TOPIC No.2-131 個人情報保護法

01. 個人情報保護法案の全文 Mainichi INTERACTIVE
02. 個人情報保護法案メモ
03. 個人情報 YAHOO!ニュース
04. テラネット阻止の会
05. プライバシー問題(個人情報保護とプライバシーのリンク集 )
06. 個人情報保護法の基本原則(2001/02/15) by公明党 神埼代表
07. 「個人情報保護基本法制に関する大綱」に対する意見書の概要 2001年(平成13)年02月02日 by日本弁護士連合会
08. インターネットは個人情報の敵?個人情報保護法制大綱決まる(2000/10/18)毎日新聞社
09. 診療情報における個人情報保護と公益的利用の整合についての要望と提案(平成12年6月)
10. 個人情報保護検討部会「中間報告」に対する意見について  2000年(平成12)01月21日 by日本弁護士連合会
11. 個人情報保護法大綱 1998年03月19日 by日本弁護士連合会

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個人情報保護法が成立

2003年05月23日 The Sankei Shimbun
 民間事業者や行政機関に個人情報の適正な取り扱いを求める個人情報保護関連5法案が23日の参院本会議で、与党3党などの賛成多数で可決、成立した。

 法案は、IT化の進展に伴い個人情報の漏えいによる権利侵害が多発する中、個人情報の利用と保護の両立を目的としている。

 条文で「報道」を初めて定義したことが報道規制につながるとの懸念や「行政による不正利用を防止できない」との批判も根強く、今後の制度運用で懸念や不安をどこまで解消できるかが課題だ。

 個人情報保護法案の基本的な定義部分は近く施行されるが、個人情報取扱事業者の義務などを定めた部分や行政機関保有個人情報保護法案は、2年以内に全面施行する。政府は今後、制度運用に関する「基本方針」とともに、規制対象となる民間事業者の範囲を示す政令を策定、医療など分野ごとに規制を厳格化する個別法整備の検討を進める。

 政府は政令で、「5000件以上」の個人情報をデータベース化し、事業に活用する場合を規制対象の「個人情報取扱事業者」と定める。電話帳や個人情報が組み込まれたカーナビゲーションシステムなどの一般利用者が規制されないような規定も設け、年内の早い段階で公表する方針だ。

 基本方針は、国として統一的な制度運用を図るための基準で(1)保護施策推進の基本的な方向(2)国や地方自治体が講じる措置(3)苦情処理に関する事項−などについて政府の国民生活審議会で協議し、閣議決定する。

 また、地方自治体が保有する個人情報の保護態勢も早急に整備する必要があることから、全自治体に個人情報保護条例の策定や、既に策定済みの場合でも法案の趣旨を踏まえて見直し作業に取り組むよう要請する。

         ◇

 個人情報保護関連法のポイントは次の通り。

 【個人情報保護法】

 一、主務大臣が個人情報取扱事業者を所管。

 一、事業者に個人情報の適切な取り扱いを義務化。違反には主務大臣が中止勧告や命令を行う。

 一、本人からの請求により事業者は情報の開示、訂正、利用停止に応じなければならない。

 一、報道機関、著述業、学術研究機関などは義務規定の適用除外。

 一、報道を「不特定多数の者に対して客観的事実を事実として知らせること」と定義。

 【行政機関が保有する個人情報保護法】

 一、行政機関の職員による(1)個人情報ファイル(名簿など)の漏えい(2)個人情報の盗用、不正な提供(3)職権を乱用した個人の秘密の収集−に懲役または罰金を科す。

         ◇

《個人情報保護法の経過》

 1999年6月10日 小渕恵三首相(当時)が国会で「民間部門も対象とした法整備を含めた個人情報保護システムを速やかに整える」と答弁

 8・12 改正住民基本台帳法成立

 2000・1 政府が個人情報保護担当室設置

 01・3・27 政府が個人情報保護法(基本法)案を国会に提出

 02・3・15 政府が行政機関保有個人情報保護法案を国会に提出

 4・25 衆院本会議で審議入り

 5・28 防衛庁による情報公開請求者個人情報リスト作成が発覚

 8・5 住民基本台帳ネットワーク稼働

 12・6 与党が修正案の概要を発表。政府案は廃案へ

 03・3・7 新たな政府案を通常国会に提出

 4・3 野党4党が対案を提出

 4・8 衆院本会議で政府、野党両法案審議入り。個人情報保護特別委員会を設置

 4・25 特別委で与党3党の賛成多数により政府案可決

 5・6 衆院本会議で可決、衆院通過

 5・9 参院本会議で政府案が審議入り。特別委を設置

 5・21 参院特別委で政府案可決

個人情報保護法案が可決

2003年05月21日 The Sankei Shimbun
 参院の個人情報保護特別委員会は21日午後、政府の個人情報保護関連5法案を与党3党の賛成多数で可決した。

 採決に先立ち小泉純一郎首相が出席し、締めくくり総括質疑を行った。

 23日の参院本会議で可決、成立の見通し。

 社会のIT化の進展と11年8月の住民基本台帳法改正を受けて検討が始まった個人情報保護に関する法制度は、13年3月の法案の国会提出から廃案、再提出、修正を経て約4年後に具体化の運びとなった。

 ただ、これまでの審議で「言論規制につながる」「行政の不正を防げない」などの懸念は払しょくされておらず、今後は政府の制度運用や医療関係などの個別法制定などが焦点となる。

 5法案は、基本法に当たる「個人情報保護法案」と、行政機関保有個人情報保護法案、独立行政法人保有個人情報保護法案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案、行政機関保有個人情報保護法施行に伴う関係法整備法案。

 個人情報保護法案は、民間事業者に対して(1)個人情報の利用目的の特定(2)取得時の本人への通知または公表(3)本人同意のない情報提供の禁止−などを義務化した。

 違反した場合には主務大臣が中止勧告などを行うことを明記したが、報道機関や著述業、学術研究機関などは義務規定の適用除外とした。

 また「報道」を「不特定多数に客観的事実を事実として知らせること」と初めて定義した。

 行政機関、独立行政法人を対象にした2法案は個人情報の保有、利用、第三者提供に制限を設け、職員の不正利用などに懲役を含む罰則規定を盛り込んだ。

個人情報法案21日採決 参院特別委、23日成立へ

2003年05月20日 The Sankei Shimbun
 参院個人情報保護特別委員会の尾辻秀久委員長は20日昼の理事懇談会で、個人情報保護法案について21日午後に委員会採決を行うことを決めた。野党は反対した。法案は与党3党の賛成多数で可決され、23日の参院本会議で可決、成立する見通し。

 採決に先立ち21日午前、野党が要求していた警視庁作成の暴力団関係者の個人情報が流出したとされる問題に関する集中審議と小泉純一郎首相が出席する締めくくり総括質疑を行うことも決めた。

 理事懇談会では、野党が自己情報コントロール権の保護の盛り込みなどを求める修正案を提出する方針を表明し与党に修正協議を要請。付帯決議を行うことも求めた。今後、審議と並行して与野党間で協議する。

個人情報保護法案を可決 来月6日に衆院通過へ

2003年04月25日 The Sankei Shimbun
 衆院の個人情報保護特別委員会は25日午後、政府の個人情報保護法案を与党3党の賛成多数で可決した。野党の対案は否決された。

 与党3党と民主党などは(1)出版社が報道、著述目的で個人情報の収集などを行う場合は適用除外とする(2)医療、金融など分野ごとの個別法整備を早急に検討(3)施行後3年をめどに見直す−などを盛り込んだ付帯決議を行った。

 小泉首相が26日から5月3日まで欧州を訪問し、首相出席が必要な衆院本会議を開けないため政府案の衆院通過は、連休明けの5月6日となる見通し。

 政府案は基本法にあたる「個人情報保護法案」と行政機関、独立行政法人双方の保有情報に関する2法案など5法案からなる。

 個人情報保護法案では、民間の個人情報を取り扱う事業者の所管を主務大臣とし、事業者に対して個人情報の(1)利用目的を特定する(2)取得時、本人に通知する(3)第三者提供の場合は本人同意を得る−などを義務付けた。違反した場合は主務大臣が中止勧告を行う。ただ、報道機関や著述業、学術研究機関などは義務規定の適用除外となる。

 行政機関、独立行政法人を対象にした2法案では個人情報の保有、利用、提供に制限を設け、職員による不正利用などに懲役などの罰則規定を設けている。

 これまでの特別委の審議では、報道の定義や野党側が明記を主張している自己情報コントロール権の是非、主務大臣に代わって新設の第三者機関に所管させることの可否などが論点となった。

 また防衛庁が自衛官募集をめぐり自治体から閲覧対象外の情報提供を受けていた問題も同法案の関連で取り上げられた。

人権擁護法案が審議入り

2002年04月24日The Sankei Shimbun
 新たな人権救済機関「人権委員会」を法務省の外局に設置し、同委に虐待や報道機関の過剰取材に対する停止勧告の権限などを与える「人権擁護法案」が24日午前の参院本会議で、趣旨説明と質疑を行い、審議入りした。

日本新聞協会の緊急声明

2002年04月24日 The Sankei Shimbun
-日本新聞協会が24日発表した「個人情報保護法案と人権擁護法案に対する緊急声明」の全文-

個人情報保護法案:学識経験者による参考人質疑 衆院特別委

2003年04月22日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 衆院個人情報保護特別委は21日、与野党が要求した学識経験者による参考人質疑を行った。与党側は堀部政男中央大教授と宇賀克也東大大学院教授、野党側からは田島泰彦上智大教授、清水勉弁護士の4氏が出席、表現の自由と政府による規制などに関し論議した。

 与野党間の修正協議のポイントの一つ、個人情報取り扱い事業者を監督・指導する「主務(担当)大臣」制度に代わる「第三者機関」について、堀部氏は行革の観点から「関係省庁の長い経験を生かす方が現実的だ」と主務大臣制度の利便性を主張。苦情の解決処理については「できるだけ身近な所で解決するのが望ましい」と述べ、NPO(非営利組織)の活用に期待を示した。

 これに対し、田島氏は「単なる政策選択の話でない。表現の自由に政府の規制がかかれば、社会が窒息しかねない。欧州のような政府から独立した機関がいい」と述べ、第三者機関を「行革の観点に逆行する」という政府のコスト論を排した。

 さらに清水氏は、行政機関の統一した運用基準との視点から「ちぐはぐな対応をすれば国際的信用も落とす。(各業界の)実情を踏まえた指針を出せるし、実務も損なわない」と述べ、第三者機関の有用性に理解を求めた。 【中澤雄大】

個人情報保護法案:麻生政調会長「修正の可能性ある」

2002年04月22日Mainichi INTERACTIVE
 麻生太郎自民党政調会長は22日、5月連休明けから本格審議に入る個人情報保護法案について「疑問を持たれるような書き方になっている。修正する可能性がある」と記者団に述べた。修正内容は明言しなかったが、自民党執行部が法案修正に言及するのは初めて。同法案をめぐっては報道・表現の自由を制約するとの批判が高まっている。 

反対の作家らが対案発表 個人情報保護法めぐり

2002年03月26日 河北新報社
 個人情報保護法案に反対する作家やフリージャーナリストでつくる「個人情報保護法拒否!共同アピールの会」が26日、東京都内で会見し、政府案の廃案を求め、対案を発表した。

 「個人情報保護法制に関する表現者のマニフェスト(対抗法案)」と題された対案では、個人情報を管理する権利はそれぞれの個人にあると規定。法律が個人の表現活動など、憲法に定められた基本的人権を制限して解釈・運用されてはならないとしている。  対案をまとめたノンフィクション作家の吉岡忍さんは「報道機関などへの除外規定をいくら盛り込んでも、政府案全体の抱えている問題は消えない。この対案をたたき台に多くの人の議論を巻き起こしたい」と話した。

人権擁護法案:緊急・公開シンポ開く メディア関係者らが参加

2002年03月25日 Mainichi INTERACTIVE
 取材・報道活動に対する政府介入を招く危険性が懸念されている「人権擁護法案」の問題点を考える緊急・公開シンポジウム(日本新聞協会、民放連、NHK主催)が25日、東京・平河町で開かれた。メディア関係者や市民ら約220人が参加した。

修正か廃案か議論 個人情報保護法案で消団連など

2002年3月12日 Mainichi INTERACTIVE
 全国消費者団体連絡会(消団連)は12日、「消費者・市民のための『個人情報保護法』制定を求める緊急集会」を開催した。集会では、個人情報保護法の早期制定を求めるアピールを採択する予定だったが、会場から「廃案を求めるべきではないか」「報道、表現の自由が十分守られるのか」といった疑問の声も出たことから、同集会としてのアピール採択を見送った。

 集会には、自民、公明、民主、共産、社民各政党の担当議員も出席。まず、政府の個人情報保護検討部会の委員を務めた三宅弘弁護士が「今、私たちの個人情報は?」のタイトルで基調講演。続いて、消団連が作成し、1月17日に発表した個人情報保護法案の修正案を説明し、議員を交えた意見交換を行った。

『8月から「住基ネット」始動 住民にコード番号票を配布』

20021年03月07日 Motozuka Management Group News

9月2日,日比谷野音で個人情報保護法案について考える

2001年08月27日 ZD NeT Japan
 個人情報保護法案の廃案を求める作家やジャーナリストが,9月2日,日比谷野音で集会を開催する。大橋巨泉氏や2ちゃんねるのひろゆき氏も参加。何やら“熱い”夜になりそうな予感である。

個人情報保護法案は、個人の情報を保護してくれる、庶民にとってはありがたい法律なの?

(サイゾー2001年7月号掲載)
 官公庁及び民間企業が保有するデータベースのIT化の流れを受け、個人情報の流出を防ぐことを目的に、1999年より法案化の検討がスタート。一定規模以上の個人情報データベースを保有する「個人情報取り扱い事業者」が対象(国、地方公共団体等を除く)。今年03月21日に閣議決定、27日国会に提出された。今国会での成立は見送られたが、次期国会での継続審議となる見通し。

民間団体への立ち入り検査権限を削除 個人情報保護法案 (2001.03.04) asahi.com

個人情報保護法案、報道は義務規定適用外 (2001.02.24) asahi.com

プロバイダーの個人情報漏えいを罰則対象に 郵政省 (2000.12.16) asahi.com

報道除外、改めて要請 個人情報保護法で新聞協会 (2000.10.16) asahi.com

「報道への行政介入避ける」 個人情報法案で官房長官  (2000.10.12) asahi.com

民間企業に個人情報の管理責任 個人情報保護法制大綱 (2000.10.12) asahi.com

個人情報保護 基本原則は報道機関にも適用 (2000.09.29) asahi.com

個人情報保護法「報道は全面対象外に」 新聞協会が声明 (2000.09.26) asahi.com

個人情報専門委、報道機関に苦情処理機関など促す方向 (2000.09.23) asahi.com

個人情報保護、「報道は除外」意見書も 検討部会で議論 (2000.09.19) asahi.com

報道機関の適用除外は検討課題 個人情報保護基本法素案 (2000.09.09) asahi.com

報道を全面除外せず 個人情報保護基本法制化専門委 (2000.09.15) asahi.com

個人情報保護法制化で専門委が初会合

6:36p.m. JST February 04, 2000
 個人情報保護のための基本法案を検討する政府の高度情報通信社会推進本部(本部長・小渕恵三首相)の個人情報保護法制化専門委員会が4日、首相官邸で初会合を開いた。来年の通常国会提出をめざし、6月に中間的な論点整理を公表し、7月をめどに基本法の要綱案をまとめる方針を決めた。

 委員長に園部逸夫立命館大客員教授を互選。経済協力開発機構(OECD)や欧州連合(EU)での保護制度の現状を調べたり、関係省庁やマスコミなどから意見を聴いた後、3月下旬から法制化に向けた討議に入る予定。

個人情報保護法案:電気通信事業者に適正管理を義務付け

1999年11月25日 MainichiINTERACTIVE
 郵政省は25日、電気通信分野を対象にした個人情報保護法案の概要をまとめた。利用者の住所、氏名、電話番号などの個人情報について、NTTなどの電気通信事業者に適正管理を義務付け、違反した場合には業務改善命令や罰則を科す。しかし、漏えいした職員など個人に対する罰則は先送りした。また、情報を入手した第三者への罰則適用や携帯電話販売代理店への規制については見送られる方向が強まった。

 概要は同省の研究会(座長、堀部政男・中央大教授)が同日、中間報告の形で発表した。電気通信分野は「医療情報」「信用情報」とともに、政府の個人情報保護検討部会が19日の中間報告で「個別法制定の必要がある」とした。同研究会は検討部会と歩調を合わせ、来年夏の最終報告を経て2001年の通常国会に法案を提出する予定だ。

 報告は、電話やインターーネット事業などにかかわる全国の事業者(約7300社)は保有する個人情報をすべて適正管理すべきだとしたほか、規制対象となる個人は事業者の職員のほか代理店職員なども含むのが適当とした。しかし、漏えいした職員などへの具体的な罰則適用については、対象となる情報の線引きが難しいなどから先送りした。

 また、入手した第三者への罰則は「現行法の体系では困難」とし、代理店規制は「個人情報だけ事業者と同様に規制するのは適当でない」として見送られる方向が強まった。個人情報を漏えいされた被害者に対しては救済措置を講ずる必要性も盛り込んだ。罰則の適用などについては、現在並行して検討が進んでいる信用情報、医療情報両分野の法案作成作業を見ながら最終報告までに調整する。

 NTTなど電気通信事業者の個人情報漏えいは今年既に1万件を超えているが、現行法や同省のガイドラインでは漏えいした事業者や個人を罰することは困難で、同省で法制化を検討していた。 【個人情報保護法取材班】

個人情報保護法案 関連各省庁のコメント

1999年11月22日 MainichiINTERACTIVE
 19日にまとまった、中間報告「我が国における個人情報保護システムの在り方について」は、民間を対象にした個人情報保護の法制化を検討してきた政府個人情報保護検討部会=座長・堀部政男中央大法学部教授(情報法)=による個人情報保護法制定の節目となるもの。今後は、来月2日に小渕首相に提出され、来年1月には部会下部組織として学識経験者で構成される「専門委員会」を設置、具体的な法案策定作業に入り、2001年の通常国会提出を目指すことになる。それと平行して、報告でも指摘された具体的な個別法については関係各省庁で改めて現状と論点整理が行われた上で、法制化についての検討が進められることになる。関係関係省庁に現時点でのコメントを聞いた。

■■大蔵省(金融企画局)
 信用情報分野では、すでに金融審議会と、通産省の産業構造審議会、割賦販売審議会との合同で、「個人信用情報保護利用のあり方に関する作業部会」を設置しており、今後、法的整備についての具体的な検討は追って同部会で検討していくことになると思われる。

 日本の金融機関に対して、個人の信用情報の保護について義務化したり、罰則を設けた法律は現在のところない。銀行法などに規定はなく、現状は自主的なガイドラインに沿った情報保護が図られていると考えられる。しかし、日本の金融機関は、米国など外国諸国とは社会的な背景も商習慣も異なっており、顧客との取引情報の秘密保持は民法などから銀行に義務付けられていると考えることもできる。社会的な要請を見極めて具体的にどう扱うべきか検討していきたい。

■■郵政省(電気通信局)
 11月25日に、「電気通信分野における個人情報保護法制のあり方」の最終的なとりまとめが行われるため、部会の中間報告も反映した内容を公表できると考えている。同日に議論、まとめられた内容を踏まえて今後の法整備等について進めていきたい。

■■通産省(機械情報産業局)
 個人情報保護は大変重要な問題であると考えており、中間報告等を契機に一般や産業界の関心がより一層高まり、適切な対応がとられることを期待している。

 中間報告においては、個人情報の適切な保護のためには「基本法」の制定とともに「自主規制」についても必要だとされている。通商産業省としてはこれまで取り組んできた通産省ガイドラインやJIS Q 15001、プライバシーマーク制度からなる事業者の自主的取組みを促進する諸制度について、充実と普及に取組んでいく。

■■厚生省(政策課)
 これからは基本法制定の進ちょく状況を見ながら、新たな個別法の既存の法律への対応を検討する。今年4月の高度情報通信社会推進本部から発表されたアクションプランに記されているように、以前から個人情報保護は重要な問題であると認識している。特に個人情報保護検討部会については発足時から注目して省内に研究会を設けて検討している。医療の進歩や公衆衛生の向上のためには個人情報の適正な利用も必要であり、個人情報保護には医療分野の特殊性への配慮も課題だ。

 他の分野と異なり、医療分野は刑法や医療関係法規で守秘義務規定を設けて、個人情報保護の対応を行ってきた。看護婦や保健婦などには守秘義務規定がないなどの課題があり、既存の法律の整備の検討を進めている。看護婦、保健婦の問題については早急に対応していく。(インターネット事件取材班)

住民基本台帳――個人情報保護法の詰めを

1999年06月16日Mainichi INTERACTIVE
 すべての住民票に統一したコード番号をつけ、全国の自治体を結ぶコンピューターで、本人確認に必要な4情報を一元管理し、行政の効率化を図ろうという住民基本台帳法改正案が15日の衆院本会議で、自民、自由、公明3党の賛成で可決され、参議院に送られた。

 だが、民主、共産、社民各党は「役所が持つさまざまな個人情報を寄せ集めることが容易になり、プライバシーが侵される恐れがある」と、廃案に追い込む構えを崩していない。

 私たちは、効率よい行政を目指す以上、行政事務のコンピューター管理は避けられないが、プライバシー侵害に道を開いてはならない、と主張してきた。

 政府案も、法で定める92事務以外への使用や個々の行政情報を一カ所に集めることを禁止するなどプライバシー保護には厳しい規制をかけている。秘密保持義務者の違反には加重罰則を設け、コードの民間使用も全面禁止している。

 こうした配慮にもかかわらず、国民が不安をぬぐいきれないのは、法律で禁止しても役所は裏で何をするか分からないという根強い不信感があるのと、プライバシー侵害は重大犯罪だという意識が社会に定着していないためだろう。

 従って、住民基本台帳法改正の前に、まず行政、団体、企業を含む総括的な個人情報保護法を議員立法で作ることが必要だと訴えてきた。

 小渕恵三首相は11日の衆院地方行政委員会の審議で「政府として民間部門を含む個人情報保護のあり方を総合的に検討し、法を含めたシステムを速やかに整備することが(改正法施行の)前提であると認識している」と答弁した。

 換言すれば、包括的個人情報保護法がないまま住民票のコンピューター一元管理に踏み切るには問題があることを政府も認めたわけだ。

 15日に衆院を通過した法案も付則に「個人情報保護に万全を期すために速やかに措置を講ずる」を付け加える修正が施された。

 包括的個人情報保護の必要性を政府に認めさせたことは衆院の審議の大きな成果だ。民主党などもプライバシー侵害の観点から法案に反対しているから、個人情報保護に異存はないだろう。問題は包括的個人情報保護法の中身だ。

 虚実織り交ぜた情報が勝手に蓄積され、売買されている現状は大問題だ。それが本人の知らないところで使われ、人権侵害を受けているかどうかも分からない。管理のルーズさを裏付けるように役所や企業の情報を持ち出す事件も続出している。

 だが「保護」を拡大していけば、言論の自由、表現の自由にもかかわってくる。「保護すべき個人情報」の合意がないまま「万全を期すための措置を講ずる」といっても空念仏に終わる恐れがある。

 国会は大幅延長になりそうだ。各党は、それぞれが考える「包括的個人情報保護法案」を持ち寄って、議員立法でまず保護法を成立させ、その後、住民基本台帳法改正案を採決する時間的余裕が出てきた。

 将来の「個人情報保護」を根拠にコード化の作業が先行したり、実効性のない「個人情報保護法」でお茶を濁せば国民の政治不信は募るばかりだ。

 ここは参議院の「良識」に大いに期待したい。 (毎日新聞 1999/06/15 23:28:00)

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