TOPIC No.2-14a-9 2008年度 原油/石油/ガソリンの価格動向

NY原油、42ドル台に上昇 中東情勢緊迫化で供給懸念

2008/12/30 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク29日共同】二十九日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、イスラエル軍によるガザ地区のパレスチナ強硬派ハマスに対する攻撃を受け、供給懸念が高まったことから、取引の中心となる米国産標準油種(WTI)二月渡しが一時、早朝の時間外取引で一バレル=四二ドル台に上昇した。

 世界的な景気悪化による需要減を見越し、石油輸出国機構(OPEC)が十七日に過去最大の減産を決定した後も原油相場は下落傾向が続いていたが、中東情勢の緊迫化で前週末比四ドル超値上がりした。

 十九日にはほぼ四年十カ月ぶりの安値水準となる一バレル=三二・四〇ドルまで下落しており、一週間余りで約一〇ドル上昇したことになる。

NY原油、一時32ドル台 4年10カ月ぶり安値に

2008/12/20 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク19日共同】十九日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は急落し、取引の中心となる米国産標準油種(WTI)一月渡しが一時、二〇〇四年二月以来、ほぼ四年十カ月ぶりの安値水準となる一バレル=三二・四〇ドルまで値下がりした。

 終値は前日比二・三五ドル安い一バレル=三三・八七ドル。十七日に石油輸出国機構(OPEC)が過去最大の減産を決めた後も下げ基調は止まらず、六営業日続落で計一四・一一ドル、三割近い急落。七月につけた史上最高値から五カ月で八割近く下落した。

 景気後退に伴いエネルギー需要が減少、在庫が積み上がる中で売りが膨らんだ。十九日は一月渡しの取引最終日。決済が迫る中で投機筋中心に投げ売り状態となった。

 米商品先物トレーダーは「景気回復が当面見込めないため、相場の反転もしばらく先のことになるだろう」としている。

 同日の夕方から取引の中心となる二月渡しは逆に〇・六九ドル高の一バレル=四二・三六ドルで引けた。一月渡しから乗り換える投資家が多かったことが二月渡しの価格をやや押し上げる要因となった。

原油先物相場:NY 原油37ドル台

2008年12月19日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 【ワシントン斉藤信宏】18日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、世界的な景気悪化懸念が強まっていることなどを受けて5営業日続落。指標である米国産標準油種(WTI)の1月渡しは、午前中の取引で一時、前日終値比2・35ドル安の37・71ドルまで下落し、04年7月以来、約4年5カ月ぶりの安値をつけた。

OPEC大減産 原油安でも『脱石油』だ

2008年12月19日 中日新聞

 OPEC総会で来年一月からの大規模減産が決まった。原油急落に歯止めを、が狙いだ。すぐさま上昇に転じるとの観測は少ないが、日本が目指すべき「脱石油」にはいささかの変わりもない。

 ニューヨーク先物相場のWTI原油は七月の一バレル=一四七ドルをピークに、十七日には四〇ドルを割り込んだ。金融危機をきっかけに市場から投機資金が逃げ出して急落を誘っている。

 潤沢な資金を手にしてきた石油輸出国機構(OPEC)加盟国には相当こたえたようで、穏健派のサウジアラビアですら今回のアルジェリアでの総会を前にアブドラ国王が「七五ドルが適正」と異例の発言をした。

 総会では加盟国間の対立がしばしば表面化するが、今回は過去最大となる日量二百二十万バレルの減産がすんなりと決まった。その背景の一つとして、現状の四〇ドルをはるかに上回る八〇−九〇ドル前後の原油価格を想定して編成した加盟国の予算があげられる。

 ベネズエラはチャベス大統領を支持してきた貧困層に予算を配分できなくなり、政権基盤が揺らいでいる。イランは収入の激減で緊縮予算を強いられた。

 総会には非OPECのロシアも加わり、産油国全体で価格支配力を強めようとしている。

 しかし、減産に価格反転の力はあるのか。専門家は否定的だ。OPECは一九九七年のアジア通貨危機の際にも三次にわたり計二百万バレル以上減産したが、反転したのは景気が回復基調に転じた二〇〇〇年以降になってからだ。

 警戒すべきは油田開発の停滞だ。国際エネルギー機関(IEA)は、埋蔵量は膨大にあるが資金が枯渇して開発が滞ると生産不足を招いて需要に追いつけなくなり三〇年には一バレル=二〇〇ドルを超えると警告した。米エクソンモービルは資金に窮するメキシコ油田向け投資の検討を始めている。

 国内に目を移せば脱石油と向き合うべきだ。IEAは石油はなおエネルギーの主役にとどまるとの見解を示しているが、供給難の時代到来も考えておかなければならない。五〇年までに温室効果ガスの50%削減を、という時代の要請もある。

 原油が安くなると脱石油の熱意が冷める。一九八〇年代の原油安で省エネの技術開発が停滞した歴史を思い起こすべきだ。今夏、福田前首相が提示した低炭素社会へのビジョンは関心が薄れてしまった。無策を続けてはならない。

原油先物相場:NY 一時40ドル割れ 4年5カ月ぶり安値

2008年12月18日 毎日新聞 東京夕刊 Mainichi INTERACTIVE

 【ワシントン斉藤信宏】17日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、世界的な景気悪化への懸念が一段と強まっていることなどを受けて急落、指標である米国産標準油種(WTI)の1月渡しは一時、前日終値比3・72ドル安の39・88ドルまで下落し、04年7月以来、約4年5カ月ぶりに40ドルを割り込んだ。終値は同3・54ドル安の40・06ドルだった。7月につけた最高値(147・27ドル)からの下落率は約73%となり、ほぼ4分の1まで下落した。

 石油輸出国機構(OPEC)は同日、日量220万バレルと過去最大の減産実施で合意したが、前日に米連邦準備制度理事会(FRB)が史上初のゼロ金利政策に踏み込む大幅利下げを決定したことを受けて、米国経済の先行きに対する懸念が増した。原油、ガソリンとも米国内の在庫は増加を続け、市場ではエネルギー需要の減退への警戒感が強まっている。

OPEC:減産、日量220万バレルに決定 原油価格反転狙い−−臨時総会

2008年12月18日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 【ロンドン藤好陽太郎】石油輸出国機構(OPEC)は17日、アルジェリア北西部のオランで臨時総会を開き、日量220万バレルの大幅減産を決めた。220万バレルの減産は過去最大。来年1月から実施する。今夏の1バレル=147ドルから今月、一時40ドル台に急落した原油価格を反転させるのが狙いだ。

 アルバドリ事務局長は「市場は供給過剰の状態だ」と強調した。加盟11カ国(イラク、インドネシアを除く)の目標生産量は現行2730万バレル。非OPECで、最大の産油国ロシアやカザフスタンなども計60万バレル前後の協調減産を検討。OPECは9月以降すでに200万バレルの減産を決定。今回220万バレルを上積みし、産油国全体では4カ月間で500万バレル近い減産に踏み切ることになり、市場からは「一定の効果が生じる」(欧州系銀行)との声も出ている。

 OPECの盟主サウジアラビアは大幅減産を前に、来年1月の原油輸出予約を減らし始めているという。親米派のサウジは従来、強硬派のイランやベネズエラを抑えてきたが、原油価格は底なしの下落を続け「世界同時不況で90年代のように1バレル=十数ドルに崩落しかねない」(OPEC関係者)との声が強まっていた。サウジ政府に対する国内外からの圧力も強まる一方で自ら「1バレル=75ドルが適正価格」と減産主導に立場を切り替えた形。ただ米金融大手ゴールドマン・サックスは、09年初頭の原油価格が1バレル=30ドルに下落する可能性を指摘。中には「25ドルを割り込む」との厳しい見方も出ている。

 また市場はOPECが大幅減産を順守できるのか疑問視。「抜け駆けして目標生産量を増やすヤミ増産の可能性があり、実際価格下落に歯止めを掛けられるかは不透明」(英王立国際問題研究所のリトビン上級研究員)だ。

 OPECは10月に日量150万バレルの大幅減産を決定。先月末の総会では大幅減産の順守を徹底するため、目標生産量を据え置いた。

 国際エネルギー機関(IEA)は08年の原油需要が25年ぶりに前年実績を下回る見通しを示した。これに対して、OPECは09年の需要も前年を下回るとの予想を公表し、危機感をあらわにしていた。

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 ■ことば

 ◇石油輸出国機構(OPEC)  1960年、国際石油資本(メジャー)に対抗し、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5カ国が作った国際カルテル。原油の目標生産量を決めるなどして産油国の利益を守る。原油の世界シェアは4割、確認埋蔵量は7割を占める。事務局はウィーン。

原油先物相場:NY 40ドル割れ目前

2008年12月06日 毎日新聞 東京夕刊 Mainichi INTERACTIVE

 【ワシントン斉藤信宏】5日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、米国内の雇用情勢悪化で世界同時不況の懸念が強まったことを受けて6営業日続落。指標である米国産標準油種(WTI)の1月渡しは、前日終値比2・86ドル安の40・81ドルまで下落し、終値ベースでは04年12月以来、約4年ぶりの安値で取引を終えた。7月につけた最高値(147・27ドル)からの下落率は7割を超えた。

 国際エネルギー機関(IEA)が世界のエネルギー需給見通しで、日米欧の石油消費は13年まで減少し続けるとの見方を示したことも市場の弱気を誘った。

原油先物相場:NY 47ドル、最高値から100ドル下落

2008年12月03日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 【ワシントン斉藤信宏】2日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、世界的な景気悪化懸念が一段と強まっていることなどを受けて3営業日続落。指標である米国産標準油種(WTI)の1月渡しは取引開始前の時間外取引で一時、前日終値比1・92ドル安の47・36ドルまで下落し、05年5月以来、約3年半ぶりの安値をつけた。今年7月につけた最高値(147・27ドル)からほぼ100ドル下がり、下落幅は約68%に達した。

 米国の景気後退局面入りが確認されたほか、中国や欧州でも景気の悪化を示す経済指標の発表が相次ぎ、エネルギー需要が世界的に減退するとの観測が強まっている。

原油価格50ドル割れ 40ドル割れの声も、国内景気にとってはプラス材料

2008.11.21 MSN産経新聞

 20日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物市場で、指標となる米国産標準油種(WTI)が1バレル=49・62ドルで取引を終えた。終値で50ドルを割り込むのは、2005年5月以来、3年半ぶり。7月に147・27ドルの史上最高値をつけてから4カ月で約100ドル急落したことになり、年内に40ドル割れを指摘する声も出ている。一方、原油価格の下落は国内景気にとっては数少ないプラス材料で、企業や家計の負担も減りそうだ。(橋本亮)

 原油価格は、金融危機を機に下落を続けている。相場を押し上げてきた投機資金が一斉に引き揚げたことや、世界経済の後退による需要減少が原因だ。特に最大の石油需要国である米国の需要減退が長期化するとの観測が強まっていることが大きい。中国など新興市場国でも新車販売が落ち込むなど、世界的なガソリン需要の低迷に歯止めが掛からず、相場の下落に拍車を掛けている。

 景気の底が見えない状況で、金融商品化した原油相場は、今後も売りが優勢の展開が続く可能性が高い。第一生命経済研究所の嶌峰(しまみね)義清・主席エコノミストは「50ドル割れでも底には達していない。年内の40ドル割れもあり得る」と指摘する。

 OPECは今月29日の臨時総会か12月の定例総会で、11月に実施した日量150万バレルの大幅減産に続き、100万〜150万バレルの追加減産に踏み切る公算が大きい。北半球の暖房用需要が増える時期と重なるだけに、原油価格はいったんは上昇する可能性はあるが、大幅な上昇を予想する見方は多くない。

 一方、原油価格の急落は、後退局面に入った日本経済にとって「数少ない支援材料」(第一生命経済研究所の永浜利広・主席エコノミスト)となる。

 永浜氏は今後、為替が1ドル=100円、米原油先物価格が1バレル=50ドルで推移した場合、平成21年度で産業全体のコスト削減効果は7兆5000億円にのぼると試算している。ガソリンや電気料金の値下がりなどを通じて家計にも恩恵がありそうで、永浜氏は家計の負担が年間3万7147円軽減されるとみている。

NY原油が一時50ドル割れ、4か月で約100ドル下落

2008年11月21日 読売新聞 YOMIURI ONLINE

 【ニューヨーク=山本正実】20日のニューヨーク原油先物市場は、米経済の悪化懸念を背景に売りが優勢となり、指標となるテキサス産軽質油(WTI)の12月渡し価格は一時、前日比3・87ドル安の1バレル=49・75ドルと2007年1月以来、約1年10か月ぶりに50ドルを割り込んだ。

 原油価格は今年7月11日に最高値147・27ドルを記録してから、わずか4か月で3分の1程度まで値下がりした格好だ。米3大自動車メーカーの経営危機などで米景気の先行き不透明感が強まり、エネルギー需要が減少するとの観測が売りを誘っている。

 午前10時30分(日本時間21日午前0時30分)現在、同2・94ドル安の1バレル=50・68ドルで取引されている。

ガソリンスタンド消滅も 32都道府県の153町村

2008/11/19  中国新聞ニュ−ス

 ガソリンスタンドの業界団体、全国石油商業組合連合会(全石連)は十八日、人口減に伴う経営難などで全国的にガソリンスタンドが減少した結果、青森、長野、奈良など三十二都道府県の百五十三町村が、今後、スタンドがなくなる恐れがあり、対策が必要な“スタンド過疎地”になっているとの調査結果を発表した。全石連は自動車が生活に欠かせない山間地などで支障が出る可能性があると警告している。

 全石連は、山間地などにあり、スタンドが三カ所以下しかない百五十三町村は、スタンドがこれ以上減ると、ガソリンや暖房用の灯油といった生活必需品の供給不安が生じると指摘している。

 調査で、百五十三町村のスタンド事業者の四割以上が赤字経営の上、後継者難などですぐに廃業したいと考えている事業者(農協除く)も一割程度いることが分かった。

 全石連は「重要なライフラインであるスタンドがゼロになる地域が各地で出現しそうだ」と分析。自治体や事業者が連携して、スタンド存続のための対策を検討するよう求めている。地下タンクが必要ない簡易型のスタンドへの転換や、周辺自治体との協力といった対策が考えられるという。

 このほかスタンドが三カ所以下しかない町村は全国に六十九あるが、都市部や、国の支援が手厚い離島部のため、ガソリン供給に支障が出ないと全石連はみている。

 今回スタンド過疎地と認定されなかった市町村の中には、合併で結果的にスタンド数が増えているところもあり、全石連は「旧市町村単位でみると、実際のスタンド過疎地はもっと多いはずだ」とみている。

 全石連が各都道府県の石油商業組合などを通じて、全石連に加盟していない店も含め二〇〇八年三月時点の市町村ごとのスタンド数を調べた。スタンドが三カ所以下だった自治体にはアンケートも実施した。

 ガソリンスタンドは、規制緩和を背景に安売り競争が激しくなったため、都市部を含めて減少傾向にある。山間地は人口減で需要が減っている上、小規模な事業者が多く経営が苦しい。昨年から今年夏にかけてガソリン価格が高騰して買い控えが広がったことも、経営環境の悪化に拍車を掛けている。

「原油価格は数年後に乱高下」 田中IEA事務局長講演

2008.11.14 MSN産経新聞

 国際エネルギー機関(IEA)の田中伸男事務局長は14日、東京・内幸町の日本記者クラブで講演し、「今回の金融危機で石油開発が遅れ、何年かしてここ1年間の原油価格の乱高下が(再び)起こるのではないかと思っている」と述べ、数年後に再度、今年7月に記録した史上最高値の1バレル=147ドルを超える可能性を示唆した。

 金融危機の影響で原油価格が1バレル=50〜60ドルと低迷するなか、石油生産にかかわる多くの投資が延期されている。しかし、IEAの分析では主要800油田の生産量の減少幅がこれまでの見込みを上回る。田中事務局長は「現状の生産量を確保し続けるには(OPEC=石油輸出国機構=最大の産油国)サウジアラビア4カ国分の油田開発が必要」(田中事務局長)と指摘した。

 IEAは12日に発表した「世界エネルギー見通し」で、2030年の原油価格が1バレル=200ドル超になると予測。昨年の予測では107ドルだったが、中長期的に中国やインドなどの需要増が避けられないことから、22年に107ドル、27年に120ドル、32年には175ドルになるとした。

ドバイ原油50ドル割れ 1年10カ月ぶり

2008/11/13 NIKKEI NeT

 東京原油スポット市場で13日、アジアの指標原油である中東産ドバイ原油が大幅続落した。2009年1月渡しは午前の時点で前日比3.50ドル安い1バレル48.00ドル(中心値)と、約1年10カ月ぶりに50ドルを割り込んだ。

 原油安は国際商品相場全般に波及。12日はニューヨーク商品取引所の金先物相場が続落したほか、シカゴ商品取引所の大豆先物なども軟調だった。主要商品の総合的な動きを示すロイター・ジェフリーズCRB指数(1967年平均=100)は12日、245.44となり、約5年1カ月ぶりの安値を付けた。 (

ガソリン価格、来週にも130円台 戻らぬ需要、値下げ拍車

2008/11/07 FujiSankei business-i

 ガソリン価格の下落が止まらない。石油情報センターが6日発表した石油製品の市況動向調査によると、4日時点のレギュラーガソリンの全国平均店頭価格は先週比1リットル当たり10.3円安の141円で、13週連続の値下がりとなった。下落幅は1987年の調査開始以来過去最大で、150円割れは今年4月の揮発油税(ガソリン税)の暫定税率失効時を除けば約1年ぶり。米原油先物価格は軟調な値動きが続いており、来週以降のレギュラーの全国平均は、昨年7月前半以来1年4カ月ぶりに130円台になる可能性も出てきた。

 ガソリン店頭価格の値下がりは原油価格などの下落を受け、石油元売り各社が卸価格を下げたため。昭和シェル石油は11月出荷分のガソリンなど石油製品の卸価格を前月比1リットル当たり16円引き下げたほか、東京工業品取引所の先物価格や、スポット(業者間転売)価格をもとに卸価格を毎週改定する出光興産も11月3〜9日のガソリン卸価格(全国平均)を前週比1リットル当たり4.2円引き下げている。

 ガソリン需要の低迷で小売店間の競争が激化。米原油先物価格が軟調に推移する中、小売店はさらなる卸価格の下落を見越した先行値下げを行っており、神奈川、千葉、埼玉県など13府県ではすでに130円台に突入。沖縄県は130円台を割り込み、127.1円となっている。

              ◇

【予報図】

 ■競争激化、GSに淘汰の波

 レギュラーガソリンの全国平均店頭価格の値下がりは、米原油先物相場の下落が背景にあるが、それ以上にガソリン需要の低迷が値下がりを加速させている。最大手の新日本石油の10月のガソリン出荷量は前月比8%減少し、11月も同水準の減少が予想されている。原油価格の下落に伴う卸価格の値下げが相次ぎ店頭価格の下落は進んでいるが、国内需要は一向に回復してこない。

 こうしたなか、販売店は販売量を稼ぐために他店の看板より1円でも安く価格を設定するところが多い。実際、週単位で卸価格を見直す新日石は10月から14.7円の卸価格の引き下げに踏み切ったが、店頭価格は10月の1カ月間で20円程度も下落した。新日石の中村雅仁常務は「ガソリンの高値継続で消費者の節約意識が定着しており、顧客囲い込みに向け値下げが進んでいるのでは」と分析する。卸価格以上の値下げに踏み切れば、全国の7割超が赤字とされるガソリンスタンド(GS)の経営を一段と圧迫するのは確実。

 ただ、GSの店舗数は全国に約4万3000店とされ、常に過当競争状態だ。原油下落で卸価格の値下げ局面が続く中、原油の値動きを先読みした店頭価格の下げは続く見込みで、経営体力のないGSは退場を余儀なくされる可能性が高まってきた。(今井裕治)

NY原油、一時60ドル割れ 約1年7カ月ぶり安値

2008年11月07日 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク7日共同】6日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、世界経済の減速で需要が落ち込むとの懸念が強まり続落し、指標となる米国産標準油種(WTI)12月渡しが深夜の時間外取引で一時、1バレル=59・97ドルまで下落した。

 60ドル割れは2007年3月下旬以来、約1年7カ月ぶり。今年7月につけた147・27ドルの最高値からは約60%値を下げたことになる。

 その後は、ドルが対ユーロで弱含んだことなどを材料に買い戻しも入り、7日午前4時半現在の時間外取引では前日比1・07ドル高の1バレル=61・84ドルをつけた。

 市場関係者は「世界経済に関する多くの悪いニュースが原油相場に悪影響を与えている」と指摘した。

原油価格2030年に2百ドル超 IEA報告書

2008/11/06 47News【共同通信】

 【ロンドン5日共同】英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は5日、世界経済の回復に伴い原油の平均価格は2015年までに1バレル=100ドル以上となり、30年には200ドルを超えると予測した国際エネルギー機関(IEA)報告書の概要を報じた。

 来週公表される報告書は、その理由について、世界各地の古い油田での生産量が急減し、石油会社が新規油田の開発などにコスト負担を強いられるためとした。

 中国などで拡大する需要を満たすため、石油業界は30年までに毎年3500億ドル(約34兆3000億円)の投資を迫られると推定。「市場の不均衡による一時的な価格下落があっても、安価な原油の時代が終わったことが明白になってきた」とした。

OPEC150万バレル減産 原油価格急落で、追加減産も示唆

2008/10/24 中国新聞ニュ−ス

 【ウィーン24日共同=種村大基】石油輸出国機構(OPEC)は二十四日、原油価格の急落を受けた臨時総会を開き、日量二千八百八十万バレル(イラクとインドネシアを除く十一カ国)の現行の目標生産量を十一月から百五十万バレル引き下げる本格減産を決めた。金融危機による世界的な景気減速を背景にした価格下落に歯止めをかける狙い。百万バレル以上の減産に踏み切るのは二〇〇六年十月の総会以来約二年ぶり。

 ただ世界同時不況が現実味を帯び需要後退は避けられない状況で、今回の減産による価格維持の効果には懐疑的な見方が多い。ガソリンなど石油製品価格への影響は不透明だ。

 記者会見したヘリル議長は「必要があれば十二月までに総会を開く」と語り、価格下支えの効果が表れなければ、十二月までに生産量をもう一段引き下げる追加減産の可能性を強く示唆した。

 OPECはロシアやノルウェー、メキシコなどの非加盟国にも協調減産を働きかけたとされる。

 今回の臨時総会は、一バレル=六〇ドル台まで急落した原油価格に危機感を強めた加盟国の強い要望で、急きょ開催。通常は総会に先立ち意思統一のため開かれるOPEC諮問機関「閣僚監視委員会」が見送られ、減産実施では早くから加盟国で一致したとみられる。

 しかし急激な減産が米国など消費国経済に与える影響に配慮し、「二百万バレルの減産が必要」(イラン石油相)との強硬論を押さえ込んだことから、市場には供給過剰感がある。

 OPECは九月の総会で目標生産量の順守を徹底し「ヤミ増産」分を減らす実質減産を決めたが、原油価格の下落を止められなかった。

NY原油:急落し一時70ドル割れ

2008年10月22日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 【ワシントン斉藤信宏】21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は急落し、指標である米国産標準油種(WTI)の11月渡しは一時、前日終値比4.48ドル安の1バレル=69.77ドルまで値下がりし、70ドル台を割り込んだ。終値は同3.36ドル安の1バレル=70.89ドル。

 外国為替市場でドルが対ユーロで買われドル高・ユーロ安が進行したことで、ドル建てで取引されている原油の割高感が強まった。また、米株価の下落などで世界的な景気後退への懸念が強まったことも、売り材料となった。

ガソリン店頭価格、5カ月半ぶり150円台に下落

2008年10月22日 NIKKEI NeT

 石油情報センターが22日まとめた調査によると、20日時点のレギュラーガソリンの給油所店頭価格(全国平均)は前週比4.2円安い1リットル 157.4円だった。下落は11週連続で、約5カ月半ぶりに150円台に下げた。原油価格の急落に加え、一部の石油元売り会社が10月から週ごとに卸値を変更。店頭価格の下げが加速している。

 レギュラーは8月初めの過去最高値(185.1円)に比べ30円近く下げた。ハイオクは4.3円安い168.2円、軽油は3.5円安い144.0円だった。

 原油価格の下落を受け、元売り大手の出光興産は20―26日のガソリン卸値(全国平均)を前週比で1リットル7.9円引き下げた。

OPEC、日量100万─150万バレル減産方向に傾く─関係筋=通信社

2008年10月18日 Reuters

[ドバイ 17日 ロイター] 石油輸出国機構(OPEC)は24日の臨時総会で、日量100万─150万バレルの減産に踏み切る方向に傾いている。アラブ首長国連邦(UAE)の政府系WAM通信が17日、OPEC筋の発言として報じた。 

 同通信は「加盟国の石油相は、来週金曜(24日)の総会で日量100万─150万バレルの大幅な減産を11月1日から実施する方向に傾いている、との見方をOPEC筋は示した」と述べた。

恩恵は来春? 原油急落 実体経済に「一筋の光」

2008/10/18 FujiSankei business-i

 16日のニューヨーク商品取引所の原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)11月物が1バレル=69.85ドルと終値ベースで70ドルを割り込み、昨年8月以来の安値をつけた。今年7月につけた史上最高値(147.27ドル)から3カ月あまりでほぼ半値に下がった。混迷を深める世界的な金融危機の中で、原油価格の急激な下落が、景気の下支えとなる内需拡大に向けた一筋の光明となる可能性がある。

 東京の激戦区といわれる環状8号線沿いのガソリンスタンド。今や1リットル=140円台の看板を掲げる店舗が目立つ。

 石油情報センターのレギュラーガソリンの小売価格調査(14日時点)は10週連続で下落。出光興産は17日、20〜26日出荷分のガソリン卸値を全国平均で1リットル当たり7.9円引き下げると発表、10月の市場連動方式導入後の半月で20円近く値下がりする。レギュラーガソリンの全国平均は週明けにも1リットル=150円台に下がる見通しだ。

 原燃料の多くを輸入に依存する日本では、原油価格の高騰により幅広い産業が製品・サービス価格の値上げを余儀なくされ、消費に影響が出た。高騰時に世界の原油消費はGDP(国内総生産)の8%を占めたが、「これが半値まで下がるとなれば、エネルギー消費国である日本にとって景気の下支え要因になる」と三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥川知至主任研究員は指摘する。

 ただ、食品や運輸など内需につながる個人消費への本格波及には、まだ時間がかかる。

 海外旅行で恩恵を受けるのは来年からになりそうだ。航空各社が国際線運賃に加算している燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)は来年1月から値下げとなるからだ。10月以降分の基準となる5〜7月のジェット燃料相場は1バレル=140ドル。現在は90ドル前後で落ち着いており、8月以降の平均値は120ドル台と大幅に下がっている。この水準が続けば、燃油サーチャージも大きく値下がりする見通しだ。 

 ◆値下げには消極的

 一方、輸送費や包装資材のコスト減が見込まれる食品業界。原料となるトウモロコシや大豆などの穀物が投資対象となり、価格が高騰したが、その相場も調整局面入りし、価格が安定してきた。しかし、「いつまた値上がりするか分からない」との見方が強く、商品価格の値下げには消極的だ。

 食物油業界は主原料の大豆相場がピーク時の半値程度の1ブッシェル=8〜9ドル程度にまで下がったが、「2〜3カ月先に使用する原料を調達しているため、現在は7月前後の高値の原料を使用している」(日清オイリオ)と、原材料高の影響は継続していると話す。現在の価格で調達した原料は来年以降の商品に使用するため、「年内は値上げの浸透に努める」(同)方針だ。

 大手が一斉に値上げしたビール業界。最大手のアサヒビールは「値上げによる売り上げ増も、コスト増加分を吸収できていない」と苦しい事情を明かす。同社は値上げによる増収分を100億円と見込むが、それでも20億円のコスト増となる。穀物価格が再上昇することも視野に入れ「当面、値下げする計画はない」(アサヒビール)。

 燃料価格の変動分を自動的に料金に反映する電力会社の場合、市場価格が料金に反映されるまで半年のブランクが生じる。このため、1月時点では大幅な値上げになり、料金への影響が本格化するのは09年度以降となる見通し。

              ◇

 ■減産〜乱高下の懸念なお

 原油価格の下落は実体経済にどう影響するのか。第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「実体経済面では来年度以降の経済成長につながる」と、原油下落の影響を評価する。同様に、日本エネルギー経済研究所の永田安彦研究主幹は「原油高騰では、1バレル=10ドルの上昇がGDPを0.2%押し下げるとされるが、下落局面ではプラスに働く」と分析。実体経済へのプラス影響が本格化するのは来春以降となる見通しだ。

 原油価格の下落により、景気の低迷と物価上昇が同時進行するスタグフレーションへの懸念はひとまず遠のいた。だが、今回の原油価格の下落の背景には、金融不安により投機ファンドなどの資金繰りが悪化。原油市場から投機マネーが流出したことに加え、世界的な景気減速による原油需要の減退が原油相場の下落に拍車をかけている状況がある。世界経済の減速を背景とするだけに、手放しで安心はできない。

 投資マネーの供給源となった中東やロシアなどのオイルマネーが縮小すれば、世界的な株式市場の低迷を招く可能性があるほか、「産油国の収入減による輸入減退が、国内の輸出産業に影響を及ぼす可能性もある」(永浜氏)。

 こうした中で、OPEC(石油輸出国機構)は11月18日に予定していた臨時総会を今月24日に前倒しした。景気後退による石油市場への影響を踏まえて減産に踏み切る可能性が高い。金融不安の中で、再び短期間の乱高下が繰り返されれば、実体経済の影響がさらに深刻化する可能性も否定できない。

NY原油:70ドル割れ…小売り、運輸「歓迎」

2008年10月18日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 金融危機の深刻化を背景に原油価格が急落している。16日のニューヨークの先物相場は1年2カ月ぶりに1バレル=70ドルを割り込み、今年7月につけた最高値に比べ半値以下となった。原油安が生活に与える影響や、下落のメカニズム、産油国の対応を探った。

 ◇景気不安 慎重な声も

 ガソリン価格は原油高騰が続いていた今年8月に全国平均で1リットル=185.1円の過去最高値をつけたが、今月14日には同161.6円まで下がった。17日には石油元売り大手の出光興産が来週(20〜26日)のガソリンの卸値(全国平均)を前週と比べて1リットル当たり7.9円値下げすると発表。全国平均価格は5月初旬以来、150円台に戻る見通しだ。

 ガソリン高でマイカーによる客足が落ち込む郊外店が多い外食や小売り大手は「車での買い物の頻度が上がれば、立ち寄ってもらえるケースが増える」(すかいらーく)と期待を寄せる。ただ、「株安や景気の先行き不安感が強まっており、プラス効果は少ない」(イトーヨーカドー)と慎重な見方も根強い。

 トラック業界も経費節減効果が大きい。全日本トラック協会は「軽油が安くなるのは大歓迎」と話す。ただ、「これを理由にした荷主からの値下げ圧力が強まる可能性もある」と警戒を強めている。

 航空各社は来年1月以降、国際線運賃に上乗せする燃油特別付加運賃(サーチャージ)を値下げする見通しだ。日本航空と全日本空輸の10〜12月期のサーチャージは欧州・北米線で片道3万3000円に上昇したが、2万5500円程度に下がる可能性が高い。

 各社は「利用客数の回復につながる」と期待しているが、サーチャージの水準自体はまだ高く、景気後退の影響も懸念されることから、値下げ効果は限られるとの見方が強い。

 原油高は輸送コスト増などにより食品価格にも大きな影響を与えていた。しかし、原油価格下落に合わせ、小麦などの穀物価格も急落。日清食品は今年1月に即席めんを7〜11%値上げしたが、当面、再値上げはしない方針だ。製パン最大手の山崎製パンも「極力、価格は据え置く」(同)方針を示している。

 ◇世界マネー 流れが激変

 原油価格が今年7月のピーク時より半分まで下落したのは、世界のマネーの流れが激変したからだ。

 原油価格の上昇が本格化したのは、昨年夏に米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題が表面化して以降だ。金融不安はあったものの「実体経済は深刻な影響を受けない」(米証券アナリスト)との見方を背景に、株式市場から逃げ出した投機資金や機関投資家の資金が原油や穀物市場に一気に流入した。今年7月には、ニューヨークの原油先物相場は1バレル=147.27ドルと、わずか1年で約2倍に急騰した。

 しかし、米大手証券・リーマン・ブラザーズが今年9月に経営破綻(はたん)したのを機に局面が変わった。

 「金融危機が世界恐慌を引き起こす」(米投資会社)との懸念が広がり、株式市場だけでなく、原油や穀物市場から、最も安全な資産である債券や金などに急速に移り始めた。

 10月に入って日米など世界的な株価暴落が起きて以降は、さらに投資家の安全志向が強まった。金や債券も売られ、究極の安全資産である「現金への逃避」すら起き始めた。

 これまで右肩上がりだった金相場は、16日のニューヨーク市場で売りが優勢となり、一時、1オンス=800ドル台を割り込んだ。米国債にも売り圧力が出始めている。「金融危機の深刻化を受けて、投資家が極端なリスク回避志向に陥っている」(大手証券)ためだ。

 欧米の投資家やファンドは12月の決算期に向けて資金繰り確保に躍起だ。市場では「リスクマネーの枯渇」が、さらに景気悪化を加速させるとの懸念が高まっている。【赤間清広】

 ◇OPEC大幅減産も

 原油価格急落を受け、石油輸出国機構(OPEC)は24日の臨時総会で減産に踏み切る見通しだ。価格反転を図るため、日量100万バレルの大幅な減産も検討している。

 親米派のサウジアラビアは、当初、減産が原油価格の反騰を招き、世界の景気後退につながるとして本格減産には慎重だった。しかし、国際エネルギー機関(IEA)が10月の石油市場報告で、08年の需要を日量24万バレル下方修正した。今後、さらに需要減は確実で、価格のさらなる下落を防ぐため、サウジも方針を転換した。すでに出荷を減らし始めたとの情報もある。

 ただ金融危機による株価急落と、原油価格急落による歳入の大幅減が重なり、一部の産油国は悲鳴を上げている。仮に大幅減産を決めても、原油収入に大幅依存するイランなど一部の国は利益確保のため、減産を順守しない「ヤミ増産」に走るとの指摘もある。そうなれば、OPECが狙う価格反転は難しく、逆に価格が下がる可能性もある。

 中期的な原油の需給は、さらに見通しがきかない。IEAは10年以降、投資の減退で、13年に供給不足が起きる可能性を指摘している。金融危機で「原油開発プロジェクトの遅れが目立ってきており、中期的に問題は悪化する」(英系銀行)との見方も出ている。【ロンドン藤好陽太郎】

OPEC:総会、24日に前倒し

2008年10月17日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 【ロンドン藤好陽太郎】石油輸出国機構(OPEC)は16日、11月に予定していたウィーンでの臨時総会を10月24日に前倒し開催すると発表した。米原油先物相場が一時、1バレル=70ドル以下にまで急落したためで、大幅減産を検討する。OPECは価格下落を防ぐため、当初12月の予定だった総会を、2度にわたり変更したことになる

NY原油:急落、70ドル割る 1年2カ月ぶり安値

2008年10月17日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 【ワシントン斉藤信宏】16日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、世界的な景気減速に伴うエネルギー需要の減退観測が強まっていることを受けて急落、指標である米国産標準油種(WTI)の11月渡しの終値は、前日終値比4.69ドル安の1バレル=69.85ドルまで値下がりし、終値ベースでは07年8月23日以来、約1年2カ月ぶりの安値で取引を終えた。

 エネルギー需要の低迷が続いていることに加えて、9月の米鉱工業生産が34年ぶりの下落幅となったことで、米景気の先行きに対する懸念が強まり、原油安に拍車をかけた。

NY原油急落、終値77.70ドル 一時1年1カ月ぶり安値

2008年10月11日 NIKKEI NeT

【NQNニューヨーク=荒木朋】10日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は急落。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は大幅に3日続落し、前日比8.89ドル安の1バレル77.70ドルで取引を終えた。下げ幅は9月29日(10.52ドル安)以来の大きさだった。一時は77.09ドルまで下げ、2007年9月11日以来の安値を付けた。世界的な金融・景気悪化に伴う原油需要の減退の思惑が引き続き重しになった。

 金融・景気悪化懸念からこの日も株式相場が急落して始まり、原油先物にも売りが膨らんだ。株式・金融市場など市場環境の急速な悪化を受けヘッジファンドなどの収益悪化懸念が広がっており、リスク資産の換金売り圧力の強まりが原油売りを誘っているとの見方が多い。株式相場が乱高下し、いったん下げ渋る局面で原油にも買い戻しの動きも見られたが、取引終了にかけては再び売りが加速した。この日の高値は85.13ドルだった。

 ガソリン、ヒーティングオイルもともに急落。

東京原油、最高値の半額 需要減見込みストップ安

2008年10月10日 中国新聞ニュ−ス

 10日の東京工業品取引所の中東産原油市場は、米金融危機をきっかけに世界的に不況色が強まり、需要が冷え込むとの懸念から売られ、指標となる11月渡しは値幅制限いっぱいの前日比3600円安となり、1キロリットル=4万6230円で取引を終えた。今年7月に付けた過去最高値の9万4920円に比べ、下落率は51%に達した。

 指標限月としては昨年3月以来、1年7カ月ぶりの安値水準。世界的な株式市場の暴落で損失を被った投資家が、原油の換金売りをしているとの指摘もある。

ガソリン5〜6円引き下げ 石油元売り各社

2008.10.1 MSN 産経新聞

 原油価格の下落を受け石油元売り各社は1日、ガソリンの卸価格を1リットル当たり5〜6円引き下げた。レギュラーガソリンの全国平均店頭価格は1リットル当たり160円台半ばに下落する見通し。ただ、値下げを見越して9月末から店頭価格の値下げを前倒しで進めたガソリンスタンド(GS)も多く、同日、都内では価格の据え置きも目立った。

 一方、石油情報センターが1日発表した石油製品市況の週間動向調査によれば9月29日時点のレギュラー全国平均は先週比1リットル当たり1・3円安の170・2円で8週連続で下落した。

 元売り各社は、9月からの卸価格を前月比5円超下げたが、店頭価格は8月末に比べ11・5円もの値下がりとなった。ガソリン需要の低迷で利益を食いつぶしながらの価格設定が行われたためで、全国の半数以上が赤字経営といわれるGSの淘汰(とうた)が加速しかねない状況にある。

 ガソリン販売の減少も続く。資源エネルギーの石油統計速報によれば、8月のガソリン販売量は前年同月比14%減の468万9280キロリットルで8月としては過去最大の落ち幅となった。

 9月の販売も新日本石油などで10%超の大幅減となったもよう。店頭価格は値下がり基調にあるが、昨年9月末の全国平均に比べ30円程度高い水準にあり消費者の節約が進んでいるため。新日本石油の中村雅仁常務は「消費者に根付いた節約意識はすぐには戻らない」と見る。

NY原油、100ドル回復

2008.10.1 MSN 産経新聞

 30日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は3営業日ぶりに急反発し、指標となる米国産標準油種(WTI)11月渡しは前日比4・27ドル高の1バレル=100・64ドルで取引を終えた。2営業日ぶりに終値で1バレル=100ドルを回復した。

 米政府が金融危機対策法案の取りまとめに向けた動きを強めていることで、世界経済の悪化を回避し、需要が伸びるとの期待感から買い注文が先行。一時、1バレル=101ドル台まで買われた。(共同)

NY原油:10ドル安で96ドル台 91年以来の下げ幅

2008年09月30日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 【ワシントン斉藤信宏】週明け29日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は急落し、指標となる米国産標準油種(WTI)11月渡しは前週末比10.52ドル安の1バレル=96.37ドルと16日以来約2週間ぶりの安値で取引を終えた。下げ幅は91年1月17日以来の大きさ。

 米下院が金融安定化法案を否決したことを受けて、金融市場混乱の深刻化で世界景気が一段と減速し、エネルギー需要が減少するとの観測が強まった。

NY原油、一時130ドル インフレ懸念が強まる

2008/09/23 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク22日共同】週明け二十二日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、外国為替市場でのドル安進行でインフレ懸念が強まったとして買い注文が集中し急騰した。指標となる米国産標準油種(WTI)十月渡しは一時、前週末比で二五ドル超上昇し、七月下旬以来、ほぼ二カ月ぶりの高値水準となる一バレル=一三〇ドルちょうどをつけた。

 終値は前週末比一六・三七ドル高の一バレル=一二〇・九二ドル。一日の上げ幅としては過去最大で、上昇率も15%を上回った。

 米政府が打ち出した金融市場安定化策で、米国の財政悪化が避けられず、ドル安が進むとの見方が強まった。インフレへの対抗策として、商品相場に投機資金が流れ込んだ。

 米エネルギーアナリストは「ドル安傾向が強まれば、再び原油が史上最高値を目指す展開も十分あり得る」としている。

 十月渡しの取引は二十二日で終了。同日夕の時間外取引から取引の中心となった十一月渡しは、前週末比六・六二ドル高の一バレル=一〇九・三七ドルで取引を終えた。

レギュラーは173円 ガソリン、6週連続の下落

2008年09月18日 中国新聞ニュ−ス

 石油情報センターが18日発表した石油製品市況の週間動向調査によると、16日現在のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は、前週比で1リットル当たり1円50銭安の173円となり、6週連続で下落した。

 全都道府県で下落した。石油情報センターは「ドライバーに節約志向が染み付いているため、ガソリンスタンドの売り上げが簡単には回復せず、値下げ競争が続いている」と指摘した。

 下げ幅が大きかったのは、沖縄県の2円90銭、青森、宮城両県の2円60銭、神奈川県の2円50銭など。原油価格が1バレル=100ドルを割る水準まで下落したため、全国平均小売価格は10月以降、160円台へと値下がりする可能性が高い。

 原油価格の先行きについて石油連盟の天坊昭彦会長(出光興産社長)は18日の定例記者会見で「1バレル=90−110ドルが収まりのいい水準だ」と述べ、下げ止まるとの見方を示した。

「金融危機の逆説」原油価格が80ドル台に

2008.09.18 中央日報 Joins.com/クォン・ヒョンジュ記者

米国発の金融危機が朗報をもたらした。

国際原油価格が急激に下落したのだ。北海産ブレント原油と中東産ドバイ原油は1バレル=80ドル台まで下がった。金融危機の余波で世界の景気が悪化し、石油需要が減るとの見通しが原油価格を引き下げた。

16日(現地時間)の北海産ブレント原油の国際現物市場価格は今年に入り最も低い1バレル=86.75ドルを記録した。昨年10月以来11カ月ぶりの最低値だ。前日より4.09ドル値を下げ、過去最高だった今年7月3日の144.02ドルに比べると40%の下落だ。韓国が多く輸入しているドバイ原油もシンガポール現物市場で前日より5.79ドル下げた86.56ドルで取引された。米国産標準油種(WTI)は4.04ドル下落の91.41ドルだった。ドバイ原油とWTIは7カ月余り前の今年2月初めの価格に戻った。

金属類などの原材料価格も下がった。同日の英ロンドン金属市場では銅価格が1トン=6879ドルから6841ドルに値を下げた。アルミニウムとニッケル価格も下落した。大韓鉱業振興公社側は「電気と鉄鋼生産に使われる有煙炭価格も近く下がるだろう」と予測した。

原油価格のような国際原材料価格の下落は、韓国経済にひとまず好材料として作用する見通しだ。原油価格が1ドル下がると国内消費者物価も0.02ポイント下がるという研究結果がある。ドルベースでの原油輸入額が減り、貿易収支改善にもつながる見込みだ。しかし原油価格下落が韓国経済にとって青信号だけではないとの見方もある。韓国経済研究院の許賛国(ホ・チャングク)経済研究本部長は「米国、EU、日本、中国などの不況が原油価格に反映されたもの」とし「韓国の輸出が冷え込むこともあるという意味だ」と話している。

ドバイ原油90ドル割れ、世界需要減へ懸念強まる

2008年09月16日 NIKKEI NeT

 原油相場が急落し、下げ足を一段と速めている。米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻を受けて、米国の実体経済の悪化に対する懸念が強まっているためだ。米金融市場の信用不安も再燃し、ヘッジファンドなど大口投資家は手じまい売りを加速している。

 アジア指標のドバイ原油は16日、11月渡しの終値が前週末比9.2%安の1バレル86.35ドル(中心値)を付けた。下げ幅は過去最大の8.8ドルを記録した。ニューヨーク原油先物市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミィディエート)も7月11日の史上最高値147.27ドルから3割以上下がった。

解読エコノミー:NY原油一時100ドル割れ 世界的景気減速で投機マネー逃げる

2008年09月14日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は12日、指標である米国産標準油種(WTI)が、約5カ月半ぶりに一時、1バレル=100ドルの大台を割り込んだ。7月11日につけた史上最高値147・27ドルからわずか2カ月で32%も急落した。背景には、低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発した世界的な景気減速と、投機資金の市場からの流出があると指摘されている。【ワシントン斉藤信宏】

 国際エネルギー機関(IEA)は、10日に発表した報告書で、08〜09年にかけての石油需要を下方修正した。欧州と日本の国内総生産(GDP)が08年4〜6月期にいずれもマイナス成長となるなど、米国発の景気減速は欧州、日本から新興国も巻き込み世界に波及している。景気が冷え込めばガソリンなどエネルギーの需要も減退する可能性が高く、原油価格は需要減を織り込む形で下落基調を強めてきた。

 米国では自動車販売の不振が続いており、08年の新車販売は前年実績と比べて1割超も減少する見通し。個人消費の落ち込みが顕著になりつつある。

 一方で、「石油危機の主犯格」(国際金融筋)として批判を受けた商品指数(インデックス)ファンドなど投機的資金が、原油市場から逃げ出していることも、原油急落に大きく影響している。

 昨年夏にサブプライム問題が表面化して以降、それまで米国の不動産や金融市場に投資してきた資金力の豊富な投資家が、有利で安定した投資先を求めてさまよい、原油市場に流入した。新興国や産油国の政府系ファンドや先進国の年金基金などが、積極的に商品指数ファンドでの運用を始めたことが原油高騰の一因となった。

 このため米国では、先物市場監督機関の商品先物取引委員会(CFTC)が、市場の監視強化に乗り出し、市場の透明性を高めることで投機の封じ込めへと動いた。その結果、7月中旬以降は、商品指数ファンドからの資金流出が勢いを増したという。

 市場関係者からは「原油バブルがはじけたのは明らかだ」(米商品アナリスト)との指摘もあがっており、原油価格は本来の適正水準である70〜80ドルに戻るとの観測も浮上している。

 ◇消費者恩恵、まだ先

 原油価格の100ドル割れを受けて、ガソリン価格も値下がりしそうだ。石油情報センターによると、9月8日現在のレギュラーガソリンの小売価格(全国平均)は1リットル=174・5円と5週連続で値下がり。原油の下落傾向が続けば「10月にはガソリンは160円台に戻る」(石油元売り大手)公算が大きい。

 ガソリンは、8月4日には1リットル=185・1円と、1年前より約40円も高い水準に達した。その後は原油価格の下落を反映し、値下がり傾向が続く。

 原油価格が乱高下する中、石油元売り大手ではガソリン卸値の改定方法を見直す。出光興産と新日本石油は現在の月2回と1回の卸値改定を、10月以降は毎週とする。原油価格の変動が従来以上に素早くガソリン価格に反映されることになる。

 原材料価格の高騰も一服しそうだ。化学品メーカーのプライムポリマー(東京都港区)は、家電部品などに使われるポリプロピレン、食品用包装材などの原料のポリエチレンの値上げ幅を圧縮、1キロ当たり20円の値上げ予定を同10円とした。同様の動きは他のメーカーにも広がる見通し。製造コスト上昇も緩和されそうだ。

 ただ、燃料や化学原料の価格水準は依然として高く、食品大手関係者は「企業努力は限界に達しており、価格転嫁はこれから」と話す。燃料費や一部原材料費が下がったとしても製品の値下げに踏み切れる状況にはなく、消費者が原油下落の恩恵を実感できるのはまだ先になりそうだ。【田畑悦郎、谷川貴史】

 ◇OPEC、警戒感強める

 【ロンドン藤好陽太郎】米原油先物相場が一時、1バレル=100ドルを割り込んだことを受け、石油輸出国機構(OPEC)は警戒感を強めている。価格下落が続けば、12月にアルジェリアで開かれる次回総会に向け、減産圧力が高まるのは必至だ。

 OPECは今月9日の総会で、目標生産量を据え置いた。その一方で、生産余力のあるサウジアラビアが増産していた約50万バレルを「実質減産」することを決めた。

 だが、イランやベネズエラなど強硬派は「1バレル=100ドルが下限」と主張した経緯もあり、今後、一段と価格が下落すれば「目標生産量を減らす本格減産を求めるのは確実」(英資源アナリスト)な情勢にある。

 08年のOPECの原油収入は過去最高の140兆円に上る勢いで、各国には余裕がある。サウジアラビアなど穏健派と、減産を求めるイランなどとの綱引きが続きそうだ。

NY原油100ドル割れ 5カ月ぶりに

2008年09月13日 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク12日共同】12日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)10月渡しが一時、1バレル=99・99ドルをつけ、約5カ月ぶりに100ドルを割り込んだ。

NY原油、101ドル前半 5カ月ぶり安値水準に

2008年09月11日 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク10日共同】10日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は続落し、指標となる米国産標準油種(WTI)10月渡しが一時、4月上旬以来、5カ月ぶりの安値水準となる1バレル=101ドル台前半まで値下がりした。

 午前11時半現在は前日比1・84ドル安の1バレル=101・42ドル。

 日米欧の景気減速につれて原油需要が減退するとの観測から売りが優勢となった。石油輸出国機構(OPEC)の事実上の減産決定を受けて一時反発し1バレル=104ドル台をつけたが、買いが続かなかった。

 市場関係者は「OPECが多少減産しても現在の弱気相場は変わらない」(アジア系投資顧問会社アナリスト)と話した。

ドバイ原油が大幅続落 96ドル台に

2008年09月10日 NIKKEI NeT

 東京原油スポット市場で10日、アジアの指標原油である中東産ドバイ原油が大幅続落した。11月渡しは、午前の時点で前日比3.25ドル安い1バレル 96.30ドル(中心値)となり、4月初旬以来、約5カ月ぶりの安値をつけた。前日のニューヨーク原油先物相場が大幅安となった流れを受けた。

インドネシア、OPECから正式脱退

2008年09月10日 NIKKEI NeT

 【ジャカルタ=代慶達也】インドネシア政府は10日、石油輸出国機構(OPEC)から正式に脱退したと表明した。アジア唯一の加盟国だったが、2004 年に原油の純輸入国に転落、生産量も日量100万バレルを割る水準に落ち込んだため。しかし政府は「早期に生産回復を進め、数年内に再加盟を目指す」(プルノモ・エネルギー・鉱物相)としている。

 同政府は今年5月にOPECから脱退する方針を表明。その後、政府内には加盟継続論も浮上した。だが、ジャワ島中部にある日量18万バレルのチェプ油田の生産開始が今年後半から来年以降にずれ込むことが明らかになったため、ユドヨノ大統領は脱退を正式決定した。

 同国の原油生産量はスハルト政権下の90年代半ばには日量150万バレルを超えた。だが、98年の同政権崩壊後の政治・経済的な混乱で、欧米系石油メジャーが新規投資を控えた結果、原油生産が低迷していた。

IEA、08年石油需要を下方修正 北米や欧州で需要減続く

2008年09月10日 NIKKEI NeT

 【パリ=野見山祐史】国際エネルギー機関(IEA)は10日発表した9月の石油市場月報で、2008年の世界の石油需要を07年比0.8%増の日量 8676万バレルとした。8月月報の予測値に比べ10万バレルの下方修正で、引き下げは3カ月ぶり。中国、中東など新興国の需要は増えるが、北米や欧州など経済協力開発機構(OECD)加盟の先進国で需要が落ちるとみている。

 9月月報は10日未明の石油輸出国機構(OPEC)による実質減産を織り込んではいない。だがIEAは8月時点で原油供給の減少を確認済み。さらにここ 1、2年の急速な原油高の影響を受けた景気減速や省エネルギーの広がりで、先進国での石油需要減が中期的に続くと強調した。北米の石油需要は今年上半期だけですでに前年同期比3%強落ち込んでおり、通年では前年比2.9%減ると見込んでいる。

 09年の世界の需要予測は08年予測比1.0%増の日量8764万バレルと前月の予測値から14万バレル引き下げた。

OPEC、日量50万バレル実質減産 生産枠は据え置き

2008年09月10日 NIKKEI NeT

 【ウィーン=清水泰雅】石油輸出国機構(OPEC)は10日未明(日本時間10日午前)、ウィーンで開催した通常総会で、原油生産量を日量で約50万バレル減産すると発表した。生産枠は据え置くが、枠を超えて生産している分を40日以内に削減する。サウジアラビアなどが今年に入って増産していた分をなくすことで、下落が続く原油市場を安定させる狙いだ。

 総会後の記者会見で、ヘリルOPEC議長(アルジェリア・エネルギー鉱業相)は「OPEC加盟国が増産した結果、市場には十分原油が供給されている。来年はさらに過剰となるだろう。世界経済が減速していることを考えれば、原油相場は一段と下落する可能性がある」と述べた。

 OPECの生産枠は、来年から脱退が決まっているインドネシアを除く11カ国で日量2880万バレル。だが、今年の春から夏にかけて原油高騰に悩む消費国の要請に応え、サウジアラビアが合計で日量50万バレルの増産を決めたことなどを受け、OPECの実質生産量は今年7月に同2930万バレル程度まで上昇していた。

NY原油、一時105ドル台 5カ月ぶりの低価格

2008年09月02日 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク2日共同】2日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は続落し、2日早朝の時間外取引で指標となる米国産標準油種(WTI)10月渡しは一時、連休前の8月29日比で10ドル安い、1バレル=105・46ドルをつけた。

 110ドルを割り込んだのは4月上旬以来、約5カ月ぶり。

 米国南部を襲ったハリケーン「グスタフ」が、石油精製施設に大きな被害を及ぼさず、供給途絶などの懸念が薄れたため、売りが優勢となった。

 市場関係者は「世界的に原油の需要は減退している」との見方を示した。

NY原油、114ドル台 ドル高で3カ月ぶり安値

2008年08月09日 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク8日共同】8日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、外国為替市場で進むドル高を嫌って売りが拡大し急反落、指標となる米国産標準油種(WTI)9月渡しは通常取引終了後の時間外取引で一時、前日比で5ドル超下落、5月上旬以来3カ月ぶりの安値となる1バレル=114・62ドルをつけた。

 7月11日に史上最高値の1バレル=147・27ドルを記録してから1カ月足らずで約22%に当たる30ドル以上も下落した。8日の終値は前日比4・82ドル安の1バレル=115・20ドル。

 原油先物はドルで取引されるため、最近のドル高で米国以外の市場参加者にとって割高感が増し、海外勢を中心に投機筋が注文を控える傾向が強まった。7日の反発の原因となった、トルコの石油パイプライン破損による影響は限定的との見方が強く、買い材料視されなかった。

 米エネルギーアナリストは「この程度の値下がりでは米国の需要は上向かない。まだ下げの余地はある」としている。

NY原油、128ドル台 需給懸念後退で4日続落

2008/07/19 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク18日共同】十八日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は需給逼迫ひっぱく懸念が後退したため四営業日続落、指標となる米国産標準油種(WTI)八月渡しは、前日比〇・四一ドル安の一バレル=一二八・八八ドルで取引を終えた。終値ベースでほぼ一カ月半ぶりの安値水準。四日続落は昨年十二月以来で下落幅は計一六・三ドルに達した。

 七月一日につけた最高値の一四七・二七ドルからは約12%下落しており、市場では「原油相場は天井を打った」との見方が広がっている。

 米景気の減速で需要が伸び悩むとの観測が広がったほか、イランと米国との対話で中東地域の緊張が緩和するとの見方も売り材料になった。

 米エネルギーアナリストは「需要の減退傾向が鮮明になってきた。ただ中東で緊張が高まるような事態が起これば再び急騰する可能性はある」としている。

ガソリンスタンド悲鳴 200円時代秒読みで淘汰加速へ

2008.07.03 MSN産経新聞

 国内のガソリンスタンド(GS)が淘汰の危機にさらされている。原油価格高騰に伴う石油元売り会社の相次ぐ出荷価格の引き上げで、7月にレギュラーガソリンの店頭価格が1リットル=180円台を突破、高値を嫌った消費者の買い控えで、ガソリン販売量が大幅に減少しているためだ。全国約4万3000店の大半が赤字といわれるGS経営が一段と厳しさを増している。

 資源エネルギー庁の石油統計速報によると、5月のガソリン販売量は前年同月比5.5%減の462万2000キロリットルとなり、2カ月ぶりに減少した。4月は暫定税率失効による値下がりで17.3%増と大幅に増えたが、その後、税率の復活と値上げで価格が上昇し、消費者の節約が進んだ。

 東京都大田区の国道沿いにある出光興産系列の「プレステージ大森SS」。同店のガソリン販売量は5〜6月で前年同月比15%減少した。1日からレギュラー価格を10円値上げし182円に引き上げたため、同店では7月も10%超の減少を予想する。

 同店を含め都内などでGS4店舗を運営する東和興産(東京都荒川区)の林彰社長は「大幅な販売減で採算はぎりぎり」と危機感を強める。業界団体の全国石油協会が1万店のGSを対象に実施した平成18年度版のGS実態調査によれば、経常損益が赤字だったのは65%に達した。また、4月の暫定税率失効時には、多くのGSが赤字覚悟の値下げ販売を行っており、今年度は赤字の店舗がさらに拡大したとみられる。

 販売減少などで経営が悪化しているGSの支援策として、経済産業省は4月に全国石油協会を通じて「特別利子補給制度」を新設した。資金の借り入れに対し最長5年間で上限5%の利子のうち0・4%の自己負担分を差し引いた金額を補給する仕組み。零細業者を中心に利用が広がっているが、ガソリン販売減が長期化すれば、制度があっても資金繰りは困難を増す。

 石油元売り最大手の新日本石油系列のGS数は今年、初めて1万店を割り込んだ。最盛期の平成11年度には1万3000店あったが、経営難などで年間500店前後が閉鎖に追い込まれた。同社の西尾進路社長は「販売競争の激化と、高値継続による販売減少で一段の縮小は避けられず、系列のGS数は3年後には8500店になる」と淘汰の加速を予想する。

NY原油、一時初の1バレル=145ドル台

2008年07月03日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ニューヨーク=池松洋】3日のニューヨーク商業取引所の原油先物相場が初めて1バレル=145ドル台まで上昇した。 Click here to find out more!

 国際指標となるテキサス産軽質油(WTI)の8月渡し価格は通常取引前の時間外で一時1バレル=145・85ドルへ上昇、史上最高値を更新した。

 原油価格は6月26日に初めて140ドルに達した後も勢いが衰えず、1週間で最高値を5ドル以上も更新。1月2日に100ドル台を記録して以来、半年で45ドルも値を上げた。

 欧州中央銀行(ECB)が3日の定例理事会で利上げに踏み切り、ドルがユーロに対してさらに下落するとの観測が広がり、ドル建ての原油に割安感が出るとの予測から、投機資金を中心に買い進まれている。

NY原油、初の143ドル台 供給懸念やドル安で

2008年06月30日 中国新聞ニュ−ス
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 【ニューヨーク30日共同】30日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)8月渡しが通常取引前の時間外取引で一時、1バレル=143・67ドルまで上昇、初めて143ドル台をつけた。27日につけた取引時間中の最高値(142・99ドル)を更新した。

 産油国ナイジェリアで原油関連施設が攻撃されたと伝えられたことから市場に供給懸念が強まり、原油相場を押し上げた。また、欧州中央銀行(ECB)の利上げによってドル安が進むとの思惑も、原油価格の上昇圧力となった。

ガソリン180円突破へ 新日石、卸値8円40銭上げ

2008/06/27 中国新聞ニュ−ス
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 新日本石油は二十七日、七月に出荷するガソリンなど石油製品の卸価格を六月と比べ一リットル当たり八円四十銭引き上げると発表した。これによりレギュラーガソリンの全国平均小売価格は、石油情報センターによる調査開始(一九八七年)以来、初めて一リットル当たり百八十円を突破する可能性が強まった。

 七月の卸価格については昭和シェル石油も二十七日、一リットル当たり九円八十銭引き上げることを明らかにした。ジャパンエナジーも十円引き上げるほか、月に二回改定している出光興産は、七月前半分を七円三十銭上げるため、六月後半分と合わせると九円の引き上げとなる。

 二十六日のニューヨーク市場の原油先物相場が一時一バレル=一四○ドルを突破するなど原油価格は高騰を続けており、元売り各社の原油調達コストが上昇、卸価格は軒並み大幅な引き上げとなった。

NY原油初の142ドル台 通常取引前の時間外取引

2008/06/27 中国新聞ニュ−ス
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 【ニューヨーク27日共同】二十七日のニューヨーク原油先物相場は、通常取引前の時間外取引で、指標となる米国産標準油種八月渡しが初めて一バレル=一四二ドル台まで上昇した。

09年半ばまでに30万バレル増産 クウェートが表明

2008/06/24 中国新聞ニュ−ス
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 ▽生産能力、20年に1・5倍

 【クウェート市24日共同=清木健二】クウェートのオレイム石油相は二十四日、同国を訪問中の甘利明経済産業相と会談し、高騰する原油価格の抑制に向け、原油生産量を現在の日量二百六十万バレル程度から、二〇〇九年半ばまでに三十万バレル増産することを明らかにした。さらに、二〇年までに生産能力を約一・五倍の四百万バレルに引き上げる方針を示した。

 二十二日の産油国・消費国閣僚会合で、主催国のサウジアラビアが増産や生産能力拡大を表明しており、クウェートも追随する形だ。ほかの産油国の動向が今後の焦点になる。

 原油高騰は、中国など新興国を中心とする需要の増加に、供給が追いつかないとの不安が根強いことが一因。

 経産省によると、石油相は会談で「生産国としての責任を果たす。今後も必要な量を供給していく」と述べた。今後五年間で油田開発や精製施設整備に五百五十億ドル(約六兆円)以上を投資するという。

 会談では、甘利経産相が「産油国と消費国が市場安定のため努力すべきだ」と協力を呼び掛けたのに対し、石油相は「原油高(の責任)を押しつけ合うのではなく、双方の信頼の構築が重要だ」と応じた。

 甘利経産相は、サバハ首長とも会談した。

 BP統計によると、クウェートの原油の確認埋蔵量は千十五億バレルと世界四位で、油田開発の余地が大きいとされる。日本が輸入する原油の約7%を供給している。

NY原油、一時137ドル台 供給不安で上昇

2008.06.23 MSN産経新聞

 週明け23日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は供給不安などから一時、買いが優勢となり、通常取引前の時間外取引で、指標となる米国産標準油種(WTI)8月渡しが1バレル=137ドル台半ばまで上昇した。

 通常取引に入ってからは、利益確定の売りが出てもみ合いとなった。午前9時20分現在は、前週末比0・50ドル安の1バレル=134・86ドル。

 サウジアラビアが22日、「産油国・消費国閣僚会合」で原油生産能力を大幅に増強すると表明し売り注文が先行。しかし生産増強には一定の時間がかかることから「短期的な需給は非常に逼迫(ひっぱく)している」(外資系銀行のアナリスト)との思惑が強まった。

 前週末には、イスラエル軍がイラン核施設に対する空爆作戦の「予行演習」を実施したとの報道もあり、市場には供給不安への懸念もくすぶっている。(共同)

生産能力1500万バレルへ サウジ、1・5倍増を表明

2008/06/23 中国新聞ニュ−ス
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 【ジッダ(サウジアラビア西部)22日共同=清木健二】石油輸出国機構(OPEC)加盟国、欧米、日本、中国など約三十五カ国は二十二日、サウジアラビア・ジッダで「産油国・消費国閣僚会合」を緊急開催した。サウジのヌアイミ石油鉱物資源相は、原油の生産能力を二○○九年末までに日量千二百五十万バレル規模に引き上げ、将来的には現在の約一・五倍の千五百万バレル規模にする用意があると表明した。

 最大の産油国として長期的に原油供給に支障がないことを明確に示し、原油価格の沈静化を図る狙いがある。

 サウジのアブドラ国王は冒頭の演説で「今後も需要に応じ増産する」と説明。ヌアイミ氏は生産量を現在の九百四十五万バレルから七月に九百七十万バレルに増やし、必要なら年内にもう一段の増産を行うと明言した。○九年末までに二百五十万バレル規模の生産能力を増強、さらに五つの油田で計二百五十万バレル規模を追加増強する計画も明らかにした。

 会合では、投機資金の監視を含む市場の透明性向上なども議論。甘利明経済産業相は、原油高の原因について「需給と金融面が相互リンクしている」と指摘し、省エネなどで協力を訴えた。

 原油価格は今月、一時一バレル=一四○ドルに迫り、世界経済の停滞とインフレを同時に引き起こす恐れが出ている。サウジは特に「途上国への悪影響が大きい」(政府高官)として異例の会合開催を呼び掛けた。

 会合では将来的な供給不足の懸念や、先物市場への投機マネーの流入が原油高の要因となっていることを確認。最近の原油高を「第三次石油危機」と位置付けるブラウン英首相も出席した。

50万バレルの追加増産を計画 サウジ、生産過去最高に

2008年06月14日 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク14日共同】原油高騰に対応してサウジアラビアが、7月から日量50万バレル程度の追加増産を計画していることが14日分かった。増産すれば同国の原油生産は同約1000万バレルと過去最高水準に達する見通しという。サウジ政府当局者から説明を受けた業界関係者の話として、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が伝えた。

 サウジは、一時1バレル=140ドルに迫った原油相場の安定策を探るため22日、同国ジッダで産油国と消費国の国際会議を開催予定で、この場で追加増産を公式表明する可能性がありそうだ。

 ブッシュ米大統領が5月中旬に訪問したのに合わせてサウジは、日量30万バレルの増産実施を明らかにし、生産量は現在同945万バレル規模とされる。

NY原油、初の139ドル台 NY株は急落、394ドル安

2008/06/07 中国新聞ニュ−ス

 【ニューヨーク6日共同=増田和則】六日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、ドル安の進行や中東情勢の悪化懸念から急騰し、取引の中心となる米国産標準油種(WTI)の七月渡しが一時、一バレル=一三九・一二ドルまで上昇し、五月二十二日に記録した最高値(一三五・〇九ドル)を大幅に更新した。

 終値は前日比一〇・七五ドル高の一バレル=一三八・五四ドルで、終値の最高値も更新。一日の上昇幅としては過去最大となり、上昇率も8・4%に達した。

 また、六日のニューヨーク株式市場のダウ工業株三十種平均は原油急騰などを嫌気して急反落し、前日比三九四・六四ドル安の一万二二〇九・八一ドルで取引を終えた。下げ幅は今年最大。

 一段の原油高で物価上昇が進むと、個人消費や企業業績への悪影響が懸念される。食料価格高騰もさらに深刻化し、世界経済に一段の打撃を与えそうだ。

 ドル安や原油高騰を背景に、ニューヨーク市場の金や、シカゴ穀物市場のトウモロコシ、小麦などの商品先物相場もほぼ軒並み上昇した。

 五月の米雇用統計の大幅な悪化や欧州の利上げ観測などから、ユーロなど主要通貨に対してドルが下落し、ドル建てで取引される原油相場への資金流入が加速した。

 イスラエルの国防相を務めたこともあるモファズ副首相兼運輸相が「核兵器開発を止めるにはイランを攻撃するしかない」と発言したことも、中東情勢の緊迫化につながる可能性があるとして買い材料視された。

 また米証券大手のアナリストが七月上旬までに一バレル=一五〇ドルに達する可能性を示したことも上昇を後押しした。

ガソリン価格170円突破 最高値、さらに値上がりも

2008/06/04 中国新聞ニュ−ス

 石油情報センターが四日発表した石油製品市況の週間動向調査(二日現在)によると、レギュラーガソリンの全国平均小売価格は、前週に比べ一リットル当たり十一円六十銭高の百七十一円九十銭と一九八七年の調査開始以来、初めて百七十円を突破し、最高値を更新した。上げ幅も最高だった。同センターは「様子見だったガソリンスタンドが値上げするため、来週はもう少し上がるだろう」としている。

 原油高の影響で、新日本石油や昭和シェル石油など石油元売り各社が、六月出荷分のガソリンなど石油製品の卸価格を、五月分と比べ十円余り値上げしたことが原因。「卸価格の値上がり幅が大きく、小売業者は転嫁せざるを得ない」(業界関係者)ため、小売価格への転嫁が急ピッチで進んだ。

 地域別の価格では四国が百七十二円八十銭と最も高く、中国が百七十二円七十銭、中部が百七十二円五十銭だった。

 ガソリン価格の上昇で消費者の買い控えが広がる可能性もあるため、ジャパンエナジーは「六月のガソリン販売量は前年同月比で一割弱減少しそうだ」と懸念している。

 ハイオクは一リットル当たり十一円七十銭高の百八十二円八十銭、軽油は十二円五十銭高の百五十二円三十銭といずれも最高値を更新した。

 石油連盟によると、レギュラーは、第二次石油危機後の八二年九月から十二月にかけて東京都区部の平均価格で百七十七円まで高騰したことがある。

ガソリン170円突破 GS淘汰さらに加速

2008/06/02 FujiSankei Business i.

 ガソリン価格が一気に10円以上値上がりし、ついにレギュラー1リットル当たり170円を突破した。新日本石油など石油元売り各社が1日、出荷価格を前月に比べ12〜14・5円引き上げたのを受け、全国のガソリンスタンド(GS)で店頭価格に転嫁する動きが広がった。

 東京都大田区の出光興産系列のGSでは15円引き上げ、174円の看板を掲げた。午前9時の値上げ以降、休日にもかかわらず客足はまばら。

 林彰社長(57)は「経営環境は厳しく、値上げせざるを得ない。顧客の節約意識の高まりで6月の販売は前年比10%以上減るだろう」と、苦渋をにじませた。

 給油に訪れた男性会社員(57)も「本当に高くなった。今後は車の利用を減らしたい」と話した。

 出荷価格の10円超の引き上げは、月ごとの改定を始めた1990年9月以降では過去最大。石油情報センターの調査による全国の平均価格は5月26日時点で過去最高の160・3円だったが、6月は全国平均で170円を突破するのは確実だ。170円台は現行調査が始まる前の1982年に都区部平均で177円を付けて以来となる。

 ガソリン税の暫定税率が一時期限切れとなった4月には全国平均が130・6円まで下落したが、税率復活に続く大幅な引き上げによりわずか2カ月で40円も値上がりした。

 消費者がさらに節約志向を強め、ガソリン需要が大きく落ち込むのは必至。全国4万5000店の大半が赤字経営といわれるGSの淘汰がさらに加速する懸念が高まっている。

ガソリン卸値一斉引き上げ レギュラー170円台へ

2008/06/01 中国新聞ニュ−ス

 新日本石油など石油元売り各社は一日、六月出荷分のガソリンなど石油製品の卸価格を一斉に引き上げた。これに伴いレギュラーガソリンの全国平均小売価格は一リットル当たり百七十円を突破する見通し。大幅値上げの影響による消費者の買い控えも広がりそうだ。

 原油高による元売りの調達コストの上昇で、六月の卸価格については、最大手の新日石が前月比で一リットル当たり十二円と過去最大の値上げとなったほか、昭和シェル石油など他の元売りも十円余り引き上げた。

 石油情報センターによると、レギュラーの全国平均小売価格は五月二十六日時点で一リットル当たり百六十円三十銭と調査開始以来の最高値を更新。レギュラーは揮発油税などの暫定税率が四月一日にいったん失効したことで四月には一時百三十円台に下落したが、わずか二カ月で四十円も値上がりすることになりそうだ。

ガソリン12円引き上げ 来月から新日石、過去最大

2008/05/28 中国新聞ニュ−ス

 石油元売り最大手の新日本石油は二十八日、六月出荷分のガソリンなど石油製品の卸価格を一リットル当たり十二円引き上げると発表した。原油価格の高騰を受けたもので、新日石の月次の値上げ幅としては過去最大となる。

 記者会見した新日石の中村雅仁なかむら・まさひと常務は六月のレギュラーガソリンの店頭価格について「平均的に百七十円台の前半になる」との見通しを示した。

 六月の卸価格については、元売り大手の昭和シェル石油が一リットル当たり十二円五十銭引き上げるほか、ジャパンエナジーも十三円程度値上げするとみられる。卸価格を月に二回改定している出光興産も六月前半の値上げ幅は五月後半分と合わせ十四円五十銭と各社とも大幅な値上げに踏み切る。

 石油情報センターが、この日発表した石油製品市況の週間動向調査(二十六日現在)によると、レギュラーガソリンの全国平均小売価格は、前週に比べ一リットル当たり二十銭高の百六十円三十銭と調査開始以来の最高値を更新した。

 ハイオクは十銭高の百七十一円十銭、軽油は二十銭高の百三十九円八十銭といずれも最高値を更新した。

中印が「緊急時」協力へ 原油市場の安定化で

2008年05月27日 中国新聞ニュ−ス

 原油の2大消費国の中国とインドが、原油高騰などの混乱時に備蓄放出などで市場安定化を図る「緊急時対応」の国際枠組みに協力する見通しとなったことが27日、明らかになった。6月7日に青森市で開く日本、中国、インド、米国、韓国の5カ国エネルギー相会合で正式合意する。

 緊急時対応は、国際エネルギー機関(IEA)が加盟国に一定以上の石油備蓄を義務づけ、天災などによる市場混乱時に、各国が備蓄を放出したり、需要を抑えたりする制度。

 最近の原油高騰は、IEAに加盟していない中国やインドなど新興国の需要増などが背景にあり、両国を国際的枠組みに取り込むことで、価格安定化を図る。

 合意後、日本などは、中国、インドの備蓄制度の構築に協力し、緊急時の対応方法を伝達。両国の石油在庫についても情報交換を緊密にして、早期に緊急時対応ができるよう支援する。

原油高騰が止まらない理由 原因は投機マネーの流入だけではない

2008年05月24日 MONEY zine 三原淳雄 辛口経済コラム 第13回

原油価格の高騰が止まらない理由

 原油価格の上昇が止まらない。一部では投機資金が株式や債券を見限って、今度は商品市場に大量に流入したためとする説を根強いが、ことはどうもそんな簡単なものでもなさそうである。

 市場には投機がつきものであり、だからこそ上下に大きく振れることも多いのだが、根拠のない投機ならどこかで必ず落ち着き、収まるべきところに収まるもの。高騰を続けている原油も一時的にはかなりの調整場面を見せるかも知れないが、問題は収まるところがどこなのか、そこが問題なのである。 なぜ原油は高騰を続けるのか

 大胆に分析すればいまの原油価格の三分の一が投機、三分の一が需要増、三分の一が供給側の問題によるものと仮定できなくもない。従って三分の一が投機だとすると投機が収まっても、まだ三分の二の問題は残ることになる。

 まず需要だが地球全体の人口はまだまだ増え続ける。1970年の35億人はいまや65億人、そして30年後には90億人となる。仮にそのなかの2割でもいまの日本並みの生活水準になると想定すれば石油や食糧はいくらあっても足りなくなるだろう。 原油をはじめ供給サイドの課題は未解決

 いまの中国は一人当たり年間2バレルを消費しているそうだが、所得水準が三倍になるだけでも6バレルになる。それに中国の人口を掛けると天文学的な消費量となることは誰にでも判るだろう。厄介な国が力をつけてきたものである。

 もともと国の言うことなど信じるはずもない人たちが、野放図に生活を楽しみだしたら、今度は食糧すら危なくなってくる。いまですら富裕層は農薬を警戒して生鮮野菜は日本のものしか食べないそうだから、カネにものを言わせて日本の野菜や果物も急騰するのではないか。

 需要がかくも増大するなかで、原油をはじめ供給サイドの課題は未解決のままである。

 サウジなど大産油国も、これからは新規油田は掘らない。砂漠の中に保存しておくという方針のようだし、メキシコも増産の余地少なく、ブラジルの新しい油田も実際に石油が出るまではまだ時間がかかる。

 こう考えてくると一部で囁かれている1バーレル200ドル説どころか、もっと上がりそうだと考える人が出てくるのは自然だろう。無為無策の日本はすでにマグロで中国に買い負け、アワビも買い負け、そのうち原油も買い負けという日がくる可能性も高い。

節約は日本のお家芸

 需給が逼迫して悲観論が高まれば、一方で問題解決の知恵も出してくるのが人間である。

 ピンチはチャンスとはこのことであり、価格が上がれば消費を抑えるのがスジ。

 英語で単なるケチは「スティンジー(stingy)」だが、節約は「セーブ(save)」とか「エコノミー(economy)」となるように「ラショナル(rational=理性的)」な行動をとるようになるだろう。そこが日本企業の出番である。

 もともと日本は資源に乏しかったために「節約」はDNAに組み込まれている得意技なのである。

 このところ平和ボケによる勘違いで賞味期限などを騒ぎ出し、そのためコンビニなどで弁当が捨てられたりしているが「もったいない」が当たり前になってくると、いずれ納豆のダイエット騒ぎ同様、古きよき時代の神話になるだろう。 3月安値以降、日本株の上昇率は世界で2位

 天然ガスの輸送にはパイプラインがいる。そのパイプラインの大元は住金だ。プーチンさんだって住金のパイプなしにはやっていられないはずといった具合に、探せば逆境を逆手にとれる日本企業は山ほどある。

 中国では「上に政策あれば下に対策あり」だそうだが、日本には「世界に問題があれば、日本に対応企業あり」と胸を張れる時が来たのではないだろうか。

 3月安値以降、日本株の上昇率は世界で2位になったというのも、そのあたりに目をつけた投資家が増えているからだろう。原油高に肝を潰すばかりが能ではあるまい。その先を考えてみると自らシナリオが書けてくるのではないだろうか。

 それにしても日本の政治や行政の情けないこと。国を考えて政策を打ち出すのが仕事だろうに、聞こえてくるのは目先のソロバン勘定だけ。

 後期高齢者もいじめられてばかりいないで、「元気高齢者党」でも作って蜂のひと刺しでも企てたらどうだろうか。道路どころか、食べることさえできなくなる前に。

ガソリン代の地域格差ってどうしてあるの?

2008年05月24日 エキサイト

 ガソリン代の高騰が日々、テレビなどで取り上げられる。

 そんななかでも気になるのが、ガソリン代の「地域格差」だ。 たとえば、自分の出身地・長野は昔からガソリン代が高いと言われており、観光に来た友人なども必ず「高っ!!」と鼻血を吹きそうなリアクションをとるのだが、これってなぜなんだろうか。

 長野は電車賃が高いことでも有名で、車でないと行けない場所も多いだけに、車の利用者はかなり多いはず。ガソリンスタンドも決して少ないとは思えないので、価格競争もそれなりにあるだろうに……。

 理由について、全国のガソリン価格情報を共有する価格投稿サイト「gogo.gs」に聞いた。

 「ガソリン価格の地域差は色々な要素があるといわれていますが、一般的なものとしてはまず『油槽所との距離』があります」と担当者。 タンカーで輸入した原油は、製油所で精製された後に油槽所に運ばれる。そこからタンクローリー等で陸送されるので、油槽所からの距離が遠い地域は輸送にコストがかかるということだ。これは、離島なども同様なのだという(沖縄本島を除く)。

 次に挙がったのは、やはり「価格競争」である。 「県道・国道などの街道沿いでガソリンスタンドが多数存在するような地域、ホームセンター併設のガソリンスタンドが存在する地域は、競争原理で比較的値段が安めな傾向があるんですよ」

 それでは、地域ごとのガソリン価格はどのように決まるのか。そのしくみは?

 「都道府県の中でも安いエリアとそうでないエリアが存在するので、その価格がどのように決まるかははっきりと言えませんが、上記に挙げたように立地的な要素+毎月(系列によって毎週)変動するガソリンの卸値でだいたいの価格が決まるんだと思います」

 サイト内では「全国・都道府県別価格ランキング!!」として、直近1週間の平均値がチェックできるのだが、5月20日(03:55)更新分によると、レギュラーの安い県は1位から順に、茨城県(\151.7/L)、福岡県(\151.9/L)、熊本県(\152・7/L)。ハイオクの安い県は1位から順に、茨城県(\162.2/L)、長崎県(\163.0/L ※価格情報の少ないエリア)、福岡県(\163.0/L)。

 逆に、レギュラーの高い県は順に、高知県(\160.7/L)、長野県((\159.6/L)、愛媛県(\159.4/L)。ハイオクの高い県は順に、高知県(\170.7/L)、長野県(\170.2/L)、鹿児島県(\169.7/L)。

 やっぱり長野って高いんですね……。

 ちなみに、沖縄本土のガソリンが安いのは、「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」によるものということだった。

 では、都道府県別でなく、価格などで頑張っているスタンドというのは?

 「価格的には、ホームセンター併設のSSや、最近セルフ化したSS、競合店が近隣に多いSSあたりが一般的に安いと思います。また、ガソリンだけでなく、意外に車検整備や板金などが安かったり、洗車が得意だったりと、ガソリンスタンドごとに色々な特徴がありますので、目的に応じて使い分けなどされても面白いと思いますよ」

 ガソリン代高騰に悩む皆さん、ぜひご参考に。(田幸和歌子)

原油高直撃でアジア主要国 ガソリン公的支援、相次ぎ廃止・縮小

2008/05/24 FujiSankei Business i.

 今週、ニューヨーク原油先物市場で1バレル=135ドルの最高値を記録した原油高に耐え切れず、アジアの主要国が相次ぎガソリンなどの価格維持に向けた公的支援の縮小や打ち切りに追い込まれている。小麦やコメなどの穀物価格の高騰に加え、エネルギー価格の上昇に歯止めがかからなくなれば、個人消費が一気に冷え込む可能性がある。欧米に比べ比較的堅調に推移していたアジア経済の減速は避けられない情勢だ。

 ≪流動性資金危機≫

 インドの主要メディアによると、インド政府は23日までに、原油高に対する緊急対策の骨格を固めた。

 ガソリンの上限価格を1リットル=10ルピー(約25円)引き上げて約2割の値上げを容認する一方、激変緩和措置として石油製品にかけられている5%の原油消費税をゼロに、石油・ディーゼル製品の輸入関税を7・5%から2・5%にそれぞれ引き下げる案が有力だ。油田の探鉱・開発に対する公的支援強化なども盛り込み、早ければ週明けにも正式決定する。

 石油の7割以上を輸入に頼るインドでは、政府が石油会社に補助金を出す代わりに石油製品の上限価格を設定しているが、国営のインド石油公社や、バーラット石油、ヒンダスタン石油の大手3社の逆ざやは1日当たり45億ルピー(約116億円)に達し、手元流動性資金が枯渇し、借入金の上限を定めた定款変更手続きを迫られるなど危機的状況に陥っている。政府は現状を維持し続ければ財政を圧迫するだけでなく石油会社の経営が破綻(はたん)しかねないと判断した。

 すでに同国では主食のコメや小麦価格が高騰し、物価上昇率は3年半ぶりの高水準にあるが、インフレへの警戒を強めているインド準備銀行(中央銀行)のレッディ総裁も石油製品の値上がりを容認せざるを得ない状況だ。食品に加えガソリン小売価格が上昇すれば、個人消費の一段の冷え込みは避けられない。

 シン首相は、22日にニューデリーで開かれた与党の会合で「世界的な相場商品の上昇圧力は、とくに原油と食料分野で顕著であり、インフレ圧力の増大につながる」との懸念を表明するとともに、新たな物価安定策を探る考えを示した。

 ≪電気料金値上げも≫

 一方、台湾もガソリンとディーゼル燃料価格の安定に向けた公的支援を6月1日に廃止するのに続き、7月には電気料金を引き上げる見通しだ。インドネシアは近く石油製品を28%余り値上げするほか、マレーシアも公的支援予算が上限を超え、電気料金値上げに踏み切るとみられている。

 こうしたなかで、他のアジア各国に比べ公的支援を支える財政に余力がある中国が、ただちに原油高に対応した石油製品の値上げに追い込まれる可能性は小さい。ただ、エコノミストらの間では今後も原油高が続けば、中国でも公的支援の縮小が避けられなくなるとの見方が支配的だ。

高騰する原油価格に低迷する成長

MAY 23, 2008 東亜日報

 22日、韓国石油公社によれば、21日に米ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引された7月引渡し分のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)価格は、前日より1バレル当たり4.19ドル高い133.17ドルで取引を終え、史上最高値を更新した。WTIの現物価格は3.47ドル高い132.56ドルで取引を終えた。

 韓国が主に輸入している中東産ドバイ油も同様に3.29ドル値上がりし、123.69ドルで史上最高値を更新した。

 これを受け、WTI現物やドバイ油の価格は3月末に比べて、それぞれ30.5%と26.7%も値上がりした。今後の展望も芳しくなく、米国系投資銀行のゴールドマンサックスは最近、10年までは1バレル当たり200ドルにまで達しかねないという報告書を出したりもした。

 原油価格の高騰ぶりは、世界各国の物価を引き上げ、実体経済を萎縮させ、成長率下落の主な要因となっている。21日に公開された連邦公開市場委員会(FOMC)の4月定例会議の議事録によれば、FRBは今年の米経済の成長率の展望値を「0.3〜1.2%」へと見直した。これは1月に提示された「1.3〜2%」より1%ポイント下げたものだ。

 世界経済に対する衝撃で証券市場も軒並み急落した。22日、ソウル証券市場でのコスピ指数は前日より12.09ポイント(0.65%)下がった1835.42で取引を終えた。4日間連続下落を示したコスピ指数は、1800台まで脅かされている。

 中国上海総合指数は1.65%下がるなど、ほとんどのアジアの証券市場も急落振りを見せた。これに先立って21日(現地時間)、米ダウ指数とナスダック指数はそれぞれ1.77%急落した。

 一方、石油公社のガソリンスタンド総合情報システムのオフィスネットによれば、同日の販売価格基準で、ソウル永登浦区汝矣島洞(ヨンドゥンポグ・ヨイドドン)のSガソリンスタンドは、レギュラーガソリン価格が1リットル当たり2025ウォンで、2000ウォン台を突破した。また、江南区(カンナムグ)ではレギュラーガソリン価格が2000ウォンを上回るガソリンスタンドが7ヶ所に上る。

 江南区C潭洞(チョンダムドン)のAガソリンスタンドは、軽油価格が1リットルあたり1999ウォンで、2000ウォン台の突破を目前にしており、江南区で軽油価格が1950ウォンを上回るガソリンスタンドは19ヶ所にも上る。

NY原油、初の135ドル 想定外の上昇、業績下振れ 200ドル時代も視野

2008/05/23 FujiSankei Business i.

 22日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場が、21日に続き一時1バレル=135ドル台を付け、史上最高値を更新した。20日の高値に比べると5ドルもの大幅な上昇。投機マネーの流入による急ピッチの上昇で、日本企業が設定した今期の想定レートをはるかに上回る水準に高騰している。2009年3月期の上場企業の業績は7年ぶりの減益が見込まれているが、一段の下振れは必至だ。

 ≪選択≫

 東レの榊原定征社長は22日に大阪市内で開いた記者会見で、1バレル=200ドル時代を想定した事業計画の検討に入る考えを明らかにした。

 榊原社長は「高付加価値品へのシフトも大切だが、今後、事業として成立するのかを考えなくてはならない時期にさしかかっている」と語り、コスト増で採算が取れなくなる事業からの撤退も示唆した。

 東レが08年3月期に化繊や樹脂の原料として調達した際の平均原油価格は、ドバイ産で1バレル77・1ドル。今月13日の決算発表の段階では、09年3月期は100ドルを想定し、「年央から後半にかけて下がる」(榊原社長)とみていた。

 しかし、ニューヨークの先物急騰を受け、ドバイ産も21日時点で123・75ドルまで上昇している。価格への転嫁にも限界があり、急激な上昇を受け、わずか10日足らずで、軌道修正を迫られた格好だ。

 ≪転嫁≫

 紙を乾かす工程で大量の重油を使用する製紙各社も想定を超える急騰に頭を抱えている。

 各社の今期の想定レートはドバイ産で、日本製紙グループ本社の88ドルを筆頭に、「楽観的かも」(赤川公一取締役)という北越製紙も90ドルと100ドル以下。最大手の王子製紙も100ドルにとどまっている。

 王子と日本製紙の場合、いずれも1バレル当たり1ドル上昇すると4億円のコスト増になるという。このため、すでに想定に比べて王子で96億円、日本製紙で144億円ものコスト増に見舞われている計算になる。

 各社は08年3月期に原燃料価格の高騰に価格の改定が追い付かず、軒並み大幅減益を強いられた。09年3月期は「さらなる転嫁をお願いする」(篠田和久・王子製紙社長)とし、値上げの浸透効果で増益を見込んでいる。

 しかし、あまりの急ピッチの上昇で、前期同様に値上げが追い付かない可能性があり、早くも増益への反転に黄色信号がともった。

 ≪直撃≫

 運輸業界も想定外の急騰の直撃を受ける。日本航空は原油相場に連動する想定燃料価格について、今期は前期実績の1バレル=93ドルから110ドルに引き上げ、燃料費が970億円増えるとみていた。

 ところが、22日現在の価格はすでに160ドルを超えている。1ドル上昇すると約40億円の減益要因となる。自動的に転嫁する燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の引き上げやコスト削減で吸収したい考えだが、前期比44%減を見込む営業利益がさらに落ち込む懸念はぬぐえない。

 商船三井も燃料となる重油価格を今期は1トン当たり530ドルと想定し、0・7%減の経常減益を見込むが、1ドルの上昇で3億円の減益要因となるため、減益幅が拡大すると危惧(きぐ)している。

原油135ドル GDP0・6%押し下げ 日本、成長1%割れ懸念

2008/05/23 FujiSankei Business i.

 一時1バレル=135ドル台まで一気に急騰した原油価格が、「踊り場」局面にある日本経済を直撃するのは必至だ。このまま130ドル台で推移すると、今年度の国内総生産(GDP)の実質成長率は0・5〜0・7%押し下げられ、1%以下の低成長に落ち込む懸念がある。

 2008年度の政府経済見通しは2・0%のプラス成長。民間シンクタンクの予想でも10社の平均で1・5%となっている。しかし、民間予想の前提である原油価格は1バレル=110ドル前後で、実際の価格はすでに想定をはるかに上回っている。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの鶴田零研究員は「原油価格が10ドル上昇すると、成長率は0・3%押し下げられる」と試算しており、前提よりも20ドル高い現在の水準では0・6%も押し下げられる。

 原油価格の高騰は、コストアップにより企業業績を悪化させ、設備投資の抑制を招く。さらに、賃金や雇用の悪化に発展し、ガソリン価格の上昇もあいまって個人消費が縮小。企業の生産が低下し、さらに業績が悪化するという「負の連鎖」が懸念されている。

 カギとなる今後の相場の見通しについて、第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「最近の原油高は、株価や為替変動と連動しない独歩高。世界的にだぶついたマネーが、株式市場などに比べはるかに小さい原油市場に流れ込んだことによる原油バブル」と指摘し、いずれ崩壊すると予測する。

 大和総研の神田慶司エコノミストは「150ドル程度まで上昇する可能性がある」としながらも、「主要国の金融引き締め政策への転換がバブル崩壊の契機になる」と指摘している。

原油高騰:「夏に150ドル突破」観測も 投機資金流入、新興国需要が急増

2008年05月23日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 原油価格の高騰に歯止めがかからない。ニューヨーク市場の原油先物相場は21日、原油在庫の大幅減を受けて、米国産標準油種(WTI)が取引終了後の時間外取引で1バレル=135ドル台の最高値をつけた。新興国の需要急増に伴う需給バランスの崩れが根底にあるうえ、投機資金の流入も拍車をかけており、夏場の需要期に向けて150ドルを突破するとの見方も出ている。

 原油価格は、5日に120ドル台をつけた後、わずか2週間で15ドルも上昇。昨年5月と比べて約2倍の水準に達した。

 中国やインドなど新興国での需要増を見越した長期先物の値上がりも目立ち、WTIの15年12月渡しは140ドルの大台を突破している。

 「異常な価格だ。投機筋が巨額の利益を得て、途上国や日本の中小企業も苦境に陥っている」。経済産業省の北畑隆生事務次官は22日の記者会見で、原油急騰に強い懸念を示した。ただ、市場では当面、上昇局面が続くとの見方が根強い。

 米国ではガソリン需要が高まる夏場のドライブシーズンを迎え、中国も8月に開幕する北京五輪を控えて需要が高水準で推移する見通しだ。

 さらに四川大地震の復興に向けた燃料消費が拡大するとの観測もあり、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員は「1、2カ月は原油が高止まりし、一時的に150ドルに達する可能性もある」と指摘する。

 5月に入り、欧米の金融機関や著名な投資家が相次いで強気の見通しを示しており、米証券大手ゴールドマン・サックスは今後2年間で200ドルまで上昇する可能性があるとの見通しを示した。

 野村証券の大越龍文シニアエコノミストも「世界経済が好調に推移して途上国を中心に需要が伸びる一方、米国の金融緩和で金余り状態が続けば、来年には200ドルに達する危険性がある」と警告する。

 一方で、原油高が世界景気の抑制要因となり、需要が一時的に伸び悩んで価格が下落するとの見方もあるが、新興国の今後の需要増に見合うだけの供給体制が整備されるめどは立っておらず、当面高止まりが続きそうだ。【ワシントン斉藤信宏、谷川貴史】

原油最高値 省エネ援助で活路を見いだせ(5月23日付・読売社説)

2008年05月23日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 原油の高騰が止まらない。ニューヨーク市場の先物価格は1バレル=135ドルをつけ、最高値を更新し続けている。

 特別な買い材料があるわけではない。それなのに値上がりするのは、投機マネーが続々と流れ込んでくるからだ。このままでは1バレル=150ドル台乗せもあり得る、と予測する声がある。

 1バレル=100ドルをつけた時点で世界経済の足かせになると懸念されたが、150ドルを超えるようなことがあれば、さらなる影響は避けられない。

 これ以上の原油高を防ぐには、石油消費国側が省エネや代替エネルギーの利用推進に一段と力を入れる必要があろう。

 7月の北海道洞爺湖サミットでは、エネルギー問題での国際協調に関する協議が重要になる。

 もともとサミットは、1973年に起きた第1次石油危機への対応などを話し合う場だった。

 今回のサミットでも、主要国が一致して行動するとの強いメッセージを市場に送り、投機筋をけん制して原油高に歯止めをかけることが期待されている。

 原油価格は、今年1月に100ドルを突破した。5月初旬には120ドルに達し、その後の2週間あまりで15ドルも値上がりした。

 背景にあるのが世界的な金余りだ。米国のサブプライムローン問題で金融緩和が進み、市場に出回る資金はさらに増えた。この余剰資金が、有利な運用先を求めて原油や穀物市場に向かう構図だ。

 需要構造の変化もある。中国、インドなど途上国の経済発展でエネルギー需要は飛躍的に伸びた。最近は石炭や天然ガスなども急騰している。それが再び原油価格に跳ね返る悪循環になっている。

 価格高騰の連鎖を断ち切る手段はないか。実需に関係ない投機マネーの流入を抑えるため、原油先物取引の手数料を引き上げたり、課税を強化すべきだとの声もある。技術的に難しさもあるが、可能かどうか検討には値しよう。

 第1次石油危機当時、日本の電源は7割以上を石油に頼っていたが、現在では1割だ。製造業でも、日本企業の生産効率は世界最高水準にある。

 日本並みの技術を導入すれば、多くの途上国で、エネルギーの使用効率を大幅に引き上げることが可能とされる。

 日本は官民挙げて、技術協力に取り組み、途上国の脱石油・省エネに協力すべきである。それが、世界のエネルギー価格高騰抑止の一助にもなるはずだ。

原油高騰 企業や家計に打撃深刻

2008.05.22 MSN産経新聞

 ニューヨークの原油先物相場で1バレル=135ドルを超す原油価格の急騰が、国内の企業や家計にも深刻な打撃を及ぼし始めた。ついに1バレル=200ドルを前提に事業計画を組んで構造改革に乗り出す化学メーカーが表れたほか、素材や運輸業界で業績の下方修正が心配される。家計に直結するガソリン価格も、来月から四半世紀ぶりに1リットル=170円台に突入する見通しで、景気の先行きに不透明さが急速に広がっている。

 化学繊維大手の東レの榊原定征社長は22日、原油価格を1バレル=200ドルに設定した事業運営に乗り出す決意を表明した。東レは今月9日の決算発表時も今期1バレル=100ドルの想定を変えなかったが、2週間足らずで方針を転換。「(200ドルでも)事業が成立しうるか考えなくてはならない」(榊原社長)とし、コストに見合う採算がとれない事業に見切りをつけるなど、抜本的な改革に着手する。

 また、日本航空は今期の航空燃料価格を1バレル=110ドルと想定したが、足元の燃料価格はすでに50ドル上回る水準で推移。1ドルの上昇が約40億円の利益圧迫となるため、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)の引き上げなどで対応するが、影響は避けられない。

 重油の消費が多い製紙業界では、調達価格を日本製紙グループ本社の88ドルや北越製紙の90ドルなど、原油価格を低めに想定した。王子製紙や日本製紙は原油価格1ドルの上昇ごとに4億円のコスト増となるため、「さらなる価格転嫁をお願いする」(王子製紙の篠田和久社長)という。

 原油価格高騰の直撃を受けるのは石油元売りだ。日本石油など各社は、6月出荷分のガソリン卸価格を1リットルあたり10円以上値上げする見通しだ。22日の米原油先物相場は1バレル=135ドル台に突入、各社の主な調達先の中東・ドバイ原油は21日時点で1バレル=123・75ドルと、前月比16ドルも上昇している。このため、5月の調達コストは1リットルあたり10円以上悪化し、「大幅な値上げは避けられない」(元売り幹部)状態。消費者の節約努力も吹き飛ぶ物価の高騰につながりそうだ。

NY原油、初の135ドル台 需給懸念で歯止めかからず

2008/05/22 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク22日共同】二十一日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、需給関係悪化への警戒感から急騰し、指標となる米国産標準油種(WTI)七月渡しが通常取引終了後の時間外取引で一時、一バレル=一三五・〇四ドルをつけ、前日の最高値(一二九・六〇ドル)を五ドル超上回った。一三五ドル台は初めて。

 終値は前日比四・一九ドル高の一バレル=一三三・一七ドル。終値の最高値更新は四営業日連続。ガソリン需要が伸びる米国の行楽シーズン入りで供給不足への懸念が強く、相場上昇に歯止めがかからない展開となっている。

 同日発表の米原油在庫が市場予想に反して大幅に減り、買い進まれた。中国など新興国の需要が拡大するとの見方や石油輸出国機構(OPEC)が増産に否定的との観測、ユーロなどに対するドル安による割安感から投機資金の流入も続いた。「相場の勢いはしばらく衰えないだろう」(米アナリスト)との声が聞かれた。

 二十二日の通常取引前の時間外取引は、一バレル=一三五ドル近辺の高値圏で推移した。

原油需要、13年に生産能力上回る=相場高騰に拍車−金融機関予測

2008/05/22-時事ドットコム

 【ニューヨーク22日時事】世界全体の原油需要が2013年に生産能力を上回る−。欧米の金融機関は22日までに相次いでこのような見通しを示した。これを受け、米原油市場では需給逼迫(ひっぱく)を見越した買いが膨らみ、価格急騰に拍車が掛かっている。

 現在、世界の原油需要は日量約8600万バレル。これに対し生産能力は約9000万バレルで、余力を維持している。だが、メキシコなどで資源が枯渇しつつあるため、生産能力は9100万バレル程度で頭打ちになるとみられ、スイス金融大手UBSの予想では、13年には需要が生産能力を上回る見通しだ。

原油、60〜70ドルが妥当=北畑経産次官

2008/05/22-時事ドットコム

 経済産業省の北畑隆生事務次官は22日の記者会見で、原油先物相場の1バレル=135ドル突破について「異常な価格だ」と述べ、60〜70ドルが妥当な水準だとの認識を示した。

 同次官は投機資金の大量流入が原油価格の高騰に拍車を掛けていると強調。6月7日に青森市で開催する5カ国エネルギー相会合で原油高問題を協議すると語った。会合には大量消費国の日本、米国、中国、インド、韓国のエネルギー相が参加する。

情報BOX:原油価格が最高値更新を続ける主な要因

2008年05月22日 Thomson Reuters

 [21日 ロイター] 米原油先物は21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、1バレル=130.47ドルに上昇し過去最高値を更新した。原油価格は、おう盛な需要とドル安を背景に2007年初めの50ドルを下回る水準から大幅上昇している。

 原油価格が最高値更新を続ける主な要因は以下のとおり。

 <ドル安>

 主要通貨に対するドル相場の下落は、ドル資産に割安感が出るため、幅広い商品の買いを誘発している。

 ドルの下落はまた、石油輸出国機構(OPEC)の収入の購買力を低下させ、ドル以外の通貨を保有する一部の買い手の購買力を強めている。

 <資金>

 米連邦準備理事会(FRB)の昨年8月中旬以降の利下げや、信用収縮の緩和に向けた各国中銀による金融市場への流動性供給を受けて、原油価格と金価格は上昇している。

 投機資金の流入と同様、原油を含む商品市場に年金基金やヘッジファンドから投資資金が大量に流入している。一方、信用収縮により米資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)市場など他の一部の市場は事実上、機能が停止しており、アナリストによると、こうした市場から一部資金がエネルギーや商品市場に流れ込んでいるもよう。

 <需要>

 これまでの原油価格の急騰は、供給懸念が要因であったが、今回は石油消費大国である米国と中国の需要が主な要因となっている。

 世界的な需要は2004年に急増してから減速しているものの、依然伸びており、価格上昇による経済への影響はこれまでのところ限定的にとどまっている。

 <OPECの減産>

 OPECは原油価格の下落に歯止めを掛けるため、06年終盤に減産を開始した。

 これが原油相場の上昇ペース加速につながっており、国際エネルギー機関(IEA)をはじめ消費国がOPECに増産するよう要請している。

 OPECは、市場への原油供給は十分だとして12月以降の総会では原油生産量を据え置くことで合意している。次回の会合は9月9日。

 <ナイジェリア>

 世界8位の石油輸出国であるナイジェリアでは、2006年2月以降、武装勢力による石油セクターへの攻撃で原油生産が停止している。

 <イラン>

 消費国の間では核開発プログラムをめぐり西側諸国と対立しているイランからの供給障害が懸念されている。

 <イラク>

 イラクは、数十年におよぶ戦争や制裁、投資不足などで、国内石油セクターの再生に苦闘している。

 2003年3月のイラク戦争開始以降、パイプラインの使用不能の原因となっていたシステムの技術的な問題が解決しつつあり、イラク北部キルクークからの原油輸出は安定化している。

【アイズ・アイ】大阪大学大学院教授・伴金美 価格の高騰と市場メカニズム

2008/05/21 FujiSankei Business i.

【プロフィル】伴金美 ばん・かねみ 

1949年愛知県生まれ。74年名古屋大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学助手、広島大学講師、筑波大学講師を経て、82年大阪大学経済学部助教授。91年同教授、98年から同大学院教授。経済学博士。著書に『マクロ計量モデル分析』(有斐閣)など。

 ■需要側も戦略的な動きを

 ◆だれもが投機筋

 原油だけでなく、生活に欠かせない食料品までもが世界的に高騰している。サブプライム問題で先行き不透明感が高まっているが、これまでの世界的な景気拡大の中で生じた価格高騰のために、歴史教科書でしか知らない米騒動が今も世界各地で起きている。

 その中で批判にさらされているのが投機筋の動きである。社会が混乱するとき、社会はそれを引き起こした悪役の存在を必要とし、投機筋は格好な標的とされてきた。しかし、悪役を批判することで留飲を多少下げることができても、本質的な解決には至らない。

 そもそも、投機筋としてヘッジファンドを思い浮かべる人が多いが、暫定税率復活前にガソリンを満タンにした人々も投機筋である。もし価格高騰を沈静化しようとするのであれば、需要が供給を上回る超過需要状態を解消するしかない。価格を統制しても、社会的には喝采(かっさい)されるが、供給が途絶えて市場から物はなくなり問題はさらに深刻化する。

 市場メカニズムとは、需要が供給を上回るとき、価格をシグナルとして供給に見合うように財を配分しようとするシステムである。したがって投機的な悪徳業者がいなくても、需要と供給が一致すれば、買うことをあきらめる人は必ず存在する。需要する人すべてが分け隔てなく手にすることができるのであれば、空気のように価格はゼロとなるのが市場メカニズムである。

 ところで、超過需要を解消する方法として配給制度もある。しかし、物に対する必要度は人によってまちまちなので、転売を禁止することで公正を担保しようとすれば、闇市が出現することになる。経済学は、闇市のような不当利得の機会をつくるよりも、配給物の転売市場を公認することを勧めるが、それは市場メカニズムに委ねることと同じである。

 EU(欧州連合)が導入した排出量取引制度も、排出量を企業に割り当て、必要性に応じて企業間で転売を認めるものである。反市場主義の人からは、「排出量を金もうけの手段にするのか」と非難されるが、彼らが理想とする配分制度はいかなるものであろうか。

 もちろん、生活必需品と考えられるエネルギーや食料品の場合、価格シグナルが需要量に与える影響は小さく、投機筋が少し需要を増やせば、あるいは少し売り惜しみをすれば、価格を急騰させることができる。しかし、投機で価格が上昇したとしても、それが永続することはできない。投機が目的とするのは現在の価格と将来の価格のサヤであり、投機が続けば価格は青天井となる。しかし、実需が伴わなければ、高い価格も終焉(しゅうえん)を迎える。

 ◆供給の先行きは

 今、エネルギーや食料の供給がどうなるかが一番の問題である。化石エネルギーについて言えば、供給側としては悩ましいところであろう。これだけ価格が高騰してしまうと、代替エネルギーの出現による暴落リスクを考えれば、供給を増やすよりも短期的な利得を確保するのが得策であろう。これは二酸化炭素排出量を抑制する上からも望ましい。

 一方、食料価格高騰の背景には、代替エネルギーとして世界がバイオ燃料に力を入れ始めたことによる影響があるが、政策を立案するとき部分ではなく、全体の視野で考える必要性を理解させる良い事例であろう。

 もっと知ってほしいことは、需要する側も戦略的に動くことが必要である。市場とは、プレーヤーが激烈な競技を展開する場である。そのルールを知ることが勝利する手かがりである。

NY原油、130ドルに迫る 需給逼迫懸念で最高値

2008/05/21 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク21日共同】二十一日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)七月渡しが通常取引前の時間外取引で一時、一バレル=一二九・七五ドルまで上昇、前日につけた最高値(一二九・六○ドル)を更新した。

 米国でガソリン需要が高まる夏のドライブシーズン入りを控え、石油輸出国機構(OPEC)が増産に否定的なため、需給逼迫(ひっぱく)感が根強く、買いが優勢となった。

 ドルが主要通貨に対して弱含んだため、原油の割安感が出たことも、投機資金の流入を加速させた。

 WTIは二十日夕から取引の中心が七月渡しに移行。同日が最終取引日だった六月渡しは、前日比二・○二ドル高の一バレル=一二九・○七ドルで取引を終了、終値ベースの最高値を三営業日連続で更新した。

NY原油、127ドル台前半

2008.05.20 MSN産経新聞

 ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は20日、需給引き締まりへの懸念を材料に通常取引前の時間外で、商いの中心となる米国産標準油種(WTI)6月渡しが一時、1バレル=127ドル台前半で取引された。

 石油輸出国機構(OPEC)が増産に消極的な一方、中国をはじめとする新興国の需要が依然根強い、との観測から買いが優勢となった。

 週明けの19日は、前週末比0.76ドル高の127.05ドルで取引を終え、終値としての最高値を2営業日続けて更新した。(共同)

NY原油、終値も最高値 供給に懸念、128ドルに迫る

2008/05/17 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク16日共同】十六日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は供給不足への懸念から三日ぶりに急反発し、商いの中心となる米国産標準油種(WTI)六月渡しが前日比二・一七ドル高の一バレル=一二六・二九ドルで取引を終え、終値としての最高値を一週間ぶりに更新した。

 午前中に一時、一バレル=一二七・八二ドルをつけて、十三日に記録した最高値(一二六・九八ドル)も塗り替え、一二八ドルに迫った。

 サウジアラビアの増産実施が伝えられたが反応薄で、市場では「需給逼迫ひっぱく感が強いため、増産は力不足と受け止められた」(米アナリスト)との声が聞かれた。

 米証券大手ゴールドマン・サックスが、今年後半の平均価格の予想を一バレル=一四一ドルに上方修正したことを手掛かりに買いが膨らんだ。

 四川大地震の影響で中国の天然ガス生産が減少しディーゼル燃料の輸入が伸びるとの観測や、ユーロなどに対するドル安傾向も上昇を支えた。

サウジ、原油増産応じず 米大統領、核協力で覚書

2008/05/17 中国新聞ニュース

 【リヤド16日共同】中東歴訪中のブッシュ米大統領は十六日、二番目の訪問国サウジアラビアの首都リヤドでアブドラ国王と会談し、一バレル=一二七ドルを突破し最高値を更新した原油価格の抑制に向けて増産を要請したが、AP通信によると、サウジ側は当面、増産の必要がないとの立場を示した。

 米ホワイトハウスによると、米国はサウジによるエネルギーの安定供給を守るため、基幹施設や国境の安全強化に向けた協力推進で合意した。

 サウジの民生用原発開発を支援する了解覚書への署名を通じ、外交関係樹立から七十五周年を迎えた両国関係の強化を図る。

 サウジ側は大量破壊兵器の移転を阻止するため、米国が主導している拡散防止構想(PSI)に参加する方針を確認。核テロ対策強化のための国際的枠組みにも加わる意向を示し、両国はペルシャ湾岸で影響力を強めるイランへの対応やパレスチナ和平交渉の支援策も協議。

 ブッシュ大統領のサウジ訪問は一月以来、二回目。

ついに「ガソリン170円」? 出光値上げで大台肉薄

2008.05.13 MSN産経新聞

 出光興産は13日、5月16〜31日出荷分のガソリンなど石油製品の卸価格を5月1日に比べ1リットル当たり5円値上げすると発表した。すでに1〜15日出荷分の卸価格を先月比7円引き上げており、5月だけで4月比12円の値上げとなる。上げ幅としては、月次で卸価格の改定を始めた平成2年9月(8円)以来過去最大。

 原油高による調達コスト上昇が主因で、16日以降の出光系スタンドのレギュラーガソリンの店頭価格は167〜168円となり、170円に迫る可能性もある。

 出光によれば、5月下旬の調達コストの目安となる4月25日〜5月8日の原油価格はドバイ・オマーン原油平均で4月10〜24日に比べ1バレル=4・4ドル上昇し110・3ドルとなった。一方で円高によるコスト削減効果もあったが、原油高騰分を吸収しきれなかったという。

NY原油、初の125ドル台 供給不安やドル安で

2008年05月09日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク9日共同】ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、9日早朝の時間外取引で、取引の中心となる米国産標準油種(WTI)6月渡しが一時1バレル=125・12ドルまで上昇、最高値を更新し、初めて125ドル台に乗せた。

 8日には初めて124ドル台に乗せたばかり。

 産油国が増産に消極的な一方、中国をはじめとする新興国の需要増などから供給不足への不安が根強く、買いが優勢となった。外国為替市場でドル安が進んだことも相場上昇を後押しした。

石油元売り大手2社が経常増益 在庫評価益増加で

2008.05.09 MSN産経新聞

 石油元売り大手4社の平成20年3月期連結決算が9日出そろった。原油高が続くなか、期初の割安な在庫による利益かさ上げ(在庫評価益)効果で経常利益は新日本石油とコスモ石油が増益となる一方、出光興産と新日鉱ホールディングス(HD)が減益となった。21年3月期は、円高で在庫評価益が減少するため、出光を除く3社が減益を予想する。

 出光を除く3社は、原油の在庫評価について、期初の在庫額と当期の仕入れ額を合計し平均する方式を採用。原油が上昇すると評価益が生じるため、20年3月期の評価益は新日石で前期比1067億円増、コスモは同422億円増となり利益を押し上げた。新日鉱HDも評価益は出たが、金属事業の減益が影響した。

 原油の後入先出法を採用する出光は、評価益がなく石油精製販売事業の営業損益は78億円の赤字に転落。ただ、ほかの3社も評価益を除いた石油精製事業の実質損益は赤字だった。原油調達コストの増加を末端価格に転嫁できなかったため。

 21年3月期のドバイ原油価格は、4社とも前期比18ドル高の1バレル=95ドルと高値継続を予想。ただ、出光は石炭事業の好調から唯一、経常増益を見込む。

NY原油、120・36ドル 供給懸念で最高値更新

2008年05月06日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク5日共同】週明け5日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、原油の安定供給への懸念から急伸、取引の中心となる米国産標準油種(WTI)6月渡しが一時、1バレル=120・36ドルまで上昇し、初の120ドル台をつけた。4月27日に記録した最高値(119・93ドル)を上回り史上最高値を更新した。

 終値は前週末比3・65ドル高の1バレル=119・97ドルで、終値ベースでも最高値となった。

 原油価格は年明けに初めて1バレル=100ドルに達してから4カ月余りで約2割上昇。昨年初めにつけた1バレル=約50ドルの約2・4倍に値上がりした。

 産油国ナイジェリアで武装勢力の活動が活発化し、生産停止に追い込まれたことを材料に買いが先行。イランの核開発問題やイラク北部でのトルコとクルド人武装組織の武力衝突などをめぐり、中東地域の緊張が高まったことから一段高となった。

NY原油、一時119ドル台 労使紛争で供給懸念

2008年04月28日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク28日共同】28日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、供給不足への懸念から、指標となる米国産標準油種(WTI)6月渡しが朝方の時間外取引で一時、1バレル=119ドル前半で取引された。

 27日には時間外取引で119・93ドルまで上昇、最高値を更新し、120ドルに迫った。

 日量約70万バレルを運ぶ英北部スコットランドの油送管が、労使紛争の影響で停止。また産油国ナイジェリアでも労使紛争による大規模な生産停止などが伝えられたことで、原油供給への不安が高まり、買いが優勢となった。

ガソリン160円突破へ 5月、小売価格が最高値に

2008年04月28日 中国新聞ニュース

 レギュラーガソリンの全国平均小売価格が5月に過去最高値を更新することが確実となり、1リットル当たり160円を突破する見通しが強まった。石油元売り大手各社が28日、ガソリン税の暫定税率が復活した場合、5月1日からのガソリン卸価格を4月に比べ1リットル当たり30円前後引き上げることを決めたためだ。

 暫定税率分の25円10銭に加え、原油価格高騰によるコスト上昇で卸価格は大幅な引き上げとなった。電力・ガス各社も原油高を受け7−9月分の電気・ガス料金引き上げを決めており、食品や日用品の値上げに見舞われている家計が一段と厳しくなるのは必至。

 出光興産は暫定税率が復活した場合、5月1日から15日までに出荷するガソリンなど石油製品の卸価格を4月に比べ1リットル当たり32円10銭引き上げると発表。暫定税率分に加え、原油価格高騰を受けた調達コスト上昇などによる卸価格引き上げ幅を7円とした。

 暫定税率を含めた卸価格の引き上げ幅は、新日本石油が1リットル当たり28円80銭、昭和シェル石油は30円30銭、ジャパンエナジーは30円超。

出光、卸価格32円引き上げへ 暫定税率復活と原油高騰

2008/04/28 中国新聞ニュース

 石油元売り大手の出光興産は二十八日、ガソリン税の暫定税率が復活した場合、五月一日から十五日までに出荷するガソリンなど石油製品の卸価格を四月に比べ一リットル当たり約三十二円引き上げると発表した。

 出光は、暫定税率分の一リットル当たり約二十五円に加え、原油価格高騰を受けた調達コスト上昇によって卸価格を七円引き上げる。

 五月のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は、石油情報センターが調査を開始して以来の最高値を更新するのは確実で、一リットル当たり百六十円に近づく可能性が出てきた。電力・ガス各社も七―九月分の電気・ガス料金引き上げを発表しており、家計の負担は一段と重くなる。

 元売り大手では、ジャパンエナジーも暫定税率が復活した場合、五月分の卸価格を一リットル当たり三十円超引き上げる方針を明らかにしている。

税制法案「みなし否決」へ 30日に衆院再議決

2008年04月24日 中国新聞ニュース

 揮発油税の暫定税率維持を盛り込んだ税制改正法案は24日、審議している参院財政金融委員会で採決されず、参院送付60日目に当たる28日までの採決は極めて困難な情勢となった。同法案は憲法59条に基づき「みなし否決」となる公算で、政府、与党は30日に衆院本会議で再議決、成立させる方針。暫定税率は5月1日にも復活し、ガソリン価格は値上がりする。

 みなし否決後に衆院で再議決したのは、1952年の国立病院特別会計所属資産譲渡特別措置法だけ。実施されれば56年ぶり2例目となる。

 これに関連し、政府筋は福田康夫首相が30日の再議決後に記者会見して国民の理解を要請。併せて税制改正法案の施行日を5月1日とする政令を閣議決定する方針を明らかにした。

 24日午後の参院財政金融委理事懇談会では、同日中の採決を求める与党側と、5月1日に委員会を開催して審議を続行するよう主張する野党側が対立。結論が出ず、24日午後の委員会は取りやめとなった。

NY原油、続伸

2008.04.24 MSN産経新聞

 23日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は続伸し、取引の中心となる米国産標準油種(WTI)6月渡しは前日比0・23ドル高の1バレル=118・30ドルで取引を終えた。

 産油国ナイジェリアの政情不安などを材料にした資金流入が続いた。午前発表の米原油在庫が増加したことや、ドル安傾向が一服したことで、相場上昇の勢いがやや弱まった。市場関係者は「供給は十分にあるが、一段の上昇期待から買われている」(米アナリスト)と話した。(共同)

NY原油、119.37ドルで最高値更新、120ドル突破も間近

2008年04月23日 AFP BB News

【4月23日 AFP】22日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(New York Mercantile Exchange、NYMEX)の原油先物相場は、米標準油種の軽質スイート原油(5月渡し)が1バレル119.37ドルで取引を終え、終値の過去最高値を更新した。

 取引中は一時、史上初の120ドル突破も間近となった。

 世界的な原油の供給懸念により、過去1年でNY原油の価格は57ドル以上も上昇。米経済の成長率に対する悪影響の懸念が膨らんでいる。

 専門家は、ドル安、ナイジェリアでの石油パイプライン襲撃、石油輸出国機構(OPEC)の増産消極姿勢が背景にあるほか、中国とインドの急激な経済成長が原油需要を急増させており、それが世界的な価格高騰につながっていると指摘している。(c)AFP

NY原油、また最高値 1バレル=117・60ドル

2008年04月21日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク21日共同】21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)5月渡しが通常取引開始前の時間外取引で一時、1バレル=117・60ドルをつけ、最高値を更新した。午前9時現在は前週末比0・02ドル安の1バレル=116・67ドル。

 ニューヨーク原油相場は、需給逼迫懸念から20日にも時間外で117・05ドルまで上昇、最高値を更新したばかり。

 ローマで開幕した「国際エネルギーフォーラム」は原油市場安定化が目的だが、石油輸出国機構(OPEC)が増産に消極的な姿勢を示していることを材料に買い注文が集まった。甘利明経済産業相と20日会談したサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、原油供給量は十分とした。

NY原油、初の117ドル 5日連続で最高値更新

2008年04月19日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク18日共同】18日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、需給逼迫感が強まり急反発、指標となる米国産標準油種(WTI)5月渡しが通常取引終了後の時間外取引で一時、初の1バレル=117・00ドルまで値上がりし、史上最高値を更新した。これまでの最高値は17日につけた115・54ドル。最高値更新は5日連続。

 終値は前日比1・83ドル高の1バレル=116・69ドルをつけ、終値でも最高値となった。

 産油国ナイジェリアの石油関連施設で武装勢力の破壊活動による爆発が発生したとのニュースで、安定供給に支障が出るとの見方から急激に買いを集めた。米国の景気が底打ち、原油需要が堅調に推移するとの見方も買いを支えた。朝方は外国為替市場がドル高傾向となったことから大幅に値下がりする場面もあった。

NY原油、最高値更新 世界経済に影響拡大も

2008年04月17日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク17日共同】17日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は需給逼迫感から買いを集め、指標となる米国産標準油種(WTI)5月渡しが通常取引前の時間外取引で一時、1バレル=115・54ドルまで値上がりし、4日連続で最高値を更新した。120ドル台も視野に入る最高値圏での取引が続き、世界経済への影響が広がりそうだ。

 ガソリン需要が増える北米のドライブシーズンを控え、供給不足への不安が投資家の間で高まっている。ドル安に伴うインフレ懸念も強まっており、市場では「ドル安が続く限り、原油市場への投機資金流入は続くだろう」(エネルギーアナリスト)との声が聞かれた。

 WTIは16日、通常取引後の時間外取引で一時、1バレル=115・21ドルまで上げ、最高値を3日連続更新。通常取引中にも初の115ドル台をつけ、終値は前日比1・14ドル高の114・93ドルと続伸した。

NY原油また最高値更新 114ドル台半ば

2008/04/16 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク16日共同】十六日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、ドル安などを背景に投機資金の流入が拡大、指標となる米国産標準油種(WTI)五月渡しが通常取引前の時間外取引で一時、一バレル=一一四・五○ドルまで上昇、前日につけた最高値(一一四・○八ドル)を更新した。

 近く発表される米大手金融機関決算の悪化を見込んで外国為替市場でドルがユーロなどに対して下落、投機資金の原油など商品相場への流入が続いている。

 市場関係者は「ドル安が原油高騰の主要因で、しばらくこの傾向は続くだろう」と話した。

ガソリン値上げの動き

2008年04月06日 読売新聞 YOMIURI On-Line
原油高影響、4、5社検討

 ガソリン税の暫定税率の失効に伴い、ガソリン価格の大幅値下げに踏み切った県内の石油販売会社の数社が、一転して数円程度の値上げを検討している。原油高などの影響で仕入れ値が上昇しながらも、客離れを懸念して上昇分を反映させていなかったが、業者からは「販売価格に転嫁しないとやっていけない」との声が挙がっている。

 1日に失効したガソリン価格の暫定税率分は、25・1円。だが、昭和シェル石油や新日本石油など石油元売り各社からの卸価格は、原油高などの影響で前月より約2・8〜5円上昇しており、この分を差し引くと実質的な値下げ額は約20〜22円の計算となる。ところが、客離れを懸念し、多くの給油所が原油高の上昇分を反映させずに3月末の販売価格から約25円値下げして販売したため、「売れば売るほど赤字」との嘆きの声が出ていた。

 県石油商業組合によると、暫定税率の失効に伴い、値下げに踏み切った県内の給油所は4日時点で、全体の8割の約680か所。無理な値下げで経営が圧迫されている業者が多数おり、組合には先月中旬までほとんどなかった融資の相談が1日数件あるという。

 値上げを検討しているのは、給油所を十数〜数十か所経営する県内の石油販売会社4、5社で、各社の動きが連動すれば、値上げの動きが一気に広がる可能性がある。時期は、週末の需要が一段落した週明け以降になるという。

 郡山市に本社を置く石油販売会社は、6日から値上げすることを決め、顧客に「原油値上げ分の転嫁をお願いします」との文書をすでに配布した。同社の担当者は「お客さんの期待に応えて価格転嫁してこなかったが、このままでは経営が苦しい」と話す。上げ幅については他店の動向をみながら決めるという。

 同組合では「今回は、各給油所が後先考えずに値下げした部分があった。今後、少しずつ調整されていくだろう」としている。

110円台ガソリンも…宮崎は値下げ競争激化

2008年04月06日 読売新聞 YOMIURI On-Line

1リットルあたり116円で販売している「カーステーション宮崎大島店」

 ガソリン税の暫定税率失効後、初の週末となった5日、県内ガソリンスタンド(GS)では、値下げの影響で行楽客が詰めかけるなどの混乱はなかった。ただ、値下げ競争が激化している地域もあり、宮崎市では1リットル110円台の“格安ガソリン”も出ている。

 宮崎市大島町の「カーステーション宮崎大島店」では、暫定税率がかかっていたガソリンが2日に切れ、同日正午過ぎから1リットルあたり24円安い116円(会員価格)に値下げした。車6台が同時に給油できるが、平日の正午過ぎには車の列ができる。

 5日は列はできなかったが、同店の佐藤賢二店長(35)は「価格表示を見て、飛び込むお客が急増した。在庫がなくなりそうになった日もある」とうれしい悲鳴を上げる。5日まで約2週間、給油しなかった同市吉村町、主婦三内丸代さん(48)は、「食料品が値上がりしているのでガソリンの値下げは大歓迎」と、満タンにしていた。

 110円台まで下げる動きは、近くのGSにも波及している。同店から約100メートル北の「福井石油東大宮セルフSS」では、2日午後、1リットル118円にした。野村精一所長(56)は「この値下げ競争は厳しい」と打ち明け、「暫定税率が復活して値上げする直前が心配。駆け込み需要で仕入れが不足するのでは」と話していた。

 GS12店舗を経営する都城市の最大手「江夏石油」には、1、2日に「いつから値下げするのか」といった問い合わせが相次いだ。同石油は、3日からセルフスタンドで1リットル145円を125円に、4日から通常スタンドで151円を132円に値下げした。

 同石油によると、ガソリンの仕入れ価格は4月から約3円上がっており、暫定税率分25円をそのまま値下げするのは困難。都城市内では値下げ合戦の様子はないため、今後もこの値段で固定するという。

ガソリン値下げ幅、北海道が最大

2008年04月03日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 経済産業省の関係団体である「石油情報センター」が2日発表した「給油所石油製品臨時価格調査」(1日時点、1リットル当たりの平均)で、北海道はレギュラーガソリンの価格が、ガソリン税の暫定税率失効前の31日比で全国最大の値下げとなった。「道内で値下げに動いたガソリンスタンド(GS)がものすごい勢いで増えた」(スタンド経営者)ことが原因だ。

 調査結果によると、北海道の価格は134・6円で、一晩で19・6円も下がった。下げ幅は全国平均と比べて8・9円大きい。

 他の地域では在庫がなくなるまで暫定税率を上乗せした価格で販売しているGSが残っているのに対し、札幌では旧価格で販売するGSを探すのが難しい状態になっている。

 石油元売り大手は、「道内は(安値の)セルフ形式のGSが、価格への影響力を他地域よりも強く持ち、値下げが加速しやすい」と指摘する。

 函館地方石油業協同組合によると、渡島・檜山地方では163店の加盟店のうち、2日時点で8割程度が値を下げ、旧価格だった道内大手GSも2日、値下げした。小樽のGSは、顧客からの問い合わせで、急きょ、20円の値下げに踏み切った。

 道内のガソリン価格は全国を先取りする形で値下げが進んでおり、このため、今後、離島などでさらなる値下げは予想されるが、全道的な値下げ幅は小幅にとどまるとみられる。

 道は2日、1日現在のガソリン・軽油小売価格調査結果を公表した。レギュラーガソリン1リットル当たりの価格はセルフで120〜130円未満に設定している店舗が25店中18店と最も多く、その他の店は130円以上だった。

 フルサービス店では、117店中73店が130〜140円未満に設定。120〜130円未満が16店で続いた。セルフ店より安い110〜120円未満に設定している店舗も1か所あった。

 道資源エネルギー課によると、調査は道内137店を対象に4日まで毎日行い、価格変動の傾向を探る。

ガソリンスタンド、戦略で明暗分ける

2008.04.03 MSN産経新聞

 石油元売り各社のガソリン暫定税率失効後の卸価格戦略の違いによって、系列ガソリンスタンド(GS)の販売に明暗が出ている。1日から暫定税率分25円を引き下げて出荷している昭和シェル石油系列のGSが値下げ競争で優位に立つ一方、新日本石油系列のGSは当面、高値のガソリンを仕入れざるを得ない地域もある。販売価格が大きく違えば消費者に戸惑いを与えるうえ、収益悪化が続くGSの経営にも大きな影響を与えかねず、販売現場での混乱はしばらく続きそうだ。

 暫定税率の期限切れを受けて、石油元売り大手の卸価格戦略は3つに分かれた。昭シェルは、すべての卸価格を1日から1リットル=25円引き下げた。これに対し、新日石は製油所出荷分を1日から25円値下げする一方、一時的にガソリンを備蓄しておく油槽所から出荷する分については3月末在庫があるうちは高い税率のままとした。出光興産とコスモ石油、ジャパンエナジーの3社は、3月分の油槽所在庫の暫定税率分を平均して上乗せする方式で、1日からの卸価格を22〜23円引き下げている。

 卸価格の戦略の違いは、足下の価格競争力にも影響を与えている。昭シェル系列店では1日から値下げに踏み切る動きが相次いでいる。全国のGSには、暫定税率分が上乗せされたガソリンの在庫が1週間程度あるが、赤字覚悟で販売して在庫をなくせば、25円安いガソリンを早く仕入れられるとの判断があるためだ。

 これに対して、新日石系列は値下げ競争で出遅れた。製油所から直接仕入れる店舗では値下げできるが、油槽所から供給を受ける群馬県や山梨県など内陸部の店舗は、油槽所に3月分の在庫があるうちは高いガソリンを仕入れざるを得ない状況が続くため、思い切った値下げが難しい。

 ただ、他系列のGSに比べて販売価格が高いままでは、高値在庫の処分が思うように進まない。高値のまま販売を続け、他店に顧客を奪われる恐れもあるだけに、GS経営者は当面、販売価格に頭を痛めることになりそうだ。

NY原油、4日ぶり反落 105・62ドル

2008年03月29日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク28日共同】28日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は4日ぶりに反落し、取引の中心となる米国産標準油種(WTI)5月渡しは前日比1・96ドル安の1バレル=105・62ドルで取引を終えた。

 産油国のイラク南部で爆破された石油パイプラインが修理されたことなどを材料に売り注文が広がり、一時104ドル台まで下げた。前日までの3日続伸の反動で利益確定売りも膨らんだ。

 市場関係者は「3月期末を控えていることもあり、商品市場で利益を確定する動きが強まった」(米アナリスト)としている。

ガソリン値下げ確定 与野党攻防の激化必至

2008年03月28日 中国新聞ニュース

 2008年度予算が28日、成立した。ただ福田康夫首相の道路特定財源に関する新提案を受けた与野党協議は進展せず、政府、与党は揮発油税の暫定税率維持を盛り込んだ税制改正法案の年度内成立を事実上断念。4月からのガソリン価格引き下げは確定的となった。政府、与党は4月に衆院で再議決し成立を図る方針だが、民主党は参院への首相問責決議案提出で対抗する構えで与野党攻防の激化は必至だ。

 与野党は28日、暫定税率期限切れの国民生活への影響を最小限に抑えるため、道路特定財源関係以外で3月末に期限が切れる租税特別措置に関し5月末まで効力を延長する法案を年度内成立させることで合意した。

 日銀総裁の空席状態が日本経済に暗い影を落とす中、4月上、中旬の日銀の金融政策決定会合や先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)までに、首相が新候補の国会同意にこぎ着けられるかも当面の焦点になる。

 首相は31日に記者会見し、衆院再議決を念頭に、ガソリン価格乱高下の混乱回避に全力を挙げる考えを表明する。同趣旨の首相談話の発表も検討している。

製油所出荷は25円下げ 新日石、地域で価格差も

2008年03月28日 中国新聞ニュース

 石油元売り最大手の新日本石油は28日、揮発油税などの暫定税率が3月末で期限切れを迎えた場合のガソリンの卸価格を発表した。

 ガソリン税は製油所からの出荷時に課税される「蔵出し税」であることを考慮。4月1日以降に製油所から出荷する製品の卸価格は値下げする。これまでのガソリン税から暫定税率分に相当する1リットル当たり25円10銭を差し引き、本則通りの税額(1リットル当たり28円70銭)を適用する。

 しかし3月末までに精製され、製油所と小売店を結ぶ出荷基地の「油槽所」に保管されている在庫は既に課税されているため、暫定税率分を含めた税額(1リットル当たり53円80銭)を適用する。

 油槽所の在庫は7−10日分。ガソリンスタンドの店頭在庫と合わせると、3月末までに出荷された在庫の販売が完了するまで10−14日かかる見込み。製油所から直接出荷される沿岸部などでは店頭価格が早めに下がりそうだが、油槽所を経由する内陸部では値下げが遅れる可能性がある。

NY原油、100ドル割れ ドル反発で資金逃げる

2008/03/20 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク20日共同】二十日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は下落し、指標となる米国産標準油種(WTI)五月渡しは通常取引前の時間外取引で一時、一バレル=九九・五九ドルをつけ、一〇〇ドルを割り込んだ。

 WTIは二十日から中心限月が四月渡しから五月渡しに交代。一バレル=一〇二・五四ドルの前日終値を二ドル以上下回る水準で取引された。

 外国為替市場でドルが主要通貨に対して反発したためドル取引が中心の原油の割安感が弱まり、原油相場から投機マネーの流出が加速した。

 十九日の取引では、同日発表の米原油在庫が前週比で増加、米国の景気減速を受けて需要が減少に向かうとの見方が強まって売りが加速、WTI四月渡しが前日比四・九四ドル安の一バレル=一〇四・四八ドルで取引を終えた。終値としては三月四日以来の安値水準。ダウ・ジョーンズ通信によると下げ幅は一九九一年以来の大きさ。

 市場関係者は「ドル安がいったん止まったので、原油相場に参加していた投資家が手じまいをしている」と説明した。

NY原油、109ドル台後半

2008/03/13 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク13日共同】十三日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)四月渡しが通常取引前の時間外取引で、一バレル=一○九ドル台後半で推移し、十二日につけた最高値(一一○・二○ドル)をうかがう展開となった。

 外国為替市場で主要通貨に対するドル安が進んだことで、原油の割安感が強まり、投機資金などによる買いが集中した。

 市場関係者は「原油需要は弱まっており、相場は需給関係を反映していないが、ドル安で原油は買いやすくなっている」と話した。

ガソリン2週連続値上がり レギュラー152円60銭

2008/03/12 中国新聞ニュース

 石油情報センターが十二日発表した石油製品市況の週間動向調査(十日現在)によると、レギュラーガソリンの全国平均小売価格は、前週に比べ一リットル当たり七十銭高の百五十二円六十銭と二週連続で値上がりした。

 石油元売り各社が三月出荷分の石油製品の卸価格を一リットル当たり二―三円程度引き上げた影響で、全国的に小売価格が上昇する地域が目立った。同センターは「先週は様子見だったガソリンスタンドが今週は値上げした。今月は緩やかな値上がりが続くだろう」と予想している。

 ハイオクは八十銭高の百六十三円六十銭。

 灯油は一缶十八リットル当たりの全国平均の店頭価格が三円高の千七百四十円。軽油は六十銭高の百三十二円十銭だった。

NY原油、初の109ドル台 5営業日連続で高値更新

2008/03/11 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク11日共同】十一日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)四月渡しが通常取引前の時間外取引で一時、一バレル=一○九・五六ドルをつけ、十日につけた最高値(一○八・二一ドル)を更新した。原油相場の高値更新は五営業日連続で、一○九ドル台をつけたのは初めて。

 連日の最高値更新を受けた利益確定の売りが出て一○七ドル台後半まで下げる場面もあった。しかし外国為替市場でドル安がじわじわと進み、割安感が強まる原油相場に投機資金が流入していることから、騰勢が続いた。

 市場関係者は「ドル安が底を打つか、米景気後退期入りの兆候が鮮明になるまで、上昇は止まらないのではないか」と語った。

NY原油、初の106ドル台 最高値更新、ドル安傾向で

2008年03月08日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク7日共同】7日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、米国産標準油種(WTI)の4月渡しが一時、1バレル=106・54ドル(速報値)をつけ、6日に記録した最高値(105・97ドル)を更新した。

 午前11時半現在は、前日比0・83ドル高の1バレル=106・30ドル。

 主要通貨に対するドル安傾向を背景に、原油の割安感が強まり、買いが集中した。米景気の先行き不透明感から、投機資金が原油など商品相場に流れる動きも続いている。

 2月の米雇用統計が市場予想を下回ったことから、一時、下落に転じる場面もあったが、その後、再び上昇に転じた。

 5日に石油輸出国機構(OPEC)が増産を見送ったことで、需給逼迫懸念も台頭している。

NY原油、106ドルに迫る 世界経済に不安要因

2008/03/06 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク6日共同】六日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)の四月渡しが通常取引前の時間外取引で一時、一バレル=一〇五・九七ドルまで上昇、最高値を更新した。一〇五ドル台は史上初めて。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は五日、景気判断を下方修正。米国の信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライムローン)問題で減速懸念が強まる世界経済の不安要因となるのは必至で、日本経済への影響も懸念される。

 石油輸出国機構(OPEC)の増産見送りに加え、増加傾向が続いている米原油在庫が市場予想に反して減少したため、需給関係悪化への懸念が強まり、上昇に勢いがついた。

 ドル安傾向で割安感が出たことにより、海外資金が商品市場に流れ込みやすいほか、金利低下や株安で運用先を失った投機資金の流入も活発化。市場関係者は「原油はOPECの対応を支えに、今後も最高値圏で推移する可能性がある」(米アナリスト)としている。

 WTI四月渡しは五日、一〇四・九五ドルまで上昇し、三日につけた一〇三・九五ドルの最高値を更新したばかり。五日の終値は前日比五・〇〇ドル高の一〇四・五二ル。今年最大の上げ幅となり、終値としても最高値を塗り替えた。

 米FRBは、五日発表した全米十二地区連銀の景況報告(ベージュブック)で景気判断を下方修正。原油急騰の影響がさらに広がる恐れもある。

【値段のビジネス考】「原油価格」って?中東ドバイ産が基準

2008/02/25 FujiSankei Business i.

 ガソリンや灯油など石油製品の歴史的な高値が続いています。原油を精製してこれら石油製品を生産している石油元売り会社が、原油価格の上昇分を転嫁しているためです。では、日本の石油元売り会社が調達する原油の価格はどのように決められているのでしょうか。調べてみました。(今井裕治)

 ≪調達方法は2通り≫

 通常、原油価格の高騰を伝えるニュースでは、米ニューヨーク・マーカンタイル取引所に上場されている米国産原油「WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)」の先物価格を報じている。だが、日本の石油元売り会社が調達しているのは別の原油だ。

 日本は年間約2億4000万キロリットルの原油を輸入しているが、その88・9%(2006年実績)が中東産。石油元売り最大手である新日本石油の場合も、世界最大の産油国であるサウジアラビアから30%、アラブ首長国連邦(UAE)から20%、クウェートとイランから各15%を調達するなど中東産が9割を占めている。

 原油を調達する方法は、2通りある。産油国から直接原油を購入する「ダイレクトディーリング(DD)」と、商社などディーラーから買う方式だ。DD原油は、半年や1年単位で契約する「ターム」と呼ばれる長期契約が基本で、ディーラーから必要に応じて1回ごとの契約で買い取る場合は「スポット」と呼ばれる。

 ターム契約の場合、毎月1回、価格を見直す方式が中心。一方、スポット価格は、その時々の需給に応じて刻々と変動する。ただ、石油元売り各社がどちらの方式で、どれだけの原油を買っているかという情報は「秘中の秘」(石油関係者)だ。「取引量が知れれば、産油国やディーラーとの価格交渉の際に足元を見られかねない」(同)からだが、安定して調達できるDD原油が大部分を占めるとみていい。

 そのDD原油は、サウジ、クウェート、イランから調達するものについては、ドバイ原油とオマーン原油のスポット価格を基準に決める方式を採用。これに対して、UAEのアブダビとカタールは産油国側が一方的に値段を通告してくる「後決め方式」を採用している。ただし、後決め方式でもドバイ原油などの相場を参考に、「信頼に基づいて決めており、突拍子もない価格提示は、まずない」(石油関係者)という。

 サウジ、クウェート、イランの3カ国から調達するDD原油の価格は、ドバイ原油とオマーン原油の月間平均スポット価格に、それぞれの原油の性状に応じた「調整額」を加味して決める。原油の性状はガソリンや灯油などを作りやすい軽質油、その反対の重質油、あるいはその中間といった区分になっており、サウジ原油だけでも「アラビアンスーパーライト」(超軽質油)から「アラビアンヘビー」(重質油)まで5銘柄ある。

 ≪透明性を印象づけ≫

 一般に調整額は軽質油の場合に加算され、重質油の場合は逆に減算される。計算式にすると次のようになる。

 (ドバイ原油スポット価格の月間平均価格+オマーン原油スポット価格の月間平均価格)÷2±調整額=DD原油価格

 ただ、ドバイ、オマーン原油ともどこかの取引所に上場しているわけではない。このため、日本の石油元売り会社が頼りとするのが米エネルギー情報配信会社「プラッツ」が提供する価格情報だ。プラッツは中東の石油会社やトレーダーなどから聞き取りで両原油の取引価格を調査。最も高い値と最も低い値を切り捨てた価格を毎日顧客に配信している。両原油のスポット価格は米WTI先物価格との連動性が高いが、品質の違いから1バレル当たり7ドル程度低い価格でおおむね推移している。また、ドバイ原油とオマーン原油の価格差はほとんどなく、大きく開いても1ドル程度だ。

 1990年の湾岸危機発生を契機に、石油元売り会社は毎月の原油調達コストをドバイ原油価格と為替レートを元に算定し、その変動に応じて翌月の卸価格を改定、公表するようになった。便乗値上げを防止するための行政指導によるものだが、公表義務がなくなった現在でも、新日石など大手の一部が継続しており、消費者に石油製品価格の透明性を印象づける効果をもたらしている。

 ちなみに、2月のドバイ原油スポット価格は21日までの平均で、1月平均価格に比べ1バレル当たり0・97ドル上昇。この間、為替は1ドル当たり0・3円の円高なので、1リットル当たりに換算すると、約0・5円の上昇になる。

 ただ、ドバイ原油は先週から騰勢を強めているので、2月の平均スポット価格もさらに高くなる公算が大きい。一方、国内の石油製品小売価格は昨年12月10日以降、値下がりが続いており、石油元売り会社は原油調達コストを十分に転嫁できていない状況。このため、新日石の渡文明会長は18日の記者会見で、3月出荷分の石油製品卸価格を2月に続いて引き上げる考えを示唆している。

「日本へのLNGの安定輸出は可能…」インドネシア鉱物相

2008/02/21 FujiSankei Business i.

 インドネシアのプルノモ・エネルギー鉱物相は20日、同国内のエネルギー需要を将来的にメタンガスで補えれば、液化天然ガス(LNG)を安定的に輸出できるとの考えを示した。ジャカルタを訪問中の関西経済連合会メンバーとの会談で明らかにした。鉱物相は「日本の投資家にもメタンガスに注目してもらいたい。日本へのエネルギー安定供給も確実になる」と指摘、インドネシアのメタンガス事業に積極的に投資するよう呼び掛けた。インドネシアは日本にとってLNGの最大の輸入相手国。しかし、拡大する国内需要を優先するため、日本へのLNGの輸出削減方針を打ち出し、日本側は安定供給の維持を求めてきた。(ジャカルタ 共同)

NY原油高値圏で推移 100ドル突破後伸び悩む

2008年02月20日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク20日共同】ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物市場は、指標となる米国産標準油種(WTI)3月渡しが20日朝の時間外取引で、1バレル=99ドル台を中心に高値圏で推移した。

 石油輸出国機構(OPEC)の減産観測のほか、有力産油国ナイジェリアとベネズエラの供給不安や、米石油精製所の爆発事故が重なり、投機資金流入が活発化。19日の通常取引で5%近く急騰し約1カ月半ぶりに100ドルを突破、最高値を更新した。

 その後はOPECの減産観測が後退、米週間原油在庫の増加予想も手掛かりに利益確定の売りが出てやや伸び悩んだ。ただ「サブプライム住宅ローン問題や物価上昇の影響が比較的少ない安全な投資先として強気の展開が見込める」(米商品投資情報会社)という。

NY原油、一時97ドル台後半 OPEC減産観測で

2008年02月19日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク19日共同】ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は19日の時間外取引で続伸し、指標となる米国産標準油種(WTI)3月渡しが一時、1月上旬以来の高値水準となる1バレル=97ドル台後半をつけた。

 午前7時10分現在は、前週末比1・71ドル高の1バレル=97・21ドル。

 石油輸出国機構(OPEC)が4月から減産するとの観測のほか、米テキサス州の石油精製所での爆発事故などが買い材料となった。

 アフリカの産油国ナイジェリアの政情不安なども供給懸念につながり、上昇が加速した。

5週連続値下がり ガソリン、153円30銭

2008年01月23日 中国新聞ニュース

 石油情報センターが23日発表した石油製品市況の週間動向調査(21日現在)によると、レギュラーガソリンの全国平均小売価格は、前週に比べ1リットル当たり40銭安の153円30銭と未調査の年末年始の週を除き、5週連続で値下がりした。

 灯油は1缶18リットル当たりの全国平均の店頭価格が3円安の1748円と値下がりした。

 ガソリン価格の高騰を受けた消費者の買い控えなどにより需要は減少傾向にある。小売業者の販売競争が激化し、1月の小売価格は値下がりが続いている。

 ハイオクは40銭安の164円20銭、軽油は20銭安の132円40銭。

生産量、開戦前に迫る イラクの石油、治安改善で

2008/01/21 中国新聞ニュース

 【カイロ21日共同】イラクの石油生産量が、二○○三年のイラク戦争開戦直前レベルに迫る日量約二百五十万バレルまで回復している。治安改善に伴い、武装勢力によるパイプライン攻撃が減少したことなどが理由。石油収入の分配を定める石油法案の成立のめどは立たないが、国家財政の大半を石油収入に依存する中、石油省は価格高騰を追い風に輸出の拡大を急いでいる。

 石油省によると、現在、日量約二百万バレルを輸出。多くが有数の油田を抱える南部バスラ州から積み出されている。輸出拡大に向け先月十七日には、国営の石油タンカー企業がバスラ港で二十七年ぶりに新型タンカーの進水式を行った。

 また先月、武装勢力の攻撃をたびたび受けていた北部キルクークからトルコのジェイハンを結ぶパイプラインが再開、米軍に破壊されたキルクークとシリアのバニヤスを結ぶパイプラインの再開も決まった。具体的な日程は明らかでないが、ロシア企業が再開に向けた調査を進めている。

 「日量三百万バレルまでの生産拡大を計画している」。石油省報道官は外資の石油会社などと開発契約交渉がいくつも進んでいると胸を張る。ロイター通信によると、国際通貨基金(IMF)当局者は○七年に1・3%だったとされる国内総生産(GDP)成長率は、石油生産の好調を維持できれば○八年と○九年には7%を超えるとしている。

 一方で、イラク北部のクルド自治政府が海外の石油会社などと独自に締結している油田の開発契約について、中央政府は石油法案の審議が継続中であることを理由に「契約は違法」との立場を崩していない。

 今月十七日には、石油省が自治政府側と契約を結んだ海外の石油会社との協力関係の停止を決めたことが明らかになるなど、好調な石油生産は中央政府と自治政府の対立を深める要因にもなっている。

NY原油、一時90ドル台 2週間で9ドル以上下落

2008年01月16日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク16日共同】16日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、未明の時間外取引で指標となる米国産標準油種(WTI)2月渡しが続落、一時1バレル=90・82ドルをつけた。初の100ドル台をつけてから約2週間で9ドル以上も下落した。

 米経済の先行き不透明感から原油需要が伸び悩むとの観測や、石油輸出国機構(OPEC)が増産を決定する可能性もあるとの見方から売りが優勢となった。

ガソリン再び最高値圏へ 新日石、来月は値上げ

2008/01/16 中国新聞ニュース

 石油連盟の渡文明会長(新日本石油会長)は十六日の記者会見で、新日石が二月に出荷する石油製品を生産するための原油調達コストは、一月分に比べ一リットル当たり一円三十銭上昇するとの見通しを明らかにした。

 年初に一時一バレル=一○○ドルを突破したニューヨーク市場の原油先物相場は、依然として一バレル=九○ドル台で推移しており、調達コストを押し上げる見込み。これを踏まえ、元売り最大手の新日石は、ガソリンや灯油など石油製品の二月の卸価格を一月より一円三十銭―一円五十銭程度引き上げる公算が大きい。他の元売り各社も同程度の値上げに動きそうだ。

 二月のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は、昨年十二月に記録した調査開始以来の最高値一リットル当たり百五十五円五十銭近くまで上昇する可能性が出てきた。

 渡会長によると、新日石の二月分の調達コストは、原油価格の高騰で一リットル当たり二円四十銭上がるものの、円高が一円十銭の引き下げ要因になるという。

 渡会長は、揮発油税の暫定税率が年度末で期限切れとなった場合の影響について「仮需要がある」と指摘。ガソリン価格の値下がりで、四月の需要が急激に伸びた際には、供給に支障が出るとの懸念を示した。

 今年の原油価格については「原油の需給面でのタイト(引き締まり)感はない」とし「年末までに(一バレル=)八○―八五ドルになる」と予想した。

NY原油史上初の100ドル 需給逼迫懸念で急騰

2008/01/03 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク2日共同=美濃口正、増田和則】二日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、需給逼迫(ひっぱく)懸念から投機資金の流入が加速、国際指標となる米国産標準油種(WTI)二月渡しが急騰し、一時、史上初めて一バレル=一○○ドルに達した。

 これを受け二日のニューヨーク株式とドル相場は急落し、二○○八年の米市場は波乱の幕開けとなった。米国の信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライムローン)問題波及で米景気後退の恐れが強まる中、原油高騰による世界経済への悪影響が懸念される。ガソリン価格などの一層の上昇を通じた日本経済への影響も避けられそうにない。

 原油先物の終値は前営業日の昨年十二月三十一日と比べ三・六四ドル高のバレル=九九・六二ドルで、終値としての最高値も更新した。

 三日発表の米原油在庫統計が減少するとの予想や、産油国ナイジェリアの政情不安などを材料に、資金流入が活発化。

 年始で市場参加者が少なく「価格が大きく動きやすい状況」(米アナリスト)だったため、正午すぎに一時、一バレル=一○○ドルちょうどをつけ、○七年十一月につけた最高値九九・二九ドルを更新した。

 高騰の背景には、中国など新興国の急成長で世界的に原油需要が伸びる一方、中東やアフリカの産油国の情勢不安定化で需給逼迫(ひっぱく)感が恒常化していることがある。ドル安傾向による海外からの資金流入も高騰を後押しした。

 さらにヘッジファンドや年金基金の機関投資家の参入も騰勢に拍車を掛け、原油先物は○七年一月の水準から二倍近く上昇。○四年九月下旬に初めて一バレル=五○ドルを突破後、約三年三カ月で一○○ドルの大台に達した。

 世界的な不況に陥った第二次石油ショック後の一九八○年につけた一バレル=約四○ドルの水準は、インフレを考慮すると現在の一○○ドル程度に相当するとされ、原油価格は「実質的な史上最高値圏」(米エコノミスト)に突入したことになる。

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