TOPIC No.2-17 新ガイドライン(日米防衛協力指針)

01.周辺事態法・有事立法・ガイドライン関係資料集 (2001/03/29)
02.新ガイドライン全文
03.日米新ガイドライン 周辺事態法案 資料
04.「新ガイドライン」の成果と課題 (「改革者」平成10年6月号)


米、三沢のF16撤収打診 4月、嘉手納はF15削減

2009/09/12 中国新聞ニュ−ス

 米政府がことし4月初旬、米軍三沢基地(青森県三沢市)に配備しているF16戦闘機約40機すべてを早ければ年内から撤収させるとともに、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)のF15戦闘機50機余りの一部を削減させる構想を日本側に打診していたことが分かった。複数の日米関係筋が11日、明らかにした。

 オバマ米政権の発足に伴う国防戦略の見直しを反映した動き。日本側は北朝鮮情勢や在日米軍再編への影響を懸念し、いずれにも難色を示して保留状態になっているという。日米両政府は現在の米軍配備を前提として在日米軍再編案に合意した。鳩山新政権の発足に伴い、この問題をめぐる協議が始まり、停滞している米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の嘉手納基地への統合案などが再浮上する可能性もある。

 三沢基地のF16は冷戦末期の1980年代に旧ソ連をにらんで配備され、冷戦終結後は北朝鮮への外科的先制攻撃(サージカルアタック)を想定しているとされてきた。ただ日米両政府内には、実際に先制攻撃する公算は小さい上、仮に攻撃せざるを得ない事態でも空母やグアムからの攻撃が可能で、三沢基地に配備する価値が低減しているとの指摘があった。

 日本政府関係者はF16を撤収させた場合「グアムの米軍基地から次世代型戦闘機F35を巡回の形で駐留させる可能性がある」と予測している。ただF35は量産態勢にまだ入っていない。これを配備するとしても5年以上先で、三沢基地から常駐の米戦闘機がなくなる公算が出てきた。

 ゲーツ米国防長官はことし4月6日、2010会計年度(09年10月〜10年9月)の国防予算に関する見直し計画に関して国防総省で記者会見し、航空自衛隊が次期主力戦闘機の有力候補としていた最新鋭戦闘機F22ラプターの新規発注見送り方針を表明。この際に(1)10会計年度にF16を含む旧式の戦闘機250機を退役(2)F35の調達を加速化し5年で513機を生産し、最終的に2443機を購入―などの考えも明らかにした。

 日米関係筋によると、米側はこの記者会見の前後に外交ルートで、F16撤収とF15削減案を示した。外務省を通じ防衛省に伝達されたが、日米同盟関係への影響などから秘匿性の極めて高い情報として封印。政府は公式に打診を認めていない。


日米新ガイドライン作成を自民防衛小委が提言素案

2003.02.05 Kyoto Shimbun News
 自民党国防部会の防衛政策検討小委員会(浜田靖一委員長)は5日午前会合を開き、日本の防衛政策の在り方に関する提言の素案を提示した。これを基に小委員会として提言づくりを進める方針を確認した。

 素案は一昨年の米中枢同時テロや北朝鮮の弾道ミサイルの脅威などを念頭に、「21世紀型の新たな脅威」への対処などを強調。これに対応する新たな日米防衛協力指針(ガイドライン)の作成や、日米両国が共同技術研究を進めるミサイル防衛計画の推進、テロ・不審船対策の強化などを盛り込んだ。

 素案は憲法9条を改正し自衛隊を軍隊と位置付けることや、集団的自衛権の行使を認めるよう指摘。国連平和維持活動(PKO)など国際平和を目指す行動への参加の明文化も求めた。

自衛隊の船舶検査法、3月1日から 施行日を閣議決定

2001.02.20(10:17)asahi.com
 政府は20日の閣議で、「周辺事態」で紛争当事国に経済制裁を行う際、海上自衛隊が不審な船の積み荷を調べられるなどとした船舶検査活動法の施行期日を3月1日とする政令を決定した。同法は新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に基づき、昨年11月に成立した。

ガイドラインに基づく船舶検査法が成立

2000.11.30(22:02)asahi.com
 新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に基づき、「周辺事態」が起きた場合に不審な船の積み荷などを調べられるとした船舶検査活動法が、30日の参院本会議で与党3党や民主党などの賛成多数で可決、成立した。これで、1997年の新ガイドライン策定以来進められてきた一連の関連法がそろった。

 同法では、紛争当事国に経済制裁をする際、海上自衛隊が不審船の航行監視や、承諾を得ての乗船検査などができると定めた。国連安全保障理事会の決議がある場合に加え、対象の船が所属する「旗国」の同意を得られたときも実施できる。身体防護のための最小限の武器使用はできるが、検査に従わない場合の警告射撃は認めていない。

不審船積み荷などの検査法案が衆院通過

2000.11.17(21:44)asahi.com
 新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に基づき、「周辺事態」が起きた場合に不審な船の積み荷などを調べることができるとした船舶検査活動法案が17日、衆院本会議で与党3党と民主党などの賛成多数で可決、参院に送られた。成立すればガイドライン関連法がそろうことになり、政府・与党は今国会での成立を目指している。ただ政局の流動化で参院の審議日程が確保できるか、微妙な情勢だ。

 同法案は、紛争当事国に対して経済制裁を行う場合に、海上自衛隊が不審船の航行監視や承諾を得ての乗船検査などをできると定めた。国連安全保障理事会の決議がある場合に加え、対象の船が所属する「旗国」の同意を得られた場合も実施できる。身体防護のための最小限の武器使用はできるとされているが、検査に従わない場合の警告射撃は認めていない。

船舶検査法案を閣議決定 今国会へ提出へ

2000.10.27(12:19)asahi.com
 政府は27日、日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)関連法から除外されていた船舶検査活動に関する法案を閣議決定した。「周辺事態」が起きた場合、紛争当事国への経済制裁で不審な船の積み荷などを検査できるようにするもので、活動の条件として、国連安全保障理事会の決議がある場合に加え、対象の船が所属する「旗国」の同意を得られた場合も実施できるとしている。今国会に提出され、成立すれば、新ガイドラインに基づく一連の法律がそろうことになる。

 活動の内容としては、(1)航行の監視(2)承諾を得ての乗船検査(3)航路変更の要請などを挙げている。また、「自己または自己とともに職務に従事する者」の防護のためやむをえない場合、「合理的に必要とされる限度で武器を使用できる」としている。検査に従わない場合の警告射撃は認めていない。

 昨年成立した周辺事態法は、法案段階では船舶検査関連部分も含まれていた。だが安保理決議だけを条件としていたため、当時与党だった自由党が「日米安保と国連活動を混同している」と反発。一方、公明党は安保理決議を条件に入れるべきだと主張、結局、周辺事態法案からは切り離されていた。

 今回の法案は、この問題に関しては「国連安保理決議に基づいて、または旗国の同意を得て」としている。

「船舶検査」法案提出へ 与党3党/臨時国会冒頭 成立見通し強まる

2000.09.13 The Sankei Shimbun
 自民、公明、保守の与党三党は十三日までに、新たな「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)関連法と切り離されたままになっていた船舶検査に関する与党案をまとめるとともに、臨時国会冒頭に「船舶検査活動法案」として提出する方針を決めた。これまでの政府案では、船舶検査ができるケースを国連安全保障理事会の決議がなされたときに限定していたが、「確立された国際法規」に従って実施できると幅をもたせたのが特徴。難航していた与党内調整が合意に達しスことで、今月二十一日召集の臨時国会で成立する見通しが強まった。

実施ケース「安保理決議」こだわらず

 船舶検査は、日本の周辺国で紛争が起きた際、紛争当該国に経済制裁を課す目的の海上封鎖を効果的に行うため不審な船をチェックできるようにしようとするもの。平成十一年三月の北朝鮮工作船の領海侵犯で法制化の機運が高まったが、「国連安保理決議が必要不可欠か」などの問題で与党内の論議がまとまらず、今年の通常国会でも成立しなかった。

 与党案によると、船舶検査活動法は、すでに成立しているガイドライン関連法とは別の法律とし、日本が参加する経済制裁措置の実施を確保することを目的に「国連安保理決議を含む国際約束や、国際法規にしたがって旗国の同意を得て実施するものとする」と規定。具体的な活動は、航行状況の監視、船舶の目的地・集荷の照会などとし、実務は自衛隊などが行う。また、同様の活動を行う米軍の後方地域支援を実施できるとしている。

 焦点の一つだった武器使用問題では、「自己または自己とともに職務に従事する者」の生命や身体の防護のため、やむを得ない必要がある場合に使用できるとしている。

 さらに、船舶検査活動の基本計画は、ガイドライン関連法に規定された基本計画をもとにすると規定している。

 船舶検査活動については、昨年四月の通常国会で、自民党はガイドライン関連法に盛りこむことを目指したが、野党の抵抗や別の法律措置とすべきとした当時、与党だった自由党の主張もあって足並みが乱れ、法案から削除された経緯がある。このため自民、公明、保守の与党三党は、安全保障プロジェクトチームで与党案を検討してきた。

船舶検査法制化、法案の次期臨時国会提出で合意 与党

2000.08.04(21:05)asahi.com
 自民、公明、保守の安全保障に関するプロジェクトチームは4日、総選挙後の初会合を開き、新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法案から削除された船舶検査活動について、次期臨時国会に新たに法案を提出することで合意した。具体的には、法案成立にあたって削除された政府案の条項をそのまま出し直す方針だ。当時自由党として削除を求めた保守党も、賛成する。

 船舶検査はガイドライン関連法案の政府案に盛り込まれた日米協力の柱の1つで、ある国に経済制裁を加える際、海上を封鎖して不審船を検査する活動。国連安保理決議を活動のための前提にしていたが、当時与党だった自由党が「国連決議を伴うならば国連の平和活動であり、自衛権にかかわるガイドライン法案にはなじまない」と主張。船舶検査に関する条項を削除し、その部分は別に新法を制定することで決着した。

海上自衛隊が不審船追跡訓練に初参加 海上保安庁

7:41p.m. JST April 29, 2000 by Asahi.com
 海上保安庁は29日、東京湾で観閲式と総合訓練を行った。昨春の不審船領海侵犯事件を機に防衛庁と海保の間で共同対処マニュアルが策定されたことを受け、海上自衛隊の護衛艦が初めて、不審船追跡訓練に参加した。

 追跡訓練は「逃走中の不審船が発砲」という想定で行われた。海保の巡視船2隻が追跡しながら、20ミリ機関砲と13ミリ機銃の空砲を「威嚇射撃」。自衛隊の護衛艦は、不審船が沖合に逃げないよう監視にあたった。

 総合訓練ではこのほか、海保や東京消防庁などの船艇計69隻や航空機計16機が参加し、船舶火災や人命救助訓練を繰り広げた。また、観閲式のパレードには、海賊対策国際会議にオブザーバーとして出席していたロシア国境警備庁の警備艇も加わった。

最高速の小型巡視船登場、不審船監視に配備

4:26 p.m. JST April 18, 2000
 昨年3月に起きた不審船による領海侵犯事件を教訓に、海上保安庁は今月から新潟海上保安部に高速小型巡視船「あきよし」(全長約43メートル、約180トン)を配備し、18日に公開した。

 侵犯事件では時速60キロ以上で逃げる不審船に、巡視船が追いつけなかったことが問題になった。「あきよし」は軽合金でディーゼルエンジン。保安部は最高速度は警備上公表できないとしているが、「巡視船としては最も速く、馬力もある。迅速な対応ができる」と話している。

台湾海峡を含めるべきだ

2000年3月7日 11時25分
 石原慎太郎東京都知事は7日午前、都内のホテルで開かれた自民、自由両党の参院議員有志の勉強会で講演し、日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)関連法にある周辺事態の適用範囲について「台湾を入れないで論じるのは無意味でしかない」と、台湾を含めて考えるべきだとの考えを示した。

周辺事態で日米共同演習へ

2000年1月14日 19時42分 共同通信社
 防衛庁は14日、昨年8月のガイドライン関連法施行を踏まえ、周辺事態を想定した自衛隊と在日米軍の日米共同統合演習(図上演習)を2月16日から9日間の日程で行う、と発表した。日本が直接武力攻撃を受けた場合を想定して1985年度から行われてきた同演習に、周辺事態が盛り込まれるのは初めて。陸、海、空各自衛隊から約5000人、在日米軍から約1350人が参加する予定。

海上自衛隊が邦人輸送訓練 ガイドライン受け

7:15p.m. JST October 19, 1999
 新しい日米防衛協力の指針(ガイドライン)関連の周辺事態法を受け、海上自衛隊は19日、演習の中で邦人輸送、後方支援訓練を行うことを明らかにした。米軍も参加するこの演習は、1981年から実施しているが、邦人救出や後方支援を訓練目的とするのは初めて。

 今回の訓練は、日米の共同演習となる海上自衛隊演習の一環で、情勢が緊迫し海上作戦を展開するシナリオという。期間は、27日から11月9日まで。後方支援と救出訓練は、海自単独で行う。

 演習には、日本側から艦船約110隻、航空機180機、約3万2000人、米側からは空母キティホークをはじめ艦船約10隻、航空機約80機、人員約8000人が参加するという。

大型補給艦導入へ 米軍支援能力を向上- 自衛隊最大の艦艇 概算要求盛り込み

99.08.15 産経新聞
 政府は十四日までに、日本有事や周辺事態での米軍への洋上補給能力を大幅に向上させることなどを目的に、基準排水量一三、六〇〇トンの大型補給艦を初めて導入する方針を固めた。防衛庁が平成十二年度予算の概算要求に盛り込む。戦後の海上自衛隊では、大型輸送艦「おおすみ」(八、九〇〇トン)などを大きく上回り、史上最大の艦艇が登場することになる。

 補給艦は、洋上で艦艇やヘリコプターに燃料、水、弾薬、食料などを補給するためのもので、近接させた艦艇に給油する「給油ステーション」やヘリポートを備えている。海自は現在四隻の補給艦を保有、横須賀、佐世保など全国の四護衛隊群に各一隻を配備できる態勢になっている。

 大型補給艦は、このうちで最も古い昭和五十四年に就役した「さがみ」(五、〇〇〇トン)の更新に合わせて導入される。大型化に加え、速力も現有補給艦の約二二ノットを上回るものにする予定だ。

 新たな「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)関連法では、周辺事態における米軍への補給業務が「後方地域支援」の大きな柱の一つとなっている。だが、現実には「他の大国より低い補給能力が自衛隊のアキレスけん」(防衛庁筋)と指摘されており、大型補給艦導入はこうした弱点を解消し、周辺事態における対米協力に備えて洋上補給力の強化を目指したものだ。

 現在、最大の「ときわ」「はまな」(八、一五〇トン)の基準排水量を一気に五千トン以上も上回り、南極観測船「しらせ」(一一、六〇〇トン)を除く海自保有のすべての艦艇で初めて一万トンの大台を超えることになる。これは、防衛庁が平成十三年度から始まる次の「中期防衛力整備計画」(次期防)で打ち出そうとしている「艦艇大型化」の方針を先取りしたものといえそうだ。

日米防衛協力、中国対象とせず

1999年5月4日 11時26分 共同通信社
 小渕恵三首相とクリントン米大統領は3日午後、首脳会談終了後に共同記者会見した。大統領は日米防衛協力のためのガイドライン関連法案の衆院通過に関連し『日米の防衛協力は、中国に向けられたものではない』と述べ、中国を直接の対象としたものではないとの見解を明らかにした。

 大統領は中国と台湾の間で武力紛争が発生した場合の対応には言及せず、『一つの中国を支持、中台の平和的解決を望む』との原則的立場を再確認した。

ガイドライン関連法案などで、菅代表と汪道涵氏が会談

7:29p.m. JST April 30, 1999
 民主党の菅直人代表は30日、汪道涵・海峡両岸関係協会会長と上海市内のホテルで会談した。新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法案について、菅氏は「多くの日本人は、中国でなく朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への備えと受け止めている」と理解を求めるともに「北の脅威を取り除くよう中国も努力してほしい」と要請した。

 日中間の歴史認識をめぐっては、菅氏が「過去の歴史を記憶にとどめ、乗り越える方向で互いに努力したい」と表明。汪氏は「科学的、友好的に調査研究して共通認識を持つことが大事だ」と、歴史問題での共同研究を呼びかけ、菅氏も賛同した。

韓国では警戒感も ガイドライン関連法案

6:59p.m. JST April 27, 1999
 新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法案が27日、衆議院本会議で通過したことについて、韓国では在韓米軍の作戦能力の向上につながり、朝鮮半島の平和と安定に寄与するという受け止めかたが一般的だが、植民地支配を受けた歴史から日本の軍事的行動への警戒があるのも事実だ。

 尹徳民・外交安保研究院教授は「韓国民の視覚は二律背反的だ。対北(北朝鮮)抑止力強化は肯定的な面だ。しかし日本への不信感が解消されていない状態で、自衛隊の軍事活動範囲が広がることは否定的な面だ。今後も透明性を維持し、韓国と緊密な協議をすべきだ」と指摘する。

 28日付の東亜日報早版は「(これを)契機に、憲法9条の妥当性を論議しようという改憲論など『強い日本論』が再び頭をもたげる公算も大きい」と書いた。

中国が批判 ガイドライン関連法案の衆院通過

6:55p.m. JST April 27, 1999
 中国外務省の孫玉璽・副報道局長は27日の記者会見で、新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法案の衆院通過について、「時代の潮流に合わない。地域の安全にとっても、新たな不安定な要素をもたらし、マイナスの影響を及ぼす」と強く批判した。また日本政府が周辺事態の定義に周辺国の内乱が国際的に拡大した場合などを追加するよう検討していることに対して、「直接的であれ間接的であれ、台湾を周辺事態の範囲に含めるやり方には断固として反対する」と改めて表明した。

 孫副局長はまた、日本政府と衆院の対応について、「国際的、地域的に緊張緩和に向かう情勢において、中国を含む周辺国の強い関心を顧みず、日米軍事協力の強化を狙った法案を頑として制定し、通過させた」と評した。さらにこれまで各種のルートで日本側に慎重な対応を求め、日本側からも「一連の重要な約束と姿勢」が示されたとしたうえで、「日本側が実際の行動を持って約束を守り、台湾問題をうまく処理し、中国の内政にいかなる干渉もしないよう要求する」と求めた。

対米支援「専守防衛」範囲内 首相談話発表

99.04.25
 政府・自民党は二十四日、新たな「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)関連法案の衆院通過にあたり、関連法案に基づく対米支援が「専守防衛」の範囲内であることなどを強調するための小渕恵三首相談話を発表する方針を固めた。法案の衆院通過にあたり首相談話を出すのは極めて異例だが、アジア諸国の懸念払しょくへ、公明党の提案を受け入れる。

 一方、周辺事態の定義に「準有事」を例示することを柱とした自民、自由両党の合意を受け、自民党は二十四日、民主、公明両党との最終調整に入ったが、船舶検査の要件から「国連決議」を削除した問題や国会承認の対象をめぐり対立、結論は持ち越された。政府・自民党は二十六日の衆院ガイドライン特別委採決、二十七日の衆院通過に向け、公明党が求める「国連決議」の復活も視野に、二十五日中の決着を目指す。

 首相談話は、公明党が「関連法案審議では軍事的な『抑止』の側面ばかり議論された」として政府・自民党に日本政府としての考え方を示すよう求めていたもので、米軍への後方支援や船舶検査を行うにあたり「専守防衛」の枠を超えないことや、各国との対話を通じてアジア地域の平和と安定に取り組む姿勢を強調する内容となる見通し。

 自公民三党の特別委理事らによる協議は二十四日夜、東京・紀尾井町の赤坂プリンスホテルで約二時間、行われた。
 この中で、自民党は周辺事態の定義に「そのまま放置すればわが国に対する直接の武力攻撃にいたるおそれのある事態等」との例示を加えることや、船舶検査の要件から「国連決議」を削除することを柱とする自由党との合意内容を説明したうえで、「周辺事態での自衛隊の活動は防衛出動とは別のもので、憲法解釈を変えるものでもない」と重ねて強調、民公両党の理解を求めた。

 これに対し、民主党は国会承認の対象を自衛隊の行動だけでなく基本計画全体とするよう改めて求めた。一方、公明党は、船舶検査要件からの「国連決議」削除について「このままでは受け入れがたい。復活を強く求める」と迫った。

「基本計画の国会承認譲れず」ガイドライン法案で民主党

7:11p.m. JST April 16, 1999
 民主党は16日、新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法案の修正協議をめぐって菅直人代表らが党本部で話し合い、「対米協力の基本計画の国会承認が必要」という方針を確認した。自衛隊の出動に限って国会承認を求めるという自民党側の修正案に反対することでも一致した。鳩山由紀夫幹事長代理は同日、国会内で記者団に「基本計画の承認を譲る場合には、ガイドライン法案に賛成しかねるというのが党の立場だ」と強調した。

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