出撃!マシンロボレスキュー
レスキューモバイル K-BOY
3種類のモードチェンジが可能!!
マシンロボレスキュー。
それは、特殊な才能を持つ子供達と、意思を持つロボットがパートナーとなって、大規模な災害や未知の非常事態から人々を守る特別機関だ。
災害現場で活躍するのは、マシンロボと12人の少年少女たちによって構成される三つのチームで、それぞれレッドウイングス、ブルーサイレンズ、イエローギアーズと呼ばれる。第一期生として選抜され、お互いの事を全く知らない彼らであったが、厳しい訓練や危険な救助活動を共にする中で、やがて少しづつ仲間としての結束を深めていく。
人々の命を守るため、マシンロボレスキューは今日も災害現場へと出場する!
K-BOYは、マシンロボレスキュー隊のメンバーが使用する、レスキュー用モバイル機器である。
また、マシンロボレスキューのメンバーである事を示す身分証でもあるので、隊員たちは常にこれを携帯している。
通常は携帯電話型の通信機として使用する。災害現場で仲間と連絡を取り合ったり、本部からの指示を受けたりするだけでなく、マシンロボへの指令を出す時にも、このK-BOYを使用する。一応、電話と言う事になっているが、劇中での描写を見る限りでは単なる電話ではなく、高度な通信機と考えるべきだろう。
この作品では主人公が一人ではなく、多数のキャラクターが登場し、バラバラに別れて行動することが多い。そのため、このK-BOYの登場する場面も必然的に多くなり、目立つ存在となっている。
また、ただの音声通信だけではなく、情報の検索やデータの送受信も可能となっている。
災害現場の地図や、建物内部の見取り図をモニタに表示させたりして、色々便利に使っている。
その他にも、破損したコンピュータプログラムを復旧させる為、本部から正常なデータを送ってもらい、それをK-BOYで受信して再インストール作業を行う、といった描写もあったりして、なかなか面白い。
この手の通信メカは個人的に結構好きなのだが、設定では高度なモバイル機器となっているのに、劇中ではあまり活かされない事が多く、不満に感じる事もよくあった。このK-BOYは、設定が設定倒れにならず、ちゃんと使われているのが非常にいいと思う。
さらに、クライマックスではマシンロボへ合体指令を出すためにも使用するので、見終わった後には、非常に重要な、必要不可欠な道具という印象が残る。
通信機アイテムに注目している者としては、見逃せない活躍ぶりである。
これがケータイモードだ!
玩具は「レスキューモバイル K-BOY」の商品名でバンダイから発売されている。
通信機形態はケータイモードと呼ばれる。
確かに携帯電話らしい形ではあるが、デザインのせいかカラーリングのせいか、あまり本物っぽい感じはしないし、モニターの横にはロボット形態時に腕となる部分が折りたたまれて突き出しているのが、結構ジャマだったりする。
アニメでは、その辺が不自然に見えないように上手くデフォルメして描いているので、玩具を手に持ってみるとそのギャップに少々戸惑うかもしれない。
モニタ部分は、シールが一枚貼ってあるだけなので、ちょっとチープな感じがする。
同じ携帯電話の玩具でも、Gフォンやファイズフォンなどは、上に透明のプラパーツを貼る事で本物らしさを出していた。この差は大きい。
電話マークのボタンでコール音が鳴る。その上の部分はジョグダイヤルという設定。
中央辺りに、電話マークのボタンが二個並んでいる。これを押すと、本体の上端にある二個のLEDが点滅発光して、同時に「ピポパパピポパパ」というコール音が何度か鳴るようになっている。左右どちらのボタンでも、同じように光って鳴る。
一応、電話らしいギミックも組み込んであるわけだ。それだけ?という気もするが、無いよりマシといったところか。
他のボタンは全部ダミーで、特にギミックは無く、押しても何も起こらない。ちょっと残念。
単なるボタン型のモールドではなく、押すと沈むようになっているのがせめてもの救いか。
アンテナ部分は固定で、伸ばす事が出来ない。
これには少しガッカリした。ちょっとした事ではあるが、携帯電話らしさを強調するポイントだと思う。それに劇中では、通信中や合体指令を出す時など、アンテナが伸びているのがはっきり見えるので、「テレビと違う」という不満も感じてしまう。
マシンモード。個人的にはかなり好みのデザイン。
K-BOYを折畳むと、マシンモードになる。携帯電話がミニカーに変形するわけだ。
自動車になったからといっても、元は小さな携帯電話だ。主人公が乗れるわけではない。どう使うのかと思ったが、これもまた、劇中ではうまく活かしている。
災害現場では、人間が入るのが困難な場所に出くわす事がある。そんな時にはマシンモードのK-BOYを送りこみ、データを収集したり、生存者を探したりするのである。小さいので、狭い場所でも自由に入っていける特性を利用するのだ。
後部から。ライト&サウンドの電源スイッチが見える。OがオンでXがオフだ。
玩具のほうは、さすがに自走はしない。一応、コロ走行はできるが、それがせいいっぱいだ。
だが、マシンモードのデザインはとてもカッコイイ、素晴らしいものだ。
なんというか、思いっきりプレックスくさいデザインで、個人的にはかなりツボにハマってしまった。
一目見た瞬間に、闘将ダイモスの「トライパー75S」とかスペースコブラの「サイコロイド」なんかが頭をよぎったのは、わしだけではないだろう。
後でプレックスのサイトを見たら、デザイナーのコメントに思いっきり「トライパーやサイコロイドなどの80年代のポピニカ的未来テイストを意識してデザインしました」と書いてあったので大笑いしてしまった。やっぱりわざとやっていたのか。
その他、先端部にあるスイッチを押すと、LEDが点灯してサイレンが鳴るようになっている。
ケータイモードの時とはサウンドや発光パターンが変えてあるのは好感が持てる。
ロボモード。まあ一応ロボットかなという感じ。
K-BOYは、携帯と自動車だけではなく、さらに変形してロボットにもなる。
劇中では、色々と愛嬌をふりまいたり、時には意外な活躍も見せてくれたりする。なかなかカワイイやつだ。
出番が少ないのがちょっと残念。
変形方法はシンプルで意外性はないし、関節の可動などもたいした事はない。ヒーローロボットらしい、カッコイイ姿をしているわけでもない。
とはいえ、ヒーロー的なカッコよさとはまた違った魅力があるのも確かだ。
マスコット的なキャラクターを好むファンは意外に多いものだ。また、玩具ファンの中には、先に挙げた「サイコロイド」や、ゴールドライタンのライタン軍団、ウインスペクターの「デミタス」などといった、かつての変形ロボ玩具を思わせるスタイルに魅力を感じる人もいるだろう。
こちらはユタカ版。画面もちゃんと各チームのエンブレムに変えてあるのが感心。
劇中での描写が非常に秀逸で印象的なので、なかなか魅力的なアイテムとして気になるK‐BOYだが、玩具としてみた場合は、多少の不満もある。
ギミックに比べて、値段が少々割高に感じるのは、わしだけではないだろう。
それに、レッドウイングス用の赤いタイプしか発売されていないのも気になる。ブルーサイレンズ用の青いK-BOYや、イエローギアーズ用の黄色いK-BOYも欲しいところである。最初は、分解して塗り替えてやろうか、などと考えたりもしていたが、そのうちに、ちょっとイイモノが登場した。
それが、ユタカから発売されたフックトイ版K-BOYである。
手前がユタカ版。バンダイ版のほうがカッコイイが、ユタカ版のほうが自動車っぽい。
裏側。さすがにこういうところでは差が出る。
スーパーなどに置いてある廉価版の玩具も、よく見てみると意外に出来がいい物が多い。このK-BOYもそのひとつだ。
ユタカ版のK-BOYは、ケータイモードとマシンモードになるだけで、ロボットモードにはならない単純な玩具だ。バンダイ版のようにダイキャストパーツが使われているわけでもないので、手に持つと軽い。電飾ギミックも無い。
しかし、何と入っても安いというのが素晴らしい。バンダイ版一個分の値段で、ユタカ版なら五個も買えてしまうのがステキだ。また、色の違う各チームのタイプがそれぞれ発売されているのも嬉しいポイントである。イギリス人の美少女アリスのファンも、眼鏡のお嬢様小百合のファンも、これで安心だ。
ケータイモードでの比較。携帯らしさはユタカ版のほうが上だ。アンテナも伸びるぞ!
ロボへの変形ギミックは無いが、悪い事ばかりでもない。その分、ケータイモードの形状が自然で、より携帯電話らしく見える。アンテナが伸縮可能になっているのもポイントが高い。また、モニタの脇にあるロボの腕が固定されているので、ケータイモード時にブラブラ動いたりせず、あまり邪魔にならないというメリットもある。
変形ロボ玩具としてではなく、変身ブレスなどのような、「なりきり系アイテム」としてK-BOYが欲しいという人や、コスプレの小道具に持っていたいという人などには、ユタカ版の方が断然オススメだ。
ウイングのMRRロゴはモールドと塗装で表現。シールじゃないのがナイス!
最初は、マシンモードのスタイルが非常に魅力的だった、というのが入手の直接的な動機であった。
正直に言って、ギミック玩具が好きな者としては不満も多いし、ショボイ変形に加えてオマケみたいに光って鳴る程度では、普通なら「いらない」と思うところだ。マシン形態のプレックスくさいカッコよさにシビレなかったら、実際に手にとってみる事は無かっただろう。
だが、今ではこのK‐BOYは、かなりお気に入りのアイテムになってしまった。わざわざ安い色違い版まで揃えるくらいである。
以前、携帯変身Gフォンを紹介した時、かなり厳しい事を書いた。
Gフォンは、携帯電話からアニマルタイプへ、そしてヒーロータイプへと変形する、楽しい変身アイテムだ。しかし劇中では、それらのギミックが全く活かされておらず、また、アイテム自体が魅力的に描かれる事も少なかったのが、どうにも不満だったのだ。
しかし、今回のK-BOYは違っていた。
玩具自体はギミックはGフォンと同じ…というか、それ以下と思える部分さえある。だが、劇中で活躍する場面が非常に印象的で、魅力あふれるものになっている。そのために、玩具も非常に魅力的なアイテムとなっているのだ。好きになってしまえば、多少の不満は吹き飛んでしまうものだ。
ショボイ玩具は困りものだが、それさえも「欲しい」と思わせるほど魅力的なアイテムは、これからもバンバン出てきて欲しいものである。
ユタカ版のパッケージ。台紙もちゃんと三種類あるぞ!
こちらはバンダイ版のパッケージ。ロボモードで収納されている。