TOPIC No.2-122-0 パチンコ依存症

01. パチンコ依存症の闇 〜病的賭博〜 1/2 (2009年09月22日) パチンコ依存症はWHOが治療の必要な病気と認定している by YouTube
02. パチンコ依存症の闇 〜病的賭博〜 2/2 (2009年09月22日) by YouTube
03. 陣痛でもやめられない パチンコ依存症 はなぜ起きる(2006年07月30日) by YouTube
04. パチンコ依存症 (2006年07月28日) by YouTube
05. 子を車に放置 パチンコ依存症の親たち・前 (2006年06月30日) byAll About
06. 間違いなくパチンコ依存症 by止めたい!パチンコ・スロット・パチスロは麻薬
07. ギャンブル依存症 克服日記
08. パチンコ依存における「回復」の意味 byココロの荷物の降ろし方
09. GAM-ANON=ギャマノンについて ギャンブル依存症本人のために自助グループ
10. 女性のギャンブル依存症者のためのリハビリ施設「ヌジュミ」
11. ギャンブル依存症からの回復施設 ワンデーポート
12. ダルク(DARC)とは 薬物依存症リハビリ施設
13. パチンコ依存症〜家族のための情報サイト〜
14. パチンコ依存問題相談機関 リカバリーサポート・ネットワーク(Recovery Support Network) 相談専用回線(IP電話)050-3541-6420(相談無料:月〜金の午前10時〜午後4時※祝日を除く OCN無料提携IP電話以外からのお電話には、電話料金がかかります)
15. ギャンブル依存症 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ギャンブル依存症 悩み分かち合う家族ら つくば自助グループ1年

2010年12月29日(水) 茨城新聞2010年12月29日(水)

【写真説明】ギャンブル依存症の家族や友人を持つ人たちが悩みを分かち合った=24日夜、つくば市内

 ギャンブルがやめられず、何度も借金を重ねてしまう「ギャンブル依存症」。日本ではまだ専門的知識を持つ精神科医は少なく、患者自身も病気を自覚することが難しいとされる。家族が借金を肩代わりしたりして病状の悪化を助長する役割を担ってしまうケースも多く、こうした家族を救う自助グループが全国各地で誕生している。つくば市内のグループも2009年から活動し、悩みや苦しみを分かち合う日々が続く。

 活動から1年を迎えたのはギャンブル依存症者の家族・友人でつくる自助グループ「ギャマノンつくば」。クリスマスイブの12月24日夜、市内で開かれた定例会合では「長男がパチンコをやめられず借金をつくってしまった」「夫のギャンブルに悩まされている」など参加者が次々に悩みを打ち明けた。

 プライバシーを守るため、本名は明かさない。カウンセラーなどは同席せず、同じ立場の人たちが集まって悩み・苦しみを吐露することで、仲間から勇気や元気をもらう。

 グループを立ち上げた女性会社員(32)も夫(31)がマージャンやパチンコで借金をつくり、やめさせようとすると暴力を振るうようになった。「本人はギャンブル依存症と認めず、こっそり借金することも。暴力を振るわれ、あきらめて家を出た。そのとき知り合ったのが都内の自助グループ。自分の問題でもあると考え、生き方が変わった」と打ち明ける。

 特に夫婦間では、依存症の夫を支えることに妻が存在意義を見いだし、離れられなくなる「共依存」が起こりがちだという。いわばマインドコントロールのような状態を気付かない。

 昨年、同じ悩みを持つ女性とグループをつくり、毎週金曜日の夜、会合を開くことで勇気をもらっている。県内にはつくばのほか、水戸市や土浦市などにも同様のグループがある。女性会社員は「同じような人はたくさんいると思うが、表に出てこれないのが現状。希望はあるし、楽しく生きられることを伝えたい」と力を込める。

 グループ1周年を記念した会合が来年1月8日午後1時半から、つくば市吾妻のつくば文化会館アルスホール2階で開かれる。無料。

 全国の自助グループの活動は「一般社団法人ギャマノン日本サービスオフィス」のホームページに詳しく掲載されている。

なくせ多重債務:ギャンブル依存症 GA熊本が11周年集会−−来月4日 /熊本

2010年06月22日 毎日新聞 地方版

 ◇患者、家族体験談やNPO会長、医師講演

 ◇幅広く参加募集

 ギャンブル依存症の患者が匿名で互いの状況や悩みなどを話し合う自助グループ「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)熊本グループ」の11周年を記念した集まりが7月4日、熊本市城南町舞原の火の君文化センターである。患者や家族が体験談を語るほか、NPO法人熊本クレ・サラ被害をなくす会の吉田洋一会長、菊陽病院の尾上毅医師が講演する。

 ギャンブル依存症はパチンコや競輪、競馬などにのめり込む精神疾患で、患者は県内だけでも1万人以上いるといわれる。ギャンブルを続けるため借金を重ね、多重債務に陥る患者も多い。自助グループは患者と家族が別々に開いていることが多いが、4日は患者、家族、医療・行政関係者らを幅広く対象としている。

 GA熊本は「本人でも家族でもギャンブルで悩んでいる人たちに来てもらいたい」としている。午前10時〜午後4時。参加費無料。事前予約不要(昼食の弁当500円の手配希望者は前日までに予約)。問い合わせは県精神保健福祉センター096・356・3629。【遠山和宏】

ギャンブル依存症で集い

2010/06/20 中国新聞地域ニュ−ス

 ギャンブル依存症の克服に取り組むGA(ギャンブラーズ・アノニマス)福山グループが20日、福山市三吉町南の福山すこやかセンターで活動開始5周年を記念した集いを開く。

 GAは、アノニマスの名の通り匿名で参加でき、ギャンブルに関する悩みや不安をミーティングを通じて互いに打ち明け、克服を目指す。

 福山での活動開始5周年を記念した今回の集いには、大谷大の滝口直子教授らもゲスト参加。患者やその家族の飛び入りでの参加も受け付ける。無料。午前10時から。GA福山グループ=電話090(6408)7119。

[依存症回復への扉・キャンブル編](43)借金問題

2010年06月14日 沖縄タイムス(47News)

返済の道 依存脱却から 「孤立防止へ専門家連携を」

 ギャンブル依存の問題は、多重債務など借金の形で表面化することが多い。しかし、そこで借金を家族らが肩代わりした場合、新たに借りられる状態となる。根本的な原因であるギャンブル依存の問題が解決されなければ、また借金が繰り返されることになる。専門家は、まずは根っこの依存の問題から先に取り組むことが大切だと指摘する。

     ■    ■ 

 ギャンブルをやめて1年7カ月になる会社員のヨシオさん(54)=仮名、本島中部=は現在、自助グループ「GA」(ギャンブラーズ・アノニマス)で、ギャンブル依存からの回復に取り組みながら、借金の返済を続けている。

 不動産を担保に組んだ長期ローン。定年までに完済できるか不安は大きい。だが、ギャンブルをやめてからは落ち着いて返済計画を練る余裕もできた。

 借金を清算した後、再びギャンブルに戻ってしまう人を見てきた。反対にギャンブルをやめ、借金を完済した人もおり、目標にしている。ギャンブルをやめながら借金と向かい合うこと―。これが回復への一歩だととらえている。

     ■    ■ 

 ギャンブル問題では、債務整理に当たる弁護士や司法書士ら法律家の、ギャンブル依存に対する理解も重要になってくる。

 多重債務者の支援に取り組む「沖縄クレジット・サラ金被害をなくす会」メンバーの司法書士、楠(くすのき)和起さん=楠・與那城合同司法書士事務所=はギャンブル依存の問題があると思われる相談者に、医療機関や自助グループの連絡先が掲載された県発行の相談機関リストを手渡し、依存の問題に取り組むよう促している。

 借金については、基本的に支払い請求を止め、その間に、信頼できる家族に金銭管理をしてもらう対応を取っている。

 ギャンブルによる借金は、自己破産を申し立てても、債務の返済義務を負わない「免責」が原則認められない。だが、裁判所の裁量による免責が認められるケースもある。また、借金の一部を免除する「個人再生手続き」などの方法もある。

 楠さんは「事案によってさまざまだが、借金は解決できる問題。一人で孤立せず、相談してほしい」と呼び掛ける。

 その上で「ドロップアウトした人をどう元の道に戻すか。各分野の専門家が連携して福祉や医療につなげるなど、本人を孤立させないようにすることが大切ではないか」と支援の網≠フ必要性を指摘した。(学芸部・高崎園子)

女性のギャンブル依存克服へ セミナー開催

2010.06.01 MSN産経新聞

 国内で唯一の女性専用のギャンブル依存症リハビリ施設「ヌジュミ」(横浜市保土ケ谷区)が、開設から3周年を記念し、セミナー「ギャンブルをしない生活に戻してくれて、ありがとう!」を6日に横浜市内で開催する。

 同センターは平成19年4月、ギャンブル依存に苦しむ女性専用のリハビリ施設として開設された。依存症の女性が互いの体験を語り合うなどして、立ち直りを目指す。

 3周年のセミナーでは、同センターの利用者で、ギャンブル依存症を克服した女性や、その家族らが実体験を発表する。ギャンブル依存症に詳しい精神科医の田辺等氏の講演も開催される。

 午前10時からで入場無料。場所などの問い合わせは、ヌジュミ(電)045・743・5854。

RSNへの電話相談件数、前年度比で10%増

2010年05月24日 月刊グリーンべると

 ぱちんこ依存問題「電話相談」事業を行う特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク(沖縄県中頭郡・西原直之代表)が09年度中に受けた電話相談件数の総数が前年度比9.9%増の1305件にのぼっていたことがわかった。5月21日に都内で開かれた全日遊連の定例会見で報告された。

 この事業はのめり込み問題に対応する目的から全日遊連の支援によって06年度から始められた。09年度に寄せられた1305件の相談件数は過去4年間では最多で、4年間累計の相談件数は4327件に達している。

急増ギャンブル依存症 悩みを共有 脱却の近道 県内2団体が自助セミナー

2010年05月10日 山梨日日新聞

 パチンコやパチスロ、競馬などのギャンブルのことが頭から離れない−。いわゆるギャンブル依存症は近年、患者数が増加の一途をたどり、患者の家族も「共(きょう)依存」に苦しんでいるとされる。山梨県内では依存症と闘う人たちの二つの自助グループが誕生、週1回、甲府市内でミーティングを開いている。身分を明かさずに自らの体験を打ち明けるのが特徴で、参加者からは「同じ悩みを抱える人の話に共感し、一緒に病気と闘っていこうという気持ちになった」との感想が多い。特効薬がない中、病気に対する理解と自覚を深めて励まし合うことは効果的とされ、グループは参加を呼び掛けている。

 活動しているのは、ギャンブル依存症からの脱却を目指す自助グループ「GA(ギャンブラーズ・アノニマス)甲府」と、依存症者を持つ家族でつくる自助グループ「ギャマノン甲府」。依存症に悩む夫婦が、都内にある同様のグループのセミナーに参加。「参加者が話す言葉一つ一つに共感でき、気持ちが楽になった」ことなどがきっかけだった。

 両グループとも、参加者は全員匿名で、身分を明かす必要はない。ミーティングは「言いっぱなし」「聞きっぱなし」が原則。参加者が順番に自らの経験や家族への思いを語り、参加者はじっと耳を傾ける。

 ミーティングは、GAが毎週水曜(午後7時〜8時半)、ギャマノンが毎週土曜(午後1時半〜3時)、ともに甲府市の県ボランティア・NPOセンターで開催。それぞれの活動はホームページで紹介している。

 さまざまな依存症に詳しい甲府・住吉病院の大河原昌夫副院長(精神科)によると、ギャンブル依存症は、アルコールや薬物依存症と同様、パチンコなどへの欲求が抑えられなくなる。社会の認知度は低く、意志の問題ととらえられがちだが、世界保健機関(WHO)で認めた病気。

 依存症者は、家族にうそをついたり、財産を売ったりと、あらゆる手段で金を得ようとする傾向がある。家族が精神的にも経済的にも悩み、自分の問題と思い込んでしまうなど「共依存」の状態に陥るケースも多いという。

 大河原副院長は「ギャンブル依存症の詳しい原因は解明されておらず、特効薬はない。現状では自助グループに参加して病気に対する理解を深め、ギャンブルから距離を置くよう励まし合うのが有効。抜本的な解決には国レベルの対策が必要」と指摘している。

借金重ねた末離婚 夫の行動で不安

 先月、甲府市内で開かれたギャマノン甲府の家族セミナー。集まった依存症者やその家族約30人を前に、7人が体験を発表した。依存症者は「勝った快感が忘れられない」「借金を取り返したい」「ストレス解消」などさまざまな要因からギャンブルに夢中になり、衝動が収まらなくなった状況を打ち明けた。

 山梨市のミチオさん(35)=仮名=は大学時代から、パチスロにのめり込んだ。大学卒業時のギャンブルによる借金は50万円。「就職を機に気持ちを切り替えよう」と必死に働き、「金を使うな」と書いた紙を家財に張ったが、借金はどんどん増えていった。

 「自分の場合、楽しいとか、勝ち負けではなかった。(パチンコ店は)とにかく居心地が良かった」。借金は200万円に膨らみ、就職後に結婚した妻が全額返済。その後は妻が給与はもちろん、身分証明書なども管理したが、通勤用の定期券を払い戻したり、隠れて家財を売ったりして資金をつくった。

 こうした生活が続き妻とは離婚。これを機にギャンブルを断ち切る決意をした。今もギャンブルへの衝動は収まらないと打ち明けるが、GAとつながり「仲間と苦しみを分かち合うことで、自分一人ではないと安らげる」といい、懸命に依存症と闘っている。

 甲府市のサキさん(33)=仮名=は、3年前に結婚した夫がギャンブル依存症だった。同棲どうせいしていたころ、夫は定職があったが、さまざまな理由をつけては金を貸すよう言ってきたという。

 その都度、金を渡してきたサキさんだったが、ある日、夫の財布の中から消費者金融のカードや明細書を見つけた。「ショックだった」。精神科医に相談したところ、夫は依存症の疑いがあると言われ、GAを紹介された。

 その後、ギャマノンを知り、活動に参加するうちに、自らが「共依存」であることに気付いた。現在はミーティングに参加しながら、「夫の問題は夫に任せ、自分の問題と向き合うようにしている」という。

ギャンブル依存症治療 回復マニュアル作製

2010年04月02日 大分合同新聞

ギャンブル依存症の回復マニュアル

 県こころとからだの相談支援センター(大分市玉沢)は、ギャンブル依存症の回復マニュアルを冊子にまとめ、依存症かどうかを確認するチェック表を載せたリーフレットを作製した。依存症からうつ病や自殺につながるケースがあることから、早期治療の足掛かりにしてもらうのが狙い。

 県内の自殺者は1998年以降、年間約300人。自殺の動機にはうつ病などの健康問題のほか、多重債務問題があり、その背景にギャンブル依存症などがある。ギャンブル依存症は家族や周囲の人を巻き込むことが多く、家族がうつ病になるケースもあるという。

 回復マニュアルは、依存症になる背景や回復のイメージを分かりやすく説明することで、治療への第一歩を進めてもらう。▽発症のメカニズム▽依存症かどうかを確認する簡易チェック表▽回復へのプロセス▽同じ体験を持つ人が支え合う自助グループ▽家族が抱えるストレスや依存症の人とのかかわり方―などを紹介している。

 冊子は1千部、リーフレットは1万部を作製。各保健所や医療機関、警察署などに配布し、ギャンブル依存症に関する正しい知識の啓発と普及に役立てる。

 同センターは来所などの相談も受け付けている。相談電話(TEL097・541・6290)は月〜金曜日の午前8時半〜正午、午後1時〜同5時。

ギャンブル依存症を考える、20日に講座/横浜

2010年03月17日 神奈川新聞

 多重債務の背景にあるギャンブル依存症について考える講座が20日、横浜市中央図書館(西区老松町)で開かれる。専門家を招き、心のケアのあり方や周囲のサポートを促すきっかけを探る。午後1時半〜3時半。参加無料。

 同図書館は、医療や法律関連の情報を積極的に提供するなど、「市民の命と暮らしを守る活動」に力を入れており、法情報コーナーも設置している。

 今回は市内に三つあるギャンブル依存症のリハビリ施設とも連携し、依存症に苦しむ人の手記や社会復帰を目指すトレーニングの様子を取り上げた資料なども紹介する。

 講師は、法テラス神奈川理事で依存症の人たちを支援している司法書士稲村厚さん。消費者金融の現状や支援団体の取り組みなどを紹介し、債務整理だけでなく心のケアが再発防止のポイントとなることなどをアドバイスする。

 定員50人。希望者は同図書館調査資料課まで電話かファクス、メール、または図書館窓口で申し込む。問い合わせは電話045(262)7338。


パチンコ依存症

2009-08-04 21:14:27 | 私的関連 トーキング・マイノリティ

 飲む打つ買うは男の甲斐性ならびに三大娯楽だが、女と酒は年をとれば体がいうことを効かなり、続けることが難しくなる。しかし、賭け事だけは頭と体を使うので、嵌っても死ぬまで止められないという。数年前に死亡した私の遠縁にもギャンブルを好み、特にパチンコにのめり込み、死亡時には多額の借金を残した人物がいた。

 その人は若い頃から賭け事が大好き、パチンコの他にも競輪を好んでしていた。なかなかの働き者ではあったが、得た金を賭け事にすぐ投入するので資金は到底不足し、足りない分は周囲の親戚や知人に借金していた。金を借りまくるだけならまだしも、それを殆ど踏み倒してばかり。そのため死亡時に多額の借金を子供に残すことになる。
 私の叔父もその人に金を貸したことがあり、叔父が定年退職したすぐ後、3週間ほどで返すのと借金を申し出たという。叔父はその者が方々で借金を重ねているのを知っており気が進まなかったそうだが、頭を畳に何度も付ける土下座までしたので根負けし、結局15万円貸したらしい。

 しかし、期日を過ぎても音沙汰がないので、叔父が催促したらしぶしぶ、よりも散々嫌味を言われて、一ヵ月後に返済したそうだ。この程度のはした金で文句を言ったのは貴方くらいだ、とも開き直り、周囲に叔父の悪口を言いふらしてまでいたとか。金を貸してまで、何で悪口を言われなくてはならないのか、と叔父は怒り狂っていたが、田舎で顔なじみだと断るのがなかなか難しい。
 幸い私の父の元には借金の申し出はなかったが、その人を父は「知らない人が見れば、田舎の紳士」と評していた。長身の美男で口が巧く、明るく世話好きでもあったので、金を借りるのも長けていたのだろう。

 だが、家の外では紳士でも内面は極めて悪く、家にロクに金を入れない。ギャンブルで負けると妻に当り散らし、よく暴力を振るっていたらしい。私の叔母がその人の家を訪ねた際、壁にいくつものしみがあったので不思議がって理由を聞いたら、妻は夫が食べ物が入った食器を投げつけてできたものだと言う。結局妻は夫の葬儀に出られなかった。夫から殴る蹴るの暴行を受け、入院中だったからだ。全く最低の亭主だが、夫の死後妻は解放され平穏な生活を送れるはずだったのに、呆けてしまったとか。
 元からその人は賭け好きの性格だったろうが、パチンコが拍車をかけたのだろうか。パチンコがなくとも他の何かに溺れた可能性は高いが、ギャンブルで自分ばかりか家族も不幸にする人生を送ったのだ。

 私はパチンコをしたことはない。強いて言うなら子供の頃、当時は丸光と呼ばれた仙台駅前のデパートの屋上の子供向けパチンコ台で遊んだ程度。当時のパチンコは自らいちいち玉を入れるもので、何故かやけにヒットが止まらず、結局そのままにしてデパートを出たのを憶えている。あと、社会人になって1度したことがあり、これはあっという間に終了したのでつまらなく感じ、それ以降やっていない。
 しまり屋で“小銭のSさん”の渾名のある私の知人の女性は、1度パチンコをしたらついムキになり、3万円損したことがあったそうだ。普段しっかり者のはずの彼女が、パチンコで大損していたのは想像もつかない。

 東北一の都市のはずなのに、仙台には競馬場がない。パチンコ屋は容易に立つが場外馬券売り場になると何故か婦人団体が騒ぎ出し、その都度潰してきた。学都・仙台に相応しくない、ギャンブル中毒になる人が続出する等など。
 2〜3年くらい前だったか、人気ブログ「依存症の独り言」に“ゆみこ”のハンドルで、「なぜ婦人団体はパチンコ屋の建設には反対しないのか?」と疑問を呈するコメントがあり、これには私もハッとさせられた。

 地元新聞にも毎日パチンコ屋のチラシが入っており、いかに巨大産業と化しているのか分る。パチンコ店経営の多くが在日韓国・朝鮮人なのは知っていたが、そのパチンコが韓国、台湾ではギャンブル性が高いとして禁止されていたのは、ネットをしていなければ絶対分らなかった。代わりに新聞にはパチンコ屋も最近は客足が伸び悩み、補助金を出して支えた方が地域活性化に繋がるとの意見が載っていた。
 今年5月始め、弟さんがパチンコにのめり込み、ついに精神を煩い強制入院となったというブログ記事を見たことがある。書いている兄のブロガー氏と両親の心痛が伝わり、傷ましい限りだった。日本も早く韓国、台湾のような規制が望まれるが、よい対策はないだろうか。


【西方見聞録】ギャンブル依存症 一人で悩まないで

2008年09月05日 asahi.com

 茶の間のテレビにパチンコのCMが流れると、急におびえてチャンネルを変えたり消したりする。全国で急増している「ギャンブル依存症(強迫的賭博)」の人たちだ。病気なのに、社会の理解が進んでいないために不幸が重なる。実態を見た。(加藤勝利)

 ■繰り返した借金・うそ

《心身疲れ果て家族も巻き添え》

 ギャンブル依存の回復をめざす自助グループ、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)に3年前から通う男性(54)は「生きていられてよかった」と、この30年を振り返る。

 車の販売やホテルのフロント係など職を転々とした。23歳で結婚して2児をもうけたが、6年後に離婚。「家庭を満足に持てなかったダメな男」という罪悪感や寂しさを酒で紛らわせ、飲み代を稼ぐためパチンコにのめり込んだ。

 500円の元手で6万円勝ったことがある。当たれば「オレがやれば必ず勝てるんだ」と万能感がみなぎる。球のぎっしり詰まった箱を店内に積み上げると、優越感が頭の中を支配し、現実を忘れさせてくれた。

 給料を使い果たしても、消費者金融が簡単に貸してくれた。家族に内緒でトイチ(利息が10日で1割)のヤミ金融にも手を出した。返済に追われるようになるのに時間はかからなかった。「だまされて保証人になった」「給料袋を落とした」と、次々にうそをついては家族に尻ぬぐいをしてもらった。会社の金にも手を出した。一発逆転を狙い、返済の一部をパチンコにつぎ込んでは、また借金を増やした。

 05年、息子に借金を申し込んでぶん殴られた。家族会議は修羅場となったが、「周囲がなぜ怒っているのかすらわからなかった」。疲れ果て、感情さえもすり切れていた。

 ヤミ金の取り立てから逃れようと、死に場所を探して車上生活を4カ月間続けた。家族に助け出されて入院。借金は自己破産して整理した。つぎ込んだ給料や借金の総額は7千万円を超えていた。

 今は生活保護などで月10万円ちょっとの一人暮らし。夜の街には絶対に出ない。パチンコ店が視界に入れば別の道を通る。GAの夜間ミーティングにだけは欠かさず出席し、自分を見つめ直す日々を続けている。「GAの仲間とつながっていると、自分一人ではないと安らげる」

 ギャンブル依存症では、家族も巻き込まれて病む例が多い。「育て方が悪かった」と自分を責め、「家庭を壊したくない」と夫の借金を肩代わりする。家族だからと、本人のトラブルを自らの問題と思い込み、自分を見失う「共依存」の状態に陥るのだ。

 県内の70代女性は、息子がパチンコやスロットマシンで作った計2千万円近い借金を、家を担保に入れてまで尻ぬぐいした。「立ち直ってほしかったし、世間体もある」。病気だとは知らず、親子心中の言葉が頭をよぎった。「苦しくても本人が自分で責任を取らないと、息子のためにならないとは、当時は思いもしなかった」と話した。

 ◆民間・行政、支援に力

《病気と認識し回復図る》

 GAが諫早市に誕生したのは8年前。長崎、佐世保市に広がっている。夜間ミーティングでは毎回、回復のための12の言葉などをまとめたハンドブックを読み上げ、体験や思いを打ち明け合う。本名を名のる必要はない。言い放し、聞き放しで秘密厳守。

 県長崎こども・女性・障害者支援センターは5月、相談窓口に立つ保健師や精神保健福祉士、消費生活センター相談員らを対象にした初の研修会を開いた。

 講師を務めた民間団体ホープヒル(横浜市)の町田政明さんは、相談を受ける際の心得として(1)借金問題から表面化する例が多いが、家族に借金の立て替えを勧めてはいけない(2)本人より家族の支援が先決。病気と知らずに頑張ってきた家族をねぎらう(3)解決すべき問題は借金ではなく病気の回復(4)相談窓口同士の連携が欠かせないと説いた。

 センターは6月から、依存症に悩む人の家族を対象にした無料教室を開いている。15人前後が通っている。

 パチンコ店でつくる全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)は03年、「ぱちんこ依存問題研究会」を発足させた。当初は売り上げに影響するとの声も業界内に出たが、注意を呼びかけるポスターを加盟店に張り出し、毎日来る客に社員が声をかけることもある。

 06年4月には全日遊連の支援で、依存症対策の専門家らによる第三者機関「リカバリーサポート・ネットワーク」が設立され、電話相談を受け付けている。

 ◇「自治団体への参加や病院の治療欠かせぬ」

   精神科医・西脇さんに聞く

 

長崎市の西脇病院は、アルコールやギャンブルの依存症、うつ病などのためのストレスケア専門病棟(60床)を持つ。精神科医の西脇健三郎院長(61)にギャンブル依存症の症状や治療法について聞いた。

 ギャンブル依存症は「強迫性障害」の一種で、「強迫的ギャンブル(賭博)」との病名で呼ばれる。

 国内に150万〜200万人いると推測されているが、なぜこの病気が起きるのかはまだ解明されていない。周囲にも深刻な影響を及ぼす重い病気なのに、精神医療や行政からも軽く見られている。

 主な症状は、やり出したら止まらないコントロール不全と強迫行為(過度のこだわり)。いったん勝つと快感を覚え、ギャンブルへのこだわりや執着が増し、ブレーキが利かない状態を脳内につくってしまう。

 資金繰りのためのうそと、多額の借金を背負い込む。家族が借金を肩代わりするたび病状は悪くなる。家族や友人の信頼、社会的な地位など、すべての関係性を損なう。

 だれでもかかる可能性はある。最もなりやすいのは、几帳面で生真面目、対人関係で気配りがあり、戦後の日本が復興を成し遂げる模範になってきた「執着性気質」の人たちだ。リストラなどで行き場をなくし、ゆとりを失う。ストレスを抱え込んで心が悲鳴を上げるうつ病になりたくない人が、無意識に依存症に向かうのではないか。

 この病気は意志の力や自覚だけでは決して治らない。有効な薬物もない現状で、最も効果のある治療法は、専門の病院の治療プログラムと週数回の自助・相互援助グループへの参加だ。

 私たちの病院でもストレスケア病棟を備え、本人や家族らを対象にした夜間学習会を開いている。「病気だ」と認めず、自分が見えなくなっている人に、同じ病気の人たちと体験を語り合ってもらうことで回復につなげている。

 ▽主な連絡先

●県長崎こども・女性・障害者支援センター =095・846・5115

●西脇病院 =095・827・1187

●GA長崎地区代表・山さん =080・5250・7460

●リカバリーサポート・ネットワーク =050・3541・6420 

  ※   ※   ※   ※   ※

 ギャンブル依存症の行き着く先は「自殺か、刑務所」という言葉を何度も聞いた。「やめるのは簡単だが、やめ続けるのが地獄」とも。

 きらびやかな店舗や消費者金融の誘惑はどこにもある。趣味との線引きが外見からはわかりにくい。表面化した頃には身も心もぼろぼろ。家族らの尻ぬぐいで悪化する。あなたも周りの人たちも、もしやと思ったら相談・医療機関に駆け込んで。意志が弱いのではない。重病にかかっているかもしれないのだから。

酒、ギャンブル…依存症者が体験告白 回復目指し諫早でフォーラム

2008年08月04日 長崎新聞

 アルコール、薬物、ギャンブルなどの依存症者らが体験を語り合う初めての「県アディクション(嗜癖=しへき)フォーラム」が三日、諫早市の社会福祉会館であり、依存症者、家族、医療・行政関係者ら約百二十人が参加した。

 県内の四つの依存症自助グループでつくる実行委が企画。自助グループではメンバーが定期的に集まり体験を語り合うことで依存からの回復を目指しており、フォーラムはその拡大版。医療・行政関係者に依存症への理解を深めてもらうのも狙い。

 ギャンブル歴四十年という男性は、妻に包丁を突きつけられても借金を繰り返し、離婚の末に一時期「宿なし生活を送った」と告白。薬物依存症の四十代の男性は仲間が亡くなった現実を「残酷」と感じ、アルコール依存症の五十代の男性は「家族に悲しい思いをさせないよう断酒生活を続けたい」と語った。

 依存症は「意志の弱さの表れ」ではなく、ストレスに起因することが多い「病気」。依存症に詳しい西脇病院(長崎市)の西脇健三郎院長はフォーラムで講演し、現代人は「安全で快適で便利な社会」を維持するためそれぞれ役割を果たそうとして「ストレスを抱え込んでいる」と指摘。「治療するのは急性期のときだけ。回復する知恵は仲間から学ぶしかない。だから自助グループは大切だ」と話した。

行政ファイル:横浜市立中の教諭を懲戒免職 /神奈川

2008年07月11日 毎日新聞 地方版

 市教育委員会は10日、市立矢向中の石橋進教諭(52)を懲戒免職処分とした。5月24日午前11時半ごろ、職員室内の男性教諭(32)の机の引き出しから現金1万5000円を盗んだという。05年6月以降に計8人の教職員の部活動費や、生徒からの預かり金など計22万1000円を盗んだことを認めている。「パチンコなどの遊興費が欲しかった」と話し、教職員11人から被害申告のあった計36万7300円を学校側に支払った。

ギャンブル依存に対策会議 立ち直りへ弁護士ら支援

2008/07/04 【共同通信】

 多重債務の原因にもなるギャンブル依存に陥っている人たちの立ち直りを支援する「依存症問題対策全国会議」の結成総会と記念シンポジウムが4日、東京都内で開かれ、多重債務問題に取り組む「全国クレジット・サラ金問題対策協議会」の弁護士や市民ら約60人が参加した。

 全国会議によると、自分をコントロールできなくなり、パチンコやスロットなどの依存に陥っている人は全国で約200万人いるという。

 結成総会で吉田洋一代表幹事は「ギャンブル依存は深刻な社会問題を引き起こす可能性があり、医学的見地から正しく理解していく必要がある」とあいさつ。シンポジウムでは、大学時代からスロットや競馬にはまり約500万円の借金を抱えた男性が体験を報告した。

 全国会議は今後、ギャンブル依存を広く知ってもらうためのシンポジウムを全国で開催、各地の自治体に呼び掛けて当事者による自助グループをつくっていく。全国会議の連絡先は特定非営利活動法人(NPO法人)「熊本クレ・サラ被害をなくす会」、電話096(351)7400。

ギャンブル依存に対策会議 200万人立ち直りへ弁護士ら支援

2008/07/04 Iza

記事本文 多重債務の原因にもなるギャンブル依存に陥っている人たちの立ち直りを支援する「依存症問題対策全国会議」の結成総会と記念シンポジウムが4日、東京都内で開かれ、多重債務問題に取り組む「全国クレジット・サラ金問題対策協議会」の弁護士ら約60人が参加した。

 全国会議によると、パチンコやパチスロなどの依存に陥っている人は全国で約200万人いるという。

 結成総会で吉田洋一代表幹事は「ギャンブル依存は深刻な社会問題を引き起こす可能性があり、医学的見地から正しく理解していく必要がある」とあいさつ。

 全国会議は今後、ギャンブル依存を広く知ってもらうためのシンポジウム開催などを行っていく。全国会議の連絡先は特定非営利活動法人(NPO法人)「熊本クレ・サラ被害をなくす会」(電)096・351・7400。

パチンコ依存相談 沖縄が全国2位

2008年06月06日 琉球新報

 パチンコ依存問題の電話相談事業を実施している西原町の「リカバリーサポート・ネットワーク」(RSN、西村直之代表)に全国から寄せられた相談が2007年度は846件に上り、そのうち県内からの相談は67件であることがRSNのまとめで5日分かった。県内からの相談は、全国一だった06年度の96件に比べ減少したが、07年度は大阪に次いで全国2位と依然高く、06年度と07年度の合計でみると163件で全国1位を占めている。07年度の相談のうち、10年以上問題を抱えているケースが26%あり、西村代表は「一人で抱えていても解決は難しい。問題を外に出すことから始めてほしい」と相談を呼び掛けた。

 RSNは06年4月から相談事業を始めており、06年度989件、07年度846件と計1835件の相談が寄せられた。相談者の半数以上が借金を抱え、相談者の知りたい情報で圧倒的に多いのは「パチンコをやめる(やめさせる)方法」だった。

 また、06年度は本人からの電話が全体の43%で、家族・友人が47%だったのに対し、07年度は本人が48%、家族・友人が42%となり、本人からの電話が増えた。本人からの相談経路として、パチンコ店内に掲示される同ネットワークのポスターが72%、家族や友人は新聞が64%を占め、店内のポスター掲示が当事者への情報伝達に役立っていることが示された。

 パチンコにのめり込んで困っている本人にパチンコを始めた時期を質問した結果、男性は10、20代に開始した人が多く、女性は20代が多いものの、開始年齢は全年代層に及んでいる。

 集計結果を受け、西村代表は「沖縄県の相談が多い理由や、沖縄は本当に問題が多いのかについて、現段階で根拠のある情報はない」と説明し、原因などは今後、研究者による社会学的調査が必要だと説明した。

 RSNは、全国初のギャンブリング問題の援助職・サポーター養成講座を29日、北谷町のサンセット美浜で開く。講座は県内を皮切りに全国数カ所で実施する予定。医療、保健、福祉、司法、金融相談関係者、パチンコ店関係者等が対象。問題を抱える当事者と家族は対象外。参加費7000円。事前予約が必要。問い合わせは098(871)9671。相談専用回線は050(3541)6420。

ギャンブルで借金…収賄の高槻市議、歳費も差し押さえ

2008/06/05 Iza

記事本文 大阪府高槻市の違法マンションをめぐるあっせん収賄事件で、大阪府警に逮捕された同市議、段野啓三容疑者(66)が、約10年前から議員歳費のほぼ全額を差し押さえられていたことが5日、分かった。段野容疑者はギャンブルなどで多額の借金を抱え、返済にあてるために業者からも数百万円単位の借金を繰り返していたという。

 市などによると、段野容疑者は、年間約1100万円の議員歳費のうち、議員共済の掛け金月約10万円と所得・住民税の月3万〜4万円を除くすべてを差し押さえられていた。通常の給与は民事執行法に基づき、生活費として一部は差し押さえを免れるが、議員歳費や取締役報酬は全額差し押さえができる。

 関係者によると、段野容疑者は競輪や競馬などのギャンブルで散財。バブル期の土地取引の失敗などもあって借金が億単位に膨らみ、平成9年には自宅の土地と建物が差し押さえられた。現職市議によると、この前後から議員歳費の差し押さえも始まったという。

 借金返済のため、さらに業者から数百万円単位の借金を重ねる一方、暴力団関係者からも借りていたという。段野容疑者が「借金取り立てでファミリーレストランに呼ばれ、テーブルに着いたら、周りに暴力団員が4〜5人座っていて、ひどい目にあった」と話すのを聞いた元市議もいる。

 議員歳費を借金返済にあてていた段野容疑者について、債権者だった業者は「落選すれば借金を返済してもらえない」と危機感を募らせ、市議選になると支援し続けたという。

「ギャンブル依存症は心の病」 法律家らが対策会議設立へ

2008年04月07日 人民日報社「asahi.com」

 パチンコやスロットをせずにはいられない、その元手に消費者金融やヤミ金から借金を重ねる。こんな「ギャンブル依存症」を心の病として治療することで借金苦を減らそうと、多重債務問題に取り組む法律家や市民団体のメンバーらが近く「依存症問題対策全国会議」を発足させる。

 秋田県仙北市で5日に開かれた「全国クレジット・サラ金問題対策協議会」が、「多重債務の原因としてのギャンブル依存問題に取り組む宣言」を決議。その中で「依存問題へ対処せずに債務整理だけしても、再びギャンブルが始まる。その結果、ヤミ金に手を出したり犯罪に走ったり命を絶ったりするなど深刻な事態になりかねない」として新組織の立ち上げを決めた。

 「依存者」は、国内に200万人はいるとみられ、厚労省もすでに調査に乗り出しているが、新組織では「ギャンブル依存症」を精神障害と認めて保険診療の対象とするよう同省に働きかける。

 メンバーの一人で、ギャンブル依存症専門のリハビリ施設「ワンデーポート」(横浜市)を運営するNPO法人理事長の稲村厚さん(48)は、00年の開設からこれまでに約260人の「病的ギャンブラー」を受け入れてきた。開店から閉店までパチンコ店に入り浸り、その後深夜までポーカーなど賭博。その元手は日雇い労働で稼ぎ、寝床はカプセルホテルやネットカフェ。それでもギャンブルをやめられない――そんな状態だった人も少なくないという。

 施設では、アルコールや薬物の依存症と同じ社会復帰プログラムを使い、集団生活でお互いの体験を語り合いながら、約1年かけてギャンブル依存症を回復していくが、稲村さんは「ギャンブルをやめられない本人の罪悪感は深い。病気だから治療、回復できるとわかれば、社会復帰への一歩をつかめる」と話している。

ギャンブル依存=心の病

2008年04月06日(朝日新聞)ユーモア川柳

認知・治療目指す組織、発足へ

 パチンコやスロットをせずにはいられない、その元手に消費者金融やヤミ金から借金を重ねる。こんな「ギャンブル依存症」を心の病として治療することで借金苦を減らそうと、多重債務問題に取り組む法律家や市民団体のメンバーらが近く「依存症問題対策全国会議」を発足させる。(福井悠介)

 国に保険診療求める

 秋田県仙北市で5日に開かれた「全国クレジット・サラ金問題対策協議会」が「多重債務の原因としてのギャンブル依存問題に取り組む宣言」を決議。 その中で「依存問題へ対処せずに債務整理だけしても、再びギャンブルが始まる。その結果、ヤミ金に手を出したり犯罪に走ったり命を絶ったりするなど深刻な事態になりかねない」として新組織の立ち上げを決めた。

 「依存者」は、国内に200万人はいるとみられ、厚労省もすでに調査に乗り出しているが、新組織では「ギャンブル依存症」を」精神障害と認めて保険診療の対象とするよう同省に働きかける。

 メンバーの一人で、ギャンブル依存症専門のリハビリ施設「ワンポート」(横浜市)を運営するNPO法人理事長の稲村厚さん(48)は、00年の開設からこれまでに約260人の「病的ギャンブラー」を受け入れてきた。開店から閉店までパチンコ屋に入り浸り、その後深夜までポーカーなど賭博。その元手は日雇い労働で稼ぎ、寝床はカプセルホテルやネットカフェ。それでもギャンブルをやめられないーそんな状態だった人も少なくないという。

 施設では、アルコールや薬物依存と同じ社会復帰プログラムを使い、集団生活でお互いの体験を語らいながら、約1年かけて」ギャンブル依存症を回復していくが、稲村さんは、「ギャンブルをやめられない本人の罪悪感は深い。病気だから、治療、回復できるとわかれば、社会復帰への一歩をつかめる」と話している。

 全国会議の連絡先

 事務局長の広島弁護士会・長井貴義弁護士(082−223−3786)

県内・「脱ギャンブル」支援の動き 依存症と向き合う (上)

2008.04.06 秋田魁新報社

『気が付けば----』

やめられず、借金800万円

 北海道出身のAさん(43)が知人に誘われパチンコを始めたのは16歳のころ。「最初は『大人と同じ事をしてみたい』という好奇心からだった。一獲千金を狙って店に通い続け、負けても次は勝てる気がした」。23歳で薬物にも手を出した。

 トラックやタクシーの運転手として働き、家庭も築いた。だがギャンブルは止まらない。仕事を終えて家で晩酌していると何となく打ちたくなった。1日で最高40万円も勝ったことがあるが、十数万円が消える日もあった。負けると分かっていても、パチンコ店に足が向かった。

 「車をぶつけて3万円の修理代が要る」。妻にはうそをついて金をせびった。自宅のパソコンやテレビも質に入れた。金がなくなれば何度も消費者金融へ行き、気が付けば借金は800万円。返済金は親族が家や土地を売って工面した。「当時は何でそんなに金を使ってしまうのか分からなかったし、周りに迷惑を掛けているという意識もなかった。狂っていたと思う」

 Aさんは今、主に薬物依存からの自立を目指す民間施設「秋田ダルク」(大仙市協和)で共同生活を送っている。ギャンブルに依存する人の中には薬物やアルコールなどの問題を抱えるケースも少なくないため、同施設ではギャンブル依存者も受け入れている。

 Aさんが秋田に来たのは昨年の春だった。以前は県外の施設にも入所していたが、長くは続かなかった。都内で職を得て収入を手にすると、またパチンコ店へ。負ければ薬物で気分を晴らした。

 ギャンブル依存者は自分が依存症と認めないケースが大半。Aさんもそうだった。自覚したのは昨年7月、秋田ダルクの勧めで依存者同士が集まって回復を目指す会に参加するようになってから。似たような経験を語る仲間に会い、自分の過去を振り返るうちに見えてきた。なぜ膨らむか分からなかった借金の原因が、ギャンブルだったことが。

            ◇  ◇  ◇

 パチンコやパチスロ、競馬、競艇―。私たちの身近に数多くのギャンブルがある。趣味の範囲で楽しむ分にはいいが、病的にのめり込む依存症(アディクション)に陥り、助けを求める人が県内でも増えている。さまざまな依存症を抱える人を支援する「アディクション問題を考える会」世話人の熊澤由美子・秋田大医学部保健学科助教は「人間関係が希薄な現代において、ギャンブルが家庭や職場などで居場所のない人の逃げ場になっているのではないか」とみる。依存症の特徴と回復への道、県内の支援の実態を探った。

県内・「脱ギャンブル」支援の動き 依存症と向き合う(中)

2008.04.07 秋田魁新報社

病気

自覚が解決への一歩

 「進学で実家を離れた息子が仕送りを使い込み、パチンコにはまっている」「家族に迷惑を掛けているのに、パチンコがやめられない」。県精神保健福祉センター(秋田市)に、家族や本人から寄せられた相談だ。ギャンブルについての相談は2006年度が36件。04年度の13件、05年度の21件に比べ、増加傾向にある。

 ギャンブル依存症は本人の意思や性格の問題ではなく、れっきとした病気だ。「きょうはやめておこう」と思ってもセーブできず、いったん始めると適当なところで切り上げられない。同センター相談員で保健師の三浦美貴子さんは「ブレーキが壊れた車のような状態。歩くなど別の方法を取らないといけないのに、再び同じ車に乗って事故を起こしてしまう」と例える。

 依存者の価値観はゆがみ、手元に金があれば生活のすべてに優先してギャンブルにつぎ込む。アルコール依存症は酒で体を壊せば本人が自覚するが、ギャンブルの場合は気付きにくい。「一度に1万円分のアルコールを飲むのは大変だが、ギャンブルで2、30万を使うのは簡単」と三浦さん。返済不能なほどの借金を抱えるケースも少なくないという。

 07年5月に多重債務相談を始めた県生活センター(秋田市)によると、3月末までの相談者計427人のうち、56人(13・1%)がギャンブル問題を抱えていた。多重債務問題に詳しい菊地喜久雄司法書士も「相談者の借金理由の3割弱がギャンブル。ただし本人が言わないだけで、潜在的にはもっと多い可能性がある」と指摘する。

 借金、そして家庭の崩壊―。依存の代償は本人以外にものし掛かる。三浦さんは「財産を売り払って借金を返済したり、本人以上に家族が苦しんでいることが多い」と話す。

 「病気」の治療には何が必要か。「アディクション問題を考える会」代表で、杉山病院(潟上市)でソーシャルワーカーを務める佐藤光幸さんは、依存者本人が現実を直視することを、家族の「手助け」が妨げていると指摘する。「家族が金を出す限りギャンブルを続ける。家族は大切な人を借金地獄から助けているつもりでも、実際は病気を深刻化させていることが多い」

 解決への第一歩は依存者の自覚だ。佐藤さんは強調する。「返済や自己破産の手続きなど自分で借金の尻ぬぐいをさせ、問題の責任を本人に負わせることが最善の手段。周囲も『依存者はだらしない』といったレッテルを張らず、病気だという正しい理解が必要だ」

県内・「脱ギャンブル」支援の動き 依存症と向き合う(下)

2008.04.08 秋田魁新報社

自助グループ

当事者同士の輪が支え

 県内の保健福祉・行政関係者らでつくる「アディクション問題を考える会」。酒や買い物などの依存症に悩む人とその家族が、月1回集まって会合を開いている。以前はアルコール依存症が中心だったが、最近はギャンブル問題で相談に来る人が増えた。

 昨年7月、県内で初めてギャンブル依存症の人同士が自分の思いを語り合う自助グループ「GA(ギャンブラーズ・アノニマス)秋田」が発足したのは、そんな背景からだった。GAとは「匿名のギャンブル依存者の集まり」を意味する。回復に有効とされ、全国各地で同様の活動が広がっている。

 GA秋田の立ち上げの中心になったのが秋田ダルクのスタッフ、荒川豊さん(51)。「家族や友人にも言えないことを、同じ境遇にある者が打ち明け合う。当事者同士は互いの気持ちがよく分かるから」。自分も依存者だった荒川さんは、活動の目的をこう説明する。

 週1回程度開かれるミーティングにはルールがある。「言いっ放し、聞きっ放し」が基本で、討論や批判は禁物だ。「周囲の反応があると、仲間の賛同を得られやすい話しかしなくなる」(荒川さん)からだ。実名を伏せることで、話しやすい雰囲気づくりもしている。

 「この前、パチンコに行ってしまった」と話す参加者がいても、誰もとがめはしない。回数が減ればそれは進歩と考える。中には挫折した自分を責めて参加しなくなる人もいる。だが、離れても呼び戻さない。荒川さんは「『助かりたい』という本人の意思が何より大切だから」と話す。

 北海道出身のAさん(43)は当初、相手の話を聞かず、自分のことも素直に話せなかった。だが、正直に告白する仲間の姿に心を動かされた。「これまでうそをつき続けてきたが、ありのままを話すと気持ちが楽になった」

 参加し続けることで意識も変わった。「再びギャンブルをすれば、隠すために仲間にうそをつかなければならなくなる」。それは嫌だと思うようになった。

 もちろんすべての人がGAで回復できるわけではない。国内唯一のギャンブル依存症専門の回復施設「ワンデーポート」(横浜市)の中村努施設長は「発達障害や軽度の精神遅滞のある依存者に対しては、専門医の診察など別の支援が必要だ」と指摘する。

 現在、週末は施設の集団生活を離れて過ごすAさん。1人の時間にギャンブルをしようと思えばできる。だがもうしないのは、GAの存在があるからだ。Aさんは言う。「どん底でも必ず回復できる。最初の一歩を踏み出せば、違う人生になる」

市職員、1100万円着服してパチンコに熱中 神奈川・相模原

2008.04.02 MSN産経新聞

 神奈川県相模原市は2日、市が事務局を務める4つの任意団体の銀行口座から計約1500万円を不正に引き出し、うち約1100万円をパチンコなどに使い着服したとして、農林課の高松祐史主査(38)を懲戒免職処分にした。

 市によると、高松主査は平成18年7月から今年2月までの間、管理していた4団体の口座から計約160回にわたり金を引き出した。

 4団体は秋に開かれる「農業まつり」の関連団体で、主査が1人で会計を担当。定期的に着服分を穴埋めしており、ほぼ全額を返済した。

 市は業務上横領容疑で告発する方針。

夜間中学校教頭が授業すっぽかしパチンコ 兵庫

2008.04.01 MSN産経新聞

 兵庫県尼崎市の夜間中学校の男性教頭(58)が、担当する授業時間中に年休を取り、パチンコをしていたことが分かり、同市教委は、同校の校長を通じ口頭注意した。

 市教委によると、教頭は今年1〜3月だけで少なくとも5回、年休をとって宝塚市内のパチンコ店で遊んでいた。うち2回は担当の授業時間と重なっており、急遽(きゆうきよ)、休みとなったため、他教科の授業が行われるなどしたという。また出勤簿に年休の記載が漏れていたケースもあり、教頭が新たに出勤簿を作り直していたという。

 年休は勤続年数によって異なり、この教頭は20日間取得できた。取得には校長と教頭の承認が必要だが、同校は分校で、校長は本校にいるため、校長の認め印を教頭が管理していた。

女性のギャンブル依存症 専用リハビリ施設誕生

2008.01.15 MSN産経新聞
2008. 08:00

 ■男性の目を気にせず話ができる

 生活に支障が出ても、一向にギャンブルをやめられない「ギャンブル依存症」。女性の場合、世間の厳しい目を気にするあまり、治療へと足を踏み出せないケースも多いという。そんな中、国内初という女性専用リハビリ施設が昨年誕生し、回復を手助けする活動を始めている。(海老沢類)

 ≪体験語り合う≫

 横浜市保土ヶ谷区のマンション。昨年4月にオープンした「ヌジュミ」は、ギャンブル依存症に苦しむ女性専用のリハビリ施設だ。現在は30〜50代の主婦ら2人が定期的に通っている。

 プログラムの柱は、代表の田上啓子さん(58)を交えたミーティングだ。10畳ほどのスペースに集まり、1日約1時間半、互いの体験を語り合う。仲間の話を聞くことで参加者は次第に罪悪感を和らげ、ギャンブル依存が「病気」であることを認識していく。アルコール依存や薬物依存から立ち直る過程を追った映画を見て、回復への希望を抱くプログラムもある。

 実は田上さん自身、ギャンブル依存症に苦しんだ経験がある。夫婦関係がうまくいかず、寂しさを紛らわすように、ポーカーゲーム機やパチンコ台に向かうようになったのは32歳のとき。持ち金が底を突くと、台にすがりつき、手持ちの紙に1万円と書き殴り「続けさせろ」と店員に迫った。

 「勝ち負けの問題ではなく『とにかくやりたい』という状態」。消費者金融などから借金を重ね、注ぎ込んだ総額は約2000万円。症状を克服するまでに10年を要した。

 情報提供の必要性を痛感した田上さんは平成13年、依存症者の体験談などを載せるサイト「雨宿り」を開設。既存のリハビリ施設が男性限定だったことから女性専用施設をつくることにしたという。田上さんは「家庭の財布を握っていた主婦が、家のお金を使い切って離婚…という例も多い。ギャンブル依存は『病気』で、治療すれば回復するということを伝えていきたい」と話す。

 ≪5年で倍増≫

 ギャンブル依存症は、多額の借金などで家庭生活や仕事などに支障が出ているにもかかわらず、自分の意志でギャンブルがやめられない状態を指す。国内に患者数の統計はないが、欧米では人口の2〜3%にも上るといわれる。

 依存症に詳しい岩崎メンタルクリニック(神奈川県藤沢市)の岩崎正人院長のもとを訪れるギャンブル依存症者は月平均約20人。症状が知られるようになったこともあり、5年前に比べ倍増した。このうち女性の割合は10%程度で、9割以上がパチンコ・パチスロへの依存だ。両親の片方が酒癖が悪かったり暴力を振るったりする「機能不全家族」に育った▽親がギャンブル好き−といった要因が絡むケースが多いという。

 岩崎院長は「女性は男性以上に罪悪感を強く抱きがちで、症状があってもなかなか治療に足が向かない。男性の目を気にせずにより深いレベルの話ができる女性専用のリハビリ施設の必要性は今後高まるだろう」と話している。

                ◇

 「ヌジュミ」の問い合わせは田上さん(電話・ファクス045・743・5854)まで。

ヘルメット収納スペースに子供を監禁 パチンコ両親に実刑判決

2007年12月06日 RESPONSE

 今年4月、大阪府能勢町内の山中に長男の遺体を遺棄したとして、監禁致死や死体遺棄の罪に問われた22歳の男女に対する判決公判が3日、大阪地裁で開かれた。裁判所は男に対して懲役8年、女に対して同4年6か月の実刑を命じた。

 問題の事件は今年4月23日夕方に発生している。能勢町天王付近の山道に男児の遺体が投げ捨てられているのを通行人が発見、警察に届け出た。

 警察では死体遺棄事件として捜査を開始。死亡した男児の親が遺棄した可能性が高いと推測し、2006年1月以降に1−2歳の幼児を連れて家出した親子13 組をピックアップしてDNA鑑定を進めたところ、今年1月から家出をしていた21歳(当時)の女と合致。女の立ち寄り先を調べ、兵庫県尼崎市内で身柄を拘束。事情を知るであろう再婚相手だった21歳(当時)の男も同様に拘束した。

 事情聴取を進めた結果、「1月31日の午後、バイク(中型スクーター)で買い物に行った際、“置く場所”が無いので、座席下のヘルメット収納スペースに男児を入れた。買い物から戻ってきたら死んでいたので捨てた」と男が供述。女もこれを大筋で認めたことから2人を死体遺棄容疑で逮捕した。後の調べで、男は男児をヘルメット収納スペースに監禁したまま、少なくとも2時間に渡ってパチンコをしていたことが判明。前日にも実験的に15分ほど男児を収納スペースに入れていたこともわかった。

 3日に行われた判決公判で、大阪地裁の並木正男裁判長は2人のうち男を主犯と認め、「ヘルメット収納スペースに男児を入れることを発案するなど犯行を積極的に主導した」と指摘。女については従犯としながらも「男児の母親でありながら、我が子を山中に遺棄した行為は厳しく非難されるべきだ」と指摘した。

 その上で裁判長は「男児は物同然に扱われ、その恐怖や寂しさは察するに余りある。2人の刑事責任は重い」として、男に対して懲役8年を。女に対しては懲役4年6か月の実刑を命じている。《石田真一》

パチンコ依存 全国最悪/金融業者多く 安易に借金

2007年04月20日 沖縄タイムス

 【東京】パチンコ(パチスロ)依存の悩みに電話で答える「リカバリーサポート・ネットワーク」(RSN、西原町、代表・西村直之あらかきクリニック院長)に全国から寄せられた二〇〇六年度の相談で、沖縄が10・5%を占めて最多だったことが十九日、分かった。相談総数九百八十九件のうち、百四件に上った。県内に金融業者の店舗が多く、安易に借金してしまう人が後を絶たない風潮などが影響しているという。

 同日に都内で活動報告会を開いたRSNの西村代表は「地域の行政・医療機関にパチンコ依存症への理解度が低い」と指摘。専門家の育成や受け入れ態勢の拡充が急務だと訴えている。

 西村代表は沖縄の相談件数が多い理由として、県民一人当たりの消費者金融の店舗やATM(現金自動預払い機)の数が全国で最も多いことや、県内に娯楽が少なくパチンコ店に客足が集中しているなどの地域特性を挙げた。

 (1)RSNの事務所が沖縄にある(2)県内マスコミが業務開始を大きく報じた―ことも要因とみているほか、二十―三十代の軍用地主の子息が多額の借金をしながらのめり込むケースもあるという。

 相談者には精神医療機関への通院経験がある人が18%いたが、依存症として治療を受けた人は3%にとどまっている。パチンコ以外に、アルコール依存やドメスティック・バイオレンス(DV)など関連の問題を抱えている人も23%いた。

 西村代表は「精神疾患で社会に居場所をなくした人や、家にいると暴力を振るってしまう人がパチンコ店に行き、二次的に依存を引き起こすケースが多い」と話し、医療機関が依存症の問題を認識して適切に対応する必要性を強調した。

 相談者に県や市の精神保健福祉センターを紹介したのに、センター側がRSNや西村代表のクリニックに「丸投げ」してきた例もあるという。

 RSNは全日本遊技事業協同組合が出資し、昨年四月十九日に業務を開始。今年三月末までの相談内容を集計した。連絡先は、電話050(3541)6420。相談受け付けは月曜―金曜の午前十時から午後四時。

怖いギャンブル依存症 自然治癒ない進行性の病気

2007年03月18日 西日本新聞

 ■早期発見、相談がカギ

 四六時中、頭からそのこと≠ェ離れない。うそをついて得たカネを使い続け、借金が膨らむ。ギャンブル依存症は本人だけでなく、家族や知人など周囲にも経済的、精神的にダメージを与える。「意思の問題」ととらえられがちだが、精神科医で、「ギャンブル依存とたたかう」の著書がある作家の帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)さんは「自然治癒しない進行性の病気」と指摘する。ギャンブル依存症は私たちにどんな変化をもたらすのか。それを断ち切ることはできるのだろうか。 (福間慎一)

 ●患者推定200万人

 帚木さんは2005年に通谷(とおりたに)メンタルクリニック(福岡県中間市)を開院して以来、ギャンブル依存症の患者を90人近く診断した。その前に副院長を務めた八幡厚生病院(北九州市八幡西区)時代を合わせると計約150人。「うち8割5分はパチンコやスロットが原因だった」という。

 もちろん趣味でパチンコやスロット、競馬などを楽しむ人は多い。どこからが依存症なのか。

 帚木さんのクリニックでは、米国で使用されているものを基本にしたチェック表で診断している。5点以上で病的賭博者、いわゆるギャンブル依存症と診断される。「診察に訪れる人はほとんどが10点以上。3点の人も放置すればいずれ5点になる。ギャンブル依存症は放置すると進行するのです」

 しかし、一般的には病気という認識が薄く、患者数の調査もない。帚木さんはこう推測する。

 「米国や香港など諸外国の調査では成人人口の1.5―2.5%という結果が出ている。パチンコ店が林立する日本の成人人口は約1億人。単純に、約200万人の患者がいると考えられる」

 ●脳内状態が変化

 依存症としては、アルコールや薬物依存がよく知られている。いずれも特徴として、ある物質や行動を渇望する▽対象への欲求が抑えられなくなる▽どんどん量が増える▽ほかのことに関心がなくなる▽断っているとイライラなどの禁断症状が出る▽障害や問題が出ているのに続けてしまう―などが挙げられる。

 さらに、依存が強まると脳内伝達物質の状態にも変化が表れる。新奇探求や報酬、行動の持続などに関係するドーパミンやノルアドレナリンが増え、行動の抑制をつかさどるセロトニンが抑えられるという。帚木さんは「まだ詳しいメカニズムは解明されていないが、意思の問題ではないことは確かだ」と話す。

 さらに、帚木さんはギャンブル依存症に共通する性格があることに気付いた。「カネを得ようとしてうそをつく。そしてカッとなりやすく、人情味もなくなる。依存していく過程で脳が機能的に変わっていくことを表しているといえる」

 ギャンブル依存がアルコールや薬物への依存と大きく違うのは、健康を害さない点だ。際限なくカネを借りてギャンブルを続けるため深刻な状況に陥る。帚木さんの患者では借金額が数百万円に上る場合が多い。退職金を全額つぎ込んだ上に2000万円の借金をして自己破産した例もある。

 ●肩代わりは禁物

 ギャンブル依存症に対して、周囲の人はどのように対応すればよいのだろうか。

 「やってはいけないのは、借金の肩代わりです。さらに『自分がしっかりしていなかったから』と悔やむ家族もいるが、ギャンブル依存症は誰でも、いつでも陥る可能性がある」。帚木さんは強調する。

 尻ぬぐいで一時的に借金は解消されても、依存症である限り、当事者はあらゆる手段でカネを手に入れ、再び借金を抱えることになるからだ。

 病気は進行性だからこそ、早期発見が大切だ。

 「家族だけではなく、職場の上司や同僚でも、不可解な早退や休みが増えたり、給料の前借りが目立つようなことがあれば、依存を疑う事ができる。職場の衛生管理の中でもギャンブル依存に留意した方がいい」

 異変に気付いたときは、各県にある精神保健福祉センターなどに問い合わせるのが得策だ。「医師の間でも十分に認知されておらず、センターなどから関心のある医師を紹介してもらう方がいい」と帚木さんは言う。

 残念ながら、この病気に特効薬はない。唯一の道ともいえるのが、当事者同士が経験を語り合い、ギャンブルから距離をおくよう励まし合う自助グループへの参加だ。

   ×   ×

 ロシアの文豪・ドストエフスキーもギャンブル依存症だったという。経験を基にした作品「賭博者」には、その心理が生々しく描かれている。

 主人公の青年はギャンブルを嫌悪していたが、初体験したルーレットで大勝する。その記憶が染み付いて次第にのめり込むようになり、負けても通い続けた。

 物語の終盤、すっかり身をやつした青年は友人に「あんなもの! すぐにでもやめますよ、ただ…」と虚勢を張る。

 遮るように、友人は続ける。「ただ、これから負けを取り返したい、というんでしょう?」

   ×   ×

 ■自助グループが“薬” 入院治療も 生活リズム取り戻す

 特効薬はなく、自然に治ることもない。そんなギャンブル依存症からの回復に効果があるといわれるのが自助グループへの参加だ。同じ境遇の者同士がすべてをさらけ出して語り合い、己を見つめ直す。ギャンブルへと向かう心を抑制しようという試みだ。また、八幡厚生病院(北九州市八幡西区)のやはた心身医療センターなどでは、禁断症状を乗り越えて生活のリズムを取り戻す入院治療にも取り組んでいる。 (福間慎一)

 ●自由に話し、聞く

 テーブルを囲んで10人が座った。若者も女性もいる。月曜の午後、福岡県内の病院にギャンブル依存症の当事者とその家族らが集まり、院内GA(ジーエー)と呼ばれる集まりを開いている。

 GAはギャンブラーズ・アノニマスの略。匿名を意味するアノニマスの名の通り、本名を明かさずに参加できる自助グループだ。順番にギャンブル遍歴や家族への思いなどを語り、集まった人々がじっと耳を傾ける。

 GAに参加する男性(51)はギャンブルを断って6年。「心を開き、同じ病気の人と支え合いたい」と考えている。

 −転落のきっかけは15年ほど前、パチンコで20万円ほど勝ったことだった。「あまりにも刺激的で心地よかった」。翌日から毎日のように通い始め、手にした20万円は一週間で消えた。ひたすらカネをつぎ込み「頭の中にギャンブル回路ができた感じがした」。

 妻には「仕事」と言って店に通い、「車の修理代が必要」と友人をだましてカネを借り、玉を打つ。消費者金融からの借り入れも膨らみ、借金総額は400万円を超えた。

 それでも「台の前に座るとすべてを忘れることができた」。仕事に行こうと思っていたのに、気付いたらパチンコ店の駐車場に車を止めていたこともあったという。

 2001年6月、親に連れられて病院を訪れ、ギャンブル依存症と診断された…。

 ●相談件数が急増

 この病気からの脱却は容易でない。ギャンブル依存を「脳が機能的に変化してしまったもの」とみる精神科医の帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)さんは、治療法として「患者同士のミーティングなどを反復することで、何とかギャンブルに行くという習慣にブレーキをかけるしかない」と考えている。

 自助グループは各地にあり、九州でも各県と政令市の精神保健福祉センターで情報が得られる。相談件数も急増しており、佐賀県の同センターでは2003年度に7件だったものが、06年度は約200件に達しているという。あるGAに参加する若い男性は「自助グループに来て、自分とまったく同じ状況の人ばかりで驚いた。やっぱりこれは病気なんだと思えました」と口にした。

 病んだ心に気付くことこそが、回復への第一歩となる。

 ●入院原則3カ月

 菊陽病院(熊本県菊陽町)や大悟病院(宮崎県三股町)など、九州にもギャンブル依存の入院治療に取り組んでいる病院がある。このうち八幡厚生病院の心身医療センターには、多いときで5、6人が入院している。入院期間は原則3カ月間。「依存症に関する知識を身に付け、正常な生活リズムを取り戻すことが目的」と木村正美所長は説明する。開放病棟なので外出は自由だ。「回復には本人の意思が不可欠」との考え方に基づく。

 木村所長によると、入院から1週間ほどは、禁断症状のためにイライラや不眠、焦燥感などの症状が出る。落ち着いてくると、アルコール依存治療に準じたプログラムに沿って治療を進める。依存症に関する学習や運動、菜園での軽作業などのメニューがあるが、ここでも、治療の中心は患者同士が語り合うミーティングという。

 一方で、借金問題の解決にめどがつかないと治療に集中できないため、解決の側面支援もする。自己破産など複数の方策があることを説明し、行政や司法書士会などの相談先も示して本人に選択させている。自分の責任で解決することが大事だとして、家族には借金の肩代わりをしないよう求めている。

 退院後は一定期間通院し、経過を見る。しかし、そこまでしても「予後」は厳しい。01年−07年2月末までに入院した56人のうち、退院から半年の間に一度もギャンブルをしなかった人は44%で、GAへの継続参加も52%にとどまる。

 1年後にはさらに下がるといい、木村所長は「依存症は完治できない。常に自分を見つめ、1日1日の積み重ねで回復を続けるしかない」と話している。

パチンコ依存の相談、4ヶ月で499件

2006年10月13日 月刊グリーンべると

 今年4月19日に電話相談を開設していた、ぱちんこ依存相談機関「リカバリーサポート・ネットワーク」(事務局/沖縄県西原町・西村直之代表)に寄せられた電話相談が8月末までに延べ499件に達していたことが分かった。10月12日に開かれた臨時全国理事会後の全日遊連の記者会見で報告された。この相談機関は全日遊連の支援のもとに設立した同連合会の第三者機関に位置づけられている。

 報告によると相談電話は41都道府県に分散、ほぼ全国的に寄せられたほか、相談者の72%までが他の相談機関への相談経験のない人たちだったことも判明。パチンコ以外の他の遊技・ギャンブル問題を合併している相談が全体の約10%で、90%はパチンコ依存に悩む相談で占め、少なくとも65%が借金問題を併発していることも確認されたとしている。また相談者の約6割が女性だったことも分かった。

 こうした状況から全日遊連では本年度の相談件数は1000〜1500件に達するとの予測を立てている。

【子ども車内放置 全国で一七件 パチンコ店員巡回で発見】

2006年09月08日(毎日新聞)業界ニュース

 パチンコ店駐車場の車内に子どもが放置されているのを巡回中の店員が見つけ、熱中症などの事故を未然に防いだケースが今年四〜八月に全国六道県で一七件あったことが業界団体「全日本遊技事業協同組合連合会」(約一万五〇〇〇店加盟)の調査で分かった。計二七人の子どもが車内から助け出され、難を逃れた形だ。九月も各地で厳しい残暑が続いており、同連合会は改めて加盟店に、駐車場巡回などの徹底を指示した。

 同連合会広報課は「九月になると『夏も終わった』と思いがちで、放置が増える可能性がある。保護者が注意すればなくせる事故。巡回の徹底に努めたい」と話している。

【パチンコがやめられない 依存脱却へ業界が支援/大分】

2006年08月12日 (大分合同新聞) 業界NEWS

 パチンコにはまって借金が増えるなどし、生活が破たんする「パチンコ依存問題」を抱える人への支援態勢の整備が、パチンコ業界で進んでいる。大分県内でも県遊技業協同組合(県遊協・金在哲理事長)が中心となり、相談機関を紹介するなど支援に取り組んでいる。

 今年4月、全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)が出資するパチンコ依存問題相談機関「リカバリーサポート・ネットワーク(RSN)」が沖縄県にできた。本人や家族などから電話による無料相談を受け付け、問題を整理し、解決のために必要な相談機関や地域の精神保健福祉センターなどを紹介する。設立以来、毎月約100件の相談が寄せられている。

 大分市のパチンコ店経営者、力武一郎さん(42)=県遊協理事=は「パチンコなどのギャンブル依存は、借金といった生活上のさまざまなトラブルとして表面化し、自殺や犯罪につながることもある」と話す。2001年、力武さんの元に「パチンコで生活が破たんした」という顧客アンケートが届き、全日遊連に問題提起したことがRSN設立のきっかけとなった。

 RSN設立を受け、県遊連は県内約160店舗にポスターを配り、掲示を呼び掛けている。三浦教之専務理事は「業界として放っておけない問題。営業活動に反するのではないかとの声もあるが、お客さまに健全に楽しんでもらうためにも、支援活動に積極的に取り組んでいきたい」と話している。

車内放置など子供の犠牲、98年以降27人に

2006年06月16日 月刊グリーンべると

 保護者の遊技中に、乗り付けた車の中に放置されたり、敷地外に出て交通事故に遭うなどして死亡した子供が、1998年以降、全国で27人に上っていたことが全日遊連の調査で分かった。今年5月8日にも長野県で両親の遊技中に、生後9ヶ月の幼児が車内放置で死亡する事件が発生していた。

 全日遊連では、車内放置によるこうした事件を未然に防止する狙いから駐車場の巡回など、自主的な取組みを全国のパーラーに励行しているが、昨年度は10府県25件、39人の放置例が見つかり、うち10件が母親、6件が父親で、2件が両親による放置だったことが判明。70代の男性が孫を放置していた例もあったという。

「幼児車中死」事件、またも発生

2006年05月12日 月刊グリーンべると

 長野県佐久市内のパーラー駐車場で5月8日、車内に生後9ヶ月の長男を放置したまま店内で遊び、長男を死亡させた車中死事件が発生した。毎日新聞が報じた。

 長野県警佐久署のその後の調べで、男児の両親はパーラーで約2時間半も遊んでいたことがわかり、同署は保護責任者遺棄致死や重過失致死などの疑いもあるとみて、捜査を進めている。

 調べによると8日午後0時半頃、同店駐車場で佐久市内の飲食店店員、萩原正寿さん(26)の長男・正幸ちゃん(9ヶ月)が車内でぐったりしているのを、萩原さんが発見。病院に搬送したが死亡した。死因は熱中症だったとみられる。

 萩原さんら両親は当初、佐久署の調べに「商業施設で買い物をしていた」などと話していた。しかし市民から「別な場所にいたのではないか」という問い合わせがあったため、同署が萩原さんらに確認したところ、9日になって供述を改め、まったく別の場所にあるパーラーで遊んでいたことを認めた。

 正幸ちゃんは、屋根のない駐車場に止めたワゴン車の荷物のかごに入った状態で放置され、ガラス越しに車内に日差しが差し込んでいたという。

 全日遊連傘下の各都道府県遊協では数年来、車中死事件防止対策の徹底を組合員に呼び掛けている。

パチンコ依存問題電話相談を開始

2006年04月18日 沖縄タイムス

 パチンコ依存問題相談機関「リカバリーサポート・ネットワーク」(RSN、代表・西村直之あらかきクリニック院長)が十九日から相談業務を開始する。月―金曜日の午前十時から午後四時(祝日除く)。相談は電話だけで、番号は050(3541)6420(相談料は無料だが、電話代は相談者負担)。

 RSNにはパチンコ店の団体、全日本遊技事業協同組合が出資。借金・失業など経済問題だけでなく、育児放棄や家庭内暴力、子どもの車内放置事故など、パチンコにのめり込む(依存する)ことで起こる問題などの解決を図っていく。

 相談は全国から受け付け、西村代表のほか精神福祉士ら計四人が対応する。何が問題かを整理した上で、相談内容に応じて、各地の行政機関や回復支援団体、司法書士などを紹介する。回復支援プログラムの研究・開発も行う方針だ。

 西村代表は「パチンコ依存問題は、隠そうとすればするほど、深刻化する。勇気を持って声を上げてほしい」と呼び掛けている。ホームページは、http://www.geocities.jp/rsnokinawa/

パチンコ依存症問題に取組む第三者機関が設立

2006年02月24日 月刊グリーンべると

 全日本遊技事業協同組合連合会(原田實理事長)は2月23日、東京都千代田区のグランドアーク半蔵門にて、ぱちんこ依存問題相談機関「リカバリーサポート・ネットワーク」の設立記者会見を開催。会見には全日遊連の原田理事長、磯敬夫専務理事、同ぱちんこ依存問題研究会から米田義一座長、力武一郎副座長、三橋達雄アドバイザー(カイラス遊技問題研究所代表取締役)、リカバリーサポート・ネットワークの運営委員を代表して西村直之同代表、安高真弓委員、稲村厚委員が出席した。

 全日遊連では2003年に依存症の実態把握のため組合員及び来店顧客向けのアンケート調査を実施、結果報告書としてまとめ、その中で、有効回答数5600人の内約30%が「パチンコ依存症だと思ったことがある」との回答があったことに加え、幼児の車内放置や借金問題など社会問題化している現状を踏まえて、04年にぱちんこ依存問題研究会の前身である依存症研究会を発足させた。研究会では18回に及ぶ会議の結果、薬物依存問題をサポートする西村氏の提案で、ぱちんこ依存問題相談機関の設立を昨年7月の全国理事会で決議していた。

 リカバリーサポート・ネットワークは今後、利用者と家族のサポート(電話によるホットラインの開設、有用な情報の提供、フォーラムや家族教室等の企画・開催)、人材育成(相談員養成システムの構築、問題解決支援者の育成・研修)、社会資源ネットワーク化と育成支援、情報発信・啓発・広報(ニュースレター等による情報配信・啓蒙、研究・啓発活動等の成果発表及び広報、メディア・学会への情報公開)、調査・研究(各種プログラムの開発・実施・テキストや書籍の出版)、遊技提供者のサポート(問題発生時の対応支援・防止対策の作成・提言、スタッフ研修プログラムの作成・実施・提供)、以上のサービスをもって依存症問題に取り組んでいく。

ギャンブル依存症相談機関が4月に設立

2006年02月17日 月刊グリーンべると

 パチンコ・パチスロをやめたくてもやめられない「ギャンブル依存症」の人に向けた相談機関「ぱちんこ依存問題相談機関リカバリー・サポートネットワーク」が4月、全日遊連の出資で設立することがわかった。2月14日付け朝日新聞が報じた。出資は5年間で1億円。

 相談機関は、代表を精神科医の西村直之氏(40)が担当し、カウンセラーや弁護士が運営にあたる。また、健康問題や借金の返済法などの相談は4月19日に開設されるホットラインを通じて行なわれ、必要に応じて各地の精神保険福祉センターや司法書士などを紹介する。3月上旬には専用Webサイト(http://www.geocities.jp/rsnokinawa/index.html)が立ち上げられる予定。

 なお、ギャンブル依存症に関する支援では、東京都遊技業協同組合が早稲田大学の研究室、精神科医らと協力して05年3月に立ち上げた『パチンコ・パチスロ依存症を防止するためのホームページ』(http://www.pachinko-izon.net/)がある。

「車中死」事故、熊本で発生

2005年05月20日 月刊グリーンべると

 パチンコ中の両親に車内に放置された幼児が死亡する痛ましい「車中死」事故が5月14日、熊本市内で発生していたことが分かった。新聞各紙が報じた。

 報道によると、事故を起こしたのは20代の両親。18日までに保護責任者遺棄致死などの疑いで熊本東署が事情聴取を行っている。

 解剖の結果、死因は熱中症。幼児は14日午前10時から午後3時まで車内に放置されていたという。事故当日の最高気温について報道では、午後3時ごろに26.9度が熊本地方気象台で観測されたとしている。

 なお、今回の事故を受けて熊本県遊技業協同組合では、5月18日付で、駐車場における車中事故防止対策の徹底を傘下組合員パーラーに呼び掛けている。

ネットでパチンコ依存症予防――業界が啓発サイト

2005/03/03 ITmedia News

パチンコ・パチスロ依存症を防ぐための情報サイトを、パチンコ業界自らが設立した。

 パチンコ業者で構成する東京都遊技業協同組合(都遊協)と早稲田大学理工学部複合領域・加藤諦三研究室は3月3日、パチンコ・パチスロ依存症の予防を目的とし、依存症に関する知識や治療プログラムを提供するWebサイトをオープンした。

 依存症の解説やセルフチェック、コラム、リンク集などが閲覧可能。家族向けコンテンツも備えた。依存症に関する講演の動画配信や、カウンセリングツールの提供も予定している。サイト構築は、ライフバランスマネジメントが担当した。

 産学協同研究「パチンコ・パチスロ依存症対策プログラム」の一貫。同サイトでの情報提供のほか、依存症に関する小冊子の配布、講演の実施、パチンコ店従業員への教育も行って依存症予防につなげる。

 都遊協の原田實理事長は「近年の社会不安の増加や経済の不透明な状況が、パチンコやギャンブルにのめりこむ依存症患者を増やしている」とする。パチンコ店の駐車場車内に子どもを置き去りにして死なせる事件や、「パチンコ雑誌の広告の半数以上は消費者ローン」(都遊協の亀田宏司副理事長)という現状を問題視。業界として対策に取り組む。

 コンテンツ作成に関わった精神保健福祉士の星島一太さんは、ギャンブル依存症の明確な定義はないというが、一例として「セルフコントロールを失った状態」を挙げる。借金にまみれるなど、本人にとって明らかな不利益が起きてもやめられないといい、「家族や周辺の人を巻き込む病気。社会に対するマイナス影響は大きい」(星島さん)。

 プログラムを監修した加藤教授は、「日本は依存症社会にも関わらず、アメリカなどと比べて依存症への理解や研究が遅れている」と指摘。ストレスフルな環境下、仕事依存症(ワーカホリック)やアルコール中毒から、自分がみじめであることを主張せずにはおれない「みじめ中毒」まで、依存症患者は増えているという。同プログラムをきっかけに、国内での依存症への理解を高めたいとした。

増えるギャンブル依存症 借金漬け、判断狂わす

2003年08月03日 四国新聞

 パチンコや競馬などに日夜のめり込み、借金漬けで首が回らなくなる人が増えている。これはれっきとした病気だという。ギャンブル依存症。病的賭博とも呼ばれる。現代ニッポンの病理を示す現象の一つなのだろう。

ごく普通の人が知らず知らずのうちに深みにはまってしまうのが怖い。「競輪場や競艇場が身近にあり、場外馬券売り場もある。ここはギャンブル天国ですよ」と県内の愛好家。ということは、香川にも悩める人々が大勢いるということか。

七月二十一日、国内唯一の依存症者回復施設「ワンデーポート」(横浜市)が主催し、高松市で「ギャンブル依存症と多重債務問題」をテーマにしたフォーラムが開かれ、本人と家族ら約百二十人が熱心に耳を傾けた。

ギャンブル依存症とはどんな病気で、どういった問題が起きているのか。立ち直るにはどうすればいいのか。専門家の話や実際の症例を通じて探ってみる。

ギャンブル依存症から立ち直るには、まず病気との自覚を持つことが重要だ=県内の公営ギャンブル施設(写真と本文は関係ありません)

落とし穴 家族巻き込む悲劇 病気との自覚が回復の道

 ギャンブルで身を崩すのは、本人の意志が弱いせいだ―。こう考えるのが一般的だろう。

 しかし、「ギャンブル依存症」の著書がある北海道立精神保健福祉センター部長の田辺等氏は「自分をコントロールできないほどギャンブルにふけるのは、意志の問題ではなく病気」と強調する。

 ギャンブル依存症は、借金を重ねて仕事や家庭に大きな支障が出ても、なおギャンブルから抜け出せない症状。世界保健機関(WHO)も病気として認定している。

 田辺氏は「アルコール依存症や摂食障害も心理と行動との病的な障害という点では同じ」と説明する。だが、社会の認知度は違う。「体に害があれば認められやすいが、ギャンブルの場合は病気として受け入れてもらうのが難しい」。

犯罪の恐れ

 依存症者は借金をしてでもギャンブルに没頭する。ギャンブルの資金に充てようと借金を繰り返すため、依存症者のほとんどが多額の債務を抱えてしまう。

 ヤミ金融被害者らの支援に当たる「高松あすなろの会」(高松市)が、一月以降の相談者二百三十八人を調査したところ、借金の原因のうちギャンブルが13%を占めた。鍋谷健一事務局長は「これは氷山の一角にすぎない」と言う。

 借金苦から詐欺や横領などの犯罪を起こす場合もある。ギャンブル依存症者の回復施設「ワンデーポート」の中村努施設長は「依存症者は本人も分からないうちに道徳心がなくなり、犯罪に走ってしまう」と語る。

 家族も依存症者とともに何とか問題を解決しようと苦慮し、本人以上に深く悩む。結局、離婚など家庭が崩壊することも少なくない。

 依存症に詳しい三船病院(丸亀市)の内海剛聡医師は「悲しい結末を迎えるしかないのに、気付かず止まらないのが依存症の怖さ」と話す。

 田辺氏はバブル景気がはじけた後の一九九〇年代以降、ギャンブル依存症者が増えてきたと指摘する。消費者金融が利用しやすくなり、パチンコのギャンブル性が高まるなど社会環境が変化し、依存症を生み出す要因になっているという。

 なぜギャンブルにはまるのか。内海医師は「これまでみてきた依存症者は、抑圧された感情を普段は表に出しづらく、ギャンブルをしている時だけは忘れられるという人が多かった」と語る。

底つき体験

 自己破産で借金を整理しても、問題の解決にはならない。より高金利で非合法のヤミ金融に手を出す人もいる。

 ギャンブル依存症から回復するには、依存症者本人が「自分は病気」と自覚することが出発点になる。しかし、この自覚こそが依存症者には最も困難なことだ。

 中村施設長は「本人は病気だと認めないのが、この病気」と話す。依存症者は「いつでもやめられる」と思い込み、もう自力で抜け出せない状況に陥っているとは夢にも考えないという。

 「依存症者はどうにもならない現実を突き付けられることで、自分は病気だと受け入れるようになる」と中村施設長。こうした体験を「底つき」という。逆に言えば、どん底に落ちるまで病気と自覚するのは難しい。

 家族が借金の肩代わりをしたり、ギャンブルをやめるように誓わせたりするのは逆効果だ。

 「家族で尻ぬぐいしても同じ過ちを繰り返し、病気を進行させるだけ。むしろ突き放すことで、本人は自分の問題と認識できる」(中村施設長)

 田辺氏は「家族は専門家に介入してもらい、本人を早く病気と直面させてほしい。そうすれば、どん底に落ち込むまでに気が付く可能性もある」と説く。チェックリスト=表参照=で注意が必要な場合は早期治療を呼び掛けている。

自分を理解

 ギャンブル依存症の回復に有効とされるのが、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)と呼ばれる自助グループに参加し、同じ体験や悩みを持つ人と話し合うことだ。

 何度も継続的に仲間と話すことで、自分の病気を理解し、自分を見つめ直す機会になる。

 ワンデーポートはギャンブル依存症を対象にした回復施設。参加者には三カ月間、毎日二回のミーティングの出席を義務付ける。寮も運営し、地方からの入所も受け入れている。実は中村施設長も依存症に苦しんだ過去がある。

 「回復の場は病院にはない」と内海医師。県内に専門のGAはないが、同様の活動をするアルコール依存症の自助グループでもまず参加することが大事という。

 離婚や自己破産を機にギャンブルをやめただけでは回復とはいえない。中村施設長は「一、二年は止まっても、病気の自覚がないと少しのきっかけで再発してしまう」と言い切る。「本当の回復とは新しい価値観や生き方を見つけること」。

 田辺氏は「依存対象を引っぱがすだけでは空虚感が生まれ、すぐまたやりたくなる。何かに依存しなくても済む心理状態をつくる必要がある」と指摘している。

ある依存者 勝った快感忘れられない 16社から800万円借り入れ

 県内在住の三十歳代の男性会社員。家族は妻と子供三人

 <高校卒業後、近畿圏の会社に就職。すぐにギャンブルを始めた>

 住んでいた寮の隣がパチンコ店だった。友達もおらず、暇つぶしに行ってみようというのがきっかけ。夕方に仕事が終わると、台の前に座るのが習慣になった。毎日、ごはんを食べるような感覚かな。

 最初のうちは負けるより勝つことの方が多かった。小遣い程度の金になるので、次々とギャンブルをしてみたいという気になり、誘われてマージャンもやった。  こつこつ仕事をしても月二十万、三十万円にしかならないのが、ギャンブルで勝てば五万、十万円が手に入る。こんなに簡単に金ができるのかと思い、金銭感覚がまひしてきた。

 <やがてギャンブルのとりこになっていく>

 主にパチンコ、パチスロ。ほかにマージャンと競艇も。なぜギャンブルを続けるのかというと、勝った時の快感だけが頭に残っているから。

 負けず嫌いの性格で、やり始めたらとことんやる。負けたらイライラして、絶対あす取り返してやろうと浅はかな考えで賭け続けた。初めは負けても月五万、六万円くらいで止めていたのが、賭ける金額がだんだん上がっていった。大勝ちするか、大負けするか。

 当時、ギャンブル依存症という言葉を知らなかったし、病気という意識もなかった。趣味の一環というか遊び感覚。他に趣味はなく、時間さえあればギャンブル、ギャンブルという感じ。

 <家庭の事情で、数年後に香川の実家に帰って来た>

 一、二年は新しい仕事を覚えるのに忙しく、ギャンブルをしなかった。しかし、実家では生活費がいらず、月二十万から二十五万円の収入がすべて自分の小遣いになるので、時間ができるようになるとまた始めた。

 二十七歳で結婚した時も、自立して生活しなければと、半年くらいはギャンブルが止まった。でも、悪いことだと思っていないため、やめてしまおうという気は全くなかった。

 <間もなく、借金をしてでもギャンブルをするように>

 初めは信販会社のカードで借りた。それが返せなくなると、結局はサラ金から借りるようになった。ばれたらまずい、早く返さなければという意識が強かったので、返すためにまた新たに借りる悪循環に陥った。借金の返済に月十五万円くらい充てる生活になった。ヤミ金融にも借りたことがあるが、これはやばいなと思い、すぐに別で借りて返した。  借入先は最終的に銀行二社と信販三社、サラ金十一社の計十六社。借金は総額八百万円近くに膨らみ、とても返せなくなった。そこまできてようやくギャンブルをしなくなった。ギャンブル依存症についても知った。

 <家族にも影響が及んだ>

 自宅に借金の督促状が来るし、悪いという意識はあった。商売で失敗したならともかく、金をドブに捨てたようなものなのだから。

 当然、親も悩んだと思う。妻はあきれていた。銀行二社からの借金は親に助けてもらって返した。

 <現在、自己破産の手続きを進めている>

 住宅や車のローンなどを合わせて三千数百万円の借金があり、それしか方法がないと思った。ギャンブルをやめるには、裸一貫から始めた方がいいと。今は昼も夜も仕事をして、ギャンブルをする時間がないようにしている。

 早めに手を打っておけば、これほど大きい借金をつくることはなかっただろう。ただ、経験から言うと、ギャンブルに熱中している人はおそらく何を言われても聞く耳を持たない。とことん追い詰められないとやめようとしないはず。

 ギャンブルで勝っても金はまず残らない。仲間同士で勝った者が飲み食いに連れて行き、すぐに消えていった。そういった仲間はしょせん金だけのつながりだったと思う。

 福岡茂樹、谷本昌憲が担当しました。

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