TOPIC No.2-116 地域通貨/エコマネー

NEET(Not in Employment, Education or Training)


01. 地域通貨って何?
02. 地域通貨全リスト
03. 地域通貨モデルシステム検討委員会の設置 (平成16年07月23日) 総務省
04. 地域通貨 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
05. 実録! 地域通貨で遊ぼう! by環境GOO

地域通貨で活性化を 19日からフォーラム

2006年11月05日 The Sankei Shimbun

 特定のコミュニティーで使用できる地域通貨を利用した活性化策を考える「地域通貨フォーラム」が、19日の兵庫県たつの市を皮切りに、沖縄県浦添市、熊本県錦町、大分県日出町の4カ所で相次いで開催される。

 総務省と全国地方新聞社連合会などの主催。

 地域通貨は、清掃やパトロールなどのボランティア活動の対価としてたまるポイントを、公共施設の入場料や地元商店での買い物などに使用できる仕組み。今回フォーラムを開く4自治体は、いずれも年内に導入を予定している。

 フォーラムでは、有識者らのトークセッション、首長や住民、特定非営利活動法人(NPO法人)代表らによるパネルディスカッションを通じて、地域活性化への効果や可能性などを探る。

 入場は無料だが、申し込みが必要。たつの市会場は既に申し込みを締め切った。

 残る3カ所での開催日程と場所、問い合わせ先は次の通り。いずれも午後1時半から開催。

 ▽11月24日 浦添市・国立劇場おきなわ小劇場、琉球新報社広告局=電話098(865)5213または沖縄タイムス社広告局=098(860)3573▽12月2日 錦町・一武小学校、熊本日日新聞社広告局=096(361)3344▽12月8日 日出町・中央公民館、大分合同新聞社企画推進部=097(538)9646

豊田の「エコシール」

2005/03/05 asahi.com

 愛知万博(愛・地球博)会場を中心に実施される「EXPOエコマネー事業」に、豊田市の「とよたエコライフ倶楽部」(熊田国道代表)が参加することが決まった。

 同倶楽部は、約200の加盟店で買い物袋を持参したり、中身だけの詰め替え商品を買ったりするたびに「エコシール」がもらえ、シール20枚が100円として使える仕組み。5年前に始まり、市によると、今年度は約500万枚のシールを発行、マイバッグ持参率は約18%になった。

 シール20枚を張った台紙を万博長久手会場のEXPOエコマネーセンターに持参すると、エコマネーのポイントがもらえる。点数は調整中だが、エコマネー事務局では「アクション数に応じて提供する方向」という。

 エコマネーは、2点でエコツアーなどが当たる懸賞に応募でき、5点以上でエコ商品などと交換できる。

 台紙は、エコマネー獲得後も豊田市内で100円として使える。同倶楽部では「普段のエコライフ運動と、万博を二重に楽しんでもらえる企画」とPRしている。

レジ袋節約でエコポイント 「マネー事業」詳細

2005/03/04 CHUNICHI WEB SITE

 愛・地球博(愛知万博)の開催を機に、環境に優しい行動をとってもらう「EXPOエコマネー事業」の詳細が3日発表された。買い物の際にレジ袋の使用を断ることなどで、エコマネーのポイントをためる。ポイント数に応じ、環境に配慮した商品と交換したり、植林ツアー参加の懸賞に応募したりできる。

 博覧会協会とエコデザイン市民社会フォーラムが共同で実施。方法は名古屋市や愛知県豊田市、スーパーなどが発行するレジ袋の削減証明書(エコクーぴょん台紙など)を、長久手会場のグローバル・コモン3にある「EXPOエコマネーセンター」に持参。入場券に内蔵した集積回路(IC)チップを利用し、専用端末器で証明書のスタンプ数だけエコマネーのポイントとしてホストコンピューターに登録する。

 公共交通機関での来場、万博の環境プログラムへの参加でも1ポイントとなる。二ポイントたまると懸賞に応募でき、5ポイント以上だとさまざまな商品がもらえる。

会員間でエコマネー利用

2004/11/17 Yomiuri On-Line

◇きずなづくりに生かす NPO法人「千姫プロジェクト」(姫路市)

 特定の地域だけでサービスや物の交換に使われる「地域通貨(エコマネー)」が広がっている。本物の通貨のように券を発行してやりとりするもの、通帳に収支を書き込むものなど様々なタイプがあるが、姫路市のNPO(特定非営利活動)法人「千姫プロジェクト」(岡田真美子理事長)は、パソコン上で管理するエコマネー「姫」を使い、会員同士の助け合いや、ボランティア活動の推進に役立てている。

 同プロジェクトのホームページに登録した会員が、自分のできることや他の会員に頼みたいことをホームページ上に書き込み、当事者同士の交渉で、サービスを受けたり、ボランティアをしたりする仕組み。三十分のボランティアで「千」姫が基準という。残高もホームページで表示される。

 「地域や環境のため、持てる力を生かしたい」という人同士のきずなづくりに役立てばと、二〇〇一年からスタート。会員は現在、大学院生や主婦ら三百四十五人に増え、「笛の演奏ボランティアします」「イベントのスタッフ募集」など寄せられる内容は様々だ。

 神戸市で来月開かれる「地域通貨国際会議」にもスタッフとしてかかわり、台風23号で大きな被害を受けた豊岡市に復旧作業に使うタオルを送るプロジェクトなど、地域、期間限定の支援活動も展開。三日間で約五千枚が集まった。岡田理事長は「携わっている個人と個人の縁を大切にしながら、支援していく団体でありたい」と話している。

愛・地球博  エコマネーためよう 入場券にポイント登録

2005年1月14日 毎日新聞 中部夕刊

 ◇あと70日

 愛・地球博(愛知万博)会場内外で、環境配慮行動を行った市民が特典や景品と交換することができる「EXPOエコマネー事業」の概要が14日、明らかになった。会場内で「自然体感プログラム」など環境啓発・学習性の高いプログラムを体験したり、エコカーでの来場者などにエコマネーを提供する。

 地球温暖化防止や循環型社会の実現のため、二酸化炭素など温室効果ガスの削減が社会的な課題となっている。そこで万博協会は、入場券(ICカード)にポイントを登録するシステムを利用して内外でエコマネー事業を実験する。

 「森の体験学校」などの自然体感プログラムや「地球市民村」などの環境配慮プログラムへの参加者▽公式出展国の店に自分の袋を持参するなどしてレジ袋をもらわなかったり、エコ商品の購入者▽エコカーでの来場者−−が対象。エコマネーのポイントをためると、エコツアーへの招待や環境関連グッズなどと交換できる。

 また、万博協会は会場外でもエコマネー事業を推進している店舗や商店会などを募集。レジ袋を利用しなかった市民にエコマネーと交換できる「レジ袋削減証明書」を発行してもらう。【樋岡徹也】

「エコマネー銀行」栄に登場

2004/09/17 asahi.com

NPO 19日試み 「環境活動 実感を」

 ボランティアや環境活動の促進などを目的に、市民が発行するエコマネーを扱う「環境デーエコマネー銀行」が名古屋市に初登場する。同市が19日に催す「環境デーなごや2004」の企画の一つ。参加者は、ためた「預金」ならぬポイントに応じて抽選会などを楽しめ、さらに来年開かれる愛知万博(愛・地球博)会場でも特典を受けられる予定だ。愛知万博の柱と位置付けられている「環境」「市民参加」に向けた人々の行動を、万博開催前と後、そして万博会場の外へ、と広げる社会実験でもある。

「預金」万博で特典に

 開設するのはNPO「エコデザイン市民社会フォーラム」(事務局・名古屋市中区、釘山健一事務局長)。「環境デーなごや2004」の会場となる名古屋・栄にある久屋大通公園内にブースを設け、通し番号付きの「エコマネーパス」を5千枚発行する。

 市民が、レジ袋削減を進めるためのシール「エコクーぴょん」や電気・ガスの検針票、ハイブリッド車などエコカーの車検証を持参すると、それぞれポイント1点がパスに書き込まれる。

 さらに、会場内で、繰り返し使える飲料容器「リユースカップ」を利用したり、一家で環境に配慮した生活をする「エコ家庭」や10月に同市で開かれるITS(高度道路交通システム)世界会議の交通モニターに登録したりすると、ポイントが1点ずつ増える。

 1点で抽選会に参加でき、2点でエコ商品などの割引が会場内で受けられ、3点以上だと会場周辺の店舗などでの買い物にも特典がある。

 会場では、集まったポイント数のレジ袋の削減量やリユースカップの使用量などから割り出したCO2の削減量などを掲示し、環境を守る行動の成果を実感してもらう。

 愛知万博協会も万博開催中、万博会場内で来場者がイベントに参加したり、エコ商品を買ったりするとポイントがもらえ、様々な特典を得られるようにする方針だ。エコマネーパスの点数は、その際にも換算できるようになる見通しだ。

 ×  ×  ×

 環境デーは午前10時〜午後4時。古代、江戸、昭和の3テーマのコーナーを設け、盛りだくさんの企画、展示がある。クイズに答えて進む「地球環境タイムトラベルラリー」やエコカーフェスティバル、最新の人力タクシー「ベロタクシー」と人力車の乗り比べコーナーもある。

エコ券リニューアル「ひょっこりひょうたん島」に 豊後高田市

2004年09月01日 大分合同新聞

 豊後高田商工会議所と豊後高田市が八月にスタートさせた「昭和の町」のエコマネー事業で発行しているエコ券が、九月からテレビ人形劇「ひょっこりひょうたん島」のキャラクターをあしらったデザインへとリニューアルする。三十一日に斉藤哲県生活環境部長が同市役所を訪れ、初版分の三千枚を永松博文市長と野田洋二同商議所副会頭に手渡した。

 斉藤部長は「エコ券を活用して、ごみのないきれいな昭和の町をつくり、観光面でも活用してください」とあいさつ。新しいエコ券と昭和の町通貨券が入ったパネルを贈呈。永松市長と野田副会頭は「新しいエコ券をPRして環境活動に一層取り組みます」と述べた。

 エコマネーはエコ商品と交換できる金券で、リサイクル品の持ち込みや各種環境活動への参加と引き換えに配布。また、同時導入した商品券「昭和の町通貨券」(百円券十枚セット)の購入でもおまけにエコ券百円分一枚がもらえる。

 新しいエコ券は、百円券に「ドン・ガバチョ」、二十円券に「トラヒゲ」の二つのキャラクターを使用。また、エコマネーは現在、▽昭和の町通貨券(百円券)五千百十枚▽百エコ券千四十七枚▽二十エコ券三百五十四枚―がそれぞれ発券されている(二十八日現在)。

好評!私の町の「通貨」、全国にひろがり

2004/08/21 読売新聞 Yomiuri On-Line
 ボランティア活動などの対価として支払われ、特定の地域や団体の間で流通する「地域通貨」が全国に広がりを見せている。

 「地域の活性化につながる」と各地で好評なためで、今秋からは住民基本台帳カード(住基カード)と連携させる実験も始まり、総務省も検討委員会を設けて普及を目指す考えだ。

 <住基カード活用した実験も>

 特定の地域でのみ利用できる地域通貨の原型は、1930年代のドイツやオーストリアで始まった。当初は国の主権を脅かす存在と見なされて姿を消したが、80年代にカナダなどで復活。日本でも90年代後半から、金額に換算しにくいボランティア活動などと他のサービスやものを交換する仕組みとして、商店街や非営利組織(NPO)などで使われ始めた。2000年時点では30地域に過ぎなかったが、昨年末には300を超す地域で利用されているという。

 今年11月には、総務省の呼びかけで、千葉県市川市、北九州市、熊本県小国町の3市町が住基カードを活用した地域通貨の実験を2か月かけて行う予定だ。

 市川市の場合、子育てボランティア(1時間)や防犯パトロール参加(1回)につき100ポイントといった具合に、指定されたボランティア活動の内容ごとにポイントを加算する仕組み。ポイントは住基カードに記録され、犬の散歩や庭木の手入れなどの多様なボランティア活動を受ける対価に使えるほか、1ポイント1円の換算で市の駐車場や動植物園、提携するショッピングセンターや映画館などの支払いにも使うことができる。

 北九州市は環境活動に、熊本県小国町は農作業などの交流事業参加に対し、市川市と同様の仕組みで地域通貨を発行する計画だ。

 <地域の起爆剤に>

 総務省は3市町の実験結果について、同省に設けた「地域通貨モデルシステム検討委員会」(座長・加藤寛千葉商科大学長)で検証したうえで、住基カードを使った地域通貨の運用に必要なノウハウの「モデルシステム」を開発し、来年度以降、希望する他の自治体に無償で提供することにしている。

 地域通貨については、〈1〉民間主体では通貨自体への信用が低い〈2〉特定の店などに地域通貨がたまり、流通が滞る――などの課題も指摘されている。

 このため、総務省では、行政が関与して地域通貨の信用度を増す観点から、住基カードの地域通貨への活用を推奨していく考えだ。

 発行が当初見込み(初年度で300万枚)を大きく下回っているとされる住基カード普及の起爆剤にしたいという思惑もありそうだ。

 市町村が独自に加えられるサービスがあまり導入されていないことが普及が伸び悩んでいる原因とみて、総務省では「住基カードの便利な利用法が普及すれば、発行数も伸びる」と期待している。

 ◆住民基本台帳カード=全国民に11けたの番号を付け、住民の氏名、住所、生年月日、性別の情報を行政機関が共同で利用する住民基本台帳ネットワークの本格稼働に伴い、昨年8月に交付が始まった。身分証明書として利用できるほか、住民票の写しが全国すべての市町村で取得できる。ICカードの空き領域を利用して、各自治体は、図書館の利用券など独自のサービス機能を付加することができる。

資源リサイクルを推進「昭和の町」でエコマネー

2004年08月01日 大分合同新聞社

きょうから4カ月間、実証実験 地域振興に通貨券も

 大分県は「ごみゼロおおいた作戦」の一環として、一日から豊後高田市でエコマネー(地域通貨)の実証実験を始める。十一月末までの四カ月間、同市の観光名所「昭和の町」周辺でエコマネーを流通させて、資源リサイクルを推進する。地域振興や相互扶助を目的にエコマネーを導入する地域は全国で増えているが、「資源循環だけを特化したものは全国で初めて」(県生活環境部)という。県は観光振興にも役立つ取り組みとして期待している。

 エコマネーは地域コミュニティーの中で行われる各種サービスを、地域内だけで通用する通貨にいったん置き換えて、別のサービスと交換するための手段。

 豊後高田市では資源リサイクルに協力する人や店舗間で利用される。昭和の町は、資源循環が日常生活の中で自然に行われていた昭和三十年代の様子を再現しており、取り組みやすさや話題性の点から実証実験の場所に選ばれた。

 発行されるエコマネーは、リサイクルのみを目的とした百円エコ券(四千枚)と二十円エコ券(八千枚)、地域振興の目的を兼ねた百円通貨券(二万六千枚)の三種類。

 エコ券は、市民が清掃活動に参加したり、古着を提供した場合や、買い物客が昭和の町で牛乳パックの回収などリサイクルに協力した際に配布する。受け取ったエコ券は、フリーマーケットで買い物したり、昭和の町で行われるくじ引きなどで使える。

 通貨券は、エコ券として機能のほか、昭和の町の協力店(約二十店)で必要なものを買い物をする際、商品券としても使える。エコ券を受け取っていないものの、趣旨に共感した人は、市内に数カ所ある引換所で通貨券を買うことができる。

 エコ券、通貨券とも昭和の町の風景写真や、昭和の町を紹介するパンフレットなどに使われている黒崎義介さんの童画をあしらったデザイン。偽造防止策も施している。九月以降は、昭和の時代に人気のあった人形劇のキャラクターをモチーフにした新しいデザインを導入する方針。

 県と市が発行や運営に必要な費用(計二百万円)を負担。豊後高田商工会議所がエコマネーの回収など実際の運営に当たる。エコマネーが流通すればするほど、リサイクルが進む仕組みだが、昭和の町の買い物客は大半が観光客で、エコマネーを「記念品」として持ち帰るケースが増えそうだ。

 斎藤哲県生活環境部長は「リサイクルを通じて地域が輝き、人の交流が活発化するのが理想。成果を十分に検証した上で、全県に広げることも検討したい」と話している。

 <エコマネー>

 現金では表しにくい善意を、地域独自の価値基準で表すために発行される通貨。福祉や教育、文化など、地域コミュニティー内のいろいろなサービスに適用することができる。サービスだけを相互にやりとりするケースと、サービスと物を交換するのに使うケースがある。

地域通貨(エコマネー)

2004年01月17日 熊本日日新聞

 時間を貯(た)める。こんな不思議な言葉を聞いたのは十五年ほど前。時間は流れるばかりで、止めたり貯めたりできるはずがなかろう

 ▼ところが、そのころ高松や横浜、大阪などでは、主婦らのグループがボランティア活動した時間を“貯金”していた。上の世代のお年寄りの家事などを手伝い、将来、自分が必要になったときに、その分を下の世代に応援してもらう。つまり貯金を下ろす

 ▼時間預託、点数貯蓄、労力預託など呼び方はいろいろ。さわやか福祉財団ではふれあい切符と呼ぶ。その理事長を務める堀田力さんによると、人間には他人が困っているときに見捨てておけない「助け合い遺伝子」があるという

 ▼この遺伝子が元気づきそうな取り組みが球磨郡錦町で始まった。町内だけで使える地域通貨(エコマネー)を流通させ、公的サービスでは手が届かないきめ細かな“お手伝い”の仕組みをつくろうというものだ。通貨単位は「かちゃー」。球磨弁でお互いに助け合う意味という

 ▼町があらかじめ登録者に三千かちゃーを配布。町や町社協などの仲立ちでサービスを提供したりされたりする。メニューは九十三種。買い物を手伝って一時間当たり五百かちゃーを受け取り、ほかの人に梅干しの漬け方を習って払うといった使い方ができる。実験段階だが、「円」に換算できない住民の知恵や技術、善意といった価値が見えてくるだろう

 ▼やり方は違うが、水俣市や玉名市、阿蘇郡小国町なども取り組んでいる。「結(ゆ)い」「縁(えん)」「ゆう」と、どれもいい名前だ。人と人とを結ぶ地域通貨にはぬくもりがある。

エコマネー

2002年09月08日 沖縄タイムス社説
期待膨らむ試みである

 かつての「まちぐゎー」の活気を取り戻そうと、那覇市の栄町市場でエコマネー(地域通貨)導入の計画が進んでいる。

 住民同士のつながりを深めながら、助け合いに根ざした地域自立をめざす新しい試みがエコマネーである。地域を元気にする道具の一つといわれる。

 全国でも試みが増えている。県内では座間味村が活性化事業で実施し、琉大の大学院生を中心とするグループもボランティアサービスでのエコマネー「しおせん」の流通実験を試みた。

 商店街での導入は栄町市場が初めてである。都市部の多くの商店街は、郊外への大型店舗の進出で客足が遠のき厳しい環境にある。それだけに試みをほかの商店街も注目しているのではないか。

 とはいえ商店街のエコマネーは、市場を買い物の場にとどめず住民交流の場にすることが大切である。エコマーケットを打ち出したゆえんだろう。

 今回の実験も、会員は「自分にできること」「相手にしてほしいこと」を申請し、事務局が仲介役となって「できること」「してほしいこと」を結びつける。

 その取引にエコマネーを使う。今のところは、商品券のように品物と交換できる価値は持たせない考えである。

 関心を持つすべての人を会員の対象とし、商店街と地域の人々の「心の通った交流」を取り戻すのが狙いだという。どれだけの会員を集められるかも実験の行方を左右しよう。

 同時に、市場にどのようなニーズがあって何のために導入するのか。関係者や会員が共通認識を持つことが大事である。

 エコマネーに正解や定型はないとされる。試行錯誤しながら自分たちの地域にマッチした仕組みをどう築き上げるかが問われよう。

 市場の人々と買い物をする人が気軽に声を掛け合える商店街を実現できるのか。元気あるまちぐゎーへの第一歩である。エコマネーはその手だてであり、栄町の新しい試みに期待したい。

エコマネー考えるフォーラム 姫路

2002/08/28 The Kobe Shimbun

 インターネットを通じ、特定の地域や団体の間でやりとりする地域通貨「エコマネー」を考えるフォーラムが二十七日、姫路市新在家本町の姫路工業大学環境人間学部で開かれた。米国・カリフォルニア州で始まった世界最大の地域通貨システム「Friendly Favors(フレンドリー・フェバー)」の創設者らを招き、同市内で昨年始まった「千姫プロジェクト」の関係者と交流を深めた。

 「千姫―」は、ボランティアサービスなどを受けるごとに、ネット上の通貨「姫」を支払う。三十分のサービスに対し、姫路にちなんだ「1000姫=千姫」をやりとりする。

 一九九九年に始まった「フレンドリー」は拡大を続け、現在、百三十カ国、一万二千六百人以上の会員が登録している。この日は、創設者のセルジオ・ラブさんらが姫工大を訪問。サービスの質などに応じて与えられる評価レベルなど、同システムの基本ルールを「千姫」の関係者らに紹介した。

 「千姫」側からは、姫工大の岡田真美子教授が、利用状況や携帯電話などを活用した九月開始の新システムの概要などを説明した。

 質疑応答では、ラブさんが「お金中心の経済の中で、思いやりのある人が評価されるようにしたかった」と設立を決意した思いを語り、岡田教授も「同じような志を持った人たちとの交流ができ、意義深かった」と満足そうだった。

 「千姫―」のアドレスはhttp://www.wdp.jp/eco/

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