TOPIC No.2-119 ゼネコン

01.ゼネコンの倒産動向調査
02.建設関連企業のホームページ byフレッシュアイ
03.建設業の実態を探る by株式会社 栄 建 設
04.銀行主導で解体・清算の企業続出か “3月決算クラッシュ”にゼネコンの悲鳴 by 週間実話(NJS)Web企業経済ウラ情報
05.主要建設会社78社 2000年9月中間期連結特別損益調査(ゼネコンの特別損失、半期で1兆1900億円) by帝国データーバンク
06.2001年 ゼネコン全国地図 by Mainichi INTERACTIVE エコノミスト
07.建設業界 by道路屋本舗
08.ゼネコン業界−分析方法と財務戦略− by 小石川経理研究所

熊谷組が新たな新再建計画 飛島建設との統合を正式発表

2003年04月04日 Asahi.com
 経営再建中の準大手ゼネコンの熊谷組と飛島建設は4日、来年4月をめどに経営統合することで合意し、協議を始めたと正式に発表した。熊谷組は、不動産事業の分離と経営統合、主取引銀行の三井住友銀行などに対する総額3000億円の金融支援要請を柱とした新たな再建計画をスタートさせる。飛島との経営統合の詳細は5月をめどに詰めるが、統合方式は合理化効果の高い合併を目指す。

 4日会見した鳥飼一俊熊谷組社長は「もうボリュームを求める時代ではない。(統合後も熊谷組という名前を残すことに)こだわりはない。新しい会社になるという考え方だ」と述べた。経営責任については「再建計画と経営統合が軌道に乗るまで続けるのが責務」と、当面続投する意向を示した。

 新再建計画は06年3月期までの3カ年。会社分割は10月1日で、不良資産を処理する不動産事業会社を切り離し、建設事業会社は残して上場を継続する。

 計画の最終年度には、建設事業会社の売上高は2162億円と、02年3月期の6504億円から3分の1に縮小、得意の土木に特化する。正社員数も3876人(03年3月期見通し)から6割減の1594人に削減する。約5000億円(同)に上る有利子負債は683億円に圧縮する。

 先だって3月期決算では、不動産などの含み損3千億円を処理するため、約2800億円の債務超過に転落する。334億円の資本を9割減資し、2700億円の債務免除と300億円の優先株引き受けを要請する。

 一方、飛島は97年と02年の2度にわたり計7200億円の金融支援を受け、収益力の低い建築事業の縮小や、人員削減などを進めている。経営統合に備えて負債削減を加速させるため、3度目の金融支援をみずほコーポレート銀行などに要請する方向で検討している。

ハザマ再建、銀行団が大筋合意

2003年03月07日 NIKKEI NET
 経営再建中の準大手ゼネコン(総合建設会社)のハザマの再建計画について、取引金融機関が大筋で合意する見通しになったことが、7日明らかになった。整理回収機構が主力行以外の銀行からハザマ向けの債権を買い取ることが固まり、地方銀行などが協力しやすくなった。会社分割による債務の切り離しを柱としたハザマの再建計画は、10日にも確定する見通しだ。

丸投げ発覚恐れ労災隠し 容疑の業者ら書類送検

2001.02.16(16:48)asahi.com
 工事を請け負った建設会社が、工事を別の会社に丸投げしたことが、労災隠しにつながったとして、東京・上野労働基準監督署は16日、東証1部上場のゼネコン、真柄建設(本社・金沢市)と同社専務取締役で元東京支店長(63)を労働安全衛生法(特定元方事業開始報告)違反の疑いで、東京地検に書類送検した。特定元方事業開始報告とは、実質的に工事する建設会社が、労基署に届け出なければならない制度。労災隠しを調べていく過程で明らかになった「丸投げ」を、この特定元方事業開始報告違反に問うのは全国でも初めてといい、丸投げ体質が問われる業界に一石を投じそうだ。

 また、上野労基署は、労災を隠した件について、真柄建設の現場所長(49)と下請け業者らを労働安全衛生法(事故報告)違反の疑いで、同時に書類送検した。

 調べでは、工事は住宅・都市整備公団が別の中堅建設会社に発注した。実際には、この会社より大手の真柄建設が「上請け」し、施工管理一式を担っていた。

 事故は1999年10月、東京都台東区の公団住宅建築現場で起き、真柄建設の2次下請け業者に雇われた型枠大工の男性(57)が右足に大けがをして、約1年間休業した。真柄建設の現場所長と下請け業者らは共謀し、男性に労災保険を使わせず、男性の加入する国民健康保険で治療させた。

 男性は下請け業者から治療費などの名目で計約100万円を渡されたが、労災保険なら支給される休業補償がなく、不安になって昨年3月、同署に相談に来たことで、事故隠しが判明した。

 今回の場合、実際に工事を請け負った中堅建設会社が真柄建設にほぼ丸投げしていたにもかかわらず、工事開始の報告は中堅建設会社の名前だった。

 上野労基署は、元請けの偽りが発覚するのを恐れたために労災保険を使わせず、事故の報告もしなかったとみて、元請けの会社に対しても異例の刑事責任追及に乗り出した。

 真柄建設では「丸投げの疑いについては、コメントを控えたい。労災を意図的に隠したわけではないが、事故報告が結果として遅れたことは事実なので、再発防止に努めたい」と話している。

国土交通省、ゼネコンの再編策を2001年度から実施

2001.02.09(22:24)asahi.com
 国土交通省は9日、2000年10月にまとめた建設業再編の促進策について、2001年度から実施すると発表した。競争を活発化させ、技術と経営に優れた業者を優遇して、業務提携や合併など業界再編を促すことが狙い。

 主な促進策は(1)入札・契約制度で技術力のある業者を重視する(2)特定工事以外の公共工事の入札で、中小業者を保護するため禁止していた大手建設業者の共同企業体(JV)結成を認める(3)合併と同等な営業譲渡、共同出資子会社には入札の資格審査に使用する点数を加算する(4)発注者に不良不適格業者の排除を徹底させる――など。

 また、早急に検討を進める項目として、(1)土木工事で3000万円以上の工事を下請け業者に発注できる「特定建設業」の許可基準に自己資本比率を導入する(2)財務体質の悪い業者はJVの代表者になれない(3)欠陥工事の担保保証や品質確保のあり方などを盛り込んだ。2002年度の実施を目指す。

ゼネコンにも自己資本比率規制導入へ

2001.02.07 株ZAKZAK
 国土交通省は経営不安がうずまくゼネコン(総合建設会社)など建設業界に、金融機関なみの自己資本比率規制を設ける方針で検討に入った。7日付日本経済新聞朝刊が報じた。経営改善を促すのが目的で、条件を満たせない企業は、更新時に免許が剥奪(はくだつ)される見通し。新規制は事実上の“あぶないゼネコン”の切り捨て基準で、業界再編の起爆剤となりそう。借金棒引きでかろうじて生き残っているゼネコンはいよいよ窮地に立たされることになりそうだ。

 検討される新規制は、免許維持に必要な自己資本の比率を定める規制。来月上旬の中央建設業審議会(国土交通相の諮問機関)に基本方針を示したうえで、平成13年度に具体案を検討、早ければ平成15年春にも導入する方向だ。

 自己資本率は総資産に占める自己資本の割合。いまのところ下限を3−5パーセントで設定する案が有力という。このほかに目標値も設定して、経営改善を促す方針で、こちらは10パーセント以上が有力だ。

 規制の対象となるのは、一定規模以上の工事を下請け業者にまわせる「特定建設業」と呼ばれる免許を持つ約5万社。5年に1度の免許更新時に、この比率を満たせなければ、更新が認められなくなる。

 特定建設業の免許を持つ企業の自己資本比率は、平均30パーセント強。このうち、ゼネコンも大半は10パーセント以上だ。ただし、金融機関を拝み倒して借金棒引きにこぎつけたゼネコンの中には、5パーセント未満のところも多く、規制が導入されれば、免許維持もおぼつかなくなる。

 ゼネコン業界は、建設不況の直撃を受け、取引金融機関に債権放棄を要請しているところが多い。青木建設が一昨年3月に債務免除を取り付け、フジタ、佐藤工業、長谷工コーポレーション、ハザマ、熊谷組が続いた。三井建設も債権放棄要請をしている。いずれもなんら公的ペナルティーを加えられることなく、「経営再建」を掲げながら食いつないでいる。

 しかし、公共事業の減少に加え、スーパーゼネコンが独占する大規模プロジェクトからのつまはじきなどがたたり、経営再建がままならない企業は多い。金融庁もそんな先行きのあやしい一部のゼネコンへの融資を、「破たん懸念先」と評価を変更するよう、金融機関に働きかけているといわれている。金融機関がメンツをかけて、ゼネコンの延命を支えているが、再建が果たせなければ、その間の支援はそのまま金融機関の致命傷となる。

 こうした事態を回避するための自己資本比率規制で、一気に再編、淘汰に進む可能性がある。

経済改革3省庁連携 血を流すことを避けるな

2001年01月31日Mainichi INTERACTIVE 社説
 金融庁、経済産業省、国土交通省の3省庁はは不良債権処理や産業再生など経済改革を促すため、連携していくことで一致した。柳沢伯夫金融担当相が提唱したもので、建設業界や流通業界の抜本的な構造改革なしに、金融再生は不可能と判断したからだ。

 遅きに失した感はあるものの、政府が不良債権を経済構造問題と明確に位置づけ、ゼネコン(総合建設会社)問題にも切り込んでいくことは評価していい。経済再生を図るためには、経営に失敗した企業や役割の終わった企業の整理・淘汰(とうた)は不可欠だ。この問題をタブーとすることなく取り組んでいく必要がある。

 1998年秋に制定された金融再生法に基づき、これまでに日本長期信用銀行、日本債券信用銀行など7行が破たん認定された。さきごろ、東京相和銀行が米国の投資ファンド、ローンスターに譲渡されることが決まり、すべての処理が終わった。しかし、昨年末以降の株価急落などのため、金融機関は3月期決算で当初予定を上回る不良債権の償却を余儀なくされることは確実だ。

 これまでに、金融システム安定化のために投じられた公的資金は26兆円を超える。それにもかかわらず、金融再生は道半ばだ。それどころか、最近、また、邦銀のドル資金調達で上乗せ金利(ジャパン・プレミアム)が拡大するという事態が発生している。そのためもあり、公的資金の再注入論も再燃している。しかし、経営責任をうやむやにしたまま、公的資金を使ってもこれまでと同じことが繰り返されるだけだろう。

 そこで、まず、やらなければならないことは、再建のめどもないままに債権放棄などを行うという、背任まがいの融資姿勢を改めることである。これなしには、金融機関は不良債権が一向に減らないという泥沼から抜け出すことはできない。

 ゼネコンの過剰債務問題は、いまに始まったことではない。バブル期の無理な不動産投資やリゾート投資のつけは90年代半ばには、経営を圧迫していた。しかし、公共事業の大盤振る舞いや銀行の金利減免、追加融資などで、バランスシートを取り繕ってきた。

 こうしたことは、97年の金融システム不安以降、次第に困難になり、銀行は借金を棒引きする債務放棄に追い込まれた。それでも、ゼネコンの整理・淘汰に取り組むことには及び腰だった。自民党や政府も公共事業の受け皿であり、地方では最大の産業である建設業の構造改革には後ろ向きの姿勢を取ってきた。この、煮え切らない態度が、金融再生を遅らすとともに、経済構造改革の障害ともなった。

 ひるがえって、今回の3省庁連携で取り組まれる流通分野では、すでに、淘汰が始まっており、大手外国資本や郊外型大型衣料店による構造改革が始まっている。問題はゼネコンなのである。

 このところ、製造業では企業グループや国境を超えた提携が頻繁になっている。これこそ、産業再生への道である。これまで聖域として政治に守られてきたゼネコンの構造改革にも、手を付ける以上、血を流すことも避けてはならない。

 先送りに次ぐ先送りが、いまの日本経済全体の体たらくを招いていることを忘れてはならない。

建設会社の受注高が下げ止まりの兆し 建設経済研究所

2001.01.19(20:28)asahi.com
 建設経済研究所が19日まとめた主要建設会社52社の2000年9月中間決算(単独ベース)は公共、民間とも建設投資が落ち込む中、増収減益となった。減益となったのは、会計基準の変更に伴い、上期の販管費が膨らんだことが影響しており、「通期では増益が見込まれる」としている。また、建設会社の業績の先行指標となる受注高は前年同期比1.7%増の6兆7326億円とわずかながら増加に転じた。

 52社全体の売上高は同3.4%増の6兆1856億円、経常利益は同39.9%減の597億円だった。特別損失は、バブル期に膨らんだ子会社などの処理や貸し倒れ引当金、退職給付金積み立て不足償却、棚卸し不動産の処理などで、前年同期の約10倍の1兆3354億円と中間期としては最高額となった。

葉山莞児副社長が社長に昇格 大成建設

2001.01.17(19:49)asahi.com
 大成建設は17日、平島治社長(69)が4月1日付で代表権のある会長に就任し、葉山莞児副社長(64)が社長に昇格する、と発表した。山本兵蔵会長(71)は取締役相談役に退く。

 平島社長は記者会見で、「財務や人員のリストラを行い、新しい会計制度に対処してきた結果、企業の体質も強化された」と話し、財務体質の改善を目指した「中期経営計画」達成の見込みがついたことを交代の理由に挙げた。

 平島氏は5月に、大手の建設会社65社で構成する日本建設業団体連合会(現会長・前田又兵衛前田建設工業会長)の会長に就任する見通しだ。

        ◇       ◇

 葉山 莞児氏(はやま・かんじ)東大卒、60年大成建設に入社、93年専務、97年6月から副社長。

株価低迷で再建厳しいゼネコン業界

2001.01.12(23:55)asahi.com
 株価の低迷は経営立て直しのための資本増強策を計画しているゼネコンも直撃している。昨年9月に取引金融機関に借金棒引き(債権放棄)を受け入れてもらったゼネコン準大手のハザマは82億円分の減資(資本金の取り崩し)をしたが、3月末までの今決算期中にその分を増資したい、としていた。引き受け手は金融機関で、今期中に行うには1月中に増資を要請しないと難しいが、条件は額面(50円)割れしていないこと。額面割れだと、引き受けと同時に損が出るため、引き受けられない。だが、終値ベースでは昨年12月18日を最後に同社の株価は額面割れが続いている。12日の終値は46円だった。同社関係者は「株価が低迷していては増資はお願いできない。ともあれ、株価の回復を」と頭を抱える。

 昨年末に4300億円の借金棒引きの見通しがたったばかりの準大手ゼネコン、熊谷組も24日に臨時株主総会を開催して、減資を要請する。その後、3月末までに約200億円の増資を金融機関に要請する予定だが、12日の終値は額面割れの35円。「減資の時に2株を1株に併合するので、理論的には株価は倍になり、額面割れは考えていない」と額面回復に期待をかけている。

建設省がゼネコン再編促す対策案策定 ビッグバン来る?

2000.11.03(21:23)asahi.com
 1997年以降、厳しい財政事情から建設投資が減少するなか、建設省は10月、建設業界の再編を促す対策案をまとめ、日本土木工業協会(土工協)など建設業界に広く意見を求めている。昨年7月に同省が策定した「建設産業再生プログラム」が理念的な色彩が強かったのに対し、今回は、具体的に公共工事の入札資格審査にまで踏み込んでおり、可能なものから政策を実施に移す。

 これにより、ゼネコンを中心に建設業界も「ビッグバン」の時代に入るかどうか。業界自体も一枚岩ではなく、監督官庁であり、最大の発注者でもある建設省の対応がカギを握る。

 再編促進案は、合併や業務提携などを進める企業や技術力のある企業を優遇する一方、暴力団関係企業や施工体制の不十分な建設業者は排除することなどを狙っている。

 具体的には、(1)公共工事の入札で、中小業者を保護するため規制していた大手建設会社同士の共同企業体(JV)結成を認める(2)合併と同等な営業譲渡や共同出資子会社には、入札の資格審査に使う点数を加算する(3)技術力の評価を充実させて発注者の企業選定にいかす(4)発注者に不良不適格業者の排除を徹底させる――など。

 建設投資の減少にもかかわらず、建設業者は増え続け、2000年3月末で60万業者を突破している。倒産した業者の従業員が新たに企業を設立したりする例も多いとされ、結果として供給過剰となり、原価割れの受注などで再び経営の悪化に至るケースなど、業界自体が悪循環に陥るとの危機感が建設省にはある。

 建設業界では、建設省の動きについて、「現状認識は同じだ」としているものの、政策の実施については、経営規模や状況の違いによって、意見は様々だ。とくに、中小建設業者で構成する全国建設業協会(全建)では、「自助努力で財務体質を改善している中小企業と、更生会社や債権放棄を実施した大企業を同列に扱うのは不公平だ」と、政策案の前提を問題にする。

 土工協の梅田貞夫会長(鹿島社長)も10月の定例会見で「建設省の政策を活用して再編が促進されることはあるだろう」と意義を認めつつも、「市場の平等機会を阻害するような政策であってはならない」と、クギをさす。

 業界はなお、「総論賛成、各論一部反対」の状況だ。


熊谷組

経営再建中の熊谷組が臨時株主総会、減資を決議

2001.01.24(12:14)asahi.com
 取引金融機関に4300億円の債権放棄の合意を取り付けて再建中のゼネコン(総合建設会社)準大手の熊谷組は24日、午前10時から臨時株主総会を開いた。

 総会では、約820億円の資本金を約170億円に減資することや新取締役の選任、執行役員制導入による役員数の減少などを決めた。

熊谷組の債権放棄案、一部修正で決着へ

2000.12.27(16:26)asahi.com
 準大手ゼネコンの熊谷組に対する総額4500億円の債権放棄について、住友銀行など15の取引金融機関が当初案の一部を修正したうえで放棄に協力することで大筋合意する見通しとなった。放棄要請額のうち約200億円を熊谷組への出資に振り替え、直接放棄する額は約4300億円になる。各金融機関は来年1月中にそれぞれ正式決定する方針で、同月末には熊谷組の再建策が決着する見通しになった。

 熊谷組は今年9月、グループで1兆円余りの有利子負債を減らすため、債権放棄の要請を決め、金融機関と交渉を進めていた。しかし、地方銀行の福井銀行や北国銀行などが「経営実態を把握していた主取引銀行の住友銀行が負担すべきだ」などと反発し、調整が難航していた。

 このため、地銀や日本債券信用銀行など数行は、要請額を減額したうえで、その全額か一部を熊谷組への出資の形に振り替える見込み。放棄すれば全額損失となるが、出資にすれば、銀行の財務面の負担が少なく、熊谷組が再建できると回収が見込めるためだ。各行の減額分は住友銀行がかぶるため、住友の放棄額は当初の2340億円から2500億円程度まで増える見込み。

 放棄要請額の一部を出資に切り替える金融機関もあり、約200億円の出資には、住友銀行と新生銀行を除く13金融機関が応じる方向だ。熊谷組は、株主責任を明確にするため、減資した後で、約200億円の出資を受ける。

熊谷組、国内5支店削減へ

2000.10.18 The Sankei Shimbun
 経営再建中の準大手ゼネコン、熊谷組は十八日、国内の事業所を整理統合し、現在十三ある支店を来年二月をめどに八支店程度に削減する方針を明らかにした。経営再建計画の一環で、間接部門を統合しコスト削減を徹底する。

 統合対象となっているのは東京、横浜など首都圏の四支店と、大阪、神戸など関西・四国地区の三支店。それぞれ東京と大阪に支店機能を集約し、地域別の事業本部体制に支店網を再構築する方針。子会社や関連会社についても不採算事業から撤退を進め、連結対象七十四社の半数を整理する計画を立てている。

 熊谷組は今年九月、取引金融機関への総額四千五百億円の債権放棄要請や約二千人の人員削減などを柱とする再建策を正式発表。

 金融機関十五社との債権放棄交渉は、一部の銀行が放棄要請額の負担に難色を示していることなどから合意の取り付けが遅れている。熊谷組は債務免除益を主な原資に二○○一年三月期に約五千七百億円の損失を一括処理する計画で、十一月下旬の中間決算発表までに放棄交渉の決着を目指す考え。

熊谷組、役員総数は削減しても「天下り」は増員

2000.09.19(03:08)asahi.com
 業界最大の総額4500億円の借金棒引きを要請する計画を18日に発表した熊谷組は、経営難が深刻化したこの5年間に役員総数を削減する一方で天下りは増やし続け、4人に1人を天下り組が占めるまでになっていたことが分かった。その大半は建設省や国土庁、日本道路公団など発注者側のOB。この日、記者会見した同社の松本良夫社長は役員と社員の大規模なリストラ策を発表したが、天下り役員の処遇については口を濁した。幹部社員からは「発注者への気兼ねがあり、天下りポストは減らせない」と本音が漏れる。

 同社では、役員数の削減はこれまでも経営再建の一環として進められてきた。しかし、官庁や公団などからの「天下り役員」は聖域としてリストラとは無縁だった。

 95年6月の全役員は41人だった。うち副社長と常務3人を含む6人が天下り組で、その割合は15%。出身は、国土庁水資源局長▽建設省地方建設局の部長▽北海道開発庁の部長▽沖縄開発庁の事務局次長▽四国郵政監察局長▽特許庁総務部長。

 98年には、役員数が1減って40人に。その後も役員数が削減され、今年3月には34人になった。しかし、5年前に在任していた天下り役員は現在も全員が残っている。96年と97年には、新たに日本鉄建公団の支社長経験者と日本道路公団の地方建設局長経験者を迎え入れた。

 その結果、天下り組の割合は23%に。ほかにも電力会社などからの役員が増え、この5年間で同社の生え抜き役員の割合は7割から5割に減った。

鹿島が熊谷組への限定的支援を発表

2000.09.05(22:28)asahi.com
 大手建設会社の鹿島は5日、経営再建中の熊谷組の支援にあたっての方針を発表した。「人材派遣や業務提携などについては、当社の利益を最優先に考える前提で、個々の案件ごとに冷静に対応していく」という協力姿勢を示したものの、「(熊谷組に)出資する考えはない」と資本提携には踏み込まない考えを示した。巨額の債権放棄に加えて、建設業界ではかつてない大手との本格提携によって熊谷組再建を模索する支援銀行団にとっては、鹿島にも具体的な提携メリットがある再建策を示すように迫られた格好だ。

 方針は5日、「熊谷組再建の報道に関するコメント」として発表した。

 鹿島の株価は熊谷組の支援問題が相次いで報じられた今月に入って、20―30円程度下げている。「熊谷との提携、とくに出資は鹿島にメリットがない、と市場は受けとめている」(証券関係者)といい、コメントは、鹿島側として市場に対して、出資の意向を否定した形だ。住友銀行は鹿島の主力行で筆頭株主(今年3月末)であり、今回の方針発表も同行に配慮をしたうえでのものとみられる。

 鹿島幹部はこれまで、「(熊谷組の)全体の資産の中身が公表された数字だけからでははかりかねる」と資産内容の不透明さを懸念材料にあげていた。熊谷組の増資などに関与した後に再建できなかった場合の責任や、提携による株価への悪影響を指摘していた。鹿島側は、熊谷組支援に対する鹿島への見返りについて、見極めるにはさらに時間を要する、と踏んでいる。

 人材派遣は最も可能性の高い支援と見られている。業務提携については、住友系の顧客を、熊谷組と激しい受注競争関係にある鹿島にも紹介するといった場合、熊谷組の受注にプラスになるのか、といった難しい問題を抱えているため、調整には時間がかかりそうだ。

 また、5日夜、海外出張から帰国した梅田貞夫・鹿島社長は「どういう話が来ているのか、明日、具体的に聞いてから検討する。当社にとってメリットがないと(提携は)ありえない」と話した。


三井建設、1600億円の債権放棄要請へ

2000.12.29(20:03)asahi.com
 準大手ゼネコンの三井建設は29日、主力のさくら銀行など約10の主要金融機関に対して総額1630億円の債権放棄を近く正式に要請する、と発表した。今期中に、土地や株式といった不良資産の処理などで特別損失約1700億円を計上し、リストラを徹底させる。9月中間期末で約880億円の連結債務超過の苦境にあるが、3月期末には単独、連結ベースとも債務超過を解消するとしている。稲村一弘社長は引責辞任するが、退任時期は明確にしなかった。

 この日発表した新たな中期経営計画によると、約3200人いる従業員の約1割を削減し、2900人体制とする。約4600億円の有利子負債は、債権放棄分を含めて5年ほどで3000億円弱を削減し、2006年3月末に1691億円まで落とす。主なグループ会社42社は28社まで減らす。

 来年度には、6月にいったん資本を227億円から84億円に減資したあと、9月末までに筆頭株主の三井不動産や三井物産など三井グループの二十数社に協力を仰いで、減資分に相当する140億円程度の増資を実現させ、財務体質の健全化を図る方針だ。

 稲村社長は記者会見で「得意の高層マンション建設などに力を入れたい」と述べた。しかし、住宅減税に伴う都心の空前のマンションブームが長続きする保証はなく、計画達成は厳しい道のりになりそうだ。

三井建設 債務超過715億円/9月中間決算 債権放棄要請も視野に検討

2000.11.24 The Sankei Shimbun
 経営再建中の中堅ゼネコン、三井建設は二十四日、今年九月中間決算(単体ベース)で七百十五億円の債務超過に陥ったと発表した。会計基準の厳格化で、関係会社向けの不良債権の引き当てや、販売用不動産の含み損処理を迫られ、九百十八億円の特別損失を計上したのが響いた。年内にも新しい経営再建計画を策定するほか、債務超過の抜本的な解消策として、主力取引金融機関に対する債権放棄要請も検討している。

 単体の最終損益は九百五十六億円の赤字で、連結ベースでも八百八十三億円の債務超過に陥っている。記者会見した稲村一弘社長は「受注や営業利益は予想通りに推移しているが、会計基準の変更があり、特別損失の影響が大きかった。抜本策を検討する必要がある」としており、自助努力だけでは債務超過の解消は難しい情勢になっている。

 三井建設は、バブル期のグループ企業の過剰なゴルフ場開発などが裏目になり経営が悪化。平成十年十二月に三井不動産など三井グループが引き受け先となって百五十億円の第三者割当増資を実施しているが、債務超過状態の子会社が連結対象になったことも響き、財務内容が悪化していた。


千代田化工建設株を売買停止

2000.11.20The Sankei Shimbun
 東京証券取引所は二十日、市場一部上場の千代田化工建設株式の売買を午前八時二十分から一時停止すると発表した。第三者割当増資などの情報に関する真偽を確認し、周知させるため。大阪、名古屋、札幌の各取引所も同様の措置を取った。


ハザマ

債権放棄受けたハザマ、1100億円の損失処理

2000.11.17(17:57)asahi.com
 巨額の負債を抱えて経営難に陥り大手4行から債権放棄を受けた建設準大手のハザマは17日、9月中間決算(単体ベース)を発表した。債権放棄に伴って発生する債務免除益1049億円を特別利益として計上。一方、計画が失敗したゴルフ場など開発事業の後始末や、含み損を抱えた販売用不動産の時価会計処理などで、計1100億円余りの特別損失を計上した結果、最終損益(当期損益)は29億円の赤字となった。

 売上高は、前年比6.6%増の1779億円で、経常利益は同15.6%減の20億円だった。今中間期は、顧客に信用不安があったことから、受注高は大幅減が予想されていたが、前年同期比2.4%減にとどまった。立松修副社長は「民需は(入札や見積もりの)指名にも入れてもらえない場合があったが、顧客に銀行と一緒に説明するなど、ねばり強い営業をした結果だ」と説明した。

 自己資本の回復のため、今期中に実施する予定の約80億円の増資については「株価が額面回復せず、環境が整わないなかでは強行はできない」(同副社長)と話しており、今期中に増資できない可能性を示唆した。

ハザマ、南青山のホテル開発断念 損失は200億円超

2000.09.22(03:21)asahi.com
 ハザマは21日、東京都港区南青山の本社近くの一等地で計画していたホテル建設構想を採算性が見込めないとして白紙撤回し、200億円超の損失を計上すると発表した。用地は、バブル崩壊で塩漬けになった土地を流動化させるために建設省が設けた外郭団体の民間都市開発推進機構(民都機構)の買い上げ第1号だったが、白紙撤回も第1号になった。

 用地は南青山2丁目の約4000平方メートル。ハザマはこの用地を取得価格の約280億円の5分の1強の約60億円で、積水ハウスに売却する。ハザマはこの事業断念に伴い、200億円余りの売却損を今期に特別損失として計上するが、債権放棄1000億円に伴う債務免除益をてこに損失処理をすでに決めている。

 ハザマは1985年、自社で取引先向けの事務所やマンションを建設する目的で購入したが、バブル崩壊で計画がとん挫。94年に「用地は自社で開発し、将来買い戻す」との約束で、用地の一部を民都機構に約70億円で売却した。その後、住宅を併設した長期滞在型の都市型ホテルを建設する計画を立てたが、事業の採算が見通せずに断念。民都機構との契約に沿って、買い戻さざるを得なくなり、今月に入って買い戻していた。

 ただ、買い戻し価格について、ハザマも民都機構も明らかにしていない。

 バブル時代に抱え込んだ不動産の処理に苦慮するゼネコンは、民都機構を「駆け込み寺」として利用してきたが、第1号事業の白紙撤回で、用地の受け皿となってきた民都機構の事業の抜本見直しも迫られそうだ。

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