未来戦隊タイムレンジャー クロノチェンジャー

未来をつかめ!

 

 

 

「未来戦隊 タイムレンジャー」の変身アイテムは「クロノチェンジャー」だ。

「タイムレンジャー」は、30世紀の未来からやってきたヒーローだ。時間を超えて現代へ逃げ込んだ犯罪者を捕まえる為に活躍する。変身アイテムも、いかにも未来っぽい感じの曲線を基調としたデザインで、色もシンプルなシルバーだ。ごちゃごちゃしたディテールを廃した事で、かえって現代とは比べ物にならない1000年先の超越技術が使われているようにみえて、なかなかよろしい。
おなじみのブレスレット型だが、ベルト部分までシルバーなのがなかなか細かい。

ポイントは、主人公たちがタイムレンジャーに変身した後にも、腕にちゃんとこの「クロノチェンジャー」が付いているところだ。やはり、変身後にもちゃんとアイテムがついているほうが、なりきり度も高くなってよろしい。
しかも、ただ付いているだけではなくて、武器を呼び出したり、通信したりと実際に使うシーンがあるのがイイカンジである。
このクロノチェンジャーは超小型の時空ゲートになっていて、別の時空に収納してある武器をここから取り出したりできる、という設定なのだ。わしは、「カットが切り替わるといつのまにか武器を持っている」という特撮ヒーローのお約束がキライだったので、タイムレンジャー達がブレスレットから武器を取り出すシーンは、すごく気に入っている。

さらに、戦隊ヒーローにしては珍しく、変身前にもクロノチェンジャーを常に身につけているところが嬉しいところである。
ばかでかいブレスレットは邪魔だし、今までは変身する時や通信する時にだけに見せる事が多かったのだが、タイムレンジャーの5人はふだんの仕事の時にもバーベキューで遊ぶ時にも、ちゃんとこれを装着しているのだ。
細かいことを言うようだが、こういう心配りが画面に説得力を与え、アイテムを魅力的に見せるものなのである。

 

中央のドーム部分には時計をイメージした12個のLEDがぐるりと楕円を描くように並んでいて、12時、3時、6時、9時にあたる部分には赤いLEDが、そのほかの部分には緑のLEDがつかわれている。
電源を入れると、ビョビョビョビョビョ!!という起動音が鳴って作動を開始する。
通常は、12個のLEDのひとつが発光していて、それが1秒ごとに時計回りに隣へ移動する。12秒で一周し、12時のところが光る時、「ピッ」という音が鳴って、電源が入っている事を知らせてくれる。

最近の光って鳴る玩具は、この「電源切り忘れ防止のお知らせ音」が鳴るようになっている物が多い。わしは正直いって、これがうっとおしいので大嫌いなのだが、この「クロノチェンジャー」の場合は一応意味があるので「許してやろうかな」という気になったりする。

 

 

赤いLEDは「タイムポイント」と呼ばれる。毎秒ひとつづつ移動する光がこの「タイムポイント」に来た時、「アクションスイッチ」(中央の大きいボタン)を押すことで、クロノチェンジャーに秘められた能力を開放することが出来るのだ。

アクションスイッチの左右についているボタンは、光点を自由に移動させるスイッチとなっている。
光点がタイムポイントに来るのを待たなくても、左右に移動させて好きな位置へもってくることが出来る。

 

12時のタイムポイントは強化スーツを着用する、変身ポイントだ。
この位置に来た時にアクションスイッチを押すと、ヴォォォォ…ビビビビビビ…パキュイーン!!というカッコイイ変身サウンドが鳴り響く!
また、このとき12個のLEDが独特のパターンで発光する。

3時のタイムポイントは、別の時空に収納してある武器を呼び出すためのゲートを作動させる。
9時のタイムポイントは、他のクロノチェンジャーへ通信を送るためのコールシグナルだ。
それぞれ、独特の発光パターンと共に、違った音を発する。

6時のタイムポイントは、光を追う「シグナルチェイス」というゲームを楽しむ事が出来る。
これは本編には登場しないだろうが、こういう遊びの要素もあったほうが楽しいのは確かだろう。

 

「時間」という抽象的な概念を「時計」という身近にあるものでわかりやすく表現したところは、なかなか上手いと思う。
移動する光を追ってタイミングよくボタンを押す時も、光を自由に操っている時も、「時間」に支配されたり、逆に支配したりしているような気分が味わえるという、いかにも時間テーマの作品らしい、まさに「タイムレンジャー」にふさわしいアイテムだといえるだろう。……ちょっといいすぎかな。

 

 

 

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