TOPIC No.2-52-2 '99年11月-2000年02月(商工ローン)

日栄 7日から全店の業務停止

2000年2月5日 15時39分 共同通信社
違法な取り立てをしたとして、近畿財務局から行政処分を受けた商工ローン最大手の日栄(京都市、松田一男社長)は7日から、本社と,180のすべての支店の大半の業務を停止する。
事件に関係した東京、千葉の両支店は90日間、そのほかの支店も7日間は新規融資や債権の取り立て業務ができない。ただ顧客の不利益にならないよう返済の受け付けなどはできる。

関与をあらためて否定

2000年2月2日 17時27分 共同通信社
商工ローン最大手「日栄」の元社員による貸金業法違反事件で、警視庁生活経済課は2日、昨年12月に続き同社の松田一男社長を参考人として再聴取した。
同課は松田社長のほか松田竜一専務も併せて聴取したが、松田社長らは悪質な取り立てについて、自身や会社の指示をあらためて否定したとみられる。

日栄の全営業所に業務停止命令 松田社長は近く辞任へ

5:37p.m. JST January 27, 2000
金融監督庁・近畿財務局は27日、商工ローン最大手の日栄(本社京都市、松田一男社長)に対し、すべての営業所を対象に最長で90日の業務停止を命令した。同社の元社員が「腎臓(じんぞう)を売ってカネを作れ」などと脅迫まがいの取り立てを行い、恐喝未遂罪で有罪判決を受けたことに伴う行政処分。松田社長は処分の責任を取り、近く辞任する見通しだ。
発表によると、事件の舞台となった東京支店、千葉支店に対しては、融資の返済金受け取りなどを除く全業務について、2月7日から90日間停止。その他の全営業所についても、2月7日から7日間の営業停止処分とした。
監督庁・財務局は、昨年秋から捜査当局と連携を取りつつ、日栄の債権回収の実態について調査。その結果、東京地裁が同社元社員に懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した今回の事件について、組織ぐるみとは断定できなかったものの、貸金業規制法が禁じる「威迫的な取り立て」に当たるとして、同社にも注意義務違反があったと判断した。
今後は、日栄社員による強引な債権取り立てが問題になっている別の事件についても慎重に調査を進め、事実認定ができれば追加処分を行う方針。

商工ファンドを集団提訴

2000年1月27日 14時25分 共同通信社
 商工ローン大手の商工ファンド(東京)の融資で、連帯保証人になった際に根保証契約の十分な説明がなく多額の債務を負わされたとして、山形県の会社経営者ら計10人と会社1社が27日、商工ファンドを相手に、計約6100万円の債務の支払い義務がないことの確認などを求める訴訟を山形地裁に起こした。

松田社長を偽証で告発も

2000年1月21日 12時53分 共同通信社
21日の自民党総務会で、商工ローン最大手「日栄」の松田一男社長が昨年の臨時国会の証人喚問で証言した内容に関連し、笹川尭総務が「その後(元社員が)有罪となっている。検察の動きを勘案すると偽証の疑いがある。衆院議院運営委員会が法務省と打ち合わせて、偽証なら告発するべきだ」と述べ、偽証罪による告発を検討するよう執行部に求めた。古賀誠国対委員長は検討する意向を示した。

日栄元社員を再逮捕

2000年1月20日 13時50分 共同通信社
商工ローン最大手「日栄」(京都市)の貸金業法違反事件で警視庁生活経済課は20日、千葉県銚子市の銚子簡裁で機械販売業者の夫婦に脅迫的な取り立てをしようとしたとして貸金業法違反(取り立て行為規制)容疑で元東京支店社員で関連会社「日本信用保証」の社員和田幸宏容疑者(45)=同法違反罪などで起訴=を再逮捕、京都市の日栄本社や松田一男社長の自宅など計9カ所を家宅捜索した。

日栄、処分で経営に打撃

2000年1月19日 16時20分 共同通信社
金融監督庁・近畿財務局が、今月末にも日栄(京都市)に対し新規融資の停止など業務停止命令に踏み切れば、営業活動に大きな制約を受ける日栄にとって大きな打撃は避けられない。さらに行政処分を受けることによる一層の信用低下で顧客獲得にも影響が出ることは必至。外部からは松田一男社長の経営責任を問う声も上がっているが、日栄は「現状では考えられない」(幹部)と否定的だ。

日栄元社員に有罪判決 東京地裁

3:45p.m. JST January 18, 2000
融資の連帯保証人になった男性に「腎臓を売れ」「目玉を売れ」などと脅して返済を迫ったとして、恐喝未遂の罪に問われた商工ローン最大手「日栄」(本社・京都市)の元社員新井英介被告(25)に対し、東京地裁は18日、懲役1年6月執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。金山薫裁判官は「暴力団まがいの言動で返済を迫るなど、被害者の精神的苦痛は大きく、被告の刑事責任は軽視しがたい」と述べた。その一方で、日栄が債権回収の実績を上げるために社員に厳しいノルマを課すなどしていた経営体質に言及し、「起こるべくして起こった事件」とも指摘した。
判決によると、日栄東京支店管理部に在籍していた新井被告は、日栄の融資先の連帯保証人になっていた千葉市の無職男性(62)から債権を取り立てるため、1998年5月29日、東京都品川区の日栄の事務所で、男性に対しテーブルをたたくなどして「金を貸してあるんだ。すぐにでも払え。今すぐ金を用意しろ」などと要求。さらに、同年6月3日、電話で「金つくれなきゃ腎臓売れ。目ん玉1個売れよ。心臓売ったら死ぬやろうが。だから腎臓売れちゅうて、まけてんのや」などと脅した。
同社の債権取り立てをめぐっては、元社員で子会社「日本信用保証」の社員(45)が、貸金業規制法(取り立て行為の規制)違反などの罪で起訴されているほか、同法の両罰規定で、法人としての日栄も書類送検されており、東京地検が引き続き捜査を進めている。

商工ファンド、“白紙委任状”に印鑑- 警視庁、立件を視野

2000.01.03 by産経新聞
商工ローン業界第二位の「商工ファンド」(本社・東京都中央区、大島健伸社長)が、貸借契約の際、書類に債務者や保証人の印鑑だけを押させ、債権取り立ての際、この書類に勝手に担当者が不動産状況などを書き込んでいたことが二日、分かった。同社はこうした行為を日常的に行っていたとみられる。警視庁生活経済課では、貸金業規制法違反や有印私文書偽造罪に触れる疑いが強いとみて、立件を視野に捜査を進めている。業界一位の「日栄」に端を発した商工ローン事件は、さらに拡大する可能性が出てきた。
貸金業規制法違反容疑
同社関係者などによると、同社では契約の際に、債務者や保証人から契約書類や内容証明の用紙に印鑑だけを押させ、そのほかは空欄にした“白紙委任状”を取ることが日常化していたという。
債務者が不渡りを出して回収に乗り出すときには、相手の不動産の内容を担当者が書き込み、不動産の仮登記を行う。債務者の不動産にはすでに抵当権が設置されている場合がほとんどで、実際には回収はできないが、相手を脅すのに極めて有効だという。
また、事前に調べた債務者や保証人の取引先や生命保険会社に、債権回収の旨を担当者が書き込んで内容証明として送付、回収に当たる。こうした場合、生命保険の保険料がもっとも回収率が高く、同社では重視しているという。
元社員は「新規貸し付けのときは、印鑑だけの書類があると審査部からOKが出た。印鑑を取るときは、『ハンコお借りします』と相手に有無を言わさず、印鑑を借りて私が押した」と話している。商工ローンは「無担保貸し付け」が売りの一つだが、この書類が実質的な担保となっていた。
こうした手口は、貸金業規制法で定める白紙委任状の取得制限や有印私文書偽造の罪に触れる可能性が強い。警視庁生活経済課でも、同社のこうした悪質な業務活動について把握しており、立件を視野に捜査を進めている。
同社の大島社長は国会の証人喚問などで、「コンプライアンス(法令順守)は万全」と業務の違法性を繰り返し否定してきた。しかし、同社の違法まがいの営業方法をめぐって、全国の債務者や保証人らが同社を相手取って債務不存在確認や損害賠償を求めた訴訟を起こしている。
【商工ファンド】昭和五十三年十二月に設立。資本金は約七百九十億円。設立から二十年余りで東証一部に上場。業界第一位の「日栄」と合わせた二社の融資残高は業界全体の五割を超える。

日栄1000万円返還で合意

1999年12月29日 19時20分 共同通信社
多額の借金を負って自殺した焼却炉販売会社(秋田市、破産)の社長の死亡保険金から商工ローンの日栄(京都市)に優先的に返済された金の返還を、破産管財人が求めた訴訟の和解協議が29日までに秋田地裁(杉本正樹裁判官)であり、日栄側が約7割に当たる約1000万円を返還することで和解に合意した。

日栄、東証での株価下落率トップに

7:57p.m. JST December 30, 1999
東京証券取引所がまとめた今年1年間の株価の変動率ランキングで、商工ローンの最大手、日栄の株価が下落率トップになった。30日の終値は2220円と、昨年末の8900円に比べ75%落ち込んだ。一方、上昇率トップは、衣料販売の「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングで、株価は20倍になった。
日栄は行き過ぎた取り立てが国会でも問題視され、10月以降、株価はほぼ一貫して下落。12月9日には上場来最安値の1600円をつけた。また、同業の商工ファンドも10月以降、商工ローン批判による売り注文を集めたが、5―7月にかけて株価が急上昇していたため、30日の終値は4万450円と、昨年末より10%上昇した。

日栄側が争う姿勢示す

1999年12月21日 17時35分 共同通信社
商工ローン最大手「日栄」(京都市)元社員新井英介被告(25)による恐喝未遂事件で、「腎臓(じんぞう)売れ」などと脅迫され精神的苦痛を受けたとして、千葉市の男性(62)が同社に慰謝料など約375万円の、支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が21日、千葉地裁(園部秀穂裁判官)であり、日栄側は請求の棄却を求めた。

元日栄社員に1年6月求刑

1999年12月20日 17時51分 共同通信社
 商工ローン最大手「日栄」(京都市)の融資先の連帯保証人に、「腎臓(じんぞう)を売れ」などと迫り、金を脅し取ろうとしたとして、恐喝未遂罪に問われた同社東京支店の元社員、新井英介被告(25)の初公判が、20日、東京地裁で開かれ、新井被告は起訴事実を認めた。検察側は「被害者を屈服させ有無を言わせず金を支払わせようとした悪質な犯行」などとして、懲役1年6月を求刑した。

金融再生委、業界へ中小企業の年末資金繰り対策求める

7:15p.m. JST December 16, 1999
金融再生委員会と金融監督庁は16日、都市銀行や地方銀行、信用金庫、信用組合などの金融業界代表を呼び、中小・零細企業が資金繰りに苦しむ年末・年始に円滑な資金供給をするよう要請した。越智通雄再生委員長は、公的資金を導入している銀行の中小企業向け貸し出し目標の達成が危うくなっていることに懸念を示し、「いやしくも健全な取引先への資金供給が滞ることがないように適切に対応してほしい」と求めた。
また、村井仁・総括政務次官も「国会では商工ローン問題にからんで、金融機関の中小企業向け融資の問題について、かなり質問が出た」と述べ、貸し渋り問題の解消が大きな政治問題になっていることを強調した。

商工の手形訴訟で申し入れ

1999年12月14日 18時51分 共同通信社
商工ファンド(東京)が借り主に手形の支払いを求め起こしている訴訟に関して、「日栄商工ファンド対策仙台弁護団」は14日、「平社員を支配人として登記し提訴しており、支配人を訴訟代理人として認める民事訴訟法を悪用している。裁判所が実態調査してほしい」などとする申し入れ書を仙台地裁に提出した。同社の支配人の違法性について、裁判所へ申し入れるのは全国で初めて。

出資法・貸金業規制法の改正案成立 上限金利29.2%

7:39p.m. JST December 13, 1999
社会問題となっている商工ローンによる過剰貸し付け、強引な取り立て行為を規制するための「出資法」と「貸金業規制法」の与党3党による改正案が13日、参院本会議で賛成多数で可決され、成立した。施行日は来年6月1日。貸金業者による上限金利は、現行の年40.004%から29.2%に引き下げられる。
商工ローン問題では、保証枠内ならいくら融資額が増えても保証義務が生じる「根保証」の保証人が、知らないうちに多大な債務を抱える問題が指摘された。改正では、この対策として保証人に追加融資のたびに書面を交付することを義務づける。違反した場合は、業務停止命令などの行政処分や罰金刑の対象になる。また、誇大広告や威圧的な取り立て行為などの違反行為に対する罰則を強化し、「6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金」を「1年以下の懲役または300万円以下の罰金」に引き上げる。

商工ローン問題で、対策弁護団が過去最大規模の集会

11:49p.m. JST December 11, 1999
商工ローンをめぐる問題で、「日栄・商工ファンド対策全国弁護団」は11日、全国集会「高利商工ローン問題東京集会」を東京都内で開き、中小企業の経営者や弁護士らが集まった。過去最大規模となった集会では、様々なトラブルが報告されたほか、商工ローン業者に対する厳しい行政処分を求める「東京宣言」が採択された。
集会には、業界大手2社の融資にからんで連帯保証人になった人など400人を超える人たちが参加。強引な取り立てを受けて苦しんだ経験などが報告された。また、日栄の社内事情を告発した本を発表した元社員らも過酷なノルマについて証言した。続いて、商工ローン問題をめぐる各地裁での判例や争点のほか、融資の上限金利を引き下げる出資法改正の動きなども報告された。

負債ないと日栄を提訴

1999年12月10日 16時33分 共同通信社
利息制限法の上限を上回る利息を支払わされたなどとして、青森県八戸市の印刷会社が10日までに、「日栄」に約752万円の債務を返済する義務がないことの確認を求める訴えを青森地裁八戸支部に起こした。訴えによると、印刷会社は1993年から手形を担保に日栄八戸支店から融資を受け、返済期日ごとに新たな手形を振り出す形で返済と借り入れを続けたが、その際、取り立て料などを差し引かれた。

日栄に損害賠償求め提訴

1999年12月8日 17時55分 共同通信社
商工ローン最大手「日栄」の子会社社員から脅迫的な取り立てを受け精神的苦痛を受けたとして、千葉県内の自営業の男性が8日までに、日栄と取り立てを担当した子会社「日本信用保証」の社員に対し、約375万円の損害賠償を求める訴えを千葉地裁に起こした。
男性は先月、千葉県警に日栄などを告訴しており、同県警は貸金業法違反容疑で捜査している。

商工ローン対策関連法案を衆院大蔵委で集中審議

2:09p.m. JST December 08, 1999
衆院大蔵委員会は8日、過剰な貸し出しや強引な取り立てが問題となっている商工ローン対策として与党3党、民主党、共産党から提出されている出資法、貸金業規制法の改正案について、集中審議を始めた。焦点は、現在の出資法で年40.004%となっている上限金利をどこまで引き下げるか。民主党、共産党は15―20%程度まで引き下げる案を出しているが、与党3党は29.2%を提案している。同日中に採決し、衆院本会議に送られる見通し。
貸金業規制法の改正では、連帯保証人が知らないうちに貸出額が膨らみ、多額の保証を請求されるケースが社会問題となっている。与野党案ともに、追加融資のたびに保証人に通知することを義務づけ、これに違反した場合、業務停止命令などの行政処分ができる改正案となっている。

銀行業界への批判相次ぐ

1999年12月7日 14時23分 共同通信社
商工ローン問題をめぐり、7日の自民党総務会で銀行に対する批判が相次いだ。山中貞則元通産相が「悪いやつほどよく眠る。(中小企業に)貸し渋る一方で、貸金業者に資金供与している銀行に問題がある」と指摘。高鳥修元経企庁長官は「生保業界は貸金業者に対する新規融資はしないなどと表明しているが、全銀協は各銀行に命令できないと言っており、問題だ」と銀行業界の姿勢を批判した。

商工ローン問題で大手2社の社長を証人喚問へ

5:20p.m. JST December 07, 1999
参院財政・金融委員会は7日、過剰融資や違法な取り立てなどが問題になっている商工ローンの最大手「日栄」(本社・京都市)の松田一男社長と、業界2位の「商工ファンド」(同・東京都中央区)の大島健伸社長の2人について、14日の同委員会で証人喚問することを決めた。

商工ローン対策を了承

1999年12月6日 20時06分 共同通信社
自民、自由、公明の与党3党は6日、政策責任者会議を開き、出資法の上限金利を現行の年約40%から29.2%に引き下げることなどを柱とした商工ローン対策を了承した。3党は出資法や貸金業法などの改正案を近く国会に提出し、開会中の臨時国会で成立させる考え。

日栄・松田社長を警視庁が事情聴取

2:22p.m. JST December 06, 1999
商工ローン最大手「日栄」(本社・京都市)の元社員が違法な取り立てをしたとされる事件を捜査している警視庁生活経済課は6日午前、同社の松田一男社長(77)=京都市左京区=の事情聴取を始めた模様だ。法人としての責任を問われて貸金業規制法違反容疑で書類送検された日栄の代表者として、組織的な関与の有無について説明を求めているとみられる。一連の事件で警視庁は参考人として日栄や関連子会社の役員から聴取しているが、松田社長から聴取するのは初めて。
警視庁は、元社員の和田幸宏容疑者(45)が、千葉県内の元自営業の夫婦から720万円の債権を取り立てる際「腎臓を売って金を作れ」などと脅し、80万円を支払わせたとして、同容疑者を恐喝と貸金業規制法(取り立て行為の規制)違反容疑で逮捕し、法人としての日栄を同法違反容疑で書類送検している。
先に恐喝未遂容疑で逮捕、起訴された元社員の新井英介被告(25)について、松田社長は参院財政・金融委員会で「新井君と面識はなく、違法な取り立てを指示したこともない」と直接の関与を否定している。
これまでの調べで、松田社長が営業や債権回収を担当する一線の社員を本社に直接呼び出して成績をあげるよう厳しく指導していたことや、会社側が取り立て方法に関する手引を作成していたことが明らかになっている。警視庁は、松田社長が債権回収についてどのような指示を出していたかについて詳しく聴くものとみられる。

日栄を格下げ

1999年12月3日 20時36分【ロンドン共同】
英米系の格付け会社、フィッチIBCAは3日、商工ローン最大手、日栄の長期債務の格付けを「Aマイナス」から「BBBプラス」に引き下げた。中長期的にはさらに格下げの可能性があるとしている。
日栄をはじめとする商工ローン批判の高まりが格下げの背景。フィッチは「日栄の収益性や資金調達先の多様化などに影響が出る恐れもある」と指摘した。

上限金利29.2%に下げ

1999年12月2日 18時54分 共同通信社
自民、自由、公明の与党3党は2日、出資法の上限金利を現行の年約40%から29.2%に引き下げることや、追加融資の場合に保証人への通知義務を貸金業法に新設する商工ローン対策に合意した。3党は出資法と貸金業法の改正案を臨時国会に議員立法の形で提出し、会期中の成立を目指す。強引な取り立てや高金利が社会問題になっている商工ローンへの規制が強化されるのは確実な情勢だ。

65店舗を年内閉鎖

1999年11月30日 19時06分 共同通信社
過剰融資が社会問題化している商工ローン大手の「商工ファンド」(東京)は30日、現在265ある営業店の約4分の1に当たる65店舗を、年内に閉鎖することを明らかにした。融資取引や職員は隣接店に移し、顧客に迷惑が掛からないようにする。
同社は「商工ローン批判の高まりを受け、規模拡大より内部体制強化を優先することにした」と説明。

商工ローン向け融資を圧縮

1999年11月30日 17時57分 共同通信社
金融監督庁は30日、商工ローン大手の「日栄」と「商工ファンド」向けの貸し出しが多い銀行13行と保険会社1社に対する融資実態調査の結果を発表した。大半が新規融資を中止するなどして融資額を圧縮するとしており、日栄などは今後資金調達方法の見直しを迫られそうだ。

賃金未払い3億円で勧告

1999年11月29日 17時06分 共同通信社
商工ローン大手の「商工ファンド」(東京都中央区)が3カ月分の残業や休日、深夜手当など計約3億円を社員に支払っていなかったとして中央労働基準監督署(東京都)は29日、労働基準法に基づき是正を勧告した。商工ファンドの社員の残業時間は平均で100時間を超え、多い人は200時間に上っていた。それにもかかわらず同社は40時間を上限として、それ以上の残業代を支払っていなかった。

日栄への大口融資先からの役職員の派遣、2行で2名=金融監督庁

99年11月30日 18時22分 [東京 30日 ロイター
金融監督庁によると、日栄への大口融資先8行の中で、役職員の派遣を行っているのは2行で、役員1名と職員1名の合計2名が派遣されていた。金融監督庁が、商工ローン大手2社への大口融資先に対して実施した任意調査で判明したもの。 商工ファンドへの大口融資先7行1社からの役職員の派遣はなかったという。 また、日栄に対する大口融資先8行の融資額は、97年3月末の1197億円をピークに減少しており、今年9月末時点では、816億円となっている。ただ、全ての金融機関をあわせた、同社に対する融資総額に減少傾向は見られず、今年9月末で3263億円となっている。

「日栄」を貸金業規制法違反で書類送検

2:46p.m. JST November 27, 1999
商工ローン最大手「日栄」(本社・京都市)の債権回収をめぐる事件で、警視庁生活経済課は27日午前、同社が会社ぐるみで組織的に従業員に違法な取り立てをさせていた疑いが強まったとして、法人としての日栄を貸金業規制法(取り立て行為の規制)違反の疑いで東京地検に書類送検した。一連の事件で、会社を被疑法人として立件するのは初めて。警視庁は、会社上層部が従業員に対してどのような取り立てを指示していたかの実態解明に向け、近く松田一男社長(77)ら役員からも事情聴取する方針だ。
調べでは、日栄は昨年4月から5月にかけ、同社所有の貸し出し債権720万円分の回収にあたって、当時同社東京支店管理部社員で、現在は日栄の債権回収を担当する子会社「日本信用保証」社員の和田幸宏容疑者(45)=同法違反と恐喝の容疑で逮捕=に取り立てを担当させ、債務者の千葉県内の自営業夫婦を執ように脅迫するなどした疑い。和田容疑者は結果として、夫婦に80万円分を支払わせた。
警視庁は26日、日栄を被疑法人として、貸金業規制法違反の疑いで京都市内の日栄本社や松田社長の自宅など14カ所を家宅捜索。段ボール約75箱分、約700点の書類を押収し、分析を急いでいる。
一方、和田容疑者は27日午前、東京地検に身柄送検された。これまでの警視庁の調べに対しては「1000人以上の債権回収を担当したので、どの債務者がどうだったかよく覚えていない」と供述し、取り立て行為の詳細についてはまだ話していないという。

商工ローンの上限金利を年30%に 与党間で調整へ

03:02a.m. JST November 27, 1999
過剰融資や強引な取り立てが問題になっている商工ローンの対応策を検討している自民党の「対策チーム」(相沢英之座長)は26日、焦点となっている出資法の上限金利の引き下げについて、現行の年40.004%から年約30%とする案を軸に、自由、公明の与党両党と調整する方針を固めた。週明けから与党3党の代表者が協議し、出資法など関連法の改正案を共同で今の臨時国会に提出する考えだ。
出資法の上限金利をめぐっては、公明党が25日、融資額に応じて3段階に水準を分け、年約20―25%とする案を公表した。これに対し、自民党の対策チームは、融資額にかかわらず一律の水準にする方針で一致し、上限を年約30%にする案を軸に調整を図ることになった。
自民党の対策チームはほかにも、連帯保証人の知らない間に融資額が膨らむ「根保証」制度の改善策として、借り手が追加融資を受けるたびに保証人への通知を義務づける貸金業規制法の改正も打ち出した。大手業者の社員らの違法性が問われている脅迫まがいの取り立てについても、規制強化を図る方針だ。
金利に関する規制は、利息制限法で上限金利を年15―20%と定めている。これには罰則がないため、出資法の上限金利までの年20―40%は、貸手と借り手が同意していれば取引が有効とされる「グレーゾーン」で、商工ローン業者の多くが年40%近い金利を取っている。自民・公明両党が、一定のグレーゾーンの存続を認めているのに対し、民主党はグレーゾーンを撤廃して上限金利を年15―20%に一本化することを主張。すでに前国会で出資法の改正案を提出している。

日栄元社員を送検

1999年11月27日 9時56分 共同通信社
商工ローン最大手「日栄」元社員による貸金業法違反事件で、警視庁生活経済課は27日、恐喝と貸金業法違反(取り立て行為規制)容疑で和田幸宏容疑者(45)を送検した。同課は近く松田一男社長(77)からも事情を聴き、同社の悪質な取り立ての実態解明を急ぐ。

商工ローン業界、大きな曲がり角に=業界各社への融資引き揚げも

99年11月26日 18時48分 時事通信社
商工ローン最大手の日栄に対する26日の強制捜査は、急成長を続けてきた同社の経営にも大きな打撃を与えそうだ。この日の捜査は金融監督庁による業務停止命令発動の呼び水となることが避けられないためだが、高収益の急成長路線を歩んできた商工ローン業界全体も、大きな曲がり角を迎えている。 

捜索は約10時間に及ぶ

1999年11月26日 19時33分 共同通信社
 警視庁による26日の日栄本社の家宅捜索は午後5時すぎに終了。押収書類などが入った段ボール箱を積んだ小型トラックが、近くの関連会社を出発した。この日朝から約10時間にわたった捜索の間、7階建ての本社ビルは窓のほとんどにブラインドが下ろされたまま。
 外回りの社員らが軽自動車などで帰社したが、周辺にいた報道陣らが捜索について尋ねても、大半は口を閉ざしたまま。

別件の貸金業法違反も捜査

1999年11月26日 20時16分 共同通信社
商工ローン最大手「日栄」元社員の貸金業法違反事件で、警視庁は26日、京都市の本社などの家宅捜索で押収した資料の分析を始め、ほかに貸金業法違反に問えるケースがなかったかどうか捜査を進めるとともに、本社の関与などについて逮捕した和田幸宏容疑者(45)を追及している。警視庁は債権回収をめぐり日栄上層部の指示に基づいて、悪質な取り立てをしていた可能性が高いとみて調べている。

根保証契約無効求め商工ファンドを集団提訴 宮城

8:07p.m. JST November 26, 1999
商工ローンの根保証契約をめぐり、「保証内容を十分説明せずに契約させたのは詐欺だ」などとして、宮城県内の連帯保証人5人と土木工事会社1社が26日、業界大手の商工ファンド(本社・東京)を相手取り、計1億4200万円に上る同社との根保証契約の取り消しと慰謝料計500万円の支払いを求め、仙台地裁に集団提訴した。原告側によると、商工ファンドを相手取った集団提訴は全国で初めて。
訴えによると、原告らは1997年から今年にかけて、商工ファンドが実際の借り手に150万―500万円を融資する際の連帯保証人になった。500万―6500万円を限度額とする根保証契約だったが、原告らが連帯保証人になった時点で借り手は同社に多額の債務を抱えており、倒産後、原告はそれぞれ根保証限度額までの支払いを商工ファンドから求められているという。
原告側は、契約を結ぶ際、実際の借り手がすでに商工ファンドに対して抱えていた債務の総額や限度額の意味について、同社の担当者が全く説明せず、契約後に最初に融資された額に限って保証する責任があると信じ込ませたと主張。借り手の会社の倒産後、契約前の債務やも含め、根保証限度額までの支払いを求めてきたのは詐欺にあたり、契約自体が無効だとしている。
提訴について、商工ファンド本社は「応じるところは応じていく考えで、話し合いによる解決に努めていきたい」としている。

商工ローン問題で「上限金利引き下げを」と自民・相沢氏

09:52a.m. JST November 20, 1999
過剰融資や強引な取り立てが批判されている商工ローン問題で、解決策の検討を始めた自民党の「対策チーム」座長の相沢英之氏は19日、朝日新聞社のインタビューで、過剰融資を防ぐために、上限金利(現行は年40.004%)の引き下げを盛り込んだ出資法改正案などを、来月中旬まで開会予定の臨時国会で成立させる方針を明らかにした。今月中をめどに自由・公明両党との間で調整し、具体案を固める考えだ。
必要な法律の改正案について、相沢座長は「臨時国会で通したい。議員立法の方が(法案づくりの作業が)はやいので、議員立法がいい」と述べた。
「対策チーム」は18日に初会合を開き、商工ローン問題の現状や問題点を確認した。これを踏まえて、相沢座長は「超低金利なのに、金利が高かった時代に決められた上限金利は当然に下げるべきだ、と一致している」と述べた。
引き下げ幅については、「現行の利息制限法の上限金利(15―20%)まで引き下げ、出資法の上限金利との間の『グレーゾーン』をなくすのは問題だ」と大幅な引き下げには慎重だ。「将来、金利が高くなったら、上限金利も再び上げればいい」と、金利変動に合わせて柔軟に見直すべきだ、との考えも示した。

日栄が業績予想を下方修正

1999年11月19日 17時33分 共同通信社
商工ローン最大手の日栄(京都市)は19日、今年9月中間決算の業績予想を下方修正し、売り上げに相当する営業収益を5月時点の見通しより9.6%減の497億円に、経常利益も28.7%減の253億円に減ると発表した。日栄の説明によると、中小企業に対する平均貸出金利を21%から19.5%に引き下げたことが大きな理由という。

日栄に450万の返還命令

1999年11月18日 18時28分 共同通信社
利息制限法の上限を超える金利は元本に充てるべきだとして、名古屋市の印刷業者(58)と連帯保証人が商工ローン最大手の日栄(京都市)に、手形などの債務不存在と過払い金580万円の返還を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁の河野正実裁判官は18日、日栄に約450万円の返還を命じた上、債務がないことを認めた。

債務不存在を確認 日栄の根保証めぐる控訴審で高松高裁

8:55p.m. JST November 18, 1999
 商工ローン最大手「日栄」(京都市)から借金した知人の連帯保証人になった愛媛県の女性が、すでに550万円の債務があることを隠されたまま保証人契約を結び、債務を負わされたとして、債務不存在の確認を求めた訴訟の控訴審判決が18日、高松高裁であった。山脇正道裁判長は女性の訴えを認めた松山地裁の一審判決を支持し、日栄側の控訴を棄却した。
 女性は1996年12月、会社を経営する知人が日栄から200万円を借りる際に日栄と保証契約を結んだ。97年5月に知人の会社が不渡りを出すと、保証契約前に知人が借りていた金を含め約800万円の返済を求められた。女性は、知人にすでに550万円の債務があったことについて契約時に説明がなかったとして、債務不存在の確認を求めていた。
 昨年7月の一審判決は女性の訴えを認めたが、日栄側は「保証契約書には1000万円を限度にした根保証が明記されている」などとして、800万円の支払いを求めて控訴していた。
 山脇裁判長は、保証契約時に女性が根保証に関する記述に疑問を持ったにもかかわらず、日栄側が説明を避けて女性の誤解を招いたとして、「法律行為に錯誤があったため、保証契約は無効」と判断した。
 日栄・商工ファンド対策全国弁護団によると、書類上は契約が整っていながら説明不足などを理由に債務不存在を認めた判決は、商工ファンドを相手にした93年の富山地裁、今年11月の新潟地裁などで例があるが、高裁では初めて。「高裁でも認められた点で画期的だ。今後の一連の訴訟への影響が大きい」としている。

HOME政治・経済・社会