TOPIC No.2-14c 油田開発

1.サハリン沖油田開発, 2.アザデガン油田開発, 3.油田開発

01. 油田開発 YAHOO!ニュース
02. エネルギー政策基本法(平成十四年六月十四日法律第七十一号)
03. 新・国家エネルギー戦略について by資源エネルギー庁
04. 新・国家エネルギー戦略はお蔵入りすべき(2006-05-02) by温暖化いろいろ
05. 21 世紀のエネルギー地政学と日本の戦略 byIEEJ2006年05月
06. 中国の醜悪な石油戦略(July 17, 2005) 依存症の独り言
07. リスクに対応する中国の石油 (2003年)北京開報
08. カスピ海石油をめぐる覇権争い(2004年03月02日)田中 宇
09. 写真で見るベトナム油田視察報告/ランドン油田、ベトナムのSSそして国内の諸々事情(2003/11/28 )
10. 石油争奪戦に参戦せよ-「油井の一つも日本によこせ!」と誰もいえないのか Voice 2003年5月号
11. 国際石油開発 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
12. 国際石油資本 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
13. 海外プロジェクト byJapan Energy Development Co.,Ltd.
14. 2006/6/1 湾岸諸国の石油化学ー2 カタール by化学業界の話題 knakのデータベースから
15. 原油代替としての新燃料を考える
16. オイルサンド by日立総合計画研究所 技術戦略グループ:高野 理樹

TOPIC No.2-14C-3 油田開発


米レックス、住友商事にシェールガス田の権益売却

2010年09月01日 Reuters

 英BP、18日にメキシコ湾の破損油井を完全封鎖 米貧困率、過去15年で最悪の14.3%に=国勢調査局 EUが韓国との自由貿易協定締結で合意、2011年7月発効 米当局、加エンブリッジのパイプライン6Aの操業再開を許可  [バンガロール 31日 ロイター] 米ガス開発のレックス・エナジー(REXX.O: 株価, 企業情報, レポート)は、ペンシルベニア州にあるシェールガス田の権益の一部を約1億4040万ドルで住友商事(8053.T: 株価, ニュース, レポート)に売却することを明らかにした。

 これを受け、レックス・エナジーの株価は一時11%急騰した。

 シェールガスの開発には、石油大手のBP(BP.L: 株価, 企業情報, レポート)、トタル(TOTF.PA: 株価, 企業情報, レポート)、スタトイル(STL.OL: 株価, 企業情報, レポート)や、三井物産(8031.T: 株価, ニュース, レポート)などが相次いで参入している。

 住友商事が権益を取得するのは、ペンシルベニア州のマーセラス・シェール地区の資産の一部。ガス田のほか、井戸や中流資産などが対象になる。


英BP、18日にメキシコ湾の破損油井を完全封鎖

2010年09月18日 Reuters

[ヒューストン 17日 ロイター] 英BP(BP.N: 株価, 企業情報, レポート)は17日、メキシコ湾での原油流出事故が発生したマコンド海底油井を18日に完全に封鎖すると発表した。

 BPは16日、マコンド油井の底部まで「リリーフ井」を掘り進める作業を終了。これを受け、底部にセメントなどを流し込む「ボトム・キル」作業が実施される。

 BPは、ボトム・キル作業が完了した段階で、マコンド油井は恒久的に封鎖されるとしている。

BP、原油流出口の密閉テストを24時間延長

2010.07.18 CNN.co.jp

 ニューオーリンズ(CNN) メキシコ湾の原油流出事故で、国際石油資本(メジャー)の英BPは17日、流出口に設置した新たなキャップによる密閉テストを24時間延長することで当局側と合意した。

 BPは12日、流出口のキャップ交換作業を完了。15日午後にはキャップのバルブをすべて閉めて流出を完全に止め、48時間の予定で圧力などを監視するテストを開始していた。

 密閉によって内部の圧力が上昇すれば、流出口以外から原油が漏れていないことが確認できる。同社のウェルズ上級副社長が17日の記者会見で語ったところによると、同日午後の時点で圧力は想定された最大値に達していないものの、ゆっくりと上がり続けている。テストで収集したデータは、掘削中の「救助井」による最終的な封じ込め策や、ハリケーン来襲時の対応に活用されるという。

 キャップのバルブはテストが終了した時点で開かれる。流出する原油をパイプでくみ上げる作業に加え、海上ですくい取る作業も再開される。ただ当局によると、「世界初の大型原油回収船」として今月初めから試験運転が行われていた台湾企業の船は作業に適していないことが分かり、展開が見送られる。

 オバマ米大統領は現状について、「海底カメラを通して流出が止まった映像を見ると、問題が解決したような気持ちになる人が多い。だが井戸を永久的に封じ込めるまでは解決したことにならない」と述べ、事態を慎重に見守る立場を示した。大統領は今後数週間のうちに、再びメキシコ湾岸の現地を訪れる構えだ。

米原油流出:韓国製「原油回収船」を投入へ

2010/07/06 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 チョン・ヒョンソク記者

本来は「原油・鉱石運搬船」、台湾TMT社が先月改造

一日50万バレルの原油回収…一部では「効果ない」と疑問視

 米国・メキシコ湾で3カ月近く続いている原油流出事故の解決に向け、韓国製の原油回収船が投入される見通しだ。

 台湾の海運会社TMTが所有する「クジラA(A Whale)号」という名の超大型原油回収船が3日と4日(現地時間)、事故地点から北西へ約14マイル(22.5キロ)離れた海上で性能実験を行ったことをCNNが5日、報道した。実際の投入に先立ち、米環境保護局の汚染除去処理基準をクリアするための試験運航が行われたもので、合格すれば原油回収作業にあたる見込みだ。TMTは、クジラA号が試験運航に合格したら、現在改造中の「クジラB号」や「クジラC号」も動員する計画だとしている。

 クジラA号はもともと、TMTが現代重工業に注文し建造された31万9000トン級の超大型原油・鉱石運搬船だった。TMTは先月初め、この船舶をポルトガルの造船所に依頼し、十数日かけ原油回収船に改造、先月30日に事故海域に到着した。

 現代重工業関係者は「30万トン級以上の船舶は『漂う島』と呼ばれる。最大200万バレル(約3億1800万リットル)の原油を積むことができる。これは、韓国の一日石油消費量に相当する」と話す。クジラA号は10階建てのビルと同じ高さで、全長は340メートルに達する。広さはサッカーグラウンド3個半分で、世界最大の原油回収船と言われている。

 TMTのグランサム報道担当は「作動の原理はクジラや人間の心臓とよくにている」と説明した。汚染海域を移動しながら、船側面にある12の穴から海水と油を吸い込み、油は船内に残し、水だけを排出するというものだ。

 TMTは、この船で一日50万バレル(約7950万リットル)の原油を処理・回収できるとしている。メキシコ湾の原油流出は4月20日、国際石油資本(メジャー)BPの施設爆発事故により発生、現在まで続いている。

 海底の油井から吹き出している油の量は一日3万5000−6万バレル(約557万−954万リットル)と推定されている。TMTの発表通りになれば、これまで遅々として進まなかった事態収拾の糸口になるかもしれないという見方もある。事故海域があるルイジアナ州のジンダル州知事は「(米政府が)クジラA号をすぐに投入させず、沿岸に停泊させているのは本当に腹立たしい」と、クジラA号の即時投入を促した。

 しかし、一部の専門家は、クジラA号も事態収拾にそれほど役立たないのでは、と見ている。海洋救助隊員の経験があるブライアント氏はMSNBCとのインタビューで「原油汚染が限られている海域では有用だが、今回のように原油が広がった状態では成果が出にくい」と言っている。

 またTMTは、クジラA号を急いで投入する過程で、原油遮断作業の責任を負うBPとのサービス契約も完全に終わっていないと伝えられている。

新たな阻止作業「失敗」 メキシコ湾の原油流出

2010/05/30 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク共同】米南部メキシコ湾の原油流出事故で、国際石油資本(メジャー)、英BP社のサトルズ最高執行責任者(COO)は29日、記者会見し、流出阻止に向けた新たな作業が失敗したと述べた。

 今月26日に作業を開始した時点では、BPは成功確率を60〜70%としていた。生態系など周辺環境への深刻な影響が懸念される「米史上最悪の原油漏れ被害」(オバマ米大統領)が、さらに悪化する可能性も出てきた。

 サトルズ氏は、流出阻止作業について「われわれが試している方法の多くは、(現場と同じ)海底1500メートルで試したことがない」と述べ、非常に困難であることを認めた。次の手段として、深海ロボットで流出元の管を切り取り、特製のバルブでふたをする方法を試すとしている。

 BPは、流出個所を巨大な鉄の箱で覆ってパイプで原油をくみ出す方法を試したが、効果が上がらず、今月26日から重い泥状の液体を油井に注入し、原油が上昇しない状態にした上で、セメントを流して油井を封鎖する「トップキル」と呼ばれる作業を行っていた。

原油流出は「オバマのカトリーナ」? 鈍い対応、支持率低下…奇妙な符合

2010.05.29 MSN産経新聞

28日、原油漂着現場を訪れたオバマ米大統領(AP)

 【ワシントン=渡辺浩生】南部メキシコ湾の原油流出事故が「オバマ大統領のカトリーナとなるのではないか」との見方が浮上している。深刻化する環境被害への対応が鈍いという批判を浴びていることが、2005年の大型ハリケーンへの初動の遅れから支持を失ったブッシュ前大統領を思い起こさせるという。

 「私は最終的にこの危機を解決する責任を負う」。オバマ大統領は28日、2度目となるルイジアナ州の流出現場の視察をした。

 4月20日の石油掘削基地の爆発事故以来、責任は採掘権を持つ英メジャー(国際石油資本)BPにあると言い続けてきた大統領。5週間が過ぎ突然、流出阻止と被害修復の先頭に立つと宣言した背景には、国民の信頼が急低下していることへの危機感がある。

 メキシコ湾を直撃した05年夏の大型ハリケーン「カトリーナ」では、救援活動の遅れを厳しく批判され、当時のブッシュ大統領は支持率を大きく落とし政権失速の契機となった。

 当時、大統領次席補佐官だったカール・ローブ氏は27日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルで、事故が連邦水域で起きたにもかかわらず、ホワイトハウスは当初「大統領からこの問題を遠ざけようとした」と指摘。「オバマのカトリーナとなるか、よりひどくなる可能性もある」とした。

 28日付英紙フィナンシャル・タイムズも、「『オバマのカトリーナ』になりうるところまで着々とエスカレートしている」とする解説記事を掲載した。

 オバマ氏が最初に現場を視察したのは発生12日後だった。「ブッシュ氏はカトリーナの後ニューオーリンズに行くのに4日間待って、民主党から批判された」とローブ氏は皮肉る。

 地元ルイジアナ州選出のランドルー上院議員は「大統領はもっと目立つべきだったのにそうではなかった。彼はその政治的代償を払っている」と手厳しい。

 ラスムセン社によると、5月4、5日の世論調査では、大統領の対処を43%が「よい」と答え、「悪い」の26%を上回っていたが、16、17日の調査では、「悪い」(33%)が「よい」(31%)を逆転した。

 石油掘削を監督する内務省鉱物資源管理局と関連業界との癒着問題も浮上し、バーンバウム局長が27日辞任したが、米紙ニューヨーク・タイムズはこれも「気味の悪いカトリーナの残響」と呼ぶ。カトリーナの救援活動を指揮していた連邦緊急事態管理庁(FEMA)のブラウン長官も辞任に追い込まれたからだ。

メキシコ湾の原油流出、米史上最悪に 当局推計

2010.05.28 MSN産経新聞

 AP通信によると、米地質調査所(USGS)は27日、米南部メキシコ湾の原油流出が推計で約7200万リットルに達し、1989年にアラスカ沖で約4200万リットルの原油が漏れたエクソン・バルディズ号の事故を超え、米史上最悪の原油漏れ被害になったと明らかにした。

 USGSは科学者チームの試算で1日に190万〜380万リットルが漏れているとしている。国際石油資本(メジャー)の英BPは1日80万リットルの原油が漏れているとしていたが、それ以上が流出しているとの指摘が専門家からあがっていた。

 BPの石油掘削基地が爆発して起きた原油流出は、4月の爆発事故発生から1カ月以上たっても流出が止まっていない。BPは26日から泥とセメントを使って海底の油井を封鎖する新たな作戦を始めた。(共同)

英BP、原油流出封じ込め大作戦開始 メキシコ湾

2010.05.27 MSN産経新聞

 米南部ルイジアナ州沿岸部で小魚を捕まえる鳥。同州沖のメキシコ湾では原油流出による被害が拡大、沿岸部の鳥たちも汚染の危機にさらされている。(AP=共同) 【ワシントン=渡辺浩生】米南部メキシコ湾の原油流出事故で、国際石油資本(メジャー)、英BP社は26日、海底油田掘削施設からの原油流出を食い止める作業を開始した。4月20日の爆発事故以来、最大規模の封じ込め作戦となる。

 この作業は「トップ・キル」と呼ばれ、水深約1・6キロの海底にあり、爆発事故による破壊で原油流出が続く油井に、海上の船からパイプを通じて大量の泥水を注入し、最終的にはセメントを流し込んで栓をしようというもの。

 このような深い海で試みられたケースはなく、BPは成否が判明するには、一両日を要するとしている。

 作業員11人が死亡した掘削基地の爆発事故以来、一日推定5千バレル(約80万リットル)の原油が流出し、ルイジアナ州では160キロ以上の海岸線が影響を受け、沿岸のリゾート地や野生生物が生息する湿地帯、豊かな漁場が被害にさらされている。

 オバマ政権に対しても、対応が後手に回っているとして、地元や議会から批判が高まっている。今回の封じ込め作戦の成否は、BPだけでなく、秋に中間選挙を控えた政権にとっても極めて重大な意味を持つ。

 オバマ大統領は遊説先のカリフォルニア州で「成功の保証はないが、もし成功すれば、原油流出は大きく削減される」と期待感を表明した。

米政府、BPに罰金検討 メキシコ湾の原油流出

2010.05.25 MSN産経新聞

 メキシコ湾の原油流出事故で、米環境保護局(EPA)のジャクソン長官は24日、掘削基地を操業する国際石油資本(メジャー)の英BP社に罰金を科すことなどを検討していると明らかにした。

 また、米政府は同日、メキシコ湾沿岸のルイジアナ、ミシシッピ、アラバマの3州を対象に「漁業災害」宣言を出し、漁業関係者に対する支援に乗り出した。

 現場では、流出の発端となった掘削基地の爆発事故から1カ月が過ぎた24日現在も原油漏れが続いている。1日約80万リットルと発表している流出量は、実際には数倍に上るという科学者の試算もあり、流出を止める作業を担ってきたBPに対し、サラザール内務長官が「BPが流出を止められない場合は、作業から外す」と不満を述べるなど、政府内にはいら立ちが募っている。(共同)

メキシコ湾の原油流出で大統領委員会を設置へ オバマ氏

2010.05.18 MSN産経新聞

 メキシコ湾の原油流出事故でオバマ米大統領は17日、事故の原因究明や再発防止策を検討する大統領委員会を設置することを決めた。

 大統領令に基づくもので、1979年のスリーマイルアイランド原発事故や86年のスペースシャトル「チャレンジャー」爆発事故で設置された大統領委員会と似たものになるという。メンバーは明らかになっていないが、現在対策に当たっている政府関係者は入らない見通し。

 事故現場では、石油掘削基地を操業する国際石油資本(メジャー)、英BP社が16日、流出源に管を挿入し、原油の一部を海上の船に吸い上げることに成功した。だが、吸い上げているのは流出量の2割程度にすぎず、油膜が海流に乗って約800キロ離れたフロリダ半島の南端に到達する恐れを指摘する専門家もいる。(共同)

原油の一部吸い上げに成功 メキシコ湾の流出事故

2010.05.17 MSN産経新聞

原油流出事故で汚されたブラウンペリカンを洗浄する米野生生物部の獣医=5月15日、米ルイジアナ州(ロイター)

 ロイター通信によると、米南部メキシコ湾の原油流出事故で、爆発した石油掘削基地を操業する国際石油資本(メジャー)、英BP社は16日、流出源である破損した海底パイプに管を挿入し、原油の一部を海上の船に吸い上げることに成功した。

 海底油田につながる直径約53センチのパイプに、無人機を使って同約10センチの管を差し込んだ。だが原油すべてを吸い上げられているわけではなく、同社は根本的な解決策として、特殊な泥で海底の油井を覆って流出を食い止める計画。今後1週間から10日での成功を目指している。

 原油吸い上げのために、流出個所を巨大容器で覆うことなどを試みたが失敗が続いていた。(共同)

オバマ大統領、原油流出に怒り 米政府の責任にも言及

2010.05.15 MSN産経新聞

14日、原油流出問題などについて閣僚らと話し合ったあと、ホワイトハウスの大統領執務室を出るオバマ大統領(AP)

 オバマ米大統領は14日、メキシコ湾で被害拡大中の原油流出事故について、米政府による掘削許可プロセスなど、制度に大きな問題があったと述べ「怒りと不満」を表明、流出原因をつくった英BP社や、政府の担当部局などが「責任を認めるべきだ」と指摘した。ホワイトハウスで記者団に語った。

 オバマ氏は、石油掘削の許認可権を握る内務省鉱物管理局と石油会社が長年「なれ合いの関係」にあったと批判し、安全性の検証が不十分だった可能性に言及。サラザール内務長官に同局改革を命じたと述べた。

 一方、BPなど事故にかかわった3社の幹部が上院公聴会で責任の押し付け合いに終始したことを「ばかげた見せ物」と非難した。

 掘削基地の爆発事故があった海底からは、今も1日80万リットルを超す原油が流出している。(共同)

巨大容器での吸い上げ作業を中断 メキシコ湾の原油流出事故

2010.05.11 MSN産経新聞

石油掘削基地の周囲に張り巡らされたオイルフェンス=5月10日(AP)

 米南部メキシコ湾の原油流出事故で、国際石油資本(メジャー)、英BP社は10日、海底の流出個所を巨大容器で覆い、原油を吸い上げるための作業を中断、小型の容器で試みると発表した。メタンと水からなる固形のメタンハイドレートが容器内に付着し、想定していた吸い上げ作業ができなくなったという。

 小型容器を使うことで、メタンハイドレートの付着を抑えられるという。また米メディアによると、容器の作業と並行して、タイヤの断片やゴルフボールなどを使って海底の油井を詰まらせる方法も行われるという。

 爆発で原油流出を引き起こした石油掘削基地を操業するBPは、原油の除去作業などで現時点で約3億5千万ドル(約325億円)を費やしたことも明らかにした。(共同)

巨大容器で原油流出を食い止めへ 米ルイジアナ沖事故で

2010.05.05 MSN産経新聞

メキシコ湾の原油流出で、若いペリカンの巣の近くに張られたオイルフェンス=5月、4日、ニューハーバーアイランド(AP)

 AP通信によると、米南部ルイジアナ州沖の原油流出で、爆発した石油掘削基地を操業する国際石油資本(メジャー)、英BP社のヘイワード最高経営責任者(CEO)は4日、海底の流出個所に巨大な容器をかぶせて原油を食い止めるための作業を6日に始めると明らかにした。

 容器は重さ98トンの鉄とコンクリート製。原油は掘削基地と海底油田をつなぐ管の少なくとも3カ所から漏れているとみられ、流出個所を容器でふさいで、容器とつながったパイプで海上の船に原油を取り出すという。

 フロリダ州のマイアミ大の専門家は、これまでの原油の流出範囲を東京都の面積の約2・3倍の約5千平方キロと推計している。(共同)

オバマ米大統領 原油流出の現地視察 環境破壊に懸念

2010.05.03 MSN産経新聞

 2日、米南部ルイジアナ州ベニスで、記者団に語るオバマ大統領(ロイター)

 オバマ米大統領は2日、原油流出事故が起きた南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾を現地視察、「前例のない環境破壊になりうる」と懸念を表明した上で「どれだけ時間がかかろうと、あらゆる手だてを尽くす」と対策に万全を期す考えを示した。視察中に立ち寄った同州ベニスで記者団に語った。

 オバマ氏は「われわれは事故初日から最悪の事態に備えていた」と述べ、米政府の対応に問題はなかったことを強調。石油掘削基地を操業する英BP社に流出の責任があるとし「(汚染対策などの)費用はBPが支払う」と重ねて訴えた。

 ただ、米政府の当初の被害想定が甘かった点が批判されており、汚染拡大とともに事故は内政上の火種となりそうだ。(共同)

メキシコ湾原油流出 新規採掘凍結も 米大統領、原因究明を最優先

2010.05.01 MSN産経新聞

爆発・水没した石油採掘基地

 【ワシントン=犬塚陽介】米南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾で4月20日に起きた石油採掘基地爆発事故の被害が深刻化している。AP通信によると、海底から1日約5千バレル(約80万リットル)の原油が流出しており、29日には沿岸まで約8キロの地点に達した。流出が長期化すれば、米史上最悪とされる1989年のアラスカ沖原油漏れ事故に迫るとの懸念も浮上している。オバマ政権高官は30日、約1カ月前に発表したばかりの新規油田採掘計画の凍結にも言及するなど、事故の影響は拡大する一方だ。

 30日朝にABCのテレビ番組に出演したオバマ米大統領の側近、アクセルロッド上級顧問は「何が起きたのかを突き止めるまで、新規の採掘は許可されない」と述べ、事故原因の究明と再発防止を最優先事項とする方針を示した。

 オバマ大統領も29日、被害対策に「あらゆる手だてを使って対処する」と表明し、米軍の出動を検討するほか、ナポリターノ国土安全保障長官らを現場に派遣する方針を示した。

 爆発があった現場はルイジアナ州南東の沖合約80キロにある「ディープウオーターホライズン基地」で、約130人の作業員のうち11人が死亡、基地は24日に水没している。油田は英メジャー(国際石油資本)BPが採掘権を保有しており、深さは約5486メートルにまで達するという。

 当初、被害は最小限に収まるとの楽観論が支配的だったが、海底からの原油流出などが次々と明らかになって状況が一転した。米政府高官はAP通信に対し、沿岸から約65キロの地点で1日5千バレルの原油が流出していると語った。

 現場海域に近いルイジアナ州などの沿岸部は、米国のリゾート地として名高いほか、エビやカキなど世界でも有数の魚介類の産地でもある。

 ルイジアナ州はハリケーン「カトリーナ」の甚大な被害を受け、後手に回った当時のブッシュ政権の対応が厳しい批判にさらされた地域でもある。

 深刻化する事態を受け、オバマ大統領は29日、採掘権を保有するBPに原油除去の基本的な責任があり、費用もBPが負担すべきだとの認識を鮮明に打ち出した。

 ただ、海底油田の新規採掘を承認した際には、「環境よりも国産原油増を優先した」との批判も噴出。事故では野鳥や海洋生物への影響も懸念されており、新規採掘計画への批判がさらに高まる可能性もある。

流出原油が米南部に漂着 米大統領、軍出動も検討

2010.04.30 MSN産経新聞

29日、米南部ルイジアナ州の海上で、原油流出を受けて設置準備が進むオイルフェンス(AP)

 米南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾で爆発した石油掘削基地からの原油流出は29日も拡大し、同日夜には原油の一部が同州沿岸に漂着し始めた。オバマ大統領は同日「あらゆる手だてを使って対処する」と発表し、軍の出動も検討する考えを表明。ナポリターノ国土安全保障長官らの現地派遣を決めた。

 AP通信によると、原油の流出量は1日5千バレル(約80万リットル)。流出が長期間継続すれば、1989年にアラスカ沖で起きた米史上最悪の原油漏れ事故に迫るとの懸念まで指摘され始めた。

 ルイジアナ州のジンダル知事は非常事態を宣言。環境汚染や漁業などへの悪影響を懸念する声が強まっている。APによると、地元漁業者の一部は29日までに、同基地を操業していた英BPなどを相手取った損害賠償請求訴訟を起こした。(共同)

油流出拡大、1日80万リットルか 米南部沖の石油基地事故

2010.04.29 MSN産経新聞

 米南部ルイジアナ州沖で爆発炎上、水没した石油掘削基地からの原油流出量が拡大し、当初推定の5倍に当たる1日5千バレル(約80万リットル)に上る可能性があることが28日、分かった。AP通信が伝えた。

 APによると、米沿岸警備隊当局者が米海洋大気局(NOAA)の試算として明らかにした。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は同日、NOAAの専門家の話として、流出した油が同州沿岸から約25キロの海上まで迫っていると報じた。早ければ30日夜(日本時間5月1日午前)にも沿岸に達する可能性があり、生態系への影響が懸念されている。

 APによると、流出油を燃やして除去する方法も試験実施されたが、汚染拡大防止の決め手となるかどうかは不明。(共同)

原油流出確認、環境汚染も 米南部沖、爆発の石油基地

2010.04.25 MSN産経新聞

 AP通信などによると、米南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾上で爆発炎上、水没した石油掘削基地と海底の油田をつなぐパイプの一部から24日、原油が流出しているのが確認された。米沿岸警備隊当局者が明らかにした。現場付近は悪天候のため、流出した油の回収作業が円滑に進まず、深刻な環境汚染の懸念も出ている。

 沿岸警備隊は23日、流出はないと発表していたが、米紙ニューヨーク・タイムズによると、その後、基地と油田を結ぶ約1500メートルのパイプを遠隔操作で調べたところ、2カ所から漏れているのが発見された。

 沿岸警備隊の推計によると、流出量は1日最大千バレル(15万9千リットル)とみられ、付近の海上には24日、約30キロ幅の油膜が観測されたという。(共同)

油田共同開発に950億円 ロシアとベネズエラ

2010年04月03日 中国新聞ニュ−ス

 【リオデジャネイロ共同】ロシアのプーチン首相は2日、南米の産油国ベネズエラを初訪問して反米左翼チャベス大統領と首脳会談し、オリノコ川流域の共同油田開発のうち有力鉱区の探査に10億ドル(約950億円)を初期投資することで合意、6億ドルを供与した。ロイター通信などが報じた。チャベス大統領は原子力発電の協力にも期待感を表明した。

 米国へのけん制を狙う同大統領はロシアとの関係を深め、ロシア首脳の訪問は2008年11月のメドベージェフ大統領以来。両国は長期的なエネルギー開発を通じて南米でのロシアの「存在」を訴えるとみられる。

 オリノコ川流域では超重質油から合成石油を精製し、長期の共同油田開発で合意。今年末までに日量5万バレル、将来的には同45万バレル生産する計画という。

 ベネズエラは干ばつでダムの水位が低下、電力危機にあり、代替エネルギー源として原子力開発を模索。チャベス大統領は記者会見で「両国は初の原子炉計画の立案に着手する用意がある」と発言。今回ロシアから武器も新規調達する予定だったが、首脳会談では見送られた。

エコナビ2009:イラク・ナシリヤ油田 権益争い、日伊対決

2009年07月12日 毎日新聞 東京朝刊

 イラク南部のナシリヤ油田の開発権益を巡り、新日本石油など日本企業連合とイタリア企業が獲得競争を繰り広げている。日本は初の自主開発油田、カフジ油田(サウジアラビア・クウェート)の権益を失った苦い経験を踏まえ、官民挙げて獲得を目指す。イラク政府は近く契約企業を決める方針だが、イタリア企業も猛烈な巻き返しを図っており、予断を許さない状況だ。【柳原美砂子、三沢耕平】

 ◇官民連携

 「関係企業とよく相談してほしい。日本政府も全面的に支援する」。二階俊博経済産業相は9日、来日中のシャハリスタニ・イラク石油相との会談で、鉄道などのインフラ整備を支援する考えを示し、日本企業の権益獲得を後押しした。

 イラク戦争の後遺症に苦しむ同国は、復興資金獲得のため約40年ぶりに国内の油田・ガス田開発への外資参入を認めた。6月末に8油田・ガス田の入札を実施。このうち同国最大級のルメイラ油田の開発権益を、英石油大手BPと中国石油天然気集団(CNPC)の英中連合が落札した。

 ナシリヤ油田はこれら8油田・ガス田の入札と別枠で、日本、イタリア、スペインの企業連合がイラクと交渉。現時点で、石油元売り国内最大手の新日本石油、国際石油開発帝石(INPEX)、プラント大手の日揮の3社による日本企業連合と、イタリアの炭化水素公社に絞り込まれた。シャハリスタニ石油相は来日中の10日、記者団に対し「技術審査が終わり、資金面の調整だけだ」と述べ、近く決定するとの見通しを示した。

 ◇資源安保

 ナシリヤ油田の権益獲得は、日本にとって意味が大きい。日本は必要な原油の大半を市場で購入しているが、新興市場国の経済発展や投機資金の流入で昨年、原油は高騰し、経済に打撃を与えた。また資源ナショナリズムの高まりで、安定的な確保が難しくなるリスクも高まってきた。

 これに対し、日本企業が海外で権益を得て、有事の際も安定的な原油調達が見込めるのが自主開発油田だ。中でも権益の割合が多いものは「日の丸油田」とも呼ばれ、アラビア石油のカフジ油田が該当した。

 しかし、カフジ油田は、サウジ側が採掘権更新の条件とした鉱山鉄道の建設に日本側が難色を示し、00年に権益が失効した。イランのアザデガン油田も、イランの核開発を問題視する米国から開発中止の圧力がかかって権益の大半を譲渡した。

 政府は30年までに原油輸入量に占める自主開発油田の割合を40%に高める目標を掲げる。経産省によると、07年度末で約19%とまだ目標の半分以下。このため、ナシリヤ獲得は「エネルギー安全保障上も重要な案件」(新日石幹部)で、獲得は日本の悲願でもある。

 ◇五分五分

 ナシリヤ油田について、日本企業連合は、製油所や発電所などのインフラ整備や国際協力銀行を通じた金融支援を提案。新日石の渡文明会長は「手応えを感じている」と自信をみせる。

 新日石は現在、北海やメキシコ湾などに自主開発油田を持ち、合計生産量は日量13万バレル。ナシリヤ油田は日量60万バレルが見込まれ、「これだけの規模の油田にかかわるチャンスはない」(同社首脳)と期待する。国内の石油需要は先細りが避けられないが、新興国を中心に海外需要は根強く、収益の柱につなげたい考えだ。

 関係者によると、5月時点では「日本勢がイタリアをリードしていた」。しかし、イタリアも6月に入り、条件面で追加提案を行っているとみられ、日本勢の獲得の見通しは「五分五分」という。

油田権益獲得協力を 経産相イラク石油相に要請

2009年07月10日 東京新聞 朝刊

 二階俊博経済産業相は九日、来日中のイラクのシャハリスタニ石油相と都内で会談した。二階経産相はイラク南部のナシリヤ油田など日本企業が権益獲得を目指す油田開発について「(日本政府が)全面的に支援する」と述べ、イラク側の協力を要請。近く経産省から鉄道や空港を整備するための特使を派遣する考えを示した。

 二階経産相はナシリヤ油田開発など個別の案件について「よく民間企業と話をしてほしい」と求めたが、シャハリスタニ石油相は「日本企業の参加を期待している」と述べるにとどめ、決定時期を含めて明言を避けた。

 イラク政府は戦後復興に向け、約四十年ぶりに油田開発を外資に開放した。このうち、南部のナシリヤ油田の権益獲得には新日本石油など日本企業三社と、イタリア企業がしのぎを削る。日本企業がナシリヤ油田の権益を獲得できた場合、過去最大規模の「日の丸油田」となる。

イラク石油相が来日へ 油田権益獲得で新日石などと最終調整

2009.07.03 MSN産経新聞

 イラク政府が戦後復興資金を確保するため、外国企業に開放する油田の開発権益をめぐり、同国のシャハリスタニ石油相らが10日にも来日し、南部ナシリヤ油田の権益獲得を目指す新日本石油などの企業連合と最終調整に入ることが2日、分かった。月内の合意を目指しており、絶大な権限を持つ石油相自らが来日することで、日本が獲得できる公算が大きくなった。

 輸入原油に依存する日本にとって自主開発の“日の丸油田”の獲得は、安定調達やエネルギー安全保障の上で国家的な重要課題。同油田は日本の1日の消費量の10%超に相当する日量60万バレルの生産が見込まれ、獲得すれば過去最大の日の丸油田となる。

 両国政府は石油相のほか、アーラジ国家投資委員会委員長らが来日する方向で詰めている。新日石は国際石油開発帝石(INPEX)、エンジニアリング大手、日揮と組み、同油田の一部鉱区で油田開発を20年の長期で行う権益取得交渉を進めており、日本政府も強力に後押ししている。

 日の丸油田としては、1957年にアラビア石油が獲得し、権益が失効したペルシャ湾のカフジ油田(日量30万バレル)を大きく上回る。

 ナシリヤ油田の権益交渉には日本、イタリア、スペインの企業連合の3グループが参加。スペインが事実上離脱し、現在はイタリアとの一騎打ちとなっている。5月まで日本が優勢とされたが、イタリアもインフラ整備支援の提案などで巻き返しに出ている。

 このため、日本側はイラクの来日団に対し、製油所や発電所などのインフラ整備を国際協力銀行(JBIC)を通じて支援するほか、政府開発援助(ODA)による復興支援をアピール。月内の最終合意につなげたい考えだ。

 業界関係者によると、「交渉の行方は予断を許さない状況」という。ただ、新日石はイラク政府が実施したほかの油田の入札への参加を見送り、ナシリヤ油田一本に絞って交渉。同社の渡文明会長は「そう遠くないうちに結論が出る。手応えはある」と自信をみせている。

 イラク側にも、資金力が豊富な日本企業の投資を呼び込みたいとの意向が強い。同国は原油確認埋蔵量が1150億バレルで、サウジアラビア、イランに次ぎ世界第3位。イラク戦争の影響で開発が十分に進んでおらず、約40年ぶりに権益を開放した。

誤算続きの“日の丸油田”開発、復活へ全力

2009.07.03 MSN産経新聞

 イラクの油田権益をめぐり、同国政府の代表団が来日することになったが、日本としては是が非でもこの機会をとらえ、権益獲得を確実なものとしたい考えだ。“日の丸油田”の開発は、アラビア石油が保有していたカフジ油田は平成12年から15年にかけて更新に失敗し権益を失うなど誤算の連続だった。原油のほぼ全量を輸入に依存する日本にとって、大規模な「日の丸油田」の復活は悲願となっている。

 経済産業省は日本企業が権益を持つ油田から生産される原油比率を19年の約11%から42年に40%に引き上げる青写真を描いており、イラク油田の権益をその切り札と位置づけている。関係業界でも、戦後復興の遅れや治安への不安などリスクも大きいが、「最後の楽園ともいうべき特別な存在」(石油業界幹部)と期待する。

 日の丸油田の最初の誤算は、10年に開発主体だった石油公団の1兆円超の不良資産問題が発覚し、同公団が清算される事態に発展したことだ。さらに、カフジの権益失効に続き、イランのアザデガン油田ではいったん生産量の約75%の権益を獲得しながら、米国とイランの関係悪化で、約10%を残し放出を余儀なくされた。

 イラクの権益開放は、日本にとって起死回生の絶好のチャンスだ。ただ、「イラク戦争の戦利品の争奪戦」(政府関係者)ともいわれ、獲得交渉は容易ではない。特に、イラク政府が6月30日に実施した8カ所の石油・ガス田の1次入札では、英BPと組んだ中国国営石油会社が唯一、ルメイラ油田の権益を落札するなど、「中国勢の存在感は際だっている」(経済産業省幹部)という。

 1次入札は既存油田の増産案件が中心で、日本側は「あくまで前哨戦」(入札企業関係者)と位置づけており、年内にも実施される12カ所の2次入札が本命だ。ロイター通信によると、イラク石油省報道官は2日、2次入札が当初の年末から前倒しされるとの見通しを示した。2〜3カ月前倒しされる可能性があり、日本としては、独自交渉のナリシヤ油田の開発で2次入札に弾みをつけたいところだ。

 存在感を強める中国などとの争奪戦に打ち勝ち、日の丸原油復活の悲願を果たせるかは、今回のイラク政府団の来日で、日本の官民が一体となり太いパイプを築けるかにかかっているといえそうだ。

イラク油田の2次入札前倒しも

2009.07.02 MSN産経新聞

 ロイター通信によると、イラク石油省報道官は2日、年末に予定されていた油田開発の2次入札が前倒しされるとの見通しを示した。2〜3カ月以内に行われる可能性があり、新たな期日はあらためて発表するという。

 イラクが油田開発を外資に本格開放するのは約40年ぶり。6月30日の1次入札では、対象の6油田、2ガス田のうち落札が1油田にとどまり、不調に終わった。

 残る油田については、2次入札と同時にあらためて入札が行われる可能性があるという。報道官は、2ガス田についてはイラクが自主開発を行う方針だと述べた。(共同)

国際帝石、新日石、日揮が高い・イラク油田の権益取得で最終調整

2009/06/26 Searchina

 国際石油開発帝石 <1605>、新日本石油 <5001>、日揮 <1963>が高い。

 3社がイラク南部のナシリヤ油田の開発権益を取得することでイラク側と最終調整に入ったと報じられたことを材料に買われている。権益を獲得してから2年後には日本の原油消費量の10数%に当たる日量60万バレルの産出量を見込んでおり、日本の自主開発油田としてはアラビア石油が1957年に権益を獲得したペルシャ湾・カフジ油田の日量30万バレルを超える過去最大規模となるとも伝えられている。

 25日のニューヨーク市場で、原油先物相場が反発したことも材料視。(情報提供:ストックステーション)

アブダビと共同備蓄 国内の石油基地を提供

2009.06.25 MSN産経新聞

 経済産業省は25日、アラブ首長国連邦(UAE)の国営石油企業、アブダビ石油公社に国内の石油備蓄基地のタンクを提供する「共同備蓄」で基本合意した。日本政府としては初の共同備蓄となり、石油の安定確保を図る。

 提供するのは、政府が借りている新日本石油の喜入石油基地(鹿児島市)のタンク。アブダビ石油公社は今年秋から、日本の石油消費量の1日分に当たる60万キロリットルの石油を貯蔵する。

 日本の原油輸入量の4分の1を占めるUAEとの関係を強化し、原油を安定的に確保するとともに、UAEで行われる油田開発の権益確保にもつなげたい考え。

 通常はアブダビが自国のタンクとして、日本国内や、中国などアジア各国に機動的に石油を供給する拠点として活用する。一方、天災や紛争などで日本の石油の輸入が不足する恐れがある緊急時には、日本が優先的に利用できる。

日本、東シベリアの油田権益を確保 合弁設立、試掘へ

2009年05月13日 asahi.com

 石油天然ガス・金属鉱物資源機構は12日、ロシアの東シベリア地域で油田の権益を獲得し、地元のイルクーツク石油と合弁会社を設立して試掘などを行うと発表した。13年以降の本格生産を目指す。

 権益を得たのは、イルクーツク州にある2鉱区で、面積は合わせて約8140平方キロメートル。自然環境が厳しくインフラが未整備なため、十分な調査が行われていないが、1億バレル程度の原油や天然ガスが存在すると期待されている。事業費は150億円。事業化が可能になった段階で、日本企業に権益を引き継ぐ。

 産出する石油は、東シベリアの油田地帯から日本海に向けて建設中の「太平洋パイプライン」を通じて、日本などへ供給する予定。日本にとっては、エネルギー供給源の多角化を図る狙いがある。

 この鉱区の300キロ北では、08年4月から同機構と同社が、油田の共同開発を進めている。

東シベリアで油田権益 13年以降本格生産 日ロ共同開発合意へ

2009年05月13日 NIKKEI NeT

 政府はロシアの東シベリア地域での原油開発に向けて、イルクーツク州中部の2鉱区で地下資源の鉱業権を取得する。来年にも現地企業と共同で試掘を始め、2013年以降の本格的な生産を目指す。埋蔵量は今後調査するが、近隣に有望油田があることなどから、日本側関係者の間では数億バレル程度と世界的にも中規模クラスになるとの期待も出ている。

 ロシアのプーチン首相の来日に合わせ、12日にも合意文書に調印する。同首相は来日前の日本経済新聞などとのインタビューでエネルギーなど経済協力の具体化に期待を示していた。

アラビア石油、ノルウェー領北海の油田権益10%を取得

2009年02月19日 NIKKEI NeT/ BPnet

 AOCホールディングス傘下のアラビア石油(本社:東京都品川区)は2009年2月18日、ノルウェー領北海イメ(Yme)油田の権益の10%を取得すると発表した。10〜12月に生産を開始し、当初4年間は平均で日量約2万5000バレルを見込む。

 アラビア石油の100%子会社であるNorskeAEDCAS(ノルウェー)を通じて、Talisman Energy(カナダ)の子会社Talisman Energy Norge(ノルウェー)から権益を取得する。Talisman Energy Norgeは70%の権益を保有している。

 イメ油田は、かつて開発・生産が行われた油田の再開発プロジェクトで、過去の地質、油層データが豊富であることから技術的なリスクが低く、技術の進展による可採埋蔵量の増加が期待されている。鉱区は、ノルウェー南西部のスタバンガー市から沖合南西約150kmの地点。

 また同様に、同油田に隣接する2つの探鉱鉱区の権益の10%も取得する。複数の有望構造が見つかっている新規の探鉱鉱区で、今後、試掘を含む探鉱活動を行う予定。(田中 武臣=Infostand)

AOCHD(5017)が北海油田権益取得へとの報道で急反発

2009年02月18日 EXCITEニュ−ス

 AOCホールディングス が急反発。10円高の520円で寄り付いた後、一時48円高の558円まで買われている。2月5日の直近高値を上抜き1月7日の567円を目指す格好となっている。東証1部市場で値上がり率13位と上位に付けている。18日付の日本経済新聞朝刊が、「(同社傘下の)アラビア石油がノルウェー領北海で油田権益を取得する」と報じたことが手掛かり材料視されている。

 2009年中に生産開始予定の油田で、投資額は権益取得と生産設備あわせて約100億円の見込み。油田開発のための入札参加を目指すとしており、新たな収益源確保が急務となっているなか、円高を追い風に積極投資を進めると伝えている。

 17日のNY原油先物市場で3月限は2.58ドル下落し1バレル=34.93ドルと35ドルを割り込んだが、北海油田権益取得報道を重視した買いが優勢となっている。株価は、昨年10月から12月にかけ400円とび台のほぼ5年ぶり安値圏で踏みとどまった後、年初から500円を挟んだ保ち合い相場が続いている。(ストック・データバンク&チャートブック編集部)

アラ石など3社、中国の油田権益が2月22日で失効 新油田獲得急務

2009/02/06 Iza!

 AOCホールディングス傘下のアラビア石油(東京都品川区)のほか石油資源開発、ジャパンエナジーの3社が探鉱開発権益を持つ中国・南海海上の「陸豊油田」の生産契約が中国側との契約満了に伴って22日でそろって失効する。この権益失効で同油田への生産依存度が8割超と突出して高いアラ石の業績押し下げ要因となるのは必至。アラ石では他の油田買収などを通じて生産量の確保を目指す方針だが、厳しい運営を迫られそうだ。

 陸豊油田は香港の東方160キロにある海上油田で、アラ石など3社は生産した原油を引き取る権利を昭和60年に取得。権益比率はアラ石と石油資源開発が各30%、ジャパンエナジー15%、中国海洋石油が25%。平成5年に生産を開始し、19年の生産量は日量8500バレル。日本3社の引き取り分は6450バレルで日本全体の需要(400万バレル)の0・16%に相当する。

 3社の原油総生産量に占める陸豊油田の依存度はアラ石が83・7%、石油資源開発6・4%、ジャパンエナジー7・1%。石油資源開発とジャパンエナジーは中東や東南アジアなどで生産を展開しているために依存度が低いのに対し、アラ石の生産面に与える影響は大きい。

 今回の油田契約が終了した後、アラ石が権益を持つ油田の中で生産しているのはノルウェーのギダ油田だけとなり、原油生産量も現状の日量3050バレル程度から500バレルに減少する。

 アラ石では昨年1月、クウェートと結んでいた「カフジ油田」の技術サービス契約を打ち切られ、ピークの昭和54年には日量50万バレルを生産した同油田の操業から撤退。現在はクウェート石油公社との長期原油販売契約に基づき、日量10万バレルを35年まで引き取り販売しているが、同社の生産分には計上されていない。

 さらに今回、中国での権益が失効するのに伴い、同社としては、生産した原油を安定的に調達販売できる油田権益の新規取得が欠かせない。同社はノルウェーとエジプトで権益を持つ未開拓油田で早期の生産開始を目指すほか、他の油田権益の買収を進める方針。他社との共同買収なども検討課題となりそうだ。

アブダビ石油の油田権益 20年延長へ

2009年01月23日 化学業界の話題 knak のデータベースから

 アラブ首長国連邦(UAE)アブダビのユセフ・オメール国営石油会社総裁は、2012年に45年間の期限を迎えるコスモ石油の油田権益について20年の更新を認めることを明らかにした。最高石油評議会がアブダビ石油の権益更新を承認している。

 権益更新が決まったのは、コスモ石油子会社のアブダビ石油が単独で権益を保有し1973年から操業しているアブダビ沖合のムバラス油田。

 同社の生産量は日量18千バレル程度で、処理設備は同25千バレルの能力があるため、この水準まで生産量を増やすことができる新鉱区も与える方向で検討しているという。

 また、アブダビでは国際石油開発帝石子会社のジャパン石油開発も2018年に権益期限を迎えるが、オメール総裁は「まだ時間があるが、大丈夫ではないか」と楽観的な見方を示した。

UAE・カタール国境油田の回収量増強へ 合同石油開発

2009/01/27 Iza!

 コスモ石油やジャパンエナジーなどが出資する合同石油開発(東京都港区)は26日、油田開発権益を持つアラブ首長国連邦(UAE)とカタールの国境海上「エル・ブンドク油田」の原油回収量を増強することを明らかにした。同油田は原油生産開始から30年以上が経過し、油圧低下の影響で生産量がピークから2割以上落ち込んでいる。年内に数十億円を投じて油田にガスを圧力注入する設備を導入。生産量を現状比4000バレル引き上げ、ピークの日量1万8000バレルに回復させる。

 合同石油開発は昭和45年に設立され、現在はコスモ石油とジャパンエナジー石油開発がともに35%ずつ、三井物産20%、三井石油開発が10%を出資している。

 同社は、エル・ブンドク油田の開発資金の97%を負担。出資見合いで、日本の需要(日量400万バレル)の0・35%に当たる日量約1万4000バレルを日本に供給している。

日本、権益20年延長へ アブダビの「ムバラス油田」

2009/01/21 Iza!

 【アブダビ=今井裕治】コスモ石油が保有するアラブ首長国連邦(UAE)・アブダビ首長国の「ムバラス油田」の開発権益が、失効期限を迎える2012年以降も、20年間延長されることが、21日分かった。アブダビ国営石油のユセフ・オメール最高経営責任者(CEO)が明らかにした。

 ムバラス油田は1968年に旧大協石油・丸善石油(現コスモ石油)と旧日本鉱業(現ジャパンエナジー)が権益を取得し、1973年から商業生産に移行した。現在はコスモ石油の連結子会社、アブダビ石油(東京都品川区)が100%の権益を持っている。生産量は現在、日量1万8000バレルで、ほぼ全量を日本勢が引き取っているが、45年間の開発権益契約は2012年に満了するため、権益の延長を求めていた。

 これに対し、アブダビ首長国は原油の最大の輸出国である日本に対し、権益更新を認めることが今後の関係上、得策と判断した。新鉱区の開発も認める。

 世界的な景気後退で石油需要は低迷しているものの、長期的には石油の需給は逼迫(ひっぱく)する見通し。資源小国である日本にとって、自主開発油田であるムバラス油田の権益延長が認められたことは、エネルギー安全保障上、重要な意味を持つ。アブダビ首長国には、2018年に権益が切れるアドマ鉱区と、19年が期限のエル・ブンドク油田という日本の自主開発油田もあり、両油田の権益更新につながる可能性がある。


海上LNG基地建設へ 国際帝石、インドネシアで

2008/10/05 中国新聞

 資源開発大手の国際石油開発帝石が、インドネシアの海上に液化天然ガス(LNG)の生産基地を建設することで最終的な調整に入ったことが五日、分かった。石油と並ぶ重要資源として世界的な争奪戦が起きているLNGを、日本に安定供給するのが狙い。海上LNG基地は世界で例がないという。

 国際帝石は年内にもインドネシア政府と合意する見通しで、早ければ二〇一五年に生産を始める。建設費は一兆円を超えるとみられる。

 インドネシアのティモール海で国際帝石が開発中の「マセラ鉱区」の海底から天然ガスを採掘し、液化して日本に輸出する。生産量は年間約四百五十万トンの見込み。

 LNGは火力発電の燃料などに使われる。国際帝石は九月、オーストラリアで二兆一千億円以上を投じて年産八百万トン超のLNG基地を建設すると発表。インドネシアの海上基地と合わせると、日本のLNG輸入量の二割近くに相当する規模になる。

 国際帝石はマセラ鉱区の天然ガスをオーストラリアの陸上基地までパイプラインで運ぶ案も検討していたが、領海内での基地建設を求めるインドネシア政府の意向を受け入れることにしたとみられる。

ベネズエラLNG事業 日本3商社が参加合意

2008/09/21 FujiSankei Business i.

 AP通信によると、ベネズエラの国営石油会社は19日、液化天然ガス(LNG)事業を共同で進めることで三菱商事、三井物産、伊藤忠商事を含む日米欧などの企業と合意した。

 液化基地やガスを運ぶパイプラインの整備などを行う。今後8年間の総事業費は196億ドル(約2兆1000億円)。日本勢の3社も販売権を取得して、日本の電力会社などに供給する。2014年をめどに操業を開始する計画だ。

 日本企業のほか、米シェブロン、ロシアのガスプロム、イタリアのENIなども参加する。

 日本にとってLNGの最大の輸入相手国はインドネシアだが、拡大する国内需要を優先するとして、日本への輸出削減を打ち出している。日本は調達先を増やしてLNGの安定供給につなげる狙いだ。(リオデジャネイロ 共同)

オイルサンドは敵か? 味方か?

2008年09月12日 NIKKEI BPnet

 上昇続ける生産コスト

 埋蔵量の豊富さや開発リスクの低さなどメリットが多いオイルサンド事業だが、課題もある。まず、生産コストの上昇だ。主要な採掘方法の一つである地下採取法「SAGD(Steam Assisted Gravity Drainage)法」では、大量の水蒸気を地下に圧入し、ビチューメンの流動性を高めて採取する。この水蒸気をつくる際の燃料として大量の天然ガスが必要となるため、生産コストに占める天然ガスの費用がほぼ半分に達する。また、ビチューメンから合成原油を生産する際にも大量の天然ガスを使用する。石油価格が上昇すると、連動して天然ガスの価格も上がり、オイルサンドの生産コストが上昇してしまうわけだ。

 資機材価格の高騰も生産コストに影響する。オイルサンドの開発では大量の土砂を処理するうえ、天然ガスを分解して取り出した水素をビチューメンに結合させる工程があるため、非常に大規模なプラントが必要になる。資機材価格が上がれば、当然、プラントの建設費用も上昇し、生産コストに影響する。

 さらに、人件費についてもコスト高の要因となっている。アルバータ州はカナダ西部に位置し、北極圏に近い原野である。厳しい労働環境のため労働者の確保が難しいのだ。これらの事情により、オイルサンドの生産コストは年々上昇している。

 加えて最近では、資金調達の面でも問題が出てきた。露天掘りの場合、一つのプロジェクトの規模は、平均でも1日あたりの生産量が10万バレル(1バレル=159リットル)程度。金額にすると、70億〜80億ドル(約7500億〜8500億円)規模の巨大プロジェクトである。米国でサブプライムローン問題が発生して以降、不安定な金融情勢が続き、金融機関は融資先の選別を厳しくしている。大規模プロジェクトは一般的にリスクが大きいため、資金調達が従来に比べて難しくなっているのだ。この影響でパイプラインなどのインフラ整備も遅れており、仮に生産能力が向上したとしても、輸送能力の面で制約が出てくるおそれもある。

兜町周辺こぼれ話 原油の可採年数は約50年 オイルサンドは救世主となり得るか?

2008年09月04日 NSJ日本証券新聞

 原油価格の高騰で「ピークオイル論」に関する議論がかまびすしい。エネルギーは1度使えばなくなり、資源は無尽蔵にはないことから、世界の原油生産量はピークを迎えてしまったのではないかとの見方だ。

 限界効用理論の確立者の1人として知られる英国の経済学者、W・S・ジェヴォンズは19世紀、著書の『石炭問題』において、化石燃料はいずれ底をつくという事実を世に突きつけた。

 現在、世界の原油の可採年数は40年―50年分程度とされ、近年は新たな大きな油田が開発されていない。原油にとって替わるエネルギーが登場しなければ原油の価格は上昇する、というのがピークオイル論者の見解。

 「40年前に原油の埋蔵量が40年分といわれたが、40年たった現在でもなお40年分以上あるではないか」。一部の楽観論者はピークオイル論者をこのように揶揄(やゆ)する。これまでは新たな油田の発見で埋蔵量が増加したため、予想される枯渇時期が逃げ水”のように延びてきた。

 ピークオイル論や可採年数に大きな影響を与えているのが「非在来型」原油の将来性。オイルサンド、オイルシェール、オリノコタールなどは従来は高コストで省みられなかったが、原油の高騰でにわかに脚光を浴びている。

 オイルサンドはカナダやベネズエラなどで生産される。欧米石油メジャーが開発を進め、日本企業では国際帝石ホールディングスが事業に参画している。オイルシェールは米国を中心に開発されている。

 現在の原油価格なら採算が合うというが、生産はさほど増加していない。毎日の報道をチェックしても、「カナダ産オイルサンドの供給でエネルギー需給が緩和した」といったニュースを聞くことはほとんどない。市場に影響を与えるほど供給されていないのが実情だ。

 オイルサンドは埋蔵量の多さから注目されるものの、大量の水を使うため、環境面の問題がネックとなっている。ピークオイル論や原油の可採年数、非在来型原油の将来性については見方が分かれるが、「安価な原油を大量に消費する」時代が2度とこないと予想する点では関係者の意見は一致をみている。(F)

オイルサンドの可能性

2008年09月01日 NIKKEI BPnet

石油価格高騰で経済性が高まる

 「オイルサンド」は、地表から比較的浅い地層に堆積している砂の表面に「ビチューメン」と呼ばれる粘性の高い重質の油分が付着したもの。「タールサンド」とも呼ばれる「非在来型」の超重質油である。非在来型石油に明確な定義はないが、一般的には、通常の原油や天然ガスに随伴するNGL(天然ガス液)以外のものを指す。オイルサンド以外にも、岩石に油分を含むオイルシェール(油母頁岩)、天然ガスからつくる合成油であるGTL(Gas To Liquid)、石炭を液化してつくるCTL(Coal To Liquid)、植物から製造されるバイオ燃料なども非在来型石油である。

 以前は、原油の可採埋蔵量を算出する際にオイルサンドは含まれていなかったが、2002年に『オイル&ガス・ジャーナル(OGJ)誌』がオイルサンドを含めた量を埋蔵量として発表した。OGJ誌は1902年に創刊された米国の石油専門誌であり、原油埋蔵量の研究で世界的に権威がある同誌の発表により、オイルサンドは経済性をもって採掘できる資源として公に認められることになった。

 オイルサンドは、地下深くの油層が地殻変動で地上付近に押し上げられた後、軽い揮発油分が蒸発して、重質の油が残ってできたと言われる。そして、そのほとんどがカナダのアルバータ州に賦存している。ビチューメンの「原始埋蔵量」(地下に存在する量)は1兆7000億バレル(1バレル=約159リットル)と膨大だ。その約2割にあたる3400億バレルが、地下75m以内の比較的浅いところにあり、「露天掘り」で採取されている。残りの約8割は地下100〜200m程度のところにあり、これらは、地下に蒸気を注入するなどの「地下採取(In-Situ)法」という方法で採取される。通常の油田が地下2000〜4000mもの深さにあることを考えると、オイルサンドは非常に地表に近いところに存在すると言える。

 露天掘りの場合は、巨大なブルドーザーのような「エクスカベーター」と呼ばれる機械で地表の土砂を取り除いて採取し、ベルトコンベアなどでプラントに運んで、熱湯をかけて砂とビチューメンを分離する。これに対し、地下採取法のなかで一般的なのは「SAGD(Steam Assisted Gravity Drainage)法」と呼ばれる方法だ。砂に付いたビチューメンは粘性が高くて回収できないため、天然ガスなどを燃料に蒸気をつくって地下に注入し、ビチューメンの粘性を下げて汲み上げる。

エコナビ2008:原油、天然ガス代替資源 オイルサンド/メタンハイドレート

2008年08月23日 毎日新聞 東京朝刊Mainichi INTERACTIVE

 <ECONOMIC NAVIGATOR>

 ◇「非在来型」開発進む

 原油価格の高騰に加え、将来的な原油不足が懸念される中、「非在来型」と呼ばれる原油や天然ガスの開発が世界各地で活発化している。従来の原油や天然ガスに比べて生産コストが高いため、これまで価格競争力がなかったが、最近の資源高騰で採算性が高まっているためだ。日本近海で埋蔵が確認されている資源もあり、将来的に有望な国産資源として実用化に向けた研究・開発が進められている。【平地修、坂本昌信】

 ◆オイルサンド

 「非在来型」の中で、最も開発が進んでいるのが、カナダのオイルサンド。カナダには高粘度のタール状原油を含む砂岩層が多く、確認埋蔵量は1732億バレルと、世界一だ。

 露天堀りのほか、地下に2本の水平坑を掘り、上の1本に蒸気を注入して地層に含まれる油分を溶かし、下の坑道から回収する手法を使う。中東などに比べカナダの政情が安定しているほか、大消費地に近い利点があり、各国企業の参画が相次いでいる。07年は日量約130万バレルを生産、20年には4倍近くに増加する見通しだ。

 新日本石油子会社の新日石開発は92年、約150億円を投じてカナダ・アルバータ州のオイルサンド事業に参画した。現在は事業全体で日量約35万バレルを生産。将来的には50万バレルまで高める予定だ。92年当時の原油価格は20〜30ドル程度で、採算性は厳しかったが、「長期的に生産が見込めるリスクの低い案件として投資を決めた」(古関信社長)という。

 ただ、原油を抽出する際に熱源として使用する天然ガス価格が高騰し、コストは1バレル当たり約50ドルまで上がった。それでも、原油価格が100ドルを大きく超える現在は、十分に採算が取れる。新日石は、カナダで事業拡大を模索しているが、各社の競争は激化しており「なかなか権益が獲得できない」という。

 オイルサンドとは異なるが、ベネズエラのオリノコ川流域での「オリノコ・ベルト」で産出されるタール状の超重質油も大きな注目を集めている。超重質油は、地下深くにある上、硫黄分を大量に含むため、通常の製油所では精製できず、開発が遅れてきた。ベネズエラの採掘可能量は約2350億バレル。在来型の原油と合算すれば3000億バレルを超し、サウジアラビア(約2600億バレル)を抜き世界1位の産油国に浮上する。開発は国営企業が中心で、日本企業の参入には壁があるが、政府は民間企業が権益を確保できるようベネズエラ政府との関係強化を模索している。

 ◆メタンハイドレート

 ◇日本近海に埋蔵確認

 非在来型天然ガスの「メタンハイドレート」は、国内天然ガス消費量の100年分が日本近海に存在すると言われている。だが、生産には高度な技術が必要となる。資源エネルギー庁は2019年度からの商業化を目指し、民間の協力を得ながら技術の研究・開発に当たっている。

 日本近海のメタンハイドレートは、水深1000メートルを超す深海の海底から、さらに数百メートル下の地層にシャーベット状で存在する。生産には、地層内の圧力を下げることなどにより、メタンガスを気体として採取する新技術が必要とされる。

 エネルギー庁は、01年度から開発計画を開始。静岡県から和歌山県沖の調査で、約1・1兆立方メートル(天然ガスの国内消費量14年分に相当)の埋蔵を確認した。

 06〜07年度には、カナダと共同で陸上の永久凍土での実験を実施。メタンハイドレートを地中で分解し、メタンガスを6日間連続で取り出すことに世界で初めて成功した。

 だが、来年度から予定していた日本近海での試験は12年度以降に先送りした。長期間にわたる産出に向けた多くの技術的課題が浮き彫りになったからだ。今後はアラスカで再度、地中からの産出試験を実施しながら、海洋試験に向けた準備を進める。

 資源小国の日本にとって、メタンハイドレートにかかる期待は大きいが、「技術的なハードルは相当高い」(同庁)のが現実で、コスト面からも実用化に向けた道のりは遠そうだ。

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 ■ことば

 ◇オイルサンド

 地下深くで生成した原油が地表近くに移動した後、地下水との接触やバクテリアによる生物分解によりタール状に高粘度化したものとされる。カナダやベネズエラ、ロシアで大規模な埋蔵が確認されている。オイルサンドから取り出される原油量は、約4兆バレルと推定されている。

 ◇メタンハイドレート

 地層中に含まれる植物や動物が分解されて発生したメタンガスが、低温・高圧の環境で水と結合してできたもの。「燃える氷」とも言われる。シベリアなどの永久凍土層の下の層や、深い海底の下の地層に存在する。世界にはメタンガス換算で10兆トンが埋蔵しているとの説もある。日本の採掘技術は世界最先端。

オイルサンド・シェール

2008年06月11日 STOCK CAFE

 石油資源の枯渇が懸念される中、オイルサンド・オイルシェールが注目されています。オイルサンドとは、極めて粘性の高い鉱物油分を含む砂岩のことをいいます。母岩が砂岩ではなく頁岩の場合にはオイルシェールと呼ばれます。

 現時点で採掘可能な原油量はおよそ60年分といわれていますが、世界中に埋蔵されているオイルサンド・シェールから得られる重質原油は220年分といわれており、開発が進めば資源需給の緩和に繋がると見られています。

 これまで原油価格で1バレル70〜80ドルが採算ラインとされ、コスト面の高さから商業化が進みませんでしたが、現在の原油相場は採算が取れる十分な水準であり、日本企業も本格的な事業参画を推し進めています。

 オイルサンドから原油を得る際のCO2排出量や廃棄土砂の処理、有害物質を出さない回収技術の確立など問題は山積みですが、日本企業は技術開発に積極的に取り組んでおり期待されています。

カナダ:環境を破壊するオイルサンド

2008/02/16 JANJAN

【バンクーバーIPS=アム・ジョハル、2月7日】

 カナダの「パークランド研究所」と「ポラリス研究所」が、石油戦略備蓄の構築をカナダ政府に求める報告書を発表した。

 カナダは、中部・東部に対して石油を供給するために、1日あたり100万バレルを輸入している。輸入率は40%で、そのうち半分を石油輸出国機構(OPEC)諸国に依存している。中には、中東のような政治的に不安定な国々も含まれている。また、北海油田からの輸入量も年々減少している。

 国際エネルギー機構(IEA)に属している26ヶ国のうち、石油の戦略備蓄がないのはカナダだけだ。

 他方、カナダはアルバータ州のオイルサンドから大量の石油を産出しているが、その大部分が米国向けであり、カナダ東部では利用されないのである。[2006年2月に]スティーブン・ハーパー氏がカナダの首相に就いた翌日、「オイルサンド作業グループ」が米テキサス州ヒューストンで会合を開き、オイルサンドからの石油産出量を5倍に増やすよう勧告した。「パークランド研究所」のゴードン・ラクサー氏は、カナダはまるで米国のエネルギー衛星国のようだと嘆く。

 しかも、このオイルサンドからの石油産出は、環境にきわめて悪い影響を与えている。通常の方法で原油を産出する場合と比べると、実に3倍もの温室効果ガスを排出している。

 1月には、アルバータ州の「ペンビナ研究所」と「 WWFカナダ支部」がオイルサンドにある10の油田関する報告書を発表した(操業中、認可済み、認可申請中のものを含む)。

 それによれば、大部分の油田において包括的な環境方針が策定されているものの、独立の機関による評価をきちんと行っていたのはわずか2社に過ぎなかった。また、アルビアン・ムスケグ・リバー油田以外では、温暖効果ガス排出に関する基準すら決められていなかったのである。

 カナダの石油産出・輸入に関する事情を報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=山口響(IPS Japan )

日本、オリノコ油田を探査 ベネズエラと8月にも覚書

2008年07月21日 中国新聞ニュース

 政府は20日、従来の原油と異なるタール状原油の開発で、有力産油国のベネズエラと連携する方針を固めた。独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と国営ベネズエラ石油が、オリノコ川流域の油田探査協力の覚書を8月にも締結する方向で調整している。

 日本は輸入原油の9割を中東に頼っている。原油の調達先を多様化し、エネルギーの安全保障を強化する。

 日本政府が注目するのは、「非在来型」と呼ばれる原油。通常の原油は地下に液状でたまっているが、砂や岩に染み込んでいたり、タール状で存在したりする。開発コストは1バレル当たり40−60ドル程度と通常の原油に比べ数倍かかるが、最近の原油価格高騰で採算が合うようになり、事業化が徐々に進んでいる。

 ベネズエラを東西に横切るオリノコ川流域には、粘性の高い超重質油の「オリノコタール」が約2400億バレル眠っているとされる。通常の原油で世界最大のサウジアラビアに匹敵する埋蔵量だ。

海底油田開発規制を解除 米大統領、原油価格高騰に歯止め

2008年07月14日 NIKKEI NeT

 【ワシントン=米山雄介】ブッシュ米大統領は14日、原油価格高騰に歯止めをかけるため、米国沖の海底油田の開発を規制している大統領令を解除すると発表した。実際の規制解除には民主党が主導権を握る米議会での規制解除の決定が必要。油田開発再開に向け、米議会に圧力をかける狙いがある。

 米国は環境保全などの目的で、1980年代初期から周辺の海底油田の開発を禁止。ブッシュ米大統領は原油価格抑制には供給を増やすしかないとの見方から、かねて議会に規制解除を要請してきた。

 大統領は声明で「ボールは今や議会にある。行動を起こす時だ」と述べた。

原油確保へUAEと協力 30億ドル融資

2007年02月17日 中国新聞ニュース

 福田康夫首相は17日、来日中のアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・アブダビ首長国皇太子と首相官邸で会談し、原油確保に向け両国の貿易・投資を拡大することで一致した。国際協力銀行と民間銀行が計30億ドル(約3300億円)をUAEの国営石油会社に融資するなど、官民で協力関係を進める。

 UAEは日本にとってサウジアラビアに次ぐ原油輸入先で、2006年度の原油輸入量は約6250万キロリットルと全体の26%を占める。原油価格が高騰する中、政府はUAEのインフラ整備を支援して関係を深め、原油の安定確保につなげる狙いがある。

 会談後、両国企業による事業提携の署名式も官邸で実施。丸紅はUAEのアブダビ首長国政府と事業会社を設立し、大型発電所の建設や海水の淡水化事業に乗り出す。新日本石油やコスモ石油も現地企業とのリサイクルなどの共同事業で合意した。

国営企業の参画拡大を要求 カスピ海油田開発でカザフ

2007年09月06日 中国新聞ニュース

 【モスクワ6日共同】日本の国際石油開発が約8%の権益を持つカスピ海のカシャガン油田の開発について、カザフスタンのマシモフ首相は6日、カザフ国営企業カズムナイガスの参画拡大を要求すると表明した。

 資源の国家管理を強化する方針とみられており、日本や欧州、米国の企業が参加している同油田開発の先行きに不透明感が増してきている。

 開発はイタリアの石油大手ENIが主導し、カズムナイガスが持つ権益は約8%にとどまっている。首相は、ナザルバエフ大統領の指示により、同社は開発の「(主体的な)共同事業者となるべきだ」と述べた。何%の権益確保を目指しているかは明らかにしなかった。

 カザフ政府は先月末、環境法令違反を理由に同油田開発の3カ月間の中止を命令。開発の遅れやコスト増加も批判し、ENI側に巨額の損害賠償を求める姿勢を見せている。

日本参加の油田開発中止 環境法令違反でカザフスタン

2007/08/27 The Sasnkei Shimbun WEB-site

 カザフスタンのイスカコフ環境相は27日、世界有数の巨大油田とされ、日本の国際石油開発が約8%の権益を持つカスピ海のカシャガン油田について、開発企業が環境法令に違反したとして、開発が3カ月間中止されると発表した。インタファクス通信などが伝えた。

 カスピ海では最近、アザラシの大量死が相次いでおり、ロシア当局は同油田の開発企業による汚染が原因と指摘している。カザフの対応については、ロシアにならって資源の国家管理強化に乗り出したとの見方もある。

 油田開発はイタリアの石油大手ENIが主導しているが、カザフ政府は遅れやコスト増加も批判。イタリアのプローディ首相は10月にカザフを訪問し、開発継続を働き掛けるもようだ。

 環境相は、開発認可の権限を持つエネルギー鉱物資源省が「効果的な措置」を取るべきだとも述べた。(共同)

沖縄の石油基地提供 サウジ国王に首相が提案 閣僚級で協議へ

2007年04月30日 朝刊 東京新聞

 【リヤド=金井辰樹】安倍晋三首相は二十八日夜(日本時間二十九日未明)、サウジアラビアのアブドラ国王と夕食会、首脳会談を行った。安倍首相は、沖縄県にある石油備蓄基地を、サウジアラビアの商業用の拠点として利用することを提案。今後、閣僚クラスで議論を詰めることで一致した。 

 現在、沖縄の石油備蓄基地には、国家備蓄の約十日分、五百二十五万キロリットルの石油が備蓄されている。安倍首相の提案は、同基地のタンクの一部を空けて、サウジアラビアに提供しようというもの。

 この場合、石油は引き続き日本の備蓄としてカウントされ、緊急時には日本が優先的に購入できる。一方、サウジアラビアにとっても、現在約二十一日間かけて日本に送っている石油を、常に日本に保管することで、アジアや米国西海岸に石油を輸出する際、コストを大幅に節約するメリットがあるという。

 また両首脳は、両国関係を経済分野にとどまらず、重層的なものとして発展させる必要があるとの考えで一致した。

 会談後、(1)産業の投資機会を促進するため、官民合同のタスクフォースを設立する(2)自由貿易協定(FTA)を妥結するための両国の交渉を歓迎する(3)イラクの国民融和が重要だということを確認する(4)拉致問題の早期解決を含む、日本と北朝鮮との協議が進展することへ期待を表明する−などを盛り込んだ共同声明を発表した。

閣僚級経済委発足で合意 UAEと首脳会談

 【アブダビ=金井辰樹】中東諸国歴訪中の安倍晋三首相は二十九日午前(日本時間同日午後)、サウジアラビアを離れ、次の訪問国のアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに移動した。

 安倍首相は同日午後(日本時間同日夜)、ハリファ大統領と会談。両国の経済関係を強固にするため、閣僚級の合同経済委員会を発足させることを決定した。また、首相が北朝鮮の核開発、拉致問題の解決に向け、協力を求めたのに対し、大統領は「協力は不可欠だ」と応じた。

 この後、首相は日本経団連の御手洗冨士夫会長を団長とする訪問団が開くビジネスフォーラムなどに出席した。(以下略)

原油安定確保へ融資 アブダビに1200億円 JBIC

2007年04月29日 asahi.com

 国際協力銀行(JBIC)は、アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビ首長国の国営石油会社に対し、原油の安定供給を条件に融資する仕組みを導入する。年内に10億ドル(約1200億円)を融資する方向で調整中だ。産油国の資源ナショナリズムが高まり、日本が開発に直接かかわるのが難しい中、新しい形の原油確保策となりそうだ。

 協定は29日、中東歴訪中の安倍首相に同行しているJBICの篠沢恭助総裁とアブダビ石油公社(ADNOC)トップとの間で結ばれる。安倍首相と日本経団連の使節団約180人は、中東諸国との幅広いビジネスや技術交流の促進を狙っての訪問だ。

 ADNOCは、潤沢な資金力を背景に、これまで外部資金を導入してこなかったが、油価が高いうちに生産能力を強化するため外部から資金調達する方針に転じた。

 財務諸表を公開していないため市場からの調達が難しく、JBICが日本の民間銀行と協調し、ADNOCに初めて直接融資する。海外での資源開発向けの低金利での融資となる。

 ADNOCは、融資の見返りに日本の石油会社と長期の原油取引契約を結び、原油代金の中から借入金を返済する。10年程度の契約とみられる。10億ドルの規模は、JBICの融資でも大型だ。

 調達した資金をADNOCは、油ガス田の新規開発や拡張に投入し、生産能力を増強する。日本企業と共同で開発に成功すれば、日本の自主開発原油が増える。自主開発原油は現在、総輸入量の約1割にとどまっており、政府は2030年までに4割に引き上げる方針だ。

 資金は製油所の建設や電力や交通などのインフラ整備事業などにもつぎ込まれるため、JBICは日本企業の参入が増えると期待している。

 UAEは、日本の原油輸入量の約4分の1を供給している。油田権益の国有化が進む中、UAEは外資にも権益を開放し、日本企業ではジャパン石油開発など4社がアブダビ沖で操業。日本の自主開発原油の約半分はUAEに集中している。

 イラク戦争や中国の経済成長などで、世界のエネルギー需給は逼迫(ひっぱく)している。日本は安全保障の観点から、原油の輸入で9割近くに達する中東依存の比率を引き下げようとオーストラリアやサハリン沖などでの開発を進めている。今回の案件は中東だが、篠沢総裁は「長期で安定的に原油を確保できる意義は大きい」と話している。

資源保有国を4分類、安定確保目指し指針案

2007年03月10日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 政府が原油などエネルギーの安定的な確保を目指して策定する「資源確保指針」の原案が10日、明らかになった。

 産油国などを資源開発の発展段階別に4分類し、それぞれ対応策を示している。中国の急成長などでエネルギー需給が逼迫(ひっぱく)し、世界的な資源争奪戦が厳しさを増す中で、きめ細かいエネルギー外交を展開し、安定確保を図る狙いがある。指針の内容は、経済財政諮問会議が6月に決定する「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)」に盛り込み、必要経費を2008年度予算に計上する方針だ。

 指針原案は、産油国などの資源保有国を、「開発途上国」「成長途上国」「安定国」「潜在的資源国」に4分類して特徴を分析し、日本がとるべき対応策を示した。

 開発途上国は、外資の開発会社を積極的に受け入れて石油などの権益を与えている国々で、リビアやアンゴラ、ナイジェリアを例示した。欧米の国際石油資本(メジャー)や中国企業などが進出して競争が激しいため、相手国の政府トップらとの人的交流などで関係を深め、開発への投資を積極的に行う必要があるとした。

 もう少し開発が進んだロシアやベネズエラなどの成長途上国では、資源の国家管理を進めて「外資を排除する傾向が強まっている」と分析した。開発に伴う社会資本整備への投資や技術協力を進める一方で、他の資源消費国と連携して、安定供給のために資源国に圧力をかける必要があるとしている。

 サウジアラビアやクウェート、アラブ首長国連邦などの安定国は、資源がほぼ国有化されて「新たな権益は見込めない」が、安定的な資源供給契約を結ぶ必要があると指摘した。

 安定国には、資源枯渇への不安が高まっている国が多いため、石油化学工業など産業高度化の支援や、観光や金融など新産業の振興で協力を進める方針も示した。

 潜在的資源国は、政情不安などの問題を抱えて十分に資源開発が進んでいないイラクなどだ。円借款による復興支援や新たな開発案件への参加など、将来的な権益確保につなげる作戦を掲げた。

「エネルギー基本計画」を改定

2007.03.09 EICネット

 資源エネルギー庁は平成19年3月9日、「エネルギー基本計画」を改定したと発表した。

 「エネルギー基本計画」は14年6月に成立したエネルギー政策基本法の基本方針である「安定供給の確保」、「環境への適合」、「市場原理の活用」にのっとり、10年程度を見通してエネルギーの需給全体に関する施策の基本的方向性を示したもの。15年10月に閣議決定されているが、少なくとも3年ごとに内容について検討を加え、必要に応じて変更するとされている。

 今回の改定で示された主な内容は、(1)核燃料サイクルの早期確立など原子力発電の推進、(2)新エネルギー導入拡大に向けた支援策の推進、バイオマス由来燃料の導入促進による運輸部門のエネルギー多様化、(3)石油などの安定供給確保に向けた戦略的・総合的取組み強化、(4)省エネ政策強化、(5)地球温暖化問題に関する国際的枠組みづくりの主導、(6)エネルギー・環境分野の技術力強化とその戦略的活用−−など。【資源エネルギー庁】

ベネズエラ、オリノコ油田開発国有化の期限を5月1日に設定

2007/02/02 The Sekai Nippo

 【カラカス 1日 ロイター】 ベネズエラ政府は1日、国際石油資本(メジャー)が進めている同国オリノコ川流域の超重質油開発事業について、石油会社側が5月1日までに同事業の国有化に同意しなければ、事業を接収すると表明した。

 同事業には、米国のシェブロン、エクソンモービル、コノコ・フィリップス、ノルウェーのスタトイル、英BPなどが参加している。

 ベネズエラ国会は前日、チャベス大統領に18カ月間、大統領令だけで政策を実行できる権限を認める特別法を可決。同大統領は公約に掲げた資源国有化を加速することが可能になった。

 チャベス大統領は1日の会見で「5月1日にはオリノコ・ベルトのすべての油田を国の管理下に置くよう指示した」と表明。オリノコ川流域の4つの超重質油開発事業で、ベネスエラ政府が少なくとも60%の権益を確保すべきとの考えをあらためて示した。

 4つの開発事業の生産能力は合計で日量60万バレル。

 米政府は、米国企業が国際法に基づいて扱われることを望むと表明した。

日本がリビアの油田開発権獲得 撤退相次いだ中東に光明

2006/12/25 The Sankei Shimbun Web site

 ロイター通信によると、日本の国際石油開発が24日、リビアの油田開発権を獲得した。リビアの国営石油会社が明らかにした。日本はサウジアラビアとクウェートの中立地帯沖にあるカフジ油田の権益を失い、イラン・アザデガン油田でも権益が大幅に縮小された。リビアでの開発権の獲得は撤退が相次いだ中東での資源開発の新たな足掛かりとなりそうだ。

 対象は3鉱区で、国際石油開発のほか、米大手エクソンモービルやインドの石油天然ガス会社も取得。このうち、国際石油開発は3つの油井の権益12.9%を獲得した。

 リビアは大量破壊兵器の廃棄にも踏み切り、長らく敵対した米国と今年5月、26年ぶりに国交を完全に正常化。これに伴い、経済再建に向け積極的に外資導入を進める方針に転換した。(共同)

カタール製油所に出資 出光、コスモなど4社

2006/11/28 The Sankei Shimbun

 出光興産、コスモ石油など4社は28日、カタールで製油所を建設している「ラファン・リファイナリー」に合計で29%出資すると発表した。天然ガスを豊富に埋蔵するカタールとの関係強化を目指す。

 出光とコスモ石油がそれぞれ10%を、丸紅と三井物産がそれぞれ4.5%を出資する。いずれもカタールの国営石油公社が保有するラファンの株式を取得する。具体的な出資額は公表していない。製油所建設の総投資額は約8億ドル(約930億円)という。

 新たな製油所は2008年後半に完成する見通し。天然ガス田から産出する軽質原油を精製し、ナフサなどの石油製品を生産。東南アジアなどに輸出するという。

越で油田開発が活況 出光なども来月から試掘

2006/10/28 中国新聞ニュース

 原油価格の高騰で、ベトナムの油田開発が活気づいている。今年だけで既に3件の鉱区契約が成立、11月には南部の海域で出光など日本企業が試掘を始める。

 石油業界筋によると、ベトナム沖では現在8鉱区で生産中、5鉱区で近く生産が始まる。さらに、約20鉱区が探査・試掘中で、英BP、米シェブロンなどがしのぎを削っている。

 出光、新日本石油開発、帝国石油が共同開発するのは、南部ブンタオ沖約320キロのダイハー(大河)油田。2004年11月にベトナム石油ガス公社と契約を結び、探査をしていた。

 原油価格が低迷していた1990年代後半には「油田の維持費すら出ず、新たな探鉱に回す資金的余裕がない」(業界筋)状況だったが、価格が騰勢に転じた04年ごろから各地で油田開発が盛んになった。

 業界筋は「採算が取れず先行企業が手放した鉱区の再契約が多い」と指摘。「原油相場の高止まりが続けば採算は取れるという見通しで、新たな鉱区でも開発が始まっている」と話している。(ホーチミン共同)

2030年地域新エネ50%イニシアチブ

2006年11月 富士通総研 主席研究員 田邉 敏憲

要旨

 2030年の日本の長期エネルギービジョンが出揃ってきた。本年5月の「新・国家エネルギー戦略」は、2030年の総一次エネルギー供給量を4億石油換算トンと想定した点が画期的。また再生可能(新)エネルギーの導入目標は明示されていないが、最低限0.6億トンが再生可能エネルギー分担との含意が窺え、バイオエタノールなどの新燃料導入、蓄電池の普及による電気自動車や蓄電併設の太陽光・風力発電の普及を想定している。

 「新国家エネルギー戦略」実現の鍵となる新エネのウエイトを引上げ、かつ持続可能な地域産業創出の観点から新エネ普及と地域産業振興という一石二鳥の、次なる国家戦略がより重要となる。こうした視点から、より踏み込んだ「2030年地域新エネ50%イニシアチブ」といった構想を提示する。その際、新エネを軸とする地域分散型エネルギークラスター構築を軸にすえ、どの地域でも最大需要の一つである光熱・燃料などに、地域の豊かな新エネ資源(太陽光・風力、バイオマス)と蓄電技術等の組み合わせで供給する仕組みをつくる。いわば“地消地産”型のクラスター構築に向けた次なる国家戦略である。

 蓄電技術開発や各種新事業・新商品の開発といったイノベーション、あるいは地域別の最適規模の「地域新エネ産業クラスター」構想の提案競争等によって、一気にわが国の地域新エネ50%目標達成も現実味を帯びてくる。 全文はPDFファイルをご参照ください。

 PDF 2030年地域新エネ50%イニシアチブ [1546 KB]

露ガスプロム、極北ガス田開発から外資を排除

2006/10/10 The Sankei Shimbun

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシア国営天然ガス独占企業体ガスプロムは9日、同国極北バレンツ海にある世界最大級とされるシュトックマン・ガス田(可採埋蔵量3兆2000億立方メートル)開発について、外国企業5社との交渉を打ち切り、独自開発に乗り出すと発表した。ロシアのプーチン政権は、同国の戦略産業と位置づけるエネルギーなど資源部門から外資を排除し、統制を強化する姿勢を鮮明にした。

 ガスプロムは同日、経営会議で交渉の打ち切りを正式決定。ミレル社長は「埋蔵量に見合う権益交換の提案がなかった」と説明した。また、すでに開発資金の手当てのほか、極北での開発技術や液化天然ガス(LNG)化の技術なども確保したとして、単独開発に踏み切ると強調した。プーチン政権の意向を反映した措置とみられる。

 ガスプロムは昨年9月に、提携企業候補として日本の三井物産と住友商事を含む外国企業9社の中から、米国のシェブロンと、コノコフィリップス、仏トタル、ノルウェーのスタトイルとノルスク・ヒドロに絞り、条件交渉を続けていた。

運輸エネルギーの次世代化など提唱 「新・国家エネルギー戦略」を策定

2006.05.31 EICネット

 資源エネルギー庁は、原油価格の高騰や温暖化防止などの課題に応えたエネルギー安全保障強化策の方向性を示す「新・国家エネルギー戦略」を2006年5月31日までにまとめた。

 この「戦略」は、(1)国民に信頼されるエネルギー安全保障の確立、(2)エネルギー問題と環境問題の一体的解決による持続可能な成長基盤の確立、(3)アジアと世界のエネルギー問題克服に向けた日本の貢献−−を2030年までに達成すべき最終目標として設定するとともに、この目標を実現するための具体的な取組み内容、取組みごとの数値目標などをまとめている。

 なお、取組み内容には、(一)省エネ技術のトップランナー支援強化(数値目標:2030年までのエネルギー効率30%改善など)、(二)バイオ燃料の導入率向上などの運輸エネルギーの次世代化(同:2030年の石油依存度・80%程度の実現など)、(三)新エネ技術の革新促進(同:2030年までの太陽光発電コストの火力発電並み実現など)、(四)原子力の推進(同:2030年以降の発電電力量中の原発比率30〜40%程度以上実現など)、(五)メタンハイドレート開発、石炭のクリーン利用を含む、新資源確保策の戦略的展開(同:2030年の石油自主開発比率40%程度実現(引取量ベース)など)、(六)アジアとのエネルギー・環境分野での協力推進(同:アジアのエネルギー利用効率向上)−−などが盛り込まれている。

 「戦略」は、06年5月31日開催の「経済財政諮問会議」にも報告された。【資源エネルギー庁】

30年までに自主開発原油比率40%へ 原油高騰で積極路線

2006/05/29 The Sankei Shimbun

≪総合資源エネ調査会の最終報告案≫

 経済産業省の総合資源エネルギー調査会は29日、原油輸入量に対する自主開発原油の比率をいまの15%から平成42(2030)年までに40%へ引き上げる「新国家エネルギー戦略」の最終報告案をまとめた。現状では約50%の石油依存度は「40%を下回る水準」に低下させる。近く正式決定し、18年度中に改定する政府のエネルギー基本計画に反映させる。

 政府は旧石油公団が、油田投資で多額の損失を生んだことから、自主開発を後退させていたが、原油高騰によって再び積極路線へかじを切り、日本のエネルギー政策は転換期を迎える。

 世界的なエネルギー需要は、中国やインドの経済成長で増加傾向が続く見通し。日本も政府主導で油田投資を加速し、欧米の石油メジャーや、新興国との資源開発競争に臨む。

 最終報告案は省エネ、原子力発電など主要政策に、42年をめどとする数値目標を設定。乗用車、トラックなど輸送用燃料の石油依存度は、アルコール燃料の活用などで80%にする。

 家電の消費電力の節減や自動車の燃費改善などにより、エネルギー効率を30%改善する。発電量に占める原発の比率は現在よりやや高めの30−40%以上とし、高速増殖炉の実証炉の実現時期は5年繰り上げて37年ごろを目指す。

 一方、エネルギー外交では、海外での油田権益を安定確保するため、産油国への政府開発援助や経済連携協定を活用。ハイブリッド車や液晶に欠かせない希少金属など鉱物資源の探鉱開発への支援も強化する。

国際石油帝石、インドネシア鉱区で天然ガス生産

2006/05/18 The Sankei Shimbun

 国際石油開発帝石ホールディングスは18日、子会社のインペックススマトラが権益を持つインドネシアの南東スマトラ沖鉱区で天然ガスの生産を始めたと発表した。原油換算で日量約1万3000バレルの天然ガスを海底パイプラインでジャワ島西部にあるPLN(インドネシア国営電力)の発電所に供給する。日本などへの輸出はしない。

 同鉱区は中国国有の石油大手、中国海洋石油(CNOOC)が権益の65%強を保有し、開発を主導している。インペックススマトラの権益は13%強。権益の契約期間は2018年まで。同鉱区では原油も日量5万8000バレル生産している。国際石油帝石グループがインドネシアで天然ガスの生産に携わるのは四件目。 (18:41)

三井物産、米国で初の油田開発権獲得へ 買収額5億ドル

2006/04/21 The Sankei Shimbun

 三井物産は21日、関連会社の三井石油開発と共同で、メキシコ湾の海上にある原油・天然ガス田の権益の50%を取得すると発表した。買収額は約5億ドル(約585億円)の見込み。三井物産としては米国で初めて原油、ガスの大型開発権を持つことになる。

 海上鉱区を保有している米国の独立系資源開発会社ポゴ・プロデューシング・カンパニーから権益の半分を買い取る。原油とガスを合わせた埋蔵量は約2400万バレルとみられる。既に半分以上の鉱区が生産を始めており、三井物産は残る鉱区の開発や生産を急ぐ。

インドにメジャー続々 シェブロン、現地大手提携で油田開発も

2006/4/17 Fujisankei Business i

 米メジャー(国際石油資本)のシェブロンは、印石油化学最大手リライアンス・インダストリーズとの提携を通じ、インド事業を拡大する。リライアンス傘下の石油精製会社株の取得を発表したのに続き、リライアンスとともに、インド国内の油田・天然ガス田入札にも参加する意向を明らかにした。他のメジャーの進出も加速しており、インド市場をめぐる外資勢の争いが激化しそうだ。(黒川信雄)

 シェブロンは十二日、リライアンスの石油精製部門が分離・独立して発足したリライアンス・ペトロリアムのIPO(新規株式公開)に先立ち、5%の株式を総額三億ドル(約三百五十一億円)で取得することで合意。さらに出資比率を最大29%まで引き上げる権利を得たと発表した。

 リライアンス・ペトロリアムは、日量五十八万バレルの世界最大の製油所をインド西部に建設する費用にシェブロンの出資を充てる。

 またロイター通信によれば、シェブロンはインド政府が進めているインド国内の油田・天然ガス田の売却計画にリライアンスと共同で入札するほか、インドでのガス販売、技術開発などで協力する方針だ。

 シェブロンのワース上級副社長はロイターに対し「十億人の人口を持ち需要が急増するインド市場の開拓はまさにわれわれが求めていたものだ」と述べ、インド事業強化に強い意欲を示した。

 他のメジャーでは今年一月、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルが石油生産最大手のインド石油天然ガス公社(ONGC)と石油・ガスの生産から販売まで複数分野で包括的に協力を進めることで合意している。シェルは提携を通じインド市場を開拓。ONGC側はシェルの技術力を取り込む狙いだ。また仏トタルも、民間石油大手ヒンダスタン・ペトロリアムとの提携を模索していると伝えられている。

 インドのエネルギー消費の半分は石炭が占めるが、石油需要も近年の経済成長を背景に拡大しており、〇四年は約一億二千万トンでドイツに次ぐ世界第六位。経済成長に伴い、消費量の伸びが加速度的に高まるとみられている。

 欧米の石油大手は、中国に次ぐ有望市場としてインドへの関心を高めており、競争は一段と激化しそうだ。

国際石油帝石、豪州でガス田開発へ 2012年生産目標

2006/04/10 The Sankei Shimbun

 資源開発国内最大手の国際石油開発帝石ホールディングスは10日、2012年をめどにオーストラリアで大規模な天然ガス生産を始めることを明らかにした。日本の輸入量の約1割に当たる年間約500万トンを産出する計画で、投資規模は最大7000億円程度。日本企業が権益を100%保有しており、生産が軌道に乗れば安定調達先となる。

 生産するのは、同社グループが98年に権益を取得したオーストラリアの「イクシスガス田」。今月中にも同政府に開発の環境調査を申請。今後、国内の電力、ガス会社などに購入を打診し、開発計画の詳細を詰める。

 投資費用は、沖合のガス田から陸地までガスを運ぶ海底パイプラインや、運搬のためのプラント、積み出し施設などに充てる。投資規模が巨額なため、内外の資源開発企業にも計画への参画を呼びかける。

 同ホールディングスは、国際石油開発と帝国石油が3日に統合して設立された共同持ち株会社で、石油や天然ガスの開発などを手がける。

豪ガス田に数千億円投資 国際石油開発帝石

2006/04/09 The Sankei Shimbun

 資源開発で国内最大手の国際石油開発帝石ホールディングスが、西オーストラリア沖合で権益を持つガス田を開発し、開発プロジェクトの投資額が5500億−7000億円規模となる見通しであることが9日、分かった。

 同社は西オーストラリア沖合約200キロにある「イクシスガス田」の権益を100%保有しているが、今後国内外の石油開発企業からプロジェクトへの参加を受け入れ、巨額の投資リスクの分散を図る方針。

 ガス田は、同ホールディングス傘下の国際石油開発が1998年に権益を取得。試掘を行ってガスの埋蔵を確認するなど、開発の準備作業を進めていた。

 投資費用は、ガス田のほか、沿岸部までガスを運ぶためのパイプライン、液化天然ガス(LNG)にするプラントなどの建設に充てる。

 生産量は日本の天然ガス輸入量の約10%に当たる年間500万トン程度を計画しており、日本の都市ガス会社や電力会社への売り込みを狙う。

 同ホールディングスは国際石油開発と帝国石油が設立した共同持ち株会社で、3日に株式を東京証券取引所第1部に上場した。

国際石油開発と帝国石油、共同持株会社「国際石油開発帝石ホールディングス」を設立

2006年04月03日 NIKKEI NET

国際石油開発帝石ホールディングス株式会社の設立・上場について

 国際石油開発株式会社と帝国石油株式会社は、本日、株式移転により共同持株会社「国際石油開発帝石ホールディングス株式会社」を設立いたしました。また、本日付で東京証券取引所第1部に上場いたしましたので、併せてお知らせいたします。

 「国際石油開発帝石ホールディングス株式会社」は、バランスの取れた資産ポートフォリオの構築、健全な財務基盤の更なる強化、資源開発のための技術力の結集を通じて、強い国際競争力を備えた経営基盤を確立し、企業価値の持続的な成長を目指してまいります。

 「国際石油開発帝石ホールディングス株式会社」の平成19年3月期業績予想は下記のとおりです。

三井物産、豪州北西海上のヴィンセント油田開発への投資を決定

2006年03月27日 REUTERS

 [東京 27日 ロイター] 三井物産<8031.T>は27日、同社の100%子会社のミツイ・イー・アンド・ピー・オーストラリア(MEPAU)社が40%の権益を持っているオーストラリアの「ヴィンセント油田」について、60%の権益を保有する豪州ウッドサイド・エナジー社とともに、約7億2000万ドルの開発予算による投資を決定したと発表した。三井物産の負担額は2億9000万ドル(約340億円)となる。

 ヴィンセント油田は、オーストラリア北西沖の鉱区内にある未開発油田群。今回の決定を受けて、2006年末をめどに掘削を開始し、2008年の生産開始を予定している。生産量は生産開始直後のピーク時で、1日あたり約10万バレルを見込んでいる。 

 ヴィンセント油田は、MEPAU社が2004年3月、豪州北西海上の未開発油田群として、エンフィールド油田、ラヴァーダ油田とともに、40%の権益で参画を決定した。エンフィールド油田についてはすでに2006年後半の生産開始を予定しており、ピーク時の生産量は1日あたり約10万バレルを見込んでいる。

 三井物産によると、ラヴァーダ油田の開発にあたる投資計画については未定としている。

新日本石油、「ランドン油田随伴ガス回収・有効利用」がCDMの承認取得

2006年02月10日 Nikkei NET

 新日本石油は、ベトナムのランドン油田でグループの石油開発プロジェクト会社がオペレーターとして推進してきた二酸化炭素(CO2)削減プロジェクトが、クリーン開発メカニズム(CDM)として国連のCDM理事会から承認を受けたことを明らかにした。

 このプロジェクトは、ランドン油田(海上)で原油生産の際に発生する随伴ガスを、従来のように海上で燃焼することなく回収し、新たに海底に敷設したパイプラインで発電燃料としてベトナム国内の発電所に供給するもの。既存の発電燃料の消費を削減でき、年間68万トンのCO2削減が可能になるという。

 同プロジェクトはCO2削減プロジェクトとしては世界最大、原油生産に伴う随伴ガスの回収・有効利用プロジェクトとしては世界で初めてのCDMという。

 今後、削減量の実績値を確定する審査の後、正式に排出権が発行される予定(日経エコロジー編集/EMF)。

新日石、世界最大の排出権 CO2削減 ベトナムで年68万トン

2006/02/08 Sankei ECO

 新日本石油は七日、グループ企業が操業するベトナムのランドン油田で取り組んでいる地球温暖化ガスの二酸化炭素(CO2)削減プロジェクトが、削減分を排出権として受け取ることができる「クリーン開発メカニズム(CDM)」の承認を受けたと発表した。

 原油採掘時に発生するガスをこれまでは燃焼処理していたが、パイプラインで内陸の発電所に送り、燃料として使用する。CO2削減量は年間六十八万トンに上り、これまで承認されたCDMの中では、世界最大となる。

 CDMは、先進国の企業が途上国への技術支援や資金援助で温暖化ガスを削減した場合、その削減分を排出権として受け取れる仕組みで、一九九七年に採択された京都議定書で認められた。排出権は、削減目標を達成できない国や企業に売却することができる。

 ランドン油田は、新日石の子会社「日本ベトナム石油」が権益の約47%を保有し、運営も行っている。削減プロジェクトは、二〇〇一年十二月に稼働した。海底にパイプラインを敷設し約百五十キロ離れた三カ所の発電所にガスを送っている。

 同社では、最低でも〇一年から一〇年までの十年間の排出量六百八十万トン分の排出権を受け取ることができる見通し。今後、削減量を確定する手続きを進め、国際機関の「CDM理事会」から発行を受ける。

国連が温暖化防止で承認 新日石のベトナム沖油田

2006/02/07(共同通信)YAHOO!ニュース

 新日本石油は7日、同社のベトナム沖油田で原油生産の際に出る天然ガスを回収し発電所の燃料に活用する事業が、地球温暖化防止の二酸化炭素(CO2)削減プロジェクトとして、国連機関の承認を受けたと発表した。原油採掘の際に噴出する随伴ガスの有効活用が承認されたのは石油業界で初めて。

 CO2削減量は2011年までの10年間で約680万トンに上り、京都議定書で定められた国連のクリーン開発メカニズム(CDM)に基づくCO2削減事業としては、世界最大規模となる。

 ガスの回収は、石油開発を手がける新日本石油の子会社が、ベトナム南部沖のランドン油田で2001年12月から実施している。

新・国家エネルギー戦略

2006/01/05 持続可能な社会と金融のCSR

◆石油依存40%以下に、2030年目標…新エネ戦略

 日本の新しいエネルギー政策の指針として経済産業省がまとめた「新・国家エネルギー戦略」の全容が5日、明らかになった。

 中国の需要急増などで激化する国際的な資源確保競争をにらみ、「エネルギー安全保障」の強化を前面に打ち出したのが特徴だ。1次エネルギーに占める石油の割合を示す石油依存度を、現在の50%から40%以下に引き下げるなど、2030年の数値目標も盛り込んだ。

 国が分野別の数値目標を示した包括的なエネルギー戦略を作るのは初めて。実現すれば、太陽光など新エネルギーの利用がより身近になるなど、国民生活にも影響を与えそうだ。

 経産省は2月にも新・国家エネルギー戦略の骨子を公表し、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)で検討、修正したうえ、6月に正式にとりまとめる方針だ。これを踏まえて秋以降、エネルギー基本計画を改定し、実現を図る。

 新戦略は〈1〉省エネ〈2〉石油依存度の低減〈3〉資源確保〈4〉原子力推進〈5〉国際協力〈6〉エネルギー企業の育成――の六つの課題で2030年の数値などの目標を掲げた。

 省エネでは、家電製品などの省エネ基準の見直しや省エネ技術の開発などにより、すでに世界最高水準にある国内総生産(GDP)当たりのエネルギー消費を現在より30%改善する。実現すれば、第1次石油危機当時の1973年と比べて2倍以上もエネルギー効率が良くなる。

 石油依存度の引き下げでは、太陽光や風力などを使った新エネルギー産業の確立を目指す。ほぼ100%を石油に依存する自動車などの運輸部門では、燃料電池のほか、天然ガス、植物由来のエタノールなどの燃料を導入し、約20%を「脱石油」エネルギーで賄う。

 日本の石油開発企業による自主権益を増やし、石油輸入量の40%を日本企業の権益下から調達することや、電力需要に占める原子力の割合を現在の約30%から「30〜40%以上」の水準に高めることも盛り込んだ。

 アジア各国の経済成長や石油輸出国機構(OPEC)の原油生産余力の低下で、原油価格は高止まりが続き、世界的なエネルギー資源の争奪戦が激しさを増している。新戦略は、国際テロなどで石油調達が困難になる事態があっても国内のエネルギー利用に支障が出ないよう、石油以外のエネルギーの実用化を急ぎ、省エネの一層の推進が必要だと強調している。

国際石油開発と帝石の持ち株会社 新日石と資本・業務提携へ

2005年12月20日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 新日本石油、国際石油開発と帝国石油の3社は19日、国際石油開発と帝石が2006年4月に設立する統合持ち株会社と新日石が、油田の共同開発や株式の持ち合いの強化などを柱とする資本・業務提携を結ぶと発表した。元売り最大手の新日石と、石油開発最大手の国際石油開発グループが手を結び、巨大石油グループが誕生することになる。

 提携により、新日石は国際石油開発と帝石が権益を保有している油田などの開発に参画する。生産した原油については、可能な限り国内に持ち込み、新日石が精製して国内で販売する方向だ。

 帝石の筆頭株主である新日石は、現在20・4%の帝石株の持ち株比率が統合後は3・8%に圧縮されるが、統合会社株を市場などから調達し、08年6月までに5%程度に高める。一方、統合会社は発足時に0・7%となる新日石への持ち株比率を1・5%まで高め、持ち合い関係を強化する。また、現在帝石に社外取締役を派遣している新日石は、統合後も役員を派遣する。

 国際石油開発と帝石の経営統合を巡っては、新日石が「事前に十分な説明がなかった」などと反発していた。今回の資本・業務提携の締結で、3社の関係修復は表面上は図られるが、国際石油開発は、「上流(油田開発)専業で事業を強化する」(黒田直樹社長)としており、「上下流(開発から末端販売までの)一貫操業体制の構築」を主張していた新日石との溝は完全には埋まっていない。

 さらに、提携では統合会社に対する新日石の持ち株比率の上限を7・5%に設定し、新日石の影響力が一定以上にならないよう取り決められた。このため、今後、統合会社と新日石の協業が順調に進むかどうか疑問視する声は消えていない。

新日石 国際石油に提携提案へ

2005年11月24日 読売新聞 Yomiuri On-Line
帝石も含め、共同開発狙う

 新日本石油は23日、来年4月に経営統合する国際石油開発と帝国石油に対し、海外の原油、ガス田の共同開発を柱とする業務提携を提案する方針を明らかにした。帝石の筆頭株主である新日石は、2社の経営統合の行方を注視しており、国際石油開発が権益を持つ油田開発に資本参加することで、日本の自主開発原油の安定確保を目指す。政府が筆頭株主である国際石油開発と、元売り首位の新日石が手を組んだ巨大石油連合が誕生する可能性もある。

 新日石の提携案は、国際石油開発が権益を持つカスピ海、インドネシア、豪州、中東などの油田・ガス田のうち、未開発の鉱区でのプロジェクトに新日石が資本参加する案が有力だ。また、帝石の国内ガスパイプラインの共同利用も目指す。

 国際石油開発と帝石が提携を受諾すれば、来年1月31日の両社の臨時株主総会で、日本の石油中核会社の誕生を支援する方針だ。

 提携によって新日石が確保する自主開発原油は、日本の近くで原油生産中の海外石油会社と交換するなどし、国内に供給する。

 新日石は、現在日量15万バレルの自主開発原油を、今後10年間で1兆円かけて日量30万バレルまで拡大する計画だ。この計画は、資本・業務提携している帝石が保有する油田などの生産拡大も見込んでいた。だが、帝石が国際石油開発に事実上、吸収される形で経営統合すれば、新日石の開発部門の強化が不十分となる懸念があった。提携によって、日量30万バレルの確保を引き続き目指す方針だ。

 新日石は今月15日に帝石株を買い増して持ち株比率を20・4%とし、大株主として発言力を高めている。

帝石、統合後も合併・買収

2005年11月21日 読売新聞 Yomiuri On-Line

“和製メジャー”にらみ方針

 帝国石油は19日、石油開発の“和製メジャー”を目指し、来年4月の国際石油開発との経営統合後に、国内外の石油開発会社と、さらにもう一段の再編を検討する方針を明らかにした。経営統合後も原油生産量が欧米の国際石油資本(メジャー)の約10分の1にとどまるため、「メジャーの3分の1から半分程度」(椙岡(すぎおか)雅俊社長)の日量100万バレル規模の体制をめざす。統合後、国内に約20社ある石油開発会社や海外の独立系の石油会社などを対象にM&A(企業の合併・買収)を検討し、上流(石油開発)部門をさらに強化する。

 統合会社は油ガス田の生産開始などで、生産量を2009年度に現在の5割増の日量56万バレルに引き上げる計画だ。しかし「中堅グループのトップにならないと、メジャーに対抗できない」(椙岡社長)のが実情で、生き残りのためには日量の生産量を計画の2倍以上に引き上げる必要があるという。

国際石油開発と帝石 統合へ

2005年11月07日 読売新聞 Yomiuri On-Line

資源獲得に危機感

 石油開発で国内最大手の国際石油開発と同3位の帝国石油が5日、経営統合して「国際石油開発帝石ホールディングス」を2006年4月に設立することで合意したのは、国際的な資源獲得競争が激化し、経営規模の拡大が油田権益の獲得には欠かせないとの危機感に基づくものだ。だが、統合後も、石油などの生産量は欧米の国際石油資本(メジャー)の10分の1程度に過ぎない。同ホールディングスが、世界の原油獲得競争で一定の存在感を示すことができるかどうかは不透明だ。

 ■規模拡大

 同日、都内のホテルで記者会見した国際石油開発の松尾邦彦会長は、統合を決断した理由について、「強靱(きょうじん)な経営体力を持たないと、(資源獲得の)国家的要請に応えられない」と述べた。

 国際石油開発の石油などの04年度の生産量は日量33万バレルだが、「メジャーの背中は見えず、中国などの開発会社にも負けている」(石油業界筋)のが現状だ。中国海洋石油は、今年8月に断念したが、米ユノカルの買収に動くなど規模拡大に必死だ。

 石油開発は、油田開発で得た利益を、新規の油田開発に再投資するには同50万バレルは必要とされる。統合で両社の生産量は同37万バレルに増え、今後、両社が保有する油田などの生産開始で09年度には同56万バレルまで拡大する。

 ■期待

 統合交渉は、海外での石油開発に強みを持つ国際石油開発と、新潟のガス田開発などに実績がある帝国石油の間で、今年6月ごろから本格化したという。

 統合で両社の優秀な技術陣をイランのアザデガン油田など世界各地で活用する相乗効果が期待される。

 また、帝国石油が試掘権を持つ東シナ海の開発に、政府が約36%の株式を保有する国際石油開発が関与でき、中国との資源獲得交渉に日本政府の意向を強く反映する可能性もある。

 松尾会長は「(再編相手を)幅広く検討する」としており、統合会社が“和製メジャー”に成長する期待もある。

リビアで油田開発権落札 新日石など日本企業5社

2005/10/03 The Sankei Shimbun

 新日本石油や三菱商事など日本企業5社が、世界8位の石油埋蔵量を持つリビアでの国際入札に参加し、油田開発権を獲得したことが3日、分かった。日本企業が同国で油田開発権を獲得したのは初めて。

 日本企業が参加する石油資源開発事業としては、ロシアのサハリン・プロジェクト以来の大規模事業となる可能性が高い。原油高騰で石油資源の争奪戦が激しくなっている中で石油の安定供給に役立ちそうだ。埋蔵が確認できれば「2011―12年に生産を始める」(帝国石油)方針。

 石油元売り大手の新日本石油は子会社を通じて、三菱商事や石油資源開発と組み2鉱区の開発権を獲得。帝国石油と三菱商事が2鉱区を落札した。ほかに、国際石油開発はフランスの石油大手トタールと組んで鉱区を獲得、石油資源開発は単独でも獲得した。

 探鉱によって原油埋蔵量を確認する。日本企業が探鉱段階で投資する金額は計約200億円となる。リビアはガソリンを大量に精製でき高値で取引される軽質油の産地。埋蔵量は探鉱作業を経ないと不明だが帝石は、落札した2鉱区は計4億―10億バレルと想定している。

 国連制裁によって経済的に疲弊したリビアは、油田開発への外資導入を切り札にして経済再建を進めている。今年1月の国際入札では米系石油会社が落札した。(共同)

ベトナム沖ランドン油田 累計原油生産量1億バレル達成について

2005/08/05 新日本石油

 当社(社長:西尾 進路)の石油開発部門である新日本石油開発株式会社(社長:大森 輝夫、当社100%出資会社、以下「新日石開発」)が出資する日本ベトナム石油株式会社(以下「JVPC」)は、ベトナム沖ランドン油田におきまして、本年6月に累計原油生産量が1億バレルに達しましたのでお知らせいたします。

 1980年以降、日本の会社がオペレーターとして探鉱・開発を実施した油田では初めての累計原油生産量1億バレルを達成いたしました。1億バレルは日本国内で消費される原油のおよそ24日分に相当いたします。

 なお、8月4日(木)には、ベトナム シェラトンハノイホテルにおきまして当社会長 渡 文明および新日石開発社長 大森 輝夫が出席のもと、1億バレル達成を記念したセレモニーを実施いたしました。併せて、1億バレル達成記念事業の一環として、身体障害児童のリハビリテーション施設の新設資金10万ドルをベトナム・クアンチー県の人民委員会(県の行政機関)に寄付いたしました。

              記

1. ベトナム沖ランドン油田の概要

1992年10月、ベトナム沖に鉱区権益取得以降JVPCがオペレーターとして探鉱活動を実施し1994年6月、試掘1号井でランドン油田を発見いたしました。同油田の現在の生産量は45,000バレル/日であり、今後、掘削済みの生産井を順次立ち上げ、将来の生産量60,000バレル/日まで増産を予定しております。

2. 日本ベトナム石油株式会社の概要

(1) 商号  日本ベトナム石油株式会社

 (2) 代表者 取締役社長 大森 輝夫

(3) 所在地 東京都港区西新橋一丁目3番12号

(4) 設立年月日 1992年8月21日

(5) 事業内容 ベトナムにおける石油・天然ガスその他鉱物資源の探鉱、開発および採取他

(6) 資本金 22,530百万円

(7) 株主構成 新日本石油開発(株)53.13% 新日石資源投資(株)43.94% 三菱商事(株) 2.93%

小泉首相、ラジオで「脱石油戦略」策定を語る

2005/04/16 EIC ネット

 全国38局のラジオ局を通じて放送される政府広報番組「小泉総理ラジオで語る」の2005年4月16日の放送で、石油に頼らない社会の構築をめざすための「脱石油戦略」の策定が取り上げられた。

 この番組で小泉首相は、新しく完成した新公邸の屋根に太陽光発電パネルを設置し、世界初の家庭用燃料電池発電システムを導入したことを紹介したほか、今夏から小泉首相以下各大臣が、冷房入らずのノーネクタイ、ノー上着姿で執務を行い省エネに努めると発表。

 さらに、このような足下からの取り組み以外に、風力や太陽光、燃料電池やバイオエネルギーなどの新エネルギーの開発と省エネルギーの推進により、石油に頼らない脱石油社会を実現し、環境保護と経済発展の両立を達成したいとの抱負を語った。

 小泉首相は放送前日の4月15日に「総合エネルギー対策推進閣僚会議」を開催。新技術を活用し、エネルギーの石油依存度を引き下げる「脱石油戦略を策定するよう指示していた。【首相官邸】

随伴ガスの利用法を調査 東北電、カザフスタンで

2005/02/07 The Sankei Shimbun

 東北電力は7日、石油採掘に伴い発生する天然ガス(随伴ガス)の有効利用法を探る調査をカザフスタンで実施すると発表した。日本貿易振興機構(JETRO)の事業に採択された。

 カザフスタンには多数の油田があるが、ほとんどの随伴ガスが有効利用されないまま大気中に放出されている。同社は「有効利用が実現すれば、同国の新規産業創出や環境改善が期待できる」としている。

 調査は、カザフスタン西部の油田地帯を対象に実施。発電事業やガス処理の過程で発生する硫黄の利用法などを検討。同国で随伴ガスを利用するためのエネルギー総合計画を作成するほか、日本企業の事業参入の可能性なども調べる。

 東北電力は2003年、カザフスタンで京都議定書に基づく日本初の共同実施(JI)事業となる高効率火力プラントを着工している。(共同)

国際石油開発が上場 公募上回り初値57万6000円

2004/11/17 The Sankei Shimbun
 石油・天然ガス開発の国際石油開発が17日、東京証券取引所第1部に上場、同日午前の取引では、初値は公募価格の46万5000円を上回る57万6000円を付けた。

 来年に廃止される石油公団の資産売却の一環で、公団子会社の株式上場は昨年12月の石油資源開発に続き2社目。市場での調達額は約1600億円に上り、電源開発、新生銀行に次ぐ、ことし3番目の大型上場となる。

 原油価格の上昇などでエネルギーの安定供給に対する懸念が高まっており、日本の資源開発の中核企業としての成長が期待されている。

 公団は国際石油開発の発行済み株式(約192万株)の54%強を保有、今回の上場に関連して約18%を放出。上場で得た資金は公団の赤字穴埋めに使われる。

 海外の資源開発を目的に1966年に設立された。インドネシアで大規模な石油ガス田の開発に成功し、オーストラリア分とともに現在の収益の柱。ほかに中東、カスピ海沿岸、南米などにも権益を保有する。

 上場に際し、普通株とは別に石油公団を割当先とする種類株を発行。外資系企業の経営支配などに対する拒否権を与える。

丸紅が北海の油田権益を取得、日量1万2千バレル

2004/09/27 読売新聞 Yomiuri On-Line
 丸紅は27日、北海にある油田の権益を保有する英国の投資会社「エナジー・ノース・シー・ホールディングス」を買収することで同社の株主と合意したと発表した。

 英政府の承認を経て、10月初旬に株式を買い取る。買収金額は明らかにしていない。

 同社が保有する4鉱区の原油・ガス産出量は原油換算で日量1万2000バレルで、今回の買収によって丸紅の原油・ガス生産量は日量3万8000バレルに拡大する。

国際石油開発、北カスピ海で新たに石油成分確認

2003年12月07日 The Sankei Shimbun
 石油公団系の国際石油開発(東京都)が8.33%を出資するカザフスタン・北カスピ海沖合の石油開発プロジェクトが最近、開発準備中の大油田の近くで、試掘から新たに石油・天然ガス成分の産出を確認した。鉱区内の構造のほとんどから採掘が可能になりそうで、事業の採算性はさらに向上する。

 北カスピ海沖合鉱区では、00年に「過去30年で最大の発見」とされるカシャガン油田(推定可採埋蔵量70億〜90億バレル)が見つかった。今回は、これに近接するカシャガンサウスウエスト、アクトテの各構造から成分を確認した。

アラスカの油田開発は見送り 米エネルギー法案成立へ

2003/11/15 asahi.com
 ブッシュ米大統領が経済政策の柱の一つに掲げてきた、包括エネルギー法案が成立する見通しとなった。米上下院でともに多数を占める共和党内で、法案の内容について合意に達したためだ。焦点となっていたアラスカ州の「北極圏国立野生生物保護区」(ANWR)での油田の掘削は、共和党の一部にも自然への配慮を理由にした反対があり、見送る。

 アメリカのエネルギーの輸入依存度は石油で5割を超える。法案は石油や天然ガス、石炭などの供給量拡大や、原子力発電所の増設などで国内のエネルギー供給量を増やし、輸入依存度を減らすのが目的。メキシコ湾の深海油田開発や、アラスカの天然ガスを送るためのパイプライン建設、トウモロコシを原料としたエチルアルコールをガソリン添加物として利用することを拡大する策などが盛り込まれている。

 今年8月に米国とカナダで起きた大停電の再発を防ぐため、送電網整備や政府規格の導入も盛り込む。これらの政策を進めるための税の優遇措置は、総額160億ドル(約1兆7300億円)を上回るとみられる。

 その中で、ANWRでの油田掘削解禁については法案から削除することになった。共和党の穏健派議員も反対しており、民主党と共和党の勢力が拮抗(きっこう)している上院で可決の見通しが立たないため。

 包括エネルギー法案は01年2月に共和党議員が提出。大型減税と並ぶ経済政策の柱として、ブッシュ政権も全面的に後押ししてきた。供給力の増強に力点を置き、需要抑制などの視点は弱く、ANWR開発解禁を見送ったとはいえ、自然保護団体などは批判を強めている。

大陸棚調査の強化要望

2003年07月08日 The Sankei Shimbun
 与党3党の幹事長、政調会長が8日、国会内で会談し、国連海洋法条約に基づく希少鉱物資源開発のため大陸棚調査を強化する必要があるとの認識で一致した。会談後、自民党の麻生太郎政調会長らが福田康夫官房長官と首相官邸で会い、関係省庁の一体的な取り組みと予算の確保を申し入れた。

 福田氏はこの後の記者会見で「そういう方向で政府として取り組む」と前向きな姿勢を示した。

 同条約は大陸棚の埋蔵資源について、排他的経済水域(EEZ)範囲外でも海底の地形や地質が連続していれば、沿岸国が経済上の権利を主張できるとしている。ただ、画定には2009年までに国連の委員会に申告、承認を受けなければならず、調査などの予算が「1300億−1400億円は必要」(麻生氏)とみられている。

政府、大陸棚調査を抜本強化 来年度から1千億円

2003年06月29日 The Sankei Shimbun
 政府は29日、国連海洋法条約に基づく希少鉱物資源開発のための大陸棚調査を抜本的に強化し、2004年度から6年間で計1000億円規模の予算を計上する方針を固めた。

 同条約では、大陸棚の扱いについて、海岸線から200カイリまでの排他的経済水域(EEZ)の範囲外でも、海底の地形や地質が連続していれば、沿岸国は経済上の権利が主張できる。日本が新たに認められる可能性のある大陸棚には、数十兆円ともいわれる資源が眠っているとされ、その調査は「国益にも深くかかわる」(政府筋)課題だが、これまで調査は大幅に遅れており、政府一体で加速することになった。

 大陸棚の画定には「国連大陸棚の限界に関する委員会」に09年5月までに申告し、承認を受けることが必要。政府は1983年から大陸棚調査を開始、約20年かけた調査で、日本の国土面積の1・7倍に当たる65万平方キロメートルが大陸棚として申告できる可能性のあることが分かった。

 しかし、昨年、同様に調査を進めていたロシアの申告が却下されたことを受け、政府部内で検討した結果、承認基準が相当厳格で、収集したデータでは「(承認に)必要な1割程度」(海上保安庁)にしかならないことが判明した。危機感を強めた政府は国土交通省や外務省を中心に対応を協議、03年度は約2億円だった調査予算を04年度以降、大幅に増額して態勢を拡充する方針を決めた。

 従来は海上保安庁の2隻の調査船だけで作業していたが、今後、調査が必要な地点などを早急に詰めた上で、民間への調査委託や文部科学省などの海洋調査船を大量に投入する。

 大陸棚 大陸や島周辺の沖合の水深約200メートルまでの比較的浅い海底で棚状にゆるやかに傾斜している部分。沿岸国が大陸棚に埋蔵された石油など地下資源を優先的に利用できる主権的権利を求め、国連海洋法条約は海岸から200カイリ(約370キロ)の排他的経済水域内と定めたが、200カイリを超えていても、陸地から流れ込んだ土砂が一定の厚さに堆積(たいせき)した範囲なども大陸棚と認めている。

石油採取は50年、天然ガスは61年可能…鉱業連盟

2002年12月07日 The Sankei Shimbun
 石油鉱業連盟はこのほど、世界で石油、天然ガスを今後も採取し続けられる年数(可採年数)は、石油50年、天然ガス61年と推定できる(2000年末時点)と発表した。

 油田を水平に掘る水平掘りなどの技術革新を加味し、すでに開発されている油田から4707億バレル、天然ガス田から1778兆立方フィートをさらに採掘できるとみている。ただ、新しい技術を導入しない場合、可採年数は石油で33年、天然ガスは45年としている。

 調査の座長を務めた藤田和男東大教授は、「採掘条件の悪い油田もあり、今後、技術の進歩が一層求められる」と述べている。

帝国石油、ベネズエラ・ガス鉱区の50%取得

2002年10月28日 Yomiuri On-Line
 帝国石油は28日、ベネズエラ西部にある2つのガス鉱区の権益の半分をアルゼンチンの大手資源開発会社「ペレスコンパック社」から取得したと発表した。取得鉱区の面積は合計1468平方キロ・メートルで、帝国石油は2004年に試掘を始め、2007年に生産を始める計画だ。2鉱区からの売り上げは約2億ドルを見込んでいる。

石油公団の欠損6千億円

2002年08月30日 The Sankei Shimbun
 石油公団は30日、2001年度決算を発表、投資・融資に関する多額の損失引当金を計上したため、当期赤字は1942億円に上った。前期は696億円の赤字で、赤字幅が急激に拡大した。この結果前年度からの繰り越しを加えた累積欠損金は、6158億円となった。

 石油公団は7月27日に交付された法律により約3年で廃止されることが決まっている。これを機に同公団は投融資損失引当金の計上基準の見直しを実施。新たに1987億円の引当金を計上したため、当期赤字が巨額となった。 日経産業新聞  01年度連結決算の当期純損益は274億円の赤字。連結の累積欠損金は4368億円に増加した。子会社に石油資源開発など優良な企業があるため、欠損金は単独よりも連結の方が少なくなる。

アブダビ石油のガス再注入技術――燃やさず油層に戻す(開発リポート)

2001/10/25 日経産業新聞

 コスモ石油などが出資する石油開発会社、アブダビ石油のアラブ首長国連邦(UAE)沖合にあるムバラス油田。今年五月、稼働以来三十年近く燃え続けてきた油田の象徴とも言える煙突上の炎が消えた。燃やしていたのは原油を掘り出すときに一緒に出てくる硫化水素など毒性の強いガス。このガスを地下の油層に高圧で注入し、処理する新しい環境対策が始まった。

◎ ◎ ◎

 ムバラス油田はアブダビ市の西方沖合七十キロメートルに位置し、鉱区面積は千二百七十平方キロメートル。アブダビ石油が同首長国内に開発権益を持つ三油田の中で鉱区面積は最大だ。

 油田の油層から原油を掘り出すと、原油とともに地下に埋まっていたガスも地上に噴き出してくる。このガスは毒性が高い硫化水素のほか、二酸化炭素(CO2)などが含まれる。燃やすことで硫化水素を亜硫酸ガスへ改質し、燃焼時に発生する上昇気流に乗せて大気中に拡散させていた。

 だが亜硫酸ガスも一定の毒性があり、酸性雨の原因になる。硫化水素を燃やすと地球温暖化の原因になるといわれる二酸化炭素が大量に発生するなど、環境に与える影響は深刻だった。

 アブダビ石油が導入したのは、地下約三千三百メートルの深さにある油層から地上に噴き出したガスを、圧入機械により約三百気圧の高圧をかけて再び油層へ送り戻す仕組み。亜硫酸ガスや二酸化炭素が発生しなくなる。二酸化炭素の削減量は、東京ドーム一万二千個分の面積の森林が吸収する年間二十万トン。設備投資額は約七十億円。世界でもまだあまり例が無く、日本企業が関係する油田では初の取り組みという。

 このプロジェクトは一九九〇年代前半、環境汚染に悩むアブダビ首長国政府の要請を受けてスタートした。しかし同社にとって、環境対策のための投資は原油の生産コスト上昇につながる問題があった。

 技術開発にあたった野市晴夫技術担当部長は、ガスを油層へ的確に注入すれば、注入ガスの圧力で油層の中の原油が押し出され、原油の生産井戸からこれまで以上に大量の原油が噴き出してくることに目をつけた。ガス注入により原油を増産できれば、投資コストを回収できると見ている。

 問題はそれだけではなかった。圧入機械やガス輸送のためのパイプラインが、酸性度の高い硫化水素に触れると、すぐに腐食して穴があき、ガスが漏れだしてしまう。これらの素材に特殊な超合金を利用する工夫などにより、腐食に対する抵抗力を大幅に高めて解決にこぎ着けた。

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 ムバラス油田での環境対策はガスにとどまらない。目指すのは「環境破壊物質を全く出さないクリーンな油田」(野市部長)だ。

 五月、原油に混じっていた水を海に流して廃棄することもやめた。以前は油分を除去したうえで海に捨てていたが、この水は塩分濃度が極めて高く、海の生態系を破壊する恐れがあり、現在は深い井戸を掘って地中へ戻している。原油を備蓄するタンクの底にたまる泥の対策も進めている。定期的に取り出して燃やし原油成分を取り除いているが、燃やさずに処理できる仕組みを検討している。

 日本は原油などエネルギー資源が乏しいのに加え、日本企業が開発権益を持つ「自主開発原油」は原油の全輸入量の十数%にすぎない。エネルギー安定確保のためには自主開発原油の拡大が課題になるが、海外の優良油田の多くは資金力が豊富な欧米メジャー(国際石油資本)に牛耳られ、産油国もメジャー志向が強いのが実態だった。

 最近は産油国の間でも環境問題に対する意識は高まっている。油田ガスの油層への注入など先進的な環境技術は、日本の石油開発会社が新たな油田権益を獲得していくうえで、メジャーに対抗できる切り札になる可能性も秘めている。 (宮沢徹)

 油田の象徴だった炎は今はない(ムバラス油田)

アブダビ石油、油田に環境装置、70億円を投資。

2001/05/11 日経産業新聞

 コスモ石油系の石油開発会社であるアブダビ石油は十日、操業中のアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビのムバラス油田などで原油生産時に随伴する炭酸ガスなどを油層に全量、再注入する装置を稼働させたと発表した。 これに伴い随伴ガスを大気中で燃焼させる必要がなくなり、二酸化炭素の排出を年間二十万トン削減できるほか、酸性雨の原因となる硫化水素の発生もなくなる。一連の環境対策費用は総額七十億円にのぼる。

日本政府系でもインドネシア石油 誤解多く社名変更へ

2001.02.03(17:52) asahi.com

 政府系の資源開発会社大手、インドネシア石油(本社・東京、資本金約300億円)が社名を変更する方向で検討を始めた。カスピ海やイランなどインドネシア以外で開発を手がける例が増えたことに加え、以前から海外の石油会社や政府にインドネシアの会社だと誤解されることが多かったためで、6月の株主総会で正式に決める考えだ。

 「ジャカルタにお帰りですか」

 同社幹部は米国でメジャー(国際石油資本)幹部との会合を終える際、相手に尋ねられた。「いいえ東京です」と答えると、「ああ東京経由ですね」。

 同社は石油公団が50%を出資し、残りを別の政府系開発会社や三井系、三菱系企業などが持つ。赤字の公団は将来、収益性の高い同社の株を売却して損失の穴埋めにする計画。その際の売却先によっては業界再編の引き金になる可能性がある。

 大半の鉱区はインドネシアにあるが、昨年夏には同社が加わる企業集団がカザフスタン沖合のカスピ海で大油田を発見。イランでも油田の優先交渉権を得るなど活動地域を広げている。他国政府や企業との交渉が増えた分、誤解される機会も増え、「会社説明に貴重な交渉時間が費やされてしまう」と悩んでいた。

 英語略称の「INPEX」は引き続き生かす考えで、新社名には「インペックス・エナジー」や、冒頭の「IN」をインドネシアからインターナショナルに置き換えた「国際石油開発」などが浮上している。

各社の中核地域開発を優先支援 石油公団が事業方針

2000.12.28(20:03) asahi.com

 石油公団は28日、今後5年間の石油開発支援の方向性を示す「事業運営方針」を発表した。開発会社にとって重要な地域への投資と認められる案件や、すでに原油や天然ガスの埋蔵が確認されている鉱区への支援を優先する姿勢を打ち出している点が特徴。しかし、中核地域の選び方や、今後の開発業界の再編に向けた具体的な手法には触れておらず、あいまいな部分を残している。

 優先案件には、計画の初期段階から積極的に関与する方針で、政府系のインドネシア石油などが優先交渉権を獲得したイランでの油田開発交渉にも加わる。開発には外国企業を加えてリスク分散を図ることや、天然ガス開発に力を入れることなども盛り込んだ。

 経済性より量の確保を優先して巨額損失を出した反省から、石油審議会(通産相の諮問機関)開発部会が今年夏にまとめた中間報告に沿ってまとめた。

日中石油開発が解散

2000.10.03 The Sankei Shimbun

 石油公団は三日、中国渤海湾で原油を生産する日中石油開発公団(東京)を解散すると発表した。解散で石油公団の千三百九十二億円の投融資が損失となる見込みのほか、日石三菱など民間企業四十五社の出資金など約五百億円も回収不能となる。

 日中石油開発は、中国の鉱区の対外開放第一号として一九八○年に日本の国家プロジェクトとしてスタートしたが、生産量が見込みを下回り業績が悪化。通産省の石油公団再建検討委員会が九八年九月にまとめた報告書で二○○○年に解散することを求めていた。

 石油公団の損失は一九九八年度決算で引当金を計上しているため新たな負担は生じない。通産省は石油公団の再建のために十三社の整理が必要としてきたが、近く事業終了を決める昭和タラナキ石油開発で解散手続きは完了する。

カスピ海に世界有数の大油田の存在が確実に

2000.07.04(21:32)asahi.com

 カザフスタンのナザルバエフ大統領は4日、カスピ海北部のカザフ沖で試掘している「カシャガン鉱区」で、大規模な石油・天然ガスの存在が確実になったと発表した。大統領は具体的な埋蔵量の予測には触れなかったが、同国最大のテンギス油田の埋蔵量を大きく上回ると語り、世界有数の大油田になる可能性を強調した。関係筋によると、今年秋に詳しい試掘結果の分析がまとまる予定だという。

 試掘しているのはエクソン・モービルやBPアモコなどの石油メジャーが出資した国際コンソーシアムで、日本からは政府系石油開発会社「インペックス北カスピ海石油」が約7%の持ち分で参加している。

 昨年9月から始まった試掘は今年5月、地下4500メートルに達し、深部で調べた結果、大量の石油などの埋蔵が確実になったという。まだ実際に石油が噴き出したわけではないが、石油業界筋によると、推定埋蔵量は最大500億バレルとの見方もあり、このうち採掘可能な埋蔵量は70億―130億バレルと見込まれている。北海油田に匹敵する世界20位以内の大油田である可能性も指摘されている。

 2004年ごろから生産を開始し、ピーク時には日量70万バレルの生産が想定されている。しかし、この地域の石油は地理的に世界市場への出荷ルートが限られているのが障害だ。カスピ海横断の海底パイプラインなどが検討されているが、実現のめどは立っていない。

 インペックス社には、石油公団(50%)、政府系石油会社「インドネシア石油」社(45%)、三菱商事、石油資源開発(ともに2.5%)が出資している。

通産省が石油の自主開発路線を大幅に縮小する方針

2000.06.22(22:33)asahi.com

 石油の自主開発政策の見直しを進めてきた通産省は22日、探鉱事業への石油公団による出融資を絞り込み、民間主導の開発を促すことを柱とする新たな方針を公表した。「中核企業」の育成や天然ガス開発などの重点事業を除き、公団による融資は来年度から5年で廃止し、出資も10年で取りやめる。「21世紀初頭に日量120万バレル」としていた自主開発の数値目標は撤回し、政府主導での自主開発路線は大幅に縮小されることになる。

 石油審議会(通産相の諮問機関)開発部会の基本政策小委員会で中間報告の骨子案として提示した。

 これまで日本の石油開発は政府と石油公団に依存しがちで、効率経営などの企業努力が不十分だと批判されていた。数値目標は5割程度しか達成できず、経済性より規模を追い求める悪影響が目立っていた。

 リスクの高い探鉱に対する融資は予想外の金利負担を招き、1999年3月末時点で5700億―9700億円(為替や石油価格相場で変動)にのぼる公団の損失見込み額を発生させた温床になってきたため、まずは融資を縮小する。中核的企業グループへの集中支援も10年で終える考えだ。

 ただ、過渡的に低いリスクで実績を上げるため、外国企業が発見した油田、ガス田を国内企業が買収する際に公団が出資や債務保証の形で支援する仕組みを来年度から5年間に限って設ける。

 中核グループとしては、開発会社と元売り会社の提携のような上流―下流連合のほか、電力など他のエネルギー分野の大手企業と一体となった「総合エネルギー企業」を想定。公団が保有する開発会社の株式をこうした大手企業に売却することで、公団の多額損失の穴埋めと、民間資本による中核グループ形成の「一石二鳥」を狙う。

カスピ海で大規模油田発見

2000年5月16日 17時12分【ワシントン共同】

 16日付のワシントン・ポスト紙は、カザフスタン西部のカスピ海沖で、北海油田を超える可能性がある新たな油田が発見されたと報じた。この20年間に見つかった油田の中では最大規模という。同紙によると、新たな油田は米石油大手シェブロンが参加して既に開発が始まっているテンギス油田の沖。推定埋蔵量は、最低80億バレルから最高500億バレルとみられる。

サラワク沖ガス田の設備建設を正式発注――日石マレーシア マレーシア

- Thu May 04 ( 2000 ) by ANN

 日石マレーシア石油開発は3日、サラワク沖の天然ガス田の開発に向けた生産設備の建設を、マレーシア・シップヤード&エンジニアリングに正式発注した。予定投資額は約4億4千万米ドル。設備完成後、2003年第4四半期から本格的な生産を開始する計画だ。

 開発の対象になるのは、ヘラン・ガス田の「SK−10鉱区」。日石マレーシア石油開発によると、日本企業がマレーシアで天然ガスを生産するのは、このプロジェクトが初めて。来月にも設備の建設に着手する。

 同社はヘラン・ガス田を90年に発見、SK−10鉱区では権益の75%を保有する。残りは国営石油会社ペトロナスの子会社、ペトロナス・チャリガリが所有する。

 同鉱区での日産能力は約700万立方メートル。生産期間は推定で20年に及ぶ。

 ガスは、海底パイプラインでサラワク州ビントゥルの液化プラントに送られ、原料ガスとして利用される。日石三菱はオランダの子会社を通じ、同プラントを運営するマレーシアLNG・ティガに10%を出資しており、下流事業も手掛ける計画。プラントの年産能力は約680万トン。2002年末にも一部が'稼働する予定で、インドに年間約260万トンを輸出することがすでに決まっている。また、日本のガス会社や電力会社向けのほか、台湾や韓国への輸出についても交渉を進めているという。

 クアラルンプール市内のホテルで行われた生産設備の建設に関する調印式では、日本石油開発の富田和雄社長が出席。スピーチの中で「天然ガスの時代に入る」などと述べ、今回のプロジェクトに対する期待感を表明した。

 ■別の鉱区も開発へ

 富田社長は本紙に対し、サラワク沖の別の鉱区「SK−8」での開発を検討していることを明らかにした。ただ、具体的な時期については、液化プラントの状況次第となるため、現時点では未定という。

 SK−8鉱区の権益は、日石サラワクが37.5%、シェルが37.5%、ペトロナス・チャリガリが25%。

海外で生産中の油田買収へ政策転換

by毎日新聞社 03月10日15時1分

 通産省は10日、自主開発石油を確保するため、探鉱中心の油田開発を改め、海外で生産中の既存油田の権益買収に重点を置く石油政策へ転換する方針を固めた。リスクが大きい探鉱に比べ、買収は確実性が高く、国際市場で油田権益の取引が一般化してきたためだ。同省は日本企業が権益買収に乗り出す場合、新たに石油公団が投融資を行えるよう、年内にも石油公団法の改正を検討する。

 自主開発油田をめぐっては「アラビア石油」(本社・東京)がサウジアラビア政府と結んでいた40年間の採掘権が先月27日に切れ、権益更新の難しさがクローズアップされるとともに、自主開発の存在意義が問われた。交渉の際、アラ石への金融機関からの融資に対し、最大6割まで債務保証をする石油公団の既存制度を活用する案も検討されたが、権益更新に対し直接融資する制度はなく、石油公団からの支援策が限られたことも今回の制度創設の背景にある。

 現在操業中の日本の自主開発油田は、中東はじめ世界17カ国に42のプロジェクトあるが、ほとんどが石油公団の投融資を受けて探鉱からスタートしており、既存油田を買収したケースは少ない。また、これまで探鉱に着手したものの、原油を生産できず解散した石油会社は1997年時点で132社に及び、探鉱中または生産中の123社を上回っている。

 国際的には、メジャーが既存油田の買収で勢力を拡大するなど、「生産油田の買収は世界の潮流」(石油業界関係者)となっている。既存油田の権益買収は、アラ石の場合のように権益更新の時期に合わせ、国際入札にかける場合が多い。優良物件ほどメジャーとの競争が激しくなり「短期間に油田の資産内容を分析するなど迅速な判断が求められ、多額の資金を用意する機動性も必要となる」とされる。通産省は石油公団を通じて、国際入札に参加する日本企業に資金的な側面支援を進め、生産油田を確保。そのうえで、周辺をさらに探鉱することで新たな油田の発見に結び付けたい考えだ。

 しかし、メジャー(国際石油資本)と国際入札で争う権益の買収には多額の資金が必要で、「石油公団を利用し自主開発にこだわる必要があるのか」という疑問も起きそうだ。

帝国石油、「常磐沖−5」で天然ガスの存在を確認

1999年08月04日[東京 4日 ロイター]

 帝国石油は、磐城沖ガス田南方の新規構造において、試掘井常磐沖−4、5の掘削を行い、常磐沖−5においてフローテストした結果、天然ガスの存在を確認した、と発表した。

パプアニューギニアにおける石油開発ライセンスの取得について

平成08年12月25日by Japan Energy Corporation

三井物産保有の豪州自主開発原油が本格生産を開始

1997年3月18日-西豪州ダンピア沖合ワンドゥー油田-

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