TOPIC No.2-39 通り魔事件/池袋/下関 等


専門学校生を逮捕 埼玉・JR南浦和駅金づち殴打事件

4:54p.m. JST October 12, 1999
4日夜、浦和市のJR南浦和駅で停車中の電車から降りようとした川口市の会社員(28)が金づちのようなもので頭を殴られ負傷した通り魔事件で、浦和署は12日、殺人未遂の疑いで、同市内の専門学校生(29)を逮捕した。専門学校生は2年前から精神分裂病で通院しており、同署で動機などを調べている。
調べによると、専門学校生は4日午後6時45分ごろ、JR南浦和駅で停車中の武蔵野線の電車から降りようとした会社員の後頭部などを持っていた金づちで5、6回殴り、殺害しようとした疑い。会社員は頭部打撲裂傷などで3週間のけが。専門学校生は金づちで殴ったことは認めているという。専門学校生は事件当時、アルバイト先から帰宅する途中で、会社員と面識はなかった。
同署では、JR東日本の協力を得て駅に立て看板を掲げるなどして情報提供を呼び掛けていたところ、女子大生が目撃した犯人の着衣から専門学校生が浮上。使用された金づちも自宅から発見されたため、逮捕した。(時事)


起訴事実認める 下関駅無差別殺傷事件初公判始まる

2:54p.m. JST December 22, 1999
山口県下関市のJR下関駅で15人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人罪などに問われている運送業上部康明(うわべやすあき)被告(35)=同県豊浦町厚母郷(あつもごう)=の初公判が22日午後、山口地裁下関支部(並木正男裁判長)で始まり、上部被告は起訴事実を大筋で認めた。弁護側は限定的な刑事責任能力しかなかったと主張し刑の減軽を求める構えだ。
この日午後1時半から始まった公判で、上部被告は起訴事実について「あまり覚えていないが、多くの目撃証言などから、全面的に認めます」と答えた。この後、検察側は冒頭陳述に入り、事件に至る経緯や動機などに触れるとみられる。
検察側は起訴前の簡易鑑定の結果などから「刑事責任は問える」としている。これに対し、弁護側は、被告は精神的に不安定な状態が続いていて「自殺しようとして事件直前、不眠症治療剤を約120錠飲んでいた」としており、公判の推移を見ながら専門家による正式な精神鑑定を求める考えだ。
起訴状によると、上部被告は9月29日午後4時25分ごろ、乗用車で同市竹崎町4丁目の歩道から下関駅コンコースに突入。さらに、刃渡り約18センチの包丁を持って改札口からホームに駆け上がり、乗客に切りつけるなどして、計15人を死傷させた、とされる。このうち、事件直後に3人が死亡、2人が入院先で死亡した。

JR下関駅で通り魔 2人死亡、13人けが

9:01p.m. JST September 29, 1999
29日午後4時半ごろ、山口県下関市のJR下関駅の改札口に車が突っ込み、運転していた男(35)が刃物を持って暴れ、通行人らがけがをした、と110番通報があった。駆けつけた警察官が、男を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。下関地区消防本部などによると、男女2人が死亡、13人が同市内の病院などに運ばれた。
被害にあったのは次のみなさん。
【死亡】衛藤和行(79)=山口県豊北町、左胸を刺される▽50代女性(詳細不明)
【けが】木下利明(55)=山口県豊北町、左頭部に切り傷▽松並梨恵(15)=下関市安岡本町3丁目、額に切り傷▽宮崎輝雄(80)=北九州市八幡西区陣原3丁目、頭部を負傷▽成政覚(50)=福岡県中間市通谷4丁目、左ほおに切り傷▽山藤正子(50)=下関市竹崎町3丁目、左側頭部に切り傷▽高橋美恵(43)=山口県豊浦町、脳内出血のため意識不明▽高橋治恵(69)=同、右胸などを刺され意識なし▽衛藤吉子(74)=豊北町、左わきを刺される▽谷口まみ(16)=下関市安岡駅前2丁目、左足打撲 寄本正人(60)=山口県菊川町、腰打撲▽永藤登(68)=同油谷町、左顔面重傷▽坂元博司(41)=福岡市東区美和台2丁目、右腰など打撲▽渋谷恵美子(24)=豊北町▽山本恵美(24)=同▽西昭男(41)=下関市蓋井島、頭や腰打撲(敬称略)


池袋通り魔殺人初公判で、検察が凶行の経緯を明らかに

00:52a.m. JST December 23, 1999
東京・池袋の路上で9月、女性2人を刺殺するなど計10人の通行人を次々と襲ったとして、殺人などの罪に問われた住所不定、無職造田(ぞうた)博被告(24)に対する22日の初公判で、世間に不満を募らせていた被告が1本の無言電話をきっかけに、無差別殺人を決意したことが検察側の冒頭陳述で明らかになった。弁護側は、刑事責任能力について争う構えだ。
岡山県内で生まれた被告は1991年、地元の進学高校に入学したが、2年で中退。両親はパチンコや競艇に夢中になり、多額の借金を抱えて家を出た。
「大学まで行って事務系の仕事をしたかった」。周囲にはそう話していた。
中退後は弁当屋などで働いた。両親は夜こっそり帰り、1000円札を置いて出ていった。1人でラーメンを食べたという。
96年に上京。職を転々とする一方で、街で若者が遊ぶ姿に反発した。昨年6月に渡米した。「日本と違う新しい生活を始めようと思った」。しかし、職に就くことができず、教会で世話になった。生活は楽しかったが、同年9月にビザが切れた。
造田被告は渡米前、外務省などに手紙を送った。「日本には努力しない人間と自分のように努力しても評価されない人間がいる」と書いてあった。
今年4月から勤務していた新聞販売所でも「まじめ」「遅刻をしない」など評判は悪くなかった。
犯行1週間前、携帯電話を手にした。「連絡用に」と所長の指示だった。9月3日夜、電話が鳴り、出ると無言のまま切れた。同僚のいたずらと思った。
「努力しない人間からのいたずら電話にむかついた。世の中をあっといわせてやろうと思った」
翌4日朝、1枚の紙をアパートのドアに張り付け、部屋を出た。「わし以外のまともな人がボケナスのアホ殺し取るけえのお、わし全部殺すけえのお」と書かれてあったという。
CDを買いに来たことがあった池袋を犯行現場に選んだ。
包丁、金づちを買ったが、「兄に迷惑がかかる」と迷い、港区赤坂のカプセルホテルに7日まで宿泊した。8日朝、迷いがふっきれたとして再び犯行を決意し、地下鉄で池袋へ。東急ハンズ前で、リュックから包丁と金づちを取り出した。

池袋の通り魔事件、造田容疑者を殺人などの罪で起訴

8:37p.m. JST September 29, 1999
東京・池袋の路上で、通行人を包丁と金づちで襲い、女性2人を死亡させ、男性1人に重傷を負わせたとして、東京地検は29日、岡山県出身で住所不定、無職造田(ぞうた)博容疑者(23)を殺人と殺人未遂などの罪で東京地裁に起訴した。調べに対して造田容疑者は、すべての容疑を認めているという。動機については「まじめに働いているのに評価されず、腹が立っていた」などと供述しているという。
起訴状などによると、造田容疑者は8日午前11時半すぎ、豊島区東池袋1丁目の路上で、足立区千住桜木2丁目の主婦住吉和子さん(66)と、練馬区高野台3丁目の主婦高橋真弥(まみ)さん(29)の胸や腰を刃渡り17センチの包丁で刺して殺害。また住吉さんの夫直(ただし)さん(71)の頭を金づちで殴るなどして全治3カ月の重傷を負わせたとされる。
造田容疑者は、自らの生活の状況と対比して、日ごろから繁華街で遊ぶ若者らに反感を抱いていた。犯行数日前の深夜、就寝直前に無言電話を受け、「積み重なった怒りが抑えきれなくなった」などと説明しているという。
同地検は、精神科医の診察を受けさせたが、「病的なものはない」とする診断結果を得たことなどから刑事責任が問えると判断した。
同事件では、死傷した3人以外に5人が軽傷を負っており、警視庁が傷害の疑いで追送検する方針を固めている。

容疑者逮捕に協力の4人が記者会見 池袋・通り魔事件

01:18a.m. JST September 11, 1999
東京・池袋の通り魔事件で、住所不定、無職造田博容疑者(23)の逮捕に協力した大阪市の会社社長ら4人が10日、同市内のホテルで記者会見し、造田容疑者を取り押さえるまでのいきさつを語った。
会見したのは、不動産会社社長木村昌二さん(51)と同社部長の松山英樹さん(36)、マンション管理会社社長大崎哲也さん(31)と同社専務の小西満さん(39)。
4人は事件が起きた8日午前、東急ハンズ池袋店前のパチンコ店内の内装を視察していた。
通行人が騒然としている。「犯人はこっちだ」。通行人たちが見つめる池袋駅方向に向けて4人は走った。
駅前に近づくと1人の男性が造田容疑者と格闘していた。一斉に飛びかかり、路上に組み伏せた。手足をばたつかせて暴れる造田容疑者。松山さんは首に、大崎さんは右肩に、小西さんは頭にしがみつ