上の人が「必要がない」などの理由で反対していることが信販会社オリックス・クレジット(東京)が12日までにまとめたアンケートで分かった。調査は首都圏の会社員324人(女性178人、男性146人)を対象に11月に実施した。

2000円札効果は2兆円

1999年10月25日 18時59分 共同通信社
 1兆9000億円の経済効果、10万人の雇用を創出―。和光経済研究所は25日までに、政府が2000年に発行する2000円紙幣の経済波及効果を試算した。

 新しい自動販売機などの製造費やメーカー社員の給与増などを積み上げると2兆円近くに達するが、研究所は「あくまで新札が普及することが前提」としている。

二千円札裏側の図柄は光源氏親子と紫式部か 来週決定へ

03:04a.m. JST October 22, 1999
 2000円札の裏側は、光源氏親子に紫式部か――。小渕恵三首相がミレニアム(千年紀)プロジェクトの目玉として打ち出した2000円札の図柄が21日までにほぼ固まり、来週中の閣議で正式決定される見通しになった。紙幣の裏側は、源氏物語の主人公の光源氏と息子の冷泉院(れいぜいいん)が会っている「鈴虫」の場面に加え、作者である紫式部の肖像画という構図が最終的に検討されている模様だ。

 2000円札は、来年7月の沖縄サミット開催までの発行を目指している。大蔵省は図柄が正式に決まり次第、紙幣原版の作成に着手し、来春には印刷を始める考えだ。

 2000円札の図柄は、表側がサミット開催地である沖縄県の守礼門、裏側が約1000年前に書かれた「源氏物語」にちなんで源氏物語絵巻から選ぶ、という方針だけが決まっていた。国宝の源氏物語絵巻の図柄は19枚が現存しているが、図柄を選ぶ段階では、「実は男女の逢瀬(おうせ)の場面というケースが多く、ちょっと紙幣になじみにくい」(大蔵省幹部)などの理由から作業が難航。結局、親子の対面という無難な場面とする可能性が強まっている。同時に、国宝である紫式部日記絵巻(絵詞)から、紫式部自身の肖像も取り込む方向だ。

 2000円札は、OBを含む大蔵省関係者のアイデアを聞きつけた小渕首相が極秘に採用して実現した。当初は単発の記念紙幣として発行する計画も検討されたが、日本銀行が難色を示したことなどから、恒久的な紙幣になった。新額面の紙幣は1958年の1万円札以来、42年ぶり。

2000円札構想、極秘に用意 政府首脳にも知らされず

9:44p.m. JST October 13, 1999
 政府が2000年にあわせて2000円札を発行するという計画は、9月から小渕恵三首相の周辺でひそかに練り上げられたことが、関係者の話でわかった。大蔵省内で話題になったアイデアを、同省出身の首相秘書官が直接、首相に持ちかけたため、野中広務官房長官(当時)らにも知らされないまま計画は進んだという。自自公連立の発足にあわせて発表することで「新鮮味が欠ける」という改造内閣への批判をかわす狙いもあったようだ。

 筑紫哲也キャスター「だれの発案ですか。よく事前に漏れませんでしたね」

 首相「僕じゃないんだけど……」

 政府が2000円札発行を発表した翌日の6日。ジャーナリストを首相官邸に招いて開いた九州・沖縄サミットの懇談会で、首相は質問を笑ってはぐらかした。

 最初の発案者はだれか。大蔵省印刷局OB、若手通産官僚、「ミスター円」といわれる榊原英資前大蔵省財務官……。諸説入り乱れているが、実は首相官邸もはっきり分かってはいないという。ただ、大蔵省出身の秘書官が9月上旬に同省内で話題にのぼっていた2000円札構想を聞きつけ、首相に提案したことだけは間違いなさそうだ。ちょうど2000年の区切りに向けてミレニアム(千年紀)事業の具体案を探っていた首相は、この案に飛びつき、すぐに利便性などを探るよう指示した。

 これまで「新札の発行が事前に漏れなかったことはない」(大蔵省関係者)というが、2000円札計画は、官邸内でも間近まで政府高官や他の秘書官には秘密にされた。与党幹部への説明も発表当日。徹底した情報管理だった。

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