カプセル装填銃 ジェクターガン セット

エネルギーカプセル装填!!10連続で発射音が鳴る!!

 

 

「ジェクターガン」とは、ウルトラマンガイアに登場する特捜チーム「XIG」のメンバーが携帯している光線銃だ。
本編中では目立った使用シーンがそれほど多くなかったのが残念だが、XIGメカの中にはほとんど活躍しなかったものもあるので、そんなのに比べると、この「ジェクターガン」はまだいい方だろう。

それよりも、発射される光線が、あまり威力のありそうなものではなく、効果音も迫力がなかった事のほうがどちらかといえば不満だった。
「リアル」という意味では正解なのだろうが、科特隊の「スーパーガン」が独特の快音と共に発するシャープなギザギザ光線や、「スパイダー」が放つ「ほとばしるエネルギーの奔流」といった感じの光線など、とにかく「カッコイイ光線」が大好きなわしとしては、平成ウルトラの光線銃にも、もうちょっとハッタリかまして欲しかったと思う。

 

 

カッコイイぞXIGの銃

さて、少々文句を書いてしまったが、わしはこの「ジェクターガン」の玩具はナカナカ気に入っている。
なによりまず、そのデザインがカッコイイ。
ティガの「ガッツハイパーガン」やダイナの「ガッツブラスタ−」は、正直いって無難な……というかあまり面白味のないデザインで、誰もがパッと見て「あ!GUTSの銃だ!!」と判るようなものではなかった。
それに対して、この「ジェクターガン」は、XIGメカニックの特徴である「六角柱」をちゃんとデザインに取り入れており、目をひくポイントとなっている。その他の部分はSFガンとしてはやや地味であるが、それがかえってフィクションとリアルの境界線上にある、ちょうどいい感じの近未来感を出していて、「ウルトラマンガイア」の作品世界に上手くマッチしていると思う。
そして、その「六角柱」の部分が「エネルギーカプセル」になっているという設定もまた、それらしくてナカナカよろしい。

各部に施された刻印や注意書きも妙に凝っている。
エネルギーカプセルに書かれた「DANGER HI−VOLTAGE」という警告表示や、本体に「G.U.A.R.D.FIRE ARMS INDUSTRIES」などと製造元表示が書かれていたりするのを見ると、なんだか嬉しくなってしまう。

各部に赤い色が使われているのがやや不満ではあるが、それでもハデハデにはしてしまわずに、抑え気味にワンポイントで使われているだけなのが上手いところだ。

 

 

カプセル装填でエネルギーチャージ!!

ボルトアクションの銃みたいな感じで後部を引いて装填レバーをスライドさせ、六角柱型のエネルギーカプセルをセットしたら、元のようにレバーを押し込む。すると「ピピッ」という確認音が鳴って電源がONになる。これで装填完了!射撃準備はOKだ。

この状態でトリガーを引くと銃口が光り、発射音が鳴る。
ここまでは普通のトイガンと同じなのだが、「ジェクターガン」の非凡な所は発射回数に制限がある所だ。
連続して10発までは撃つ事が出来るのだが、11発目には「ピピピピ」と、弾切れを示す警告音が鳴り、12発目からはトリガーを引いても音も出ず、発光もしなくなる。
空のカプセルを抜いて、予備カプセルと交換すれば、また10発撃つ事が出来るというわけだ。……そうはいっても、もちろん本当にカプセルの中にエネルギーがチャージされているわけではないので、一度引っこ抜いたカプセルをそのまま装填しなおせばまた撃てるわけだが。

 

弾丸を発射したり、薬莢を排出したりするのではなく、光って鳴るタイプのトイガンなんだから、電池が切れるまでは弾が切れるわけがない。それをわざわざ、10発しか撃てないように作ってある所がなんともナイスである。こういう機構が組み込まれた玩具は、他にあまり例がない。「特捜ロボ ジャンパーソン」の銃、「ジャンデジック」があるくらいだ。たかが子供の玩具とバカにせず、いかにも本物らしいアクションを仕込み、リアルな感覚を味わってもらおうという意図には好感が持てる。

しかし、こういうギミックを「リアルでカッコイイ」と感じる人ばかりならいいが、世の中にはそうでない人も決して少なくない。
「うっとおしい」とか「面倒くさい」などという人だっているだろう。特に、子供に玩具を買い与えた親は「壊れたかと思った。まぎらわしい」とか「ガシャガシャとはずしたりつけたりして、うるさい」などと文句をつけてくる事もあるだろう。
それにもかかわらず、こういう仕様になっているあたり、「ウルトラマンガイア」という作品の「やや高い年齢層を狙う」という方向性と無縁ではないような気がする。

 

 

アタッチメントが武器なんだ

「ジェクターガン セット」には、銃本体の他に付属品としてエネルギーカプセルが二個ついているが、その他にアタッチメントとして「ハイパーグレネード」がついている。

フォアグリップを下げて、アタッチメントを銃口に装着。この状態でエネルギーカプセルを装填すれば、セット完了だ。
グレネードを装備してトリガーを引くと、通常とは違った、いかにも強力そうな「ガギューン!!」という発射音が鳴る。グレネードは1発しか発射できず、2回目にトリガーを引くと弾切れを示す警告音が鳴り、3回目以降は作動しなくなる。

 

「追加装備でパワーアップ」というのは遊びにバリエーションがついて楽しいものだ。前年に発売された「ダイナ」の「ガッツブラスター」が、数種のアタッチメントを付け替える事で様々な違ったタイプの光線を発射できる(違った音が出る)というものだったのだが、今回はそれを引き継ぎながらも「グレネード弾を発射」というリアルな範囲にとどまっている。意図的なものかどうかはわからないが、このあたりも「ガイア」の作品世界にマッチしているといえるだろう。

ただ、先端のグレネード弾を飛ばすギミックは無いのが少々気になる。
飛ばない事自体は別に嫌ではないのだが、撃ち終わった後にグレネードを付けたままエネルギーカプセルを交換すれば、また次弾が発射できてしまうのだ。
「グレネード」ではなく、10発分のエネルギーを一度に全部使い、強力なビームを発射するための「ブースター」とか「ハイパワーユニット」とか、そういう設定にしておいてくれれば良かったのに……と思う。
「オレ的設定でそう決めてしまう」のもいいのだが、アタッチメントにしっかり「HYPER GRENADE HG−7」って書いてあるもんだから、どうにも困ってしまう。

とはいえ、こういう付属品はとても楽しいし、音が切り替わるギミックも面白いので気に入っているのは確かだ。一回しか発射できないというコダワリも嬉しい。

 

その他、ガンベルトとホルスター、カプセルを収めるカプセルホルスターがついてくるのだが、さすがに大人が腰に巻くには少々サイズが小さすぎるようだ。ホルスターを腰に下げたかったら、残念ながらベルトは自作するしかない。

 

 

さらにちょっとオマケ

実際に劇中で使用されている銃や剣などの小道具は、普通は玩具とは別に作られるので、細かい部分が違っている事が多い。玩具では尖った部分が丸くなっていたり、剣などの刃が軟質素材で作られていたりする。だが、最も残念なのはサイズ自体が子供用に縮小されているものが多い事だ。

「ジェクターガン」はどちらかというと小ぶりだし、一見すると「また例によって子供向けサイズか」と思ってしまうが、実際はそうではない。
グリップを握るとわかるが、大人でも小指や薬指が下へはみ出したりせず、しっかり握る事が出来る。つまり、銃が小さいだけで、子供用に縮小されているわけではないのだ。

実は、この玩具は実際に「ウルトラマンガイア」の撮影にも小道具として使われているのだ。実際にはまるっきりそのままではなく、再塗装されたりしているのだが、それでも「劇中使用プロップとほぼ同じものが市販されている」という事実は、ファンにとっては大きな魅力だろう。

 

ヒーローが使う銃や剣、変身アイテムなどの玩具は、マニアの間では「なりきり系」などと呼ばれ、合体ロボットやメカニックに比べると、やや人気が低いようだ。
しかし、中には色々なギミックが仕込んであったり、精密に作られていたりして、遊んでいて楽しいものもある。
今まであまり興味の無かった人も、これからは棚を素通りする前に、たまにはちょっと手にとってみてはいかがだろうか。

 

 

戻る