TOPIC No.2-143 国産アサリ

01. アサリ
02 アサリ byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
03. 浅蜊 春を告げる貝の話 byメールマガジン<お魚よもやま情報>2003年3月号
04.「北朝鮮のアサリを買わない運動」by救う会全国協議会
05. 北朝鮮のアサリを買わないようにしよう!(2005年01月31日)なめ猫
06. アサリ・ロンダリング (あさりろんだりんぐ)2005年03月18日 YAHOO!Japan辞書
07. 中国産アサリの迅速判別法を開発(平成18年05月09日)独立行政法人 水産総合研究センター
08.アサリプロジェクト
09. 第3回アサリ資源全国協議会の開催結果について(05.03.10)
10. 東京湾アサリ再生プロジェクト
11. 獲れすぎたアサリの保存方法 by史上最強の潮干狩り超人

アサリ偽装:中、韓国産を国内産に混入 大分県が改善指示

2008年08月14日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 大分県は14日、同県宇佐市の水産物販売「旭水産」(原田旭社長)が中国、韓国産のアサリを国内の「豊前海産」「有明産」に偽装したとしてJAS(日本農林規格)法に基づく改善指示を出した。

 県によると旭水産は07年10月〜08年6月、中・韓から270トンを買い付けて11トンの国内産に混入。このうち230トンを大分、福岡、岡山などの10業者に販売した。仕入れ値は国産の1キロ300〜450円に対し、中国産は同220〜350円程度。偽装について同社は県に「県産入手が難しかった」と説明。営業をやめ、廃業に向けた手続きをしているという。

水路のアサリ育苗で特許

2008/07/19 中国新聞地域ニュース

 アサリ漁獲量の激減を受け、山口県水産研究センター内海研究部(山口市)は、水路を使った種苗の飼育方法を開発し特許を取得した。本年度は100万個を生産しており、繁殖用などを除く80万個を18日から、周南市戸田など保護地区に放流している。

 新しい飼育法は、幅50センチ、長さ20メートルの水路に厚さ5センチほどの砂を敷いて1―3ミリに育った稚貝を入れ、近くの秋穂湾からくみ上げた海水を流す方法。海水は深さ3センチ、秒速5センチで連続して流し、餌となる藻類を自然発生させる。

 センターによると、従来の水槽や干潟での飼育に比べて成功率が高いという。「餌を十分に供給できる点が大きい」とする。2002年9月から開発を始め、昨年11月に特許を得た。

激減で潮干狩り3年連続中止

2008/05/03 中国新聞地域ニュース

 周南地域で唯一の観光潮干狩り場である下松市の末武川河口で、今年もアサリが採れず、一般開放が3年連続で中止になった。市は資源の回復のため 1995年から年2トンの種苗を放流しているが、改善の兆しがない。本年度から市栽培漁業センター(同市笠戸島)に放流前の種苗の活性化策を依頼することにした。

 この河口は管理する山口県漁協下松支店(旧下松漁協)が毎年、3月末から大型連休明けまで一般開放し、シーズン中は約1000人の人出でにぎわっていた。近年はアサリの量が激減。2年前から一般開放を見送っている。アサリは瀬戸内海全体で激減しており、要因として、乱獲やエイなどによる食害、海水温の上昇による育成不良が挙げられている。

物価ウオッチ:アサリ 輸入減り高騰 「ギョーザ事件」で中国離れ

2008年05月03日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 横浜市立小、中学校は4月、給食用の冷凍アサリ(むき身)を中国産から国産に切り替えた。市学校給食会は「保護者の不安に配慮した」と話すが、価格は3倍になった。兵庫県の尼崎市教育委員会も中国産食材の使用を見合わせている。

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で中国が検査体制を強化し、1〜3月の中国産アサリ輸入量は4694トンと前年同期比で34%も減った。中国からの輸入急減による品薄感と国産志向の高まりで、国産活アサリの価格はつり上がっている。

 横浜市の水産卸会社「三徳(みつのり)」によると、ここ数年、国産活(殻付き)アサリの小売価格は1キロ1000円前後で、スーパーの店頭に並ぶ「280グラム入り298円」を1パック買ってくれば1家族分のみそ汁が作れた。だが、今春は一時1キロ1500円にもなり、一家のみそ汁代は450円に跳ね上がった。

 国産の生産量は数年間ほぼ横ばいの年3万4000トンで需要増に応えきれない。ある業者は国内で育てる蓄養用のアサリ1000トンを今春、中国から輸入した。中国の需要増や原油高による輸送コスト増で輸入価格は1割増。卸値で国産の半値近い中国産にも値上がりの兆しが出始めた。【後藤逸郎、望月麻紀】

洲本アサリ 貝毒、基準の28倍 須磨、芦屋でも検出

2008/05/01 神戸新聞

 兵庫県は一日、洲本市のアサリから基準値の二十八倍の貝毒を検出したと発表した。過去最高の数字で、一度に二十一個以上のアサリを食べると死亡の危険性がある。

 基準値は一グラムあたり四マウスユニット(MU)で、今回の検出量は一一二・五MU。洲本市のアサリからは四月二十四日、基準値の十七倍の貝毒が検出され、県は採取禁止にし調査を続けていた。県は播磨灘沿岸を除く淡路市でもアサリを採取しないよう呼び掛ける。

 また、芦屋市浜でも九・一MU、神戸市の須磨でも五・九MUを検出。いずれも出荷の自主規制基準値を超え、県は神戸市漁協に出荷停止を指導した。芦屋の海岸では潮干狩りなどでアサリを採ることを禁止する。

 貝毒は、アサリが特定のプランクトンを食べることで蓄積される。県水産課によると「環境汚染などの要因が考えられるが、三年ほど前から基準値を大きく超える例が目立つ」という。(末永陽子)

潮干狩り、ルール守って!=「磯荒らし」などに罰則も

2008/04/25 時事ドットコム

 人気の海洋レジャー、潮干狩りや磯遊びのシーズンを迎え、特に週末の海辺は家族連れなどでにぎわっている。干潟や岩場で、魚介類を取り集めながら楽しむのが一般的だが、中には「密漁」まがいの例もあり、地元自治体や漁業者は「ルールを守って」とPRしている。

 潮干狩りのメッカ・神奈川県では、横浜市が「海の公園」でアサリなどの貝が生息する海辺を無料で開放している。多い日には5万人を超える利用者で芋を洗うような混雑ぶり。ゴールデンウイークも、「干潮時刻が正午前で潮干狩りに適した日が多い」(同市)ため、たくさんの人出が予想されている。

 より多くの人に楽しんでもらおうと市は、(1)幅15センチを超える貝採り器具の使用(2)1人2キロを超えた貝の採取−などを禁止しているが、「20キロ以上のアサリを採り、横浜・中華街で販売していた人もいた」と市の担当者。

 愛知県では漁業者が管理する潮干狩り場で、「使用禁止の大型器具を使ったり、区域を出て貝を採ったりする利用者もいた」(一色町の衣崎漁協)と話しており、各地ともルールの順守を呼び掛けている。

 一方、磯遊びでは「ルールを知らずに貝類などを持ち去る”磯荒らし”の密漁が少なくない」と全国漁業協同組合連合会は指摘する。水産庁によると、海辺の資源利用については、都道府県ごとの漁業調整規則などにより「違反者には罰則が科されることもある」(沿岸沖合課)ため、くれぐれもご注意を。

潮干狩り、でも貝は持って帰れない!? 3年連続の貝毒

2008年04月19日 asahi.com

 潮干狩りが19日、大阪湾で始まった。ところが、今年も3年連続で湾内のアサリから規制値を超える貝毒が検出されたため、潮干狩り場は、持ち帰り用のアサリを用意して来場を呼びかけている。なぜ貝毒は続くのか。水産研究者は意外にも、大阪湾の水質が改善されてきたこととの関連を指摘する。

 大阪府貝塚市の府営二色(にしき)の浜公園。「あった!」。潮干狩り場オープン初日の19日午前、アサリを見つけた子どもが歓声を上げた。

 だが、この貝は持ち帰れない。府の検査で、まひ性貝毒の含有量が規制値を超えたためだ。このため、潮干狩り場を運営する二色の浜観光協会は、入場料(大人1500円、小学生以下半額)を払った潮干狩り客全員に、帰りに九州・有明海産の安全なアサリ1キロを渡している。

 二色の浜は近畿屈指の潮干狩りの名所として知られ、90年代の最盛期には6万7千人が訪れた。ところが貝毒が発生した06年は5千人に激減。昨年も1万2千人にとどまった。同協会の浜出信夫会長(60)は「覚悟はしていたが、また今年もか、という感じ。自然相手なので対策のしようがない」と嘆く。「海水や貝に触っても大丈夫か」といった誤解が多いのも悩みのタネ。「安心して楽しめます」とPRに努める。

 府によると、大阪湾で貝毒が規制値を超えたのは02年が初めて。03〜05年は発生がなかったが、06年以降は3年連続の発生となった。

 貝毒の原因となる有毒プランクトンが最近になってなぜ出現し始めたのか。理由は解明されていないが、大阪府環境農林水産総合研究所水産技術センター(岬町)の山本圭吾主任研究員(39)は「大阪湾の栄養の水準が下がってきたのが一因ではないか」と話す。貝毒の発生が水質汚濁の指標になっている窒素やリンの濃度が減ってきた時期と重なるためだ。

 大阪湾では60〜70年代の高度成長期、流れ込む排水で水中の窒素やリンの濃度が高まる「富栄養化」で水質汚染が深刻化した。国や沿岸自治体が対策として、工場排水の規制強化や下水道整備に取り組んだ結果、リン濃度は現在、70年代の4分の1以下の水準まで下がってきている。

 山本さんの推論はこうだ。春になって水温が上がると、植物プランクトンは窒素やリンを栄養分として取り込みながら増殖を始める。栄養分の絶対量が少ない「低栄養」の状況では、競合相手のケイ藻類が休眠状態に陥りやすくなるため、低栄養でも増殖できる有毒プランクトンが結果的に発生する ――。

 90年代にまひ性貝毒が頻発した広島湾では最近発生が減ったが、原因は不明のままだ。山本さんは「大阪湾でも当面は様子を見るしかない」と話す。府は毎週検査を続け、3週連続で規制値を下回れば「安全宣言」を出すとしている。(滝坪潤一)

                ◇

 〈貝毒〉 貝が毒素を持った植物プランクトンを食べ、体内に蓄積するために起きる。症状によって、「下痢性」「まひ性」「神経性」などの種類があり、まひ性貝毒は「アレキサンドリウム・タマレンセ」というプランクトンが原因だ。大阪湾での貝毒の検出値は、大人が一度に115個以上食べなければ致死量に達しない程度だが、大量に食べると舌や唇がしびれる症状が出る恐れがある。加熱しても解毒できない。

アサリ両手いっぱい! ふなばし三番瀬海浜公園

2008.04.18 MSN産経新聞

 都心から30分で行ける船橋市潮見町の「ふなばし三番瀬海浜公園」潮干狩り場が17日、オープン。小学生や家族連れなど400人以上がアサリの収穫を楽しんだ。

 東京都武蔵村山市の多賀陽喜君(2)と埼玉県和光市の根岸翔太君(2)、今奏都君(1)の3人は父親の職場が同じで、この日が初の潮干狩り体験。母親の助けでアサリを掘り出し、「楽しい」と喜んでいた。

 6月22日まで。開催日時はテレホンサービス(電)047・437・2525。

アサリから規制値超える貝毒検出 淡路島で

2008.04.17 MSN産経新聞

 兵庫県は17日、同県洲本市(淡路島)で採取したアサリから今年初めて規制値を超える貝毒が検出されたと発表した。

 県によると、国が決めた自主規制基準値の4倍の値が検出された。県は淡路島東部に潮干狩りに行く際にはアサリを採取しないよう呼び掛けている。

 アワビなど2枚貝以外の貝類や魚類は食べても問題はないという。

まひ性貝毒:アサリから検出−−貝塚・二色の浜 /大阪

2008年04月10日 毎日新聞 地方版 Mainichi INTERACRTIVE

 府は9日、貝塚市の「二色の浜」で採取した天然アサリから、国の規制値(1グラム当たり4マウスユニット)を上回る麻痺(まひ)性貝毒が6・7マウスユニット検出されたと発表した。今後3週続けて規制値を下回るまで、府内沿岸の天然アサリなどの二枚貝を自分で採って食べないよう注意を呼びかけている。

 食の安全推進課によると、海水温が上がる春先に検出されることが多いといい、検出は3年連続。人間の致死量は3000〜2万マウスユニットとされる。

 岬町の淡輪潮干狩り場と、二色の浜潮干狩り場では、持ち帰り用のアサリを用意し、安全対策をしたうえで19日から営業を始めるという。


「アサリ団地」へ稚貝15万個

2007/08/11 中国新聞地域ニュース

 山口県は、アサリの「母貝団地」として整備する周南市戸田の西津木干潟で10日、稚貝約15万個を放流した。

 1センチ余りの稚貝は、約1年半後には3センチぐらいの母貝に成長するという。

 地元の県漁協戸田支店の組合員ら約10人が、稚貝が潜りやすいようくま手で干潟を耕した後、約200平方メートルの団地に稚貝をまき、網で覆った。今後、県水産研究センター職員が月1回、生き残りの数などを調べる。

ウミグモ謎の繁殖…東京湾岸でアサリ大量死

2007/07/28 The Sankei Shimbun WEB-site

 全国有数のアサリ産地、千葉県木更津市の東京湾岸で、6月末から「カイヤドリウミグモ」の幼生が寄生したアサリの大量死が続いている。地元漁協ではアサリの出荷を自粛するなど、深刻な状況だ。

 カイヤドリウミグモはムカデと同じ節足動物の一種。毒性はなく、アサリの体液を吸って体長約1センチまで成長するが、繁殖のメカニズムは解明されていない。夏の出荷シーズンさなかの異常事態に、千葉県と県漁業協同組合連合会は木更津市内の6つの漁場で被害調査を進めている。

 木更津市の牛込漁協によると、牛込海岸の漁場や潮干狩り場で6月下旬、大量のアサリの死骸(しがい)が見つかった。体長数ミリのウミグモ数十匹が寄生していたアサリもあった。

 この海岸で初めて確認されたのは4月下旬。食品検査で「毒性はない」との結果を得たが、ウミグモの大発生を受け6月26日に急遽(きゅうきょ)出荷を自粛、隣接する金田漁協も7月1日から同調した。

 アサリは種貝を放流し、育った貝を採取する漁法が主流。京都大フィールド科学教育研究センターの宮崎勝己講師は「ウミグモが寄生した種貝が木更津に持ち込まれ、被害が広まったのではないか」と推測するが、大発生の原因はいまだ謎だ。

 県は約30カ所でアサリ各30個を抽出した調査で、寄生率が最大で約8割に及んでいるケースを確認。一方でウミグモの成体を死滅させるため、生息している浅瀬を耕運機などで荒らす作戦を実施し、一定の効果があることもつかんでいる。

 県漁連などによると、千葉県の平成17年のアサリ出荷量は約5000トンで全国第3位。首都圏への出荷が多い。

山陽小野田市の水産会社社長ら逮捕 北朝鮮からのアサリ輸入で

2007/04/07 中国新聞ニュース

 中国船籍の貨物船による北朝鮮からのアサリ不正輸入事件で、第七管区海上保安本部(北九州)と山口県警は七日、外為法違反(無承認輸入)容疑で、輸入元の水産会社「藤遠貿易」(山陽小野田市)の社長藤岡登容疑者(59)と同社役員、従業員ら計八人を逮捕した。貨物船の船員十一人も再逮捕する。

 七管本部などは、同社が日本政府による北朝鮮への経済制裁に違反し、輸入したアサリを中国産と偽装して販売していたとみて追及する。

 調べでは藤岡容疑者らは貨物船をチャーターし、北朝鮮の港で積み込んだアサリ約五十五トンを中国産と偽り、二月二十二日に山口県の下関港に輸入した疑い。七管本部は既に、同容疑で貨物船の船長劉明国容疑者(58)を逮捕している。

 藤遠貿易側はこれまでの取材に「中国産のアサリは発注したが、北朝鮮産は頼んでいない」と事件への関与を否定している。

 七管本部はこれまでに、貨物船が三月に下関港に入った際、韓国の港に立ち寄ったのに中国から直接入ったと虚偽申告したとして、国際航路船舶・国際港湾施設保安確保法違反(虚偽通報)の疑いで劉容疑者と船員十一人を逮捕。

 その後の調べで、複数の船員が二月の運航の際、中国の港を出た後に北朝鮮の海州港でアサリを積んだと認めたことから、三月二十二日に同社などを家宅捜索。押収したパソコンのデータの分析などを進めていた。

禁止の北朝鮮アサリを下関港に輸入 経済制裁後、初摘発

2007/03/31 中国新聞ニュース

 第七管区海上保安本部(北九州)は三十一日、経済制裁で輸入が禁じられている北朝鮮産アサリを輸入したとして、外為法違反(無承認輸入)容疑で中国船籍貨物船の中国人船長(58)を再逮捕する方針を固めた。北朝鮮への経済制裁が実施された昨年十月以降、同国産品の輸入が摘発されるのは初めて。

 七管は既に貨物船をチャーターした山口県山陽小野田市の水産会社「藤遠貿易」などを捜索。同社がアサリの産地を中国に偽装して販売しようとした疑いがあるとみて、調べを進めている。

 調べでは、船長は二月二十二日、北朝鮮産のアサリ約五十五トンを中国産と偽り、山口県の下関港に輸入した疑い。二十日に北朝鮮に寄港しアサリを積み込んだことを複数の船員が認めているが、船長は容疑を否認しているという。

 藤遠貿易はこれまでの取材に「中国産のアサリは発注したが北朝鮮産は頼んでいない」と説明している。

 船長と船員十一人は、下関入港前に韓国の港に立ち寄ったのに、中国から直接下関に入ったと七管に虚偽申告をしたとして、国際航海船舶・国際港湾施設保安確保法違反(虚偽通報)の疑いで逮捕されていた。

 ▽制裁後も“密輸”継続か 以前から往来盛んな下関

 中国人の貨物船長が北朝鮮からのアサリ輸入に関与したとされる事件は、経済制裁前から北朝鮮との輸出入が盛んだった下関港で、制裁後もひそかに“密輸”が続いていた可能性を示した。

 下関港は朝鮮半島に近い地理上の理由もあり、経済制裁前はアサリなどの海産物を積んだ北朝鮮の貨物船が入港し、日本の中古車や中古自転車などを積んで出港する光景が日常的だった。

 門司税関によると、過去十年間に輸入された北朝鮮産アサリのうち、80―90%は下関港に陸揚げされていた。

 しかし拉致問題などに伴い、北朝鮮産品のイメージが低下した影響で二〇〇五年からは輸入量が激減。〇四年は約二万六千五百トンあったが、〇五年には約四千七百五十トンまで落ち込んだ。代わりに中国産の輸入量が〇四年の約三百八十六トンから、〇五年には約一万二千五百五十トンと、飛躍的に増加した。

 一方で、中国産と表示したアサリの中に北朝鮮産が混入しているとの指摘も。山口県内のある水産業者は「見た目だけでは北朝鮮産と中国産の区別はつきにくく、産地偽装している業者もいるらしい」と明かす。

北アサリ不正輸入 中国人船長をきょうにも逮捕 外為法違反

2007/03/31 The Sankei Shimbun WEB-site

 核実験実施に伴う経済制裁で一切の輸入が禁止されている北朝鮮から、下関港にアサリ約55トンを不正輸入したとして、第7管区海上保安本部と山口県警などは31日にも外為法違反(無承認輸入)容疑で、中国船籍の貨物船船長(58)を逮捕する方針を固めた。昨年10月の経済制裁発動後、不正輸入での初の逮捕者となる。貨物船をチャーターした山口県の水産会社が制裁後、アサリ1000トン以上を北から密輸したとみられることも判明。捜査当局は、制裁の空洞化につながる不正輸入の全容解明を進める。

 アサリには中国原産を示す中国の公式の産地証明書が添付されており、中国当局に協力者がいた可能性もある。捜査当局は同法違反容疑で水産会社の経営者も聴取する。

 逮捕されるのは、中国人船長の劉明国容疑者。先月22日、北朝鮮の海州(ヘジュ)で積み込んだアサリ約55トンを中国産と偽り、経済産業相の承認を得ずに輸入した疑いが持たれている。

 劉容疑者は貨物船「HAIXING(ハイシン)3」にアサリ約60トンとシジミ約16トンを積んで今月8日、下関港に入港。事前の通報では、中国・丹東からの入港だったが、捜査当局の立ち入り検査で、実際には韓国の仁川港などに寄港していたことが分かった。

 捜査当局は寄港地を偽った国際船舶・港湾保安法違反容疑で、劉容疑者ら乗組員12人を逮捕。水産会社などを外為法違反容疑で捜索し、押収資料や供述を分析した結果、海州で積み込んだアサリに中国の海産物産地証明書を添付し、産地偽装して日本に輸入していたことが判明した。

 中国側には発行の事実はなかったが、用紙は本物と確認された。産地証明書は国家機関の「国家質量監督検験検疫総局」か日本の商工会議所に相当する「国際貿易促進委員会」が発行しており、捜査当局は、中国当局内に協力者がいるとみている。

北朝鮮産アサリ偽装輸入か 下関海保、中国船船長逮捕

2007/03/12 中国新聞ニュース

 下関海上保安署は十二日までに、北朝鮮に寄港したことを申告せずに下関港に入港したなどとして、国際航海船舶・国際港湾施設保安確保法違反(虚偽通報)の疑いで、中国船籍貨物船の中国人船長(58)を逮捕、下関市の水産会社など数カ所を家宅捜索した。

 貨物船はアサリ六十トンとシジミ十六トンを積んでおり、海保などは、北朝鮮への制裁措置で全品目輸入禁止が続く中、北朝鮮産魚介類の産地を偽装して販売しようとした疑いがあるとみて調べている。

 調べによると、貨物船は八日に下関港に入港した際、海保、警察、税関による合同立ち入り検査を受けた。船長は中国の丹東市から日本に入港したと申告したが、実際には三月上旬に韓国や北朝鮮の港に立ち寄っていたことが判明したという。

 貨物船は約二百トンで、船籍は中国の大連港。

 国際航海船舶・国際港湾施設保安確保法は、テロ対策強化のため二○○四年七月に施行。日本に入港する国際船舶に対し、海保への情報通報などを義務付けている。

 日本政府は昨年十月から北朝鮮の全品目の輸入を禁止している

北朝鮮からの輸入禁止で業者への低利融資検討…政府支援策

2006年10月13日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 政府は12日、首相官邸で「対北朝鮮輸入禁止等に関する緊急対策会議」(議長・塩崎官房長官)の初会合を開き、北朝鮮からの全面輸入禁止措置で影響を受ける輸入業者などに対し、支援策を早急に実施する方針を決めた。具体的には、政府系金融機関による低利融資などが想定されている。

 会合には財務、農林水産、国土交通、経済産業省など8省庁の局長級が出席。塩崎長官は「政府としてはきめ細かい支援を行いたい。実情を把握し、スピード感を持って(支援策を)実行に移したい」と強調した。

 政府は、13日の閣議で、全面輸入禁止措置を決定し、14日から発動する。輸入業者らに実際の影響が出てくるのは14日以降と見られている。政府は13日に開く第2回会合で、具体的な支援策を協議し、その一部をただちに実施する方針だ。また、来週以降も必要に応じて追加支援策を打ち出すことにしている。

水産加工業者に影響も

 北朝鮮への経済制裁として政府が北朝鮮からの輸入全面禁止を決めたことで、元々縮小傾向にあった北朝鮮との貿易量は一段と細ることが確実になった。日本の輸入額に占める割合は1%に満たず、影響は軽微にとどまる見通しだ。

 北畑隆生・経済産業省次官は、「日本経済にとって大きいものではないが、北朝鮮側から見れば総輸出額の1割程度が禁止となり効果のある措置だ」と述べ、北朝鮮経済への影響は大きいとの見方を示した。

 財務省貿易統計によると、日本の北朝鮮からの輸入額は05年で約145億円で、ズワイガニやアサリなどの魚介類が約40億円(28・1%)、マツタケなどの果実・野菜が約16億円(11・7%)で、農林水産品で全体の約4割を占める。

 01年に62億円相当を輸入していたアサリは、北朝鮮産を日本産と偽る偽装表示問題を受けて05年は7億円に落ち込んだ。今年1〜7月累計も、前年同期比で74%減と減少が続いている。

 北朝鮮からの輸入が禁止されれば、「アサリやウニを中心に価格が上昇する懸念がある」(農水省幹部)との指摘もある。ただ、北朝鮮産のアサリの市場占有率は05年で7%、ウニは4%と小さい上、中国など代替輸入先もあるため、打撃は小さい見通しだ。

 マツタケの値段も上がっているが、「北朝鮮産の問題というより全体の需給の問題で、食品分野で影響はほとんどない」(東急ストア)という。

 ただ、特定の地域にとっては輸入が全面的に禁止されることによる影響が懸念される。北朝鮮産のベニズワイガニを冷凍や缶詰用の原材料に用いる加工・輸入業者は、鳥取県境港市などに集中している。

 北朝鮮への経済制裁を決めた政府は12日、経済省庁を中心に第1回の「対北朝鮮輸入禁止等に関する緊急対策会議」の初会合を開き、悪影響が予想される企業への支援策づくりに乗り出すことを決めた。

 13日に開く第2回の対策会議以降、企業が他国産の原材料に転換した場合に生じる負担増について、農林漁業金融公庫によるつなぎ融資で支援するなどの具体策を決める見通しだ。

 一方、北朝鮮が受ける打撃は、日本とは比較にならないほど大きいとの見方もある。財務省などの統計によると、2005年の北朝鮮の輸出先は、中国(約37%)、韓国(約25%)に次ぎ、日本は9・8%に上る。

 既に新日本製鉄が無煙炭の輸入を止める措置を決めたほか、日本企業の間に北朝鮮との取引を断つ動きが広がっている。

 政府は当面、輸入禁止期間を6か月としているが、北朝鮮の対応次第では期間の延長もあり得る。その場合、北朝鮮の受ける打撃はさらに大きくなる可能性もある。

 北朝鮮の核実験については、 http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe7000/まで。

国産アサリ激減 乱獲・埋め立て…最盛期の2割切る

2006/05/21 The Sankei Shimbun

≪水産庁などが復活作戦着手≫

 日本の内湾の浅瀬にすむ代表的な2枚貝のアサリが激減し、国内漁獲量が最盛期20%を割った。減少傾向は20年間にわたって続いており、自然回復の傾向は見えない。貝を食べる南方系のエイの進出もあって山口県などは壊滅状態で、事態を重視した水産庁は沿岸都道府県などとともに「アサリ資源全国協議会」を組織し、今年度から具体的な復活作戦に着手した。今後10年間で現在の2倍の漁獲量を可能にする水準に戻したいとしている。

 国産アサリは1960年代から80年代の初めにかけて、毎年11万―15万トンの漁獲量を維持していたが、83(昭和58)年の16万トンをピークに減少に転じ、その後約20年間は、右肩下がりの減少を続けている。

 その結果、2000(平成12)年以降は、3万1000―3万6000トンまで落ち込み、最も少なかった01年は、83年のわずか19%にすぎなかった。

 水産庁などでは3年前からアサリ資源全国協議会を設置し、研究者グループが現状確認と原因分析を行った。

 その結果、漁獲量の減少は全国的な傾向として長期間続いていることが確認されたのをはじめ、その原因として(1)干潟の埋め立てや港湾工事による生息地の減少(2)乱獲に代表される不十分な資源管理(3)再生産機構の崩壊―などが浮上した。

 アサリの親貝から生まれた浮遊幼生は、その場に着底して稚貝になるだけでなく、100キロ以上離れた他の海域にも潮流に乗って運ばれ、着底する。

 アサリが減った海域には、他所から来遊した幼生が着底して増えるという自然の相互補給の再生産機構があったのだ。

 このため漁業者の間でもアサリは「取れば取るだけわいてくる」「いなくなるはずはない」と感じられていたらしい。

 しかし、(1)(2)による条件悪化のためにアサリ資源は限界を超えて減少し、再生産機構が崩壊したことが推定された。

 国内生産量の減少は中国や韓国などからの大量の輸入アサリによって補われているが、その量は国産アサリの約2倍にも上る。

 近年、宮城県などでは外国産アサリに混じって移入されたサキグロタマツメタという肉食巻き貝によるアサリの被害が目立ち始めている。

 一方、九州などの西日本ではナルトビエイという南方系のエイの群れによる大量食害がアサリ資源の減少に追い打ちをかけており、アサリを取り巻く状況は深刻だ。

 8500トンから2トンにまで激減した山口県でも数年前からナルトビエイが現れ、被害が出ている。温暖化の影響で分布が拡大したらしい。

 こうした全国の状況を踏まえ、アサリ資源全国協議会では3年間の予備調査を行った。今年度から短・中・長期の3段計画でアサリの資源の復活に本腰を入れる。

 水産総合研究センター・瀬戸内海区水産研究所では、5月にアサリのミトコンドリアDNAの遺伝的性質を解析することで、産地を2時間で判別する技術を開発した。この手法を使えば、国産アサリによる資源回復も可能になる。

 水産庁などは、アサリ漁場の環境整備や稚貝の大量死防止技術の確立などを急ぎ、それによって10年後の生産量倍増を目指す。

DNAで、たった2時間

2006年5月10日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 独立行政法人「水産総合研究センター」(横浜市)は、国内産と中国産のアサリのDNAの違いを約2時間で識別する方法を開発した。

 国内産の激減で、安価な中国産アサリを「国内産」と偽って販売するケースが後を絶たないことから、「市場検査などに活用し、産地偽装のチェックと抑止につなげたい」としている。来年度中の実用化を目指す。

 センターによると、中国産と韓国南岸産、国内(九州、北海道)産のアサリについて、DNAを作る塩基の配列をデータベース化。特定のDNAを試験管内で増幅できる既存の装置を使って、塩基配列を解析することで産地を割り出す。

アサリ:国内産、中国産を簡単に判別 水産総研が技術開発

2006年05月09日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 独立行政法人の水産総合研究センターは9日、中国産と国内産のアサリを簡単に判別できる技術を開発したと発表した。中国産を国内産と偽って表示する産地偽装を見破る効果が期待できるほか、輸入アサリの放流による生態系への影響の調査にも利用できそうだ。

 同センターが国内産、中国産、韓国産のアサリのミトコンドリアDNAを解析したところ、国内産と中国産の間で塩基配列の違いが大きかった。このデータを基に、既存の検査機器でアサリが国内産か中国産かを判別できることが分かった。1検体の検査にかかる時間は数時間、コストも数十円で済むという。農林水産省が小売店などで原産地表示を調査する際に活用される見込み。

 開発のきっかけは北朝鮮産などの輸入アサリを国内産と表示するJAS法違反が相次いだこと。その後、北朝鮮産の輸入は急減したが、輸入の約70%を占める中国産でも一部に表示違反があるため、同センターはこの技術が偽装防止に威力を発揮するとみている。今後、韓国、北朝鮮や国内の産地の判別も簡単にできる技術の開発を目指す。 【位川一郎】

目玉と足裏でアサリ

2006年04月30日 asahi.com

 日本人にとって潮干狩りは縄文以来の伝統である。貝塚を詳しく調べると、当時から春がそのシーズン。水ぬるむころ、我らが狩猟採集本能が目覚める。

 神奈川県に住む原田知篤(ともあつ)さん(56)も本能がムズムズする一人。貝掘り歴は50年。「潮干狩りの超人」を自称する。本業はオーボエ奏者だが、趣味が高じて潮干狩りのガイド本まで出版してしまった。春まだ浅き大潮の日、一緒に横浜市内の海岸に向かった。

 「アサリの目玉を見つけるんですよ。ほら!」

 原田さんが指さした砂地に目をこらすと、砂の表面に二つならんだ小さな黒い穴があっちにもこっちにも。そこを掘り返すと大小20個ほどのアサリが、ゴロゴロと出てきた。「目玉」の正体は、砂の中のアサリが海水を吸ったり吐いたりする水管が作った穴だ。

 古い靴下をはいて浜を歩くのが原田さん流。ちょっと格好悪いが、アサリが砂の下に密集している場所を、足の裏の感触で探り当てられる。

 みるみる潮が引き、砂が丘のように盛り上がった地形が現れた。「アサリは、丘の斜面、それも押し寄せる波の陰になる場所に集まりやすい」と原田さん。

 アサリの生態に詳しい東京湾漁業研究所(千葉県)の鳥羽光晴室長は「確かに、アサリは強い波や流れを避ける性質がある」という。超人の言葉は、科学的にも正しいのだ。

 原田さんは大粒のアサリを選んで次々と網袋に放り込む。1時間もたたないうちに規定の2キログラムを採り終えた。私のはその半分たらず。しかし、狩猟採集本能は十分満たされた。

     ◇

天敵まで「輸入」、国産受難

 レジャーとしての潮干狩りが盛んになったのは、江戸時代からという。庶民の楽しみを長年支えてきた「主力」のアサリがいま、苦境に立たされている。

◆4分の1以下

 アサリの国内生産量は近年、急速に減っているのだ。ピークだった80年代前半に比べると、4分の1以下にすぎない=グラフ。

 不足を補うため、海外からアサリを輸入するようになった。水産庁によると、04年の国産アサリ生産量は約3万6000トンだが、輸入はその1.5倍の約5万4000トン。かつてはほぼ自給できていたのに、今は輸入ものに圧倒されている。

 日本のアサリは、なぜ急に減ったのか。

 水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所の浜口昌巳・室長は「埋め立てなどの沿岸開発でアサリのすみかを奪ったことが大きな引き金になった」と話す。乱獲や海洋汚染が、これに追い打ちをかけた。

 そうなると、これまで資源が維持されていたアサリ漁場でも乱獲が始まる。いなくなれば別の漁場へ。それを繰り返しているうちに、日本のどこにも、未開拓のアサリ漁場がなくなってしまった。

 「80年代半ば以降の国内生産量の急降下は、そのせいだ」と浜口さんはいう。

 観光潮干狩り場に来るお客さんは、そんなことは知らない。「昔のようにアサリが採れない」と文句をいう――各地の潮干狩り場で、輸入アサリがまかれるようになった。

 「国内産」と聞いてまいた漁協もあったが、その中にも、実は北朝鮮や中国からの輸入アサリが含まれていた。それに交じって、アサリの天敵である肉食性巻き貝「サキグロタマツメタ」(通称・サキグロ)が日本に紛れ込んだ。

◆潮干狩り中止

 宮城県の東名(とうな)浜は、サキグロにアサリが食い尽くされ、3年連続で潮干狩りの中止に追い込まれた。現地を訪れると、潮が引いた干潟のあちこちを、サキグロがはい回っていた。

 「目に見える何倍も、砂の下に隠れています」と石巻専修大の大越健嗣教授はいう。多い所では1平方メートル当たり25匹。ここまで増えると駆除は容易ではない。

 問題は宮城だけではない。全国の少なくとも10県で大陸産と見られるサキグロがみつかっている。

 浜口さんは「サキグロは、国産アサリ減少の深刻さを我々に気づかせてくれたともいえる」という。

 アサリの急減に危機感を持った水産庁と関係自治体は「アサリ資源全国協議会」を作り、今年3月、「10年間で生産量を2倍に」という提言をまとめた。

 海が豊かだったころの常識である「アサリは自然にわいてくる」という考えを捨て、増殖や資源管理に積極的に取り組む。そんな時代になった。

    ◇

〈サキグロタマツメタ〉 タマガイ科の肉食性巻き貝。干潟に多く、生きたアサリをつかまえると、ヤスリのような歯と酸で殻に穴をあけ、中の肉を食べてしまう。主として秋に産卵、一つの卵塊から1000〜4000匹の稚貝が生まれる。成長すると殻の高さが5センチほどになる。

 主な分布域は中国大陸や朝鮮半島の沿岸。国内では西日本にわずかに生息するとされるが、近年、宮城県など各地で相次いで見つかっているものは、中国などからの輸入アサリに交じって侵入した大陸系と専門家はみている。確認のためのDNA鑑定が計画されている。 (文・山本智之)

北朝鮮産アサリ、5業者転々「国産」に

2005年04月15日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 北朝鮮産アサリの産地不正表示問題で、農林水産省が九州の2業者に改善を指示したアサリは、輸入後の流通過程で五つの業者を経由する間に、産地表示が中国産から無表示、さらに国産へと変わっていったことが、同省の調査や関係者の話で分かった。

 北朝鮮産アサリについては、昨年1年間で約3万2000トンが輸入されながら、店頭などで「北朝鮮産」がほとんど見られない状況が続いている。同省は、全国で貝類の流通や小売りにかかわっている19の業界団体に対し、輸入アサリの産地の適正表示を要請した。

 農水省は1月からアサリの産地表示調査を全国で実施。福岡県久留米市の小売店で「熊本産砂ヌキアサリ」と表示された産地不明のアサリが見つかったことから、同省が流通ルートをさかのぼって調べた。

 その結果、問題のアサリは、民間輸入業者「福岡県魚市場」(福岡市)が北朝鮮から中国の業者を介して輸入、2月までの約1年2か月間に計約8000トンを仕入れ、うち1000トン余が卸売業者(福岡県)に販売されたことが分かった。

 その際、「海州(ヘジュ)」など北朝鮮の地名が産地として表示されていたが、卸売業者は、鮮度回復や出荷調整を行う蓄養業者(同)に対し、これを「中国産」として引き渡していたことも判明した。

 アサリはその後、蓄養業者から産地表示のない状態で別の卸売業者(同)に渡り、さらに複数の小売業者に販売された。

 このうち久留米市の小売店を経営する「あんくるふじや」(佐賀市)が、一部の中国産アサリとともに計1280キロを「熊本産」として売っていた。日本農林規格法(JAS法)に基づく適正な国名表記は、どの過程にも見られなかった。

 福岡県魚市場は、読売新聞の取材に「北朝鮮産アサリに関しては、地名を表示して商談をしている。国名を併記すべきだったが、(北朝鮮産であることを)隠してはいない」と説明。

 同社からアサリを買った卸売業者は、農水省などの調査に「北朝鮮産と思ったが、納入先の蓄養業者に中国産とするよう言われた」と話し、蓄養業者は「中国産と思った」と説明しているという。

 また、蓄養業者から仕入れた卸売業者は取材に対し、「中国産として売った」と話すが、この業者からアサリを仕入れたあんくるふじやは、「仕入れの時に『中国産だが、熊本県で養殖したから熊本産でいい』と説明され、信じた」と話し、説明は食い違っている。

 こうした流れに対し、東京・築地市場の卸売業者は「原産国名の表記がない時点でおかしいと思うべきだ。取引全体がずさんだ」と指摘している。同省は1日、福岡県魚市場とあんくるふじやに改善を指示した。

 北朝鮮産アサリは、輸入後に複数の卸売業者が介在したり、出荷調整などで国内の干潟にいったん蓄養したりするなど、今回のような流通ルートをたどることが多く、不正表示がどの段階で行われたかは把握しづらい。

 アサリの昨年の全輸入量のうち「福岡県魚市場」が輸入したのは約2割で、今回判明したルートは一部に過ぎないのが実情だ。

 ◆アサリの産地表示調査=農水省が全国の約1300の小売店で1月15日から実施。約1700の商品について、仕入れ伝票と突き合わせるなどして、アサリの産地表示が適正かどうかを調べた。その結果、アサリの国内消費量の約4割を占めるはずの北朝鮮産アサリと表示されたものは、2商品しか見つからなかった。

アサリ・ロンダリング

2005年03月18日 YAHOO!JAPAN 辞書

 水産業者や流通業者の間で使われていることばで、北朝鮮産のアサリを国産や中国産などと表示して販売すること。マネー・ロンダリングのアサリ版である。

 日本農林規格(JAS)法は食品などについての表示を義務づけており、魚や貝などの海産物は「名称」と「原産地」の表示義務がある。これまで下関港に水揚げされる北朝鮮産のアサリは年間約2万6500トンで全国の80%近くを占めていた。スーパーなどでこのアサリを販売するときには原産地として「北朝鮮産」と表示しなければならないが、実際には店頭で北朝鮮産と表示のあるアサリはほとんどみられない。北朝鮮産と表示されたアサリは、極端に売れ行きが落ちるからだ。北朝鮮から輸入されたアサリはいったん、日本の水産業者に買い上げられて、国内のアサリ産地の浜辺にまかれる。

 しばらくそのアサリが成長するのを待ってから回収して、国産アサリの表示にするのである。中国産を装うには、北朝鮮産のアサリを中国の業者に売り、中国の業者が日本に輸出するという方法が使われている。

国産アサリ倍増目指す 水産庁などが回復策提言

2005年03月03日(共同通信)YAHOO!NEWS

 水産庁とアサリ漁場がある宮城県など23の都道府県でつくる「アサリ資源全国協議会」は3日、減少傾向が続く国産のアサリ資源を復活させるための提言をまとめた。2006年度からの10年間で、漁獲量の倍増(年間7万−8万トン)を目指すとしている。

 提言は、干潟の埋め立てや水質悪化、海中の酸素が少なくなる貧酸素水塊の発生などが、アサリの生息環境を悪化させていると指摘。(1)海底の土砂を定期的に掘り起こし、汚泥がたまらないようにする(2)漁場周辺をビニールシートで囲み、貧酸素水塊の流入を防ぐ−などの対策を提示した。

京都大学 電流で遺伝子情報判別 予防医学に応用期待

2005年06月05日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 京都大大学院工学研究科の岡本晃充助手は、電流の流れ方で遺伝子情報を簡単に見分けられるシステムを開発した。糖尿病や高血圧など生活習慣病の予防、個人の体質に合わせたオーダーメード投薬などに応用が期待できそうだ。

 岡本助手が取り組むのは、遺伝子治療で最近注目を集める「遺伝子多型」と呼ばれる分野の研究だ。

 遺伝情報を運ぶDNA(デオキシリボ核酸)は、人間の場合、4種類の塩基約30億個から成る。この塩基の配列は、正常な人でも1000個に1個は異なり、血液型や病気のかかりやすさなどに強く影響している。このうち、一定の人に共通して見られる配列が遺伝子多型だ。現在、どの配列が、どの病気に関連しているか、様々な研究機関が解析に取り組んでいる。

 遺伝子解析では、ガラスなどの基板上にDNA断片を張り付けたチップを使う方法がある。血液などから採取したDNAを試薬と混ぜてチップに反応させると、例えば、がん遺伝子の有無が分かる。だが、たった一つの配列の違いまで判別するのは難しく、発病の危険性を調べて予防したり、薬の副作用を抑えたりするのには利用できなかった。

 岡本助手は、塩基を流れる微小な電流に着目し、配列の違いによって電流の流れ方も変わることを発見した。糖尿病や高血圧などの病気ごとに、あらかじめ塩基配列を流れる電流の強さを調べておき、それと一致すれば、発病の可能性は高いと診断できる。

 従来に比べ簡便、短時間に診断ができる利点もある。岡本助手は「医療機関や製薬会社と連携して実用化につなげれば、健康医学の発展につながる」と意気込む。また、ブランド米の認定、国産・輸入野菜の判定など、食品の品質管理にも活用できそうという。

北朝鮮アサリ 疑惑の蓄養場

2005年05月11日 報道STATION

 3月1日、北朝鮮への経済制裁のひとつとも言われる改正油濁法が施行された。この法案で日本に入る北朝鮮の船は激減。 あれから60日。アサリの産地偽装問題で揺れた有明海の蓄養場へ向かった。 アサリの蓄養場とは、輸入したアサリを出荷するまで海で一時保管する場所。ここでアサリを管理するのが蓄養業者。

 夜、蓄養場から出てきたアサリを積んだトラックを追った。 運転手に話を聞くと、入ってくるのは中国と韓国産。北朝鮮産は、もう入れていないという。3月以降、蓄養場には北朝鮮産に替わり中国産のアサリが運ばれてくるようになったが、それもごくわずかだという。

 ある蓄養場の経営者を訪ねた。産地偽装問題以来、口を閉ざしていた蓄養業者がはじめて取材に応えてくれた。 「ここ1ヶ月、2ヶ月の間、仕事量はかなり減っている。世間で言われている産地偽装問題も関係あった。蓄養業は倉庫業みたいなもの。北朝鮮産や中国産ってのはわからん。わかる必要がない」。 産地偽装は何も知らされていなかったという。国産と表示されたのは出荷後のことだった。

 しかし、売り上げは3分の1に減った。従業員の給料も満足に払えなくなったという。「徐々に来たんじゃなくて、突然来た。突然来たら対応できない。今のままじゃがんじがらめ。みんな生活かかってるんだよ」と業者。

 そんなアサリの蓄養場を撮り続けているカメラマン・川端雅弘さん。有明海でアサリが取れなくなり、職を失った漁師がやむを得ず始めたのが輸入アサリの蓄養だった。そんな苦労を川端さんは見続けてきた。蓄養場では高齢者が同じ姿勢で黙々とアサリを採っていた。冬場は氷点下になるという。一日働いて賃金は3000円程度。 「経済制裁の問題は個人的には今までのあの仕打ちからすれば、やってもらいたいという気持がありますけど、この方たちの立場に立ってみると、そうともいえないですね」と川端さん。 蓄養場で15年働く女性。漁師歴43年の彼女は食費を切り詰めて生活としているという。「こんなに年いってから陸に上がっても仕事がない。やっぱり海に食いついていかなきゃいけない」

 4月、3年ぶりに国産アサリの漁が行われた。深刻化する有明海の汚染対策として県が1億円かけ国産アサリの再生に取り組んだ。 しかし、漁師が取る量は組合に決められている上、月に8回しか行われない。

 改正油濁法施行から60日。 蓄養を続ける元漁師たちだが、今また職を失おうとしている。

アサリ産地偽装問題 九州一円に広がる

2005/05/06〜05/10 日刊!「News ”ASNA”(アスナ)」より(抜粋)TOKEI News

 北朝鮮産アサリを「熊本産」「有明産」と不正表示して販売されていた問題が波紋を及ぼしている。アサリを輸入した「福岡県魚市場」(福岡市)と、販売した「あんくるふじや」(佐賀市)の2業者に農水省の指導が行われたのに続き、熊本県は蓄養(出荷調整や砂抜きのため一旦海に放すこと)に携わった本地水産(熊本市)と西山水産(同市)の業者名を公開した。

 ことの発端は北朝鮮への経済制裁の論議が高まる中、今年1月から農水省が実施した店頭調査で国内流通量の4割を占めるはずの北朝鮮産がほとんどなく、不自然さが指摘されたことである。

 【最近多発する食品の産地偽装問題の背景を考えてみた】 流通業界では大型店の出店ラッシュが続いており、当然のこととして食品の産地表示には神経を尖らせている。消費者ニーズの高まりもあり“良質の国内産”を季節に関わらず毎日、大量に求める風潮が高まっており、流通手段の発達で店側は、“国内産”を“安定供給”することに血眼になっており欠品を許さない。今回摘発された業者も「出荷先の要望に応えるために」違法行為に手を染めたと語る。

 【何よりも大切な産地としての「ブランド」の信用失墜】 本来、水産物や生鮮野菜は「旬」があって輸入や養殖・蓄養に頼らずに安定供給は不可能である。問題が起こるたびにマスコミによる非難の大合唱と規制強化の繰り返しでいいのだろうか。JAS法の見直しによる表示規制やトレーサビリティーの徹底も有効な対策だが、毎日同じ品揃えを求める流通業界の常識の見直しも必要であろう。

アサリ原産地で農水省調査、不正表示は133件

2005/04/22 読売新聞 Yomiuri On-Line

 アサリの原産地表示を調査している農水省は22日、3月までの調査結果を発表した。全国の小売店1763店舗で2280商品を調べたが、アサリの国内消費量の約4割を占める北朝鮮産は、1月からの総計で2商品しかなかった。

 産地が欠落するなどの不正表示は44店舗で見つかり、流通経路をさかのぼって調査した結果、中間流通業者89社で不正表示があった。同省は、このうち小売店1店舗と中間流通業者1社には改善を指示し、社名を公表。福岡、熊本県も中間流通業者計3社の社名を公表した。

 同省では、小売店36店と中間流通業者23社に文書などで既に行政指導したが、残る業者は詳しく調べており、問題が見つかれば改善指示と社名公表に踏み切る。

「北朝鮮産知っていた」 アサリ偽装、業者が証言

2005/04/16 The Sankei Shimbun

 北朝鮮産アサリが熊本産などとして販売されていた問題で、福岡県の輸入業者からアサリを買い取った同県内の卸売業者が16日までに、共同通信の取材に「北朝鮮産と知っていたが、同時に中国産も仕入れていたので、まとめて中国産として出荷した」と証言、産地を偽ったことを認めた。

 アサリは出荷前に有明海の養殖場(熊本県)に入れられ、さらにほかの業者を介して卸売市場で仕入れた福岡県のスーパーが最後は熊本産として販売しており、北朝鮮産アサリが国産に姿を変える過程が浮かんだ。

 取材に応じた福岡県内の卸売業者によると、昨年、中国産が品薄だったため、輸入業者から北朝鮮産を仕入れた。鮮度を保つため有明海の養殖場にしばらく保管していたが「北朝鮮産はあくまで不足分の穴埋め」という意識しかなく、中国産として出荷したという。

 出荷を始めた時期ははっきりしないが「北朝鮮への経済制裁などが問題となった昨年末よりずっと早い時期で、北朝鮮産を隠すつもりはなかった」としている。

 この業者からアサリを仕入れ、卸売市場に流した業者は「定期的に産地が記された貝毒検査証明書をファクスで送ってもらっていたが、中国産の証明書しかなかった。北朝鮮産だとは思いもよらなかった」と話している。

 最初の卸売業者が中国産とした後、アサリは産地を表示しないまま取引が繰り返され「熊本で養殖されたので熊本産で構わないと言われた」と話す最後のスーパーで熊本産になっていた。

 このルートとは別に、熊本県内の卸売業者も同じ輸入業者から仕入れた北朝鮮産アサリを、養殖場にいったん保管し、有明産として出荷していたことが農水省の調べで判明。福岡、熊本両県は、2つの卸売業者が意図的に産地を隠した可能性もあるとみて、業者名の公表を含め、再発防止の指示を検討している。(共同)

北朝鮮産アサリ、5業者転々「国産」に

2005年04月15日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 北朝鮮産アサリの産地不正表示問題で、農林水産省が九州の2業者に改善を指示したアサリは、輸入後の流通過程で五つの業者を経由する間に、産地表示が中国産から無表示、さらに国産へと変わっていったことが、同省の調査や関係者の話で分かった。

 北朝鮮産アサリについては、昨年1年間で約3万2000トンが輸入されながら、店頭などで「北朝鮮産」がほとんど見られない状況が続いている。同省は、全国で貝類の流通や小売りにかかわっている19の業界団体に対し、輸入アサリの産地の適正表示を要請した。

 農水省は1月からアサリの産地表示調査を全国で実施。福岡県久留米市の小売店で「熊本産砂ヌキアサリ」と表示された産地不明のアサリが見つかったことから、同省が流通ルートをさかのぼって調べた。

 その結果、問題のアサリは、民間輸入業者「福岡県魚市場」(福岡市)が北朝鮮から中国の業者を介して輸入、2月までの約1年2か月間に計約8000トンを仕入れ、うち1000トン余が卸売業者(福岡県)に販売されたことが分かった。

 その際、「海州(ヘジュ)」など北朝鮮の地名が産地として表示されていたが、卸売業者は、鮮度回復や出荷調整を行う蓄養業者(同)に対し、これを「中国産」として引き渡していたことも判明した。

 アサリはその後、蓄養業者から産地表示のない状態で別の卸売業者(同)に渡り、さらに複数の小売業者に販売された。

 このうち久留米市の小売店を経営する「あんくるふじや」(佐賀市)が、一部の中国産アサリとともに計1280キロを「熊本産」として売っていた。日本農林規格法(JAS法)に基づく適正な国名表記は、どの過程にも見られなかった。

 福岡県魚市場は、読売新聞の取材に「北朝鮮産アサリに関しては、地名を表示して商談をしている。国名を併記すべきだったが、(北朝鮮産であることを)隠してはいない」と説明。

 同社からアサリを買った卸売業者は、農水省などの調査に「北朝鮮産と思ったが、納入先の蓄養業者に中国産とするよう言われた」と話し、蓄養業者は「中国産と思った」と説明しているという。

 また、蓄養業者から仕入れた卸売業者は取材に対し、「中国産として売った」と話すが、この業者からアサリを仕入れたあんくるふじやは、「仕入れの時に『中国産だが、熊本県で養殖したから熊本産でいい』と説明され、信じた」と話し、説明は食い違っている。

 こうした流れに対し、東京・築地市場の卸売業者は「原産国名の表記がない時点でおかしいと思うべきだ。取引全体がずさんだ」と指摘している。同省は1日、福岡県魚市場とあんくるふじやに改善を指示した。

 北朝鮮産アサリは、輸入後に複数の卸売業者が介在したり、出荷調整などで国内の干潟にいったん蓄養したりするなど、今回のような流通ルートをたどることが多く、不正表示がどの段階で行われたかは把握しづらい。

 アサリの昨年の全輸入量のうち「福岡県魚市場」が輸入したのは約2割で、今回判明したルートは一部に過ぎないのが実情だ。

 ◆アサリの産地表示調査=農水省が全国の約1300の小売店で1月15日から実施。約1700の商品について、仕入れ伝票と突き合わせるなどして、アサリの産地表示が適正かどうかを調べた。その結果、アサリの国内消費量の約4割を占めるはずの北朝鮮産アサリと表示されたものは、2商品しか見つからなかった。

北朝鮮産アサリ輸入 10分の1以下に激減 不買運動が効果?

2005/04/02 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 拉致問題に対し不誠実な対応を繰り返す北朝鮮への民間制裁として、拉致被害者の支援組織「救う会」が1月から不買運動を実施した北朝鮮産アサリをめぐり、異変が起きている。財務省貿易統計によると、2月の北朝鮮産アサリの輸入量は1月に比べ10分の1以下に激減。実施からわずかの期間ながら、早くも制裁効果は出ているようだ。

 アサリは、北朝鮮にとって対日輸出品の中で主力を占める商品。昨年、「北」からの輸入総額約177億4000万円のうち、アサリは約2割にあたる約39億5000万円に上った。

 その“ドル箱”商品であるアサリは例年、冬から春にかけて大量に日本に入ってきた。昨年2月は約2600トン、一昨年2月は約2200トン。今年に入っても、1月には約2700トンが日本の各港に水揚げされたばかり。ところが、2月に入ると約230トンと、一気に10分の1以下まで激減した。

 救う会は「拉致問題を解決しようとしない北朝鮮に怒っている国民が具体的に参加できる運動」として、1月19日からアサリの不買運動を実施し、賛同を呼びかけてきた。開始からわずかの期間でアサリが減少したことについて、同会の西岡力副会長は「国民の拉致に対する怒りが強く、それが運動の成果となって表れた」とみる。同会では引き続き不買を呼びかけるとともに、アサリの産出国の表示適正化についても国に求めていく方針という。

北朝鮮産のアサリが2月調査で2商品

2005年03月19日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 アサリの原産地表示を調査している農水省は18日、2月の調査結果を発表した。

 全国の小売店693店舗で計879商品を調べた結果、約7割が国産で、アサリの国内消費量の約4割を占める北朝鮮産は、2商品しかなかった。

 北朝鮮産のアサリについては、国内の養殖場に一時移してから、日本産として販売されている疑いが指摘されており、同省では今年1月から表示調査を行っている。1月の調査では、小売店で売られている821商品のうち、北朝鮮産はゼロだった。同省では「いずれの調査でも、国内での流通量に比べ非常に少なく、不自然」としている。

北朝鮮産アサリどこへ きょうから入港規制強化

2005.3.1 朝日新聞

 船主責任保険に未加入の船の入港を禁じる改正油濁損害賠償保障法が1 日施行 される。保険加入率2.5 %(03年度調査)の北朝鮮の船は多くが入港困難になり、政府内には「北朝鮮へのステルス(見えない)制裁だ」との声も。

 「標的」となった北朝鮮産アサリについては、施行前日に水揚げ港・下関港を視察した自民党議員らも流通の実態をつかめなかった。下関港に水揚げされる北朝鮮産アサリは、年間約2 万6500トンで全国の8 割以上。同市で輸出入にかかわる船舶代理店や港運業者は、「荷主への守秘義務」として、市にも流通ルートは明かさない。

 そもそも北朝鮮産アサリ自体が「行方不明」状態。農水相の原産地表示調査では、国内消費量の約4 割を占める北朝鮮産アサリは見当たらなかった。理由のひとつは「原産地の表示義務が無い外食産業や加工品に使われる例が多い」こと。大手スーパー関係者は、「拉致問題などへの国民感情に配慮して、2 〜3 年前から北朝鮮産の扱いを停止し、国産品にした」。

 だが、「偽装疑惑」も絶えない。輸入アサリは鮮度回復などのため、いったん国内の養殖場に入られる例が多い。養殖場で短期間保存したアサリを国産として 出荷しているのでは、というのだ。農水省では今後、産地にさかのぼって調査するが、「北朝鮮と国産のアサリは種類が同じで、DNA 鑑定でも区別できない」という。

アサリの天敵!!「サキグロタマツメタガイ」展示しました。

2004.06.16 マリンピア松島水族館

 サキグロタマツメタガイは、殻高5cm程度になるタマガイ科の巻貝です。中国本土や朝鮮半島、有明海や瀬戸内海の一部に生息し、もともと東北にはいなかった貝です。

 外国産アサリに混じって潮干狩り場にまかれたと考えられ、福島県の相馬市松川浦をかわきりに、岩手県の宮古市、宮城県の石巻市万石浦、鳴瀬町東名などでも生息が確認されています。アサリなど在来の貝類を捕食し、一部の地域では潮干狩り営業にも被害が出ています。  (サキグロタマツメタガイの展示は終了致しました。)

北朝鮮産アサリから貝毒検出 神戸などに出荷

2004/05/16 神戸新聞

 厚生労働省は十五日、北朝鮮産の生鮮用アサリから、規制値を超えるまひ性貝毒が検出されたと発表。北朝鮮産二枚貝と加工品の輸入者に検査を義務付け、結果が出るまで通関手続きをさせないよう検査体制を強化した。

 厚労省監視安全課によると、規制値を超すアサリは神戸市の検査で見つかった。唐下水産(山口県宇部市)が輸入しており、山口県は同社に全量の回収と販売禁止を命じた。

 山口県宇部環境保健所によると、唐下水産は六日に北朝鮮からアサリ約二十七トンを輸入。同日、約七・八トンを宮城、福島、千葉、静岡、愛知、三重、岡山、愛媛県の十一業者に出荷した。一部は既に消費された。これまでに体調不良などの訴えはないという。

 神戸市生活衛生課によると、このうち一業者が九日、神戸市中央卸売市場に六十キロを出荷。十―十二日に神戸、加古川、三木、西宮の各市ですべて消費された。

 検出されたのは規制値の一グラム当たり四マウスユニット(MU)を超える四・七MUだが、人間の致死量は三千―五千MUとされている。同課は「無毒化はできないが、百個以上食べれば中毒症状が出るくらいの微量な数値で、健康への影響はない」としている。

第1回アサリ資源全国協議会を開催

2003.08.11 EICネット

 水産庁は平成15年8月7日に、農林水産省7階講堂で「第1回アサリ資源全国協議会」を開催した。

 アサリは1980〜85年以前には全国で12〜16万トンの漁獲量があったが、最近では4万トン前後に激減しており、この協議会はアサリの水産物としての全国的な資源状況を整理するとともに、アサリの産地に対応した資源の維持・回復策の検討、提案を目的としている。

 今回の会合では、(1)協議会、北海道・太平洋・瀬戸内海・九州の4つのブロック分科会、合同ブロック分科会の組織の構成者、(2)15年度に協議会から分科会に付託する内容−−などについて関係者が了承し、内容が決定した。【水産庁】

アサリ缶詰、外国産を「国産」に偽装/全農、10年前から

2002年06月11日 ASPニュース

 全国農業協同組合連合会(全農)は10日、外国産アサリを国産と表示したアサリの水煮缶を、全国の農協系のスーパーで販売していたことを発表しましたが、驚くことのこの偽装表示は10年前から行われており、総数は20万缶に上るといいます。全農の子会社で同商品の仕入れを行っていた組合貿易(東京)の静岡事業所は、偽装表示を2001年1月に把握したものの、本社や全農には報告せず缶詰の販売も続けていましたが、全農チキンフーズの鶏肉偽装問題で始めた事業総点検で、今年3月に発覚し販売をやめたものです。

 この商品は「エーコープあさり水煮缶詰」(内容量85グラム)で、静岡県清水市内にある缶詰加工会社「伊藤食品」が青森県八戸市の工場で製造、組合貿易を経由して全農が販売していました。国産はほとんど使用せずに大半が中国産だったということから、全くの詐欺行為です。全農では「深くお詫びする。虚偽表示の理由については現在調査中で分からない」とコメントしていますが、事実を把握してから2カ月も経つのにまともなコメントができない、という同社は、速やかな事実の把握と公表が社会・消費者への企業責任であることを理解できない、危機意識の欠落した企業としか思えません。

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