TOPIC No.2-59 法の華三法行(ほうのはなさんぽうぎょう)

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a. その1、b. その2

法の華情報 by 弁護士 紀藤正樹のLINCへようこそ


「法の華」の福永被告に懲役12年 東京高裁

2006/12/01 中国新聞ニュース

 宗教法人「法の華三法行」(解散)の修行代などの名目で約一億四千九百万円をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた元代表福永法源(本名輝義)被告(61)の控訴審判決で、東京高裁は一日、懲役十二年(求刑懲役十三年)の一審東京地裁判決を支持、福永被告の控訴を棄却した。

 中川武隆裁判長は「宗教活動に名を借りた、著しく違法性の高い詐欺行為であることは明白。福永被告は大半の行為に教祖として中心的な役割を果たした」と判決理由を述べた。

 判決によると、福永被告は配下と共謀の上、一九九四年三月から九七年二月にかけて、教団施設を訪ねた三十一人に足裏を診察するふりをして見せ「このままではがんになる」と不安をあおり、病気を治すための修行代などとして計約一億四千九百万円を詐取した。

 中川裁判長は共犯として詐欺罪に問われた教団の元職員前沢あけみ被告(42)も一審の懲役四年(求刑懲役六年)を相当とし、前沢被告の控訴を棄却した。

「法の華」詐欺 福永被告に懲役12年 東京地裁「巧妙悪質」

2005/07/15 The Sankei Shimbun

 宗教法人「法の華三法行」(解散)の修行代などの名目で約1億5000万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元代表、福永法源(本名・輝義)被告(60)に、東京地裁の青柳勤裁判長は15日、懲役12年(求刑懲役13年)の判決を言い渡した。共犯とされた元職員、前沢あけみ被告(41)は懲役4年(求刑懲役6年)とした。

 判決理由で青柳裁判長は「病気などの悩みを抱えた被害者に『足裏診断』と称する面談をし、衝撃的な言葉を浴びせ不安を駆り立てた。修行すれば病気は治るなどと虚言をろうして、法外な金をだまし取った犯行は巧妙悪質だ」と述べた。

 福永被告は公判で「人はだましていない。天声に基づき人類の救済をしてきただけだ」と無罪を主張したが、判決は「『天声』を聞いたり(宇宙エネルギーの)『天行力』を操る能力がないことを誰よりも本人が認識していた」と指摘。「教団トップに君臨し権力を振るい組織的詐欺を推進した。まさに首謀者だ」として退けた。

 弁護側は「教義内容の真偽を裁判所が決めることは、信教の自由を保障した憲法違反だ」と反論していたが、青柳裁判長は「福永被告らの行為は詐欺そのもの。信教の自由の限界を逸脱している」とした。

 判決によると、福永被告らは共謀し1994―97年、病気などの悩みで教団施設などを訪ねた31人に「足裏診断」を実施。「がんは頭まで来ている。(修行に)行ったら病気が治ります」などとうそを言い、修行代などとして計約1億5000万円をだまし取った。

 一連の事件では、福永被告ら15人が詐欺罪で起訴され、これまで13人に東京地裁は有罪判決を言い渡した。いずれも福永被告との共謀を認定し、上告中の2人を除いて確定している。(共同)

<法の華三法行事件> 福永法源(ふくなが・ほうげん)元代表が1980年、「キリスト、釈迦(しゃか)に次ぐ最後の救済者」との「天の声」を受けたとして活動を開始。87年に静岡県から宗教法人の認証を受け、同県富士市の施設一帯を「天声村」と称した。出版活動や「足裏診断」などを通じて募った信者は約3万人。4泊5日の「修行」などで集めた資金は900億円を超える。街頭で「最高ですか」と叫ぶ修行もあった。96年ごろから教団活動が社会問題化し、修行代の返還などを求める訴訟が全国で相次いだ。2000年に警視庁などが詐欺容疑で福永元代表ら24人を逮捕し、1人を書類送検。うち15人が詐欺罪で起訴され、11人の有罪判決が確定している。(共同)


「法の華」に東京地裁も賠償命令 慰謝料加え1億5千万

2000.12.25(13:42)asahi.com
 宗教法人「法の華三法行(さんぽうぎょう)」の詐欺的、脅迫的な勧誘により研修費などの名目で多額の金を支払わされたとして、関東地方の31人が教団と教団前代表役員・福永法源(本名・輝義)被告(55)=詐欺罪で公判中=ら役員を相手に総額約1億5700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。佃浩一裁判長は、教団の活動を「社会通念で相当といえる範囲を逸脱していて違法だ」と認定。31人が支出した金額に1割の慰謝料を加えた計約1億5000万円を支払うよう教団側に命じた。

 被害対策弁護団によると、1200人余が総額約65億円の損害賠償を求める訴訟を全国8地裁に起こしている。今年4月に初めての判決となった福岡地裁が教団の不法行為を認め、その後秋田、大阪両地裁でも支払いを命じる判決が出された(教団側はいずれも控訴)。被害者らは今月、認められた賠償額などを根拠に「教団は債務超過の状態だ」として東京地裁に教団の破産を申し立てている。

 判決は「宗教的行為が外界との交渉を生じる場合には、いかに教義上は正当化される行為であっても、法律からみて社会的に是認しがたい違法なものだと評価されることがあるのは当然だ」と説明。そのうえで教団について「宗教性を隠して執ように勧誘し、高額の支出をさせた金を福永被告らが自分の利益を図るために用いていた」と認めた。

法の華の破産を申し立て 被害対策弁護団が東京地裁に

2000.12.14(21:46)asahi.com
 宗教法人「法の華三法行(さんぽうぎょう)」の被害対策弁護団は14日、教団に損害賠償を求めている被害者らが「被害総額は数百億円に上るのに教団には支払えるだけの資産がない」として、東京地裁に教団の破産を申し立てたことを明らかにした。教団の現在の資産流出を防ぎ、破産手続きに基づいて公平で迅速な被害救済を図るのが目的だ。同地裁は同日までに、教団が所有する静岡県富士市や東京都渋谷区の約10施設の土地や建物、銀行預金などの保全を認める決定をした。弁護団は、保全によって教団が自由に処分できなくなった資産は50億円程度とみている。

 被害者らは、合わせて教団関連会社「アースエイド」、前代表役員・福永法源被告(55)=詐欺罪で公判中=、福永被告の母親の破産も申し立てた。

 今後、同地裁が教団側の意見を聴いたうえで破産宣告の可否を決定する。教団が債務超過と判断されれば、宣告と同時に破産管財人が選任され、保全された土地や建物を売却して配当の原資を確保する。被害者は被害額を破産債権として届け出て配当を受けることになる。

 申立書は、教団の「足裏診断」などによる金集めが不法行為に当たると指摘。全国各地で1200人余が教団を相手取り総額約65億円の損害賠償を求める訴訟を起こしていることを挙げ、「潜在的な被害者は多数にのぼり、被害総額は少なくとも数百億円に上る」と見積もった。そのうえで「同じ金集めの方法による今後の収入は見込めず、教団はすでに債務超過の状態にある」と述べて、宣告を求めている。

 今回の保全処分で、弁護団は「教団が所有する現在のほとんどの不動産を押さえられた」といい、今後も資産が見つかり次第、追加で保全処分を申し立てるという。

 オウム真理教の破産手続きの際には、宗教法人の解散命令の後、国も破産を申し立てた。今回、弁護団は、国が宗教法人の解散を請求するよう求めていたが、請求に向けた動きが鈍いと判断し、被害者自らの破産申し立てに踏み切った。「被害額の全額返還という救済は難しいが、破産手続きで教団の活動を封じ込め、公平な救済が実現する」と説明している。

法の華元幹部2人に賠償命令/金沢地裁

2000.12.11The Sankei Shimbun
 修行代などの名目で金をだまし取られたとして、富山、石川両県の五人が宗教法人「法の華三法行」などに損害賠償を求めた訴訟で、被告のうち答弁書を提出しなかった星山(本名李)康天(55)と前川徳行(61)の両元幹部二人の判決が十一日、金沢地裁であり、渡辺修明裁判長は原告の請求通り計約三千五百万円の支払いを命じた。

 判決理由で、渡辺裁判長は「事実を争うことを明らかにしないものとして、自白したものとみなす」と述べた。

 判決によると、原告は病気などの悩みを教団に相談。「災いが生じる」などと不安をあおられた結果、一九九四年から九八年にかけ計約二千八百万円を教団に納めた。

 この訴訟で、教団や福永法源(本名輝義)前代表(55)など四者は全面的に争っている。

 法の華は「広報担当者がいないのでコメントできない」としている。

福永法源被告の実母が詐欺行為認める供述 法の華公判

2000.11.13(22:04)asahi.com
 宗教法人「法の華三法行(さんぽうぎょう)」をめぐる詐欺事件の公判が13日、東京地裁(永井敏雄裁判長)であり、検察側は、教団前代表役員・福永法源被告(55)=本名・輝義=の実母が、捜査段階で福永被告に超能力「天行力」がなく、「足裏診断など最初からできないことは分かっていた」など詐欺行為を認める供述をしていたことを明らかにした。

 永井裁判長はこの日、10被告のうち、証人尋問が長く続くことが予想される福永被告ら4被告の審理と、教団ナンバー2と言われた李康天被告(54)ら6被告の審理を分離した。検察側は李被告らの分離後の公判で、実母の捜査段階での供述調書の要旨を告げた。

 福永被告の実母は、福永被告とともに教団を設立したとされる。要旨によると、実母は「自分が病気になっても天行力で治してもらったことはなく、病院に行って治療した」「福永被告自身がいつも足が疲れて痛いと訴え、マッサージを受けて疲れを取っていた」などと供述。福永被告が天からの啓示「天声」を聞いたとして、周囲に特異現象が起きたように見せかけるために手の皮をむいたときには「痛がっていたのでクリームを塗るように言った」という。

法の華の福永被告、起訴事実を否認

2000.10.13(00:33)asahi.com
 宗教法人「法の華三法行(さんぽうぎょう)」(本部・静岡県富士市)の前代表役員・福永法源(55)=本名・輝義=ら10被告が相談者から金をだまし取ったとして詐欺罪に問われた事件の初公判は、12日午後も東京地裁(永井敏雄裁判長)で引き続き開かれた。福永被告は罪状認否で「法の華は人類の救済活動をしており、だまして金を取ったことなどない」などと起訴事実を否認し、弁護側も無罪を主張した。検察側は冒頭陳述で、福永被告を「組織的詐欺集団の中心人物」と位置づけ、病気などの悩みにつけこんでより多額の現金を集めるよう幹部や職員にげきを飛ばしていたと指摘した。

 残りの9被告のうち、教団ナンバー2と言われた李康天(54)ら4被告が起訴事実を認めたが、5被告は「教義に従っただけでだましたわけではない」などと否認した。

 福永被告は午後2時前に罪状認否が始まると「私は『天声』を聞く身として、人をだまして金を取れという『天声』を受けたことがない」「詐欺集団という指摘は法の華を理解していない。人を救うために救済活動を行っている。法の華は永久に不滅だ」などと述べた。

 弁護側も「天声に基づく教義は憲法の信教の自由で保護されており、決して詐欺ではない」などと無罪を主張した。

 これに対し、検察側は冒頭陳述で、福永被告が教団幹部や職員に「泥棒もOKだ。殺人以外なにをやってもいい」などと指示していたと指摘。1994年から99年までの間に教団が約770億円を集め、そのうちの3割弱の約218億円が福永被告の企業経営費用や住宅家賃など、宗教活動以外に充てられたことを明らかにした。

賠償求め法の華提訴/修行に参加した近畿の11人

2000.10.03 The Sankei Shimbun
 脅迫まがいの勧誘で、修行代など多額の現金をだまし取られたとして、宗教法人「法の華三法行」(本部・静岡県富士市)の修行に参加した近畿の十一人が、教団や福永法源(本名・輝義)前代表らに計約三千万円の損害賠償を求めて三日、大阪地裁に追加提訴した。

 秋田、東京、名古屋、金沢、福岡の各地裁にも、計五十五人以上が総額五億三千万円以上の賠償を求めて追加提訴する予定。

 同様の訴訟で、福岡地裁は今年四月「組織的な不法行為があった」として、福永前代表らに約二億三千万円の賠償を命じている。

 訴えによると、十一人は平成四年から九年にかけ、病気による不安、度重なる身内の不幸といった悩みを教団に相談。福永前代表らから、足裏鑑定で「このままではがんになる」「家族全員が大変なことになる」と不安をあおられ、修行代や掛け軸などの代金としてそれぞれ七百万−百三十万円を支払った。

 原告側は「教団は宗教団体であることを隠し、修行代として多額の現金を巻き上げ、数日間外界と隔離して修行させて、マインドコントロールした」と主張。支払った金額と、その一割の慰謝料などを求めている。

法の華の福永容疑者ら10人を詐欺容疑で再逮捕

2000.05.29(23:49)asahi.com
 宗教法人「法の華三法行」(本部・静岡県富士市)の詐欺事件で、警視庁と静岡県警の合同捜査本部は19日、前代表役員福永法源(本名・輝義)容疑者(55)=東京都渋谷区=をはじめ教団幹部ら計10人を新たな詐欺容疑で再逮捕した。福永容疑者ら幹部8人の逮捕は3度目。このほかにも、教団支部長ら数人を同容疑で20日以降に逮捕する方針。また、東京地検は19日、逮捕していた14人のうち、福永容疑者ら10人を詐欺罪で東京地裁に起訴した。

 一連の容疑事実に対し、福永容疑者ら最高幹部経験者は否認を続けている。

 調べでは、福永容疑者ら10人は1995年1月から96年1月にかけて、渋谷区の教団拠点施設などで、千葉県内の自営業の女性(66)ら14人に対し、医師の資格も技能もないのに足の裏をみて健康を占う「足裏鑑定」などを実施。病気を治す能力があるかのように装い、総額計5687万円をだまし取った疑い。

「法の華」福永前代表ら11人を詐欺罪で再逮捕

2000.05.29(22:36) asahi.com
 宗教法人「法の華三法行」(本部・静岡県富士市)の詐欺事件で、警視庁と静岡県警の合同捜査本部は29日、前代表役員福永法源(本名・輝義)容疑者(55)=東京都渋谷区=をはじめ教団幹部ら計11人を詐欺の疑いで再逮捕した。このほかにも、教団支部長ら数人を同容疑で30日以降にも逮捕する方針。また、東京地検は同日、逮捕していた12人のうち福永容疑者ら8人を詐欺罪で東京地裁に起訴した。残り4人については処分保留で釈放した。

 これまでの調べに対し、いずれの容疑者も容疑を否認しているが、一部の容疑者は福永容疑者の「天行力」について疑問視する供述を始めているという。

 調べでは、福永容疑者ら11人は1994年3月から97年2月にかけて渋谷区の教団拠点施設で、大阪府内の自営業の女性(58)ら11人に対し、宗教団体であることを隠したまま、医師の資格も技能もないのに足の裏を見て健康を占う「足裏鑑定」などを実施。病気を治す能力があるかのように装い、4泊5日の合宿修行に参加させて修行代を支払わせたうえ、法納代の名目で掛け軸などを売りつけ、総額計5601万円をだまし取った疑い。

福永法源容疑者ら、新たな詐欺容疑立件へ

2000.05.27 (03:45) asahi.com
 宗教法人「法の華三法行」の前代表役員、福永法源(本名・輝義)容疑者(55)らによる詐欺容疑事件で、警視庁と静岡県警の合同捜査本部は26日、福永容疑者や教団「ナンバー2」とされる元責任役員、李康天容疑者(54)ら幹部を週明けにも詐欺の疑いで再逮捕する方針を固めた。
 これまでの調べでは、福永容疑者ら教団の最高幹部経験者や支部長ら計12人は、家族らの病気に悩み、福永容疑者の著書を読んで「足裏診断」などの相談に訪れた関東地方の5人から、4泊5日の合宿修行など研修費用の名目で総額計2502万円をだまし取ったとされる。再逮捕容疑は、被害届を出している別の研修会参加者らに対する詐欺容疑になる見込みだ。

敗訴にも「天は関知せず」 2000年5月7日 16時13分共同

 法の華三法行の詐欺容疑事件で、幹部の事情聴取など詰めの捜査が続く中、福永法源前代表(55)は連休中も各地で講演会を開き、福岡地裁での民事訴訟の敗訴も「天は関知せず」と言い放つなど強気の姿勢を見せている。渋谷区の教団施設で4月30日行った講演会は2億2000万円余りを元修行者に賠償するよう命じた教団敗訴の判決直後で、地下2階のホールは、床に座る人も出るほどの盛況ぶり。

「天声」はだましの手段

2000年5月7日 15時53分共同
 宗教法人「法の華三法行」の福永法源前代表(55)ら幹部の詐欺容疑事件で、福永前代表だけに聞こえるとされる「天声」の内容が幹部会議で決定され、その大半が新たな信者獲得や高額な物品購入を迫るための指示だったことが7日、警視庁と静岡県警の合同捜査本部の調べで分かった。捜査本部は、福永前代表らを含めた幹部が、宗教者を装って信者らをだます手段の一つにしていたとみている。

「病気が治る」は違法 「法の華」が幹部に注意促す文書

03:08a.m. JST May 07, 2000 asahi.com
 宗教法人「法の華三法行」(本部・静岡県富士市)の福永法源(本名・輝義)前代表役員(55)らが、相談者から多額の現金をだまし取っていたとされる事件で、巨額な資金集めが社会問題となっていた1996年4月、「絶対に病気が治る」「がんになる」などの勧誘文句は法的責任を追及される恐れがある、などと教団が幹部信者向けに注意を促す内部文書を作成していたことが6日、分かった。警視庁と静岡県警の合同捜査本部はこの内部文書を押収しており、教団の中枢幹部が勧誘行為の違法性を認識していた重要な裏付けになるとみている。捜査本部は週明け早々にも、教団の元最高幹部らの本格的な取り調べに乗り出す。

 内部文書は「天行(てんぎょう)における言動の注意」と題された文書で、2ページ、8項目にわたって勧誘時の注意が書かれている。

 この中で、教団側は「絶対に病気が治るという言葉は好ましくない。修行後、虚偽の言動にまどわされたと訴え出る人もおり、必ず治ると『錯誤』させられたと証明されると罪になる」と、詐欺罪に問われる恐れを指摘。さらに教団側は勧誘時に宗教法人であることを隠し、「ゼロの力学本庁」の別名を使うなどしていたが、文書では「宗教法人でないといえばうそになる」として、「問われた場合は『内容は宗教的なものではないが、法人格を取得している』と話す」などと指導している。

 「必ずお金がたまるという直接的な表現はタブー」「必ず人類が破滅するという言い方はひかえる。あくまで条件次第で破滅に至る」などと注意したほか、「足裏診断(運勢占い)で『○○病です』と病名を言ったり、『病院に行くのはやめなさい』という言葉は医事法に反します」とも述べたりしている。「具体的に借金の仕方を教えたり、借金に同行するのは行き過ぎ」「相手が家族のお金を勝手に使うことを勧めてはいけない」など、研修代などの強引な取り立てにも注意を促し、予想される外部からの批判に神経質になっている様子がうかがえる。

 「天仕(てんじ)」という教団幹部だった女性は朝日新聞の取材に対し、「教団は修行を受けさせて、お金を取るためなら何でもあり、という感じでした。多くの勧誘方法は、本部がファクスなどで指示していました。信者がノルマ達成のために突っ走ってしまうケースもありましたが、問題が起きても本部は見て見ぬふりでした」と証言している。

「法の華」福永前代表ら立件へ

(5月5日03:01) Yomiuri On-Line

 宗教法人「法の華三法行」が修行料などの名目で元信者らから多額の現金をだまし取ったとされる事件で、警視庁生活経済課は四日までに、教団に対する詐欺容疑を元信者ら二十数人からだまし取った一億数千万円に絞り、福永法源前代表(55)ら十数人を立件する方針を固めた。週明け早々に検察当局に最終判断を求め、本格的な捜査に乗り出すとみられる。
 教団は昨年十二月、主婦ら三人に「足裏診断」を行い、「このままではがんになる」などと言って不安にさせ、四泊五日の修行に参加させたり、高額の掛け軸などを購入させたりして、計二千二百万円をだまし取った疑いで同課などの捜索を受けた。

 同課はこの捜索で押収した伝票、帳簿類などの分析を慎重に進め、教団が修行に参加させた信者らが約三万人に上り、修行料や物品の販売などで集めた資金が八百億円を超すことを突き止めた。

 また、元信者や教団関係者の聴取も進め、福永前代表が職員らに「修行に勧誘する際にはウソも許される」などと指示していたことを解明。教団は福永前代表だけが聞くことができると説明する「天声」を使って信者らをだまし、多額の修行料などを集めていたと判断した。

 特に、被害者の二十数人については、教団側は宗教法人であることを伏せて「ゼロの力学本庁」の名で勧誘し、特殊な能力がないのに「がんになる」などと言って修行料を出させていたことが明確で、同課は詐欺容疑が揺るがないとみている。

 同課では、連休中も教団幹部に出頭を求めて事情聴取を進めるなど、立件に向けて詰めの捜査を急いでいる。

 教団をめぐっては、福岡地裁が先月二十八日、「足裏診断は金を出させる手段に過ぎない」などとして二十七人の損害賠償請求を認め、教団が控訴している。

「信者獲得のためならウソもOK」と法の華教団が指示

2:56p.m. JST April 25, 2000
 宗教法人「法の華三法行」(本部・静岡県富士市)が、相談者らから修行料などの名目で多額の現金をだまし取っていたとされる事件で、教団が「研修に参加させるためなら、うそを言ってもいい。相手に応じて脅せ。天声が許している」などと幹部信者に指示していたことが分かった。教団の元支部長だった男性(64)が朝日新聞の取材に答えた。警視庁と静岡県警の合同捜査本部もこの男性から事情を聴いており、教団からのこうした指示は組織的な詐欺行為を裏付ける重要な証拠とみて、25日から教団幹部数人の事情聴取を始めている。

 この男性は関東地方の会社役員で、1994年10月から2年間にわたって支部長を務めていた。

 男性は教団から、支部長の主な仕事は新規参加者を勧誘して合宿研修に送り込むことだ、と言われた。講師をつとめた天仕(てんじ)と呼ばれる出家信者の職員からは「頭をとらせる(研修に参加させる)ためには、虚言をはいてもいい。どういう手段を使ってもいい。すべては天声が許している」「知恵を使え。相手の悩みに応じて脅せ」などと教わったという。

 教団によると、「天声」は、すべての生命や自然を造る絶対的存在である天の声のことで、福永法源前代表役員だけが聞くことができるという。

 男性は指示に従い、足裏診断や勧誘活動を実施。「このままでは思い通りの人生は送れない」「これまでの生きざまが悪い」など、相談に応じて口から出まかせを言い続けた。「天声で許されているから、何を言ってもいいと思った。足の裏を見ようが、見るまいが、関係なかった」と振り返る。

「法の華」活動再び活発化

2000年2月28日16時22分
 宗教法人「法の華三法行」の活動が再び活発化している。中止していた「足裏診断士」養成を再開したほか、警視庁に対する信者の手紙を集めた文集を製作。福永法源前代表も全国で講演会を頻繁に行っている。

 全国法の華被害対策弁護団の代表、藤森克美弁護士は「診断士養成の再開は福永氏(前代表)本人への強制捜査後を考えた体制作りでは」と話している。

「宗教行為」と福永前代表

2000年1月24日 17時53分 共同通信社
 修行代名目などで現金をだまし取られたとして、近畿地方の主婦ら16人が、宗教法人「法の華三法行」(静岡県富士市)と福永法源前代表(54)らに、総額1億円余りの損害賠償を求めた訴訟で、福永前代表の本人尋問が24日、大阪地裁で行われ、福永前代表は「(自分だけに聞こえる)『天声』に基づく宗教行為」などと違法性を否定した。

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