TOPIC No.2-152 石炭

01. 石炭 byエンカルタ百科事典
02. 石炭 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
03. 石炭エネルギーセンター
04. 日本の石炭液化技術開発
05. 産炭国石炭産業高度化事業(クリーン・コール・テクノロジー移転事業)NEDO
06. 中国の石炭液化事業〜石炭からの石油生産は、実現可能であるが、運用は難しいようだ。
07. 南ア・サソールの石炭液化技術 (2006年06月22日) knak のデータベースから
08. 石炭液化事業 (2006年06月21日) knak のデータベースから
09. 石炭液化 神戸製鋼所
09. TOPIC No.2-32 日本の炭鉱


石炭露天掘りに驚き 上砂川町が見学ツアー

2009/07/09 北海道新聞

 【上砂川】町は8日、町内上砂川の三美鉱業(美唄)の石炭露天掘り現場と、町内朝駒のジャパンアグリテック(東京)シイタケ栽培工場の見学ツアーを行った。両社とも一般公開は初めてで、町内外からの参加者は普段見ることができない現場を熱心に見学した。

 石炭はかつて町の基幹産業だったが、1987年に坑内掘り最後の三井砂川炭鉱が閉山。その後、2005年から三美鉱業が露天掘りで再び採炭を始めた。

 一方、シイタケ栽培は、ジャパンアグリテックが今年新工場を建設するなど発展がめざましい。町はここに注目し、まちの両産業を紹介しようとツアーを企画した。

 参加者は札幌からが11人(半数は上砂川出身)、赤平と上砂川から各1人。最初に訪れた「朝駒露天坑」では縦400メートル、横200メートル、深さ60メートルの巨大な穴のような採炭現場に驚きの声が上がった。シイタケ栽培工場では約35万本の菌床が所狭しと並び、参加者は出荷量や設備について熱心に質問していた。

 約50年前に町内の炭鉱で働いていた札幌市の無職野中勇さん(74)は「露天掘りは初めて見たが、想像以上に穴が深かった。知り合いにも会えて、来て良かった」と話していた。(津田祐慈)

有害物質:基準超える鉛とシアン、ガス工場跡地から検出−−金沢 /石川

2009年07月09日 毎日新聞 地方版

 金沢市は8日、同市三社、元菊、昭和の3町で、石炭を原料に都市ガスを製造していた旧古道ガス工場(1908〜70年)跡地から、基準値を超える鉛とシアンを検出した、と発表した。

 この日の市議会産業企業常任委で報告があった。参院で全国の都市ガス事業者の旧石炭工場跡地での土壌汚染問題について質疑があったことなどから、5〜6月、土壌と地下水を任意で検査。元菊北小公園からは基準値の120倍の鉛を検出し、追加検査でも100倍を示した。元菊住宅からは2倍のシアンを検出した。

 市によると、地表面はアスファルトで舗装されていることなどから有害物質が飛散する恐れはなく、地下水にも異常はなかったという。地元住民には説明済みで、今後は土壌の改良に取り組む方針。【澤本麻里子】

ゴールドマン:日本向け発電用石炭価格見通し、80ドルに上方修正

2009/07/08 Bloomberg.co.jp

 7月8日(ブルームバーグ):ゴールドマン・サックスJBウェアは、アジアの発電用石炭の2010年度の価格見通しを引き上げた。世界最大の供給国であるオーストラリアとインドネシアの輸出逼迫(ひっぱく)を理由として挙げた。

 ゴールドマンのアナリストらは7日付の顧客向け文書で、日本の電力会社向けの指標となる石炭の価格見通しを1トン当たり80ドルと、従来予想の75ドルから上方修正した。スイスの銀行大手UBSも6日、10年度の価格見通しを80ドルから90ドルに引き上げた。

 マルコム・サウスウッド氏(メルボルン在勤)率いるゴールドマンのアナリストらは「豪州とインドネシアの港湾や鉄道網の混雑の影響で供給が制限されている上、中国の堅調な需要により09年の生産分の大部分は既に供給契約が締結されている」と指摘した。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 堀江 広美 Hiromi Horie     hhorie@bloomberg.net Editor:Takeshi Awaji 記事に関する記者への問い合わせ先: Ben Sharples in Melbourne at bsharples@bloomberg.net .

豪ニューカッスル港の石炭輸出:10%増の186万トン−滞船も増加

2009/07/07 Bloomberg.co.jp

 7月7日(ブルームバーグ):世界最大の石炭輸出港であるオーストラリアのニューカッスル港の石炭輸出量が先週、10%増加した。港湾外の滞船数も増えた。

 ニューカッスル港を管理するニューカッスル・ポートがウェブサイトで発表したデータによると、現地時間6日午前7時までの1週間の石炭荷積み量は186万トンと、前週の170万トンから増えた。港湾外の滞船数は47隻と、2007年12月24日以来の高水準となった。計 380万トンの荷積みを待機している。

 グローバルコールNEWCインデックスによると、3日終了週にニューカッスル港から出荷された発電用石炭の価格は6.5%上昇し1トン当たり73.13ドルとなった。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 堀江 広美 Hiromi Horie     hhorie@bloomberg.net Editor:Takeshi Awaji 記事に関する記者への問い合わせ先: Ben Sharples in Melbourne bsharples@bloomberg.net

中国産石炭、半値に下げ 09年度日本向け、国際価格下落を反映

2009年06月24日 NIKKEI NeT

 日本の電力会社10社が共同出資する石炭資源開発(東京・港)は、中国産発電用石炭(一般炭)の2009年度の購入価格を、08年度比で約半値に引き下げることで中国の輸出窓口会社と合意した。国際指標である豪州産の価格などが景気低迷を受けて下落したことを反映した。昨年までの価格高騰が沈静化しつつあり、発電コストなどの軽減につながりそうだ。

 中国の山西省や陝西省で産出される主力銘柄について、中国中煤能源集団公司(北京市)と1トン78.5ドル(本船渡し)で合意した。3年ぶりの下落となる。08年度下期の146.4ドルに比べ46%安い。08年度の当初の合意価格は131.4ドルだったが中国の輸出税などの影響で下期から価格が上がっていた。

三菱重・三菱商事 豪に次世代型石炭火力建設へ 商業用で世界初

2009.06.22 MSN産経新聞

 三菱重工業と三菱商事は22日、オーストラリアで石炭をガス化し二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減できる次世代型石炭火力発電所の建設に向けた実証調査を受注したと発表した。

 発電所を運営する豪ゼロジェンとプロジェクトへの参画で合意した。2012年にも着工し15年の稼働を目指す。燃焼時に発生するCO2を回収し、地中に埋める回収・貯留技術(CCS)も併用することで、従来の石炭火力発電に比べ排出量を6〜9割削減できる。

 CCSと組み合わせた大型の商用機は世界初となる。

二酸化炭素ゼロ目指す石炭火力発電 経産省が開発後押し

2009.06.17 MSN産経新聞

 経済産業省は二酸化炭素(CO2)の排出を限りなくゼロに近づける「ゼロエミッション石炭火力発電」の実用化を支援する。燃料電池やガス・蒸気タービンの3種の発電方式を併用し、発電効率を大幅に高めた「石炭ガス化燃料電池複合発電システム(IGFC)」などと、排出されたCO2を地層に貯留する「CCS」技術を組み合わせることを想定、補助金などを通じて民間の開発を後押しする。早ければ、来年度から支援を始める。

 石炭は他の化石燃料に比べて安価で、豊富な埋蔵量がある。このため、各国で火力発電の燃料として利用が進んでいるが、燃焼時のCO2排出量が石油や天然ガスに比べて多い難点があり、CO2の排出をいかに抑えるかが課題となっている。ただ、ゼロエミッション石炭火力発電の開発は開発費が1000億円以上に達し、商業化や投資回収の面でリスクが高い。このため、民間企業に対して開発支援を行う必要があると判断した。

 IGFCとCCSはそれぞれ研究が進められ、技術蓄積も進んでいる。経産省では官民挙げて技術開発を進めることで早期に実用化し、海外普及も促したい考えだ。

【すごいぞ! ニッポンのキーテク】Jパワー「石炭ガス化発電」で地球を救え!

2009.05.30 MSN産経新聞

 石油や天然ガスにとって代わられ、エネルギーの主役の座を外れたイメージのある石炭だが、埋蔵量が豊富で地域的な偏在がないうえ、価格面での優位性もあり、将来も主要なエネルギー源とみられている。とはいえ、火力発電用燃料としては最も二酸化炭素(CO2)排出量が多いという弱点もある。

温暖化防止の切り札

 地球温暖化防止が叫ばれる中、石炭を持続的に活用しながら、環境対応を実現しようとするのが、Jパワー(電源開発)の石炭ガス化技術だ。同社の若松研究所(北九州市若松区)では現在、多目的石炭ガス製造技術開発プロジェクト「EAGLE」が実施され、高効率発電の実現に加え、CO2の分離・回収試験などにも取り組む。これらの技術が確立されれば、石炭火力発電が温暖化防止の“切り札”となる可能性も秘めている。

 石炭のカロリー当たりの価格は石油や天然ガスの3分の1程度。現時点の可採埋蔵量の年数は約130年と、天然ガス(約60年)や石油(約41年)よりはるかに長い。中東への依存度が高い石油のように地域偏在もなく、世界中に広く分布している。このため、世界の電源別発電量で依然、4割以上を占めているが、ここ数年の原油価格の上昇や温暖化対策の観点から、原子力と並んで石炭も見直され始めている。

 ただ、石炭を火力発電用燃料として使った場合、CO2排出量はガス火力の約2倍。今後も電力供給で大きな役割を果たすのは確実だが、持続的に利用していくためには、発電効率の向上やCO2排出量の削減が課題となる。

トリプル発電で高効率化

 それらの課題を解決するカギを握るとみられているのが、石炭をガス化することで合成天然ガス燃料や水素の製造など、幅広い用途への適用を目指す「EAGLE」プロジェクトだ。

 石炭火力で主流の微粉炭火力の発電効率(発電端)は最新鋭機でも45%だが、石炭を酸素と反応させてガス化することにより、ガスタービンと蒸気タービンによる石炭ガス化複合発電(IGCC)が可能となる。IGCCでは発電効率が天然ガス発電並みの53〜55%にまで向上し、CO2排出量も15%削減できる。さらに、IGCCと燃料電池を組み合わせて“トリプル発電”を行う石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の場合、発電効率は62%以上に向上させ、CO2排出量を約30%削減できる。まさに「夢の技術」(Jパワーの野口嘉一設備企画部長)だ。

 IGFCの開発には燃料電池の大型化が課題だが、Jパワーでは石炭ガス化とともに燃料電池の開発も進めている。

CO2を分離・回収

 EAGLEプロジェクトでは昨年11月から、CO2の分離・回収にも取り組む。ガス化の過程で出る一酸化炭素と水蒸気を触媒で反応させてCO2と水素を取り出し、CO2だけを吸収液で分離・回収する燃焼前回収法を研究している。CO2の分離・回収は、温暖化防止対策と生産活動の維持を両立させるCO2回収・地中貯留(CCS)システムに欠かすことのできない技術。CCSは火力発電所などから発生するCO2を回収して地中や海中に貯留する仕組みだが、その実現にはCO2を純度高く、低コストで回収することが重要。Jパワーでは燃焼焼前回収法に加え、酸素燃焼法と燃焼後回収法の開発も進めている。

 JパワーはEAGLEの次の段階となる大型実証プロジェクトも計画中だ。中国電力の大崎発電所(広島県大崎上島町)に17万キロワット級のIGCC試験プラントを建設し、2016年度に運転を始める。EAGLEで培ったガス化技術をベースに商用化に向けた課題解決を目指し、「20年度以降には50万〜60万キロワット級の商用プラントを建設する」(野口部長)方針だ。

 これが実現すれば、自社発電所への導入に加え、石炭火力が主要電源の中国やインドなどの発電所への導入も働きかける考えで、「地球を救う技術になる」(北村雅良副社長)と大きな期待を寄せている。(橋本亮)

三菱重工業 豪で石炭ガス化発電 長崎造船所で装置生産へ

2009年6月23日 西日本新聞朝刊

 三菱重工業は22日、オーストラリア・クイーンズランド州で、次世代の石炭ガス化複合発電(IGCC)設備を建設する事業に参画すると発表した。商業用としては世界最大級の出力で、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)設備も併設。同社の長崎造船所(長崎市)でガス化炉など主要装置を生産する。さらに米国などで受注が増えれば、同造船所の生産設備を増強する方針。

 IGCCは粉末の石炭を高温高圧でガス化。ガスタービンに、副次的に発生した熱で回す蒸気タービン発電を組み合わせるため、従来の石炭火力より発電効率が高い。

 IGCCはCCS技術と組み合わせると、天然ガス発電よりもCO2排出量が抑えられ、将来のエネルギー供給を担う可能性があるとして、世界的に注目されている。

 クイーンズランド州は石炭埋蔵量が多く、三菱重工が出力25万キロワットの実証プラントを安定運転していることに着目し、事業参画を要請。2015年稼働を目指す。発電出力は約53万キロワット。

 同社は15年ごろ、自社で年間5基程度の建設を見込む。長崎造船所香焼工場のガス化炉生産能力は年間1、2基で、受注に合わせ設備投資する。

三菱重、豪で次世代型の発電設備を受注=総額2000億円で

2009/06/22 時事ドットコム

 三菱重工業は22日、オーストラリアで、二酸化炭素(CO2)の排出量を最大9割削減できる次世代型の石炭火力発電所の建設計画に参画すると発表した。三菱重工の受注総額は2000億円規模に達する。2015年9月の運転開始を目指す。

CO2排出ゼロの石炭火力発電 官民実証研究へ経産省提言

2009/06/18 Fuji Sankei Business-i

 次世代型の石炭火力発電のあり方について議論する総合資源エネルギー調査会のクリーンコール部会=東京・霞が関の経済産業省

  経済産業省は17日、二酸化炭素(CO2)の排出をゼロにする“ゼロエミッション石炭火力発電”の実証研究に官民連携で取り組む方針を打ち出した。「CoolGen(クール・ジェン)計画」と名付け、早ければ来年度から実施する。

  日本は、世界全体の温室効果ガス排出量を現状比で2050年までに半減するという長期目標を提案。世界に先駆けて省エネルギー化を進めた日本の技術に対する国際的な期待は高い。こうした要請に応え、研究成果の海外移転も検討していく考えだ。

  同日の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)鉱業分科会クリーンコール部会に同日提出した報告書に盛り込まれた。新興国での電力需要拡大や石油価格の急激な上昇を契機に、資源量が豊富で価格が比較的安定している石炭が再評価されていることを指摘。30年に向けて、世界の発電電力量に占める石炭火力の割合が、現状の約40%(06年)から45%に拡大すると予測。各国で多くの石炭火力発電所の新設計画もある。

  一方で、燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量が多いため、温暖化防止の観点から対策の必要性が指摘されている。これを踏まえ報告書では、世界最高水準の発電効率を誇る日本の石炭利用技術をさらに発展させていく必要性があると提言。その具体的な施策として、ゼロエミッション石炭火力発電を提示した。

  同発電は、高効率の石炭ガス化複合発電などと、発電の際に発生したCO2を分離・回収して地層に貯留する技術「CCS」を組み合わせたシステムだ。

  実は、報告書で提起された仕組みのベースともいえる技術を活用した官民連携事業はすでに進展している。Jパワー(電源開発)は中国電力の大崎発電所(広島県大崎上島町)に試験プラントを建設し、16年度に運転を始める計画という。

  ただ、商業化や投資回収する可能性の面でリスクが高いのが実情だ。このため報告書では、企業の開発意欲がそがれないよう適切な支援を行うとも強調している。

タイ石炭最大手、4.2億ドルで中国の炭鉱会社買収

2008/06/06 newsclip.be

【タイ】タイの石炭最大手バンプーは6日、中国で炭鉱開発を手がけるエイジアン・アメリカン・コール(AACI)の株式78.4%を4億2000万ドルで取得し、同社を完全子会社化すると発表した。

 ACCIは陜西省の大寧と高河の炭鉱開発事業にそれぞれ56%と45%出資している。大寧は推定埋蔵量8800万トンで昨年生産を始めた。高河は推定埋蔵量1億9100万トンで2010年生産開始の予定。

 バンプーはタイ製糖大手ミトポン・シュガーのオーナーであるウォンクソンキット財閥傘下。インドネシア、タイ、中国、ベトナムで炭鉱開発、発電などの事業を展開し、2007年業績は総売上高355億バーツ、最終利益36.1億バーツだった。

 ウォンクソンキット財閥は炭鉱、火力発電、製糖、サトウキビかすを利用したエタノール製造、バイオマス発電などへの事業展開を進めている。

神華集団:内モンゴルで石炭液化工場を建設

2008/06/05 China Press

 6月4日の情報によると、中国最大の石炭サプライヤーの神華集団会社は、内モンゴルで石炭液化(CTL:Coal to Liquid)工場の建設に取り組んでいるとのこと。

 建設作業が順調に進めば、今年下半期には、同石炭液化工場を完成・稼動が可能とのこと。

 また、稼動後、同工場は毎年、350万トンの石炭を100万トンの石油製品に液化することが可能という。2010年までに、神華集団は、同社石炭生産量の半分に相当する、約1億3500万トンの石炭を石油製品に液化する見込み。

 石炭資源の豊富な中国において、石炭液化事業はエネルギー供給保障の面で優位性を持つ。しかし、石炭を固体から液体にする過程で、大量の二酸化炭素を排出する上、さらに大量のエネルギーが消耗されるため、技術改善、環境保護などの問題もあるとのこと。(China Press 編集部:AY)

新疆:石炭年間生産量、5000万トン突破

2008/06/04 China Press

 6月4日、新疆ウイグル自治区統計局の情報によると、2007年、新疆自治区の石炭生産量は初の5000万トンを突破、5018万6400トンに達し、昨年より500万1200トン増加したとのこと。

 現在、新疆ウイグル自治区内の規模以上(国有企業と年商500万元以上の非国有企業)の石炭生産企業は合計102社。そのうち、原炭年間生産量が100万トンを超える企業は7社、生産量は合計で2460万8800トンに達した。

 また、規模以上石炭企業の売上総利益は32億3200万元(約487億8736万円)に及び、前年同期比24.5%増、利益総額は5億200万元(約75億7774万円)、前年同期より28.1%の増加となった。

 石炭資源の豊富な新疆ウイグル自治区では、近年、山東魯能グループ、江蘇徐州鉱業、神華グループなどの中国エネルギー大手が相次いで、自治区の石炭探査、石炭発電・石炭化学工業基地建設などを展開している。

 2010年までに、新疆自治区の石炭年間生産量は1億トン超に達すると予測されている。(China Press 編集部:AY)

石炭をガス化し高効率発電 中電と電源開発が試験

2008/06/02 中国新聞ニュ−ス

 中国電力と電源開発(Jパワー)は二日、石炭をガス化し、従来より高い効率で発電する技術の実証試験を大崎発電所(広島県大崎上島町)で実施すると発表した。二〇一二年度に施設の建設に着手し、一六年度から試験を始める予定。

 新技術は発電効率向上のほか、二酸化炭素(CO2)の分離回収で、排出量の大幅削減が可能。両社は試験開始までに実用化のめどを立てたい考えだ。

 施設は出力十五万キロワット級で、大崎発電所に計画していた石炭火力発電機の建設を取りやめ、代わりに設置する。試験では新技術の信頼性や経済性を検証する。

 中国電力は原子力発電所の建設が課題だが、山下隆やました・たかし社長は「バランスの取れた発電のために新技術は有効と考えている」と説明。Jパワーの中垣喜彦なかがき・よしひこ社長も「開発で、海外への技術供与なども将来的に期待できる」と述べた。

住商、インドネシア発電所改修

2008/03/12 FujiSankei Business i.

 住友商事は11日、インドネシア国営電力会社、PLN社から水力や石炭火力の各発電所の老朽化に伴う設備の更新・改修工事を計2件受注したと発表した。受注総額は約60億円。工事期間は2年。今回の住商の受注は、国際協力銀行が実施する約275億円の資金援助の枠組みの一環。住商以外にも三菱商事が2件、丸紅が1件、同様の更新・改修工事を受注したという。

神華の石炭液化プロジェクトが今年9月の生産開始を計画 油価高騰が石炭液化事業を後押し

2008/03/06 Asiam

 中国神華能源公司の石炭液化プロジェクトについて、同社薛継連副総裁は、順調に進捗しており、今年9月には生産を開始する計画であると述べた。

 薛継連副総裁によると、このプロジェクトは総投資額100億元以上、独自の知的財産権を備える重点プロジェクトであり、第1期の年産能力は100万トン、すべて完成すると300万トンになる。神華は2009年に石炭液化油の生産能力を500万トンにし、いずれは3,000万トンの生産能力を徐々に形成することを目標としている。

 「国際石油価格が高騰する中で、石炭液化事業は一定の優越性を備えている。この事業は当初、反対意見が多かったが、それは石油価格が下落すると、石炭液化事業の損失が深刻なものになるという理由からだった。しかし、石油価格の下落の可能性は極めて低い」と長江証券のアナリストは指摘する。

 石炭液化にはエネルギーと水を高度に消費するという欠点がある。100万トンの石炭液化油事業には100億元の投資を要し、液化油生産には年間500万トンの石炭と1,000万トンの水が必要になる。しかし、「石炭ガス化を基礎とする石炭液化化学工業は中国の現実的な選択になる」と神華煤製油有限公司の張玉卓董事長(会長)は言う。2020年に中国の石油消費量は45億トン以上になり、対外依存度が大幅に上昇する。薛継連神華能源公司副総裁は、全国の石炭総生産量の12%を占める中国神華のような国有企業を3社育て、これら3社の総生産量が石炭総生産量の40%を占めれば、石油価格を抑える上でも有効であると説く。

 発展改革委員会は2006年7月に「石炭化学工業プロジェクト建設管理の強化と産業の健全な発展の促進に関する通達」を出して、石炭液化事業に対する認可を厳格化し、年産300万トン以下の事業を認可しないことにした。しかし、今年1月にはエン鉱楡林100万トンの石炭間接液化モデル事業を認可し、結局、油価の高騰が続く中、政府は神華、エン鉱、●安の3社の、基準に達しない石炭液化事業をも事実上、黙認することになったのである。

 このため、2020年までに中国の石炭液化事業には4,000〜5,000億元が投入され、年産5,000万トンの石炭液化油生産能力が形成される。また、第11次5ヵ年規画期に石炭液化プロジェクトへ投入される資金は5,000億元に達するとの予想もある。

 「およそ4トンの石炭から1トンの液化油が出来る。石炭と石油の国際価格を比較すると、油価が1バレル23ドル以下である限り、石炭液化の展望は明るい」とエン鉱集団副総経理兼煤化公司総経理の張鳴林氏は述べる。2月29日にニューヨーク原油先物相場は一時103ドルを超えて過去最高となったが、長江証券のアナリストは、「これは石炭液化事業にとって最大の原動力になる」と指摘した。 (第一財経日報 3月6日)

エン鉱集団のエン…ナベブタの下に「ハ」と「允」  ●安…サンズイに路

6日出光興産が上昇、豪石炭事業拡大を前向き評価

2008年03月06日 ラジオNIKKEI

 出光興産 <5019> が上昇している。豪州での石炭生産を拡大すると報じられたのが前向きに評価されているようだ。5日のニューヨーク市場では原油先物の指標であるWTIの期近物が通常取引終了後に1バレル=104ドル95セントまで上昇。代替エネルギーとしての石炭の価格もこのところ上昇基調にある。

 同社は南東部にあるボガプライ鉱山で生産量を最大2.7倍に増やす方向で調整を始めたほか、別の鉱山でも増産を検討するとも、この日の日経産業新聞に報じられている。原油高が響いて国内のガソリン販売など石油製品事業が苦戦する中で石炭事業を有力な収益源としてさらに育成していく方針という。(H.K)

温暖化対策で21の革新技術を選定・経産省

2008/03/05 NIKKEI NeT

 経済産業省は5日、地球温暖化対策として、高効率の太陽光発電や次世代自動車といった21の革新的な技術の開発計画を有識者会議で正式決定した。日本が提唱する「2050年に世界の温暖化ガスの排出を半減」という長期目標の達成を目指す。14日から千葉市で開かれる地球温暖化に関する主要20カ国・地域閣僚会合(G20)で説明し、各国の協力を得たい考えだ。

 計画の名称は「クールアース エネルギー革新技術計画」。石炭火力発電の高効率化や発電所から出る二酸化炭素(CO2)を分離・回収して地中に貯留する技術などを選定。それぞれの開発に向けた行程表を示した。

 

需要増+豪の水害、石炭も急騰 電気代の値上げも

2008年03月03日 asahi.com

 原油に続いて石炭が急騰している。発電用燃料として原油からの乗り換えや新興経済国での需要の増加に、大産地の豪州の水害が追い打ちをかけた。石炭を使うセメントや電力、鉄鋼業界では生産コストが膨らんでおり、製品の値上げを通じて日常生活にも影響が出かねない状況だ。

 「石炭ショックだ」。住友大阪セメントの渡辺穣社長は2月28日の記者会見でこう語った。石炭のスポット価格は1年前の2.5倍に達し、過去最高を更新中だ。長期契約分も値上がりが必至で、08年度の調達費用は日本の産業界全体で07年度から1兆円以上膨らむ恐れがある。

 世界の石炭消費は年50億トン余だが、02年以降で4割増。原油高騰を受け、割安な発電燃料としての利用が増えた。中国などの鉄鋼生産の拡大も消費量を押し上げた。

 世界消費の3%余を占める日本はほぼ全量が輸入で、6割が豪州産だ。その豪州では炭鉱が集まる東部で1月から2月に大雨が降り、設備が冠水した。製鉄用石炭の世界最大手BMA(資源大手BHPビリトンと三菱商事が折半出資)は供給義務が果たせないと宣言。出光など周囲の鉱山でも被害が続出、全面復旧のめどは立っていない。

 豪州などと並ぶ主要輸出国の中国は、国内での需要増を受けて輸出から国内供給重視へかじを切り、日本への輸出は4年で半減した。それでも日本がまだ消費の1割近くを頼る中国を今冬、大雪が襲い、輸出が停滞した。

 住友大阪セメントの渡辺社長は「石炭の高騰分を製品価格に転嫁しないと、日本で生産を続けられない。不退転だ」と、製品値上げに強い意欲を見せた。価格への転嫁が進めば、影響は公共事業のほか住宅や工場など広範囲に及ぶ。

 家庭の電気料金にも影響が出かねない。

 東京電力など電力各社は原油などと同様、石炭調達費の変動を半年遅れで料金に自動的に反映させる。電力卸のJパワー(電源開発)は1月末、今年3月期の営業利益予想を昨秋時点より1割、60億円減らした。発電量の8割強が石炭火力で、長期契約の豪州産の埋め合わせに割高な緊急輸入を強いられたからだ。

 鉄鋼業界は、鉄鉱石の高騰とともに「ダブルパンチ」。新日本製鉄や住友金属工業は米国東部産を緊急輸入するが、価格は豪州産の約3倍にもなる。各社は鋼材価格に転嫁しようと、自動車大手などに2割前後の値上げを要請中だ。

 メーカー各社も無策ではない。

 新日鉄は2月、低品質の石炭からコークスを造る設備を大分製鉄所で稼働させた。神戸製鋼所も低品質炭を発電用に加工する実証実験を今秋にもインドネシアで始める。シベリアでの炭鉱開発を、日本の鉄鋼大手などが引き取り保証などで後押しする協議も進めている。

 ただ、こうした対策の効果が表れるのは「早くても数年先」(経済産業省幹部)。収益悪化を防ぐには、当面は製品値上げしかないのが実情だ。

神戸製鋼が鋼材3割弱値上げ 顧客企業の反発も

2008.2.28 MSN産経新聞

 神戸製鋼所は27日までに、自動車メーカーなど大口取引先を含めた全顧客に対し、特殊鋼を含む線材・棒鋼製品価格を4月出荷分から、1トンあたり2万〜2万5000円値上げするとの通告を始めた。値上げ幅は最高大3割弱で過去最大。世界シェア首位のエンジンの弁バネ用鉄線など特殊鋼に競争力をもつ神鋼の値上げには、顧客企業の強い反発が予想される。

 原材料や海上運賃の高騰が値上げの理由。主原料の鉄鉱石は、供給元の資源最大手ヴァーレ(旧リオドセ、ブラジル)と前年度比65%の値上げで合意。一方、コークス原料の石炭の新年度価格交渉も、大幅値上げを見据えた交渉中。新年度の鋼材価格改定時期にあわせ、石炭価格は前年度比倍増を想定して決めた。

 製品値上げの浸透を左右する石炭価格動向は、中国が国内電力需要増で石炭輸出を減らすなど供給不足を強め、海外石炭市況は長期契約価格の3倍に高騰。神鋼は「コスト削減努力だけで吸収できないことは大口取引先も理解している」(幹部)と、製品値上げの浸透に理解を求めている。

リオ・ティント、日本向け08年豪産石炭価格143%引き上げを提示

2008年02月26日 ロイター

 [シドニー 25日 ロイター] 業界関係筋によると、資源大手の英豪リオ・ティント(RIO.L: 株価, 企業情報, レポート)(RIO.L: 株価, 企業情報, レポート)は、日本の電力会社向けの2008年豪産石炭価格について、世界的な供給減状態が緩和する兆しがないことから、前年度比143%の引き上げを求めている。

 リオ・ティントの石炭部門幹部は先週、東京を訪れ、中部電力(9502.T: 株価, ニュース, レポート)など日本の電力会社関係者と会い、トン当たり約135ドルを提示したという。前年度は55.65ドルだった。

 ある関係筋は匿名を条件に「最初の提示価格は約135ドル。市場は非常に強含んでいる。いたるところで供給が細っており、供給支障は直ぐには解消されないもようだ」と述べた。

 業界紙によると、スイスの同業エクストラータ(XTA.L: 株価, 企業情報, レポート)は2週間前、125ドルを提示していた。

九大 石炭活用へ研究施設 4月、筑紫キャンパスに

2008年02月16日 西日本新聞朝刊

 九州大は15日、石炭の有効活用に向けた研究拠点「炭素資源国際教育研究センター」を、4月に同大筑紫地区キャンパス(福岡県春日市)に開設すると発表した。石油などに比べ可採年数が長い石炭だが、石油へのエネルギー転換後、現在は基礎研究や人材育成が不十分。かつて有数の産炭地だった福岡に「国内の大学では唯一の研究拠点」(同大)を置き石炭の“復権”を目指す。

 同大によると石炭は地球上に広く分布し、155年の可採年数は石油の41年、天然ガスの65年と比べ大幅に長く、資源としての有用性は高い。一方で、燃焼時に大量の二酸化炭素を排出するため環境への影響が大きいほか、最先端の研究を支える人材の不足など課題も多い。

 新しいセンターでは、資源工学や環境理工学など学内の関連分野から約20人の教員を集め、電力会社などと共同して石炭のガス化や二酸化炭素の処理など研究を進める。大学院生を対象に人材育成にも当たる。

日立造船、サソールから石炭液化用リアクター受注

2007年11月02日 The Chemical Daily

 日立造船は1日、同社100%子会社のプロセス機器の設計製造会社である日立造船メカニカル(HMC)が丸紅の協力を得て、南アフリカのサソールから世界最大級の石炭液化(CTL)プラント用リアクター1基を受注したと発表した。納期は09年5月。今回受注したリアクターは直径8メートル、高さ38メートル、重量867トンで、直径3.3メートル、高さ11.2メートル、重量80トンの蒸気ドラムを併設している。日量15万バーレルの合成燃料を生産するサソールのセクンダ工場拡張用プロジェクトの機器として使用される。リアクターの内部コイルは日立造船グループのアイメックスが製造し、HMCが最終組立を行う。

石炭の石油代替技術が進展、工業生産に応用

2007年10月09日「人民網日本語版」

中国科学院(科学アカデミー)によると、同院大連化学物理研究所と神華集団は国慶節(建国記念日)に先立ち、大型の化学品生産ラインを内蒙古自治区包頭市に建設することで合意し、合意文書に調印した。同ラインでは年間180万トンのメチルアルコール加工や60万トンのアルケン生産を行う予定。これより一月ほど前には、新ラインで用いられるのと同様の技術を利用した、陝西省楡林市における年間20万トン規模の石炭ベースのアルケン生産工業化モデルプロジェクトがスタートしており、これにより独自の知的財産権を備えた「ジメチルエーテル・メタノールによるオレフィンの生産」(DMTO)技術が工業化の段階に入ったことになる。

早くも1980年代に、同研究所は石油に代わるエネルギーとしての石炭の重要な意義に注目し、DTMO課題チームを立ち上げた。研究を重ねるうちに、独自の知的財産権を備えた一連の特許と技術を獲得し、2004年には陝西省の支援を受けて、陝西新興煤(石炭)化工科技発展公司、大連化学物理研究所、洛陽石油化学工程公司がともに協力して、年間1万6700トン規模のメチルアルコール加工の工業化モデル装置プロジェクトの建設を開始。 06年2月にはすべてのテストに合格し、試運転に成功している。

専門家の予測では、2010年の中国のエチレン不足量は引き続き1千万トンを超える見込み。石炭を原料としたメチルアルコールによるエチレン、プロピレン生産を行えば、生産量100万トンごとにナフサの消費量を数百万トン減らすことができる。(編集KS)

石炭の安定供給とCO2削減に向け、石炭液化事業やゼロ・エミッションを推進

2007/09/26 マイコミジャ−ナル

 日本計画研究所(JPI)主催の特別研究セミナー「我が国の石炭政策をめぐる最新の動向とクリーン利用技術開発の取り組み」が25日、東京都千代田区のJPIカンファレンススクエアで開かれた。石炭液化技術やゼロ・エミッション石炭火力発電など、石炭の安定供給とCO2排出削減に向けた政府の政策について、経済産業省 資源エネルギー庁 資源・燃料部石炭課の近藤裕之課長補佐が、最新の動向を説明した。

 激化する石炭争奪戦、安定供給確保へ民間支援

 近藤氏はまず、エネルギーとしての石炭の特徴について、「埋蔵量が150〜160年分ありアジアに世界の約3割が埋蔵されるなど、石油などに比べて地域の偏在性が少なく供給安定性がある」とする一方、「CO2の排出量が多く環境負荷が高いことが課題となっている」と説明した。日本では石炭は一次エネルギーの21%を占め、49%の石油に次ぐ重要なエネルギー源となっている。また、電源構成を見ても、2004年において石炭火力発電は25%を占め、原子力(29%)、LNG火力(26%)に次ぐ重要なエネルギー源となっている。

 旺盛な需要を反映し、日本は世界最大の石炭の輸入国となっており、2005年の石炭貿易において、オーストラリア、インドネシア、中国、ロシア、カナダの順に多くの石炭を輸入している。このうち中国については国内消費が伸び、2007年中にも石炭の純輸入国に転じることが予想されており、豪州から石炭を調達しようとする動きが活発になっている。一方、中国と並び経済成長が続くインドでも、石炭の消費量が増大、中国同様に世界各地からの石炭調達の動きを加速させている。

 こうした石炭争奪戦が繰り広げられる中、政府もさまざまな海外炭の安定供給確保に向けた民間企業支援を行っている。民間企業による調査が難しい産炭国において、相手国政府機関と共同で地質構造調査を実施し、日本企業の権益取得、詳細調査実施に引き継ぐ「海外地質構造調査」、日本企業が海外で行う石炭の探査事業について、その費用の2/3を補助し、鉱区所有者との共同調査を実施するなど本格的な権益取得を目指す「海外炭開発可能性調査」などを段階的に行っている。最終的な探鉱・開発においては、国際協力銀行(JBIC)による融資・債務保証、日本貿易保険(NEXI)による貿易保険の提供などを行っているという。

 さらに近藤氏は、「中国、インドネシア、ベトナムなどの産炭国においては、石炭産業高度化事業として、日本が培ってきた炭鉱技術を海外研修生に移転している」とし、その目的として「アジア地域の石炭需給安定と我が国への海外炭安定供給確保がある」と強調した。また、低品位炭が80%を占めるインドネシアにおいては、同国でのエネルギー需給の緩和と日本への輸出余力増大を目指し、発熱量が少ない低品位炭を高い発熱量を持つ石炭に変える技術の開発を行っていると説明した。

 また近藤氏は、「オイルショック以後約2000億円を投じて開発が進められてきた石炭液化技術についても、アジア地域におけるエネルギー需給緩和を目指し、インドネシアや中国で技術協力を行っている」と述べた。インドネシアにおいては、今年から褐炭を液化するBCL法に基づいたパイロットプラントの設計・建設が進められており、2020年において現在の同国における石油消費量の8%に相当する年間500万トンの生産を目標としている。

 CO2排出削減へ地中貯留技術の高度化図る

 一方、石炭消費における最大の課題であるCO2削減についても、政府は「環境調和型石炭利用技術(Clean Coal Technology、略称「CCT」)」の一環として取り組みを進めている。近藤氏によれば、「日本の石炭発電効率は1980年度から2005年度にかけて約2.5%上昇しており、熱効率の各国比較でも上位に位置しており、これを各国に適用すれば、CO2排出の大幅な削減が可能」という。

 今年5月にはさらに、世界全体のCO2排出量を2050年までに現在の半分にする目標を安倍晋三前首相が述べ、そのための「革新的技術開発」の構想が示された。同構想の中で掲げられた「革新的ゼロ・エミッション石炭火力発電」では、石炭火力効率を現状の40%から55%に高めることにより排出される CO2を3割程度削減すると同時に、CO2の回収・地中貯留技術(Carbon Dioxide Capture and Storage、略称「CSS」)を高め、世界のCO2排出量の3割を占める石炭火力発電からのCO2排出をゼロにすることを目標としている。

 CO2の分離・回収・隔離技術については、国内では、北九州市若松区における「EAGLEプロジェクト」において重点的に開発が進められている。また、酸素燃焼技術を使い、CO2の分離回収を容易にする日豪共同プロジェクトにおいては、「オーストラリア・クイーンズランド州で行われており、IHIや電源開発(J-POWER)も参加している」(近藤氏)といい、官民一体の取り組みであることを説明した。

 近藤氏はセミナーの最後に、「資源開発における人材供給が少なくなり、産学のミスマッチが増大している」とし、石炭を含めた今後のエネルギー産業の課題として、産学共同による人材育成が必要だと指摘。こうした状況を改善するため、「国際資源開発人材育成検討会」を設け、政府として大学や産業界に協力を求めていく方針であると説明した。

中国、石炭液化油が来年から量産へ

2007年09月17日「人民網日本語版」

 中国国内の炭田で、来年から新しい製品「石炭液化油」が量産に入る。これは世界でも初めての石炭を直接液化した製品であり、中国がすべてを自主開発し、知的所有権を持つ。「新華網」が伝えた。

 神華グループの張玉卓副総経理が16日太原市で明らかにしたところによると、同社が内蒙古自治区鄂爾多斯(オルドス)市において建設中の、世界初の石炭液化工業生産ラインがほぼ完成し、来年には試運転を始め、正式に「石炭液化油」を生産する。生産ラインの稼動開始後、製造に要する年間石炭量は345万トン、得られる各種油製品は108万トンになる。

 石炭を間接的に液化する技術は70年以上の歴史を持ち、すでに南アフリカで大規模な商業生産が実現しているが、石炭を直接液化する技術は今のところ工業化の成功を収めていない。

 専門家の予測によると、2020年までに中国の石炭液化油のプロジェクトは年間5千万トンの生産能力に達する。加えて、年間生産量2千万トンを見込むバイオエタノールの投入により、中国の輸入原油の依存度は60%から45%に下がる。

石炭液化設備 シェルやエクソンと開発 三菱重工、「脱石油」需要狙う

2007年09月13日 施設長のひとこと

 三菱重工業は英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、米エクソンモービルの石油大手2社それぞれと、石炭からガソリンなどを生産する石炭液化設備を共同開発する。2010年以降の実用化をめざす。

 歴史的な原油高を背景に埋蔵量の豊富な石炭を利用する同設備の導入が中国、米国などで今後始まる見通し。神戸製鋼所と双日もインドネシアに実証プラントを建設することを決めており、「脱石油」をにらんだ企業の開発競争が加速する。

 石炭からガソリンや石油化学原料をつくる石炭液化技術は原油が1バレル40ドル以下の水準では価格競争力がなく実用化は進まなかったが、ここへきて原油価格が70ドル台に上昇。米国やアジアに豊富な埋蔵量がある石炭の活用を拡大、エネルギーの中東依存を緩和できる技術として中国や米国などで導入機運が高まっている。20年までの設備需要は10兆円規模になるとの見方もある。

 こうした状況をにらみシェルとエクソンはそれぞれ10年以降、石炭液化設備を自社で導入していく計画で、日量10万バレル前後の処理能力を持つ大型実用プラントの開発を始動。三菱重工はこのプロジェクトに参加し、両社それぞれと情報を共有しながら主要機器の開発を進める。(日経9・13一面記事)

 ・・・・・三菱重工が主に担当するのは中核技術となる大型圧縮機とそれを動かす蒸気タービンの開発だそうで、シェルやエクソンに実際に導入する際には一設備当たり150億円程度の売り上げが見込めるという。

 石炭液化技術は石炭を粉砕し、特殊溶剤と混合して高温・高圧下で反応させるなどの手法によりガソリンや化学原料を生産するのだそうです。

 このところの原油高には腹が立つぐらい高値で安定している。ガソリンだけでなく建築資材も上がっている。おかげで11月オープン予定で建設中のスーパーデイの坪単価も昨年と比べて2割は高かったな。石油だけに依存するエネルギー政策は国民の利益にならない。知能を結集して新しいエネルギー開発に国を挙げて取り組むべきと思う。

 期待できないかあ、自民党では! 安倍総理辞任の記事だらけの一般紙ですが、さすが日経は政治のことはサラッとで経済のことはしっかり書いてあります。

 前代未聞のことが政治の世界で起こっている。国民は大迷惑なことだ!何をやっているんかいな!すべて税金で賄われている議員さんよ。しっかりしろよ!腹立つなあ!(ようざん高橋)

中煤能源:液化石炭プラント建設進む

2007/06/13 中国情報局

◆中煤能源(チャイナコールエナジー、1898) 

 現在、中国では石油の輸入量が年々増加しており、安定した経済発展を支えるエネルギー戦略上、石油の確保は重要な関心事となっている。そのため、国内の豊富な石炭資源を石油に転換する液化石炭事業が政府の主導で積極的に進められている。

 しかし、中国青年報など政府系メディアがこのほど、同事業の開発には膨大な水と高度な設備投資が必要なため、巨額のコストがかかるほか、バイオエタノールの生産には現在トウモロコシの実を使用しているところが多いが、政府としては食糧確保のために、今後は茎や葉など食糧にならない部分を利用していく方針で、また環境汚染対策の強化のためにも新エネルギーの開発に制限が加えられる見通しである、と報道した。具体的な時期や制限範囲は未定。

 同社が展開する液化石炭事業は、すでに政府の承認を獲得しており、大福証券では同社事業に対する影響はないとみている。同社は、16億6000万元を投じて中国東北部に(1)年産25万トンの石炭液化エタノール工場、(2)同42万トンの石炭液化燃料油と1万2000トンのナフサの生産工場、の2プラントを建設する計画である。投資回収率は少なくとも15%を見積もっており、7年で投資額を回収できる見通し。

 大福証券では、07年通期純利益を前年比12%増の61億3900万元と予想。目標価格は07年予想PER(株価収益率)22.5倍に相当する12.3香港ドルに設定している(12日終値:10.78香港ドル)。(資料出所:大福証券)

中国、バイオ燃料、石炭液化導入計画見直し

2007年06月12日 今月の環境

 中国政府は、エタノール生産や石炭液化などの新エネルギーの導入計画を見直す。エタノールの原料となる食糧や飼料が値上がりし、豚肉価格にも波及し始めたため。

 石炭液化もそもまま燃料にする方が資源的に有効利用になると判断したため。エタノール生産は認可を停止、石炭液化は審査を厳しくする。  中国では、エタノールをガソリンに10%混ぜた燃料が、東北地域などで売られている。

C先生:なかなか妥当な判断が速やかに行われたことには感心。日本の600万トンのエタノール計画は、大臣が変わってどうなるのだろうか。

中国、石炭液化プロジェクト中止の可能性=メディア

2007年06月11日 ロイター

 [北京 11日 ロイター] 中国は、国営の神華集団が建設中の1工場を除き、石炭液化プロジェクトを中止する可能性がある。国営メディアと地元紙が11日伝えた。

 新華社は、匿名の国家発展改革委員会(NDRC)当局者がバイオ燃料の会議で語った話として「液化石炭の産業利用に成功すれば中国の原油依存軽減に役立つ可能性があるが、石炭液化プロジェクトはエネルギー消費が大きい」と報じた。

 同当局者はまた、そのようなプロジェクトでは莫大(ばくだい)な資本が必要となるほか、水や石炭の消費も増えると指摘したという。

 一方、チャイナ・ビジネス・ニュースは、神華集団が内モンゴルで進めている年産100万トンの工場建設は容認されると伝えた。

伊藤忠、インドネシアで石炭改質を事業化へ--発電燃料供給不足で

2007/05/28 FujiSankei Business i.

 伊藤忠商事は27日、インドネシアのカリマンタン島で低品位の石炭を火力発電所の燃料向けに改質するプロジェクトに、現地企業や豪州の企業と共同で着手する方針を明らかにした。

 燃焼効率が低く、これまで発電燃料に適さなかった低品位の石炭だが、中国が今年、石炭の純輸入国に転じるなど東アジアで発電所向け一般炭の需給が逼迫(ひっぱく)する見通しとなり、伊藤忠では改質コストを追加しても採算が取れると判断した。

 炭鉱権益の争奪戦が激化する中、豪BHPビリトンや住友商事、双日、神戸製鋼所なども相次ぎ低品位炭の改質事業に注目している。

 このプロジェクトは、伊藤忠がインドネシアの石炭大手アダロ、豪ホワイトエナジーと共同で、アダロが所有するカリマンタン島南部の炭鉱から産出される低品位炭を、ホワイト社の石炭改質技術を使って燃料炭に変える。3社は合弁会社の設立に向けた事業化調査(FS)着手で合意した。

 世界の石炭資源の約半分を占める褐炭(かったん)など低品位炭は発熱効率が悪く、用途が限られていた。しかし、低硫黄で低灰分なため、高品位の燃料炭よりも燃焼時には環境への負荷が低いメリットもある。

 ホワイトエナジーが持つ「バインダレス・コール・ブリケット」と呼ばれる低品位炭の改質技術は、水分を飛ばして固めることで燃料炭としての燃焼効率を上げる特殊な手法。同社がCSIRO(豪州連邦科学産業研究機構)と共同で開発した。

 インドネシアにおける3社の改質プロジェクトの具体的な計画はFSを経て詳細を決める。

 一方、住友商事は先月、石炭改質の商業プラントをもつ米エバーグリーンエナジーと資本提携も含む戦略提携を行い、共同でインドネシアでの炭鉱開発をめざしている。また、双日と神戸製鋼所もインドネシアで低品位炭から石油を作る褐炭液化技術の商業化を模索している。

 石炭は従来、石油や天然ガスよりも二酸化炭素(CO2)排出量が多いことからエネルギー源として敬遠されていた。

 しかし石炭需要が急増している中国で、今年1〜3月に石炭輸入量が1430万トンと前年同期比で60%増加した。国内に炭鉱を多数抱える中国だが、石炭輸出量は同期に1139万トンと同32%減少、純輸入量は291万トンとなった。中国は今後、国内産出炭の輸出を大幅に制限し輸入量を増大させる見込み。国際的な燃料炭の不足や市場での価格高騰が見込まれている。

日本独自の技術でアジア地域の未利用石炭を液化へ

2007/03/15 情報デ−タ−ベ−ス

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2006年8月30〜31日、2005年1月から2006年7月末にかけて中国で行った石炭液化の導入可能性についての調査の報告会を行った。2006年現在、中国ではエネルギー供給の7割を石炭で占めている状況だが、近年の原油高騰を受けて2020年には石油需要のうち1割程度を石炭液化油で賄う方針。

 石炭液化技術の商業化の経済性に関して調査したところ、中国の産炭地に液化プラントを建設する場合、石油価格が現状レベルで推移すると十分に成立することがわかり、特に日本独自の技術である未利用の低品位炭を活用した褐炭液化技術の実用化の実現が期待されている。

 ちなみに、石炭の経済的可採埋蔵量は全世界で約1兆トンと言われるが、その約半量は現在未利用の褐炭などの低品位炭が占めている。

 NEDO は2006年4月より独自に開発した技術を活用し、2010年の商用化を目標に中国企業と実証実験を始めている。NEDOには技術使用料が入る予定。また、2010年頃に石油の純輸入国に転ずると予想されるインドネシアでも2007年度からプラントの設計・建設を開始する予定。商用機規模での液化プラントの建設は1000億円規模となる見込み。

中国 神華集団が石炭直接液化 一期事業総投資245億元

2007.02.06 EICネット

 中国神華集団によると、世界初の石炭液化事業が順調に進展し、現在43億元を投資し、一期プロジェクト生産ラインの各生産ユニットの基礎建設、設備設置及び鉄筋構造の設置がほぼ完成した。同事業は内蒙古自治区オルドス市伊金霍洛上湾鎮で行われている。

 神華集団は90年代末、神東炭田で石炭直接液化試験を開始した。同事業で採用した加工技術は何度も改善され、前期事業では自主開発の石炭直接液化技術を採用した。この技術は、外国の先進的石炭直接液化技術の強みを吸収し、国家「863」計画で自主開発した効率的触媒と結びつけ、主な製造過程は石炭液化、液化油の抽出と水素製造の三部分からなる。

 神華集団の石炭直接液化プロジェクトは二期に分けて実施される。第一期生産ラインの総事業費は245億元で、完成後に油製品の年生産量は320万トンである。第二期生産ラインは2010年に生産開始し、各種油製品の年生産量は280万トンである。

 第一期事業の工場建築面積は207ha、工場外の敷地面積は177haである。現在、第一期生産ラインが設備設置の段階で、今年中に設備の調整と生産を始める。現在建設している第1号の生産ラインの石炭直接液化実証事業の総事業費は123億元で、完成後に石炭使用量は年間345万トン、各種の油製品を年間108万トン生産し、そのうち液化石油ガス10.2万トン、ディーゼル油72万トン、ナフサ25万トン及びフェノール等他の製品0.8万トンである。【中国環境報】

「十一・五」、100万トンクラス石炭直接液化プロジェクトを建設

2007年01月23日「チャイナネット」

 先般発表された「石炭工業『十一・五(2006〜2010年)』発展計画」では、中国は独自技術を採用し、年間生産能力100万トンの石炭直接液化モデルプロジェクトを実施することになっている。

 発展改革委員会(発改委)筋によると、「十一・五」期に、国は漸進的に石炭直接液化モデルプロジェクトの建設を推進し、自主的知的所有権を持つ石炭直接液化工業化モデルケースを完成させる。

 石炭直接液化プロジェクトは、中国の「十一・五」期十大重点プロジェクトの中で、重要な石油代替プロジェクトの1つである。現在、中国企業がすでに自主的知的所有権のある石炭直接液化技術を持っており、大規模なモデル工場建設がすでにスタートした。

 「石炭工業『十一・五』発展計画」ではまた、「十一・五」期に、中国は国外の成熟した技術を導入し、年間生産能力300万トンの石炭間接液化工場を建設し、商業化運営モデルを確立する。

 ここ数年、国際原油価格の急騰を受け、各地の石炭化学工業プロジェクト建設意欲が極めて強い。2006年に、発改委が通達を下達し、中国の石炭液化事業はなおテストケースについて研究・模索の段階にあり、成功の経験を得てから広く推し進めるとしている。

 「石炭工業『十一・五』発展計画」では、「十一・五」期に、中国は石炭液化、石炭によるアルケン製造の工業化モデルケースを完成させ、次の10年間の産業化発展に基盤を打ち固める方針である。

石炭液化技術の商業化支援へ

2007-01-05 Podlook.com

 石炭の液化技術は、石炭と水素を化学反応させ、ガソリンや軽油などに分解するもので、日本では、石油危機以降の30年あまりの間に2000億円を投じて研究が進められてきました。

 経済産業省は、この技術の商業化に向けて、アジア有数の石炭埋蔵量のあるインドネシアで、ことし4月以降、日本が支援する形で小規模な生産を行う実験用施設の建設を始めることにしています。日本から派遣された技術者が、施設の機器の取り扱い方法などを指導し、技術移転が進んだ段階で将来的には、1日3000トンの石炭を処理する、商業用のプラントの建設を目指す計画です。

 石炭の液化は、設備にかかる多額の費用が商業化のうえで大きな課題となっていましたが、原油価格が高止まりしていることなどを背景に、商業化への期待が高まっており、経済産業省は、今回の支援を通じて天然資源を豊富にもつインドネシアとの協力関係の強化も図りたいとしています。

電力の自由化から石炭液化へ

2006.08.28 MRI TODAY/エネルギー研究本部 主任研究員 志村雄一郎

 石炭液化(CTL:Coal to Liquid)技術に対して米国、中国などで期待が高まっている。これまで、CTLの商業プラントは南アフリカの1箇所で稼動しているのみであった。しかし、昨今の原油価格の高騰、ならびに今後の石油供給の安定性への不安から、米国や中国といった産炭国において、運輸部門の石油系燃料を代替するために CTLの導入が本格的に検討されている。

 2006年2月に発表された米国エネルギー省による長期エネルギー見通し(Annual Energy Outlook 2006)では、米国国内でのCTLの生産量が2030年に80万バレル/日となり、自動車用の石油系燃料の需要の約5%に相当する量となることを予測している。昨年に発表された米国の長期エネルギー見通しでは、CTLについては予測の数字がなかったことからも、ここ1年でCTLへの期待が米国で急激に高まっていることがわかる。

 このような状況において、米国で初のCTLの商業プラントの建設計画が、ワイオミング州で進んでいる。この計画は、2001年に設立されたDKRW社が中心となり、その子会社がGE社の石炭ガス化技術と、米国ベンチャーのRentech社の合成石油製造技術を用い、2010年頃までに米国で初の商業CTLプラント(1.1万バレル/日の規模)の稼動を目指しているものである。

 このDKRW社の興味深い点は、その経営陣である。会社の名称である、“DKRW”は、Doyle、Kelly、Ramm、Whiteの4人の経営者の名前の頭文字をとったものだが、この4人は皆、電力自由化の波に乗って事業を拡大したエンロン社関連の企業で要職を務めた人々である。

 エンロン社は一時期、高度な金融工学を駆使して大きな利益を稼ぎ出す先端的なエネルギー関連企業ともてはやされたが、2001年に不正会計をきっかけに破綻した企業である。その関係者が、今度は石炭液化ビジネスへの参入を試みている。

 DKRW社のCTL生産計画が本当に進むのかは、まだ不明な点があるが、エンロンでエネルギービジネスに携わっていた人々が参入してきていることからも、CTLビジネスが、米国において新たなビジネスチャンスとして位置づけられていることは注目に値する。

中国で石炭液化・輸入依存の石油代替

2006-07-08 石油・石油人

 中国のエネルギー大手が石炭をガソリンや軽油に加工する石炭液化事業に相次いで参入している。高コストで敬遠されていた石炭液化だが、石油価格高騰で採算が合うようになった。

 外資の技術を導入して2010年前後から本格生産を始める。計画が順調に進めば、20年には年産約5000万トンと国内石油消費量の約1割に達する見通しだ。

 国内埋蔵量が豊富な石炭を活用し、輸入依存が高まる石油の消費を抑える。

 石炭大手の神華集団(北京)は南アフリカの石油会社サソールの技術を導入し、12年までに陝西省と寧夏回族自治区でそれぞれ年産300万トン強の工場を建設する。投資額は合計50億ドル(約5700億円)。神華は英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと寧夏で事業化調査をしているほか、内モンゴル自治区でも計画を進めている。

石炭液化技術プロジェクトがスタート 内蒙古

2005年11月18日 「人民網日本語版」

石炭事業などを広く手がける神華集団公司は17日、独自の知的財産権をもつ世界初の石炭直接液化技術プロジェクトを中国西部地域でスタートしたと発表した。

プロジェクト実施地点は豊富な石炭資源を擁する、内蒙古自治区鄂爾多斯市の神東炭鉱。

同プロジェクトは2期に分けて実施し、さまざまな製品油500万トンを生産する計画だ。1期プロジェクトの生産ラインは現在建設中で、2007年に設備テストを終えて生産を開始する見込み。総投資額は245億元、生産量は320万トンの予定。2期プロジェクトの生産ラインは2010 年に生産を開始し、生産量は180万トンとなる見通し。(編集KS)

シェルなど3社、石炭液化油を共同開発

2004年11月16日「人民網日本語版」

シェル(中国)有限公司、神華集団有限責任公司、寧夏煤業集団有限責任公司は15日、北京で合意書に調印し、クリーンな石炭液化油を中国で共同開発することに合意した。

石炭液化油は将来において大規模に活用され、中国が石油に過度に依存している体質を転換するのに有望であるとともに、石炭利用の効率化を高める意味もある。

今回の合意書によると、6―9カ月間の事業化調査期間中、3社はシェルの石炭液化油(間接液化―CTL)技術を中国における活用の可能性について研究していく。研究内容には市場分析、経済指標評価、技術解決策、関連規定の審査、プロジェクト地点の確定が含まれる。シェル(中国)有限公司公共事務部では「合意書は事業化調査の業務のみを決め、協力の踏み込んだ内容はまだ話し合っていない」としている。

神華集団有限責任公司は陝西省に、寧夏煤業集団有限責任公司は寧夏回族自治区に、それぞれ石炭間接液化工場を建設する。計画によると、2工場の最初の建設規模は年産300万トンで、総投資額はそれぞれ300億元ほどと予測される。(編集ZX)

神華石炭液化プロジェクトが始動 世界最大規模

2004年08月26日 「人民網日本語版」

中国の石油代替資源戦略における重要プロジェクト「神華石炭直接液化プロジェクト」の生産拠点が25日、内蒙古自治区鄂爾多斯(オルドス)市で正式に着工した。同プロジェクトは神華集団公司が主導で実施。石炭を直接液化して作る石炭液化油のプラントを世界ではじめて建設する。製品油年産500万トンが目標だ。

プロジェクトは二期に分けて進められる。第1期工事の総投資額は245億元で、1年間で970万トンの石炭から製品油320万トンを生産する。製品の内訳はガソリンが50万トン、ディーゼル油が215万トン、液化ガスが31万トン、ベンゼンや混合キシレンなどが24万トンの予定。最初の生産ラインは2007年7月に完成し、2010年ごろに第2ラインが完成する見通しだ。

米国は現在、石炭の間接液化技術を使用した石炭液化油プラントを建設中だ。完成後は、一日当たり5千バレルの製品油を生産する。一方、神華集団のプロジェクトは、一日当たりの1万バレルの生産を目指す。(編集KS)

HOME政治・経済・社会