TOPIC No.2-132-1 <1999-2001年度> 北朝鮮による日本人拉致事件

拉致疑惑の横田さんの家族ら、国連人権委に解決依頼

2001.03.03 asahi.com

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された疑いがあるとされる横田めぐみさんや蓮池薫さんらの両親が2日、ニューヨークの国連本部で大島賢三・人道問題担当事務次長らを訪問し、国連を通じた新たな解決方法に取り組むことを明らかにした。

「拉致疑惑の解明、北朝鮮に促す」米高官、横田さんらに

2001.02.27 asahi.com

米国務省のハバード次官補代理は26日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された疑いが持たれている、横田めぐみさんをはじめとする行方不明者の家族と会い、「今後も北朝鮮に対し、この問題に注意を払うよう強く促す」という米政府の方針を話した。米政府として米朝協議で、今後も働きかけを続ける考えを示したものだ。

横田めぐみさんの両親渡米/北朝鮮の拉致疑惑問題

2001.02.25 The Sankei Shimbun

 北朝鮮による日本人拉致(らち)疑惑問題で、一九七七年に新潟市内で行方不明になった横田めぐみさん=当時(13)=の両親や支援者計十一人が二十五日、米国政府に問題の早期解決への協力を訴えるため、米国に出発した。

 出発前、成田空港で行われた結団式で、父親の滋さん(68)は「政権が交代したばかりの米国で、できるだけ多くの人と会い、協力を働き掛けていきたい」と話した。

 一行は、三月三日まで主にワシントンに滞在。ブッシュ大統領に協力を求める平山征夫新潟県知事らの書簡を政府関係者に託すほか、同国の下院議員や国連、人権団体関係者らと会い、協力を訴えることにしている。

横田めぐみさんの両親らが支援求め訪米へ 拉致疑惑で

2001.02.21 asahi.com

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された疑いがあるとされる横田めぐみさんや蓮池薫さんの両親らが25日に渡米し、米国政府に行方不明者救出への協力を求める。21日、蓮池さんの父親の秀量さん(73)や「横田めぐみさん等被拉致日本人救出新潟の会」の小島晴則会長らが新潟県庁で明らかにした。

北朝鮮との正常化に「拉致問題」避けて通れず 閣議決定

2001.01.13 asahi.com

 政府は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致問題について、「北朝鮮との国交正常化のためには避けて通ることができない問題である」とする答弁書をまとめた。自由党の西村真悟代議士の質問主意書に答えるため、12日に閣議決定した。

民主・菅幹事長が森首相の「拉致疑惑打開案」を批判

2000.10.20 asahi.com

 民主党の菅直人幹事長は20日の記者会見で、森喜朗首相が示した「拉致疑惑打開案」について「現在首相をしている立場で、ほかの国の首相に話すのは非常に軽率だ。首相は功名心にとらわれている。大変重い課題であり、それなりにしっかりした戦略を持って対応すべきだ。日本の国益を危うくする」と批判した。

拉致家族、抗議の座り込み/北朝鮮コメ追加支援

2000.10.06 The Sankei Shimbun

 北朝鮮への五十万トンのコメ追加支援問題で、北朝鮮に拉致(らち)された疑いの強い日本人の家族ら約四十人は六日午前、「拉致問題に進展がないままのコメ大量支援は納得いかない」として、支援の撤回を求めて東京・永田町の自民党本部前で座り込みなどの抗議行動を行った。

 抗議行動を行ったのは「北朝鮮による拉致」被害者家族連絡会と支援者ら。昭和五十二年に失跡した新潟市の横田めぐみさん=当時(一三)=の両親や、鹿児島や神戸から駆けつけた家族らが参加した。

 家族らは午前八時ごろから、「拉致棚上げにつながる食糧支援に反対」と書いた横断幕やプラカードなどを掲げて、党本部前に座り込んだ。午前十一時からは、コメ支援が決定される自民党総務会が党本部で開かれ、出入りする議員らに支援を中止するようスピーカーで呼びかけた。

 めぐみさんの父、滋さん(六七)は「外務省があくまで人道的な支援と強調するなら、拉致された人間にももう少し配慮をしてほしい」、母の早紀江さん(六四)も「これまで娘の救出を命がけで訴えてきたのに…。私たちに子供を返して」と涙ながらに訴えていた。

北朝鮮拉致疑惑で被害家族が森首相に申し入れ

2000.09.12 asahi.com

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された疑いのある日本人の家族らが12日、首相官邸を訪れ、森喜朗首相に「拉致問題を棚上げにして、日朝国交正常化交渉を妥結しないでほしい」と申し入れた。森首相は「政府としてこの問題を無視して正常化することはあり得ない」と答えた。

 申し入れたのは、新潟県の中学生だった横田めぐみさんら7人の家族9人ら。出席者によると、首相は「これまでは問題の解決を水面下でやってきたが、今後は堂々と表に出てやっていきたい。国連のアナン事務総長が近々朝鮮半島に行かれる予定なので、日本に寄ってもらい、尽力を頼む予定だ」と問題解決への意欲を示した。

元服役囚ら北朝鮮送還 「全てがうやむやに」/陳情も実らず 拉致家族の思い複雑

2000.09.02 The Sankei Shimbun

 日本人拉致(らち)事件の実行犯で事件解明のかぎを握る人物とされた辛光洙(シン・グァンス)元服役囚(七一)の韓国から北朝鮮への送還について、行方不明となったままの日本人の家族らは二日、それぞれの複雑な思いを語った。

 辛元服役囚が昭和五十五年六月、宮崎市の青島海岸で拉致したとされる飲食店店員、原敕晁さん=当時(四三)=の兄、耕一さん(七五)は「弟を拉致した本人が送還されてしまうのだから自分なりにいろいろな思いはあるが、今はテかに見守りたいという気持ちだ」と言葉少なに語った。

 五十三年七月に福井県小浜市の海岸で行方不明になった地村保志さん=同(二三)=の父、保さん(七三)は「辛元服役囚を国会に呼んで拉致の実態を明らかにするよう政府に再三陳情してきたが、今度の日朝交渉でも拉致問題は棚上げ状態だった。犯人を送還してしまったらすべてがうやむやになる」と日本政府の対応を強く批判した。

 同年七月に新潟県柏崎市で行方不明になった蓮池薫さん=同(二〇)=の父、秀量さん(七二)は「辛元服役囚を日本の裁判にかけてほしいとずっと訴えてきたので残念。警察はもっと早く手を打てなかったか、もっと粘り強く捜査すれば何とかなったのではないか」と悔しがった。

 同年八月に鹿児島県吹上町の海岸で行方不明となった市川修一さん=同(二三)=の兄、健一さん(五五)は「もう時間切れ」と肩を落とし「拉致も核問題も棚上げにした政治決着を望んでいる人はいない。(政府が)強い姿勢で対話に臨めば、北朝鮮側も分かってくれるはずだ」と話した。

日本人拉致疑惑の「生き証人帰さないで」韓国政府に要請

2000.08.29 asahi.com

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致疑惑にかかわったとされ、警視庁が事情聴取を求めていた非転向長期囚、辛光洙(シン・グァンス)氏を韓国政府が北朝鮮へ送還することを決めた問題で、拉致された疑惑がもたれている横田めぐみさんの両親らが29日、韓国大使館(東京都港区)を訪ね、送還中止を求める要請書を手渡した。

日本人拉致事件で元服役囚を韓国で聴取 警視庁

2000.08.29 asahi.com(時事)

 1980年に起きた大阪市生野区の中華料理店店員原敕晁(ただあき)さん拉致(らち)事件で、韓国・済州島に派遣された警察庁と警視庁の捜査員は29日、犯行に加わったとされる元服役囚の男性(72)の事情聴取を、韓国捜査当局の協力を得て行った。

北朝鮮拉致疑惑の共犯容疑男性を韓国で聴取へ

2000.08.26 asahi.com

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致疑惑で、警視庁は韓国に捜査員を派遣し、拉致事件に共犯としてかかわったとされる男性(72)から任意で事情を聴く方針を固めた。韓国消息筋が26日明らかにした。警視庁は日本人拉致を認めたことのある非転向長期囚、辛光洙氏の聴取を求めていたが、本人の拒否を理由に韓国政府が難色を示していた。これにより、辛氏は日本側の事情聴取を受けず、9月2日にも北朝鮮へ送還されることが確定的となった。

警視庁は韓国検察当局による聴取に立ち会う形で、29日に拉致疑惑に関する事情を聴く。この男性は元在日韓国人で、辛氏らとともに北朝鮮のスパイ活動をしていたとされる。2人がかかわったとされるのは、1980年6月に大阪市内の男性店員を宮崎市の青島海岸から拉致し、工作船で北朝鮮に連れ去ったとされる事件で、辛氏はスパイ容疑で逮捕・起訴された後の85年、韓国の法廷で拉致の事実を証言した。

「北朝鮮は日本人返せ」

2000.08.22 The Sankei Shimbun
 拉致疑惑家族が代表団に訴え

 「日本人を返せ」。日朝国交正常化交渉が始まった二十二日朝、東京都内の外務省飯倉公館には、北朝鮮に拉致(らち)された疑いのある日本人の家族や支援団体の代表らの声が響き渡った。

 飯倉公館の玄関前には「拉致問題棚上げ反対」などと書かれた横断幕を掲げた家族ら十人ほどが、午前九時ごろから待ち構えた。日朝国交正常化交渉の北朝鮮側代表団を乗せた黒塗りの乗用車が到着すると、口々に「拉致された家族を返せ」などと訴えた。


拉致問題で被害者家族が北朝鮮代表団との面会要請

2000.08.01 asahi.com

「北」拉致者確認せず 肉親に落胆と怒り/「コメ支援へ情報操作」

2000.07.29 The Sankei Shimbun

 「もしやと期待したが…」。二十八日の朝鮮中央通信を通じ、唐突に発表された日本人の「行方不明者二人確認」報道。だが、日本政府サイドは、二人は、北朝鮮に拉致(らち)された疑いが強い、七件十人とは無関係であることを示唆し、家族の思いは、期待から落胆に変わった。北朝鮮に詳しい識者からは、来月二十一日から東京で開かれる日朝国交正常化交渉を前に、「(北朝鮮が)まじめに調査している、と宣伝するのが狙いではないか」などと、厳しい指摘が相次いだ。

 昭和五十二年十一月、帰宅途中に失跡した新潟市の横田めぐみさん=当時(一三)=の父親、滋さん(六七)は、日本人行方不明者「二人確認」を聞いた瞬間、「もしかしたら」と思った。

 しかし、中川秀直官房長官が会見で、政府がこれまで日本国内で拉致された疑いが強い、めぐみさんを含む七件十人とは無関係であることを示唆した上で「日本人妻」の可能性が高いことを指摘。滋さんは「北朝鮮が態度を急に変えることはない」との思いをいっそう強くした。 」

 日本赤十字社では、平成二年以降、十人を含めた日本人四十五人について、「行方不明者」として北朝鮮赤十字会に調査を依頼。また戦時中に消息が分からなくなるなどして行方不明になった日本人の安否調査も、日常的に実施している。

 今回、二人のうち一人は四十五人のうちの一人とみられるほか、政府筋によると北朝鮮赤十字会がこのうち、昨年に三人、今年三月に二人の消息に関する調査結果も伝えてきた。すでに死亡のケースもあったという。

 しかし、拉致された疑いが強い十人については「入国したことも一時滞在したこともない」と十年六月に同赤十字会の回答があっただけ。「北朝鮮側が拉致そのものを認めないことには何も始まらない」と滋さんは語気を強めた。

 また、昭和五十三年七月、新潟県柏崎市の海岸で失跡した元中大生、蓮池薫さん=当時(二〇)=の兄、蓮池透さん(四五)は「『だれも確認できない』では(日本から)コメの支援を引き出せない。情報操作にすぎず安易にコメの拠出に応じてはいけない」と日本政府の対応にクギを刺す。

 北朝鮮事情に詳しい現代コリア研究所の西岡力編集長は「(今回の確認は)日本の世論向けに『まじめに調査している』と宣伝するのが狙いで、拉致問題の解決に向け前進したとはいえない」と指摘する。

 ジャーナリストの恵谷治氏は、「拉致された日本人がいることは(北朝鮮)自身が一番分かっている。今後も徹底調査を求めなければならない」と日本政府に毅然(きぜん)とした態度で交渉するよう改めて訴えた。

行方不明者扱いから3年 解決の道筋遠く

2000.07.29 The Sankei Shimbun

 北朝鮮側から日本側へ連絡があった二人の日本人行方不明者は、北朝鮮に拉致(らち)された疑いが強い七件十人とは無関係の可能性が極めて高くなった。

 「拉致疑惑」を「行方不明者」にすり替えた交渉を続けるから、家族を悲しい気持ちにさせてしまうのだ。拉致疑惑が行方不明者に替わってしまったのは、平成九年十一月、自民、社民、さきがけの当時の与党訪朝団がもちかけてからだ。

 このとき、北朝鮮の金容淳労働党書記は拉致疑惑について、「(北朝鮮には)無関係」とした上で、「一般の行方不明者について調査する」と言った。行方不明者が確認されたところで、拉致疑惑と関係がある可能性は最初から低い。

 北朝鮮側はその後、日本側に「行方不明者はいない」と回答してきたこともあった。

 家族らは「政府は過去の国会答弁で北朝鮮に拉致された疑い濃厚としているのに、なぜ行方不明者なのか」と反発をしたが、言葉をすり替えることで、「子供たちが帰ってくるのなら」と甘受したのだ。

 それから三年弱が過ぎようとしている。政府はこの間、北朝鮮に食糧支援などの人道支援を行ってきた。だが、拉致疑惑という主権侵害については、北朝鮮の顔色をうかがってきただけ。タイのバンコクで二十七日に開かれた日朝外相会談の共同発表文には、北朝鮮側の主張する「日朝間の過去を清算」は入ったが、拉致疑惑は「日朝間の諸問題」とされたのみ。河野洋平外相は口頭でも拉致疑惑を提起しなかった。

 家族たちは何度、落胆すればいいのか。拉致疑惑は警察庁がまとめる警察白書にも明記されている。最初から「一般の行方不明者」ではないはずだ。(中村将)

北朝鮮拉致疑惑、横田さんらの救出訴え2000人が集会

April 30, 2000

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された疑いのある行方不明者の家族らによる集会「横田めぐみさんたちを救出するぞ! 国民大集会2」が30日午後、東京・日比谷の日比谷公会堂で開かれた。昨年に続く全国規模の大会で、支援者ら約2000人が参加。1977年11月、新潟市内で行方不明となった横田めぐみさん(当時13)の両親ら7家族12人が、問題解決に向けた日本政府の腰の重さを口々に批判し、世論の支援を訴えた。

拉致被害者の早期返還を

2000年03月27日

 日本弁護士連合会は27日、日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化交渉再開を受け、日本人拉致(らち)疑惑で人権救済の申し立てのあった9家族からの河野洋平外相あての要望書を外務省担当者に手渡した。

 要望は(1)政府間交渉で拉致被害者の所在の確認と早期の身柄返還要求(2)北朝鮮が拉致を否定した場合に政府の把握している証拠の提示―など。

拉致疑惑調査を確認へ

2000年03月11日

 日本と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の人道問題を協議する日朝赤十字会談が13日午後、北京のホテルで開かれる。焦点の日本人拉致疑惑で北朝鮮側は、これまでの非公式折衝で、1「行方不明者」の調査に、真摯に対応し、進ちょく状況をその都度報告する2生存者について適切な措置をとる―と表明しており、日本側は公式の場で確認したい考えだ。

自民党本部前で座り込み

2000年03月07日

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への食糧支援を了承した自民党本部前には7日、拉致(らち)された疑いのある日本人の家族と支援者約30人が「横田めぐみさん・有本恵子さんらを救出しよう」と書いた横断幕を掲げ、座り込んだ。

 有本さんの父明弘さんは「朝鮮民主主義人民共和国にいる日本人に行き渡るようにとか、条件を付けるべきだ。今の日本の外交のやり方ではいかん」と怒りを表した。

失そうから22年、横田めぐみさんの母が手記出版

December 05, 1999

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された疑いのある横田めぐみさん(当時中学1年)の母親の早紀江さん(63)がこのほど、失そうから22年間のつらい胸の内をまとめた手記「めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる」(草思社)を出版し、5日、新潟市で出版記念の集いが開かれた。約250人の参加者を前に、めぐみさんの両親や、拉致された疑いのある日本人の家族が疑惑解明と1日も早い救出への協力を求めた。

 集いの冒頭、「横田めぐみさん等被拉致日本人救出の会」の小島晴則会長は、今月初めに北朝鮮を訪問した超党派国会議員団が朝鮮労働党と国交正常化交渉の再開促進に合意した点に触れ、「拉致された日本人救出が国交正常化の大前提だ」と訴えた。また、1978年に新潟県柏崎市の海岸で行方不明になり、拉致された疑いのある蓮池薫さん(当時20)の両親が「拉致問題を赤十字に任せるのではなく政府が取り組んでほしい。家族のつらく不安な気持ちを分かって」と、涙をこらえながら話した。

「横田さん拉致」解決ねがい米大統領に手紙

August 24, 1999

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された疑いのある元中学生・横田めぐみさんの知人らで作る「横田めぐみさん等被拉致日本人救出の会」(小島晴則会長)は24日、新潟県庁で記者会見し、クリントン米大統領に問題解決への協力を求める手紙を出した、と発表した。

 手紙は、横田さんが卒業した小学校の元校長の馬場吉衛さん(78)が執筆。「教え子が不憫(ふびん)な境遇にいる現実を看過傍観できなく、大統領閣下の温かいご心情と勇気ある行動をお願いする」などと書かれている。

在朝日本人には行方不明者含む 北朝鮮政府幹部が言明

August 19, 1999

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問していた日朝友好連帯日本会議の和田静夫議長は19日新潟市で記者会見し、北朝鮮側が「在朝日本人には、配偶者(日本人妻)だけでなく、行方不明者などすべてを含む」と語ったことを明らかにした。北朝鮮は昨年6月、日本人拉致疑惑問題をめぐって「わが国の領土内には行方不明者は存在しない」と回答している。和田議長は「存在を否定していた従来の見解から一歩踏み込んだ発言だ」として、週明けにも野中広務官房長官に説明したいとしている。

 和田議長らは12日から19日まで北朝鮮に滞在し、アジア太平洋委員会の金容淳委員長(労働党書記)や宋虎景副委員長らと残留日本人孤児問題などについて会談した。その後、宋副委員長の意向を受けたという黄虎男・朝鮮対外文化連絡協会副局長が和田議長を宿泊先に訪ねて、行方不明者の存在を示唆する回答をし、「日朝両国の赤十字に調査を働きかけるべきだ」と提案したという。

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