TOPIC No.2−51 タンクローリー爆発(首都高)

急きょタンクローリーを使用 東京・港区の爆発事故

9:20p.m. JST October 31, 1999
東京都港区の首都高速道路2号線で、過酸化水素水を積んだタンクローリーが爆発して通行人らが負傷した事故で、運搬を請け負った「日本電酸工業」の横田春一社長が、警視庁捜査一課と麻布署の調べに対して、過酸化水素水を小型タンクに入れてトラックで運ぼうとしたが、急きょタンクローリーを使うことになった、と供述していることがわかった。
調べでは、日本電酸工業は、横浜市港北区にある「日本ビクター」の工場から、空のタンクを撤去する作業を請け負った。工場内のタンクに約700リットルの過酸化水素水が残っていて、その処理も日本電酸工業がすることになった。事故当日の10月29日に搬出した。この作業には横田社長も立ち会っていた。
捜査一課によると、横田社長は「持って行った小型タンク3本に過酸化水素水700リットルを入れ、トラックで運ぼうとした。しかし、『これでは危ない』ということになり、タンクローリーを呼んだ。小型タンクからうち約500リットルをタンクローリーに移して運んだ」と話しているという。
タンクローリーは10月29日午後4時半ごろに日本ビクターの工場を出発し、千葉県袖ケ浦市にある日本電酸工業の工場に向かう途中、同6時20分ごろに爆発した。小型タンク3本に入れた過酸化水素水約200リットル分は、トラックで無事に袖ケ浦市の工場まで運び込まれている。
また、実況見分や現場検証の結果、爆発による建物の被害は計17棟にのぼった。現場から約120メートル離れたビルの窓ガラスが、飛んできた破片で割れていたのも確認された。約30メートル離れた東京相和銀行古川橋支店には7階の事務室に重さ2.4キロのバルブ片が、9階の食堂に重さ2.2キロのタンクローリーの部品の一部がそれぞれ飛び込んだ。7階事務室には女子行員がいて、「目の前に飛び込んできた」と話しているという。

所有会社を業務上過失傷害で捜索 タンクローリー事故

11:50p.m. JST October 30, 1999
東京都港区の首都高速道路2号線で、過酸化水素水を運んでいたタンクローリーのタンク部分が爆発し、通行人ら25人が負傷した事故で、警視庁捜査一課と麻布署は30日、タンクローリーを所有する「日本電酸工業」本社(東京都千代田区)を被疑者不詳のまま業務上過失傷害の疑いで家宅捜索した。過酸化水素水に別の化学物質が混じって化学反応を起こした結果、爆発した可能性があり、同課は会社関係者らの事情聴取を進めて、今回の運送方法や同社の安全管理の問題点を追及する。
家宅捜索は同日午後2時20分ごろから約2時間40分にわたって実施された。薬品関係の受注票や伝票類など段ボール箱十数個分を押収した。
日本電酸工業の太田弘常務によると、爆発したタンクローリーのタンク内側は腐食防止のためにゴムで覆われていた。太田常務は「過酸化水素はゴムにも化学反応する。また、別の溶液が残っていれば、反応はさらに激しくなる。あのタンクローリーで過酸化水素水を運んだのは誤りだったと思う」との見方を示した。
このタンクローリーは、これまで塩化銅や塩化第2鉄の水溶液を運んでいて、過酸化水素水を運んだことはなかった。銅や鉄は、過酸化水素の自己分解を促進する働きがあるとされている。
負傷者に対して太田常務は「申し訳ない気持ちでいっぱいだ。早くきちんとおわびをし、誠心誠意対処したいと思っている」と話した。

車所有する化学メーカーを家宅捜索 タンクローリー爆発

3:32p.m. JST October 30, 1999
東京都港区の首都高速2号線でタンクローリーが発した事故で、警視庁捜査一課などは30日午後、業務上過失傷害の疑いで、このタンク車を所有する化学薬品会社「日本電酸工業」本社(東京都千代田区)を家宅捜索した。同課などは押収した資料を分析し、同社の安全管理に問題がなかったか調べる。(時事)

タンクローリー爆発 不純物混入が原因?

0:58p.m. JST October 30, 1999
東京都港区南麻布2丁目の首都高速道路2号線上り線でタンクローリーが爆発して下にいた通行人らが負傷した事故で、このタンクローリーはふだん毒劇物ではない工場廃液を運んでいて、過酸化水素水を運ぶのは事故当日が初めてだったことが30日、関係者の話でわかった。爆発は、過酸化水素水に不純物が混じって化学反応を引き起こした可能性があるとみられる。業務上過失傷害の疑いで捜査している警視庁捜査一課は、会社関係者らの事情聴取を進めて運搬方法に問題がなかったなどを調べている。
タンクローリーを所有する「日本電酸工業」(本社・東京都千代田区)の太田弘常務によると、爆発したタンクローリーはふだん、弱電メーカーなどから出る塩化銅溶液や塩化第2鉄溶液を運ぶのに使っていた。
事故当日の29日は、横浜市港北区にある音響機器メーカー「日本ビクター」(本社・横浜市神奈川区)の解体工事中の工場から、貯槽内に残っていた過酸化水素水を千葉県袖ケ浦市の日本電酸工業の工場に運ぶ予定だった。このタンクローリーで過酸化水素水を運ぶのは初めてだったという。
日本ビクターの説明では、搬出された過酸化水素水は濃度35%、700リットル。未使用で、不純物が混じったり、化学変化を起こしていたりはしていなかったという。
警視庁によると、過酸化水素水を体に浴びるなどしてけがをしたのは計25人で、タンクローリーを運転していた矢口洋平運転手(57)ら2人が入院しているという。

タンクローリー爆発事故で現場検証へ

06:58a.m. JST October 30, 1999
東京都港区の首都高速2号線で過酸化水素を積んだタンクローリーが爆発し、17人が負傷した事故で、警視庁捜査一課などは30日午前、現場周辺の本格的な検証を行う。同課などはタンク車の運転手(57)や会社関係者から事情を聴き、爆発の原因や安全管理上の問題がなかったどうかを調べる。
復旧工事のため2号線上りは全線通行止めになっている。(時事)

30メートル離れた窓も割れる 首都高のタンク車爆発

01:21a.m. JST October 30, 1999
タンクローリー爆発事故の現場は大きな交差点の上にある。首都高速の壁が崩れ、約3、40メートル離れた建物の窓が割れた。道路一面にコンクリートの塊や金属片などが散乱していた。現場から15メートルほど離れた歩道上には、直径約1.2メートルほどの円盤状の金属が落ちていた。
現場から100メートル近く離れた理髪店「ヘアーサロン・キウチ」でも、1階店舗のガラス窓2枚が粉々に砕け散った。店主の木内栄子さん(55)は「最初、大きな音がして、次にすごい横揺れがきたので、地震かと思った。そのうち、ガチャーンときた。てっきり、地震かと思った」と話した。
近くで書店を経営する小川裕三さん(68)は「シューッと気体が出る音がして、店の外に出ると、首都高から白い煙があがっていた。何かと思ったら、爆発が起きた。戦争の空襲と同じようなドーンという音だった。爆弾のようだった」と話していた。大きな爆発の音で、書店の窓ガラスが割れたことにも気づかなかったという。
現場の交差点に面したビル2階の居酒屋でも、窓ガラス1枚が割れたほか、5、6枚の窓ガラスにもひびが入った。経営者の高田芳雄さん(62)は「シューッ、シューッ、シューッという大きな音が4回して、窓の外をみようとした瞬間、バーンという爆発音がした。『逃げろ』という客の声で頭を抱えて逃げると、頭上から破片がふってきた。開店したばかりで、ほとんど客がいなかったのが幸いでした。もっと遅い時間だったら、と思うとぞっとする」と語った。店にいた男性客(60)は「カウンターから、窓の方向を見た瞬間、高速道路の外壁が回転しながら、飛んでくるのが見えた」と話した。
交差点近くのビル3階にいた絵画販売会社に勤める小浜武人さん(45)は「部屋の中が湿っぽくなったので、雨が降っているのかと思った。そのうち、目がチカチカしてきて、薬品だと思った」と話した。ガラスについた液体をさわると、指が白っぽく、軽い炎症を起こしたという。

タンク内の不純物による化学反応が原因か タンク車爆発

01:24a.m. JST October 30, 1999
タンクローリーに積載された過酸化水素の爆発で、首都の動脈が寸断された。専門家は、不純物が混ざったことによる化学反応を爆発原因にあげ、取扱者の安全対策意識に問題がある、と指摘する。
首都高速道路公団によると、爆発物や有毒性物質を積載する車両は道路法施行令の規定による公示でトンネルの通行が禁止されている。可燃物や劇物、ガスについては、積載量の制限が細かく規定され、過酸化水素についても制限対象になっている。
上原陽一・横浜国大名誉教授(化学安全工学)によると、今回の事故に近い濃度の35%程度の過酸化水素は、日常的に運搬されており、取り立てて危険なものではないという。
この濃度の過酸化水素が爆発したのは、タンク内に不純物が混じるなどして化学反応が起きた可能性が高いという。過酸化水素は、鉄粉や油、アルカリなどと化学反応を起こすといい、「きちんと洗浄された正規のタンクローリーで運んでいれば、危険性はほとんどないはず」と指摘する。爆発事故の直前に白煙が上がったとの情報もあり、その段階で化学反応が起きていた疑いもある。

首都高で劇物積んだタンクローリー爆発 17人がけが

01:43a.m. JST October 30, 1999
29日午後6時20分ごろ、東京都港区南麻布2丁目の首都高速道路2号線上り線で、劇物の過酸化水素を積んで走行中のタンクローリー(2トン)のタンク部分が爆発、前の車に追突するなどし、計11台が事故に巻き込まれた。爆風で、首都高の防音壁が縦約2メートル、横約10メートルにわたって吹き飛び、付近のビル14棟の窓ガラスなど計75枚が割れ、過酸化水素が流出した。タンクローリーの矢口洋平運転手(57)が過酸化水素によって全身に炎症を起こすけがをしたのをはじめ、過酸化水素が体に付くなどして首都高上で運転手を含め5人と、首都高から約8.5メートル下にいた12人の計17人が顔などにけがをした。警視庁は、業務上過失傷害の疑いで捜査を始めた。
警視庁の調べでは、タンクローリーの使用者は「日本電酸工業」(本社・東京都千代田区)。濃度30―35%の過酸化水素を横浜市港北区から千葉県袖ケ浦市に運ぶ途中だった。量について運転手は、約1000リットルと話しているという。
タンクローリーは時速約10キロで走っていて、煙を出した直後にタンク部分が爆発した。爆風や追突で後続の車9台に傷がついた。調べに対し、運転手は「タンクが揺れて突然、爆発した。原因はわからない」と話しているという。

首都高でタンクローリー爆発 下の一般道で20人がけが

9:54p.m. JST October 29, 1999
29日午後6時20分ごろ、東京都港区南麻布2丁目の首都高速道路2号線上り線で、走行中のタンクローリーのタンクが爆発、積み荷の過酸化水素が流出した。爆風で、首都高の外壁の一部が吹き飛び、付近のビルの窓ガラスが多数割れた。東京消防庁や警視庁によると、ガラスや外壁の破片が当たるなどして、首都高を走っていたで車の中にいた人や、首都高から約8.5メートル下の道路を歩いていた人ら計20人がけがをし、都内数個所の病院に運ばれた。過酸化水素は劇物に指定されており、東京消防庁が放水して洗い流している。警視庁は業務上過失傷害の疑いで捜査を始めた。
警視庁高速道路交通警察隊と麻布署の調べでは、タンクローリーの使用者は「日本電酸工業」(本社・東京都千代田区岩本町)。タンクローリーは、過酸化水素約1000リットルを積んで、横浜市港北区から千葉県袖ケ浦市に向かう途中だった。
タンクローリーは走行中に煙を出した直後に突然、タンク部分が爆発、前の車に追突して止まった。後続の車8台も爆風などで車体に傷がついた。調べに対し、運転手は「走行中にタンクが揺れて、突然、爆発した」などと話しているという。
首都高速道路公団によると、落下した外壁はアルミと鉄などでできていて、縦約2メートル、横約10メートルにわたり吹き飛んだという。
東京消防庁によると、爆風によって近くにあるビル計9棟の窓ガラスなど計75枚が割れた。明治通りには、高速道路から落ちたとみられる過酸化水素がたまり、周囲には異臭が立ちこめた。
現場近くの道路付近では、飛び散った金属片やガラスでけがをしたとみられる通行人ら数人が、救急隊に応急手当を受けた。顔などから血を流している人もいた。

首都高でタンクローリー爆発 下の一般道で20人がけが

9:54p.m. JST October 29, 1999
29日午後6時20分ごろ、東京都港区南麻布2丁目の首都高速道路2号線上り線で、走行中のタンクローリーのタンクが爆発、積み荷の過酸化水素が流出した。爆風で、首都高の外壁の一部が吹き飛び、付近のビルの窓ガラスが多数割れた。東京消防庁や警視庁によると、ガラスや外壁の破片が当たるなどして、首都高を走っていたで車の中にいた人や、首都高から約8.5メートル下の道路を歩いていた人ら計20人がけがをし、都内数個所の病院に運ばれた。過酸化水素は劇物に指定されており、東京消防庁が放水して洗い流している。警視庁は業務上過失傷害の疑いで捜査を始めた。
警視庁高速道路交通警察隊と麻布署の調べでは、タンクローリーの使用者は「日本電酸工業」(本社・東京都千代田区岩本町)。タンクローリーは、過酸化水素約1000リットルを積んで、横浜市港北区から千葉県袖ケ浦市に向かう途中だった。
タンクローリーは走行中に煙を出した直後に突然、タンク部分が爆発、前の車に追突して止まった。後続の車8台も爆風などで車体に傷がついた。調べに対し、運転手は「走行中にタンクが揺れて、突然、爆発した」などと話しているという。
首都高速道路公団によると、落下した外壁はアルミと鉄などでできていて、縦約2メートル、横約10メートルにわたり吹き飛んだという。
東京消防庁によると、爆風によって近くにあるビル計9棟の窓ガラスなど計75枚が割れた。明治通りには、高速道路から落ちたとみられる過酸化水素がたまり、周囲には異臭が立ちこめた。
現場近くの道路付近では、飛び散った金属片やガラスでけがをしたとみられる通行人ら数人が、救急隊に応急手当を受けた。顔などから血を流している人もいた。

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