退院したのですが、朝起きられずに困っています。何かいい方法はありませんか。
人間には「生体リズム」というものがあり、通常、夜間眠って日中覚醒しておくようにセットされています。それに逆らって生活することは、身体的にも精神的にもかなり負担がかかることになります。健康な人にとっても夜勤をしたり徹夜で遊ぶことは負担になります。規則正しい生活はとても重要です。生体リズムに逆らう生活は、精神科の病を持っておられる方にとっては、健康な方以上に無理がかかります。そして、病状の悪化につながることがあります。
ところで、「朝起きにくい」という訴えはよく聞きます。朝、起きることは大切です。朝、起きる生活を続けていると夜間もよく眠れるようになります。
朝、起きれない場合は、人に起こしてもらう、目覚し時計を使うなどの他に、いったん覚醒したら、たとえばすぐ顔を洗うとか、新聞を取りに行くとか、カーテンを開けるなど何か行動を起こすことです。目覚し時計を使う時にも、2個以上準備する、それも時間を少しずつずらせてセットしておく、また、起き上がって少し動かないといけない場所に時計を置いておくなどの工夫があげられます。
お薬を飲んでいる場合は、ぴったりと合っているかどうかが問題になります。鎮静系のお薬が効きすぎている場合は、朝起きれない場合があります。
ただ注意したいのは、病気の治療経過上、一時的に眠りすぎるくらい十分眠ることが必要な時期があります。とりあえず、担当医に相談してください。ひょっとしたら「今は、そんなに早く起きれなくていいよ」と言われることがあるかもしれません。病状が改善するに従って、自然に起きれるようになる場合があります。
また、通常、朝起きれなくても、その日に何か楽しいことが予定されている場合は起きれたりします。つまり、毎日が楽しく充実していれば朝起きれます。すなわち、朝起きれる起きれないは、心理的な面も大きく影響していると思います。
さらに、低血圧の人は朝が苦手です。こういった場合、血圧をコントロールするお薬を飲むことで起きやすくなる場合があります。