TOPIC No.2-26 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)


01.住基ネット導入問題  YAHOO!ニュース
02.住基ネット SPECIAL INDEX (Mainichi Shimbun)
03.住基ネット The Sankei Shimbun

住基ネット、個人情報の改変も可能 長野県が実験結果公表

2003年12月16日 The Sankei Shimbun
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の安全性を検証する長野県の侵入実験の結果について、田中康夫知事は16日記者会見し、実験の中間まとめを公表した。田中知事は「情報を改変することも可能だ。完ぺきと総務省は言っているが、IDカードや暗証番号もなしにサーバーを乗っ取ることが出来た」と強調、個人情報の保護をめぐり住基ネットの欠陥があるとの考えを示した。

 これに対し総務省の畠中誠二郎自治行政局長は同日、緊急に記者会見し「実験では住基ネット本体には侵入できていない」と長野県を強く非難した。

 田中知事や県の説明によると、侵入実験は9−11月に県内の3町村で実施。同県阿智村の公民館などの端末などから庁内LAN(構内情報通信網)に侵入、「既存住基サーバー」を乗っ取った。下諏訪町では、市販の無線LANで庁内LANに侵入することもできたという。

 また阿智村では、庁内LANに直接、侵入用の端末をつなげ「コミュニケーション・サーバー(CS)」やこのサーバーを動かすCS端末を攻撃することが可能な状態となった。侵入は3日間に及んだが、国などから検知されなかった。

 侵入実験にかかわった県審議会の吉田柳太郎委員は会見で「個人情報を消去したり、新しく作成し住基ネットに流すことも可能で、CS端末を使えば、全国民の個人情報を検索することも出来る」と指摘した。

 波田町で行ったインターネットからの侵入は安全性が十分確保され、侵入できなかった。

長野県が住基ネット侵入実験を無警告実施、法抵触か

2003/12/06 読売新聞 Yomiuri On-Line
 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の安全性を検証するため、長野県が11月下旬に2度目の侵入実験を試み、ファイアウオール(不正侵入の防壁)が異常を知らせる警報を発信していたことが6日、わかった。

 住基ネットを管理する財団法人「地方自治情報センター」は、今回の実験を事前に知らされておらず、報告を受けた総務省は、不正アクセス禁止法に抵触するか検討する方針だ。

 関係者によると、実験は11月25―28日にかけて阿智村で行われた。警報が作動したのは28日。同センターが管理するファイアウオールで、同村から全国の住基ネットに接続している部分という。実験について県側は「詳しいことは言えない」と説明を拒んでいる。

 総務省の井上源三市町村課長は「センターのシステムに異常は出ていないが、無断で実験を行ったことは問題」と話している。

 同県は今年9―10月、同村を含む3町村で侵入実験を行ったが、内容や結果については一切公表していない。

全国約400の市区町村で、住基とインターネットが“接続”

2003-06-06 Mainichi INTERACTIVE
 全国の市区町村のうち1割以上の約400の団体で、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)と接続している庁内LANが、インターネットと接続していることが、総務省の資料で分かった。総務省は「直ちに危険とはいえない」としているが、片山虎之助総務相のこれまでの発言と食い違う部分もあり、住基ネット批判が高まりそうだ。

 総務省が5日、長野県の本人確認情報保護審議会の報告に反論する形で、全国の市区町村に通知した文書で分かった。同文書のなかで、総務省は、1割強の市区町村で住基ネットと物理的に接続している庁内LANがネット接続していることを認めた。そのうえで、「接続していたとしていても、直ちにセキュリティー上危険とはいえず、FWの設定など適切なセキュリティー措置の実施により、個人情報の保護を図ることが可能」と説明している。

 また、仮に庁内LANにウイルスやハッカーが侵入しても「住基ネットに入り、他の市区町村のCS(コミュニケーションサーバー)、都道府県サーバー、指定情報処理機関サーバーに到達する恐れはない」と明言している。

 しかし、片山総務相は、2月13日の衆議院予算委員会などで「ご存知のように住基ネットは閉じたネットワークですよね。ネットなんかと接続していないんですよ。接続しているものは切ってもらうんですよ」などと発言している。

 この点について、総務省市町村課では、「閉じたネットワークというのは、FWでセグメントとして区画されているという意味。住基ネットと庁内LAN、庁内LANからネット接続しているもので、セキュリティー上問題があると考えた約200団体については、昨年8月の段階で、いったん住基ネットと常時接続を行わないよう指導しており、大臣発言はその意味だ」と説明している。

 5日には、片山総務相と田中康夫知事が、長野県の本人確認情報保護審議会と総務省の住基ネット調査委員会の委員会が、住基ネットの安全性をめぐって公開討論会を開くことで合意している。総務省では、公開討論会の日程や討論の方法などについては未定としている。(太田 阿利佐) [住基ネット「不参加認めない」 総務省が市町村に通知]

住基ネット不参加、首長に権限なし…総務省が通知

2003/06/05 読売新聞 Yomiuri On-Line
 総務省は5日、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)について、首長が独自の判断で不参加を決めることはできないとする見解をまとめ、都道府県と政令指定都市に通知した。

 長野県の田中康夫知事に住基ネットからの離脱を求めた同県本人確認情報保護審議会の報告書に反論するため、同省が作成した。

 通知は住基ネットについて「堅ろうに守られた極めて安全なシステムで、コンピューターウイルスが都道府県のシステムや全国センターに侵入することはない」と強調している。

 市区町村長や都道府県知事が住基ネットに参加しないことを決められるかどうかに関しては、「住民基本台帳法の規定で本人確認情報に対する危険性が現実化した時、住基ネットと一時的に接続しないことはあり得るが、この規定を独自に解釈し、参加しないことはできない」としている。

 これに関連して、片山総務相は5日、総務省で田中長野県知事と会い、「住基ネットはファイアウオール(不正侵入を防止するためのコンピューター)などの仕組みを取っており、(情報漏洩などの)心配は全くない。市町村の共同のネットワークであり、県にはそれをまとめていただく」と離脱しないよう求めた。田中氏は「市町村や審議会、条例を勘案して考える」と明言を避けた。

「住基ネットから離脱を」長野県審議会が報告書

2003年05月28日The Sankei Shimbun
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)について、長野県本人確認情報保護審議会(不破泰会長)は28日、個人情報保護の体制が不十分として「当面、住基ネットから離脱すべきだ」とする中間まとめを田中康夫知事に報告した。

 田中知事は、8月から住基ネットが本格稼働するまでに対応を検討する方針。都道府県レベルで、住基ネットから離脱したケースはない。

 審議会委員は6人。市民団体「国民共通番号制に反対する会」代表のジャーナリスト桜井よしこ氏や、同会事務局長の清水勉弁護士も含まれている。

 会合は東京都内で開かれ「こんな報告を出せば市町村が混乱する」との反対意見も出た。

 中間まとめによると、審議会が実施した県内市町村担当者へのアンケートで、回答者のうち9割が「自治体のメリットが少ない」と回答。また27自治体では、住基ネットと庁内の情報通信網がつながっており、インターネットを通じて情報が外部に漏れる恐れもあるとしている。

住基ネット:市町村の1割 セキュリティー不十分と自己分析

2003年05月12日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)で、各市町村がセキュリティー対策の平均約1割に不十分な点があると自己分析していることが12日、総務省の住基ネットシステム調査委員会で明らかになった。

 全国の市町村が今年1〜2月、セキュリティーに関する約140項目について点検した結果を総務省などがまとめた。

 各項目ごとに(1)運用している(2)整備している(3)整備していない――の3段階で評価してもらったところ、(3)と回答した市町村が平均1割程度に上った。

 総務省は「100点満点で83点」と評価したが、8月の第2次稼動に向け、さらに適切な管理運営が必要と分析。13日に都道府県の担当者を集めて市町村への指導を要請し、7月上旬をメドに対策の実施状況について報告を求める。【柴沼均】

住基ネットで住民監査請求 神戸市の市民団体

2003年05月12日 The Sankei Shimbun
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)への個人情報提供は住民基本台帳法などに違反しているとして、神戸市の市民団体「新しい神戸をつくる市民の会」の会員ら100人が12日、住基ネット関連の支出中止とこれまでの支出の返還を求め神戸市監査委員に監査請求した。

 請求によると、神戸市は、住基ネットは情報流出の危険があるのに同ネットから離脱するなどの措置をとっていないと指摘。情報の流出防止に「必要な措置」を求めた住民基本台帳法などに違反しているとしている。

 同会の中田作成代表(64)は「防衛庁が自衛官募集のために自治体から情報を得ており、住基ネット導入は国家による個人管理や監視につながる」と話した。

新たに4町村で不適切情報

2003年04月24日 The Sankei Shimbun
 石破茂防衛庁長官は24日午後の衆院個人情報保護特別委員会で、自衛官募集をめぐり地方自治体から不適切な個人情報を集めていた問題に関して、新たに自衛隊函館地方連絡部管内で4町村から「両親名」の提供を受けていた事例があったことを明らかにした。

 石破氏は報告漏れがあった点を陳謝し「募集事務を行う出張所との連絡が密接ではなかった」と釈明。25日午前までに、より正確な報告書を提出する考えを示した。

 細田博之IT担当相は、カーナビゲーションシステムや電話帳の内容を取り込んだパソコン用ソフトなどの利用者について、政令により法規制から除外する方針を表明した。

 赤城徳彦同庁副長官は地方自治体から集めた情報の使途について「募集に限定し、採用担当者以外は閲覧できない形で管理している」と目的外利用を否定。「(募集のための)ダイレクトメールを送れば用済みになる」として、あて名印刷用に電子データ化した場合は1年以内に、それ以外も一定期間後に適切に廃棄しているとした。

 民主党の中村哲治、共産党の吉井英勝、社民党の保坂展人、北川れん子各氏への答弁。

個人情報保護条例案を否決 住基ネットで矢祭町

2002年12月17日 The Sankei Shimbun
 8月5日稼働した住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)への接続を見合わせている福島県矢祭町(根本良一町長)は17日、町独自の個人情報保護条例案を臨時町議会に提出したが、町議会は賛成1対反対16で否決した。反対した議員は「町民は住基ネットに反対している」などと理由を述べた。  町は7月、住基ネット参加の前提条件としていた個人情報保護法を国が整備していないとして、全国の自治体で初めて住基ネットへ当面の不参加を表明。住基ネット参加に向け、個人情報が漏えいした場合に、町長の判断でネットから「切断」することなどを明記した条例案を作り、町議会に提案していた。

 条例案に盛り込んだ漏えい時の福島県の責務については、町と県の間で13日に覚書を締結。住基ネットの運用で「万が一にも不測の事態が生じた場合、県は矢祭町の意向を尊重しながら、万全の措置を講ずることを確約する」としていた。

多摩地区で1万6千世帯が未通知 住基ネット

2002年11月15日 The Sankei Shimbun
 東京都多摩地区の市議らでつくるグループが15日までに、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の運用に関して多摩地区の30市町村を調査した結果、1万6000世帯以上の住民票コードが未通知になっていることが分かった。

 調査したのは「市民自治をめざす三多摩議員ネットワーク」。回答を得た29市町村のうち、不在などで未通知になっている住民票コードが、多摩地区全世帯の1%に当たる約1万6300世帯分あった。このほか通知の自主的返却が1200世帯分以上に上るという。

 住基ネット導入による費用対効果を問う質問には、稲城市が「年金の確認事務などが減る」と答えた以外は「算定できない」か「不明」と回答。多摩地域で導入に18億円以上かかったことも分かった。

 市議らは「全国の導入費が400億円といわれたのに多摩だけでこの数字。自治体が国に振り回されている現状がよく分かる」としている。

住基ネットで二次提訴 40人が東京など6地裁に

2002年11月01日 The Sankei Shimbun
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)はプライバシーの侵害で違憲として、東京や神奈川、和歌山など7都県の住民40人が1日、各都県や国などに運用の差し止めや1人当たり22万円の損害賠償などを求める訴えを東京など6地裁に起こした。

 7月に6人が東京地裁に起こした訴訟に続く第二次の集団提訴で、九州や北陸、東海、近畿地方でも提訴の準備が進められている。

 訴状によると、住民側は「8月に施行された住基ネットは個人情報が漏えいしたり、情報が目的外で使用されたりするなどの危険性が高い」と指摘。「一方的に住民票コードを付けるのは国民を番号で扱うことになり人格権を侵害する」と主張している。

 第一次提訴では、市区町村に対しても住民票コードの削除などを求めていたが、今回は「市区町村も住基ネットの被害者」として被告から外した。

 またこの日、一次訴訟の第一回口頭弁論が東京地裁(綿引万里子裁判長)であり、原告のフリージャーナリスト斎藤貴男さんが「住基ネットは、人間の尊厳にかかわる問題。人間が権力によって番号扱いされてしまうことの恐ろしさを訴えたい」と意見陳述した。

住基ネット:運用差し止め求め第2次提訴へ 7都道県住民

2002年09月23日 Mainichi INTERACTIVE
 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の運用差し止めを求め国などを相手取って東京地裁に提訴した訴訟団は23日、10月中旬を目途に2次提訴する方針を明らかにした。福岡、神奈川、和歌山など7都道県で、原告は十数人。全国に参加を呼びかけており、規模はさらに拡大する見通しという。

 訴訟団によると、7月26日の1次提訴は東京地裁でまとめて行ったが、2次提訴は運動を全国的に広げる目的で各地裁に起こす。相手も1次は国と地方自治情報センター、原告が在住する都県、市区町だったが、2次では市区町を除外する予定。渡辺千古(ちふる)・事務局長は「市区町は国からシステムを押しつけられた被害者ととらえ、今後はネットからの離脱を促したい」としている。

 東京での1次訴訟は弓削達・東京大名誉教授ら6人が「住基ネットは憲法で保障されたプライバシー権の侵害」として提訴。個人情報の処理事務の差し止めと精神的不安に対する慰謝料を求めている。 【山田宏太郎】

長崎県で22件の登録ミス【住基ネット】

2002年09月10日 The Sankei Shimbun
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)で、住民票コードの二重登録などの登録ミスが長崎県内で相次ぎ、県が22件分のデータを削除していたことが10日、分かった。

 県市町村課によると、ミスがあったのは厳原町、大村市、長崎市など。転入手続きの際に自治体職員が本来の住民票コードを入力し忘れたため、新たなコードが誤って付けられてしまったケースが大半という。

 二重登録件数が9件で最も多かった厳原町では、町は転出者のデータを削除したが、その情報が県に伝わっていなかった。同町は、送受信システムに何らかの不具合があったとみて原因を調べている。

名古屋で住民票コードを返上【住基ネット】

2002年08月21日 The Sankei Shimbun
 住民基本台帳ネットワークの住民票コード通知票をめぐり、名古屋市昭和区の住民44人が21日、「番号を抹消してほしい」と同区役所に通知票を集団で返上、接続の中止を申し入れた。

 主婦雨宮せつ子さん(53)らでつくる「みんなで住基番号を返上しよう会」がチラシ2000枚を配るなどして呼び掛けた。参加した住民らは「個人情報保護が不十分なままでのネット稼働は違法で、自治体は参加を当面とりやめるべきだ」と申し入れ、手元に届いていない2人を除く42通の通知票を返却した。

 区は「通知票は保管するが、削除はできない」としている。

 名古屋市では19日までに通知票の配達ミスが相次いで発生。通知票の受け取り拒否は335件に上っている。参加したヘルパーの女性(51)は「あっという間に番号がついて稼働してしまった。おかしいと思う人の輪が広がっていくのでは」と話していた。

住基ネット「不支持」56%、支持わずか9% マクロミル調査

2002-08-19 Mainichi INTERACTIVE
 今月5日に始まった住民基本台帳ネットワークを「支持しない」人は56%、「支持」はわずか9%−−。異論が続出する中でスタートした住基ネットの不人気ぶりが、インターネットリサーチのマクロミルの調査で19日、明らかになった。調査は9、10日、東京都周辺の1都3県の525人を対象にネットで行われた。

 住基ネットの認知度は「内容まで知っている」17%、「内容はある程度知っている」65%と「知っている」が8割を超え、「名前くらいしか知らない」16%、「聞いたことがない」1%の「知らない」を大きく上回った。内容について「全国どこの市町村でも住民票の写しの交付が受けられる」を知っていたのは87%に上る半面、「カードの空き領域を使って市町村が独自サービスに利用できる」を知らなかった人は64%に上った。

 住基ネットへの不安については、職員からの情報漏れ、外部からの不正侵入、コンピューターの誤操作による個人情報漏れ、目的外利用などの各項目について、「不支持」の8割以上の人が「不安」と答えた。これに対し、「支持」の人で「不安」としたのはそれぞれ4割にとどまった。住基ネットのセキュリティーを信頼している人が住基ネットを支持しているといえそうだ。

 一方、横浜市のような市民選択制については65%が「支持」しており、「支持しない」の7%を大きく上回った。福島県矢祭町のような離脱についても「支持」54%、「支持しない」8%と「支持」が圧倒的。このため、自分の地元の自治体が住基ネットに接続している人からは「地元自治体も市民選択制にしてほしい」が60%、「離脱してほしい」が20%と答え、「現状のままでいい」の19%を大きく上回った。

[マクロミル](柴沼 均)

住基ネット:アクセス記録開示「検討の余地」 片山総務相

2002年08月17日 Mainichi INTERACTIVE
 片山虎之助総務相は講演のため訪れた津市で17日記者会見し、総務省が住民基本台帳ネットワークシステムで個人情報への不正アクセスを発見する手段となるコンピューターへのアクセスログ(接続記録)を開示しない方針を打ち出したことを踏まえ、「個人的には、アクセスログの公表はあってもいいと思う。ただ、そういう仕組みを作るには、かなりお金がかかるようだ。自治体が公表してもいいというのなら、検討の余地がある」と述べた。

 また、片山氏は市町村合併した際に受けられる国の支援プランを現在の58から80前後に拡充する考えを示した。新しい支援として、新自治体の庁舎建設に着工する場合、合併後しか認めていない特例債を合併前にも発行できるようにすることを明らかにした。 【荒川基従】

「4や9は縁起悪い」住基ネット番号の変更申請が続々

2002年08月16日 Yomiuri On-Line
 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)で、住民票コードの通知を受けた住民から、番号の変更を求める申請が相次いでいる。「4と9が多い」など、番号が気に入らないという理由が多いといい、水戸市では、納得できる番号が割り当てられるまで、1日に3回も申請を繰り返した男性がいたという。

 住民票コードの変更は、市町村の窓口で申請すれば何度でも可能だが、コンピューターで無作為に割り振るため、好きな番号を指定することはできない。

 茨城県内では、15日までに、水戸市で15件、龍ヶ崎市で13件、牛久市で10件など、40件以上の変更申請があり、窓口を訪れた住民からは「9と4が並び、『急に死ぬ』と言われたみたい」との不満も。また、群馬県でも、前橋市で14日までに、「末尾が4219(シニイク)と不吉だ」などと、3件の変更申請があったという。

住基ネット、コード通知でトラブル相次ぐ

2002年08月14日 The Sankei Shimbun
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の住民票コードを通知するはがきや通知書をめぐるトラブルが14日、各地で相次いだ。

 大阪府八尾市は、通知書に市長の公印がないことが判明。約11万5000通すべてを再作成するため、15日に予定していた発送を26日に延期した。

 また宮城県塩釜市、秋田市、松江市、大分市、那覇市などでは、コードを通知した圧着はがきを光にかざすと、記載内容が透けて見えるなどの苦情が市民から続出。大分県臼杵市は、透けないようはがきの裏に黒いスタンプを押したところ内側までインクがにじみコードが読めなくなった。

 配達ミスが続く名古屋市では14日までに、誤配や転出届を出さず引っ越した家へ配達したなどのミスが計179件に達した。

 圧着はがきのトラブルで各自治体は、未配達分を封筒に入れて発送したり(塩釜市、大分市)、裏面や番号と重なる部分を黒く印刷し透けないようにする(松江市、那覇市)などの対策を取るとしている。

 別府市は、既に通知を送った住民に対し「不安な場合は、コードの変更も可能と伝える」という。

 住民票コードの通知については、大阪府守口市などで他人のコードが記載された通知が届くトラブルなどもあり、総務省は7日に秘密の保持が十分か再確認するよう自治体へ通知している。

通知書郵送でトラブル【住基ネット】

2002年08月13日 The Sankei Shimbun
 石川県の金沢市と押水町で、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の住民票コード通知書を郵送する際、トラブルがあったことが13日までに分かった。

 金沢市では通知書のはがきが密封されず、住民票コード番号や氏名などが他人に見える状態で配られたなどとする苦情が20件寄せられた。苦情の中には世帯の誰かが開封した可能性のあるものも含まれるが、同市市民課は苦情を寄せた全世帯に、新しく番号を付け替えて再配布を始めた。

 金沢市は7日、市内の約17万2000世帯に通知書を郵送した。はがきは2枚の紙を中身が見えないように特殊なノリで接着して、住民が紙をはがしてコード番号などを見る仕組み。同課は接着力が弱かった可能性があるとみている。

 押水町は1世帯に誤って別の世帯分を含めた2世帯分を封書に入れて郵送した。そのため1世帯に通知が届かなかった。同町住民課は郵送の際、誤って1件、2世帯分を入れたとみている。通知が届かなかった世帯には新しく住民票コード番号を付け替えて町の職員が通知書を届けた。

32市町村、34件のトラブル【住基ネット】

2002年08月10日 The Sankei Shimbun
 すべての国民に11けたの番号を付け、個人情報を管理する「住民基本台帳ネットワーク」(住基ネット)が5日に稼働してから10日までに、少なくとも全国の32市町村で計34件のトラブルやミスが起きていたことが、共同通信のまとめで分かった。

 データを送信できないなどのシステム障害のほか、他人の番号(住民票コード)を誤って記入したり、通知書を他人に配達したりして個人情報が実際に流出したケースもあった。

 片山虎之助総務相は「3300の自治体がある中で、トラブルは少ない方だと思う」と順調に稼働しているとの認識を示したが、稼働早々、プライバシー保護の危うさを露呈した形だ。

 大阪府守口市は「住民票コード通知書」に他人のコード、性別、生年月日を誤って記入。364世帯、1239人分が別の世帯に届けられた。

 コード通知書を誤って配達したのは名古屋市。配達員が隣の家などに間違って配達したり、転出届を出さずに引っ越していた人の元の家に配達するなどして計126人分のミスが起きた。

 兵庫県三田市は73世帯分の通知書に他人のコードを誤って記載。富山県立山町でも通知書に本来記載しないはずのコードを記入して発行したのが79通あり、宮崎市では6世帯16人分の通知書が別の世帯に配達された。

 こうした事態に総務省は「秘密の保持に十分配慮し、確実に本人に送付されるよう再確認してほしい」との通知を出した。

 大阪府大東市では双子、三つ子など生年月日が同一の場合、1人分の記載しかなく275人分のデータが欠落した。

 那覇市では稼働に合わせてシステムを構築した際、住民票に記載する市長名を間違え、約300通をそのまま発行してしまった。

 システムのトラブルは大半が稼働1〜2日目に集中した。村民にパソコンを配るなど「電脳村」として知られる富山県山田村ではコンピューターに障害が発生。転入した2世帯のデータが送信できなかった。

 千葉県では松戸市など4市で約1800人分のデータが送れなかった。宮城県柴田町では約500人分のデータを県に送れず現在も修正中。

 沖縄県渡嘉敷村と熊本県西合志町などでは住基ネットシステムへの侵入を防ぐための防護壁(ファイアーウオール)が故障した。

 トラブルではないが青森、愛媛などの13市町村で、住基ネットをインターネットと接続可能な庁内情報通信網(LAN)につなげていたことが分かり、総務省が住基ネットを常時接続しないように指示していたことも判明した。

 総務省は「これまでのところ、住基ネットに対する不正アクセスの兆候は見受けられない」としている。

那覇市の住基ネット、丸2日不通

2002年08月08日 The Sankei Shimbun
 那覇市は8日、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)で、コンピューターのトラブルのため、6日朝から丸2日間、計1034件の個人情報データが沖縄県に送信できなかったと発表した。市の委託業者が6日夕の点検で異常データを見過ごし、7日夕になって発見し対応が遅れた。

 那覇市によると、送信障害の原因は市側のホストコンピューターのプログラムミスで、各情報に付けられる処理番号が誤って重複して付けられたためとしている。1034件の内訳は103件が転出届で、残りは市内での転居届などという。

 委託業者は1日1回、ネットワーク上の点検を行っていたが、7日夕になって異常に気付き市に報告。同日夜から復旧作業を始め、8日朝に回復、未送信分のデータを送信した。

 那覇市ではこれまでも、住基ネットの稼働に合わせたコンピューターの入力ミスで、誤った市長名を記載した約300枚の住民票を発行するトラブルがあった。

翁長雄志市長は「今後二度とこうした事態が発生しないように最大限の注意を払って業務を遂行したい」と話している。

大東市、双子、三つ子で記載ミス【住基ネット】

2002年08月08日 The Sankei Shimbun
 大阪府大東市で、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の稼働に伴い、市内の各世帯に郵送した「住民票コード通知書」で、双子、3つ子など家族で生年月日が同一の場合、それぞれ1人分の記載しかなく、計275人分の個人情報が欠落していたことが8日、分かった。

 同市はプログラムミスで、点検が不十分だったと説明している。

 データが記載されていないのは、双子など245人分と3つ子30人分。それぞれについて1人分しか記載がなく、計275人分のデータが記載されず空白のまま郵送された。

 同市では5日午後、住民票コード通知書を送付。6日に市民から指摘があり、ミスが判明した。同日にはプログラムを修正したという。

 同市は7日午前に正しく記載した通知書を、わび状とともに郵送した。

住基ネット番号を配達ミス 名古屋

2002年08月05日 The Sankei Shimbun
 5日に稼働した住民基本台帳ネットワークで、名古屋市の非常勤職員である通達員が、同市守山区の男性一家の住民票コード通知票を、近所の別の世帯に配達していたことが6日分かった。

 この通達員は5日から通知票の配達を開始。市は男性に謝罪し、この通達員がミスをしたとして厳重注意。ほかの通達員にもあらためて注意喚起した。

 市によると、6日朝、「お宅の通知票が入っていた」と近所の人が男性宅に直接届け誤配が分かった。市は「番号が知られただけでは悪用されることはない」としているが、男性の希望があれば番号を変更する。

 市は「確実に届き、郵便よりコストが低い」として、市の委託で広報紙や選挙公報などを配達する通達員350人に住民票コード通知票の配達を依頼した。1人当たり約2600世帯を約3週間で配り終える予定。

内憂外患の住基ネット   全国民に11ケタ番号を割り振れない!?

2002-08-05 Mainichi INTERACTIVE

住基ネット稼働 9市町村でトラブル

2002/08/05 中国新聞
 全国民に十一けたの番号を付け、氏名、住所などの情報を市区町 村から国の行政機関などにオンラインで提供する住民基本台帳ネッ トワーク(住基ネット)が五日、稼働した。政府は行政の効率化と 住民の利便性の向上を強調するが、個人情報の保護などへの不安か ら全国最多人口の横浜市が事実上、来年以降の参加となる市民選択 制を導入するなど、六市区町、約四百万人が参加を見合わせた不正 常なスタートとなった。

 富山県山田村のコンピューターのハードディスクに障害が発生す るなど、九自治体でトラブルが起きた。

 千葉県では松戸市など四自治体で入力エラー、大阪市と兵庫県高 砂市、京都府の八幡市、木津町で接続トラブルがあった。山形市は 「ささやかな抵抗」とシステムの稼働を一時間遅らせた。また、北 海道の逢坂誠二ニセコ町長は九月に再度是非を判断、住基ネットか らの離脱もあり得るとした。

 市民選択制の横浜市のほか、不参加は福島県矢祭町と東京都杉並 区、同国分寺市。三重県の二見、小俣両町は数日間参加を見合わせ る。

 片山虎之助総務相は五日、記者会見し「十分なセキュリティーと プライバシー保護対策を取っているが、今後もさらに万全の体制を 整えたい。理解が得られないところとは十分話し合い、合意の努力 をしていきたい」と述べた。

 「住基ネット差し止め訴訟原告・弁護団」など反対派が同日、 「住基ネットはプライバシーの権利を侵害する」などと総務省に抗 議した。

 各自治体は七月二十二日から仮運用し、住民の転出・転入、出 生、死亡などの変更情報を送信している。五日からも同様の作業が 続く。八月中に市区町村から各個人または世帯あてに住民票コード が通知される。

「住民ではない」元オウム信者、番号なし【住基ネット】

2002年08月05日 The Sankei Shimbun
 オウム真理教(アレフに改称)の信者や元信者の転入届を不受理とした名古屋市と岐阜県高山市、古川町は5日、信者の女性1人、元信者の男性2人と女性6人の計9人に対し、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)で使う住民票コードを付与していないことを明らかにした。

 元信者らは以前住んでいた名古屋市などには転出届を出したが、転入届を拒否されたため、全国のどの住民基本台帳にも掲載されていない。住基ネットを通じても、国に情報が提供されないことになる。

高山市などは「元信者は居住はしているが、行政として住民という扱いをしていないので、番号を付与することはできない」と説明している。

大阪府豊中市議が提訴【住基ネット】

2002年08月05日 The Sankei Shimbun
 5日から運用が始まった住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)はプライバシーの侵害として、大阪府豊中市の一村和幸市議(53)=無所属=が同日午後、市が保有する自分の情報を同ネットを通じて国に提供しないよう求める訴えを大阪地裁に起した。

 訴状によると、住基ネットは、システム障害などで個人情報が外部に漏れる危険があり、個人情報保護法が成立しない段階では、個人情報が保護される保証はないと主張。

 さらに、個人情報が11けたの番号に集約されることは、個人の自由や人格権を尊重する社会ではとうてい許されず、個人の公権力から監視されない権利を侵害しているとしている。

 一村市議は今後、インターネットなどを通じて住基ネットに反対する市民を募り、訴訟の参加を呼び掛ける予定。

兵庫県高砂市でも一時障害発生【住基ネット】

2002年08月05日 The Sankei Shimbun
 5日朝から稼働が始まった住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)のシステムに、兵庫県高砂市の住民の更新データの一部が送れなくなる障害が起きた。

 高砂市によると、午前9時半ごろ、5件のデータを自動送信できないことに職員が気付いた。その後、手動に切り替え、同日午後1時ごろまでに約20件分の更新データを県のサーバーに送り込んだことを確認した。

 高砂市によると、データは転入や出生に関するもので、個人情報の漏えいの恐れはないとしている。同市と県が原因を調べている。

古河市長が延期要望【住基ネット】

2002年08月04日 The Sankei Shimbun
 茨城県古河市の小久保忠男市長が、片山虎之助総務相あてに住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の稼働延期などを求める要望書を提出していたことが4日、分かった。

 要望書によると、5日から稼働予定の住基ネットについて「個人情報保護の法整備がなされないまま稼働するのは問題があるため、本来延期されるべきだ」と指摘し、個人情報保護法案の早期制定、市民へのセキュリティー対策などを要望している。

 同市は5日から住基ネットを稼働させるが、稼働後に個人情報が漏えいしたり、その恐れがあったりした場合「住基ネットへの接続停止もあり得る」としている。

 同市は、今後、個人情報の漏えいなどに対し、同市独自の管理システムや一時停止を可能にする条例の制定などを検討する方針だ。

住基ネット5日から運用 Q&A

2002年08月03日 The Sankei Shimbun

住基ネット不参加を可決 鹿児島県高山町議会

2002年08月03日 The Sankei Shimbun
 5日から稼働する住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)について、鹿児島県高山町議会は3日までに、個人情報保護法が成立していない現状では情報漏えいのおそれがあるとして、同法が成立するまでは不参加とする動議を賛成多数で可決した。

 下大園貞吉議長は「町民から『住基ネットでプライバシーは守られるのか』との声を聞くこともあり、今の段階で参入すべきではないという議会の態度を表明した」としている。

 法的な拘束力はなく、倉岡哲哉町長は「5日から予定通り参加する方針」としながらも「どこで個人情報が漏れるかわからないという問題は認識しているので、早いうちに個人情報保護法が成立することを期待したい」と話した。

緊急時はネットを切断 新潟県長岡市

2002年08月03日 The Sankei Shimbun
 新潟県長岡市の森民夫市長は3日までに、住民票記載事項の漏えいや不正行為の発生などの緊急時には同市のシステムを住民基本台帳ネットワークから切り離すと表明した。

 片山虎之助総務相にあてた意見書で「法の定めには従わざるを得ない」としながらも「個人情報保護の観点から、必ずしも十分な規定内容とはいえない」と述べた。

横浜市は市民選択制導入【住基ネット】

2002年08月02日 The Sankei Shimbun
 5日から稼働する住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)について、横浜市の中田宏市長は2日、個人情報保護の法整備がされるまで市民の選択制を導入し、希望しない市民の個人情報を国、神奈川県に提供しないと発表した。全国の市区町村で最多の人口約345万人の自治体が5日時点で事実上参加しないことになり、構築に400億円もの経費を掛けた住基ネットは多くのデータを欠き、異常事態の中でのスタートとなる。

 既に福島県矢祭町、東京都杉並区、国分寺市が不参加を表明しているが、住基ネットで選択式を導入する自治体は初めて。横浜市は市民の意思表示を9月中に受け付ける予定で、希望する市民がいても住基ネットへの参加は10月以降にずれ込むとしている。

 総務省は2日、セキュリティー面で緊急対応が必要な場合に備え、省内に対策本部を設置。片山虎之助総務相は横浜市の対応について「住基ネットは全自治体共同のネットワークだから、ぜひ全部の自治体に入ってもらいたい」と今後、十分話し合い、理解を求めていく姿勢を示した。

 中田市長は岡崎洋神奈川県知事に会い、選択制導入に伴い、仮運用で既に提供した個人情報を4日までに消去するよう要望した。

 住基ネットは全国民に11けたの番号を付け、氏名、住所、生年月日、性別、住所、これらの変更履歴の計6情報を市区町村から国の行政機関などにオンラインで提供する仕組み。データを本人確認に使うことで、行政手続きでの住民票の写しの添付を不要にする

高知県本山町は参加へ【住基ネット】

2002年08月02日 The Sankei Shimbun
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)からの離脱を検討していた高知県本山町の今西芳彦町長は2日、5日の稼働時から参加する方針を決めた。

 今西町長は「個人情報保護法なしに見切り発車するのは非常に残念だが、来年8月の二次稼働までの法整備を求めていきたい」としている。

 今西町長は7月30日、個人情報保護法の成立まで稼働延期を求める要望書を片山虎之助総務相に送り、住基ネットへの不参加を検討していた。

住基ネット離脱に疑問 小泉首相

2002年08月02日 The Sankei Shimbun
 小泉純一郎首相は2日午後、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)から離脱する自治体が相次いでいることについて「これから電子自治体の時代だ。本当にそれでいいのか」と自治体の対応に疑問を示しながらも「理解を得られるように努力したい」と強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 福田康夫官房長官は午前の記者会見で「引き続き理解を求めていく。全国的に行われることに、自分のところだけ参加しないということがどういうことなのか、よく考えていただきたい」と離脱する自治体の対応に不快感を示した。

 同時に福田長官は「不正使用や情報漏れには今の法律で十分対応できる。悪用する人がいる限り問題は残るし、いかに(不正使用などを)最小限にできるかに全知全能を傾ける」と強調。「行政を簡素化、効率化し、最終的に国民の利益を目指しているという本意を理解していただかなければいけない」と理解を求めた。

杉並区が住基ネット不参加を表明

2002年08月01日 The Sankei Shimbun
 東京都杉並区の山田宏区長は1日、記者会見し、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)への対応について、「個人情報保護の法整備が整うまでは住基ネットに参加するのは適当ではない」と述べ、不参加を表明した。

 政府は「住基ネットへの不参加は、住民基本台帳法違反に当たる」とし、5日に予定通り稼働させる方針だが、人口約52万人の杉並区が正式に不参加に踏み切ったことで、5日の運用開始までに、他の自治体に大きな影響を与えたり、ネットワークの意義そのものが問われる可能性も出てきた。

 個人情報保護法案は秋の臨時国会でも審議が難航するのは必至で、杉並区が住基ネットに参加するには時間がかかりそうだ。

 山田区長は記者会見で「現時点では個人情報の漏えいの危ぐはぬぐい切れない。国は各自治体から出ている要望や意見を踏まえた法整備をしてほしい」と述べ、個人情報の保護に万全を期すよう強く求めた。仮運用の段階で東京都に送信したデータは、2日に消去するよう求める方針。

 国民の不安感の解消などの観点から、セキュリティー面の緊急時に対応する対策本部の設置を決めたばかりの総務省は「東京都を通じて改正住民基本台帳法でも十分な個人情報保護措置が取られていることなどを説明し、5日までに参加してもらえるよう理解を求めたい」としている。

 これまでに福島県矢祭町が住基ネット不参加を表明しているほか、三重県小俣町と二見町が接続を5日から数日間見合わせる方針を決めた。また、71地方議会と32市区町村長が延期要望書を総務省などに提出している。

 杉並区は2001年9月、住民情報の漏えいなどに対し、住基ネットへの情報提供を一時停止することを可能にした独自の条例を制定している。

凍結・延期すべきが72%

 東京都杉並区は1日、住民基本台帳ネットワークの稼働の賛否について7月10日から実施した区民アンケートの31日までの中間集計を発表した。

 それによると、住基ネットの8月5日稼働には「凍結・延期すべきだ」が72%、「実施すべきだ」が9%、「どちらとも言えない」が19%。5日稼働を「知っていた」は49%、「知らなかった」は50%だった。

 アンケートは、区の公式ホームページや電話調査などで、2764人が回答。9月に最終報告をする。

不正あればシステム停止 住基ネットで鳥取県

2002年08月01日 The Sankei Shimbun
 5日から稼働される住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)に対し、鳥取県は1日、重大なシステム障害や不正アクセスがあった場合、県独自の判断でシステムを停止したり、ネットワークから県のシステムを分離するなどの安全対策をまとめたと発表した。

 県がシステムを停止すると、県内の市町村もネットワークにアクセスできなくなるという。

 県総務部によると、システムの停止や分離は障害や不正アクセスに加え、県のサーバーや市町村の機器がウイルスに感染した場合なども検討する。

 停止などは、2日に設置する「県住基ネットセキュリティ会議」が判断する。同会議の責任者は県総務部長が務める。

 また、県は2日までに、県内の全市町村と緊急事対応計画も策定する。

 住基ネット稼働で懸念される個人情報の保護について、鳥取県は全国で唯一、県と県内全市町村が保護するための条例を既に制定している。

 県の条例で、県が管理する個人情報は各個人が情報開示を請求できるほか。同県米子市や倉吉市では、個人情報に不正行為などがあれば、担当課長の判断で、システムを停止できる独自の規定もある。

自民有志、住基ネット凍結法案の提出断念

2002年07月31日 The Sankei Shimbun
 自民党議員有志による「住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)を考える議員連盟」(小林興起会長)は31日、個人情報保護法案の成立、施行まで住基ネットの稼働を延期する凍結法案の国会提出を断念した。

 30日に衆院での法案提出の要件となる賛成議員数を確保し、慣行上必要な自民党の会派承認を得ずに提出する構えを見せていたが、会期末になって取りやめた。

野党提出の住基ネット凍結法案が廃案

2002年07月31日 The Sankei Shimbun
 衆院総務委員会は31日午前、野党4党が共同提出した住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の稼働延期を求める凍結法案の廃案を決めた。野党は継続審議を求めたが、採決の結果、廃案となり、8月5日からの住基ネット稼働が確定した。

東出雲町議会が住基ネット延期の意見書

2002年07月31日 The Sankei Shimbun
 島根県東出雲町議会は31日までに、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)稼働の延期を求める意見書を賛成多数で可決した。小泉純一郎首相と衆参両院議長らに送付する。

 意見書は「住基ネットが現状のまま稼働すれば個人のプライバシーは保障されず、市町村は事故の際の責任を問われることとなる」として、個人情報保護法の成立まで稼働を延期するよう求めた。

住基ネット、中田横浜市長が懸念訴え

2002年07月31日 The Sankei Shimbun
 片山虎之助総務相は30日、都内で開かれた全国12の政令指定都市市長との懇談会で、住民基本台帳ネットワークについて「いろいろな誤解はあるが、法制度、技術、運用面で万全の対応を取っている。国民も安心感を持ってほしい」と、8月5日の稼働への理解を求めた。

 市長側からは、住基ネットの対応への発言が相次ぎ、横浜市の中田宏市長は「市から手の届かないところへ情報が行き、セキュリティーの問題は確かめようがない。責任の所在はどこにあるのか、きちんと答えられるようにしてほしい」と訴えた。川崎市の阿部孝夫市長も「横浜市と同じ心配がある」と述べた。

 京都市の桝本頼兼市長は「電子政府実現のため必要不可欠だが、稼働後は細心の注意を払い、機敏な対応を望む」と注文した。

 懇談では、29日の政令市市長会議で採択された地方税財源の充実確保の共同アピールを提出。都市再生や電子市役所の実現に向けた取り組みなどを説明した。

 アピールでは(1)国と地方の税源配分の是正(2)大都市特有の財政需要に対応した都市税源の充実強化−などを訴えている。

静岡県庁などに「住基ネットやめろ」と鉛弾入り脅迫状

2002年07月30日 Yomiuri On-Line
 静岡県庁と静岡、焼津両市役所に、住民基本台帳ネットワークの稼働中止を求める鉛弾入りの脅迫文が届いていたことが30日、わかった。県警は、同一犯による脅迫事件として捜査を始めた。調べによると、脅迫文は29日に石川嘉延知事と両市長あてに届いた。いずれも、焼津郵便局の27日付の消印が入っており、茶封筒の中に、ワープロで「住民基本台帳ネットワークをやめないと、地獄におちるぞ」などと記したメモと、散弾銃の鉛弾数十個が入っていた。石川知事と焼津市長あての封筒には「日本をよくする会」と手書きで記されていた。

住基ネットの運営監視で委員会発足へ 片山総務相が臨時会見

2002-07-29 Mainichi INTERACTIVE
 片山虎之助総務相は29日臨時に記者会見し、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の8月5日稼働後の運営を監視するため、有識者や自治体首長らで構成する「運営調査委員会」を月内に発足させることを明らかにした。また、若松謙維・副総務相をトップとする緊急対策本部を2日に設置、当面の間、不測の事態が起きた場合の対応にあたる考えも示した。

 委員会は10人程度で構成。2カ月に1回、ネットの運営や個人情報保護措置、セキュリティー対策を点検する。ネット情報保護への懸念が根強いことを踏まえ、外部の目も入った客観評価を加える。

 また総務相は、施行後の監査法人による外部監査について、全自治体に配布するチェックリストへの回答を点検したうえで個別に実施することも明らかにした。実際に調査される自治体は限られるとみられる。

【住基ネット】都知事に不参加申し入れ

2002年07月29日 The Sankei Shimbun
 住民基本台帳ネットワークシステムに反対する約40の市民団体らで構成する「住基ネット8月5日実施を許さない実行委員会」は29日、石原慎太郎・東京都知事に対して住基ネットへの参加を見合わせるよう要請した。

 同システムが5日から稼働すると、名前や生年月日などの個人情報は各市区町村、都道府県、財団法人・地方自治情報センターがそれぞれ記録、保存。互いにネットワークで結ばれて運用される。

 委員会は、同システムは国が効率的に国民を監視・管理しようとするのが本質だと指摘。1住基ネット実施中止を国に申し入れる2住基ネットから離脱する3区市町村が離脱した場合でも、その判断に介入しない−ことの3点を都知事に申し入れた。

 都総務局は「住民基本台帳法で8月5日からの実施が決まっているので、法に従って淡々とやるだけ」と話している。

総務省、住基ネットで特例市市長と懇談へ

2002年07月29日The Sankei Shimbun
 山形、前橋、福岡県久留米など全国37の特例市市長と片山虎之助総務相との初めての懇談会が29日、東京都内で開かれる。

 全国特例市連絡協議会長の小沢良明小田原市長があいさつし、片山総務相が市町村合併の推進や住民基本台帳ネットワークの運用などに協力を要請。

 特例市は2000年4月施行の地方分権整備法で創設され、人口要件は20万人以上。都市計画や環境保全関連など20項目の事務が都道府県から移譲される。

 懇談は、特例市が市町村合併で主導的な役割を担うケースが多いことなどから総務省が呼び掛けた。

住基ネット、ウイルス情報更新は2週間ごと

2002-07-26 Mainichi INTERACTIVE
 8月5日稼働予定の住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)で、各市区町村が利用するコンピューターのウイルス対策ソフトが2週間に1回の割合でしか更新されないことが分かった。

 コンピューターウイルスは世界中で1日数種類から10種類が発見されており、「2週間に1回」の更新に専門家から「論外だ」と批判の声が出ている。

 ウイルス対策ソフトは、日々発見される新種の情報をいち早く取り込み、コンピュータへの侵入を未然に防ぐ。ウイルス情報の更新間隔が長いと、それだけ新種のウイルスが入り込む可能性が高くなる。

ところが、住基ネットでは、全国的な運用・管理を担当する地方自治情報センターが、各自治体のコンピューターに対し、2週間に1度の割合で新種ウイルスの情報を配付する計画になっていることがわかった。

 地方自治情報センターの戸田夏生・システム担当部長は「住基ネットはインターネットとは異なり、閉じたネットワークで、毎日の更新は必要はない。影響が出そうなウイルスが出た場合は必要に応じて更新する」としている。

 しかし、ウイルス対策ソフトの大手メーカーは「複数の感染経路を持ち、感染力の強いニムダのような複合型ウイルスが出ている。閉じたネットでも感染の危険は十分にあり、企業や自治体では1日1回のウイルス情報更新が標準だ。2週間に1度では話にならない」と指摘する。

 コンピューター・セキュリティーに詳しい電気通信大学の小菅敏夫教授(情報通信制度)は「国民の情報を預かる以上、24時間監視も考える必要がある。さまざまなセキュリティーレベルの自治体が参加するネットワークを作った責任上、国やセンターはウイルス対策に責任を持つべきだ」と話している。

【住基ネット】矢祭町の条例制定を支援

2002年07月26日The Sankei Shimbun
 福島県の川手晃副知事は26日、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)への不参加を表明した根本良一・矢祭町長と会談し、矢祭町が検討している個人情報保護条例の制定について「県として支援したい」と伝えた。

 根本町長は個人情報保護法案が成立しなければ、条例を制定して住基ネットに接続する考えだが、運営が始まる8月5日までの制定は難しいとみられる。県は不参加を事実上黙認し、条例制定を急がせることになりそうだ。

 川手副知事は会談で「同じ立場で町の悩みを考え、条例を作るのにアドバイスが必要なら支援する」と述べた。

 根本町長は「東京都杉並区の条例も参考にするが、(個人情報保護は)自治体だけでは限界があり、県も役割を果たす内容にしたい」としたが、条例制定の時期は明言しなかった。

【住基ネット】土佐清水市長も延期要請

2002年07月26日The Sankei Shimbun
 高知県土佐清水市の西村伸一郎市長は26日までに、住民基本台帳ネットワークの運用延期を求める意見書を片山虎之助総務相あてに郵送した。

 意見書では、運用前に個人情報保護法の整備を求めている。ただし政府が8月5日に運用を始めた場合には法に従って参加するという。

【住基ネット】実施延期を要請 佐賀市長

2002年07月25日The Sankei Shimbun
 佐賀市の木下敏之市長は25日記者会見し、8月5日に稼働予定の住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の実施延期を求める要請文を、同市の東京事務所を通じて片山虎之助総務相あてに提出したことを明らかにした。

 木下市長は「佐賀市だけがシステムをしっかり管理しても、情報が漏れるのではないかという危ぐの念を抱いた」と述べ、その理由として(1)システム導入の前提となる個人情報保護法が制定がされていない(2)独自に他の2自治体の準備状況を調べたところ、担当部署のICカード管理方法や規定の整備が不十分だった−などを挙げた。

 同市長は予定通り8月5日に稼働開始された場合は「大変残念だが、問題があっても法律は法律なので、システムの接続はする」としている。

【住基ネット】このままでは町民守れず 福島・矢祭町

2002年07月25日The Sankei Shimbun
 8月5日から運用が始まる住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)への不参加を表明した福島県矢祭町の根本良一町長に25日、住基ネットに接続しない理由や今後の町の取り組みなどについて聞いた。

 −なぜ住基ネットへの接続拒否を決めたのか。

 「小渕内閣が1999年、実施に当たり個人情報保護法案を成立させると約束したように、住民のプライバシーを保障する法案の成立が前提だ。今国会で成立する見通しがない以上、このまま実施しては町民を守れないと不安になり判断した。法は万全ではないが、それでも最低限の安心をもたらすためには必要だ」

 −具体的にどのような点が不安なのか。

 「将来は一人ひとりの納税額や病歴などすべての情報が入力される可能性もあるのに、例えば総務省は外郭団体に事務を委託するなど、国が直接やるシステムになっていない。国は安全は保たれていると言うが、人間のすることには間違いはある。情報が漏れた場合どうするか法で明文化するなどの努力をすべきだ」

−総務省などは「法律違反」と反発しているが。

 「利便性のある住基ネットに反対しているのではない。実際に関連費用を当初予算に計上し、保護法案が成立すればすぐにでも接続する準備はできている。私たちは町民の安全を優先して考える。国の政策に意見する立場にはないが、何でも従わなければならないというわけでもないはずだ」

 −今後の取り組みは。

 「今国会で保護法案が成立しなければ、町独自で東京都杉並区のように法案と同格の条例を作れるかどうかすぐにも検討、着手したい。ただ時間もかかるし、しっかりした内容のものができるかどうかも分からない。条例が制定できればネットには当然接続する」

【住基ネット】参加見合わせも 東京・国分寺

2002年07月25日The Sankei Shimbun
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の稼働延期を求めている東京都国分寺市の星野信夫市長は25日、記者会見し、国が個人情報の保護措置を取らず稼働させた場合には「参加を見合わせる決意だ」と述べ、不参加の姿勢を表明した。

 星野市長は「住基ネットから『離脱ありき』ではない」としながらも「個人情報保護法が成立した中で、住基ネットに参加したい。法の整備が必要だ」と強調した。

同市は8月5日の稼働に向けた準備を進めており、星野市長は「住基ネット不参加の決意を持って、今後の国政の流れなどを直前まで見通していきたい」と最終的な決断は先送りした。

 不参加の自治体は法律違反になるとの国の指摘に対し、星野市長は「法律違反は国の方。個人情報保護に必要な所要の措置を講じていない」と指摘した。

 星野市長はこの日、片山虎之助総務相あてに稼働延期や凍結を求めた2度目の要望書を送付した。

【住基ネット】保護措置を周知したい 総務省

2002年07月25日The Sankei Shimbun
 総務省の金沢薫事務次官は25日の記者会見で、福島県矢祭町が住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)への接続見送りを表明していることについて「自治体は住基ネットの運用を開始する義務がある。福島県に同町の理解を得るよう対応をお願いしたい。私どもも個人情報保護に関する措置についての説明が不足している部分があろうかと思うので残された期間、十分周知していきたい」と述べた。

住基ネット:東大名誉教授ら差し止め求め提訴へ

2002年07月24日Mainichi INTERACTIVE
 来月運用が開始される予定の住民基本台帳ネットワークは「プライバシーの権利を侵害する」などとして、東京大名誉教授らが国などを相手取り、運用差し止めを求めて、26日にも東京地裁に提訴する方針を固めた。

 原告団は24日現在で、弓削達東大名誉教授やジャーナリストの斎藤貴男さんら6人。訴えるのは国と地方自治情報センター、原告が在住する市区町、都県の4者。

 原告側は、住基ネットは個人情報の活用を本人が決定する「プライバシーの権利」を侵害し、個人の尊重をうたった憲法13条に違反するとしている。原告側弁護士事務所は、「国はネット立ち上げの根拠として個人情報保護法の成立をうたっていたが、現段階で成立の見込みはないのに、8月5日から運用を開始するのは根拠がない」と話している。

住基ネット:福島県矢祭町が離脱表明 全国で初

2002年07月22日 Mainichi INTERACTIVE
 福島県矢祭(やまつり)町(根本良一町長)は22日、8月5日から稼働予定の住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)に参加しないことを県に伝えた。離脱の表明は全国の自治体で初めて。同町は、この日から始まった住基ネットの仮運用にも参加していない。総務省は「不参加は違法」としている。

 県がこの日、福島市内で開いた住基ネットの会議の後、同町担当者が離脱を口頭で伝えた。根本町長は、毎日新聞の取材に「個人情報保護法が成立しない段階では、個人情報が漏れる危険のある住基ネットには参加するのは無理だ。不参加でも罰則はないはずだ」と話した。

 県は、週内にも町長から事情を聴くため職員を派遣する。

 同町は茨城県に接する福島県最南端にあり、人口約7300人。昨年10月、政府が推進する市町村合併に反対した「合併しない宣言」を町議会が決議し、注目を集めた。

 矢祭町の離脱の動きに総務省の高原剛・住民台帳企画官は「福島県が正式に確認するまでコメントは控えたい」と述べた。同省は23日に県から正式な回答を受け対応する。離脱は「違法」との判断を示しているが、自治事務で国による代執行などはできないため、対応に苦慮しそうだ。

住基ネット、運用開始後に外部監査を実施へ…総務省

2002年07月14日 Yomiuri On-Lite
 総務省は13日までに、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)について、8月5日の運用開始後にシステムのセキュリティーに欠陥がないか、市町村を対象に外部監査を行う方針を固めた。

 監査法人が、抽出した市町村を巡回し、マニュアル通りファイアウオール(防護壁)が設定されているか、端末を使うためのカードが管理されているか、などについて確認する予定。

 住基ネットは、「安全性では、現在考えられる最高水準」(総務省市町村課)というが、端末の管理が不十分な場合、外部からシステムに侵入される可能性もある。個人情報流出の不安を解消する狙いで監査を行うこととした。

 総務省はまた、国民に割り当てられる11けたの住民票コードの書面での提示を禁止することなどを盛り込んだ事務処理要綱の改正を都道府県などに通知した。民間企業が、住民から任意で住民票コードの提供をうけてデータベースを作成することを防ぐためだ。事務処理要綱は、自治体が住基ネットを使用するためのマニュアルで、本人から住民票コードの開示を求められた場合でも、書面では提示しないよう徹底するという。

住基ネット:31%の自治体に試験運転のトラブル発生

2002年07月05日 Mainichi INTERACTIVE
 8月5日から施行される住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)で、31%の自治体に試験運転のトラブルが発生し、36%が「費用がかかる割に不合理な制度」と考えていることが、日本弁護士連合会が5日発表したアンケート結果で明らかになった。

 アンケートは全国3241の市町村を対象に6〜7月に行い、回答率は46%だった。

 トラブルは「データの送信ミス」「町長名が出力できない」など。住基ネットの8月施行をめぐっては、「延期すべきでない」が20%にとどまった反面、「延期が望ましい」「どちらともいえない」と稼動に懐疑的な自治体が計74%に上った。日弁連は「個人情報の漏えいを防ぐ対策が不十分」として総務省などに稼動延期を申し入れる。

住基ネット:8月の稼働延期すべき 亀井・前政調会長

2002年07月04日 Mainichi INTERACTIVE
 自民党の亀井静香・前政調会長は4日、政府・与党が個人情報保護法案の今国会での成立を断念したことを受け、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の8月5日稼働を延期すべきだとの考えを表明した。亀井氏はまた、各界の著名人でつくる「国民共通番号制に反対する会」(桜井よしこ代表)がまとめた住基ネットの稼働を3年間延期する改正住民基本台帳法の再改正案(凍結法案)に署名した。

 「反対する会」は4日、東京・永田町の衆議院第2議員会館で集会を開き、凍結法案を議員立法で提出するよう与野党の議員に求めた。

 亀井氏は席上、「個人情報保護法案がどうなるか分からない段階で、住基ネットが施行されていくのは矛盾だ。それぞれ各党が問題意識を広げていくべきである。私もそれなりの問題提起をしたい」と語った。

 集会には、亀井氏のほか中川昭一衆院議員、阪上善秀衆院議員ら自民党議員22人をはじめ民主29人、自由3人、社民9人、共産5人の与野党計68人の国会議員(代理を含む)が出席。このうち、自民党の6人を含む15人が署名した。21人以上の署名があれば、そのまま法案として国会に提出できる。法案が衆院(議員数477人)で成立するには、野党4党の議員に加え、与党から五十数人の賛成を得る必要がある。

 桜井さんは「今月11日に凍結法案に署名した賛成議員の数を集約したい」と話した。 【臺宏士】


政府税調の中期答申で、納税者番号制導入の方向性明示

9:42p.m. JST April 07, 2000
  政府税制調査会は6月にまとめる中期答申で、納税者の所得を正確に把握するため、1人ひとりに番号を付けて情報を管理する「納税者番号制(納番制)」導入の方向を打ち出す方針を固めた。政府税調の基本問題小委員会が7日開かれ、終了後に会見した加藤寛会長兼小委員長(1000葉商科大学長)は「インターネットを通じた電子商取引の普及などで、導入の必要性を積極的に訴える時期が来ている」と明言した。ただ、プライバシー侵害への懸念などから納番制への国民の抵抗感は強く、税調で20年以上も検討を続けてきたテーマだけに、具体的にどこまで踏み込めるかが注目される。

  加藤会長は「電子商取引などが出てきたので、納番制がないと(取引の把握を)やっていけないというのが、委員の共通認識」と述べ、インターネットの普及で必要性が高まっている点を強調した。欧米などの主要国では、すでに広く導入されている。

  納番制が導入され、納税者が取引の度に番号を報告するようになれば、さまざまな金融商品で資産を分散運用した場合の所得や、電子商取引で生じた事業者の利益なども正確に把握できる。預貯金の利子や株式の譲渡益などは現在、給与所得とは別に課税する分離課税だが、納番制を導入すれば、全所得を合算して累進税率をかける総合課税も導入しやすくなる。

11けたの番号割り当てへ

2000年1月27日 11時51分 共同通信社
 自治省は27日までに、住民基本台帳ネットワークシステムで国民一人ひとりに付ける住民番号を当初予定の10けたから11けたに変更することを決めた。昨年8月に成立した改正住民基本台帳法では住民番号のけた数は規定していない。28日付の官報で省令を告示する。住民番号は住所、氏名、生年月日などの個人情報をコンピューターに入力し行政事務の効率化を図るのが狙い。

国民に10けたの番号、住民票番号システムづくり始動

6:26p.m. JST October 20, 1999
 すべての国民の住民票に10けたの番号をつけて一元管理できるようにした改正住民基本台帳法に基づき、そのコンピューターシステムづくりをするネットワークシステム推進協議会が20日、自治省で発足した。都道府県の担当部長で構成され、今後、機器の仕様や運用方法、400億円とされるシステム構築費用の分担などを決め、3年後を目標にシステムを完成させる。

 自治省は来月にも、住民票の住所、氏名などの本人確認情報を保有・管理する全国センターを決める方針。同センターには財団法人「地方自治情報センター」(小林実理事長)が指定される見通しだ。

住民台帳ネットワークシステムづくり、10月1日から

10:41a.m. JST September 23, 1999
 政府は22日の事務次官会議で、改正住民基本台帳法の一部について施行期日を10月1日とする政令案を了承した。すべての国民に10けたの番号をつけたうえで、住所や氏名などの情報を全国の自治体と結んだコンピューター網に載せるシステムづくりに限っての施行で、24日の閣議で決定される。

住民基本台帳法改正案を修正のうえ可決 衆院本会議

7:46p.m. JST June 15, 1999
 すべての国民の住民票にコード番号をつけて情報を一元的に管理する住民基本台帳法改正案が15日の衆院本会議で、一部修正のうえ、自民、自由、公明各党などの賛成多数で可決され、参院に送られた。修正は法案の付則に「個人情報の保護に万全を期するため、速やかに所要の措置を講じる」と書き加え、民間部門を含めた包括的個人情報保護法(仮称)の制定を法施行の条件としている。政府・与党は会期延長後の今国会で成立させる方針だ。

 民主、共産、社民3党など野党側は反対に回ったが、民主党では岩國哲人氏が賛成した。岩國氏は記者団に「住民基本台帳を恐ろしげに拡大解釈していては情報化社会は成り立たない。4月の東京都知事選挙で民主党が推した鳩山邦夫氏も公約で住民カード制を掲げていた」と説明した。

 同改正案では、すべての国民の住民票に10けたのコード番号をつけ、住所、氏名、生年月日、性別の四情報を、全国の自治体とつながるコンピューター網に載せ、公益法人の全国センターで管理する。恩給や共済年金支給など16省庁の92事務の本人確認などに利用される。また、住民は全国どこの市区町村役場でも自分の住民票の写しが取れる。

 これに対し、民主党など野党側は「国が一元的に個人情報を管理する国民総背番号制につながる」などと反発。一方、公明党は、公布後3年以内とされている改正案の施行日までに、包括的個人情報保護法を新たに制定することを条件に賛成に転じた。

すべての住民票に番号 基本台帳法改正案審議入り

4:43p.m. JST April 10, 1999
 すべての国民の住民票に10けたの番号をつけ、全国の自治体や中央省庁のコンピューター網につないで行政の効率化を図る住民基本台帳法改正案は、13日の衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りする。この法案は昨年3月に提出されたが、政府が金融再生法案の処理を優先させたことなどから、審議が1年以上も先送りされていた。自治省は「今国会で成立を」と意気込むが、野党にはプライバシー保護の観点から慎重論も根強い。

 改正案では、住民票に新たに10けたの識別番号を振る。それに住所、氏名、生年月日、性別の4情報を載せ、全国の自治体をつなぐ専用回線で流す。これによって、全国どこの市区町村でも自分の住民票をとることができる。16の中央省庁も、あらかじめ明記された児童扶養手当給付、恩給支給など92事務について本人確認のために4情報にアクセスできる。

 さらに、希望する国民に配布される本人確認のための「ICカード」を示せば、転出、転入届けで役所に出向く手間が、転入時の1回だけですむようになる。自治省は、全国網をつくるのに400億円、運用に毎年200億円がかかると試算し、「各種の給付手続きで生存や住所の確認が瞬時にできる。住民票交付事務も軽減され、国、地方で毎年240億円の節減効果が出る」と利点をあげる。

 しかし、住民票番号については、政府の税制調査会が納税者番号として、この番号か厚生省所管の基礎年金番号のどちらかを採用する方針を示すなど、将来的に様々な個人情報が上乗せされる可能性がある。このため個人情報の漏えいへの懸念や、国が国民の個人情報を一元的に管理する「国民総背番号制」につながる、との疑念が法案提出前から指摘されてきた。

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