超星神グランセイザー ナックルライザー

6種類のモードで鳴る!光る!!

 

 

ウルトラマンでも、仮面ライダーでもなく、戦隊でもない…新しい特撮ヒーローが誕生した!!
それも、テレビシリーズで…その名は「超星神グランセイザー」!!
等身大の特撮ヒーローというと、東映の製作で、バンダイから玩具が発売されるというのがお決まりのパターンなのだが、グランセイザーの場合、製作は東宝、メインスポンサーとして玩具を発売するのはなんとコナミということで、特撮ファン達は期待と不安の入り混じった、複雑な気持ちで注目している。
サイバーコップやガイファードなど、近年の東宝製作ヒーローは、一部の濃いファンには高く評価されたのだが、一般的な人気はあまりパッとせず、商業的に成功したとは言い難い。
コナミも、カードゲームなどでヒットを出していたりするから、玩具店とのつながりは浅くはないのだろうが、本格的なヒーロー玩具を発売するのは今回が初めてだ。
果たしてグランセイザーは、ライダーや戦隊と並ぶ人気作品となれるだろうか!?
そして玩具の出来映えは!?

 

 

ナックルライザーで「装着」せよ!!

グランセイザーの変身アイテム「ナックルライザー」は、手の甲に装備するというのがちょっと変わっていて面白い。
この作品には12人の戦士が登場するのだが、変身アイテムは全員共通らしい。
最近の戦隊ヒーローなんかと同じように、変身した後、ヒーローの姿の時にも、手の甲にこの「ナックルライザー」が付いている。個人的にはちょっとウレシイ。
本来の消費者である子供にとっても、変身ごっこだけの玩具より、その後ヒーローになりきって遊ぶ事もできるほうが絶対楽しいはずだ。

 


正面から見たところ。この突き出ている部分が作動スイッチだ!

 

外観は、なかなか悪くない。
デザイン的には、無難なスタイルという感じで、特に斬新とか独創的というわけではない。しかし、装備位置が他のヒーロー変身アイテムとちょっと違うので、その分、見た目が印象に残る。
パッと見た感じでは、身につけるアイテムにしては結構大きいような印象を受ける。だが、幅は広いけれども長さはそれほどでもないので、実際に装備してみると、見た目の印象ほどは気にならない。むしろ、最近の戦隊ブレスなんかの方がよほどジャマくさいかもしれない。手首ではなく手の甲につけるため、余計にそう感じる。

身につける時は、マジックテープ付きのナイロンベルトを使う。
長さは、大人の手にはやや短いように感じるが、これはまあ仕方がない。手で握りこむため、戦隊のブレス用ベルトと違って細いし、自前で代わりのベルトを用意するのも簡単だから、特に問題はないだろう。

どちらかというと、このベルトが見た目にショボくて、ちょっとカッコ悪いのが難点だ。
ブレス型だったら、こういうベルトもそれほど気にならないのだが、ナックルライザーの場合、理想としては手の甲に貼りついているような感じをイメージしているのだろうし、ベルトが見えると、どうしてもマヌケな感じがしてしまう。
ちゃんとしたグリップを自分で用意して、取りつけてしまうのもひとつの手だ。ドライバー用の皮グローブとか、あるいは手甲のようなものに着けても良いかもしれない。

このベルト、なぜか黒い色のものと赤い色のもの、二本が付属している。
説明書には、全く何の解説も無いので、なんで二本もあるのかよくわからないが、男性戦士用と女性戦士用で、好きなほうを選べという事なのだろうか。
親切なようではあるが、そんな事をするぐらいだったら、もう少ししっかりしたグリップをつけて欲しかったような気もする。

 


後ろから。電池蓋を止めるためのビスと、電源スイッチが見える

 

さて、それでは実際に遊んでみよう!
ナックルライザーの側面に付いている電源スイッチをオンにすると、「シュイーン!」という起動サウンドが鳴って、同時に中央の透明な円形部分が緑色に発光し、作動を開始する。

発光する円形部分の周囲には、金色をしたリング状の枠がついている。このベゼルには、六種類のシンボルマークが描かれており、それぞれがナックルライザーに秘められた能力を示しているのだ。
本体前部の金色パーツには、一段高くなっていていて、三角形のモールドが施された部分がある。ベゼルを回し、この三角モールドの部分に好きなマークを合わせることで、モード選択を行うのである。

金色のリングに、何やら意味ありげなシンボルが並んでいるところが、なんとなく星座の戦士であるグランセイザーらしい雰囲気を出しているように思う。
この配列にも何か意味があるのかもしれない、などと色々考えてしまった。

 


中央の円形部分と、それを囲むベゼル

 

ベゼルを手で回すと、1/6回転させる毎に「シュキン!」という選択サウンドが鳴り、円形部分が青く光るゾ!
この選択サウンドが、なかなか小気味良い音なのも、ちょっとナイスだ。

ベゼルに描かれたシンボルマークの中には、一段高くなっていて、目立つ形をしたものがひとつある。
これを頂点の三角モールド部分に合わせるように、ベゼルを回してセットすると、グランセイザーのスーツを「装着」するための、いわゆる変身用モードになる。
「装着」モードにセットしたら、ナックルライザー本体の、前に向かって突き出している部分を手で押し込もう!
変身サウンドが鳴る!中央の円形部分が光る!回る!!

 


フロントスイッチを押し込め! 光る!回る!!変身サウンドが鳴る!!

 

円形部分の内部には、赤と青と緑、全部で三個ものLEDが内蔵されている。
装着モードを作動させると、赤〜緑〜青の順に発光し、最後に赤の点滅発光でトドメを刺してくれる。
三色に発光するので、それだけでもかなり派手なのだが、LED自体の輝度が物凄く高いので、さらに派手に光って見える。
アバレンジャーのダイノブレスなどは、眼の部分がうっすら寂しく光るだけだったのだが、こちらは、それとは比べ物にならないくらい強烈に発光する。見ていると、眼がチカチカするほどだ。
もしかすると、バンダイ製品は安全性を考慮した自主規制で、あえて弱い発光にしているのかもしれない。そんな事を考えてしまうくらい、とにかく強く光る。
子供が遊んでいて気分を悪くしたら困るが、弱々しく光るより、バシッと強力に光ったほうが、やっぱり楽しい。

 

しかも、ただ光るだけならまだしも、「回る」までやってくれるのがさらにステキだ。
仮面ライダーの変身ベルトみたいに、LED自体が回転しながら光るわけではない。透明なシェルと発光するLEDとの間に、複眼状のモールドが施された透明な円盤が挿み込んであって、それが回転するのである。
回転ギミックも、モーターが仕込んである訳ではなくて、フロントスイッチを押し込む動作に連動しているだけだ。チープな玩具などでよくある単純な仕掛けである。

だが、単純ではあっても、極めて効果的だ。
はっきりいって、これがあるのとないのとでは全然違う。非常にナイスな、上手いギミックだ。

しかも、複眼状のモールドが施されている為に、円形部分全体が発光しているように見えるのもうれしい。
小さなLEDがポツンと一点で光るより、大きく広い範囲が全体的に発光するほうが、絶対に楽しい。

強烈な光度、三種の発光色、さらに回転!
最近の変身アイテムは、たいがい発光ギミックを備えているが、これほどインパクトのある発光を見せてくれるものは少ない。
仮面ライダークウガの変身ベルトなども、かなり豪華な光り具合だったが、それよりもずっと小さいサイズでありながら、それに迫るほどのカッコイイ光りっぷりが楽しめるというのが実に素晴らしい。腕につけるブレス系の変身アイテムでは、最高クラスの発光ギミックと言ってもいいだろう。

 


パッケージ写真のセイザータリアス。装着時の決めポーズだ!

 

もうひとつ、楽しいポイントは、その操作方法だろう。
小さなボタンではなく、大型のフロントスイッチをスライドさせる事でギミックが作動するというのがいい。

グランセイザーに「装着」する時の変身ポーズは、ナックルライザーを着けた左腕を大きく回して、最後に左拳に右の手のひらを乗せて決める、というものだ。玩具を左手に着けて同じようにポーズを決めれば、フロントスイッチが押されてギミックが作動するわけである。

最新科学が生み出したメカニック的なヒーローなら、ボタンやスイッチ類をあれこれ操作するほうがそれっぽく見える。だが、グランセイザーは「超古代の科学が生んだ星座のパワーの戦士」という、どちらかというと神秘的なイメージのヒーローだ。どちらかといえば、ポーズを決めて変身するほうが、やはり似合っている。
まあ、スイッチを操作している事には変わりはないわけだし、変身ポーズも玩具ギミックから逆算して決めたのだろうが、見た目にそれをあまり感じさせないのはうれしいポイントだ。やはり気分が違う。

また、戦隊のブレス玩具で遊んだ事のある人はわかると思うが、テレビの主人公達がやっているように、変身ポーズを決めながら小さなスイッチを操作するのは、意外に難しい。上手く押すことが出来ずに、全然違う部分を押さえてしまったりする事がよくある。
だが、ナックルライザーの場合は、スイッチ部分が大きいので、そんな心配は全く無用だ。複雑さがメカニックとしての魅力になる場合もあるが、操作しにくいものよりは、容易なもののほうが、やはりいい。

 


6つの機能を使いこなせ!!

 

ナックルライザーの機能はスーツの「装着」だけではない。ベゼルのシンボルマークは、装着モードを起点とした場合、そこから時計回りに「通信」、「セイザーギア装着」、「ダイブイン」、「超星神召喚」、「武器」の各モードを示している。ベゼルを回して、頂点に合わせるシンボルを変える事で、さまざまな能力を発揮するのだ。
玩具では、モードを切り替える事で、フロントスイッチを押し込んだ時のサウンドや透明な円形部の発光パターンが変化する。

仲間と連絡をとる「通信」モードでは、通信コールサウンドが鳴って、緑のLEDが点滅発光する。

超星神と呼ばれる巨大ロボに自分の手持ち武器を装着してパワーアップさせる「セイザーギア装着」モードでは、「ガシーン!」という合体サウンドが鳴って、赤、緑、青の順にLEDが激しく明滅する。三つの色が混ざって、六つのモードのなかで一番派手に見える。これを変身モードにしておいても良かったのでは?

超星神に乗り込む「ダイブイン」モードでは、「ギュルルルルーン!」という吸いこまれるような音が鳴る、青のLEDが点滅し、やがて点滅が早くなって最後に赤の点滅に切り替わる。

巨大ロボットを呼び出す「超星神」モードでは、「ヒュイーン……グオォォォーッ!!」という飛行音らしき音が鳴り、赤と青のLEDが交互に点滅する。

グランセイザーが自分専用の武器を出現させる「武器」モードでは、「ズバンッ!」という出現サウンドが鳴り、赤のLEDが点滅して最後に緑の点滅に切り替わる。

 

戦隊ヒーローのブレス玩具なども、近年では数種のサウンドが鳴るようになっているが、たいていは3〜4パターン程度である。
アバレブラックの「ダイノマインダー」が、変身サウンドと通信コールサウンド、それからダイノプレートの交換によって五種の召喚サウンドを内蔵していて多彩だったが、これはどちらかというと珍しい部類にはいる。
それに、価格も通常のブレスよりやや高かった。大型のダイキャスト製キーが付属していたから、というのもあるだろうが、いずれにせよ別売り商品のパーツを装着しないと召喚サウンドは楽しめないわけだし、全部のギミックを楽しもうと思ったら、結構な出費を覚悟する必要がある。

それに比べると、ナックルライザーの場合は、通常のブレス玩具と同じ価格帯でありながら、別売りパーツなどを必要とせず、単体で6パターンのサウンドが楽しめる。
これは、かなり頑張っていると思う。
各モードに、ちゃんと意味があるのもいい。玩具オリジナルの、何だかよくわからないモードがたくさんあっても、あまり面白くないものだ。
意味があるからこそ、次はコレ!今度はコレだ!!といった具合に切り替えて楽しむことができるのだ。
また、テキトーなサウンドに、テキトーな意味を割り振っているわけではなくて、召喚音には飛んでくる音、武器装着には合体音といった具合に、しっかり合わせてあるのも好感が持てる。

欲を言えば、ナックル形をしていて、しかも前に突き出たスイッチを押しこむ事で作動するのだから、できればパンチサウンドもいれておいて欲しかった。
手に付けて殴れば、スイッチが押されて、必殺パンチの音が出る!というギミックがあれば、きっと楽しかったはずだ。
まあ、作った人も、間違いなく同じ事を考えただろうし、殴るほうも殴られるほうも危険だから、子供の安全性を考えて、あえて外したのだろうとは思うが。それでもやはり、ちょっと残念な気がする。

 

電源を入れたまま放置しておくと、一定時間毎に緑のLEDが発光して、起動サウンドと同じ「シュイーン!」というサウンドが鳴る。電源の切り忘れを防止する為だ。個人的にはこれがあまり好きではない。うっとおしいからだ。
いくつかのバンダイ製品では、神秘の力を感じさせるようなアイテムでも、全くお構いなしに「ピコーン!…ピコーン!」という電子的な音が鳴って、気分を台無しにしてくれたりする。最近は、多少気をつかうようになってきたようだが…。

ナックルライザーの場合は、お知らせ音に起動時のサウンドを使用する事で、うっとおしいながらも、気分を壊したりはしないようになっている。
単に余分なサウンドを内蔵するのを避けただけなのかもしれないが、ヘンテコな音が鳴ってイヤな気分になるよりは、ずっといい。

 

 


メインの主人公キャラ、セイザータリアスのエンブレムだ!

 

それから、ナックルライザー本体の他に、セイザータリアスのエンブレムバッジがついている。裏側のクリップで、胸ポケットなどにつけることが出来る。
たいしたものではないが、まあ、何もないよりは、なにかオマケがあったほうがうれしいものだ。戦隊ヒーローの武器玩具なんかにも、こういうバッジがついていることはよくある。
大人の玩具ファンとしては、こんなのつけなくていいから、本体の外観や機能を充実させて欲しいと思う時もあるが、子供は結構こういうものが好きだったりするのも確かだ。それに、パッケージ上でも目立っているし、店頭でアピールするためにも、これはこれでいいのかも知れない。

 


セイザータリアスが目立つパッケージ

 

 

コナミといえば、コンピュータゲームのメーカーというイメージが強い。実際、本格的なヒーロー玩具の発売は今回が初めてという事もあるし、正直に言って玩具の出来映えにはそれほど期待はしていなかった。
しかし、実際に実物を手にして遊んでみると、予想を大幅に上回る、実に楽しい変身アイテムだったので、ビックリしてしまった。
最初に電池を入れて作動させた時、おもわず「おおっ!?」という声をあげてしまったほどだ。

レッド、ブルー、グリーン、三色のLEDが驚くほど強烈な輝きを放つライトギミック!!
ベゼルを回す事で発光パターンと共に切り替わる6種類ものサウンドギミック!!
スイッチを押し込むと、大きく丸い透明パーツが回転するアクションギミック!!

気になる点もいくつかあるが、価格やサイズの事を考えれば、全然OKである。
特に発光に関しては、近年の戦隊変身アイテムには見られなかった、強烈で派手な輝きが非常に魅力的だ。

光って鳴る玩具が好きな人には、絶対オススメの実に素晴らしい逸品だ!!
君もこれでグランセイザーになろう!!

 

 

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